資料2-2 7月3日開催第2回研究費部会における平成30年度概算要求に関する主な御意見

(1)「基盤研究(B)」の位置付けについて

○ 「挑戦的研究」での研究成果を更に発展させる研究種目として「基盤研究(B)」が大事というロジックは重要。ただし、「挑戦的研究」の後に応募する研究種目は「基盤研究(B)」だけではなく「基盤研究(A)」や「基盤研究(C)」もある。それを前提とした「基盤研究(B)」の見せ方というものを考える必要はないか。

○ 「基盤研究(A・B・C)」それぞれの説明・比較だけでなく、科研費制度全体の中での「基盤研究(B)」の位置付けを論じるべきではないか。

○ 「基盤研究(C)」で得られた知見を土台に「基盤研究(B)」、「基盤研究(B)」を土台に「基盤研究(A)」という、研究成果に基づいて次のステップへ行くという表現はとても良い。

○ 研究費の規模がある種のステータスのようになるのは望ましくない。必要に応じて、必要な額の研究種目に応募するのが原則。また、研究費の規模の拡大と人数の増加は必ずしも連動するものではない。

○ 「基盤研究(C)」では大きな設備を購入することはできない。「基盤研究(B)」において研究設備を整備した後、「基盤研究(C)」で研究を行うということも選択肢としてありえるのではないか。重点的に研究環境を整備するという位置付けでの「基盤研究(B)」という考えも一つあるのではないか。

○ 「基盤研究(C)」の研究費規模では人を雇用することができない。研究の展開や若手研究者の育成といった観点から、「基盤研究(B)」の重要性を主張してはどうか。

○ 「基盤研究(B)」は、多様な分野・ステージのものであっても研究を発展させることができるプラットフォーム的な位置付けではないか。

○ 「基盤研究(B)」は、平均的に全分野のニーズに応えられ、最も学術研究を強化できるという観点を追加すべきではないか。

○ 人文社会科学は現状では少額の研究が多く、「基盤研究(B)」の応募が少ないが、今後の分野融合や人文社会科学の振興といった将来的なデザインをもって位置付けを考えることが必要ではないか。

(2)国際共同研究の推進

○ 「海外学術調査」に主に応募していた研究者が、見直し後の種目だけでなく、「基盤研究」にも応募するようになると思われるので、需要増加に対して手当をするべき。

○ 「海外学術調査」において研究をしている分野を不利に扱うという意図ではなく、本格的な国際共同研究を推進する意図で見直しを進めている点は良い方向。

○ 現行の「国際共同研究強化」には年齢制限があり、また、通常の「基盤研究(A・B)」のみでは、海外での共同研究を行うには助成規模が足りないため、中堅層が海外での共同研究を行うための支援がない。せっかく組んだコネクション、ネットワークを維持できなくなる。今後の日本の研究者育成の観点からも「海外学術調査」の見直しは良い取組である。
 

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