資料1 前回の学術情報委員会(第13回)での主な意見

前回の学術情報委員会(第13回)での主な意見

<第5期科学技術基本計画の策定を見据えた学術情報基盤の整備の在り方等についての御意見>

(基本的な姿勢)

○ 国家存立のための基盤技術として、物質、ICT、量子と書いてあるが、全ての学術のドライバーとしてのICTをしっかりと発展させることを根源的に入れることが重要。
○ ビッグデータを1つの大きなテーマとして、第5期にきちんと打って出る。その上で、データそのものを扱っていく戦略が大事ということを示す。

(オープンデータ関連)

○ ビッグデータ等、様々なデータの活用は既に重要となっており、キーワードやキャッチフレーズとしては、オープンデータが適当。
 研究データをある程度オープンにするという方向性が非常に強く求められており、少なくとも日本としてはどういう方向で、何をどうしたいのかという方針をきちんと考えないと非常にまずい状態なのではないか。
○ データのオープン化にあたっては、そのための技術、運用の仕方、お互いの共通認識の持ち方といったところが必要。
 多角的な視点から一つのデータを扱っていく環境、学際的な研究開発を推進するという意味で、データ自身の運用の仕方や、セキュリティを含め、それを守るための技術開発といったところに焦点が当てられる必要がある。
○ データの共有に関して、これから必要になってくるのは、正に学際的にデータを使えるようにする環境ということで、人文社会科系のデータが自然科学の方でも十分使われていくようなことができるようにするための環境と制度の整備、そのための様々な社会的な制度まで含めた制度作りということが極めて重要である。
○ 欧米では、データシェアリングのポリシーが公表されている。日本としてのポリシーをきちんと作るべき。
○ データを公開・共有することによるデータ処理費等の大幅節減や失敗した事例を登録する仕組みなどの成功例を考慮すると、特に学際的なデータの標準化・共有のためのデータ研究基盤を早期に作っておくことが必要。
 日本がリードできるデータシェアリングのための仕組みを作ることやデータ間の整合性を取るキュレーションセンター的な組織を作ること、そのための人材育成も必要。
○ オープンデータのもう一つの方向として、産業界のデータを学術界に預けたい、預けてうまく料理してほしいという期待に応えられる基盤を学術界としては作るべきではないか。

(その他技術面)

○ 技術的な次のステップとしてインターネット・オブ・シングスとかM2Mとかいう言葉で表現されるように、研究のデータが研究者のところで整理してからファイルで配るというのではなくて、生データを直接リアルタイムに共有するというところについても、少し検討していく必要がある。
○ 日本のセキュリティ技術として、国家の情報を守ることについて、学術であっても考えていくべきではないか。
○ 現在、先端のソフトウエアはオープンソースで作られており、オープンなコミュニティをどうやって仕切って、そこの上にエコシステムをどう引き付けてくるかというのが非常に重要になっている。そういう意味で、オープンデータも、学術情報基盤も同じ方向性が重要ではないか。

(その他制度面)

○ 科学技術の進歩の速いスピードに法体系が全然追い付いていないために失っている損益が非常に大きい。クラウド上でのデータ整理や遠隔教育の再利用における著作権法上の問題など、法律を常に技術観と並行して進展させる施策が必ず必要。データのオーナーシップを明確にすることが必要。
○ MOOCで教材を作る際、映像とか画像とか著作権上問題になるものがあるので、そういった資料のアーカイブスのフェアユースのようなものをきちんと考えていく必要がある。
 コンヴィヴィアリティ、自立共生的とか多様性が情報系の在り方として、今後の社会を見るときにヒントになる。

(その他)

○ 社会経済の大きな変化、新たな課題解決への積極的な貢献という観点から、ICTを活用し、何を目指すのかということが重要。
 高校教育における遠隔システムの活用など僻地における教育機会の拡大と同時に教育の質の向上を目指すための対応、また、OECDの国際比較調査による「日本の子供たちは情報技術を活用して何かをする問題解決能力が余り高くない」という結果への対応など、早い段階から、どのように活用すれば、インターネット・デジタル社会への発展に貢献できるのかということは、どこかに入れておいた方がよい。
○ オープンデータやソフトウエアが基盤となるというのは、そのとおりだと思うが、それを動かす方の人材の育成、あるいは、データをいろいろな分野でいろいろな人が共同して知恵を出し合って作るという形、そのためのルール作りがないと動いていかない。

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