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研究環境基盤部会 共同利用・共同研究拠点及び国際共同利用・共同研究拠点に関する作業部会(第10期)(第1回) 議事録

1.日時

令和元年5月20日(月曜日)10時~12時

2.場所

文部科学省15F1会議室(東館15階)

3.議題

  1. 議事運営等について【非公開】
  2. 今後の共同利用・共同研究拠点の在り方について
  3. その他

4.出席者

委員

八田主査、安達委員、井上委員、加藤委員、小長谷委員、小林委員、竹田委員、田島委員、鍋倉委員、松沢委員、観山委員、村上委員、龍委員

文部科学省

西井学術機関課長、降旗学術研究調整官、小林学術機関課課長補佐、二瓶学術機関課連携推進専門官、吉居学術機関課課長補佐 他関係者

5.議事録

※議題1については非公開


【八田主査】よろしいでしょうか。 それでは,改めまして,第10期共同利用・共同研究拠点及び国際共同利用・共同研究拠点に関する作業部会の第1回目の開催に当たり,主査として一言御挨拶を申し上げたいと思います。  

 私,主査を仰せつかりました八田でございます。第10期科学技術・学術審議会学術分科会研究環境基盤部会共同利用・共同研究拠点及び国際共同利用・共同研究拠点に関する作業部会の開始に当たり,一言御挨拶を申し上げたいと思います。  

 近年は,個々の大学の枠を越えて最先端の学術研究を研究者の知を結集して共同で推進する共同利用・共同研究拠点は,我が国の学術研究の基盤として極めて重要であると考えられています。今期のこの本作業部会においては,国立大学の第4期中期目標期間,これが2022年度から2028年度でございます。これに向けた拠点制度の改善方策の検討や,第3期中期目標期間における拠点の期末評価の実施方針について検討することが大きな役割だと考えております。  

 主査として,委員の皆様方の御協力を得つつ,共同利用・共同研究拠点の一層の充実のため,精いっぱい努力をしてまいりたいと存じますので,どうぞよろしくお願いいたします。  続きまして,事務局から御挨拶を頂きたいと思います。西井学術機関課長,お願いいたします。

【西井学術機関課長】  それでは,初回でございますので,僭越でございますが,ただいま御紹介いただきました文部科学省の学術機関課長をしてございます西井でございますけれども,一言御挨拶を申し上げます。  

 まずは委員の先生方におかれましては,御多忙のところ,作業部会の委員を快くお引き受けいただきまして,まことにありがとうございます。  

 この作業部会は,先ほど来から御紹介させていただいてございますように,共同利用・共同研究拠点の整備でありますとか,評価,あるいは今後の共同利用・共同研究体制の在り方に関連いたしまして,専門的な見地から御審議いただくものでございます。  

 この拠点の制度につきましては,歴史ある国立大学の附置研究所を出発点といたしまして,文部科学大臣が平成20年度からでございますが,国・公・私立を越えた枠組みという形で共通のシステムといたしまして拠点として認定をさせていただき,個々の大学の枠を越えた共同設備,資料,データ等を全国の研究者の方々が共同で活用し,研究を行うという,そういう体制を整備することを目的とするものでございます。  

 この制度は発足後,発展してまいりまして,現在では109の拠点が国公私立大学を通じて認定されるに至っており,それぞれの拠点におきましては様々な多様な取組が進められて,共同利用・共同研究に御貢献いただいているというふうに認識をしているところでございます。  

 一方で,御案内のとおり,この拠点制度にとどまるものではございませんが,我が国の研究力につきましては近年国際的な水準から若干相対的に低迷しているということも指摘されているところでございまして,今後の我が国の発展を持続させていく上で,こうした共同利用・共同研究体制,あるいは共同利用・共同研究拠点の制度の充実というものが非常に重要になってまいるわけでございます。  

 このような観点から,文部科学省におきましては本年の4月,先頃でございますが,研究力向上改革2019をまとめさせていただきまして,研究力向上に資する基盤的な力のさらなる強化ということで,この拠点の強化・充実につきましても盛り込ませていただいているところでございます。  

 この作業部会におきましては,こうした動向も踏まえまして,国立大学につきましては第4期の中期目標期間がいよいよ2022年度から開始されるということで,3年間ということでございます。一方で,公私立大学で特色ある発展を続けていただいてございます特色の拠点の方もいろいろと課題が浮かび上がっているところでございまして,こちらにつきましては,先ほど設置を御承認いただきました専門委員会の方できょうの午後御審議を頂くこととなっているところでございます。  

 委員の皆様方におかれましては,多大なる御負担をお掛けするところでございますが,大所高所から御指導・御鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして,簡単ではございますけれども,私からの挨拶とさせていただきます。  

 どうぞよろしくお願い申し上げます。

【八田主査】  ありがとうございました。  

 今回は第10期の最初の会議でございますので,まずは共同利用・共同研究拠点制度の現状について,事務局から説明を賜りたいと思います。

【吉居学術機関課課長補佐】  御説明いたします。資料の御説明をする前に,きょうの意見交換のために御発表いただくために,2つの拠点から御出席いただいておりますので,先生方のお名前と御所属だけ,私の方から御紹介をさせていただきたいと思います。  

 まず,向こう側に座っていらっしゃる物質・デバイス領域共同研究拠点から御出席いただいております中垣俊之北海道大学電子科学研究所・所長でいらっしゃいます。

【物質・デバイス領域共同研究拠点】  よろしくお願いします。

【吉居学術機関課課長補佐】  続きまして,垣花眞人東北大学多元物質科学研究所・教授でいらっしゃいます。

【物質・デバイス領域共同研究拠点】  よろしくお願いします。

【吉居学術機関課課長補佐】  久堀徹東京工業大学化学生命科学研究所・所長でいらっしゃいます。

【物質・デバイス領域共同研究拠点】  よろしくお願いします。

【吉居学術機関課課長補佐】  菅沼克昭大阪大学産業科学研究所・所長でいらっしゃいます。

【物質・デバイス領域共同研究拠点】  よろしくお願いします。

【吉居学術機関課課長補佐】  林潤一郎九州大学先導物質化学研究所・所長でいらっしゃいます。

【物質・デバイス領域共同研究拠点】  よろしくお願いします。

【吉居学術機関課課長補佐】  続きまして,東京大学物性研究所,森初果物性研究所・所長でございます。

【東京大学物性研究所】  どうぞよろしくお願いいたします。

【吉居学術機関課課長補佐】  金道浩一物性研究所・教授でいらっしゃいます。

【東京大学物性研究所】  よろしくお願いします。

【吉居学術機関課課長補佐】  鈴木博之物性研究所・高度学術専門職員でいらっしゃいます。

【東京大学物性研究所】  よろしくお願いします。

【吉居学術機関課課長補佐】  どうぞ,きょうはよろしくお願いいたします。  

 それでは,続きまして資料3の御説明をさせていただきたいと思います。資料3の「共同利用・共同研究体制の現状について」という資料をおめくりいただければと思います。  内容につきましては御存じの先生もいらっしゃるかと思いますが,第1回というところで基本的なところから御説明をさせていただきたいと思います。  

 まず2ページ,「国公私立大学を通じた共同利用・共同研究拠点制度について」という資料でございます。創設の趣旨,丸の1つ目でございますが,「個々の大学の枠を越えて,大型の研究設備や大量の資料・データ等を全国の研究者が共同利用し,共同研究を行う『共同利用・共同研究』のシステムは,我が国の学術研究の発展にこれまで大きく貢献」してまいりました。  

 「こうした共同利用・共同研究は,従来,国立大学の全国共同利用型の附置研究所や研究センター,大学共同利用機関等を中心に推進」されてまいりましたが,「我が国全体の学術研究の更なる発展を図るには,国公私立大学を問わず大学の研究ポテンシャルを活用して,研究者が共同で研究を行う体制を整備することが重要」でございます。  「このため,平成20年7月に国公私立大学を通じたシステム」としまして,「文部科学大臣による共同利用・共同研究拠点の認定制度を創設」いたしました。  

 この共同利用・共同研究拠点の形態につきましては,その資料の右下に類型というのがございますが,基本的には3つございまして,まず単独拠点という研究所単体で認定を受けるパターンと,それから中ほどのネットワーク型拠点という認定を受けている拠点同士がネットワークを組むと,もう1つは右側の連携ネットワーク型拠点と申しまして,認定を受けているA大学の研究所と認定されていないB機構の研究センターですとか,あるいは民間企業,大学共同利用機関といった研究所とネットワークを組むという,この3パターンの類型がございます。  

 それでは,次のページをおめくりください。3ページでございます。制度創設後の流れでございます。中央に大きい矢印がございますが,その一番左下,2008年(平成20年)に共同利用・共同研究拠点制度が創設されまして,2017年には「連携施設」のネットワーク化の導入をいたしました。それから中間評価の改善をいたしまして,昨年,2018年度には国際共同利用・共同研究拠点を認定する仕組みを立ち上げまして,特に国際的なレベルの研究を推進している拠点を国際共同利用・共同研究拠点として認定するということを始めております。  それから今後でございますが,共同利用・共同研究拠点の一層の可視化と充実ということで,ネットワーク化の加速ですとか,ガバナンスの向上,評価制度の改善などを図りまして,その役割の重要性を可視化し,充実することが必要とされてございます。  

 次のページにまいります。4ページで,詳細の説明は省きますが,今ほど申しました国際共同利用・共同研究拠点の概要が示してございます。  次の5ページでございます。棒グラフが並んでおりますが,これまで認定しました共同利用・共同研究拠点の数の推移でございます。一番左側が平成20年度,第1期国立大学の中期目標期間の終盤に本制度が立ち上がりまして,第2期の平成22年度から本格的な運用とされてございます。真ん中の高い青い棒グラフが国立大学でございまして,大体70拠点台で現在まで推移をしているというところでございます。それから緑色が私立大学の拠点数でございまして,現在20,それから赤が公立大学でございまして,現在9拠点が認定を受けております。  

 次の6ページにまいりまして,日本地図がかいてございますが,これが現在認定を受けております拠点の一覧でございます。左上に国立大学27大学73拠点がございまして,その中に青字で東北大学の金属材料研究所,東京大学医科学研究所,宇宙線研究所,京都大学化学研究所,数理解析研究所,大阪大学核物理研究センター,この6つが国際共同利用・共同研究拠点として認定されているものでございます。それから左下に私立大学の18大学20拠点,中央右側に公立大学の6大学9拠点,そして右側にネットワーク拠点でございますが,16大学の6ネットワーク型拠点24研究機関が記されてございます。  

 右下に小さい表がございますが,合計しますと108の拠点が認定され,現在活動を続けているということでございます。  

 それでは,続きまして7ページを御覧ください。こちらも詳細の説明は省略しますが,公私立大学の拠点を支援する特色ある共同研究拠点整備における推進事業の概要を示してございます。  

 それでは,続きまして8ページを御覧ください。8ページは,共同利用・共同研究における研究施設・設備の例ということで,6つの拠点の例を挙げてございます。例えば左上の東京大学・物性研究所では,超強磁場発生装置という大型設備を通じて共同利用・共同研究をされているのに対しまして,左下の北海道大学の低温科学研究所では,南極で採取してこられました氷を用いまして共同利用・共同研究を進められているということで,それぞれ非常に特徴的な共同利用・共同研究を進めておられるという1例でございます。  

 次の9ページをおめくりください。共同利用・共同研究における論文生産の状況というものをまとめた資料でございます。上部の四角の中でございますが,「共同利用・共同研究拠点の資源等を活用した論文数は,日本全体の論文生産が低迷する中で,著しく伸びている(5年間で52%増)。」という状況でございます。右側の棒グラフを見ていただきますと,平成22年から平成27年にかけて非常に伸びているということを示すものでございます。  

 それでは,続きまして10ページをおめくりください。昨年度行いました国立大学の共同利用・共同研究拠点の中間評価の結果でございます。拠点としての認定期間は中期目標期間に合わせまして6年間となっておりまして,3年目に中間評価,6年目に期末評価を行うこととなっております。  

 現在の第3期中期目標期間におきましては,昨年6つの専門委員会を設けまして中間評価を実施したところでございます。右側に表がございますが,そこに縦に「S」・「A」・「B」・「C」と並んでおります。「S」・「A」・「B」・「C」の4段階評価といたしまして,「S」がおおむね全体の20%,「A」が50%,「B」と「C」で30%となるように相対評価を行いまして,結果,表の左側の方に並んでいる数字ですが,S評価が11拠点で14%,A評価が45拠点で58%,B評価が21拠点で27%でございます。A評価が基準でございます。このような評価結果となってございます。  

 それから11ページを御覧ください。複数の大学研究所が協力して行うネットワーク型拠点の例ということで,本日いらしていただいております物質・デバイス領域共同研究拠点の紹介を載せております。北海道大学,東北大学,東京工業大学,大阪大学,九州大学の各研究所から構成される拠点でございます。内容につきましては,後ほど御発表でお願いしたいと思います。  

 それでは,続きまして12ページを御覧ください。12ページは,親会議の研究環境基盤部会で昨年まとめられました次期の「第4期中期目標期間における大学共同利用機関の在り方について」という報告書の概要でございます。中核的な学術研究拠点でもあります大学共同利用機関が基礎科学力を牽引し,社会的課題の解決に貢献できるよう,その在り方を審議したものでございますが,その中に拠点のことも少し出てまいります。  

 下段にございます赤枠で囲んでいる中でございますが,関係機関との連携におきまして拠点が記されております。丸の1つ目,「大学共同利用機関が中核を担う分野では,大学共同利用機関が中心となり,大学の共同利用・共同研究拠点等とのネットワークを構築し,スケールメリットを生かした研究基盤を実現」,それから3つ目,「大学共同利用機関と大学共同利用・共同研究拠点それぞれの特色・強みを生かすため,両者の間の移行に向けたプロセスを明確化」というふうに記されております。  

 それでは,次の13ページにまいります。棒グラフが並んでおりますが,研究分野と共同利用・共同研究拠点の分布を示した図でございます。下段の横軸に並んでいる分野が科研費の審査区分を利用しまして,左側,1番の「思想・芸術」から,一番右側の90番「人間医工学」まで分野を示しまして,各棒グラフの高さがその分野の大学共同利用機関と共同利用・共同研究拠点を足した数を表してございます。最も棒グラフが高いのは43番の「分子レベルから細胞レベルの生物学」でございまして,緑の大学共同利用機関が5機関,茶色の公私立大学が3拠点,青の国立大学が20拠点,計28拠点がその分野にあるということを示しております。なお,1拠点で複数の分野にまたがるという場合は複数で研究所をカウントしておりますので,御留意いただければと思います。  

 その次の資料は,今ほどの棒グラフのバックデータでございますが,資料が非常に細かいので机上資料にA3で別に抜いておりますので,よろしければ御覧ください。今ほど申しました1つの拠点がどれだけ複数の分野にまたがっているかということを示したものでございまして,一番上段には京都大学の人文科学研究所がございますが,その右側に丸が幾つも付いてございますが,人文科学研究所が御自身で自分の研究所はこの分野とこの分野に関係しているということを丸を付けていただいたものでございます。これを集計したのが先ほどの細かい棒グラフとなってございます。  

 それでは最後のページでございますが,15ページを御覧ください。15ページは,この作業部会の審議のスケジュールをイメージとしましてまとめたものでございます。2018年度にオレンジ色の中に赤字で「中間評価」と書いてございますが,去年中間評価を実施しまして,2019年度から2020年度にかけましては,本作業部会において,第4期に向けた改善方策と第3期の期末評価の実施方針について検討いただきたいと思います。来年度の終わり頃,水色のところでございますが,各拠点は期末評価調書を作成しまして,再来年度に入ってから期末評価を実施する予定でございます。  また,下段の方に「新規認定に係るスケジュール」も書いてございますが,第4期の2022年度のスタートに向けまして,2020年度の後半から公募,2021年度の8月までには新規認定をする予定となっているところでございます。  

 従いまして,本作業部会は先生方の委員の任期は2年でございますが,この2年間は主に中央の2019年度から2020年度の薄いオレンジ色の部分,第4期に向けた制度の改善について,それから拠点期末評価実施方針について御議論いただくというような運びとなってございます。  
 駆け足でございましたが,私からの説明は以上でございます。

【八田主査】  ありがとうございました。今,資料3に基づいて御説明を賜りました。どうぞ,ただいまの説明に関して御質問がございましたら,自由に発言をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。  

 何かございませんでしょうか。はい,小長谷委員。

【小長谷委員】  最後にお示しいただきましたスケジュールですが,そういたしますと,各拠点は評価調書を作成すると同時に公募の書類も作成するということになりますでしょうか。そのあたりを教えていただきたいのですが。

【吉居学術機関課課長補佐】  同時ということでもありませんが,大体時期的に2020年度の後半に始めるということで,そこのところは少しやり方を考えまして,余り大学並びにこの作業部会の先生方の負担が重ならないように工夫はしたいと思います。大体めどとしてこの頃ということでございます。

【小長谷委員】  はい,分かりました。

【八田主査】  よろしいでしょうか。

【小長谷委員】  はい。

【八田主査】  ほかにいかがでしょうか。どうぞ御自由に御発言をお願いします。よろしいでしょうか。  

それでは続きまして,今期の本作業部会における主な調査審議事項(案)について,事務局から説明をお願いいたします。

【吉居学術機関課課長補佐】  御説明いたします。資料の4を御覧ください。今ほどスケジュールでも少し申しました今期2年間の主な審議内容でございます。1つ目が,第4期中期目標期間に向けた拠点制度の改善方策の検討ということでございます。論点例としましては,拠点間や他の研究所(大学共同利用期間を含む)等との連携による「ネットワーク化」を図るための改善方策,これにつきましては,本日御発表いただきまして,意見交換を実施したいと思います。  ネットワーク化につきまして,検討の観点としましては,そこの大きい括弧でくくってございますが,共同利用・共同研究による異分野融合等の促進,学生や若手研究者の交流の活性化による人材育成機能の強化,スケールメリットを生かした柔軟な資源配分,施設・設備の効率的な整備・運用,共同利用の際しての手続の一元化等,個々の拠点では実現できない研究基盤の構築などを例示として挙げてございます。  

 それから,国際共同利用・共同研究拠点制度の改善方策,それから認定基準の改善・明確化(大学における研究施設の取扱い,地域や産業界との連携,人材育成等)でございます。それから新規認定の規模や分野の考え方などでございます。  

 それからもう1つの大きな柱でございますが,第3期中期目標期間における期末評価の実施方針の検討といたしまして,論点例でございますが,中間評価において課題となった事項についての検討,例えば評価のプロセス,評価の観点,評価区分ごとに一定の割合を設ける相対評価の実施などについて御審議を頂きたいと思います。それから拠点活動の活性化を促すための評価及び予算配分への反映の在り方などにつきまして,御意見を頂きたいと思います。  事務局からは以上でございます。

【八田主査】  ただいまの資料4に関しての説明はいかがでしょうか。何か御意見あるいは御質問はございませんでしょうか。御自由にお願いします。観山委員,どうぞ。    

【観山委員】  今期の審議事項として、非常に適切な事項を挙げられていると思います。  

 その中で二、三、後でネットワークについてはもう1つ意見がありますが、それ以外の点で2つ。先ほどの「S」・「A」・「B」・「C」の中間評価がありまして、適切に評価されたと思いますが、今度、最終評価に行くわけですけれども、いろいろなところから中間評価に関する意見を聞いております。始まったときには絶対評価でしたので、ほとんどがSとか、Aとかいうところであって、今回は相対評価でしたのでBというクラスができたわけです。当然ながらBと付けられたところは、どうしてなんだという質問が私にも直接ありました。もちろん評価の項目はいろいろあって、それで総合的に評価したわけですが、1つ懸念が残ったのは、非常に大規模な研究所とそれ以外の中規模・小規模の研究所が実際にあるわけで、それをどういう観点で比較されたのかということを随分質問されました。最終評価に当たっては、やはりもう少し、割と分野が近いとはいえ、活動の規模みたいなものの大小がある場合に、どういう観点をしっかりと見るのだということをあらかじめ示してあげない困惑が残ります。絶対評価から相対評価に変わったという点は、資源の問題もありますのでしようがないところがあったのですが、やはりそこら辺を少し示してあげないと、なかなか理解をしっかりといただくためには、そういうことも必要かなと思います。  

 それからもう1つ、これも今年度から始まっている国際共同利用・共同研究拠点の制度の改善の方策ということで、実は先週、宇宙線研究所の外部評価に参加しておりまして、所長からもこの点が採択されたのだということを御報告いただきました。今後どういう観点で成果を見るかということも少ししっかりとまとめておかないといけないと思います。配分された資源もそんなに大きいわけではなかったわけですが、今、日本の研究成果のサイテーションという面で、レベルが落ちているという観点で、やはり国際連携とか、国際共同研究をすることによってサイテーションを上げる効果があると思います。この面からも国際共共拠点が、どういう形で成果を見ていくのかというのをしっかりとまとめておく必要があります。その点、2点、今期の議論の中でしっかりと議論していければと思っております。

【八田主査】  ありがとうございました。何か事務局からありますか。

【吉居学術機関課課長補佐】  ありがとうございました。参考にさせていただきます。

【八田主査】  どうぞ,ほかの委員の方々,御質問,あるいは御意見を賜りたいと思います。いかがでしょうか。はい,龍委員,どうぞ。

【龍委員】  これからの拠点制度の改善方策というところで,先ほどの資料3のときに質問すればよかったかもしれないのですが,12ページの赤枠で囲んである関係機関との連携というところの中の,大学共同利用機関と大学共同利用・共同研究拠点とのそれぞれの特色・強みを生かすため,両者の間の移行に向けたプロセスを明確化と,「両者の間の移行に向けた」という言葉がございますが,今後のネットワーク化を改善する,更に進める,あるいは再構築するということで,この移行に向けたプロセスという,この具体的なイメージといいますか,内容といいますか,それを教えていただければと思うのですが。

【西井学術機関課長】  すみません。これは概要でございますので,わかりにくくなっているところでございますが,これは表題にもございますように,昨年の12月に基盤部会,親会議の方でおまとめいただいた今後の大学共同利用機関の在り方についてという内容でございまして,共同利用機関の改革を進めるに際しまして,いずれも共同利用・共同研究体制の一翼を担う仕組みということで,1つはいわゆる大学に附置されております研究所・研究施設という,大学共同利用機関は特定の大学に附置されていない,ある種独立したものであると,そういった両者の性格も踏まえまして,大学共同利用機関側からの改革の在り方といたしまして,そうした共同利用・共同研究体制をより効果的に実施していく上で,例えば大学共同利用機関でやったものが共同利用拠点に移行する,逆に共同利用拠点でやったものが大学共同利用機関に移行すると,従来こういった形で発展したきたものでございますが,昨今は非常にいろいろ制度的な,あるいは実態としての制約もある中で,その動きがなかなか進んでいないということで,こういった中で,この審議のまとめの中では,よりこういった動きを進めることを要請が高まるのであれば,そうしたことを踏まえまして,スーパー制度として具体的にどういった形でその手続を進めていけばいいかということについても検討していくべきであろうと,そういうような御指摘を頂いた,そういう内容でございます。

【龍委員】  ありがとうございます。

【八田主査】  いかがでしょうか。ほかに何かございませんでしょうか。よろしいでしょうか。  

 ありがとうございました。それでは,ただいま頂きました御意見も踏まえて,今期は審議を進めていきたいと思います。  

 続きまして,調査審議事項の1つでございます拠点間や研究所,研究センター等との連携を促すためのネットワーク化を進めるための改善方策に関連して,本日は2つの共同利用・共同研究拠点に御出席いただいています。本当に御出席ありがとうございます。  

 ネットワーク型の拠点である物質・デバイス領域共同研究拠点と,他の研究所と連携してプロジェクトを進めている単独拠点である東京大学物性研究所から,それぞれ20分程度御説明を頂き,その後にまとめて意見交換を行いたいと思います。  

 まずは物質・デバイス領域共同研究拠点から,御説明をお願いします。


【物質・デバイス領域共同研究拠点】  私は改めて,阪大・産研の菅沼です。拠点の副本部長を務めております。本部長は多元研の村松先生ですが,本日,海外出張で留守ですので,私が代わりにまいりました。おかげさまで,大変成果を上げさせていただいています。当初は我々もどういうふうに取り組むかと大変悩みながら始めたネットワーク形成が,2期になって実ってまいりました。その内容について,拠点本部から垣花専門委員会委員長から紹介させていただきたいと思いますので,よろしくお願いします。 【物質・デバイス領域共同研究拠点】  東北大学・多元物質科学研究所,垣花の方から御説明させていただきます。  

 こちらにございます6つの観点例に基づきまして,本日は共同利用・共同研究拠点制度におけるネットワークに取り組むメリット等について御説明させていただきます。本説明におきまして,度々アライアンスという言葉を私は使用させていただきますが,そのアライアンスの定義を初めにここにお示しさせていただきました。アライアンスというのは5研究所間,我々のこの5つの研究所間の研究交流に基づく共同研究体制を意味しております。ネットワーク型拠点機能強化に必須でございまして,このネットワーク型共同研究拠点の活動の舞台と言える体制と申し上げることができます。  初めに,ネットワークを構築することの意味について御説明いたします。先ほどもございましたように,共同利用・共同研究拠点制度の創立の趣旨はこちらに書いてございます。ネットワーク型拠点の体制は,共同利用・共同研究拠点制度の理念に非常になじみます。ネットワークというのは,申し上げるまでもなく,複数の拠点(研究所・センター)間の本格的連携でございます。従いまして,研究分野の多様化及び融合研究の促進を図ることができます。また大学の研究ポテンシャルの活用機会が拡大するといった仕組みでもございます。そして共同利用・共同研究の機会の拡大をもたらすことができます。従いまして,「我が国全体の学術研究の更なる発展に大きく寄与できる」と、こういうふうに考えられます。  

 それでは,各観点別に御説明していきます。まず異分野融合の取組でございますが,初めに強調させていただきたいのは,ネットワークを組むことによって多様性が確保できるということです。こちらは当拠点の平成30年度共同研究実施数で,507件実施されました。こちらの日本地図の青い丸は1研究代表者,若しくは1研究課題を指しておりまして,御覧のように日本各地から共同研究が推進されていることが御理解いただけると思います。つまり日本を横断的にカバーできる,ネットワーク型拠点の特徴を反映しております。  

 異分野融合の取組の2番目といたしまして,複数研究所へのアクセス機能付与という点でお話しさせていただきます。従来の単独型共同研究拠点は,もちろん全国からの公募を行うわけですが,例えばこちら,東北大多元研の位置でございますが,単独拠点ですと,こういった一方向の共同研究が推進される図式になります。  

 一方,ネットワーク型共同研究拠点におきましては,複数の拠点にアクセスが可能という特徴を有します。例えば熊本大学の先生が東北大学多元物質科学研究所との共同研究に加えて,大阪大学産業科学研究所との共同研究を遂行することができます。また,地の利を生かしまして,熊本大学の先生が九州大学先導研の所有しております設備を利用することもできます。  

 また,特に重要なことは,5つの研究所がございますが,それぞれの研究所が同じ物質・デバイス領域という分野であっても,それぞれが強みを持っております。すなわちそれぞれの強みを有する5研究所がネットワークを形成することで異分野融合が促進されると申し上げることができます。  異分野融合の取組,3番目といたしまして,アライアンスネットワーク機能の重点発動について御説明いたします。5研究所から成るネットワーク型共同研究拠点ですので,例えば2研究所間のアライアンスには組合せとして10通りございます。この研究所間の共同研究に拠点の共同研者が参画することにより,ネットワークが形成されます。我々はこれをネットワーク形成促進プログラムで,こうした取組を支援しております。例えば展開共同研究というようなプログラムを用意しております。こちらには横軸が年度でございますが,年度を経るに従って複数の研究所間にまたがる共同研究が大きく増加しております。  

 こちらは日本地図でございますが,このネットワーク形成の様子を図示してまいります。例えば北大電子研と東工大化生研のアライアンス研究に,東海大学の先生が共同研究に参画する例でございます。また,北大電子研と九州大学先導研のアライアンス研究に韓国の先生が参画する共同研究の例でございます。こうしたネットワークが各研究所間で様々な拠点利用者の方がこのような形で共同研究を推進し,ネットワークが形成されていく様子を御覧いただけていると思います。このネットワークが形成される図は,ここの160件推進している共同研究を実際に線で結んだものでございますので,これは模式図ではございません。  

 従いまして,こうしたネットワーク型拠点の機能を活用いたしますと,研究の成果につながります。特に重要なのは,アライアンスによる拠点支援を我々は行っているということです。ここに5研究所間のアライアンスがございますが,このアライアンスはトップダウン的に拠点機能強化プログラムを,後ほど御説明いたしますが,3つのプログラムを用意して,強力にネットワーク型拠点を支援しております。  

 一方,ネットワーク型共同研究拠点は,基盤となるプログラム,基盤共同研究,施設・設備利用を用意してございます。そして全国の物質・デバイス領域の研究者が,このどちらにも応募することができる仕掛けを用意しております。その結果,共同研究成果として,例えば論文数の28年度と29年度の比較ですが,非常に多くの論文が発表されております。また,高いインパクト・ファクターのジャーナル,例えば7以上の論文が,28年度・29年度で7位以上が405報,全体の17%を占めるに至っております。  

 さらに,こうしたアライアンス,ネットワーク型共同研究拠点を運用していく中で,注目すべきは新学術領域研究等への,大型プロジェクトへの寄与でございます。新学術領域研究関係者の物質・デバイス領域共同研究拠点の利用経験件数というのは,平成25年度から概ね100件で推移しております。また過去6年間に発足した新学術領域研究の領域代表者に,この5研究所の附置研究所に所属する教授たちが領域代表を務め,またアライアンスの仕組みを使いアライアンス研究者が参画,更に多数の拠点共同研究者が参画し,こうしたネットワーク型共同研究拠点アライアンスの成果として注目すべき結果をもたらしております。  

 さて,2番目の観点でございますが,学生を含む研究者交流の活性化に基づく人材育成でございます。我々は各種行事をホームページ上で公開しております。これは拠点・アライアンス主催・共催行事でございますが,平成30年度の実績では年間65回開催しております。例えば,拠点・アライアンス活動成果報告会の定例開催は,大体毎年300名の参加を数えております。また,アライアンスには3つのプロジェクトがございますが,その3つのプロジェクトの分科会の定例開催と拠点共同研究者(学生を含みます)を招聘しております。ここに分科会の様子が示してあります。また,若手研究者の人材育成という視点では,若手研究者交流会を定例開催しておりまして,拠点共同研究者の招聘をしております。平成30年度は48名参加しておりまして,例えばこういう形でポスターセッションを設け,活発な議論を行っております。また,当拠点・アライアンスが特に重視しておりますのが,博士課程学生グローバル化養成プログラムでございます。これはここの写真に示してありますように,海外からの著名な研究者を招聘し,その先生がいらっしゃったときに大学院生が自身の研究内容を英語で発表し,またディスカッションしていくという,いわばグローバル化を養成するためのプログラムでございます。平成29年度から数え,通算17回開催し,学生の延べ参加数は47名を数えております。  学生を含む研究者交流の活性化の2番目でございますが,ここではCOREラボと次世代若手共同研究プログラムを御紹介いたします。COREラボというのはCollaboration Researchの略でございまして,若手研究者が代表となり,5研究所内に設置される中長期滞在型ラボ(研究室)でございます。若手研究者のための研究環境を提供し,時間・装置・人・場所の共有を通じた研究者交流の活性化と異分野融合を加速させております。  

 これまで,当拠点アライアンスでは,ここの表に示しますように,15のCOREラボを各研究所に設置しております。例えば基生研の村田先生のCOREラボは電子研に設置されておりまして,受入れ教員は電子研の根本教授,そしてこのCOREラボは東北大多元研の佐藤教授とのアライアンス研究を推進し,非常に特徴的なのは,このCOREラボは企業を参画メンバーに入れまして,産学連携を推進し,生体深部高解像度ライブイメージング法の開発で多大なる成果を上げてございます。そのほか様々なタイプのCOREラボが合計で15件ございます。  

 2番目ですが,次世代若手共同研究プログラムです。次世代を担う優秀な大学院生が研究代表者となります。受入れ教員との連携の下で共同研究を遂行いたします。採択者には「拠点卓越学生研究員」の称号を付与し,成果が著しい学生にはこのような形でインタビューを行い,ホームページで紹介しております。  

 3番目の観点でございます。スケールメリットを生かした柔軟な資源配分です。私たちがスケールメリットと言うのは,装置・人・場所のシェアリングが可能になることと考えてございます。装置は,5研究所ございますので,豊富なラインナップがあり,研究所間での装置の融通が可能となります。人がとても大事な要素であることは言うまでもございませんが,当拠点は教員が約500人,技術職員・事務職員がそれぞれ約200人,非常に大きな組織となっております。員数比例ということで言えば,卓越したリーダーの数が必然的に多くなりますので,前にお話しした異分野融合や新領域の開拓が自発的に形成されるようになります。  

 こうした人材や知見を広く公開しております。例えば研究者データベースという形で一般の方がアクセスすることができるようになっておりますし,また研究の成果はリサーチ・ハイライトということで,このような本の形で刊行しておりますし,ホームページ上でそれぞれを閲覧することができるようになっています。  

 また,場所につきましては実験室,工場,会議室,図書館等の共用が可能というメリットが出てまいります。すなわち,持てる装置や人材・知見のシェアリングが可能だということが大きなポイントになります。  

 4番目の観点でございます。施設・設備の効率的な整備・運用でございます。ここでは拠点・アライアンス技術職員のネットワーク構築について御説明いたします。技術職員の全国ネットワークの構築を目指しております。常勤・非常勤合わせて,総勢約170名を抱えております。従いまして,分析・共通機器・工場の有効利用が可能となり,先端研究の高度技術支援体制を構築することができます。したがってネットワーク型共同研究拠点の研究支援機能の向上に寄与することができるようになりました。  

 また,技術職員間の交流というのはとても重要な要素でございますので,拠点・アライアンス技術支援シンポジウムを5研究所持ち回りで毎年開催しております。これまで7回の開催を数えております。ここにそのときの様子が示してありますが,ポスターセッションや口頭発表等を通じて技術交流を深めております。そのほか,ホームページ上で利用可能な装置の紹介をしておりまして,5研究所が所有する装置を閲覧することができ,どの装置を使うことができるかが分かるように明示してございます。  

 また,緊急事態の対応ということで,装置の融通,技術職員の方が大勢いらっしゃいますので融通を利かせることができます。例えば熊本地震における例でございますが,熊本大学ですので,最寄りの研究所は九大先導研でしたが,たまたまその時期は年度末ということで修士の学生等の利用が多くてマシンタイムが取れなかったという事情がありましたが,ネットワークを組んでおりますので,この場合は多元研が支援することができました。すなわち近郊拠点で支援不可能であっても,他拠点で支援可能であるということでございます。2018年の大阪地震・西日本豪雨でも,この仕組みは機能いたしました。  

 5番目の観点,共同利用に際しての手続の一元化でございます。1つは,公募申請システムを導入することにより,利用者が公募で共同研究を申し込み,そして採択・手続・報告書までをシームレスで行うことができるようになりました。これが全てホームページ上で実施することができます。手続は拠点本部(多元研)に一元化し,5研究所での共同利用をスムーズに遂行することができるようになっています。また,各種研究成果を一元管理し,データベース化して公開しております。  

 もう1つ,新しい取組といたしましては,産学連携手続の一元管理という試みを行っております。これはワンストップ窓口というものを導入いたしました。ホームページのトップにバナーを設置しております。そして5研究所共通のNDA(秘密保持契約書)を作成し,それに基づきまして企業からの相談を受け,また共同研究者紹介というマッチングを図るような試みをし,また必要に応じてウェブ会議のサポートをするなど,シームレスに全ての作業を行うことができるようになり,その結果,企業からネットワークへのアクセスに対する障壁を低減することができるようになりました。  

 最後の6つ目の観点でございますが,個々の研究機関では実現できない研究基盤の構築ということで,先ほども少し説明させていただきましたが,ネットワーク型共同研究拠点の機能強化に不可欠な5研究所アライアンスについて御説明いたします。この5研究所間のアライアンスは,課題解決型分野横断共同研究を5研究所間で行っております。テーマとしては,物質・デバイス領域と関係する物質・デバイス・プロセス・システムに係る3つの非常に社会的に重要なテーマ,エレクトロニクス・環境エネルギー・生命機能,こういった3つの研究グループによって,この共同研究が5研究所152研究室間のアライアンス融合共同研究が進んでおります。先ほども申し上げましたように,アライアンスは拠点機能強化プログラムという形でネットワーク型拠点を強力に支援しております。  

 すなわち,「個々の研究機関だけでは実現しづらい異分野融合・新分野創生のための組織(しくみ)として拠点・アライアンスが機能」していると申し上げることができます。その結果,効果として例えば研究力強化,世界に伍する人材輩出,産学連携イノベーション創出,大型外部資金獲得などにつながっております。  

 それでは最後になりますが,こうした優れた特徴を有するネットワーク型共同研究拠点形成を促進するために必要なことを提案させていただきます。現状における問題点をまず簡単に整理させていただきます。  

 現状では,ネットワークを組むのではなく,単独でいる方が予算的に有利であります。また員数が少ないほど有利という形になっています。こちらの図を御覧いただくとお分かりいただけますが,横軸が員数で縦軸が教員1人当たりの共同研究費,これを教員単価と呼ばせていただきますが,員数が多くなればなるほど予算は少なくなっていくという図式が見えてくると思います。また,ここに段差がありますが,例えば員数50人と51人の拠点では,ここの段差でございますが,教員単価が2倍異なるというようなことが現状の問題点となっています。  

 そこで,ネットワーク化を促進させるために何かいいアイデアはないかということで,再整備案として3つ御提案させていただきます。1つは教員単価の保証でございまして,単独拠点の教員単価の平均値が約30万円なのですが,そこを下回らないような予算が措置されれば,ネットワーク型拠点形成はおのずと促進されることが予想されます。  

 また2番目ですが,ネットワークならではの研究プログラムへの増資支援という考え方がございます。ここに例を示させていただきます。3つのA・B・Cという拠点,員数はそれぞれ51人,26人,63人の拠点につきまして,ここにポンチ絵を描かせていただきましたが,単独で言いますと、こういった予算配分になります。これをネットワーク化いたしますと,こちらの仕組みを採用いたしますと,予算は45%減額になります。これがもし促進化を妨げる要因であるのであれば,このネットワーク化したことによる独自のプログラムに対する何らかの支援,そういった予算措置を導入するというのが1つの考え方です。ただし,全体としてある一定の割合は減額するということで,予算の確保をしていくという考え方です。  

 それから3番目でございますが,ネットワーク型拠点を,例えば国際共同利用・共同研究拠点と同じように新たな範疇に分離するという考え方です。既存制度にとらわれず,ネットワーク化を促進する自由な制度設計が可能となると,こういったメリットがございます。  

 以上,私の方からの説明を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

【八田主査】  ありがとうございました。  それでは,引き続いて物性研究所からお願いします。

【東京大学物性研究所】  物性研究所の金道から,強磁場科学分野における連携の取組について御紹介したいと思います。  

 強磁場というのは,物性研究においては非常に重要な環境パラメーターでございます。物性研究で言いますと,ほかに温度であるとか,あるいは圧力であるとかいったものが環境パラメーターとしては重要でございます。例えば温度ということで言いますと,非常に低温にしてあげるということで量子力学的な効果が見られるということで,多くの研究者は現在では液体ヘリウムを使って絶対ゼロに近い温度で実験をするということでございますが,それは例えば物性研ができた当初,60年前ですと,そのヘリウムを液化する装置というのが日本には非常にわずかしかなくて,そのため,例えば物性研究所に導入して,それを皆さんに使っていただくというのが共同利用の概念としてあったはずです。  

 現在では,その液化装置というのは全国津々浦々配備されまして,日本の研究者は皆さん使われるという状況になっているのですが,一方で強磁場というのは,正にその60年前の液化装置と同じ状況でありまして,日本中に強磁場装置を配備するということではなくて,限られた拠点に整備して,それを皆さんに使っていただきたいというような装置になって,これはJ-PARCとか,SPring-8のような大型の装置ということではなくて,我々は中規模装置と呼んでおります。中規模装置としてどのように活用するのがよいのかということの答えが,この連携の取組であるということで,その取組を御紹介したいと思います。  

 すみません。それで,磁場の話なんですけれども,磁場というのは先ほど全国津々浦々にないと申しましたが,実際は例えば超伝導マグネットというものを買えば,磁場の値としては20テスラくらいの磁場までなら,どこでも使っている装置です。ですから,ここで紹介する強磁場というのは20テスラよりも強い磁場です。その磁場を発生して研究していくための装置とお考えいただければと思います。テスラでも余りなじみのない単位ですが,病院にあります画像診断のMRI装置なんかも超伝導マグネットを使っていますが,あれで大体二,三テスラの磁場であるという感じでお聞きいただければと思います。  

 それで,先ほども強磁場の装置というのは限られた拠点にだけ整備されて使っているという話でしたけれども,日本では1980年代から,ここに紹介しております東北大の金研,東大の物性研,それから大阪大学の理学研究科という3拠点にそれぞれ,ある種中規模であるのですが,大きな装置が整備されていました。紹介としては,この3拠点が連携をして最終的に強磁場の1つの連携した組織を作るんだということで,2003年以降,強磁場のグループとしては考えてまいりました。その名前を,我々は強磁場コラボラトリー計画と呼んでおります。「コラボラトリー」というのは造語でして,コラボレーションとラボラトリーをひっ付けた造語なのですが,この共同利用・共同研究拠点としてのネットワーク化ということよりも,更に昔の2003年からこういう計画を練っておりました。  

 と言いますのも,東北大にあります強磁場というのは,先ほど申しました20テスラよりも高い磁場ですが,大体磁場の値としては30テスラくらいまでの磁場発生ができる。ただ特徴としては定常強磁場といいまして,磁場がずっと出続ける磁場となります。一方で東大と阪大にある強磁場施設というのは,磁場はもっと高い磁場まで出せるのですが,これは瞬間的にしか磁場を出せないという特徴があります。ですからここで瞬間的でもいいから磁場を出して研究をしたいという方と,それからずっと出ている磁場でないと実験ができないという方,そういった使い方の違いというのが出てくるわけですが,その研究者の用途に応じてこういった拠点にそれぞれ共同利用を申し込むのではなくて,強磁場を使いたいという研究者がいれば,ワンストップでその研究に適した強磁場を供給するということをしたいということで,この強磁場コラボラトリー計画というのを練っております。これに関しては,また後ほど紹介させていただきます。  

 それで,先ほど3拠点で連携をするのだという話をしましたけれども,現状ではそのうちの2拠点での連携を先行させております。それが,ここに書いておりますパルス強磁場コラボラトリーというものでして,先ほど紹介しました瞬間的な磁場しか出せないというパルス強磁場の2拠点,東大と阪大,この2拠点が連携をして行う共同利用,これをパルス強磁場コラボラトリーと呼んでいます。  

 これは,現在の共同利用・共同研究拠点の認定が始まった2016年度から始めておりまして,この大阪大学の強磁場センターと東大の強磁場施設,この2つをパルス強磁場コラボラトリー運営委員会で掌握しておりまして,これが物性研究所の共同利用施設専門委員会の下に入っています。これはもともと大阪大学の強磁場センターというのは当然認定を受けていない機関ですので,そのままネットワーク型というわけにはいかないと。それで,だけどこういったことは行いたいのだけれどいうことで相談させていただいたところ,こういう連携型のプロジェクトとして進めることができるだろうということで,これは文科省さんのうまい工夫をしていただいて,こういった事業を始めることができたわけです。  

 これをすることによって何がいいことがあったかということをここに書いておりますが,この2つの強磁場施設を使うに当たって,全てこの物性研の共同利用申請というところでどちらでも使えるということで,ワンストップでユーザーには使っていただける。それからこの2つを連携させることによるメリットは,後ほども紹介しますが,1つは基盤の共通化ということができることと,それからもう1つは,それぞれの特徴を生かして役割分担ということができますので,その役割分担をうまく生かしてやることによって,どちらの強磁場を使う方がそのユーザーにとっていいのかということをコンサルティングするということで,よりユーザーフレンドリーな仕組みを作ることができるようになりました。そのことによって,共同利用件数というのは60件から110件へと増加しております。  

 また,大阪大学で理学研究科に属するというところもありますので,周りの研究者がいろいろ強磁場を使ってみようという興味を頂いておりまして,他分野,多くはこのケミストリーの方が強磁場を使うというようなことが起きまして,こういう研究領域の拡大ということも起きております。  

 それで,先ほど基盤の共通化と役割分担というお話をしたところですが,この絵がそれを詳しく説明しております。まず,この上に書いておりますどういったことができるかというところが役割分担に当たりまして,物性研というのは非常に高い磁場を発生することができて,1,000テスラ領域の磁場というのを発生する世界で唯一の強磁場組織です。ということで,この強磁場を生かした測定というのに特化しているということと,さらにはもう1つ,パルス磁場,わずかな時間しか磁場を出せないと言いましたが,それを長い時間磁場発生ができるロングパルスといったものを導入することによって,これもほかではできないような精密測定を高磁場で測定できるというような特徴が生かされています。  

 一方で,大阪大学というのは,これに対して相補的な測定環境というのを提供しておりまして,高圧強磁場,あるいは低温強磁場といった複合極限環境というのを提供して実験ができるようにしています。あるいはミクロスコピックな測定であるESRといったものを測定できるようにしているということで,この2つの違いをうまく利用することによって,例えば研究者が東大で測定をして,いい結果が出たのだけれども,もう少し情報が欲しいのだけれどもというときに,こういう阪大の測定をして,1本の論文にまとめることができるというようなことが実際に起きております。  

 それからここに書いてあるように,基盤の共通化によるメリットなのですが,それまでは個々の拠点でそれぞれ強磁場を発生するようなマグネットというのを作ってはいたのですが,これを共通化することによって,これは東大だけでマグネットを作って,それを阪大へ供給して使ってもらうということにすることによって,東大でマグネット開発・作成といったものを集中化することができるようになりました。そのことによって,線材開発であったりとか,特殊な開発を一手に引き受けることができて,これで予算の効率化ということができるようになりました。  

 それからもう1つ,共通化としましては,ここは特殊な役割分担ということで書いているのですが,もう少し簡単な測定であれば,当然共通化ができるわけです。その共通化によって大阪と東京という2か所にユーザーが地理的に使いたい方で使いやすいというような状況を作ることができまして,これはユーザーにとっては非常に助かったということになっております。  

 それで,ここで連携の経緯をということで載せているのですが,ここに書かれていることは,先ほども紹介しましたように,この強磁場コラボラトリー計画というのを策定するより更に前,2000年でのお話なのですが,物研連の物性物理委員会報告として,こういった提言がされていました。これはどういったことを書いているかというと,物性研究の質を高めるためには中小型実験設備を充実させて有効利用すべきであると,そういうことを言っていて,中型設備のうち,超強磁場設備はその予算規模から見て既存の施設が互いに連携して先端的研究とともに全国の研究者に施設の利用サービスを行う組織作りを行うよう提言するという,こういった提言が基になって強磁場コラボラトリー計画ということを練らせていただいたわけなのですが,この中型設備ということの規模感を少し見ていただこうと思いまして,机上配付にあるかと思いますが,物性研で行っております実験のマグネットの紹介というものを御用意しております。ございますか。こういう資料でございますが。  

 1ページ目は,マグネットの紹介と書かせていただいておりますが,先ほど申しましたように,1,000テスラを超える磁場発生というものは世界中で物性研でしかできないということではございますが,この右上に「破壊型マグネット・電磁濃縮法 1200T」というふうに書かせていただいておりますが,これはこのポンチ絵を見ていただいたら分かると思いますが,マグネットの中に磁束が入っていて,その磁束が中心付近でぎゅっと押しつぶされているような絵になっております。これは要は磁束を濃縮しているところでございますが,濃縮をして,そして1,200テスラ出ると,この磁束の濃縮が反発するので,このマグネットが反発によって爆発してしまいます。それで,まずその磁束を濃縮するのにも非常に大きなエネルギーが必要ですし,当然,爆発が起きるので,また大きなエネルギーがあるということで,これでかなりの大きな空間というものが必要になるということになります。  

 あと,左にはそれよりも少しかわいいシングルターンコイルというもので,これも破壊型ではあるのですが,これはコイルだけが破壊してサンプルは生き残るというようなもので,これで300テスラくらいの磁場発生ができます。  更にコイルを壊さずに100テスラくらいまでの磁場発生するということで,非破壊型のマグネット,マグネットが壊れないよというマグネットの写真を載せております。これで100テスラ以下の実験を行っております。  

 1ページめくっていただきまして,これがこの東京大学の柏キャンパスの赤枠で囲んだ建物の中に,それぞれの建物に配備されて実験をしていますということで,それほど大型ではないけれども,1研究室では厳しいよねという規模であるということが,これでお分かりいただけると思います。  次のページを見ていただきますと,先ほど紹介しました電磁濃縮法というマグネットですね。大きな爆発が起きるマグネットでございますが,これが実際に設置されている部屋と,それからそれに用いているコンデンサー電源が設置されている部屋の写真がございますが,コンデンサー電源などは1フロアいっぱいに設置されている規模であるということを御覧いただけると思います。  

 それでもう1枚めくっていただくと,世界記録となる1,200テスラの発生したときの画像と,世界記録を出した直後に様々なメディアからのインタビュー等がありまして,Newsweekなどにも掲載されたということを紹介しております。  それで,最後のページは先ほど申しました,パルスでも少し長めのパルスで実験をすれば,非常に精密な測定,ほかではできない測定ができるようになったというようなことで,ロングパルス強磁場実験棟というものを紹介しておりますが,この右下の少し緑色の装置,これは電源なのですが,これが世界最大の直流発電機でして,奥行きが15メートルほどあります。なので,かなり大きな装置ではございますが,この世界最大の直流発電機を使うことによって,非常に精密なロングパルス磁場発生というのができるようになったというようなことで,これで規模感を御覧いただいているところでございます。  

 それで,せっかくですので世界記録を出した電磁濃縮法,先ほどから爆発をという話をしておりますので,ちょっと画像を見ていただこうかと思って御用意しております。


(動画再生)


【東京大学物性研究所】  これが実際にマグネットを設置している部屋で,これは防護箱の中でやっているのですが,火事が起きているように見えますが,あれは実験成功なのです。まず,先ほど言いましたように,ここで磁場を濃縮して,その磁束の反発によって爆発が起きるというような,こういったことで起きるので,爆発が起きたときというのは,もう測定は終わっていまして,ですから測定後にコイルが吹っ飛んで,これは試料も吹っ飛んでということではあるのですが,こういったことをこの防護箱の中で行っております。  

 ということで,ありがとうございました。  繰り返しになりますが,こういった特殊な装置で,世界のピークを作ってはいるのですが,日本国中で整備して実験するようなものではなく,やはり皆さんに使っていただきたいということで,このプロジェクト連携というような形で皆さんに利用していただきたいと考えているところです。  

 それで,連携の経緯が,少し長いですが,これは当時の話ですが,当時から物性研と大阪大学と東北大学にそれぞれの磁場があるということで,強磁場施設が強力なネットワークを組み,互いに相補的に役割分担を明確にしなければならないと,利用者間の情報交換と若手研究者の育成を進めることが緊急の課題であるというふうに言われておりまして,正に現在それを実践しているところであるというところになります。  

 それで,その強磁場コラボラトリー計画というのを策定しまして,実際にそれを準備と,それから部分的な実施というようなことで進めてきた年表になります。2003年にこういった強磁場コラボラトリー計画というのを策定しました。先ほども御紹介しましたが,このロングパルス用の電源として世界最大の直流発電機といったものを,これはもともと日本原子力研究所の核融合試験装置の一部だったのですが,それを移設するということで予算を頂きまして,4年間掛けて移設しました。これを移設してロングパルスが発生できるというようなことになって,この第2期の中期目標計画と言いますか,2010年からの6年間は,その特定事業費として「先端実験施設を用いた共同利用・共同研究の推進」ということで予算を頂き,こういったものを使った共同利用というのを推進するとともに,先ほどの強磁場コラボラトリー計画というのを日本学術会議の大型計画マスタープランに提案しまして,採択していただきました。そのおかげで様々な予算化を頂きまして,先ほど御紹介しましたように,1,000テスラを超える電磁濃縮コイル,これの発生装置の整備というものを文科省の最先端研究基盤事業の補助金を頂くことによってできました。  

 さらには阪大では,複合極限の60テスラパルス磁場の電源を導入させていただき,金研には25テスラの無冷媒超伝導の電磁石の予算化というものも頂き,この期間に大きく設備の整備というのが進みました。  

 そのため,我々としましては,強磁場コラボラトリーの一部であるパルス強磁場コラボラトリーを実施できるよねということで,2016年から始めているという現状でございます。  

 後ほど紹介しますが,強磁場のこういった研究拠点というのは,今や世界においてこそ非常に顕著になっておりまして,そのため強磁場拠点というのは日本にとどまらず,グローバル強磁場フォーラムというものを結成して,世界との交流というのをしております。さらには,アジアの中ではやはりこういった強磁場コラボラトリーというのは代表的な役割を発揮しておりますので,アジアの研究拠点と協定を締結しております。

【八田主査】  ちょっと時間的なものがありますので,よろしくお願いします。

【東京大学物性研究所】  すみません。はい。  これが強磁場コラボラトリーで,先ほど御紹介しましたように,こういった3拠点とともに協力機関となる周りの研究機関との連携というのも深めて,例えば大阪大学はハブ化して,こういった西日本の拠点と連携していくというような計画までも生まれております。  

 世界の強磁場に関しては,先ほども紹介しましたけれども,アメリカではこういった米国立強磁場研究所,それからヨーロッパではユーロ・マグ・ネットという,これもやはり様々なパルス強磁場と定常強磁場の拠点間連携が進んでおりまして,日本においてもそれに対抗する措置として強磁場コラボラトリーというのが必要であるということで進めているところでございます。  

 では,これは飛ばしまして,最終形として,先ほど申しました3拠点の連携というのを目指しておりますので,現在行っているパルス強磁場コラボラトリーと東北大の強磁場の共同利用というのを合流していただきまして,今年度,いろいろ整備をして,来年度からは窓口一本化で東北大の強磁場もユーザーにとって使えるというような形での共同利用を実施していくということで,現在準備中であるという御紹介をしたいと思います。  

 あと,様々なメリットを述べさせていただいておりますが,これは御覧いただければと思います。  

 1つ,これを進めるに当たって課題かなということで挙げさせていただいているのですが,2022年度からはどうなるか分からないのですが,現状においては我々物性科学研究拠点と東北大は材料科学国際共共拠点ですが,この2つの拠点にまたがったこういうことを実施するというのは,やはり様々なところで問題点が出てくるかなということで,これをどういう仕組みにすればいいのかなということを考えているところでございますし,もう1つは,先ほどのように共同利用件数がどんどん増えていくというところを人的な手当てなしにやっていくのはちょっと限界があるのかなということ。  

 それから,こういった装置類が整備されたのはいいのですが,維持費がないというところがあって,こういった装置を維持していくための経費というのはどうしたらいいのかなということを考えているところでございます。  

 すみません。以上,ありがとうございました。

【八田主査】  どうもありがとうございました。  それでは,お二方から今,御説明を頂きましたので、これから少しこういうネットワークあるいは連携ということに関しての意見交換をしていきたいと思います。どうぞ御自由に。 それでは,小林委員,どうぞ。

【小林委員】  物質・デバイス領域共同研究拠点の方にお尋ねしたいと思いますが,ネットワークによっていろいろな異分野融合研究が生まれて,施設・設備の効率化,論文の増加,大型研究技術支援等と御説明いただきまして,ありがとうございます。  

 1点お尋ねしたいのは,そのネットワークの融合を通して,例えば個々の研究拠点では生まれなかったような新しいブレークスルーしたような研究というものとしては,どういうものがあるのかと。多分時間の都合で参考資料に触れられなかったと思うので,あるいはそこにも少し出てくるのか,それを踏まえて,少しその点についてお尋ねできればと思います。

【物質・デバイス領域共同研究拠点】  御質問,どうもありがとうございます。  

 1つの分かりやすい例といたしましては,やはり新学術領域研究につながったというのがございます。こちらの方は累積で,例えば新学術領域の計画班ですとか,総括班の代表を務める方が非常に多数いるというところに1つ特徴ある成果として出てきております。  

 参考資料の方の,ページは振ってはいないのですが,丸3,研究力強化というページがございますが,その右側の棒グラフについて,もう少し御説明させていただきますと,新学術領域の人文系を除く201領域,これまで累積があるのですが,そのうちの55領域・27%に拠点の利用者の方が何らかの形で関与しています。  

 かつ,計画班ですとか,総括班に拠点の利用者の方が5研究所のアライアンスの方とチームを組んで,こういった新しい学術領域の発展に寄与しております。これはやはり幾つかの研究所にまたがった共同研究をすることによって,この新学術領域のタイトルそれぞれが新しい領域のわけでございますが,そういったところに反映されていると。それから,その同じ資料の研究力強化のところの上の方に雑誌がございますが,これらは全て拠点の利用者の方が,全てではなく単独のものもあるかもしれないのですが,ほぼ全て拠点の利用者の方がアライアンス研究に基づいて成果を出したものの一部が並べてあるということで,いろいろな形で新しい成果が出てきているということでございます。

【小林委員】  新学術領域は先ほど御説明されたので,その辺も従来のそれぞれの強みの延長にあると思うのですが,お尋ねしたかったのは量的なことというよりも,むしろ全く新しい何か分野,創発特性として最も何か典型的な例があれば,それを御紹介いただきたいという質問だったのですが。

【物質・デバイス領域共同研究拠点】  大変失礼いたしました。  

 そうしますと,例えば準結晶という分野がございますが,これは当研究所,多元物質科学研究所の蔡教授が中心になってやってきた分野でございますが,この分野が拠点の利用者とともに新しい第三の,結晶でもアモルファスでもないという準結晶というような分野が,この拠点におけます共同研究で極めて深化しまして,全く新しい学問のパラダイムシフトを創生したという点では,非常に大きな特徴があります。  

 また,各拠点に卓越リーダーがいらっしゃいますので,蔡教授もその基礎研究の卓越リーダーのお一人ですが,そういった意味で準結晶というようなものの国際拠点が形成され,この物質・デバイス領域共同研究拠点において非常に大きな成果を導き出した例として挙げることができます。

【八田主査】  それでは,加藤委員,どうぞ。

【加藤委員】  御説明ありがとうございます。  

 物質・デバイス領域の共同拠点のネットワーク型というので,お尋ねしたい点は,もちろん研究のネットワーク,連携,それから学生なんかの交流というのでメリットがあることは大変よく分かったのですが,もっと私はよいなと思ったところは,10番にありましたような技術職員とか,支援する体制ですね。共同利用・共同研究を支援して研究力を上げるという支援する方々もネットワークができるというところで,それはこれ,ネットワークならではで,すごくいいことかなと思ったのですが,そこで1つだけお尋ねしたいのは,大学の中での連携とか,あるいはそういうものとの兼ね合いというか,そこら辺はどうなのでしょうかということです。

【物質・デバイス領域共同研究拠点】  技術職員のネットワークという,技術職員についてでよろしいでしょうか。

【加藤委員】  はい。

【物質・デバイス領域共同研究拠点】  それぞれの大学に技術職員の統括的なチームを組んでいる大学もあると思うのですが,例えば東北大学におきましても各部局に技術職員の方がいらっしゃるというようなこととか,あるいは大学の本部が統括しているそういう組織があったりするわけなのですが,ここでは5研究所に関連する技術職員がまずネットワークを組むということが1つのポイントになっています。  

 ほかとの関係につきましては,内部の間で技術の知見の交換とかいうような形で,それぞれの部局間での意見交換とか,あるいは技術の提供とか,そういったことが自発的に行われておりますので,実はこのネットワーク型拠点の技術職員のネットワーク構築というのは,各大学の技術職員の,ほかの部局に属する技術職員の方にとっても,このネットワークがキーとなりまして,知見とか技術が伝搬するような形に,一部そういう形で活用することができるようになってきていますので,今後はもう少しそういう視点でも,大学全体にも寄与できるような役割を果たすことができるように仕掛けを作っていきたいというふうに考えております。

【加藤委員】  ありがとうございます。よく分かりました。  

 もう1つ,その同じようなことで,物性研は連携型をとられていて,物性研が中心になって,例えば阪大なんかのところにも共通してできるように連携をとっているというお話だったのですが,例えばそうすると,阪大なんかの方のいわゆる共同サービスというのを受けて共同研究のサービスをするという点においてはかなり大変なのではないかと逆に思ったのですが,その辺についての展望をお聞かせ願えればと思います。

【東京大学物性研究所】  そうですね。阪大側で新たな共同利用というのが始まったということで,それを実施するのは大変であるというのは間違いないです。  

 ただ,多分学内措置として何人かの特任助教であるとかいった措置はしていただいているので,その分で何とかやり過ごしているというところですかね。

【加藤委員】  ありがとうございます。

【八田主査】  観山委員。

【観山委員】   ありがとうございます。我が国の共同利用・共同研究拠点の創設というのは随分歴史があって、これはそれぞれのコミュニティというか、それぞれの分野の発展のためには非常に大きな貢献をしてきたと思っているわけですが、最近では、この資料4にもありますように、それぞれの分野で我が国の研究成果というのは、世界的に見ても非常に高くなってきていると思いますが、今後の新たな、先ほどもありましたが、パラダイムを築いていく、そこでリードを発揮していくためには、学際的な領域にいかにチャレンジしていくか、成果を挙げていくかということが重要で、そういう意味で共同利用研というのはそれぞれの分野のコミュニティのためにいかになっているかということと、いかにそのコミュニティを広げていくかということも新たな評価の指針ではないかと思っております。  先ほども小林委員からの質問もありましたが、新たな分野創設というのは非常にいいことだと思います。分野の創設に関してアウトプットとかアウトカムをまとめていただければ、ほかの分野についても1つの指針になるのではないかと思っています。1つ質問は、今の物質・デバイス領域共同研究拠点というのは非常にうまく行っているようですが、先ほどの加藤先生からの質問とも関連するのですが、それぞれは大学の中の研究所ですよね。例えば人員の配置であるとか、つまり大学との関係というのはどのように調整されているのか。もしもそれが非常にうまく行っているのだったら、今はないですが、ネットワーク型の大学共同利用機関みたいなものが例えば可能性はないのかなと感じました。大学の中にあって研究所がネットワークを組むということの、ある種のメリットと難しさみたいなものがあると思うのですが、この辺はどうなのでしょうか。

【物質・デバイス領域共同研究拠点】  我々は大学の附置研であります。附置研は研究科とは歴史的にいろいろなミッションが異なるところがございます。我々附置研それぞれが大きな組織の附置研でありますが,やはり研究を引っ張っていくという面で大学の最先端を,余り強調すると怒られますが,やはり我々がその一翼を担っているというところで,あと,それが更にこのネットワークを組むことでお互いの強み,あるいは我々単独では見えない方向というのがございますので,異分野もありますし,あと同じ物を作るのでもいろいろな作り方がございますので,そういう意味でも,やはり先生がおっしゃったような,日本の次の新しい科学技術の方向を見いだすには絶好の位置にあると思っています。この強みは生かして,日本を世界にアピールできるような,もちろんサイエンスの部分,論文もございますが,それとあと産業界も引っ張っていけるような形のネットワークの連携というのを強めていきたいと思っています。

【観山委員】  それは非常にいいことだと思うのですが,例えば具体的に言うと人員の要求だとか,概算要求というのは,全て大学を通しての話になりますよね。

【物質・デバイス領域共同研究拠点】  はい,おっしゃるとおりです。

【観山委員】  だからそこと,そのネットワークの調整の結果のいろいろな,言ったらネゴシエーションとか,すり合わせがどうしても必要だと思うのですが,そこはどううまくやっているのか,非常にまだ問題が残っているのかというのは,ちょっとお聞きしたいところだと思ったのです。

【物質・デバイス領域共同研究拠点】  そうですね。それは、まだ問題の点をあえて申しますと,やはり部局としては大学の中では小さな組織になりますので,そこの存在価値を常にアピールしなければいけないです。長年の歴史の中から我々もそれを学んでいます。そういう意味で,新しい方向を見いだして,その方向へ進むための,やはりネットワークから見いだした新しい方向,これを大学にも理解してもらう。その努力はそれぞれの大学機関の中で我々は執行部と常に話しながら進めるということになるかと思います。

【観山委員】  ありがとうございます。

【八田主査】  それでは,竹田委員,どうぞ。

【竹田委員】  ありがとうございます。  きょうは2つの拠点研究機関から御発表いただきまして,非常にうまく進んでいる機関からということで感銘を受けて伺ったわけですが,実際にはその共同利用,あるいは共同研究拠点で共同研究といった点から見ると,なかなか有機的に結び付いてアウトプットが出てきていない場合というのも実際にあるわけでして,その中で物質・デバイス領域共同研究拠点の先生方に伺いたいのは,いろいろな研究所にしてもシンポジウムをやってみたりですとか,あるいは学生同士の交流会をやって何とか共同研究を進めようというふうな形でやっているわけですが,幾ら言ってもなかなか共同研究が進まない場合もあって,その中で先生方は非常に5大学,全く別の地域的にも離れたところの先生方が非常に多角的に共同研究を進めていらっしゃるわけで,その辺は一体どういうふうなアプローチで,普通の上から声を掛けてもなかなか共同研究ができないところを,どういうアプローチでやられて成功されているかというのがあったら教えていただきたいのですが。

【物質・デバイス領域共同研究拠点】  1つのポイントは若手の研究者,助教・准教授の先生方を優遇するということが非常に大きなポイントになっております。実際,507件の共同研究が例えば1年間行われたといたしますと,その約半数以上が若手の研究者が研究代表者を務めております。  それからまた,出張に関しましても,過半数以上,6~7割は学生を含む若手研究者が共同研究のために出張しています。ここの部分を手厚くお世話させていただくことによって,まずその共同研究が加速していきます。それが1つのポイントになるのですが,もう1つはやはり昨今,運営費交付金が国立大学全体として減額されていく中,またその国立大学の総長・学長の方の采配が強まっていく中で,かなりの国立大学の例えば都道府県で言いますと,かなりの都道府県に存在する国立大学の運営費交付金が非常に下がってきているという現状の中で,この共同利用・共同研究拠点制度で拠点を利用する方々に配分される予算というのは,決して大きい額ではないのですが,若手の研究者・助教の先生,あるいは指導している学生が共同研究のために来て,そして世界最先端の装置を使うことができるというのは非常に喜ばれております。利用者の声を、アンケートに採って集計いたしましても,また利用者が所属する機関の責任者の方のアンケートにおきましても,その点が非常に有り難いと言われております。  

 ですので,その若手の研究者の方を優遇することによって共同研究が推進し,論文につながるという仕掛けになっているのかなと思っております。

【竹田委員】  ありがとうございました。

【八田主査】  ほかにいかがでしょうか。はい,それでは安達委員,どうぞ。

【安達委員】  2つの具体的なネットワークによる共同研究の実際を御紹介いただきまして、大変うまく行っているという気がいたしました。  

 物質・デバイス拠点に関しましては、ネットワーク型拠点を進める制度的な面でいろいろとおっしゃったような若手に関してのことやシンポジウム等のいろいろな枠組みを作ってうまく進めているということがよく理解できました。物性研の場合はそのような制度にのっとらなくても、いろいろ工夫して装置の共同利用を進めていると受け止めました。ただ、ロジカルに考えれば、いろいろと工夫さえできれば共同研究を進められるということなのかとも思いましたので、恐らく物性研はカバーする分野も広く、組織としてどこかの領域に絞ってネットワーク型拠点を作るというのは難しかったのかとも思います。  

 そういう意味で、金道先生にお尋ねしたいのは、もしネットワーク型拠点としてやれれば、その方がよかったということがあるのか。それとも、物質・デバイス拠点に比べて、どちらかというと強磁場にターゲットを絞りかちっとまとまったグループになっているのでこのような形がよいのかとも思います。身動きのし易さ、つまり共同研究のダイナミズムのようなことから考えると、どうするのがよいのか、そのようなことについて今後の課題という視点で何か教えていただければと思います。

【東京大学物性研究所】  まず,ネットワーク型じゃなくて,結局大阪大学の強磁場センターを物性科学研究拠点の中に引き込んだ形でやらせていただいているので,基本,従来の物性研がやっていることの中に少しボリュームが増えたというような形になっているわけです。  

 ですから,ちょっとぶっちゃけた言い方をすると,じゃあ,強磁場に来ている予算は幾らなのというのが見えないですよね。そうなると,先ほどもありましたように,阪大が共同利用するに当たって人的にも予算的にも苦しいというようなときに,物性研の予算がどういう区分けをされるかというのは物性研内の問題なので,そこが明確に区分けされていないというのは,ちょっとしんどいかなというところです。  

 ただ,とはいえ強磁場というのは強磁場だけやっているのではなくて,物性研究所内の様々な研究テーマを吸い込んでと言いますか,協力し合いながらやることによって,より大きな成果が出ているということであるので,そういう意味では物性研究所の中でまとまってやっているというのは,学問のダイナミズムとしては非常に効果があるという状況なので,すみません。どちらともなかなか言えないところはあるのですが。

【安達委員】  研究所として大きいところは、いろいろな異なる分野を抱えているので、それ全部でネットワークをというと難しくなるかもしれないが、領域の粒度を小さくするような仕組みがあると、それなりにいろいろな共同研究を推進するためのダイナミズムが生まれてくるのではないかというのが質問の趣旨です。

【東京大学物性研究所】  はい。おっしゃることは,例えば強磁場だけじゃなくて中性子とかの例もありますので,そこでのネットワークとか,物性研がありながら,それぞれ強磁場中性子あり,大型,中型の施設があるのですが,それぞれがネットワークを組むことによって広がりがある,ダイナミズムがあるということは確かにおっしゃるとおりだと思います。また,物質開発とかもございますので,そうすると,1つの拠点として物性科学の拠点となりながら,ほかとの連携が非常に広がっていくというところはあると思います。  

 そういうような仕掛けがあるには,やはりある程度インセンティブというか,何か仕掛けが,我々がやっていくボトムアップのものを出していくというところで応援というか,サポートがないと,人的なサポートとか,あるいは研究会をやるとか,もう少し何かインセンティブがあると,ますます進むのかなという気もいたします。

【東京大学物性研究所】  とはいえ,今,強磁場がやらせてもらっている連携というのは非常にうまく行っていて,私は気に入っています。というのは,物性研全体が仕組みがしっかりしているので,その一部を取り出して連携させていただくと,ここだけでいろいろ苦労することが少なくて,物性研全体で吸収していただけるところがあるので,やり方としては非常に有り難い仕組みだったなと思っています。

【八田主査】  そろそろ予定しておりました12時を過ぎましたが,どうしてもという何か御発言がございましたら,いかがでしょうか。よろしいでしょうか。  ありがとうございました。それでは,今回の意見交換はここで終了ということにさせていただきたいと思います。頂きました御意見は事務局にて整理を頂き,次回以降の議論の参考にさせていただきたいと思います。  

 最後に事務局から連絡事項がございましたら,お願いします。


【吉居学術機関課課長補佐】  資料の御紹介だけさせていただきたいと思います。きょうは参考資料の1と2は特に会議の議論では使いませんでしたが,参考資料の1はこの4月に文部科学省で研究力向上改革2019というものをまとめましたので,参考に入れさせていただきました。是非,後ほど御覧いただければと思います。  

 それから参考資料の2としましては,共同利用・共同研究の現状と調査審議事項案についてということで,大学共同利用機関ですとか,学術の大型プロジェクト,すばる望遠鏡ですとか,J-PARCですとか,そういった大型プロジェクト,それから近年の国立大学法人運営費交付金の推移の状況などを参考に入れておりますので,後ほど御覧いただければと思います。  

 それから次回の作業部会につきましては開催日程が決まり次第,御連絡をさせていただきたいと思います。  

 机上資料につきましてはお残しいただきたいと思いますが,その他の資料につきましては,そのまま机の上に置いておいていただければ郵送させていただきます。  以上でございます。

【八田主査】  ありがとうございました。何か御発言はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。  

 それでは,長時間御審議をありがとうございます。これで終了いたします。 ―― 了 ――

お問合せ先

研究振興局学術機関課大学研究所・研究予算総括係

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電話番号:03-5253-4111(内線4084、4170)

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