第6期研究費部会(第8回) 議事録

1.日時

平成24年7月25日(水曜日)10時~12時

2.場所

文部科学省3F1特別会議室

3.議題

  1. 科学研究費助成事業(科研費)の在り方について(審議のまとめ その2)(案)について
  2. その他

4.出席者

委員

平野部会長、岡田委員、甲斐委員、鎌田委員、北岡委員、金田委員、小谷委員、小林委員、鈴木委員、田代委員、谷口委員、野崎委員、家委員

文部科学省

吉田研究振興局長、森本研究振興局担当審議官、渡邊学術研究助成課長、岸本学術研究助成課企画室長、他関係官

5.議事録

(1)科学研究費助成事業(科研費)の在り方について(審議のまとめ その2)(案)について

事務局より、資料2-1「(審議のまとめ その2)(案)(見え消し版)」、資料2-2「(審議のまとめ その2)(案)(反映版)」に基づき説明があった後、審議が行われた。

【平野部会長】
 おはようございます。今日は朝早くから御出席いただきましてありがとうございます。時間になりましたので、第8回の部会を始めたいと思います。
 前回の部会でも大変多くの貴重な御意見をいただきました。その後も御意見いただきましたものを取りまとめ、皆さん方からの貴重な御意見をできるだけ反映するよう修正をしまして今日の資料としております。皆さん方に、できれば今日これで仕上げたいと思っておりますが、御協力を賜りたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
 まず1番目のところから、かなりほかの委員会、あるいは、学振等からもいただいた案で、皆さん、御了解いただいている部分が多いものですから、時間をそう割かなくてもいいかもしれませんが、1番目、2番目、特に1番目のところですが、修正が入っていますので、ここを主に時間をかけながら、皆さん方から御意見を伺いたいと思っております。まず、1ページからの1であります。研究力の強化のための支援の項目について御意見がありましたらお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

【谷口委員】
 大学等の「等」を削除というところですけれども、科研費全体から見ますと、科研費が支援しているのは大学だけでは必ずしもないということだと思います。いろいろな研究所ももちろん科研費応募資格を持っている人がいるわけですから、ここはもし「等」を削るのであれば、以下の箇所は「等」という字が生きていますが、何らかの形で、研究費部会としては、今回はこの大学等における課題というのは非常に重要な課題であるので、学術という文脈の中でこういう大学の在り方における学術の在り方を議論したというような文言がなくてもいいのか、ちょっと御検討いただけたらと思うのですが。つまり、研究費部会が議論する科研費というのは大学だけのものではないにもかかわらず、大学の学術が重要だという流れが「はじめに」から1番にうまく流れていくかどうかという点ですが、いかがでしょうか。

【平野部会長】
 大変重要なことを今御指摘いただいたと思います。中身がほとんど大学の部分にここは触れているからということで修正の提案が出ておりますが、いかがでしょうか。今谷口委員が御指摘くださったように、例えば、1ページ目はそのまま受けてきて、それで、特にここにおいては大学における研究の強化について特に指摘をするとか、提案をするとかいうような言い方を1行入れると、一番頭の方で、それで後を受けるということでもいいのかもしれない。

【谷口委員】
 例えばそういうことはいかがかと思いました。

【平野部会長】
 あるいは、あえて、下には大学の部分がかなり多いところを占めておりますけれども、「等」を入れておいてもいいのではないかということにしたら、もう1回「等」を復活させるというのもありますが。人材の流動等々については、これは大学だけには限っておりませんので、当然そこも含めておりますが。いかがでしょうか。

【岡田委員】
 最初の御説明のときの「等」をとるという理由を聞き逃してしまったような気もするのですが、今谷口先生が言われたように、科研費が大学だけを含むものではないというところもありますし、人材の流動等のこともありますし、資料を見ましても、2ページの両括弧の大学等の「等」をとっても、その次の行は「等」が残っていたりするものですから、内容としては「等」をつけておいても問題ないのではないかという気はいたします。

【平野部会長】
 分かりました。それでは、よろしければ、大学に関係する項目は非常に内容が多いのですが、とはいえ、他の機関も当然関連をしたことをここに触れておかなければいけないということで、ここには「等」を入れるということで進めさせていただきます。フィロソフィーがそれで変わるということではないと思いますので、御了解いただければと思いますが、よろしいですか。ありがとうございます。

【北岡委員】
 4ページの中ほどの「従来のデュアル・サポート体制の維持を基本としながらも、大学の研究力を強化するために新たな追加支援方策」というのがありますが、これは具体的にこの部会で議論された内容としてはどういうイメージ、あるいは部会としての要望だったのか。文科省としてこれは、一方で大学の改革実行プランがあって、リサーチ・ユニバーシティの強化をするということと、それとデュアル・サポートに加えて、新たな追加支援、さらに科研費の充実と、全て予算要求になっているのですが、この新たな、ここをつけ加えたモチベーションといいますか、どういうイメージで追加支援というのを書かれたのでしたでしょうか。

【平野部会長】
 ここは今科研費を中心に議論していますが、たぶんどなたかの委員がここを言われたので、事務局から、新たなという背景について説明をお願いできますか。

【岸本企画室長】
 これは大学改革実行プランで示されている、「学長のリーダーシップ発揮による全学的な研究力強化策を支援する」というところを受けた表現として記載させていただいております。資料の2-2の後ろに大学改革実行プランの全体像を示した資料をいくつか添付しておりますが、23ページの下の資料でございます。大学の研究力強化の促進について、課題解決の方向性という記述が真ん中あたりにございますけれども、学長のリーダーシップ発揮による全学的な研究力強化策を推進するという方向性が示されております。この方向性について本部会としても必要であるという御議論をいただきましたので、このような記載にさせていただいております。

【平野部会長】
 ご存じのように、今説明をいただいているとおりでありますが、昨年からタスクフォース含めて、資料で出してもらったような議論がかなり進んでおります。私も機構にいたときは、機構内でもそれを踏まえてフリーディスカッションをしておりましたが、各大学がどこに重点をおいて大学の教育研究を進めるかというところにおいては、地域貢献をする仕方もあり、研究をベースにしながら教育を重視することもありという、いろんな形でのサポートをし、機能化ということは、ちょっと別な意味にとられるといけないので、私も注意するのですが、各大学がそれぞれ特徴を出すべく努力をしていくのが必要ではないかという意見がずっとされております。機構においても当然各大学の特徴を生かした評価をしていかなきゃいけないという立場で私も議論しておったのですが、そういうような予算のいろんなつけ方について考えていくという、ここ、一般的な文章がこの中に入っているというふうに理解いただければと思います。
 そのほか、いかがでしょうか。この1、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。大変ここのところは、科研費のそもそもの話を含めて、あるいは海外との対応、ちょっと悩ましいのは、先ほどもちょっと触れたタスクフォース等々の関係についてありましたので、皆さん方にここでは様々な御意見をいただいて、案としてまとめさせていただきます。今の大学等のところについては、事務局と私の方で、文章上齟齬のないように入れ込みます。お任せいただきたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、次は、2番目、「基金化の拡大」というところであります。これについても、文意が少し分かりにくいところがあるのではないかという御指摘もありましたので少しありましたので、そこの部分を修正していただいております。この基金化、2のところについて御意見ございましたら、御自由に御発言いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

【家委員】
 大変細かいところですけれども、6ページの6行目あたりでしょうか、「基金化による予算増に伴う採択率の低下」というのは、我々議論している者は何のことか分かるのですが、最初に読むと分かりにくくて、基金ですから、基金化をするために必要な予算の部分とか、ちょっと表現を工夫されたほうがいいかなと思いました。

【平野部会長】
 分かりました。そうですね。こうやって議論していると、背景がちょっと飛ぶかもしれませんので、今、家委員から御指摘がありましたような形で、言い回しを丁寧にというか、まあ、雑にしたわけじゃありませんが、加えていきます。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 ここでもアンケートからの部分を入れてもらっておりますが、やはり現場での基金化をしたものとまだ基金化に至っていないのとの経理上の区別の問題等々、手続については、なるべく柔軟に、きちんと、しかし不正のないように対応いただきたいという、これは事務局側で各現場の事務の方に説明をするときにそうしてくださいというお願いはここの委員会でも出ておりますが、これはそういう立場でまた見ていただきたいと。ただ、この中においては、後の方にもありますように、基金化をした部分とそうでない部分の扱いのしにくさ、混在しているというところについて、より改善を図るためにも、基金化を全面的にしてもらいたい、という要望をここに入れてあります。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、3番目、「新学術領域研究の改善」というところについてよろしくお願いします。御自由に御発言ください。

【田代委員】
 文章が長過ぎてわからないところが大分あります。8ページですけれども、最初に「『新学術領域研究』は」から始まりまして、3行下のところに丸が1個あるのですが、その下、ずっと点でつながっていて丸がないですね。ちょっと文が長くてわからなくなって、反対のことを言ってみたりしますので、ぜひどこかに丸を2つぐらいつけていただきたい。また、11ページも長過ぎます。赤でずっと継ぎ足していますが、「すなわち」というところからずっと丸がない。相当文章が長いので、ぜひ、3行下ぐらいのところに丸を入れる、「された種目である」で1回丸入れていただきたい。そういう箇所が何か所かありますので、1回この赤いのを消して、もう1回整理されたらいいかもしれない。ちょっと文系なものですから、文章が気になりました。すみません。

【平野部会長】
 ありがとうございます。赤い修正部分を反映したものは資料2-2になっておりますが、全体変わっておりませんので、今御指摘のように、丸を入れながら、より歯切れよくするという立場で事務局ともまた相談をして。お任せいただいてよろしいでしょうか。

【岡田委員】
 新学術領域研究の改善というところの、特に後半の重複に関する制限の緩和というところについていろいろ書かれていますが、この部分については、なぜそういう議論があったかというのは、9ページの赤丸の1、2、3、4のところの、特に2、3のところでもそういう意見があったからということになっています。そのこと自体はもちろんずっと議論されてきて、何の問題もないと思うのですが、ただ、全体として、先ほどの1番目の1ページ目から4ページ目までの1つ目の章の中に、いわば大学の中の格差ですとか、上位10位大学に続く中位の大学への配分が非常に少ない云々という記述がありますが、そういう心配があるということと重複緩和をするということが、一見すると矛盾した方向に向かっているのではないかととられかねないという気がします。そこのところは、どう我々として考えて、一方ではそういう注意をしながら、しかし、重複に関しては緩和をする方向に向かうのかというところの説明がもう少しケアフルに入っている必要があるのではないかというのが私の印象でございまして、もっと早く申し上げるべきかもしれなかったのですが、こうやってまとめていただいてずっと見ていくと、そこが気になりました。

【平野部会長】
 ありがとうございます。先生のおっしゃるのは非常によく分かります。また書きぶりというか、背景説明が要るのかもしれませんが、ある意味相反をするわけではありませんが、内容的にはちょっと趣旨が違う内容をここの中に含んでいるのですね。この部会の中で議論された方は、その背景がよくお分かりですから、理解されると思うのですが、その部分、いい案があったら、また先生教えてください。今の点については、いかがでしょうか。いろいろ議論をしていただいた上で来ておりますが。最も活発にいい研究成果を上げている方が、重複的に、あるいは研究チームに入ってやるということで、それが10番までの大学の方に偏っていますと、その差は当然さらに開くと。幸いなことに、それが10番以降のところの方だったとしたら、その方のところには少しパーセントが上がってくるという面もないわけではないですが、それはどうあるかというのは、その内容にもよると思いますけど。いかがでしょうか。

【家委員】
 今の問題、大変重要だと思いまして、御指摘のとおりだと思います。それは、先ほど北岡委員から御指摘のあった4ページの新たな追加支援方策というところが、ここは主に科研費のシステムのことを議論しているので、科研費に関しては基本的には自由競争というスタンスを保つのだと思うのですが、大学改革実行プランの方でセカンドティアを強化するような別の支援というのが、具体的なものがあるなら、ここにちょっとメンションしてもいいのかなという気がしました。

【平野部会長】
 分かりました。局長に伺ったほうがいいのかもしれない。今度の概算要求で、タスクフォースの後を受けた全体の動きの中で今のような支援の別枠を入れていくのかどうか。

【家委員】
 ただ、ここでは議論していないので。

【平野部会長】
 議論は当然ここでした上で、もしもそれを一部まとめの中にニュアンスとして入れ込められるならば、よりスムースにはなるだろうと思いますが、局長、振ってよろしいですか。

【吉田研究振興局長】
 大学等における研究力強化のための支援ということについては、先ほど北岡先生の方から御指摘あった箇所、いわゆるデュアル・サポートを維持しながらという部分で、運営費交付金といわゆる競争的資金、それとはまた異なる第3のアプローチといったものを我々は考えているというところでございます。そこは、いわゆる科研費などのデータも活用しながら、そういう意味ではそこでは様々な競争的な環境を背景としてはいますが、先ほどトップのリサーチ・ユニバーシティ、10か11か分かりませんけれども、それに続くところまで拾った新しい研究体制、あるいは研究環境整備といったところに力点を置いた新たな資金をつくりたいと思っているところでございます。
 今御議論の新学術領域の関係は、少し重複する部分もあるのかもしれませんけれども、考え方としては、ある研究領域について、そこに重点的な投資をしようということなので、目的とするところは異なってくるのだろうと、こういうふうに思います。
 そういう意味で、先ほど部会長もおっしゃったように、必ずしもこれが相矛盾するということではなくて、並立し得るものだというように我々の方では考えているところでございます。

【平野部会長】
 よろしいでしょうか。予算の中に出てくると分かりやすくなるので、それを私個人も期待をしておりますけれども、また文科としては頑張ってもらいたい。例えば地域支援型といいますか、そういう部分も今別のところで検討されておりますので、そういうところで研究をベースにして地域貢献に至るというところの、うまく予算化ができれば、事業も動くだろうと思っておりますが、この科研費全体の中で今のパーセントからすると、入ってこない項目かもしれません。ただ、全体、文部科学省の方で検討されているようなところで、基盤の強化をしながら、うまく動けられるのが一番いいのだろうと期待しております。
 そのほか、いかがでしょうか。今の部分、少し、どう書いたらいいのか、また事務局と一緒に悩まなきゃいけないので、ぜひどなたかいい案があれば入れ込める部分をいただければ、仲介部分があればつながるかもしれませんので、よろしくお願いします。

【北岡委員】
 別件ですけれども、公募研究の設定、あるいは他種目との重複制限の見直しについて書かれているのですが、この部会での改善点はどこかというのが分かりにくいのでお聞きします。まず新学術に関して言えば、まず公募研究というのを2件は出せると、受給も2件はできるというのがまず改善点ですね。一方で、他種目との重複制限でいくと、基盤(S)の代表者であっても新学術の計画研究の代表者にもなれるし、公募研究の代表者にもなれると。特別推進の分担者であっても、新学術の計画代表者にもなれるし、又は新学術での公募もできると。かつ、新学術での公募研究に関しては、10件、あるいは10%をめどにやると。そういうことが分かる1枚ぐらいの、文章ではなくて、この部会で議論した改善点はどこかということが分かるような1枚もののレジュメのようなものを載せたほうが、文章で読むとなかなかこの部会で議論した改善点が分かりにくいと思いましたので、研究者の1つの目から見たときにどういう重複申請ができるかと、かつ重複受給もできるかということの改善点が分かるようなレジュメをつくっていただきたいと思います。

【平野部会長】
 分かりました。それ、重要なところだと思いますので、すなわちということで本文中入れるか、長くなるようなら、別紙で資料として1枚でつけると。当然公募を始めるときにはそれは間違いなく1枚でついてくると思いますが。というように、この本文のところ、あるいは別紙で参照をしてもらうと、そういうふうに分かりやすくいたします。

【田代委員】
 今の点と重複するのですが、10ページ「公募研究の設定等」と修正されていますが、「重複制限の見直し」にしたほうがよろしいのではないかと。そうしないと、公募研究が新たに設定されるのかというように見えるので、元のタイトルの方がよいのではないでしょうか。また、緩和というよりも、その後のでは、「他種目との重複制限の見直し」になっていますから、公募研究の重複制限の見直しにしたほうが内容的には合っているように思います。

【平野部会長】
 分かりました。

【家委員】
 たぶん11ページの一番下のあたりに、各領域で公募程度をある程度の規模を確保しなさいということが書いてあるので、それもあわせて設定というふうにタイトルがなっているのだろうと思いますが。

【平野部会長】
 今御指摘いただいたようなことも含めてですが、今、北岡委員から御意見いただいたように、重複のことがよりはっきり分かるように、文章はそのままにするとしても、別な形で、もしよろしければ、小項目はどうでしょうか。公募研究の設定と少しくくってしまいますが。重複制限の改善などというほうが分かりやすいようでしたら、そういう項目に移したいと思いますが、いかがでしょうか。

【小谷委員】
 ここについては、公募研究を確保するための仕組みということだと思いますので、そのようなタイトルにされるほうがいいと思います。
 あと、私、前回休んでいたこともあり、やはりこの10ページ、11ページ、非常に読みにくくて、さっと頭に入らないですね。資料2-2の17ページに1枚でまとめたものございますが、これを見るとパッと分かりますので、文章の中でもある程度項目立てされるとか、下線を引くとかしていただくと読みやすくなるかと思います。

【平野部会長】
 分かりました。下線を必要なところへ引いて、その上で資料を添付するというようにしていければ、もしそれでよろしければそうしたいと思います。背景も少し文章の中に入れておかないと、表だけポッポッと来ても、なぜそういう議論でそうなったのかという、余り部会長が言い過ぎてはいけないのですが、皆さんのこれまでの御議論の背景もこの中に入れておきたいなと思います。しかし、それで読みづらいというところもありますので、アンダーラインを引くか、ボルドーにするか、あるいは、別添、必要なのは別添で1枚ものにまとめるというように少し改善させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

【家委員】
 これも大変細かい表現の点ですけれども、10ページの上から14行目あたりの2つ目のポツですけれども、「研究期間終了後の科研費により雇用されていた」という、この表現すごく分かりにくいので、科研費により雇用されていた研究者の研究期間終了後の処遇と、順番をひっくり返したほうが分かりやすいかと思いました。
 それから、その数行上の「複数PIを集約した」というのは、初めて読む人にとってはちょっと分かりにくい表現かなと思いました。

【平野部会長】
 分かりました。「複数PIを集約した」というところ、ちょっと丁寧に、分かるようにつけ加えをいたします。そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。読んで分かりやすいような形に直すというのはもっともなことでございますので、この文章の中で直すべきところは直し、必要なところはまた表にして、分かりやすい資料とさせていただきます。事務局の方と話し合いをしながらまとめさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは、続きまして、その次の、赤がたくさん入っておりますが、4番目の「研究成果公開促進費『学術定期刊行物』の改善」でありますが、いかがでしょうか。ここは特に14ページの修正部分と15ページであります。よろしいでしょうか。ここの部分は、昨日基本計画推進委員会がありまして、特に人文・社会学委員会の方から刊行物の在り方についてという御提案がありました。これについては、情報基盤部会の方からの意見もありまして、全部といいますか、関係する部会としてはほぼここでも提示しておりますような方向で皆さん意見が出てきておると思っております。

【家委員】
 細かい表現のことばかりで恐縮ですけれども、14ページの下の方の3のところの「ジャーナルの継続性」という表現ですけれども、これはむしろ学術刊行支援の継続性とか、そういう表現の方がよろしいかなと。ジャーナルそのものは継続するものでありますから。支援の継続性ですよね、これは。

【平野部会長】
 これはご存じのように、ある学術誌が世界的な評価を得つつあるところ段階で年限によって切れるということがなるべくないようにしてください、という要望があったところを受けてこうなっておりますが、その支援を継続と。

【家委員】
 つまり、これ、字面だけ読むと、ジャーナルそのものの継続性みたいに読めるので。

【平野部会長】
 分かりました。学術刊行の継続でいいですね。
 そのほか、ございませんか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、あと、「その他」のところであります。「その他」の部分について、後々の今後の検討議題というところにも関係しますが、まずまとめで最後に触れているところでございますが、ここについて何かございましたら、どうぞ。
 よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、事務局において今日御提言いただいた議論を踏まえまして、修正を行って、私も一緒にまた検討したいと思っておりますが、その修正後に本部会の審議のまとめその2として取りまとめを終わりたいと、そういうふうに思っておりますが、具体的な文面については、部会長の私の方にお任せいただいて、事務局と一緒に取りまとめていきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

【岡田委員】
 先ほど、私が申し上げていた重複緩和の話のところで、内容をひっくり返すということはもちろんないのですが、ちょっとしつこいようで申しわけないのですが、例えばこの緩和の中に2つ大きくありまして、1つは公募研究の緩和と、重複の緩和ですね。それからもう一つは、他種目とのということになっているわけですね。それで、公募の方に関しては、これ、11ページの上から何行目ですかね、5行目くらいのところで、1課題の配分額が300万円程度になっており、複数応募・採択を認めたとしても、研究費の過度の集中とは言えないということ、そういう書き方になっている。一方、後の他種目との重複制限の方は、その金額は前者とは全然けたの違う金額になってくるのだけれども、そういう過度の集中とは言えないということに関する配慮が全然ないという書き方になっています。12ページの下から10行目ぐらいのところも、「双方の受給を認めることは必ずしも不合理な重複とはいえず」とか、さらに次のページのところも、既にほかとの重複も認められているので、この場合だけ認めないのも不都合かもしれんというふうな、何か非常に言いわけめいた書き方になっていて、ちょっとその辺の書き方のポリシーというか、見ているところが随分違うような書き方になっているので、気になるということですね。
 ですから、その辺をどうするのが一番いいのかというのは、もう一度お考えいただくということになると思いますし、多分新学術領域の研究というもののポリシー、何を目指すかというところが、ほかの基盤研究であるとか特別推進研究とは随分違うということの説明がきっちりなされているということをもう一度しっかり書けば、そこのところが重複しても、それはそれで構わない。ただ、過度の重複にならないように注意すべきだというようなことを最後に書いていただくとか、それは5のところに少しそういうことを触れるとかというふうなことがよろしいのではないかなと思った次第でございます。

【平野部会長】
 ありがとうございます。今御指摘いただいたところからすると、公募研究の設定等というところの途中で、新学術の部分について、前は触れておりますけれども、そこの背景を入れて、その上でという文章をちょっとつけ加えるように考えるようにします。多分その方が、御理解いただいた上だと思いますが、件数と金額というのはどうも、これは項目で違うものですから、それを理解していただくのが全体の文章の流れからすると分かりやすいかなと思いますので、ちょっとそれは事務局の方でそのように、1行入れた上で、矛盾とは思わないような説明になるようにしたい、そう思います。ちょっと難しいですが。そのほか、よろしいでしょうか。

【金田委員】
 この報告書の流れとか内容に特に異論があるわけではないのですが、余りよくわからないので教えていただきたいのですが、例えば14ページのところで、「電子ジャーナルの流通に係る経費等国際情報発信力の強化」と、国際情報発信力の強化は分かるんですが、例えば電子ジャーナル等になりますと、ハードウェアも備えて、それから、そこへソフトを導入して電子ジャーナルをつくるという場合とか、ハードの部分はレンタルにしておいて、そこへ載せるとかという、いろんな部分ありますよね。そのときに、どこの部分まで助成されるのでしょうかということを方向性として教えていただきたんですが。つまり、そうすると、もしハードをレンタルですると、レンタル費を切った途端にもうそれでそれは終わりということになりますし、そのあたりをどういうふうにお考えなのか、ちょっとお考えをお聞きしたいのですが。

【平野部会長】
 これはこの前学振の方でいろいろ検討いただいた、そこの部分の方がよろしいですか。事務局。

【岸本企画室長】
 資料2-2の一番後ろの56ページ目の資料でございますけれども、学術的刊行物に関する具体的な現状と改善案の対比の表がございます。その中で、応募対象経費についてのところをご覧いただきたいのですが、対象となる経費はジャーナルの発行に必要な例えば査読審査、編集、出版、電子ジャーナルでの流通等に必要な経費という、非常に概括的な書き方になっておりまして、対象とならないのは、ジャーナル発行と直接関係がない学術団体等の経常的経費となっております。この経常的経費でなく、そしてそのジャーナルに必要であればその対象となるとお考えいただくとすれば、今先生がおっしゃったようなことというのは対象になり得ると考えております。

【平野部会長】
 よろしいでしょうか。

【金田委員】
 難しいですけどね。すぐいいかどうかわからないのですが、対象にすることによってその動向を強化するということは一方でもちろんできるのですが、そうすると助成の有無によって全て左右されてしまうという状況を一方で生み出すことになりますので、その辺がちょっと、どちらがいいのかわからないのですが。

【平野部会長】
 今のEジャーナルのところはいろいろ問題を抱えています。幾つかの学会がE連合体をつくったり、あるいは、国わたりでE連合体を作ったり。その出し方はいいのですが、サポートのところをどういうふうにケアするかということはさらに議論していただかなきゃいけないかもしれません。

【金田委員】
 これからでいいと思いますけど。

【平野部会長】
 ここではそういうことを進めていきましょうという文章で、現実にはもう少しそこは議論をいただく必要がある。大変重要なところだと思いますが。よろしいでしょうか。

【谷口委員】
 このまとめが出ますと、研究費部会として、そもそも論から話して恐縮ですが、私ども委員のメンバーの名前でこの部会としての報告書が出るという形になるわけでありますから、ちょっと私なりに復習も兼ねて確認をしておきたいのですが。審議のまとめの背景にあるのは、そもそも科研費というのは何十年にわたって文部省時代から、何があってもしっかりと維持され、守られ、そして徐々に増額がされてきたという経緯があるわけですけれども、一方では、昨今の国内、国外をめぐる状況が大きく変化したという流れの中で、科研費を引き続き、どうやってこれからさらに大学等の研究力を強化し、人材育成に資するかという、そういう文脈で、我々のこの部会のようなところでも進化させた議論をしなきゃいけないということが基本だと思うのですね。
 その中で、デュアル・サポートシステム、いわゆる基盤的経費としての運営費交付金と、一方で科研費のような競争的資金によるデュアル・サポートシステムが重要であるということは重々従来からこの部会としても主張してきたところですが、一方で、それだけでは果たして大学等の競争力が維持あるいはさらに強化できるかという課題が浮上してきた。その浮上してきた中で、この部会としては何らかの方策があるかどうかということを検討するというのが1つの流れとしてあると思います。
 もう一つは、大震災や世界のいろいろなグローバルな変動に基づき、いいか悪いか、私は申しませんが、大学改革実行プランというのはいきなり、私の理解では国家戦略担当大臣などが関与したものが、国の政策として大学をどうしなさいという形で出てきておるわけですね。それに対して、この良し悪しの議論はもちろんいたしませんし、私も、内容を見る限り、全ての細かいことは分かりませんが、それなりのことが書かれているわけです。国の政策が大学にまで及んでいるというのが現実です。その良し悪しの議論はともかくとして、その中で出てきている政策の一環としてリサーチ・ユニバーシティ制度というのが出てきているわけですね。
 そこでこの書きぶりになるわけですけれども、研究費部会としては、やはりデュアル・サポートシステムの維持だけでは非常に難しいところがある。すなわち、学術研究基盤の脆弱化というのが続くのではないか。したがって、3ページから4ページあたりに向かって、何らかの新しい追加支援方策が必要であると書かれてある。すなわち、私たちのこの部会としては、デュアル・サポートシステム以外の新しい仕組みを考えていくということも重要である。その文脈の中で、大学改革実行プランにあるリサーチ・ユニバーシティ制度というのが、この4ページの上に書かれているわけですね。つまり、これを視野に入れながら新しい方策を考えていくことが重要であるということでありまして、そういう文脈の中で、大学の学長などのリーダーシップの発揮というのがないと、ただ、特定の領域だけが競争的資金によって繁栄する分野だけが繁栄するということは、大学の学術にとって適切ではないという認識があるので、総長がもっとリーダーシップを発揮して、本来の在り方を、ちゃんと学術を推進してほしいというのがその考え方の底流にあると思うのです。
 このような流れの中で、新しい追加支援方策等も、この研究費部会として重要であるという認識に至った、という共通理解でよろしいでしょうねということなのです。後半に出てきますいろいろな制度の改革とか、新学術領域制度の改革とか、それは新しい政策ではありますが、それは科研費という文脈の中の政策ですが、今回は必ずしも科研費だけではない、もう少し学術全般に関わる、底流に関わる問題をこの研究費部会としては一歩踏み込んで提言をしたという形になるという理解でよろしいでしょうか。

【平野部会長】
 これは部会長の責任の上で答えていきますが、今谷口委員がおっしゃったところを私は個人的には部会長として背景に持って皆さん方の御意見を伺い、まとめてきたつもりであります。その途中で、今お話がありましたように、タスクフォースがあり、前回参考資料として出していただいたところが、今触れられたところです。その背景は、この裏にある大変重要なところですので、委員の方々、よく見ておいてくださいと私が個人的にお願いを前回いたしましたけれども、今の部分を踏まえた上で、かつ、この科研費を中心とする研究費においてはという位置づけをしておるつもりでありまして、科学技術・学術審議会研究費部会としては全体を取りまとめて、当然今のような背景で提言をする形になります。
 ちょっと気になりますのは、こことバッティングするというわけではありませんが、課題解決といいますか、課題、問題から入ってくるということが余りにも科学技術・学術全体の審議として強くなり過ぎますと、これは私の個人的な懸念でありますが、本当にそれだけで次の芽を含めて出せるであろうかという心配があります。確かに東日本大震災を含めた、あるいは世界の状況から見たところで、チームを組んで動かなきゃいけないことも確かに多くありますので、それはそれで必要でありますが、同時に、やはりボトムアップの部分は無視すべきではないというふうに私は個人的には思っておりまして、この研究費の部会においては、特に必要以上といいますか、それ以上に背景を強化した上で私は提言をしていきたいなと思って、皆さん方の御意見を承ってきておりますが、筋としては、谷口委員が今おっしゃったとおりで、私は今の環境から見たらいくべきではないかと、そういうふうに考えております。これはこの後、「今後議論すべき論点について」のところで皆さんから御意見をいただきたいと思っておりますが、そういう考えでよろしいでしょうか。

【谷口委員】
 私はそれで結構だと思いますけど。

【平野部会長】
 皆さん、同じとは言ってはいけないですが、同じような背景で危機感を持ちながら臨んでいただいてきたと私は理解しております。よろしいでしょうか。
 それでは、今の点についてといいますか、全体の中で修正の御指摘があったところは、事務局と私の方にできればお任せいただいて、取りまとめをいたします。委員の方々にはメールで御報告をしたいと思っております。

(2)今後議論すべき論点について

事務局より、資料3「今後議論すべき論点の例」に基づき説明があった後、審議が行われた。

【平野部会長】
 これは今後議論をしていかなければいけない論点の例でありまして、この中の問題、あるいはこのほかにこの部会においても議論をしなきゃいけない点について、ぜひ皆さん方の御意見を聞かせていただきたいと思います。御自由によろしくお願いします。

【小谷委員】
 大学への支援の在り方につきまして、上位10位だけではなく、その次の層を厚くすることが大切だということにやっと気づいていただきありがたいです。大学と同様に研究者に関しても、次の層を厚くするということは非常に大切でございます。科研費のような個人の研究者の力を評価するものについても、採択率の拡大のような形で、次に発展する土壌を厚くしていくことが大切だと思います。

【平野部会長】
 ありがとうございます。今のところ、また考えながら、大学とともに個人のレベルのところを含めて、どういう支援があるかと。これは次の方々が、また次を担う大変重要なところだと思いますので、この部会においてまた、在り方あるいは取組の仕方について議論ができればと思います。

【北岡委員】
 科研費の予算についてと、科研費を含む研究の在り方について、谷口委員がおっしゃいましたが、ここで議論していくということなのですが、現実問題として、現在予算がやっと2,000億が2,600億になって、基盤Cなどは新規採択率が30%を達成しました。しかし、その上位の科研費の採択率30%を実現するとなると、当然予算的には3,000億近くになるはずで、一方で、新たな大学の研究力強化への支援を考えたときに、予算はどれだけあっても足らないわけです。そういう枠組みの中で、科研費の目指すべき額といいますか、それはもちろん文科省の中の予算の配分のバランスシートがと思うのですが、現実問題としてはやはりそれぞれの予算の在り方等を踏まえて、例えば科研費の採択率30%を達成するのであれば、各研究費の配分の額を下げるとか。どういうところを目指して、どこを強化していくかということも踏まえた、いわゆる研究費の在り方という、科研費だけではなくて、研究費の在り方というのをパッケージで議論しないといけないのではないかと思います。個別に議論したのでは多分難しくて、全体として議論する中で、じゃあ、科研費は次にどこまでを採択率を上げるのか、上げる場合にはどういう工夫をすればいいのか、そういう議論も並行してやっていく必要があるのではないかと思いました。

【平野部会長】
 ありがとうございました。ごもっともなことで、私も賛成です。また私が言ってはいけないのですが、国全体としてどうあるべきかというのは当たり前のことですね。それから、それに基づいて、今度は、余り省庁分けはいけないのですが、例えば文科省としてどういうビジョンを持って動くかと。その中で、研究振興を含めた科研費というのはどうあるべきか。そういうことに落ちついてくると思いますので、そこは私たちが、この研究費部会ですから、ボトムアップで要求をするのが1つ。もう一つは、ビジョンを示しながら動いてくれというのが1つであります。国のビジョン含めて、私たちが提案をしていってもいいのではないかという気構えで、研究費、あるいは研究力の強化がどうあるべきかということについて議論をしていくべきだと思います。それを踏まえて、科学技術・学術審議会そのものとして提案をまた出してもらえればと思います。ぜひその在り方についても時間をとって議論したいと思います。

【甲斐委員】
 ここでは、これから議論するべき論点を整理するための意見を述べるところだと思うのですが、1と2に関しましては、研究費部会で本当に議論していかなければならないことだと思うのですが、3に関しては、むしろ今学振がすごくこれについて活動して、研究して、方策を立てて、そういうことを一生懸命やっているので、そちらの意見をぜひ聞いてほしいと思います。実際にこの項目全てに関して、学振が検討されていると思います。
 それで、この中の在り方についての一番下の丸は、また新たに設けるような雰囲気で書いてあるのですが、今現在科研費の種目は、大変多くて細かくて、それを審査する体制が大変だと。それをどう整理するか、どういう審査制度にして、審査員をどう割り振っていってということまで議論している中で、必要性が本当にあるのかどうか、よく考えてから増やすということを議論するべきだと思います。なので、それよりも前に、例えば上の方は全て大変重要で、基盤Cなんかは中心だと思われるのですが、若手より額が少ないとか、すごく大きな問題になっているわけですね。そういうようなこととか、あるいは、2番目も3番目もそうですけど、特推の金額が少ないとか、人文とか、こういう大きな問題があるので、この項目に関しては、全て並べて議論というよりは、重点的に現在の制度をよくする、その中でどうしても必要であれば新たな制度をという順で考えていただけたらと思います。

【平野部会長】
 ありがとうございます。今、学振の中で検討いただいていますので、状況の御報告をいただく場をここでも設けていきたい。ずっと長い間学振の方では対応してくださっていますので、いろんな意見をまた教えていただきながら、同時に、この項目の中でどこを重点に検討するかという、これもまた、順番というわけじゃありませんが、重要項目から始めていきたい、そう思っております。
 そのほか、こういう議論が要るのではないかというのがあったら、ぜひお聞かせいただきたいのですが、いかがでしょうか。

【鈴木委員】
 今後の論点ですが、科研費をどうするかということに関してこれまでに議論していないことで重要だと思うことは、科研費による研究終了後をどのように支援して、次の発展に資するかという点です。例えばいろんな研究装置が入った、大型の実験装置、設備が整って研究が進展した。では、科研費による研究期間が終了した後、これらの設備、装置の維持・管理・運転をどうするのか。次の研究に役立てるための支援策は何かをこの部会で議論すべきではないかと考えます。

【平野部会長】
 ありがとうございます。特に大型装置が入って、現場によるとそうなのですが、技術職員の方々がどんどん数が減ってくる、せっかく大学全体の共通装置にもして有効利用し出したけれども、サポートする人が大変減って苦労するということも含めて、効果的に科研費の後をどのように成果を積み上げていくかというのは、これは重要な問題だと思いますので、それはぜひいつか早いうちの研究費部会のところで議題にしながらいきたいと思います。

【岡田委員】
 ここに論点として出されているところに特に加えるということではないのですが、今の、一方、大学改革実行プラン等でいろいろ動きがありますので、それに関係して新しいいろんなアイデアが出されたり、そういう計画を出されたり、特に予算化される項目が出てくるということがあると思うのですが、それが非常にかかわってくる部分も多いと思います。特にリサーチ・ユニバーシティという言葉は今回のまとめの中にも出てきていますけれども、実際にはどういうものかという像が、私自身が勉強不足かもしれませんが、見えていない状況があって、そこの中に、今鈴木先生の言われたような形のサポートといったものも含まれてくるのかとか、あるいは、これがリサーチ・ユニバーシティ群という名前になっていますけれども、それが実際にどのくらいの数で、それがいわゆる中位の大学というものを含んだ形になるのかといったことは、実は非常に大きなかかわりが出てくると思うのですが、そういったところが見えていないので、そういう情報がどうなっているのかというのを常にインプットしていただかないと、なかなか議論が進まないというか、全然別のところでやっていても余り有効な議論にならないのではないかという気がするので、そのあたりを教えていただきたい。特に現在のところどこまでわかっているかというのがもしあれば、お聞きできればとは思いますけど。

【平野部会長】
 分かりました。タスクフォースは、私が知る限りでは局長さんクラスが入っておられたと思いますが、大学改革実行プランとその実現化に向けてのその後の対応は、事務局の方でわかれば、数分でも皆さんにお教えいただけると、この次のここでの関連として議論する上で非常に重要だと思いますが、難しいですか。

【吉田研究振興局長】
 岡田先生がおっしゃいますように、今後、この資料3にありますような議論すべき論点をここで検討していただくに際しては、正に大学改革実行プランがどういう形で具体化をされているのかという情報を適宜先生方の方にお伝えしながら検討していただくということが重要だと思っていまして、そのように心がけていきたいとは思います。
 ただ、今のこの時点でございますと、なかなかものを言うのは限られているわけでございまして、特に、高等教育局の方ともいろいろと密に連携をとりながら、また、この関係では、私ども研究振興局だけでなく、科学技術・学術政策局ですとか、いわゆる研究3局と呼ばれております中でのまた役割分担の問題などもございます。今一生懸命、もう概算要求の時期も迫ってきておりますので、内部的にはいろんなアイデアを出し合っている中で、検討して、どういったメニューで8月末を迎えるかというところの検討を進めているところでございます。
 私どもの方で担当しております研究力強化のところで、先ほど御議論のありました新しい支援方策についても、トップに続く次の中堅大学のどの範囲まで拾うのかとか、それから、選ぶときの指標をどうするのか。それはそういう意味ではそこの指標を目指してさらに頑張っていただいて、それが評価につながって、場合によっては、いわゆる入れかえ選もあるという、こういうふうな世界になりますので、そういったときに、いわゆる合理性のある指標といったものはどうなのか。また、全体の予算の枠組みに上限があるわけでございますから、そこの中でどの程度の資金をそういったものに回すことができて、それをどういう形で配分をすればこちらが期待しているような効果が出せるのか。これは対象とする大学の規模というものとも関連をしてくると思いますので、そういった規模感のことも一つ要素として入れながら考えているということでございます。
 高等局は高等局の方でまた教育の関係も含めた体制をどういうふうに変えていくかということで、今いろんなアイデアを練っているということでございますが、申しわけございませんが、今の段階では、少し概括的な話しかできませんが、今後具体的なものができてきましたら、随時御報告させていただきたいと思います。

【平野部会長】
 ありがとうございます。どうぞ、鈴木委員。

【鈴木委員】
 では、振興局長に1つお願いしたいのですが、独法は非常にいいことを考えたと思います。共用促進法がありますね。文字どおり装置の共用を促進するための運転経費や維持費を支援することが目的です。ところが、それは大学や大学共同利用機関は使えないのです。ですから、共用促進法ではなくて、基盤設備、装置の活用促進法のようなものをつくって、例えば科研費で購入した装置を研究の発展につなげる支援ができれば、研究推進に大いに役立つ気がいたします。ぜひ検討をお願いします。

【吉田研究振興局長】
 今鈴木先生がおっしゃいました大型の装置ですとか設備、それを競争的資金などで導入し、そのときの資金というのは、文科省が持っている資金だけでなく、他省庁の持っている競争的資金から導入されたものもあるかと思います。そういったものがいったんそこで設置されて、一定の成果を出す。しかしながら、それまた次のフェーズで活用されていくわけですから、そういったときに、いわゆる継続的な運用を可能にするような資金をどうするかというのは非常に大きな問題であり、私どもとしては、そこは意識をしております。ただ、今のところまだ具体的にどうこうというのはありませんけれども、意識はしているということはお伝えしておきたいと思います。

【平野部会長】
 ぜひ、今の大学改革実行プランの動きが、言いにくいこともあるだろうとは思いますけれども、あるいは、決まって、決まらないようなところも、私は外から見ておりますとありますので、それがここでぜひ出していただくところがあれば、その部分はいつも出してもらいたいなとお願いをしておきます。
 心配なことがいっぱいありますので、これ以上私は部会長として言うのは控えますけれども、ぜひ国全体の活力を失わないように、思いつきみたいな決め事はしてもらいたくないなと思いますが、この夏、8月までの概算要求で、あれをもとにといいますか、一気に予算の首を絞められないように努力をしてもらいたいなと、心配もします。ぜひよろしくお願いします。

【田代委員】
 4の学術研究の成果評価、研究成果の発信ですが、学術定期刊行物が改善されましたが、ほかに研究成果公開発表とか、学術図書とか、データベースがありますけれども、最初はこの4本であったのを、1つだけ、学術定期刊行物だけを今回相当改善なさったわけですけれども、ほかの3つはこれから何か着手なさるのか、お聞きしたいのですが。

【平野部会長】
 例えば人文・社会学の方々が非常に成果をまとめられたいい本を出されて貢献されているのですが、そういうことに限っては、もうそれは今までどおり支援を続けるというのはもう既に背景にあった上で、これが私どもの今回のまとめの中にも出ておりますが、今の点について事務局で補足含めてありましたら。

【岸本企画室長】
 今、電子化が進んでいるということと、それからオープンアクセス化が進んでいるということで、学術情報基盤作業部会の方の御提言を受けて、学術的刊行物の改善についておまとめいただいたところですが、その他の種目につきましては、特段の問題提起といいますか、御意見をいただいてないということもありまして、当面こういった改善を予定していますというような方向性は特にない状態でございます。何かこういったところの改善が必要であるというようなことがありましたら、先生の方から具体的に御提案いただければと考えておりますけれども、いかがでしょうか。

【田代委員】
 私は何回か審査員になりましたが、特にデータベースがかなり偏っている在り方があると。これはむしろ研究所につけてあげたほうがいいのではないかと。データベースをこういう形で競争的資金でもっていろいろなところの持っているものを公開するというのではなくて、むしろその機関に予算で最初につけてあげるべきものであって、それがないから逆にこういうところでデータベースをとって、いろいろな図書の目録データを出している。全部ばらばらで出されています。ですから、私が考えるのは、データベースについてもうちょっと御検討いただいたらいいのではないかなと考えておりました。

【平野部会長】
 ありがとうございます。谷口委員。

【谷口委員】
 近々に実現するかどうかはともかくとしまして、研究費を国際化という視点からこれからどうとらえていくかということも非常に重要なのではないかと思います。先ほどの大学改革実行プランではありませんが、そこでも国際化というのは非常にうたわれているわけです。ですから、というか、そういうこともありますし、それはおいといても、これから外国とどうやって共同研究をやるかとか、それから、外国人がこういう科研費のような競争的資金にアプライできるか、できないかとか、あるいは、日本の成果をどうやって外国に発信するかとか、いろんな課題があろうかと思うのです。一朝一夕に解決する問題ではないかもしれませんが、そういう視点を入れて、研究費というのも議論していかないと、日本の研究の国際化、さらなる国際化を図るという、これはだれもが異論のないところだと思いますが、そういう具現化に向けてかなり重要な要素になってくるのではないかという気がいたします。

【平野部会長】
 ありがとうございます。その点も、この在り方の部分に加えて議論ができればと思っております。

【甲斐委員】
 この議題は挙げていいのかどうか、ちょっと悩むところですが、間接経費の使途についてはここではテーマとして挙げてはいけないのでしょうか。つまり、今完全に任せっ切りになっていて、実はつけるときには、やはりインフラとか、それから事務の方の負担とか考えると、とてもいい制度だと思っていたのですが、その後、基盤交付金の方がすごく削減されて、大学の結構いい財源になっている大学が、大学によって随分違うようですけれども、中央とかの吸い上げとかがすごく大きくて、実際の研究者の周りのインフラにとても回りにくい状況もあることはあります。そういうところの間接経費の使途については全く、今の陰で支えている部分に大きいとは思うのですが、全く触れないほうがいいのでしょうかということをちょっと疑問に思って。

【平野部会長】
 それは委員がおっしゃるのは、少なくとも研究環境を強化、整備をするのだというために皆さん努力されて、30%ついている、全てではありませんですが、ほとんどかなりの部分についているあの30%の使い方については、ご存じのように、大学自身に任されておりますので、全体としての研究環境強化に使うという点については、ここで議論をしてもいいのではないかと私は思っておりますが、ただ、強制は、所期のいき方からすると、強制はできないなと。私も名古屋のときには大変な議論をしました。どういう案分をして、全体の環境整備をするかというのは、すごい議論を行いましたけれども、後から聞いてみると、大学によってまちまちであるというのはよく分かりました。それはそれでいいのですが、大学の生き方として。これは事務局とまた相談させてください。私は重要なここでの課題の1つだなと。ただ、強制はできませんので。ということを推奨するとは言えませんが、何か触れることは必要ではないかと思っておりますが、これはちょっと事務局とまた相談させてください。
 まだこの論点については、思いつくところがありましたら、今後とも出していただいて、皆さん方と議論をしていきたいと思います。
 今日は、まとめに向けて大変貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。再度、事務局とお話をしながらまとめていきたいと思っておりますし、今日の午後、学術分科会がありますが、これは申し訳ありません、今日の資料の2-2を分科会の資料として出してありますが、事務局と私の方で預かって御意見あったところを修正しますという報告をつけ加えておきます。

(3)その他

事務局より、参考資料1「学術情報の国際発信・流通力強化に向けた基盤整備の充実について(平成24年7月学術情報基盤作業部会)」及び参考資料2「日本学術振興会将来ビジョン検討会報告」に基づき説明があった。特段の質疑はなし。

【平野部会長】
 ありがとうございます。学振、その前はジャーナル関係ですが、学振のことについても、先ほど御意見ありましたように、この部会でも課題によって意見をいただきながら進めていきたいと思っております。
 今日は局長お見えでございますので、先ほどから御意見はいただいておりますが、あいさつ含めて、何かありましたら、よろしくお願いします。

【吉田研究振興局長】
 本日は審議のまとめをいただきまして、誠にありがとうございます。文章表現などにつきましては、またこれから部会長とも相談しながら、適切なものにいたしまして、最終版を作成してまいりたいと思います。
 今回、4点にわたりましてまとめをいただきました。その中でも、特に大学等の研究力の強化のための支援方策。これはこれまでなかった新たな制度をつくるという、ある意味ではチャレンジングな取組をさせていただこうと思っております。
 また併せて、基金化の拡大、全面基金化という大きな課題もございますけれども、この2つの大きな課題について、年末に向けて私どもも全力を尽くしてまいりたいと思っております。
 新学術領域の関係ですとか、あるいは学術定期刊行物の関係、これについても必要な見直しをさせていただきますけれども、これまでの先生方の御議論を踏まえて、最大限実現できるような形で努力をさせていただきたいと思っております。
 また、後半では、今後議論すべき論点につきましてもいろいろと御議論いただきました。私どもの方でも再度整理をさせていただきまして、また改めて先生の中の御議論をいただくという機会を設けてまいりたいと思っておりますので、引き続き御指導と御協力のほどよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

【平野部会長】
 どうもありがとうございます。概算要求を控えまして、ぜひ頑張っていただきたいと思います。では、これで終了いたします。

ーー 了 ーー

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