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第9期学術情報委員会(第1回) 議事録

1.日時

平成29年4月12日(水曜日)13時00分~15時00分

2.場所

文部科学省3F1特別会議室

3.議題

  1. 議事運営等について
  2. 第9期学術情報委員会における審議事項について
  3. その他

4.出席者

委員

喜連川主査、引原主査代理、赤木委員、安藤委員、家委員、逸村委員、岡部委員、五味委員、竹内委員、谷藤委員、辻委員、永原委員、美馬委員

文部科学省

(科学官)相澤科学官
(学術調査官)越前学術調査官
(事務局)板倉大臣官房審議官、原参事官(情報担当)、玉井学術基盤整備室参事官補佐

5.議事録

【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    時間になりましたので開始させていただきます。
  本日は第9期学術情報委員会の最初の会合ということになりますので、開会に先立ちまして、事務局から簡単な御説明をさせていただきます。
  まず、本日の会合におきましては、本委員会の主査代理の指名等に係る案件がございますので、学術分科会運営規則第4条に基づきまして、開会から議題(1)の議事運営等についてまでの間、非公開ということで行わせていただきます。
  本委員会の主査につきましては、西尾学術分科会長から、喜連川委員が指名されておりますので、以降の議事進行を喜連川主査にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【喜連川主査】    喜連川でございます。何とぞ、どうぞよろしくお願いいたします。学術分科会長の西尾分科会長からの御指名ということでお引受けさせていただく次第でございます。
  それでは、ただいまから第9期の科学技術・学術審議会学術分科会学術情報委員会を開催させていただきたいと思います。
  本委員会の円滑な運営に努めてまいりたいと思いますので、是非皆様、どうぞよろしくお願いしたいと存じます。
  最初に、事務局から本委員会の御出席の委員、加えまして事務局の御紹介をお願いしたいと思います。
【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    今期の学術情報委員会の委員に御就任いただきました方を御紹介させていただきます。資料1に委員名簿ということで御用意しております。名簿の順にお名前を御紹介させていただきます。
  辻ゆかり委員です。
【辻委員】    辻でございます。よろしくお願いいたします。
【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    喜連川優委員です。
【喜連川主査】    よろしくお願いします。
【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    永原裕子委員です。
【永原委員】    永原でございます。よろしくお願いいたします。
【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    赤木完爾委員です。
【赤木委員】    赤木でございます。よろしくお願いします。
【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    安藤真委員です。
【安藤委員】    安藤です。よろしくお願いします。
【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    家泰弘委員です。
【家委員】    家です。どうぞよろしくお願いいたします。
【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    逸村裕委員です。
【逸村委員】    逸村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    井上由里子委員は本日御欠席です。
  続きまして、岡部寿男委員です。
【岡部委員】    岡部です。よろしくお願いいたします。
【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    次の北森武彦委員も本日御欠席でございます。
  五味英隆委員です。
【五味委員】    五味でございます。よろしくお願いいたします。
【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    竹内比呂也委員です。
【竹内委員】    竹内でございます。よろしくお願いいたします。
【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    谷藤幹子委員です。
【谷藤委員】    谷藤です。よろしくお願いいたします。
【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    引原隆士委員です。
【引原委員】    引原でございます。よろしくお願いします。
【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    美馬のゆり委員です。
【美馬委員】    美馬です。よろしくお願いいたします。
【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    以上の皆様が本委員会の委員に御就任されております。
  次に、文部科学省の関係者について御紹介いたします。
  相澤清晴科学官でございます。
【相澤科学官】    相澤でございます。よろしくお願いします。
【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    越前功学術調査官でございます。
【越前学術調査官】    越前でございます。よろしくお願いいたします。
【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    板倉康洋大臣官房審議官(研究振興局担当)でございます。
【板倉大臣官房審議官】    板倉でございます。よろしくお願いいたします。
【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    原克彦情報担当参事官でございます。
【原参事官】    原でございます。よろしくお願いいたします。
【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    最後に私、司会をしております、情報担当参事官補佐の玉井と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
【喜連川主査】    どうもありがとうございました。
  それでは次に、配付資料の確認を事務局からお願いいたします。
【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    議事次第に配付資料の一覧を載せておりますので御紹介いたします。
  資料1が委員会の委員名簿でございます。資料2が科学技術・学術審議会の概要。資料3については運営規則関係の資料でございます。今回、一番論点になりますのは資料4ということで、審議事項の案になっております。また、最後に資料5で今後の学術情報委員会の日程についてということで御用意いたしておりますけれども、もし過不足等ありましたら事務局の方にお知らせください。
【喜連川主査】    それでは次に、学術分科会の運営規則第3条第7号によりまして、委員会の主査が主査代理を指名することとなっておりますので、指名させていただければと思います。
  私といたしましては、京都大学の図書館機構長並びに附属図書館館長をお務めで、大学図書館の運営や学術情報基盤の状況に非常に御精通になられておられます京都大学の引原先生に可能でしたらお願いできればと思っている次第でございます。いかがでしょうか。引原先生、お引き受けいただけますでしょうか。
【引原委員】    済みません。どこかの委員会の逆パターンになってしまっていますけれども、もしそれでよろしければ受けさせていただきます。
【喜連川主査】    どうぞよろしくお願いいたします。
【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    よろしくお願いいたします。そうしましたら、引原委員におかれましては主査代理のお席に御移動いただけますでしょうか。
【喜連川主査】    次に議事運営等でございますけれども、科学技術・学術審議会学術分科会学術情報委員会運営規則等について、事務局から御説明をお願いいたしたいと思います。
【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    御説明いたします。本日、この委員会に初めて参画なさる方もいらっしゃると思いますので、この委員会の上部組織も含めた審議会の構成や概要について簡単に御説明させていただきます。資料につきましては、資料2-1、2-2を用いて説明させていただきたいと思います。
  まず、2-1の1ページ目に、「科学技術・学術審議会の概要」とありますが、この審議会につきましては、文部科学大臣の諮問に応じて、科学技術の総合的振興に関する重要事項及び学術の振興に関する重要事項を調査審議し、又は文部科学大臣に意見を述べるというものでございます。
  その下に2として構成等もございますけれども、(4)の方に、次の分科会を設置するということで、審議会の下に置かれている分科会と、それぞれの所掌事務の概要を記載しております。学術情報委員会については、学術の振興に関する重要事項を所掌する学術分科会の下に属する形になっております。
  学術分科会の概要につきましては、1枚めくっていただいた2ページにもう少し詳細なものを載せております。所掌事務は、今申し上げた、学術の振興に関する重要事項の調査審議ということになりますが、4の(1)、4のその他というところに、「必要に応じて、特定の事項について機動的に調査するため、分科会の下に委員会を設置することができる。委員会に属すべき委員及び主査については、分科会長が指名する」という規定がございます。
  この規定に基づいて学術情報委員会は設置されているわけですけれども、概要のところを御説明いたしますと、研究・教育の高度化を支える学術情報の普及・活用等に関する事項について総合的に調査する委員会となっております。また、その調査事項につきましては、学術情報の流通・発信の強化及びそのための基盤整備の在り方、その他学術情報の利活用の促進に関する事項となっております。
  続いて、資料3におきまして、この学術情報委員会を運営するに当たっての運営規則の案を提示させていただいております。また、資料3-2ではその公開について案を提示させていただいておりますけれども、それぞれ簡単に御説明させていただきます。
  まず、資料3-1の方ですけれども、第3条にありますように、会議については原則公開という形で行わせていただきます。今回、先ほどの主査代理等の人事等に係る案件もございましたので、そうしたものは非公開としておりますけれども、この後、この手続が終わりましたら公開ということで、傍聴者の方々に御入場いただきます。
  また、第4条のところに議事録の公表というところがございますけれども、原則として、この会議につきましては、議事録を作成し、委員の皆様に確認いただいた上で公開させていただくということになっております。こちらについては、審議会の透明性を高めるという観点から、議事録には発言者名を記載させていただくことにもなっておりますので、御承知おきください。本委員会におきましては、発言者名が記載され、発言がそのまま議事録となって公開されます。ただし、事前に皆様にはその内容については御確認いただくという形になっております。
  資料3-2では公開についての手続をまとめております。傍聴は会議の開催案内で事前に登録いただいた方についてお認めします。事前登録があった場合には、会議の撮影、録画、録音もできるということで御案内しておりますので、報道の方の登録があれば、そういう形で御入場いただきますし、撮影、録画等も発生する場合がございます。
  運営規則関係については以上でございます。
【喜連川主査】    ありがとうございました。今期から初めて御参加になる委員の方々もおいでになろうかと思いますけれども、最初でございますので、ただいまの説明に関しまして御質問があれば頂戴したいと思いますけれども、いかがでしょうか。
【安藤委員】    1点よろしいですか。
【喜連川主査】    安藤先生、どうぞ。
【安藤委員】    議事録、原則、発言内容と名前が付いてということで、よくあるんですけれども、見直してみると、ちょっと言っていることが理路整然としていないような場合、直すようなことは。ただ、聞いている方も録音するということは、基本的にはそういうことをしにくいような状況になるんでしょうか。ちょっと確認なんですけれども。
【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    趣旨を変えない範囲での訂正については問題はございません。
【安藤委員】    可能ですか。分かりました。
【喜連川主査】    比較的自由度を高くできたかと思います。
【安藤委員】    時々、こんなことを言ったかなと自分でも自信がないときがあるものですから。
【喜連川主査】    そうですね。
【安藤委員】    趣旨が変わらないように。はい。
【喜連川主査】    それでは、ほかにはよろしゅうございますでしょうか。これから傍聴者が入ります。
  それでは、運営規則(案)及び公開手続(案)について、原案のとおり御了承いただけますでしょうか。どうもありがとうございます。
  これから、運営規則第3条に基づきまして、公開としたいと思います。
  本日の傍聴登録はございますでしょうか。
【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    36名の方の登録を頂いております。今回、報道関係の御登録はございません。
【喜連川主査】    それでは、傍聴者の方の入室をお願いいたします。
(傍聴者入室)
【喜連川主査】    それでは、第1回学術情報委員会の議事を進めさせていただきます。
  まず、審議に先立ちまして、研究振興局担当の板倉審議官から御挨拶をお願い申し上げます。
【板倉大臣官房審議官】    研究振興局担当審議会の板倉でございます。
  先生方におかれましては、お忙しい中、委員に御就任賜りまして、ありがとうございます。また、本日も御出席いただきまして、感謝申し上げます。
  この委員会、学術情報委員会につきましては、大学などの教育研究の中でこれを支える学術情報というものが非常に重要であるということで、学術分科会の下に一つこの委員会を設けて審議をお願いしているという位置付けでございます。また、翻って、今、社会を見回しましても、この先のICT技術、AI技術など、新聞紙上を騒がせているところでございますが、大学におけるコンピューターですとかネットワークなどの学術情報基盤は研究資源ですから、研究成果を共有していくということ、あるいは研究活動を効率的に行っていくということ、また、社会に対して成果を発信したり、あるいはデータを後世に残したりといったような様々な意味合いで、この学術研究を推進するに当たっては重要な役割を果たしているものと承知しております。
  前回までの第8期の学術情報委員会では、学術情報のオープン化の推進ということで報告書をおまとめいただいたところでございますが、今期につきましては、最近、様々なコンテンツの電子化が進みまして、大学などで学術情報流通に関しまして多様な取組が行われている中で、その基盤整備ですね。ソフト面、ハード面、様々あると思いますが、基盤整備をどのように行っていくのか、また、知の拠点であります大学図書館に関して、以前からの役割に加えまして、こういった電子化に対応した更なる機能強化のためにはどうしていけばいいのかといったようなことが課題になっていくのではないかと考えてございます。先生方におかれましては、幅広い観点から御審議を賜ればと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
【喜連川主査】    どうもありがとうございました。
  コンテンツの電子化の中で学術基盤をどう整備していくか、そして図書館がどう機能強化していくかという二つの新しい視点を今期の課題としていただけたかと思います。本日は第1回ということもありますので、本委員会におけますこれまでの審議経過を踏まえまして、今後の学術情報流通や基盤整備に関わる方策等について自由に御議論いただきたいと思います。
  まず、事務局から、本日用意していただきました資料の説明を頂きたいと思います。では、お願いいたします。
【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    資料の御説明をさせていただきます。議題につきましては、(2)の第9期学術情報委員会における審議事項についてということに移らせていただきます。これに関する資料につきましては、資料4-1と4-2を御用意しております。
  まず、資料1に先立ちまして、資料4-2の方から御説明させていただきますけれども、こちらにつきましては、本年1月17日に開催されました第8期最後の学術分科会で配付、説明を行った資料の抜粋でございます。「第9期学術分科会において検討すべき課題」ということで、「各部会等」、その下に「学術情報の発信力強化及び大学図書館の機能強化」ということで書かれておりまして、「大学で生産される論文や研究データ等研究成果の保存・公開・利活用を進めるための方策や学術情報流通における電子化の進展など状況の変化を踏まえた大学図書館の機能強化の方向性について検討する必要がある」ということで報告が行われております。
  この点も踏まえまして、事前に御送付させていただきました資料4-1、に今期、第9期学術情報委員会の審議事項の案と、各事項における論点の例をまとめておりますので、簡単に御説明させていただきます。
  まず、1として、第9期以前の第6期、第7期、第8期においてこの委員会が審議、そしてまとめを行ってきた事項の御紹介をさせていただきます。
  まず第6期ですけれども、平成24年7月に「学術情報の国際発信・流通力強化に向けた基盤整備の充実について」というものをおまとめいただいております。こちらにつきましては、論文のオープンアクセス化を中心とした検討を通じて、機関リポジトリの活用による情報発信機能の強化を提起するということでありまして、科学研究費補助金の学術定期刊行物という研究種目について改善を行って情報発信力を強化する、あるいは論文をインターネット上に無料公開するオープンアクセスを推進するというような御提言を頂いております。
  また、次の第7期ですけれども、こちらについては二つおまとめいただいております。一つが、「学修環境充実のための学術情報基盤の整備について」ということで、平成25年8月におまとめいただいておりまして、学術情報の利活用と流通を促進するため、大学図書館の機能強化を提言いただいております。具体的な中身につきましては、アクティブ・ラーニングに係るコンテンツやスペースの整備といったもので御提言を頂いております。また、もう一つの「教育研究の革新的な機能強化とイノベーション創出のための学術情報基盤整備について」は平成26年7月におまとめいただいておりますけれども、クラウド環境の構築と次期SINETの整備について、ということでおまとめいただいております。
  最後に第8期ですけれども、「学術情報のオープン化の推進について」ということで平成28年2月に審議まとめを頂いております。こちらにつきましては、大学や研究機関、そして学協会の活動と、これらを支援する資金配分機関、あるいは科学技術振興機構(JST)、国立情報学研究所(NII)等の関係機関の取組を検討範囲として、公的研究資金による論文、そしてその論文のエビデンスデータの公開について御審議いただきまして、公的研究資金による論文とエビデンスデータは原則公開するという基本的な考え方を頂いております。
  こうした流れや先ほど御紹介しました資料4-2の報告も踏まえまして、第9期の学術情報委員会においては「電子化の進展を踏まえた学術情報流通基盤の整備と大学図書館機能の強化等について」を本委員会における審議事項(案)ということで事務局の方から御提案をさせていただきたいと考えております。
  具体的には、コンテンツの電子化が進み、大学において学術情報流通に係る多様な取組が行われるようになってきている中で、研究成果の発信や、そのデータの永続的な保存、そして利活用の促進、さらにはそれらの活動を支える基盤の整備について、今日的な課題について御審議いただければと考えております。また、もう一つの柱であります大学図書館の方ですけれども、学術情報の収集・組織化・提供を担う大学図書館に関して、従前の役割に加えて、電子化に対応した更なる機能強化の方向性、こちらについての御審議を賜ればと考えております。
  また、三つほど論点を提示させていただいております。一つは学術情報流通に係る諸課題や基盤整備について、2ページ目に掛かりまして、コンテンツの電子化等を背景とした大学図書館機能の強化についてということで幾つか論点例を挙げさせていただいております。このうちの(1)と(2)につきましては、今日的な課題、それと図書館の機能強化に関して、これまでの審議まとめで御提言いただいたもののフォローアップ、あるいは今期の審議事項を検討するに当たって何人かの有識者の方にお話を伺いましたけれども、その中から課題とされるものをピックアップしたということで、この事項と論点例を御提示させていただいております。また、最後に(3)で、大学における情報基盤の強化についてということで記載しておりますけれども、こちらにつきましては、データの利活用によって、最先端の研究を行う大学現場の情報ネットワーク等の見通しについて客観的な情報を把握し、ニーズに沿った支援を行くという観点から、私ども研究振興局の方で、有識者の方々からお話を伺って、研究現場で求められているニーズをエビデンスベースで把握するという取組を考えております。そこで得られた情報などをこの学術情報委員会の方にも御報告させていただきまして、我が国の基幹的な学術情報ネットワークでありますSINET5の利用状況を踏まえた今後の整備方針あるいは大学における情報基盤の強化などについて委員の皆様からも御意見を賜りたいと考えております。ただし、この話題につきましては、先ほど申し上げました局での検討等もございますので、早くても夏頃になろうかと思っております。また、(1)と(2)の事項につきましては、今回の自由討議を踏まえまして、次回に論点的なものをまとめた上で、更なる審議を行っていただきたいと考えております。
  以上、駆け足での御説明となりましたけれども、机上の方に参考資料を御用意しておりますので、必要に応じて、また意見交換を行う中でも補足説明させていただきたいと思います。
  どうぞよろしくお願いいたします。
【喜連川主査】    どうもありがとうございます。これが前期までに学術情報委員会の中で議論してきたポイントになろうかと思います。冒頭、板倉審議官からの御挨拶を頂きました中では、例えば、たしか研究活動の効率化という言葉をお使いになったと思うんですけれども、そういうことの方が実は、出てきたものの成果をどういうふうにプリザーブして発信していくかということよりも、重要と言えるかと存じますが、そういう点も含めての議論を今後していくことになろうかと思います。
  きょうは1回目ということで、事務局からの資料はこれだけになっております。横に大きなファイルがございますが、これが過去の審議での資料となっておりますので、今玉井様から御説明いただきましたように、ここはどんなふうになっているのかなというようなことをおっしゃっていただければ、過去の審議に戻りまして、その内容を御紹介いただけるということと理解しております。ここからは自由に御議論いただければと、いかようなアングルからでも結構でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
辻委員、どうぞ。
【辻委員】    辻でございます。
  前回も参加させていただいておりまして、この会の中身等については存じ上げているつもりでございます。ただ、ちょっと確認させていただきたいなと思って発言させていただきます。前回、第8期のときに、学術情報のオープン化の推進ということで、公的研究資金による論文とエビデンスデータの公開方策について話をいたしました。ただ、そのときに議論に上がっていたのが、どこまでを範囲とするんだろうというお話があったかと思います。いろいろな学協会との関係であったりといったところもあって、学会等によって温度差というか、オープンデータに関する考え方もまちまちだろうということで、ここでは公的研究資金による、ということでくくった記憶がございます。今回、第9期において学術情報流通基盤の整備と大学図書館機能の強化というところなんですけれども、その際に、例えば学協会との関係をどう捉えるかとか、飽くまでも大学の中の情報、論文ですとかエビデンスデータとかというところの学術情報を扱うものとするのか、それとももう少し学術情報として広く捉えて、学協会も含めて何かそことの間の調整まで考えましょうみたいなところまで範囲とするのかといったあたりに関して、どういう方向がよろしいかというところで、何か皆様のお考え等あったらお聞かせいただければな、と思って発言させていただきました。いかがでしょうか。
【喜連川主査】    どうも重要な視点、ありがとうございます。これに関しまして、何か御意見等ございますでしょうか。
  学協会といいますのは、日本から見ますと、今、ドメスティックジャーナルよりも海外のパブリッシャーに出す方が多くなっているかと思うんですけれども、どんどんガバナンスを掛けてきているというところもあろうかなと思います。一方、原則、教官を守るという立場に大学はなりますので、大学サイドとして、どこまでを、成果を裏付けるのに十分なものと値するかという判断が必要となります。この二つの視点が出てくると思われます。しかも、どの部分までをオープンにするのかという、なかなか重層構造で複雑な状況にあろうかと思いまして、これはドメイン・バイ・ドメインにやっていかないと難しいのかとも感じます。
【逸村委員】    関連で。
【喜連川主査】    どうぞ。
【逸村委員】    ただいまの件、確かに研究者というのは大学と学会、両方に属していて、まして今、ジャーナルの論文を投稿すると、エビデンスとしてそのデータを求められるというのは一般化しているとは言われています。現在、イギリスとフランスとトルコと組んで共同で研究者に調査しております。9月には公表する予定です。予備的な集計状況なんですけれども、正におっしゃるとおりでして、分野ごとに、オープン化を進めるという学会の指示があればやりますと。その指示がなければ面倒くさいからやらないというのと、あといわゆるプラットフォームですね。どこに載せたらいいのかと。もちろん幾つか既に出来合いのものもありますし、国によってはリポジトリがその任を担っているところがあるので、そういうものがあればやるけど、それがないからやらない等々の話が出ていて、それが確かに今、喜連川主査のおっしゃるとおり、重層的な格好になっているんです。
【喜連川主査】    ですよね。
【逸村委員】    でも、そうすると、どこからそれを突破するかというと、例えば学会に対してこういうものだとか、そういうふうに動くしかないのではないかというのが、今、集計途中ですので確たることは言えませんが、もうそれは歴然としているのはどの国も同じというふうに今の段階では受け止めております。
【喜連川主査】    そういう状況の中で、家先生、どうぞ。
【家委員】    すみません、私、今期から参加させていただきますので。これまでに出た報告書等は一通り読ませていただいたつもりですけれども、その背後にどういう議論があったのかというのは必ずしも分かりませんので、少し私の感想めいたものを申し上げさせていただきますと、例えばこの前期の平成28年2月26日の学術情報委員会の審議まとめですけれども、この中で、例えば3ページに基本的考え方として、この文章の中に、大学等における研究成果は原則公開しうんぬんと書いてあるんです。ここは誰も異論がないと思うんですけれども、ただ、ちょっと表現に気を付けていただきたいなと思うのは、とかくオープンサイエンスといってオープンアクセスとオープンデータを何となく一くくりにして議論されるところがありますけれども、オープンアクセスとオープンデータは私は全然違うレベルの話だと思うわけです。オープンアクセスに関しては、そもそも論文というのは研究者が読んでもらうためにパブリッシュしたものですからもちろんオープンであって、オープンアクセス、つまりそれがただで読めるか否かというのは、誰が費用を負担するかというだけの話であって、公開そのものにういては誰も反対しない。一方、オープンデータの方に関しては、やはり分野によって研究スタイルも違うし、どの段階でどこのデータまでをどういうふうに出すかというのは、これはかなりデリケートな問題で、これを余り分野の特性を考えずに一くくりにやってしまうと、むしろ場合によっては研究活動を阻害するケースもあるのではないかということがかなり心配になっているところがあります。当然、そういうことも議論されたのだと思います。私はその中身を知りませんので、こんな発言をさせていただきますけれども、その辺のところを、今期もし議論の機会があるのでしたら、やはり少しきめ細かく、分野の研究スタイル等も勘案した議論がなされることを望みます。
  それと、オープンアクセスの方についても、やはり分野によって、学術雑誌、ジャーナルの状況は随分違うと思うんです。国内の学会で自前のジャーナルを一生懸命やっているところもあれば、もう海外の大手出版社をプラットフォームとしているところもあると。その辺のところで、オープンアクセスに関しては、ビジネスモデルとしてどういうものが持続可能であるかというのを、やはりそこら辺も議論しなきゃいけないことだろうと思っております。
  済みません、ちょっと新参者が。感想だけ述べさせていただきました。
【喜連川主査】    どうも、重要なポイントに立った御指摘を頂きまして、ありがとうございます。
  引原先生、いかがでしょうか。
【引原主査代理】    済みません。引原でございます。
  今お話がありましたように、やはり重層的なというのはもう現実のことですから、それをどう解きほぐしてここで議論する内容にできるかということは非常に重要だと思うのです。研究者でない者から見ると、オープンアクセスは当たり前だろうと思われるかもしれないんですが、オープンアクセス一つ取ってもプロセスに乗っていないというのが現状だと思います。大手出版社に出してしまえば、それはオープンアクセスになっていると勘違いされています。お金を払えば、ある程度ゴールドのスタイルがありますけれども、それ自身がもう研究費を取っていて、研究自身を阻害している現状があります。だから、オープンアクセスが研究を阻害してしまっているという現状もある。ですから、例えば大学とかでしたら、グリーンなオープンアクセスを狙っていくということであれば研究者を守るということになりますけれども、国のレベルになれば、それはとにかく国の技術力を固持するために、ゴールドでサポートしながら外へ出していくと、別の観点が出てくると思うんです。ですから、ここでの議論というのは、図書館という話と、大学という話と、国というレベルがあると思います。
  あともう一つは、私、内閣府の委員会にいるわけですけれども、喜連川先生も一緒におられるのですが、その場所で、結局、オープン化というのが出てきたのが、やはり産業界からの声が非常に多いです。だから、どこまでもオープンにしてほしいという要求はかなり強いんですが、やはり今おっしゃったような分野ごとに違うということの背景に、誰も守ろうとしていないんです。研究者を守ろうとしていないし、データも守ろうとしていないんです。使えればいいという発想がどこかにあって、自分たちがそこから利を得て、次のステージで優位に立とうと、そういう発想が強過ぎます。例えばパブリックなものに出したときのフェアユースという感覚自身すら国自身もまだ確立していないですし、大学間でも、研究者も確立していないですし、個々のことはいいんですけれども、余りにも絡み合っていて解きほぐす糸口が非常に難しいと思っています。私は、大学の立場、図書館の立場なので、図書館からできることから言えば、やはりオープンアクセスということで研究者の考えを解きほぐしていくというのが基本かなと今まで来たわけですけれども、その流れの中で、オープンアクセスもない、認めていない大学がオープンデータ、オープンサイエンスと言い出しているときに、一体何がしたいんだろうと私は思ってしまいます。オープンサイエンスとオープンアクセスは違うと言いますけれども、オープンアクセスの雑誌自身にもデータを付けないと、それは存在できなくなってきています。その現状からいえば、分離できないんです。ですので、オープンデータがなければオープンアクセスの論文自身がもう出版できなくなる。要するに、論文自身が出版できなくなります。データ自身もパブリックで公認されたものにしなければ、その論文を受け入れることもしてもらえない。ですから、これはステークホルダーがいろいろなことがあると申し上げたかったんですけれども、このビジネスモデルが一番有利に動いているのがどこかということをもう一回考えないといけなくて、余りにも皆さんが善意な組織の代表として物を申されますと、結局それは研究者を守ることにも何にもならないだろうと感じて今お聞きしています。重層的過ぎるというので、議論としては、やはりここではどこから始めるかというのを決めていただくのが非常に重要だと思っております。
【喜連川主査】    はい。美馬先生、お願いします。
【美馬委員】    私は今回3期目、7期のアクティブ・ラーニングのところからいる者として、きょう事務局に参考資料を付けていただいていますよね。これは何か説明する時間があるんでしょうか。というのは、きょう1回目ということで、すごくこれはよくまとめていただいていて、何が論点であるのか、それから学術情報の、この前出した、2月に出たこれについても概要がここにざっくり入っているので、これ、まず皆さんちょっと、私も復習の意味も込めて、ここを見て、今の論文のオープンアクセスについての取組等も出ていますので、これをまず確認するのがいいかなと思ったんですけど、いかがでしょうか。
【喜連川主査】    玉井さん、いかがでしょうか。これをざっと御説明いただくと。
【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    承知しました。御紹介いただきました「参考資料集」ですけれども、割愛しました論点例と対応する形で御用意させていただいておりますので、論点例の御説明と併せて紹介させていただきます。
  1ページ目の下の方の、(1)学術情報流通に係る諸課題や基盤整備について、の論点例として、オープンアクセスへの対応と機関リポジトリの機能強化という事項立てをしております。読み上げますと、「研究成果の公開基盤として、機関リポジトリは世界一の規模となったが、学術論文の登載が進んでいないなど、オープンアクセスへの対応としてその機能が十分に発揮できていないとの認識。これまでの取組をレビューした上で、オープンアクセスへの対応はもとより、それ以外への活用を含む今後の機関リポジトリの機能強化についてどのように進めるべきか」ということで論点例を挙げております。機関リポジトリについては、世界で構築されている機関リポジトリの数をNIIの方でまとめておられるんですけれども、それでいきますと、我が国が681でトップにはなっております。一方で、我が国の機関リポジトリに登載されている学術雑誌論文というのはごくわずかでして、大半が紀要論文あるいは教材その他というもので占められています。機関リポジトリがオープンアクセスの受皿の一つということで登場してもう10年ほどになるんですけれども、必ずしもオープンアクセスの対応としては十分ではないのではないかという指摘がございます。他方、この機関リポジトリを学術論文の登載プラットフォームとしてだけではなくて、大学の研究成果や各大学が力を入れて取り組んでいるものを公開するプラットフォームにするといった考え方もできるのではないかというお話が有識者の方との意見交換の中でもございましたので、最初の論点例として提示させていただきました。
  次に、データ公開に関する連携の在り方ということについては、「研究データの保存、公開については、前期の学術情報のオープン化に係る審議まとめにおいて、大学等における研究成果は原則公開するとの基本的な考え方を示した。研究データの適切な保存と利活用を促進するために、機関内外の組織連携やデータの共有・公開についてどのように対応すべきか」と記載しておりますけれども、この審議まとめで頂きました提言においては、「公的研究資金による研究成果のうち、論文及び論文のエビデンスとしての研究データは、原則公開とすべきである」という方針を受けて、基本的な方策として、(1)論文のオープンアクセスについての取組、(2)論文のエビデンスデータとしての研究データの公開、(3)研究成果の散逸等の防止、(4)研究成果の利活用、(5)人材の育成及び確保。それらの方策に関して、国、研究資金配分機関、JST、NII、大学、学協会等において取り組むべき事項として提起したということでございます。
  「機関内外の組織連携やデータの共有・公開についてどのように対応すべきか」についても簡単に御説明いたしますと、こうしたデータの公開につきましては、機関リポジトリを活用するという方策もあるんですけれども、機関リポジトリの御担当については大学図書館の方で担われているケースが非常に多いようです。論文のオープンアクセスということであればさほど分野の知識等も必要ないのかもしれませんけれども、対象が広がってきて、研究データも含めた格納ということになりますと、現在の図書館職員の方のスキルや業務量を考えると、必ずしもうまくやっていけない場合も出てくるのではないかと考えておりまして、学内の研究担当部署の方との連携などをどのように考えるかといった課題があるのではないかということで、論点例の2を示しております。
  次の識別子の活用促進ということについては、研究データに識別子を付けることによって、電子化された情報が相互にリンクされて、流通性、活用性が飛躍的に向上するということは皆さん御承知かと思いますけれども、そうした国際標準の識別子でDOIというものがございます。我が国においては、こちらに御紹介しましたジャパンリンクセンターが電子化された学術論文、書籍等にDOIを付与して、そのコンテンツの所在情報とともに管理しておりますけれども、そのDOI付与によって各情報の引用が進み、またそれを使った論文作成等が進むというような効果があることから、ここでは論点例として挙げさせていただいております。読み上げますと、「研究成果等の電子的な流通には識別子の付与・活用が不可欠。例えば、我が国の研究成果をより効果的に発信するために、世界の識別子との連携や識別子間をつなぐハブ機能を備えるなど、我が国唯一の識別子付与機関であるジャパンリンクセンターの機能強化をどのように図るべきか」となってございまして、この学術情報委員会の場で皆様から御知見を頂ければということで挙げさせていただいております。
【喜連川主査】    ここで一旦切らせていただきまして、もう一回今までの議論の展開をまとめますと、辻委員からまず、そもそもオープン、オープンという美辞麗句だけではなかなか事が進まないということは前期にも十分理解されていたところが、時期的にまだ議論を深めることが十分できなかったことがあり、それをどう解きほぐすかということが大切である。逸村先生からも、今それを正に調査しているところだけれども、かなりドメイン依存性が強いのは事実だろうということと、家先生からも、オープンアクセスとオープンデータは根源的に違っていて、データの方はとにもかくにもかなりデリケートなので、その分野の特性を十分反映すべきであろうと。引原先生からは、そもそもこのオープンアクセスなんていうのは研究費を奪っていることになっているので、もはや研究者を守っていることにもなっていないので、一体どの視点からやるか。重層と喜連川が言いましたが、もっともっとコンプリケーション、複雑であるというようなつもりでした。きょうはそれぞれの問題に対して議論するというよりは、これからどういう視点について議論するか、ということのもう一段メタな議論だと思うんですけれども、やはりオープンといったときに、ある程度具体的にどういう問題が出てくるかということを真剣に見つめるためには、一定程度、それぞれ何らかの分野の方から御意見を拝聴しながらということをやらずに一般論だけをやる時期はもう過ぎたのかなという気も個人的にはいたしておりまして。これは事務局の方で、多分きょうお願いしますと、次回とかは難しいかもしれないんですけれども。そういうアレンジの中で、一体、オープンデータという世の中の流れがあるけれども、それぞれの分野の、やはりこれは学協会に聞くのが妥当なんでしょうね。どういうふうな取組が考え得るかというか、一方、進めているところは余り、現時点においてはほとんどないとは思いますので、その御計画等を聞きながら、文部科学省としてどういうことを支援するなりガイドラインを作るのが妥当かというのをここで議論していくということがいいかなと感じた次第ですけれども、そんな感じでよろしいでしょうか。
  それから、引原先生からはどこから始めるのかということで、引原先生は図書館におられて、大学の研究者を常に対面に見られておられるということから、研究者を守ると。一方で、オープン化は産業界からのニーズが多くて、いろいろ外圧があるんだというような御発言もあったんですが、これも喜連川の勝手な発言かもしれないんですけれども、私がもし考えるとすると、大学を守っても、研究者を守っても、その前に日本が潰れてしまったら何の役にも立たないということから、日本が元気になるにはどういうふうにするか、どういうフレームワークにするか。つまり、国家を強くするという意味ではやはり企業が頑張ってもらわないと、それは立ち行かないということになりますので、いいパートナーシップを作るという観点でも、私はステークホルダーをこの議論の中に入れるべきじゃないかなという個人的な気持ちもあるんですけれども、この最初の、引原先生がおっしゃっていただいた、何を目的関数にするのか。少なくともオープンにすることは目的関数じゃない。そういう意味で、世界の中で日本の立ち位置を考えたときにどういう方向感で進むことによってこの国が元気になるか、そして国際的なプレゼンスも得られるようになるか、そういう視点で考えるのがいいかなと個人的には思うんですけど、御意見を賜れば。
  先生、どうぞ。逸村先生。
【逸村委員】    今のお話に関してですけれども、先ほどちょっと申し忘れたんですが、公開しない理由を紹介します。論文をオープンアクセスにするということに関しては大体オーケーであると。だけど、そういう研究者でもデータをオープンにすることに関しては疑念があると、そういう傾向も、これはどこでもあります。今、手元にデータがないので大ざっぱな言い方をしますけれども、それはどこも30代が高いんです。というのは、どこの国でも同じですが、キャリアパスに関わると。つまり、今、論文は評価の対象になるけれども、データは評価の対象にならないと。データを公開するインセンティブがないし、もっと悪い事態になると、その自分が作った、あるいは自分が集めたデータを他の人に利用されて先に論文を出されたら身もふたもないと、そういうキャリアパス問題がある。これは日本の学術生産の増えていない理由の一つが若手、中堅の疲労感というか、そういうものもあるかと思いますが、そこまで論理的な話ができるかどうかは分かりませんけれども、データ公開に関しては、学会、大学の立場もありますが、一方で個々の研究者のキャリアにおいてプラスの面になるということも必要であるかと考えます。
  それとあと、更にちょっと、今、常にマッシュアップの話も出るんですが、これも、要するに他分野のデータを利用したいかどうかという調査もあちこちであるんですけれども。
【喜連川主査】    そうですね。
【逸村委員】    ここでももう明らかなんです。つまり、自分のその分野がオープンにしている分野、はっきり言って天体とか植物とか、そういうところは高いんです。ところが、割と低い、データをオープンにしていない、その必要もないと言っているような分野の方が、当たり前ですけど、オープンデータに関して意識が低い。ただ、いずれにしても共通しているのは、今は論文の評価が全てなので、そこに対して自分のキャリアパスをどうしてくれるんだという疑念を払わないと先へ進まないと。
【喜連川主査】    ちょっとだけ整理なんですが、キャリアパスうんぬんの前半の議論はよく分かりました。後半のマッシュアップのところでの先生の論点をもう一回ちょっと整理していただければ。
【逸村委員】    はい。オープンデータ、前回の第8期のときにも出ましたけれども、オープンデータの良いところは、ほかの分野の人間がほかの分野のデータを使って新しい知見を得ると。
【喜連川主査】    そうですね。はい。
【逸村委員】    そういうマッシュアップが可能であるというところは良いところだという議論がありました。それに関しても調査を進めていまして、そういう結果が今申したような話です。まだ完全にまとめ切れていないので申し訳ないんですけれども。
【喜連川主査】    これは、大学の責任ともいえると思うんです。つまり、キャリアパスというのは原則大学が決めておりますので、大学のプリンシプルとして、データを死蔵するのではなく、なるべく公開することによって科学に寄与しましょうと、それが得点になるんですよというような評価メカニズムを大学自身が作らないといけないんです。ただ、そういうきれいごとを言っていても、今までの旧態依然たるディシプリンの中で育ってきた方々がおられますので。そういう気持ちが通じるまでには一定の時間が掛かると思うんですが、G7、G8合意の中でグラデュアルに進んでいることもありますので、公的資金の部分に対してはかなり、やりましょうよというよりは、もうエンフォースメントに近い形にだんだんなっていくのではないかと思うんですけれども。それでも、先生がおっしゃっているのは、30代の人は出さない。出さないということになると、もう公的資金を使わないでくださいということになるんじゃないのかなという気がするんですけれども、そうでもないですか。
【逸村委員】    いや、ですから、それは出したくないと、自分のキャリアがという方。
【喜連川主査】   
【逸村委員】    ですから、アンケート調査ですから、そういう答えの割合が高いと、ほかの年齢に比べて。
  もう一つ、データ・サイテーション・インデックスでオープンなデータがどのように利用されているか調べられるツールがあります。
【喜連川主査】    そうですね。
【逸村委員】    ただ、それもこれを用いて継続的に調べているんですが、不安定なんです。データの数とか。
【喜連川主査】    そうですか。
【逸村委員】    どんなものでもそうですけど、評価指標、評価を行う際に指標を一つに絞っちゃうと不安定であると。話を更にややこしくしていますけれども、そこら辺にも目配りは必要であろうと考えています。
【喜連川主査】    そうしましたら、これ以上はちょっと細やかな議論になろうかと思いますので。
【家委員】    すみません、ちょっといいですか。冒頭にちょっと言い忘れたんですけれども、今お話に出ていた、「公的資金による研究は公開が原則」、これ自体は大昔からそうなんです。ただ、今、最近出てきた話は、それをただで読めるようにしろとか、データまで出せとか、そういうことが新しい状況なのであって、「公的資金によって出た論文、研究成果はオープン」というのは以前から変わっていませんだから、公開ということとオープンアクセスということはレベルの違う話であって、昔から学術雑誌に出たものは、読もうと思えばお金を払えば読めると、そういう意味で公開ではあったわけですね。ただ、それがサブスクリプションベースからオープンアクセス的なものにいろいろ変わっていくと、そういう時代の違いはあると思うけれども。
【喜連川主査】    それはジャーナルの方はそうですね。
【家委員】    ええ。言いたいことは、公的資金による研究は公開が原則というのは大昔からそうだったということ。最近の論調では、あたかも今までそうじゃなかったような印象を社会に与えてしまうのではないかというのを私は非常に危惧しています。
【喜連川主査】    それはディベロッピングカントリーに対して読めるようにしましょうという意味のオープンの議論がありますが、その論点はちょっと横に置いておきまして。今、データに関してはさすがに、先生がおっしゃった、昔からそうだというふうにはなっていなかったかと。
【家委員】    なっていなかった、はい。それで、せっかくこのデータを頂いたのでちょっと質問させていただきたいんですけれども、先ほどから、論文のオープンアクセスにしても、特にゴールデンオープンアクセスだと自分が払うというような、なけなしの研究費からそれを出すのはとてもかなわんというのがあって、日本学術振興会のやっている科研費でもオープンアクセスを推奨するという言い方しかできていないんです。そこで、機関リポジトリというのが一つの解決策だと思うんですけれども、このデータによれば、日本は箱はできているけれども中身が薄いということで。質問は、これを単純に割り算すると、一つのリポジトリ当たり3,000件弱しか中身が入っていないということになりますけれども、諸外国ではどうなのかということと、日本でそれの中身が薄いのはどこに原因があるのか。研究者が協力しないからなのか、あるいはエンバーゴ期間が過ぎるともう興味を失っちゃってつい忘れてしまうのか、その辺の分析はあるんでしょうか。
【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    現在NIIの方に問合せをしておりますので、また情報が入りましたら御紹介させていただきます。
【家委員】    よろしく。せっかくのデータですから。
【喜連川主査】    そうしますと、そういう、もうちょっと本質的にこのデータをどう解釈するかということに関しましては一定程度調べた段階で御報告いただくとしまして、今期の中でオープンネスに関しましては、データに関しまして深掘りして、どういうところぐらいまでなら現在可能なのかというようなことを、幾つかの分野を取り上げて、かなりディテールに検討するということを一つ検討対象のテーマにするということでよろしゅうございますでしょうか。
  これだけやると、またこれはこれですごく時間が掛かる深い議論だと思うんですけれども、せっかくですので、冒頭ございましたような、図書館機能の強化も含めて、ほかにどういう論点を今期議論するかということで御意見ありましたら。
  安藤先生、お願いします。
【安藤委員】    ちょっと戻してしまうんですけど、私、今回から参加したので、この議論を正確に理解するために、公的研究資金による論文、これはどういうふうに定義されますか。私、国立大学法人にいるんですけど、人件費は普通、多分公的資金に入るんじゃないかと思います。ただ、研究費は今、外部資金のうち、多分普通の大学であれば企業から来ているお金は相当少ないです。国の研究開発プロジェクトがかなりを占めています。ただし、経団連も含めて、大学に出すお金を今度3倍にするとか、そういう話が出ている。それから、逆に文部科学省も、例えば指定国立大学としますと、規制緩和して、本当はやはり企業から研究費が倍増するというイメージを持っているはずなんです。そのときにやはり、これは公的研究資金でやったものという定義と、それから、そうじゃない、これはある意味でプライベートなものだという定義をするんでしょうか。学会で論文を見たときにはその中身は全く、問う議論は聞いたことありませんので、そこの定義は何かできていますか。
【喜連川主査】    これは文部科学省、どうですか。
【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    この「審議まとめ」におきまして、用語解説という形で公的研究資金を定義しております。読み上げさせていただきます。「公的研究資金  文部科学省又は文部科学省が所管する独立行政法人から配分される競争的研究費」ということで、このまとめの中では定義しております。
【喜連川主査】    それはどこに書かれていますか。
【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    この「審議まとめ」の17ページです。
【喜連川主査】    17ページ。
【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    16ページから用語解説ということになっておりまして、17ページの上から四つ目に「公的研究資金」というものがございます。
【岡部委員】    よろしいですか。今の点に関しては同じ審議まとめの3ページ下部の脚注にも書いてありまして、そちらでもう少し踏み込んで、定義はそうだけれども、文部科学省が所管する公的資金、例えば運営費交付金を研究費の全額について活用した場合も同様に原則公開すべきであるというふうに、審議まとめでは少し踏み込んだ書き方をしています。この委員会はそもそも文部科学省の委員会なので、ほかの省庁について直接言うことはできませんけれども、研究者は取り組むことが望まれるという書き方でそちらについても言及している。審議まとめの立場としてはそういうことになっています。
【喜連川主査】    これは、しかし、文部科学省がおまとめになるという意味ではこうなんでしょうけれども、納税者から見たらちょっと、ほかの省庁であれ、税が投入されたものはと普通は考えてしまいますね。それと安藤先生からの御質問に関しましては、原則、国庫に1回入ってしまいますと、それはやはり公的なお金に1回変換されたと、多分そこが一番グレーなところで、一度丁寧に、そこを議論するというより、他省庁がどう取り扱っているかというのも含めて、少し調べてみることが必要かなと思います。企業との共同研究であろうとも、成果が完全に私企業に隠されてしまうということは多分納税者からの期待感からは大きく異なって、それであれば企業の個別の研究所に大学がなるような風にも見られかねなくて、それはやはり社会的な立ち位置からするとやや違和感が出るんじゃないかなと思います。
【安藤委員】    おっしゃるとおりで、国立大学法人というのは多分相当公の、人件費も含めて、明確に公な部分がありますよね。私学とてそういうことはあるし、私、読み方によっては、大学で行う研究とは、というぐらい広げてもいいのかななんてちょっと実は思っていたものですから、文部科学省のというのはちょっと今、現状に全然即さないんじゃないでしょうかね。これから世の中で、これが例えば何かいい結論が出ても、それじゃ経済産業省のはどうなんだとか、そういう議論は余り、もう今のうちに整理しておいた方がいい気はします。どう見たって、国民からもそうですし、学会から見ても、この研究が何で行われたかというのは全く、余りそういう区別はしたことありませんので。
【喜連川主査】    諸大学でかなり大規模な企業からの、共同研究費と言えるのではないかと思いますけれども、そういうところの事例も幾つか出てきているのは事実だと思いますので、ちょっと可能な範囲で調べて、その線引きということも重要かなと感じました。ただ、前半の議論で、純粋な国費ですら議論がまだ煮詰まっていないというところの現実感もございますので、いろいろ心配し出すと切りがないところがありますから、まずは明らかに国費というところから議論を始めるのはいかがでしょうか。あと後段の方で先生御指摘の部分を少し御議論させていただく。
【安藤委員】    おっしゃるとおりですね。やはり、例えば科研費なんていうのは非常に重要ですので、話をクリアにするのであれば、そのぐらい小さいものでもいいぐらいだと思っています。
【喜連川主査】   
  相澤先生、失礼いたしました。
【相澤科学官】    公開する、オープンデータのオープンという言葉に関してもコンセンサスがとれていないのではないかという気もしています。まだオープンという定義をきちんと考えていくフェーズなのかなとも思えます。オープンアクセスの論文のようなフリーなダウンロードではなく、パーミッションを経たデータ共有なども公開に含まれると思います。これに限らず、幾つもの公開の仕方があろうかと思います。個別の分野の議論をしていく場合には、どういうレベルのオープンを考えて実践していこうとしているのかというところも目を配るといいと思いました。
【喜連川主査】    ありがとうございます。
【引原主査代理】    多分、この後図書館の話になって、ジャーナルの話もあるかもしれませんけれども、結局、論文に関していえば、外国出版社、海外の大手の出版社にもう論文の流通権というのはとられてしまったという現状にあるわけです。その流れの中で今、データというのが次のフェーズとして狙われているというのは確かですし、公共の意識として、データというのはどこのものかという議論はいいんですけれども、これは必ずしも皆さん善良的な話ではなくて、ビジネスとしてデータをどう使うかというのがもう動いている中で、やはりきちんとポリシーというものを出してしまわないと、商業主義に負けてしまうということが次にあって、論文をとられてデータもとられたらもう何も残らないという現実が目前に来ているということは我々やはり見ておかないといけないのではないかと思っています。オープンのデータというのは、少し前に行けばDNAのシーケンサーがありましたけれども、あれなんかは別に一企業が大学のスピンアウトから出てやってきているわけですが、オーバードクターとか集めて、私の友達とかも行っていましたけれども、非常に優秀なのが集まって、あっという間にやっちゃうわけです。そういうので出てしまって、それは一部オープンにして、みんなが使いたいような気持ちにさせて、それを全部買わせるわけですね、ある意味では。そのような戦略がやはりあるわけですから、ここでは余りにも善良的な話ばかりしていると、これは国としてはやっていけなくなるのではないかなという思いがありますので、喜連川先生がさっきおっしゃっていました、どの立場かというと、国を元気にするためにはデータを守りながら使っていくという、その戦略を考えていくのが一番重要なんじゃないかなと思います。
【相澤科学官】    データを活用していく。
【引原主査代理】    はい、そういう意味です。
【相澤科学官】    それに関しては全く異論ありません。
【喜連川主査】    他国よりもよく活用できるにはどうすればいいかということを多分おっしゃっておられるんだと思います。
  済みません、何度言ってもデータから皆さん、話題が集中してしまうんですが、論点は後でちょっと引原先生と御相談しながらデータについてというのをまとめてみたいと思いますけれども、そこが多分マジョリティーになってもしようがないのかもしれないんですが。一応初回ですので、ほかの論点についてもお気付きの点を御紹介いただければと思いますが、いかがでしょうか。
  それでは、最初に手が挙がりましたので、五味委員、どうぞ。
【五味委員】    今回初めてですので、今お話をいろいろ伺っていて、私なりにいろいろ感じたところをちょっとお話しさせていただきたいんですが、今回の最初のところのオープンアクセスという言葉は、先ほど相澤さんがお話しされたように、非常に漠としたところになっていて、一方で、みんな果たしてそれを本当に望んでいるのかというところが何となく、非常に今のこの時点では分かりにくいなと思ったんです。というのも、オープンアクセスにするための一つの手法として今回、機関リポジトリを使おうというのを作って、これだけの数、世界一の数も作っているんだけれども、登録が進まないということは、先ほどもおっしゃったように、余り出したくない。出したくないという背景は、先ほどの自分の情報が流出するのを恐れている。じゃ、使いたい人は本当に使いたいとどこまで思っているんでしょうかというところも非常に大きなポイントかなと思いました。といったときに、本来どういうふうな情報流通を設計したらいいのかという、研究者にとってみて、私のイメージからすると、オープン、いろんな情報をみんな活用して、互いに刺激し合って、研究の成果がより高度になっていく、そういう形の情報流通の形というのを何か作らなきゃいけないんだろうと思うんですけれども、そういうものをみんながポジティブに使っていきたい、利用したいと思わせるような設計をするということこそが一番大事で、それが果たしてオープンという言葉と一緒なのかというと、どうも違和感をちょっと抱いているということです。
  それから、あともう一つは、引原先生の方から、非常にビジネスというんですか、ビジネスモデルということが出ておりましたけれども、やはりせっかくの研究成果に掛けているコスト、一般企業なものですから、そういう観点になりますけれども、研究に掛けているコストは何らかの形で回収していくということを考えることはすごく重要なことだと思っておりまして、研究の成果、出来上がってきているデータであったり論文であったりというものをビジネス上、何らかの形でお金に換えて、それによってこういう情報公開の仕組みをしっかり運営していくというところの正にビジネスモデル、場合によっては海外にそういうビジネスモデルをぶつけることこそが日本において非常に重要な正に戦略に私はつながっていくような気がいたしました。
  ですので、そういった観点をもう少し、なぜ余り研究者が使わず、なかなかオープンというところに来ないのかという観点と、もう一つはビジネスモデルというところはやはり大きなテーマになるのではないかと思いました。
【喜連川主査】    機関リポジトリを作ろうという動きが出ましたのとオープンネスの話は多分直交していると思いまして、機関リポジトリというのはどちらかというと組織が自分で持っている情報をもっと積極的に発信しなさいというのが多分メインミッションであったと思います。オープンというのは、先ほど言いましたように、幾つか理由はあるんですけれども、一つは、いわゆる途上国において研究資金がない人がどんどんポジティブフィードバックの中でついていけなくなるわけです。それは国際平和上望ましくないので、少なくとも公的資金のものはどんな国の人でも見られるようにしましょうというのはある種エシカルなポイントから必要になるというのが大きな国際的な見方。もう一つは、企業の場合は原則、非常にデュプリケートしているわけです。同じような研究開発投資というのを各社さんは見えないところで随分なされているわけですけれども、国費にとってみますと、それは二重投資になりますから、明らかにそこを節減するためにはどうするかというのもあります。それと、それによってほかの分野が新しいアウトカムを、論理的にはですよ、原理的には活用し得るので、そこのイノベーションサイクルが速くなる。逆に言うと、収穫加速、アクセラレーティング・リターンズといいますけれども、そこのスピードアップにつながるということです。今、もう一回クローズにしようというのはさすがに余り流れとしてはないんじゃないかと思います。
【五味委員】    私、オープンに別に反対しているわけでは全然ないんですけど、オープンの仕方をどうしていくのかというところがすごく大事。
【喜連川主査】    オープンの仕方で、先ほどおっしゃったビジネスモデルを含めてというところに関しては、これは先ほど引原先生がおっしゃいましたように、学術丸ごとのフレームワークの中でがさっととられないようにどうすればいいかという視点は一つありますのと、さりとて、そんなことを考えていても、実は個別領域で相当状況が違うので、その分野分野ごと、例えば天文と高エネはかなり大量のデータになるわけです。そこに対してビジネスが回るようなメカニズムがそういうビッグサイエンスであり得るのかというと、なかなかしんどいところもある。物材のように極めてデリケートな領域もある。いろんな温度差がある中で、個別にそういうサイクルが多分デファインできるのではないだろうかというようなインプリケーションを頂戴しているところじゃないかと思いますので、ここを今年度頑張って議論していけばというところだと理解しています。ですから、今までの御議論と御指摘いただいたところはそれほど大きく離れていないんじゃないかなという気がして。よろしいでしょうか。
  竹内先生、それじゃ、いかがですか。
【竹内委員】    用意されている論点ペーパーの(1)に議論が集中しているような気がいたしますが、その部分については、図書館機能も含むこの委員会でのこれまでの議論を踏まえて考えると、公開という概念と共有という概念の明確な区別がやはりある程度必要で、共有したい人がまず共有できるということが前提にあって、その上で公開ということが広まっていくというのが普通なのではないかと考えております。その中で具体的に、例えば先ほど機関リポジトリの機能強化という話が出てまいりましたけれども、大学図書館の立場で申し上げれば、使えるプラットフォームとして使っていけるのであれば、それは当然のことと考えていいと思いますが、ただ、オープン化の中で、機関リポジトリの限界というのも逆に見えてきている部分があると思いますので、これをやはり国全体の利益を考えたときにどのように具体的に進めていくのかというのは、先ほど喜連川先生がおっしゃったように、やはりきちんと深掘りして議論すべきだろうと考えております。
  二つ目の論点に移らせていただいて、大学図書館機能ということになりますと、大学図書館の機能そのものというのは本質的には特に変わっているわけではないと私は考えております。今議論されているようなオープンアクセス、オープンサイエンスといったような部分だけを見てしまうと、これは学術情報流通のごく一部を取り上げているにすぎないのであって、実際に学術研究あるいは教育のために必要なリソースというはそれに関わる部分に限定されるわけではないだろうと思います。大学図書館はこれまでも様々な研究ないし教育活動に対してリソースをインプットする立場で様々な活動を展開してきたわけですけれども、今日の大学図書館は、従来のように単純に紙の資料が図書館に集められて、それが使えればいいというものではなくなっているので、我々は次のステップとして大学図書館が何をすべきかということを考えるところに来ているのではないかと思います。恐らくここにいらっしゃる先生方の多くはRU11クラスの大学に所属されている方々だろうと思いますが、そういう大学とほかの多くの大学というのは必ずしも置かれている環境とか大学図書館に対する期待というのは同じではないだろうと思うのですが、同じじゃないこと自体は昔からずっとそうでした。しかし大学図書館は日本の国全体、あるいは総体として何をやっていくのかということについて一定のコンセンサスを持って我が国の研究教育の発展に資する、貢献するという立場を維持してきたと考えております。この委員会で大学図書館機能の強化ということについて、とりわけコンテンツの電子化ということを背景に改めて議論するということになるとすると、多様な大学図書館がある中で、大学図書館のベースラインとして、今我々が何を維持していくべきなのか、何を果たしていくべきなのかという議論と、先ほどのオープンデータ、オープンサイエンスの議論の流れの中で出てくるような極めて先進的な新たなに求められる役割の中で,具体的にどういう新しい取組をやっていけばいいのかという、その二つの点について是非明確になるような議論をしていただければと考えております。
【喜連川主査】    ベースラインの部分もやはりやらないといけないでしょうか。
【竹内委員】    もちろんベースラインについては議論が沸騰するところじゃないと思います。
【喜連川主査】   
【竹内委員】    ベースラインは何かというところを確認するというレベルでいいのではないかと思いますが。
【喜連川主査】    確認するぐらいのレベルですね。
【竹内委員】    ただ、やはりきちんと触れておくべきだと思います。
【喜連川主査】    はい。
【引原主査代理】    竹内先生がおっしゃったのはそのとおりだと思っております。ベースラインの部分というのは、今の大学図書館の多くの職員がその部分で仕事をしているということは多いと思うんです。その仕事を新しい形にシフトしていくためには、ベースラインの部分でどういうような維持の仕方をするかというのと、今後の展開の中でどう変えていくかというのを確認するという作業は必要なんじゃないかと思うんですけれども、そういう考え方でよろしいんでしょうか。
【竹内委員】    今の引原先生のお考えでいいと思いますが、ただ、今の多くの大学図書館が認識しているベースラインそのものが本当に妥当かということも含めて確認する必要があるのではないかと思います。
【喜連川主査】    家先生、どうぞ。
【家委員】    かつて大学にいた頃、図書行政商議会のメンバーに入ったこともあるんですけれども、その頃、ちょうど電子化のはしりの頃で、これまでのスタイルの図書館と新しい時代への対応ということと、図書館とそれから各大学にある情報センター、それの役割分担みたいなことが当時は議論になっていたんですけれども、その辺のところはもう大体は落ちつくところに落ちついていると思ってよろしいんでしょうか。つまり、この論点の(2)と(3)がセパレートで議論できるものなのか、あるいはかなりまだ絡み合っているものなのか、その現状認識を教えていただきたいんですが。
【逸村委員】    一応専門なので話をさせていただきます。
【喜連川主査】    どうぞ、先生。
【逸村委員】    今やネットワークのない大学図書館というのはもう存在し得ないと。それは研究者にとっては当たり前ですけれども、学生にとっても同様であると。先ほど機関リポジトリの話も出ましたけれども、機関リポジトリ、確かにジャーナルの論文は少ない。しかしいわゆる文系中心の紀要がたくさん載っています。これが昔、15年ぐらい前までであれば紙だけの存在だったのが、いまではきちんとした紀要論文が機関リポジトリに登載され、サーチエンジンやディスカバリーサービスで発見されることにより、学生が非常によく勉強するようになりました。つまり、授業を受けている中で、その先生の紀要論文を探して、これ今の話と同じじゃないか。読んでみて更に関連する文献を探して、という行動が一般化しています。実際にあちこちの大学図書館のレファレンスサービスに聞きに行くと授業を受けて、担当する先生の紀要論文を見て、更にそれに関する論文を調べて、というような学習スタイルが2008年ぐらいからかなりできてきています。むしろこれだけオープンになってネットワークがある段階ですから、正にそういうリテラシー教育を私立大学も含めたことでやるというのはありと考えています。
【喜連川主査】    東京大学も図書館電子化部門というのを基盤センターの中に入り、図書館と情報システムとがもう四つに組んだような感じで、多分どこの大学もかなりそういう傾向が強くていらっしゃって、逆に言うと、あらゆる部分にもうITが入っているというところですよね。そういう中で図書館がIT化を進めるとともに、今までのサービスをどうリデファインしていくかというところに、大くくりで考えると、竹内先生の御指摘もそういう形とまとめることができるのかなという気がしますが、逆に言うと、図書館の先生方がこういう領域でどういうふうに御活躍していくかという役割がかなり激変してきているというところを再度、一度議論しておくということが重要かと。
  美馬先生。
【美馬委員】    1回目ということですので、先ほどデータのオープン化とかなどについて、まず共有するというところから話があるということでした。これまでここの前の期の委員会で議論されてきたこととして、なぜ共有するのかというところがありました。そこには社会的な要請と、研究のオープン性という二つの方向があって、社会的要請というところでは、成果を共有するということと、そこから出てきた知識を共有するということ、それから公的資金を使ったものに対する公共性の問題であるとか、公共財となっていくものがあると。もう一つ、研究のオープン性というところでは、一つは発展性ということで、先ほど委員長もおっしゃったように、発展途上の国とか研究費が余りないところでも、オープンにされれば、その上に更にそういうデータを使って、あるいはその先の研究ができるということと、もう一つ、当時ありましたね。2年前、3年前でしたか、再現性の担保という話もありましたね。ある問題が大きく起こって。そういう共有していくという中で、私、もう一つここで、最後の方、どこかで議論できるといいなと思ったのは、やはり実際にそういったものが使えるようになるというか、今、大学生とか研究者が一生懸命勉強して、ほっていくと見つかると言うんですけれども、例えばそこには、先ほど五味さんがおっしゃったように、もう少し何かキュレーションのようなものが必要なのか。それからあと、例えば今、データのオープン化といって、いろいろな行政が自分のところの持っているデータをウェブ上に出していますけど、あれは単にとても見にくいものがエクセルでぼこっと張り付けてあって、ひどいものはデータとして扱えないような、紙をスキャンしたようなものが置いてあって、それをオープン化と言っている場合があります。もう少しサービスとして実際に本当に使えるようにということでは、今回の大学のライブラリーでも、弱小大学のライブラリーでもそうですけれども、この議論の中でも出てきた、例えば人文科学の何かデータも出てくれば、それを別の分野の情報科学的に見ると、もっと研究がそこで発展するとか何とかいうことは頭の中ではあるんですが、実際にそういう人たちがどこかで出会えるのかとかというのは、あるのではないでしょうか。イノベーションということで考えれば、もっと違う見せ方とか在り方というのが、オープン化の目的として、何のためにというところを、イノベーションを起こすため、違う分野の人が出会うようにするためという目標も一つ置くならばまた違ったやり方もあるかなと思います。見せ方というところをもっと強調して、何かそこに注力するという一つの方向もあるかなと思ったわけです。
【喜連川主査】    個人的にはそういうことをやるのが図書館機能としてすごく求められると思うんですが、済みません、今美馬先生がおっしゃっていただいている今期議論する内容のタイトルとしてはどう考えればよろしいでしょうか。
【美馬委員】    分かりません。本日は1回目だから言ってみました。
【喜連川主査】      引原先生。
【引原主査代理】    前々期ですかね、そう。7期にアクティブ・ラーニングというのがございまして、そのときにやはり大学の中で図書館を利用した教育をどういうふうに進めていくかという議論がなされたと思うんですけれども、そのフェーズがもう収束に向かっていて、次は世界的に見てもリサーチコモンズというか、リサーチに対してどういうふうに図書館あるいは情報系が貢献するかというフェーズに来ているわけです。これはどこにもまだ答えがないわけです。今おっしゃったような行政データというのですけれども、うちの大学の図書館と京都府の公共図書館がリンクを張って見られるようにしましょうという協定を試みました。当初の狙いは京都府の北の方の方々が大学の図書が借りられるようにという考え方だったんですけれども、流れは逆になっていまして、大学院生が各自治体の行政データを見に行って、それを研究に使うようになってきていると。そういうプラットフォームができると、みんな動き出すんです。ですから、情報流通という意味ではそういうプラットフォームを作ることだと思って、更にその先に、研究のリサーチに持って上がれるようなフェーズを作ってあげるということが一番重要なので、そういう議論が例として出てくれば使えるようになっていくんじゃないかと、今お聞きしてそういうふうに思いました。
【喜連川主査】    多分図書館が音頭をとって、御自身ではポータルを作るのは結構しんどいかもしれないんですけれども、少なくとも紙のコピーをとったのをホームページに上げるんじゃないと。ちゃんとAPIにしてくださいみたいなのをプロモートして、それをまたユーザー側にもプロモートしていくような、そういうある種のコーディネーター的な役割をされることが僕はかなり重要になってくるんじゃないかと個人的には思いまして、そういうものも含めて図書館の次の時代の役割みたいなのを議論するというのがいいかなと思うんですけれども、竹内先生もそういうイメージでよろしいですか。
【竹内委員】    先ほど私がベースラインと申し上げた部分は実はそういうことを申し上げたかったわけで、どういうことかというと、大学図書館はそれなりに多様性があるわけなんですが、その多様性があるところで、進んでいるところだけが、ラーニングコモンズにせよ、あるいはリサーチコモンズにせよ、ものすごくどんどん先に進んでやっていくというのではなくて、大学図書館が総体としてこれまで我が国の教育研究を支えるという機能を持ってきた中で、そのことをきちんと維持していくためにも、多くの大学図書館でコンセンサスが得られるレベルのベースライン、どの大学図書館においても、あるいはどの大学においても一定程度のサービスが得られるレベルというのを「このレベルである」ということをやはりきちんと明確に示しておく必要があるのではないかという意味でのベースラインと御理解いただければと思います。ですから、先ほど美馬先生がおっしゃったような、行政データへのアクセスのアプローチといったものは、これは日本の大学あるいは大学図書館であればもうどこでもできることですと、それをするようにすること自体が今日の大学図書館のベースラインであるといったようなことを言う必要があるのではないかと思います。
【喜連川主査】    図書館は例のジャーナル購入などでの予算的に厳しい中で、そちらで本当に非常にお忙しくなっておられるんじゃないかとも思うんですけれども、そういう図書館での何か動き、議論はございますでしょうか。
【竹内委員】    私もほかの大学の活動についてきちんと知っているわけではないので、ひょっとしたら誤解があるかもしれないですけれども、今の私の認識としては、先ほど引原先生がおっしゃったようなリサーチコモンズをやろうとしている大学は出始めていると思います。もちろんラーニングコモンズ,学習支援というのは、これもやはり大学間の違いはありますけれども、多くの大学あるいは大学図書館で形になってきていると思います。各大学が独自性を維持しながらいろいろな試みをされているところは恐らくたくさんあると思いますが、大学図書館がうまく機能した例としては、遺跡リポジトリのような、これまで十分流通していなかった研究資源というのを大学図書館がプラットフォームを提供することによって広く使えるようになっていったものがあると思います。大学図書館だけではなくて、非常に広がりを持ったリソースとして、研究あるいはその他様々な目的で利用できるようになってきているということがあるわけです。これは飽くまで一つの事例にすぎませんけれども、そういった活動を一般化した言葉で表現して、それがこれからの大学図書館機能の根幹となっていく、あるいは新しい活動の方向性だということを出していくことは重要だと思います。また、そういったことをやっていくための必要な資源をきちんと大学ないし大学図書館に投入していくようにしていくためにも、やはり国レベルの委員会であるこの学術情報委員会がしかるべき方向性というのを見せるべきではないかと思います。
【喜連川主査】    おっしゃるとおりですね。今おっしゃったことですと、やはり先ほどのデータプラットフォームの中で発信・共有するということに非常に強く連接していくかなと思います。全部が実はつながっている。せっかくの第1回です。今まで御発言のない委員の方でいかがですか。
  岡部先生。
【岡部委員】    今日、(1)、(2)と来て、(3)の話はほとんどできていないんですけど、せっかくこの資料を用意していただいて、一番後にNIIが進めておられるオープンサイエンス推進のための研究データ基盤整備の話があって、これはこの委員会の今後の活動に恐らく非常に関係すると思うので、ちょっと御紹介いただければと思うんですけれども、それを踏まえてちょっとお話しさせていただきたいと思っています。
【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    はい。先ほどからオープンサイエンスの関係で、研究データの格納をどうするのかという話もありましたけれども、実際そういうものをきちんと管理した上で格納し、検索に便利なようなメタデータを付与した上で、利用者が欲しいものを手に入れられるようにするというような研究データ基盤の整備というものをNIIの方に今年度からお願いしているところです。NIIの方では、論文の格納先としてJAIRO Cloudというシステムを構築されておりますので、そのデータ版ということで、資料の方にも「JAIRO Cloud for Data」というような書き方がありますけれども、6ページの右の方に簡単に模式図を載せております。研究者の方々はデータを保管するということでデータ管理基盤の方にアクセスいただき、識別子を付与した上で、データにきちんとアクセスできるような処置をした上で公開の基盤を確立いただきます。さらには、公開基盤が検索データ基盤の方につながっていて、②の方の公開基盤ですとか、あるいは国立研究開発法人の分野別データベースに登録された研究データを横断的に検索して、利用者の方々がそれに容易にアクセスできるようにする仕組みになっております。以上、簡単ではありますが、御紹介させていただきます。
【岡部委員】    この取組、是非今後も、NIIさん、海外の動向も踏まえて時間を掛けてここまでやってこられて、これから本当に大変な時期だと思うので、頑張っていただきたいと思うんですが、その上で、なぜこういうものが必要かというと、これはやはり自分とは違う専門分野外のデータはどんなものがあるのかというのが、必ずしも専門でない方がこういうのを使うと見つけられるというところがメリットだと思うんです。その際に、実は分野が違うと、例えばデータのフォーマットも違うとか、データはあっても、どうやってそれを処理したらいいのか、そもそもそこから分からないというようなこともままある。そこはやはり学際的な研究を進めていく上でハードルになってくるんだろうと思います。そういうフォーマットを決めたりとかツールを出したりするというのは、コンピューターサイエンスの世界でも昔からそうですけれども、日本は余り得意でないところで、これも同じようにいきますと、やはり例えばフォーマットはヨーロッパ系で決まっちゃうとか、プログラムはアメリカでぱっと作っちゃうということが起こってしまいかねないので、是非こういうところ、データのフォーマットを決める、あるいはそれを使うプログラムを統一する。あるいはデータも、どっかにありますと、これは何テラのデータですということでは困るので、例えばデータを扱うような環境そのものを含めて提供するようなことも分野によって考えていく必要があるんじゃないかなと考えています。
  以上です。
【喜連川主査】    ありがとうございます。その辺に関しましては、この白い本の中にデータのフォーマットの標準化うんぬん、あるいはシステムのことに関しても頑張りなさいと書かれておられます。やはり機関リポジトリにその場所があることによって容易にデータが置ける。これまでは場所がないのでデータも置けなかったというところが随分あると思いますので、今後に期待したいと思います。もう余り時間がないのですが、赤木先生、いかがでしょうか。
【赤木委員】    慶應義塾大学の赤木でございます。
  きょうお話を伺って、大変啓発的にいろいろ聞かせていただきました。オープンアクセスにつきましては、非常にデータの方のオープンアクセスにまつわる問題点があるということについてきょう初めて蒙(もう)を啓(ひら)かせていただきました。ジャーナルと同じように大手出版社に囲い込みされたらとんでもないことになるというのはよく理解できました。  私は、ちょっとお話が出ましたけど、オープンアクセスの問題も含めてですが、図書館が関わる際に学協会との関係をどのようにそれぞれの図書館でお考えになるのかということに関心があります。プレプリントのデータベースで言えば、世界的に学協会の方が主導権を持っていて、そこに公的あるいは私的な資金が入ってきています。そのような動きがあるところで、図書館はどういうふうに関わりを持っていけばいいのかというようなことについて考えたいと思っております。
  全然体系的な話ではなくて申し訳ありませんが、今後とも勉強したいと思っております。ありがとうございました。
【喜連川主査】    どうもありがとうございました。
  永原先生、御意見いかがでしょうか。
【永原委員】    私も本日初めて聞かせていただいて、いろいろな問題が多様に複雑に絡んでいるので驚いたんですが、ちょっとまだ十分私の頭の中で整理できないのは、例えば私の場合ですと天文学とか惑星科学とか、既にデータ公開が、研究者間ではシェアされていて、これはもうニーズがあって、自分たちでもうそうせざるを得ない。それと、そのプロジェクトにはやはり膨大な国費が投資されているので、それは当然と思うし、それから、非常に早い段階では専有できるけど、あっという間に、1年もたとうものなら全世界に向けてデータ公開というのが前提になっているようなところで、これは実際、研究者間にニーズはあると。そうすると、今ここで議論されている、すごく一般的にデータ公開と言って、ではどこに本当のニーズが。ねばならないというのは片方で分かる一方、ニーズがないことにはなかなか人間、労力、時間といい、お金といい、なかなかやはり投資できないので、それは実際には非常に困る……。つまり、誰がどれだけのお金を使ってそれをやっていくのかという部分がやはり今一つ私の頭の中で整理ができませんで、確かにねばならない。でも、ねばならないことぐらいは、先ほどさんざん議論もありましたように、ある程度、論文という形では何はともあれ公開はされていると。そうすると、やはり行き着く先はデータと、話を振り出しに戻して申し訳ないんですが、そこに行ってしまうような気がするんです。そうすると、これは研究者にしてみるとものすごい負担で、実際こういうことがおりてきて、大学の私たちの周辺でも、えっ、どうしたらいいんだと。自分たちが論文を書いたものを向こう5年間どこかに保管せよと言われたって、一体どうしたらいいのだと。そもそもデジタルじゃない情報もあれば、そんなものを誰が保管してくれるんだと。研究者一人一人にしてみると、ほとんど負担感以外の何物もない。それで、今、つまり、すごく制度としてねばならないことと現場との間ですね。ここをどういう形で。そこで突然、図書館という言葉が出てくるんですが、私からすると、図書館は全然違うと。例えば自然科学系の人間にしてみると、図書館が情報を、我々のデータを管理してくれるといっても、えっ、図書館はそんな、図書、物理的にある本の整理をすることすらもう手が回らないとおっしゃっている中で、とても我々の論文を書いたデータ管理などしてくれるとも思えず、一体誰がこれを管理するんだと。てっぺんにある概念と現場とのギャップをもう少し何か考えないと、理念の部分と現実とにかなり戸惑いを感じて、そのことが最終的に途上国への発信とか、それは、でも結局は論文の形で恐らくなされて、まだ生データはとても。生データは実はあってもどうしようもなくて、我々も。生データじゃなくて、データ処理のソフトまで含めて公開されていなければ、データはほとんど何の意味もないに等しいようなものであって、そうするとやはり、データをやるときには、データ処理も含めた、ある種サービスといいますか、そこの部分を一体どこが担うのかということがきちっと。そうすると、ものすごく実はお金の掛かる話になってくるので、その辺を何かちょっと仕組みを議論しないといけないと思いました。
【喜連川主査】    分かりました。やはり冒頭議論させていただきましたように、分野によって大分感覚が違うということで、その辺を今年度深掘りさせていただきたいと思います。
  谷藤委員はすごくいろいろなところで御意見を発露されておられますがわずかな時間で恐縮ですけど。
【谷藤委員】    機会を頂きまして、ありがとうございます。
  この委員会の初心者として、襟を正して論を聞くという立場におります。かれこれ10年ほどオープンアクセス論に関わってきてきましたこともあり、今日は物質・材料研究機構の、つまり材料分野の観点から、学術情報のオープン化推進に資するリポジトリ観を申し上げたいと思います。材料科学は、研究のみならず、新しい材料や機能開発、伴うデータ戦略において国際場面での競争が激しく、かつ国の産業という側面でも研究データの利活用には関係が深い分野です。ちょうど4月1日付けで、(物材機構では)データプラットフォームセンターを立ち上げたところです。正に研究情報を使えるようにするオープンプラットフォームとはどういうものかという議論を重ねてまいりました。その議論を思い起こすにつけ、図書館機能の再定義というよりも、そもそも論に立ち戻って、研究現場に密着しつつ、同時に、次の研究や他領域の研究に資するデータ利活用に向けた機能を洗い出していくという作業が続き、結果として、図書館機能が全く様変わりしたことの認識が大きかったと思います。データをいかに効率的に、質を確認しながら収集するか、その収集したものがどのように合理的に使えるような形に持っていけるのか。そして、使うがわ、それは企業であったり、同僚であったり、世界の同僚であったりするわけですけれども、そういった異なるステークホルダーが必要とするデータ形式とか、解析ツールとか、いわばデータとアプリケーションが一体となったサービス化や、世界のデータ規格に合わせる国の立場など、利活用という言葉にはいろいろな側面があると理解しています。
  そこで、今日のお話や資料を拝見したところでは、大学図書館のリポジトリ、という言葉が何回か出てきていますが、日本の大学リポジトリというインフラ整備は、世界標準に沿って進確実に進歩してきていると思います。ただこれからは、収集や保存に終わらず、ためたものをいかに使えるようするか、何が、どうなっていると使えるのか、という視点で、改めてリポジトリというものを再定義をするときに来ていると思います。そうすると、おのずと、機関単位で運用される機関リポジトリは、これからは学問分野の特性や領域の広がり、日本として独自性と価値、それから世界におけるその分野の強みというものに焦点をあてて、使われるリポジトリへの歩みを進めるときではないかと、材料データリポジトリの設計を考え詰めていくにつけ、強く感じるところです。つまり、リポジトリの付加価値の創出とでも言うのでしょうか。例えば東京大学が強い分野とほかの大学が強い分野が合わさったシナジー効果というのがリポジトリの先にあるんじゃないかなと。これからは人件費的にも、それからリポジトリ人材(データライブラリアン)の育成という意味でも、かなり集中して投資していかないと、成果に結び付くまでに時間が足りないという状況が日本の喫緊問題です。分野リポジトリという言い方をしてもいいですし、分野依存のニーズを取り出して具体化する。そのことを考える人たちが図書館員にいればそれも良いし、その分野の学協会に助けを借りて一緒に協働するということも、これからは必要だと思います。ですから、日本の学協会が何もしていないからいけないというような議論よりは、日本の学協会の役割も、この議論を通して共感を得られるような表現で再定義し、分野依存のニーズをうまく引き出す役割として関わっていただいて日本全体として動く。日本の場合は、正に「動かざるを得ない状況にある」と思います。
【喜連川主査】    大変貴重な視点、ありがとうございます。機関リポジトリが縦糸だとしますと、分野リポジトリというのは多分横糸のようなもので、それを統合的に議論しながら、日本としてどう進めるべきかということももっと真剣に考えましょうということですね。本日は大半の議論がデータ基盤、オープンデータのことになったかと思いますけれども、こういう方向感の御議論が重要だという御意見を踏まえまして、次回以降、事務局と相談してテーマを設定させていただければと存じます。本日は、司会が不慣れなため、大変時間を超過して誠に失礼いたしました。
  それでは、事務局から連絡等ございましたら、お願いしたいと存じます。
【玉井学術基盤整備室参事官補佐】    本日の会合の議事録については、各委員に御確認いただいた上での公開ということで、改めて御照会させていただきます。
  また、資料5に第2回以降の日程を記載しております。第2回につきましては5月31日水曜日の午前10時から12時ということで、場所は未定ですので、また御連絡を差し上げたいと思います。先ほど主査の方からお話がありましたように、本日頂いた御意見を整理したメモを事務局の方で作成して事前に御覧いただき、それを踏まえた議論を第2回で行っていただければと考えております。
  事務局からは以上です。
【喜連川主査】    どうもありがとうございました。それでは、本日は閉会させていただきます。どうもありがとうございます。

お問合せ先

研究振興局参事官(情報担当)付学術基盤整備室

麻沼、齊藤
電話番号:03-6734-4080
ファクシミリ番号:03-6734-4077
メールアドレス:jyogaku@mext.go.jp(コピーして利用される際には全角@マークを半角@に変えて御利用ください)

(研究振興局参事官(情報担当)付学術基盤整備室)

-- 登録:平成29年06月 --