「最終報告」は、基本的に「中間報告」の方向を踏襲しつつ、「中間報告」以降の議論や、ヒアリングでのご意見等を踏まえ、主に、以下の論点について加筆をしてはどうか。
○国際的な学術ネットワークへの積極的な参画
アカデミーの世界的な動きとして、レビューシステムや学会、ジャーナルの在り方など世界標準的な学術研究の仕組みについての議論や、国連・ユネスコ、OECD、GRCなど、様々な形での国際的なネットワーク化が進んでおり、こうした動きに日本の学術界もより積極的に参画し、国際社会へ発信・貢献していくことを期待するとともに、政府においても、それらの動向を踏まえた振興施策の実施や、学術研究にふさわしい指標に基づく分析、及びその発信をしていくことが必要であること。
○人文学・社会科学の振興
あらゆる学問・文化・人間の根幹・基盤となる知を創出する学問分野としてのサイエンスの在り方(評価の在り方を含む等)を人文学・社会科学が示し、実践していく必要があること。
特に、研究の多様性、継続性を確保しつつ、各分野間での密接な連携や相互補完、研究者の多様な社会的活動への参画や社会貢献、国際的な学術の場へ参加するなど積極的な対応等を図ることにより、現代社会が内包する課題に向き合うことが期待されること。
○学術研究の地域再生への貢献
地域では少子・高齢化や大都市への流出に伴う人口減少などの課題に直面しており、各地域の大学を通じて、地域社会・経済を活性化する多様な人材の育成・供給はもとより、地元企業等との連携による革新的技術の創造や、文理融合の研究による地域資源の活用など、学術研究により地域の再生へ貢献しうるということ。
また、地方の大学と都市部の大学との間の人材流動化は、研究者育成にも地域活性化にも有益であること。
○大学と産業界の対話の必要性
学術研究により創出された知をさらに発展させ、経済的、社会的、公共的価値に具体的に結びつけていくため、情報共有の場を設け、双方が積極的にコミュニケーションをとる必要があること。
○施設設備の共有
施設設備の共同利用は、日本全体の資源の有効活用・効率化や研究者交流の促進等の観点から非常に有益であるため、積極的に推進していく必要があること。
○改革の実現化に向けた具体的方策
学術研究の挑戦性、総合性、融合性、国際性を高め、社会の負託に応えるため、国・学術界双方が本報告書を踏まえた方策を具体的に推進していくとともに、そのフォローアップを行っていくことが必要であるということ。
※その他、各部会等における審議状況を踏まえた記述の充実を行う。
研究振興局振興企画課学術企画室