資料3-2(2) 科学研究費助成事業「新学術領域研究(研究領域提案型)」の成果・課題について(参考資料)

科研費大規模研究種目の在り方の検証等について

科研費における大規模研究種目(「特別推進研究」、「新学術領域研究」)の在り方については、科研費改革の一環として検討課題(※1)が掲げられており、これを踏まえ、審査部会において、日本学術振興会との連携(別紙)を図りつつ、主に以下の観点から成果・課題を検証する(おおむね平成27年内)。研究費部会では、当該検証の結果を踏まえ、所要の改善方策について審議を行い、できるだけ速やかに成案を得るものとする。なお、検証等に当たっては、各分野の相違・特質についても適切に配慮して審議を行う。

<検証の主な観点の例>

【共通】
□ 当該種目を創設した目的・意義が十分に達せられているか(規模に相応しい顕著な成果が挙がっているか等)。
□ 研究の発展を支援する観点から、他の研究種目との間の役割・機能分担は十分明確なものとなっているか。
□ 審査や評価は、社会の要請や変化に適切に対応したものとなっているか。

【「特別推進研究」関係】
□ 応募・採択状況について、新陳代謝が十分になされているか。
□ 科研費以外の大型研究費制度との役割・機能分担は十分明確になされているか。

【「新学術領域研究」関係】
□ 採択領域において「コアグループの形成による知の集積」(※2、3)が持続的に図られているか。

※1 科学技術・学術審議会学術分科会
「我が国における学術研究の振興と科研費改革について」(平成26年8月27日)

4.科研費改革の基本的な方向性
(科研費の基本的な構造の改革)
○ また、大規模科研費(現行の特別推進研究、新学術領域研究)については、グローバル化を踏まえた審査や評価の改善を検討することが求められる。さらに、そのような大型研究の枠組みの中で次世代の研究者を育成する仕組みや、研究者の自由な発想によるボトムアップで育った有望な研究テーマを伸ばし、国際プレゼンスを戦略的に上げていくような仕組みを科研費制度に内在化していくための検討が必要である。


※2 学術分科会学術の基本問題に関する特別委員会
「学術振興上の重要な取組について」(平成23年7月15日)

3 当面の検討課題
(4) コアグループの形成による知の集積
我が国の学術研究においては、大学共同利用機関、共同利用・共同研究拠点の整備等により、様々な研究者ネットワークが形成されてきた。
一方、このような組織整備による取組以外にも、各分野において、個々の研究者による連携は行われているが、分散的な連携にとどまっている場合もある。
このため、世界に発信できるような知を創出するコアとなる研究グループを研究者の自発性に基づき形成するなど、知の集積を図っていくための方策について、中長期的観点から総合的に検討することが必要である。
その際、大学共同利用機関、共同利用・共同研究拠点の整備等のこれまでの取組のほか、例えば、科学研究費補助金の「新学術領域研究」等について、更なる発展に向けた検討が求められる。


※3 学術分科会研究費部会
「科学研究費助成事業(科研費)の在り方について」(平成24年7月25日)

3 新学術領域研究の改善
(前略) 「学術振興上の重要な取組について(これまでの意見のまとめ)」(中略)において、研究者ネットワークのコアとなる研究グループの形成という観点を新学術領域研究に取り入れることなどについて検討することが求められており、これらを受け、領域研究の成果をより発展させるための支援の在り方について、本部会において検討を行った。
(継続支援)
(前略) 新たな領域提案が過去に採択された領域研究の成果をベースとしている場合には、これまでの領域研究の成果やその評価を領域申請書に記載することとし、審査に適切に反映することにより、これまでの研究により構築された研究ネットワークの発展を促すことが必要である。 (中略)
一方、異分野連携・共同研究等により新たな芽を育む研究を支援していくことが学術研究の発展にとって重要であることはいうまでもなく、新学術領域研究内での成果評価のみならず、様々なかたちで築かれつつある研究ネットワークの成果についても、適切に評価し、支援していくことが重要である。


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電話番号:03-5253-4111(内線4092)
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