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資料1 国語に関する学術研究の推進に関する委員会(第2回)議事録(案)1.日時平成20年2月21日(木曜日)14時〜16時 2.場所中央合同庁舎第7号館全省庁共用会議室1114 3.出席者(委員)飯野主査、井上主査代理、中西委員 (専門委員)石井専門委員、真田専門委員、鈴木専門委員 (事務局)森学術機関課長、町田文化庁文化部国語課長、江崎企画官、松永研究調整官、丸山学術機関課課長補佐 4.開会 第2回委員会の開会にあたり、主査より挨拶があった。 5.議事 まず、事務局より、資料2−1(大学共同利用機関について)に基づき、大学共同利用機関の基本的な定義、特性、運営上の特徴及び大学院教育との関係について説明があり、その補足として、資料2−2(国立大学全国共同利用附置研究所と大学共同利用機関と国立国語研究所の比較について)に基づき、大学共同利用機関、国立大学全国共同利用附置研究所、国立国語研究所の制度的位置付けや運営組織等について説明があった。 【飯野主査】 それでは、資料3の論点案に従い、議論を進めていただければと思う。第1回の委員会で論点の1と2に関しては随分、意見をいただいたので、本日は特に論点の3と4を中心に議論していただきたい。 【鈴木専門委員】 論点の3と4を中心にということだが、1と2に関する補足も加えながら、話をしたい。 【石井専門委員】 丁度20年前に国際日本文化研究センターをつくるとき、私は最初から関わっていたのだが、そのときに、世界にあって、日本にないものは何か、という議論をしていて、それは日本文化研究だった。国語研究、国文学研究、国史研究はあるが、日本文化研究をやっているところはどこもないということに愕然とした。 【井上主査代理】 確かに、諸外国の大学の日本語研究所などで日本語の研究等をやっているところもあるが、やはり国語についての学術研究は、日本が、母国語である日本語の研究の最先端でなければいけないと思う。そういう意味で、国語研究所が基盤的な研究をやっていると思うが、それぞれの分野の突出した研究ということになると、大学の研究者のほうがすぐれた研究を論文として既に発表しているのではないかと思う。 【真田専門委員】 前回、重点的に推進する必要のある研究分野という論点で、日本語の歴史や文法構造という、比較的、伝統的なところに焦点が置かれていたような気がするが、情報資料の収集、データベースについては、国語研究所が基礎的に、日本語に関するすべての研究文献のデータベースを作りつつある等、現代日本語資料の整理、収集を行ってきているので、その面も、より拡充して欲しいと思っている。 【井上主査代理】 やはり本来の大学共同利用機関は学術研究が中心になることは間違いなく、それに特化することは、前回の会議でも共通認識だったと思う。 【真田専門委員】 昭和23年の創設当時の研究所の設置法に「文部大臣は研究所の監督をしてはならない」という条項があった。その原点に戻ることを歓迎しているが、今回も本当に自立的な研究ができるのか、課題が外部から押し付けられることはないのか、と実はそこを逆に心配している。 【井上主査代理】 文化審議会の国語分科会等で政策の方向性を出せば、それに必要な調査研究やそれに基づく研究、学術研究は国語研でやる以外にはほかに機関がないのだろうから、全体を通して、そういうところでやればいいのではないかと思う。 【飯野主査】 新しい大学共同利用機関の設置に関してはここでは各委員にご賛成いただいたと思うので、必要と考えるという方向に動いていると思う。大学共同利用機関をどの法人に設置するのが適当かという点も意見がほぼ一致しているかと思うが、その件につき、今、あとのほうに出た意見も踏まえて、石井委員の考えを少し伺いたい。 【石井専門委員】 幾つか問題があり、基本的には、国立国語研究所と大学共同利用機関は今まで全く違うもので、まず法律的に違う。だから、大学共同利用機関に属している人間の意識の問題ということではない。 【飯野主査】 大学共同利用機関設置の是非に関しては、この場でも関連学会の意向を伺いたいと思っているが、そのときには、また意見を伺わせていただきたい。 【中西委員】 国語というと、小学校、中学校、高校、全部学んできているので、一人一人、イメージが違うと思う。今、話を伺っても、歴史の話や語学の話、文学の話もあり、イメージ的にはっきりつかめないところがあるので、日本語研究に何が必要かということをもう一回洗い出し、何をすべきか、ということをはっきりさせて欲しい。そうすれば、自然と機関の名前にも反映してくるし、イメージがつかみやすくなると思う。 【石井専門委員】 今の問題で議論を分けて考えなければいけないのは、国立国語研究所という現に存在して仕事をしてきたものと、我々が今、大学共同利用機関で日本語の研究をしなければいけないと議論しているものとである。 【真田専門委員】 「国語」と「日本語」に関してだが、対象は、我々にとっての母語というか、母国語としての言語の研究である。私は今、旧植民地、統治領の70歳以上の方々の日本語の調査を行っている。多くの人が日本語を話せるので、その人たちの日本語を調べながら、どういう特徴があるのかということを日本語の研究としてやっている。それを「国語」と言えないのである。それはやはり「日本語」、「日本語の研究」と呼ぶべきなのだと思う。その中で、標準語や方言の研究も行いたいと思っている。 【鈴木専門委員】 日本語学会は元々、国語学会といって、名前を変えた理由はそこが非常に大きい。「国語を勉強しているというのは、小学校の教科書の勉強をしているのか」とまず聞かれるわけで、そこから説明するのはいつもかなり厄介で、まずその辺りのことがはっきり別のものだということがわかるようにするために日本語学会と変えたというのが、意識としては一番強いと思っている。 【井上主査代理】 確かに、グローバル化した中で、国語といっても、非常にわかりにくいという点から言えば、それは世界に対して、言語を発信する、母国語を発信する場合に「日本語」という以外にないと思う。そういう意味では、日本語研究が中心であることは間違いない。 【森学術機関課長】 先ほど中西委員から、大学共同利用機関に関して、人文社会系での大学共同利用機関はどういうものかという質問があったが、行政の側で理解しているのは、先ほどの資料2−1のところで、特性というのもあるが、大学共同利用機関は共同研究を行う場ということが本質であり、例えば大型の施設設備とか、学術資料の収集、保存等はそのための手段である。 【井上主査代理】 大学共同利用機関になって、総研大の一環として、博士課程を設け、そこで若手研究者の養成ができるというのは非常に大きなメリットがあると思うし、国語研究者が少なくなってきているということから言うと、大学共同利用機関のドクターコースを設ければ、そこに自ずから若手研究者の養成ができるというメリットが発生するので、そういう点からもぜひ大学共同利用機関としての学術研究を行う機関になってほしいと思う。 【石井専門委員】 ただ、その場合は教員の資格の問題が出てきて、それが非常に問題となる。マル合(博士課程後期で学位論文の指導できる資格)を取らないとならない。そこが難しい。 【井上主査代理】 人文社会系を考えてみると、従来は必ずしもドクターを取っていなかったと思うのでドクターを持っていないからといって、マル合にならないということはないと思う。研究成果があり、それが評価されればよいのだろうから。 【真田専門委員】 国語研究所では、かつては研究所の研究課題は全てが共同でやられていて、一生懸命個人的に研究をしても、それを研究所の仕事としては認められないということが実はあり、それを自分の業績にはできないということはあった。そこに少し問題があろうかとも思っている。それが後にどのように評価されるか、という点である。 【鈴木専門委員】 社会的な評価としては、その研究員のやった仕事としてみなすことが多い。 【井上主査代理】 それは、共同研究の成果を国語研究所という名前で公表していたということだと思うので、そこのところは評価していいのではないか。 【飯野主査】 今は自分の業績にはできないのか。 【鈴木専門委員】 自分で申告するときはしづらい。 【真田専門委員】 名前がはっきりとした形で出ていない場合、ややしにくいのではないかと思う。 【井上主査代理】 だから、教員審査のときに、大学設置審議会等でどう評価するかだと思う。 【鈴木専門委員】 外から見ていると、この人だからできた、こういう研究の成果が上がったと評価されている場合が多い。 【真田専門委員】 それは専門家だからわかるのだが、一般の人が見た場合にどうかということである。 【鈴木専門委員】 そういうところを見てもらう必要があり、そこが評価されるようになれば、そういう問題がかなり解消されるのではないかという気がする。 【井上主査代理】 それは教員審査のやり方だと思うので、その点を評価できるような申請の仕方をすればいいのではないか。 【鈴木専門委員】 共同論文や共同研究等、いろいろな形の出し方があるだろうと思うので、それで細かい説明をつける等すれば、それも入れられるのではないかと思う。 【飯野主査】 この点について他にご意見がなければ、大学共同利用機関において、どういう分野の研究がなされ得るか、あるいは必要か、そういった点についてはいかがか。 【石井専門委員】 これは最終的には、研究者コミュニティが出した4項目ぐらいを私の方からまとめて提出したいと思っており、今、整理しているところである。 【中西委員】 質問させていただくが、今伺って驚いたことは、個人的に非常に良い研究をしても、名前としては研究所の業績になるということで、それだと誰と一緒に研究をやればいいのか、外から見てわからないのではないか。自然科学だと、論文に20人ぐらい名前を書くこともあるが、個別の研究者の名前を書かないという歴史的な何かがあるのか。 【真田専門委員】 報告書そのものは研究所編となるので、個人研究ではありえない。共同研究の中で一員として動くだけである。 【中西委員】 他から見ると、だれがどこを担当しているかもわからないということか。 【真田専門委員】 先程言われたように、専門家は分かる。分かるけれど、論文が別にあるわけではないので、どこまでが個人のものかと言われたときに難しい。 【中西委員】 そうすると、ほかと共同研究しづらいのではないか。共同研究をしたいときに、こういうところはおもしろいアイデアだから、一緒に研究したいと思うときはどうするのか。 【真田専門委員】 それは科研費の研究課題等ではやられている。また、最近は個人が前面に出るようにはなっている。しかし、かつて研究所の仕事そのもの、プロジェクトそのものは基本的に共同研究として行われていた。 【石井専門委員】 自然科学の場合では連名がものすごく多いが、人文科学の場合にはその伝統が全くないので、共同研究というとき、この先生がいなかったらこれはできなかったという場合でも、その先生の名前が出ていれば分かるが、そうでないと、他の人たちは何をやったかわからない。 【中西委員】 その中にも共同研究者の名前のリストが出てこないということか。 【真田専門委員】 中心になったのはだれとだれであるとは書かれるが、はっきりした形では分からないというのが現実である。 【石井専門委員】 これは構造的なものでしようがないと思う。例えば外務省でだれかが論文を書いても、それは何課等と書かれ、その人の名前は出てこない。それと同様で、制度の問題。 【井上主査代理】 ただ、役所の文書も、分担して作成するので、例えば文部省という名前でも、文書の中で、第1章はだれかが書いたというふうになっていれば、研究者はわかるのではないか。 【鈴木専門委員】 第2章はだれ、第3章はと書かれているものはある。 【井上主査代理】 そういうのはやはりその人の研究成果として評価されてしかるべきではないか。 【鈴木専門委員】 専門の学会では、それに基づいて何か書くときには、だれだれ執筆によるとかいうところまでつける。 【飯野主査】 ほかに何かそういったことで、研究分野のことや大学研究者との連携によって、共同利用が推進されるようなときにはどういった基礎資料の集積や提供が求められるか等、大学共同利用機関に求められる役割や体制等に関しては何か意見があれば伺いたい。 【石井専門委員】 例えば今まで国語研究所がやってきた中で、大学共同利用機関に変わっても、コーパス事業や方言研究であれば、大学共同利用機関の研究とぴたりと重なるものがある。しかし、例えば理論研究や言語学的なアプローチから言えば、入っていない部分があるので、国語研究所の今までの研究の全て駄目ということではなく、重なる部分と重ならない部分ができるということだと思う。 【飯野主査】 新たに推進していかなければならないような分野についても何かあれば。 【石井専門委員】 例えば理論研究はしなくてはいけないと思う。それから、方言の研究ももっと進める必要がある。また、歴史的な変化の研究は非常に重要だろうし、それから、対照言語学、例えば日本語と英語等の比較研究というものも非常に重要だと思う。 【中西委員】 データベースづくりや辞典づくりは図書館等でしてほしいと思う。 【鈴木専門委員】 データはあるけれども、一定の方針のもとに、それぞれまた別のところでやらせてもいい。 【飯野主査】 そういった形での連携はあり得ると思う。 【鈴木専門委員】 今、国語研究所には日本語教育の部門が非常に大勢いるが、実際に研究事業というときに、そういうものは、学術研究ということを考えると全く中心にはならないのか。 【石井専門委員】 人間文化研究機構が日本語教育をやるわけにはいかない。 【鈴木専門委員】 例えば第2言語習得論、中間教育言語教育の研究といった分野は、まさにいわゆる学際的な分野であり、実際の日本語教育の仕方や教科書づくり、研修等はもうやめてもいいと思うが、学際的な研究分野をセンター的に指導していくような、そういう部門は残していったほうがいいのではないか。 【石井専門委員】 日本語研究、日本語教育という言葉では、少し難しいかもしれないが、対照研究等ということになれば、可能だと思う。 【飯野主査】 そういったことに関係するかもしれないが、関係分野の大学附置研究所など、先ほど、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所(以下、AA研という。)の説明があったが、そういったところとの役割分担や連携等ということはいかがか。先ほど、例えば研究と辞書編さんをある程度分けるという意見があったが、これは役割分担、すみ分けをするということだと思う。あるいは、どういう形で分担、あるいは連携ができるのかということに関してはいかがか。 【石井専門委員】 アジア・アフリカという表現は特殊日本語的で、その中に日本は入っていない。だから、アジア・アフリカに日本語を加えれば、この中の言語研究等、いろいろなものにまさに対照で、アフリカの言語と日本語と対照とかということもできるので、そういう意味での共同研究は十分できると思う。 【飯野主査】 何か意見があれば。先ほどから議論の中に出ているが、国際的な研究交流等に関してはいかがか。 【石井専門委員】 国際日本文化研究センターは外国人研究者が20人ぐらい在籍しており、非常に多い。外国の日本語研究者を20人ぐらい、客員研究員で入れて、交流するということは非常にいいと思う。つまり、外国人研究部門としないでも、外国人研究者を入れて、日本人と並んで一緒に研究するという形。 【飯野主査】 共同プロジェクトで研究を進めていき、そういう中で、若手研究者が養成されていく等も考えられる。 【石井専門委員】 若手研究者育成は総研大に入れば、もちろんできる。 【飯野主査】 ここまで議論が進んできたが、そういう中で、例えば大学の役割はどんなふうになるか。研究者の養成や確保においての役割、あるいは大学教育全般に日本語研究を生かすにはどうしたらいいか等、現状などをよくご存じの方からも考えを伺えればと思う。 【石井専門委員】 大学共同利用機関はもともと、大学と関係なく、自己完結的なものであってはいけない。そのため、共同研究の多くの人、ほとんど大半は大学所属の研究者である。そして、それがネットワークのような形になって、共同研究の場を大学共同利用機関が提供している。 【飯野主査】 そして、それが大学にも戻っていく、フィードバックされるということになる。これは非常に重要なところだと思う。 【真田専門委員】 国語研究所のプロジェクトによる共同研究では、私の大学院での指導生たちも、多くフィールドワーク等に参加させていただいている。 【井上主査代理】 現在でも、国語研究所が方言の研究等、全国的な国語研究をやる場合に、各大学の研究者の協力を得てやっているという実態があると思うので、そういう意味では、大学共同利用機関としての研究形態も既に取り入れた形で研究が行われているということでもある。国語研究については自然な形でスムーズに入っていけるのではないかと期待している。 【石井専門委員】 ただ、現状ではほとんど日本語教育なので、そこが少し違うと思う。 【井上主査代理】 それで、AA研の形で見ると、日本語研究もこういう形が一つ考えられると思うが、従来はあまり対照言語学の研究が行われていないということがあるから、今後は、研究分野としてはそういうものの充実させて、外国人が入って一緒に共同研究する等で、非常に特色を発揮できると思います。 【森学術機関課長】 日本語におけるフィールドサイエンス研究は、方言の研究のようなものになるのか。 【真田専門委員】 方言に限らず、フィールドにおいて、性差を調べたり、年齢差を調べたり、企業による言葉遣いを調べたり、社会的属性と相関する日本語変種の調査をするわけで、決して地域差としての方言に限定されるものではない。 6.閉会次回以降の開催予定について、事務局より説明があり、本日の委員会は閉会となった。 |
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