資料1-3 学術研究の推進方策に関する総合的な審議について(分科会長私案)(3)

科学技術・学術審議会 学術分科会
学術の基本問題に関する特別委員会
(第7期第1回)
平成26年3月10日

平成26年2月5日 第55回学術分科会における
平野分科会長御発言要旨


○ 学術研究の推進方策に関する総合的な審議についてお諮りしたいので、私案として配布資料2-1を御覧いただきたい。これまでも、分科会や部会において、昨今の学術の在り方や財政の在り方についていろいろと貴重な御意見が出ているところであるが、今後の学術の在り方について学術分科会として抜本的な議論をして、骨太の提言としてまとめていきたいと考えている。その内容としては、第5期科学技術基本計画の検討もにらみ、政府に対して心配ごとも含めて学術はこう考えてこういう方向で動きたいということを、我々の責任として、きちんと発信できるようなものにしていきたいと考えている。

○ 後ほど来年度予算案等の報告があるかと思うが、大学や学術研究をとりまく現下の状況は極めて厳しいものがある。このままでは、我が国の将来的な発展や国際社会への貢献はあり得ないとの強い危惧を抱いている。学術分科会として危機感を共有し、学術研究の振興の在り方について、しっかりと意見を述べていきたい。改めて学術の本質を踏まえた骨太の議論を行い、社会の発展に貢献していきたい。

○ そこで、これまでの分科会の議論を踏まえつつ、より機動的・集中的に審議を行うため、既に設置されている「学術の基本問題に関する特別委員会」において、御議論を頂いてはいかがかと考えている。

○ 特別委員会における主な論点案などを記載したものを分科会長私案として用意したので、御意見を頂きたい。
 
○ 1つ目の学術の意義・役割等の関係では、近年のいわば短期的な出口指向が強まっている状況を踏まえ、「国力の源としての学術研究の意義」について、持続可能な人類社会を支える、真の意味での「イノベーション」における役割を含め、今一度、御議論を頂きたい。また、学術研究の成果は、社会に還元されるまでに長い時間かかることが多く、国民から理解されにくいところもあるが、国民の期待に応えていくために学術はどうあるべきか、自己改革に向けた根本的な議論が必要と考えている。

○ 2つ目の財政支援の関係では、「学術の意義・役割等を踏まえた成果最大化のための効果的な支援の在り方について」ということで、現下の財政状況を踏まえ、「学術研究の多様性や卓越性を支えるために必要な予算構造・規模等の考え方」や、「大学改革や国際的な動向等を踏まえた学術研究支援の在り方」など、基盤的経費の削減が続きデュアルサポートシステムが現実的に崩壊しつつある中、今後の在り方について御議論を頂きたい。

○ 3つ目の研究環境の改善、支援体制の強化の関係では、これまでの大学の研究力強化にかかる分科会の議論を特別委員会で引き継いで御議論いただきたい。

○ その他、関係部会等で議論が行われている学術研究に関連する事項についても、それぞれの審議状況を踏まえて、学術政策の全般にわたる提言をとりまとめたい。また、国立大学改革や大学院改革等の大学全体をめぐる動きなどを踏まえるとともに、大学分科会等とも連携し、学術政策全体に横軸を通すようなものとすべきと考える。

○ 状況は待ったなしである。自主性・自律性を基本とする学術にふさわしく、学術コミュニティーとして守るべきものは守り、改革すべきは改革する覚悟をもって骨太の議論を集中的にしていきたいと考えている。

(以上)

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