平成23年3月2日(水曜日) 10時00分~11時30分
文部科学省3F2特別会議室
有川部会長、深見委員、井上委員、岡田委員、岡本委員、北川委員、金田委員、瀧澤委員、西尾委員、青木委員、稲永委員、大西委員、海部委員、中村委員、横山委員
倉持研究振興局長、戸渡大臣官房審議官(研究振興局担当)、森田学術機関課長、岩本情報課長、小山学術機関課研究調整官、飯澤学術基盤整備室長、田中学術企画室長、他関係官
【有川部会長】
それでは、第6期研究環境基盤部会の発足に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げたいと思います。
この研究環境基盤部会といいますのは、科学技術・学術審議会のもとに置かれております学術分科会の中に幾つかの部会がございますけれども、そのうちの1つでございます。お手元の資料2の真ん中ほどにございますけれども、大学等における研究環境の具体的な整備及び評価にかかる事項並びに、特定の分野における学術研究の推進のための具体的な方策及び評価にかかる事項について調査、あるいは審議をするといったことが主な任務ということになっております。
そして、そのページの下、これは案ですが、例えば、資料5をご覧いただきますと、前期におけるこの部会におきます審議の状況等が書いてありますけれども、その下のほうに、2.から裏の5.までございますけれども、共同利用・共同研究拠点にかかわること、これなどは非常に重要ということで特別に作業部会をつくってやってきていたわけでございます。それから、学術情報基盤作業部会というものもございます。そういうことで、ここで言う学術情報基盤といいますのは、計算環境資源ネットワーク、あるいは、図書館であったり、学術情報の発信であったりするわけですが、そういったことについて審議をしております。それから、国立大学法人等の運営費交付金の学術研究に関する作業部会ができておりますが、そういったことも我々の部会で扱うことになります。それから、学術研究の大型プロジェクトに関することも扱うことになっております。
第5期のことについて紹介させていただきましたけれども、基本的には、そういったことを中心に考えていくのかなと思います。当然ながら、今期、審議をしていただく中で、また必要な大事なことがありましたら、そういったことも当然、審議をしていくことになろうかと思います。
そのようなことでして、先ほど、資料2のところで作業部会の任務等について申し上げましたけれども、非常に大事なことですので、委員の先生方の活発なご審議をいただきまして、いい方向、あるいは提言等ができればというふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、続きまして、文部科学省より倉持研究振興局長がおいででございますので、ごあいさつをいただきたいと思います。お願いいたします。
【倉持研究振興局長】
ありがとうございます。研究振興局長の倉持でございます。改めまして、ほんとうに委員の先生方におかれましては、大変お忙しい中、この研究環境基盤部会の委員にご就任いただき、またご出席いただきましてほんとうにありがとうございます。心より御礼を申し上げたいと思います。
今、この部会のミッションとか、前期どういうことをしてきたかということについて部会長から言及していただいたところでございます。私どもの認識としては、いわゆる、研究者の個人に対してどういう研究費でサポートするか、研究制度はどうあるべきかという議論と並んで、組織的な取り組みを必要とする研究環境の基盤についてどのように構築していくか、これは非常に大変な、まさに車の両輪の課題であるというふうに認識しておりますし、政府は、この4月から、まさに第4期の科学技術基本計画で、また新たな一歩を踏み出すわけでございますけれども、そのもととなる答申においても、総合科学技術会議のほうのご議論でも、この基盤の重要性は指摘されていると思います。限られた資源をどううまく生かして、世界のトップランナーとしての基盤を、ほんとうの基盤を、トップのところからすそ野までどういうふうにつくっていったらいいのかということについて、また、先生方のご指導をお願いしたいと思います。
昨年はいろいろ政策コンテスト等がございまして、コミュニティの皆さんからもご意見をお寄せいただきました。明らかに政策形成の過程においてやり方が変わりつつあると思います。幅広い参加を求めて国の政策を決めていく、こういう方向にあるのだと思います。第4期に向けても、社会とともにつくる科学技術ということを1つの流れとして、あるいは基本認識として持って取り組もうということでございます。この研究基盤につきましても、ここでの政策的なご議論とともに、それぞれのコミュニティがどう動くかということともうまく連携をしながら、大きな流れをつくっていくことが大事なのだろうと、私どもも肝に銘じているところでございます。
いずれにしましても、ほんとうに世界でいろいろ競争が厳しい中で、日本らしい、日本としてのしっかりとした研究基盤をいかにつくっていったらいいか、この重要な課題に、ぜひ、先生方のご助言、ご指導を賜りたいということを冒頭お願い申し上げまして、これからの第6期のこの部会のご審議をどうぞよろしくお願い申し上げます。
【有川部会長】
ありがとうございました。
それでは、議題の2つ目になりましょうか、第6期における当面の審議事項等についてですけれども、今期の最初の会議ですので、先ほどちょっと触れましたけれども、前期の部会等における審議状況や、今期における当面の審議事項等について事務局から説明をしていただきたいと思います。また、当面、本部会のもとに設置する予定の作業部会について事務局から提案があると思いますので、それについてもあわせてご説明をお願いいたします。
【森田学術機関課長】
資料5から7に基づきましてご説明を申し上げます。まず資料5ですが、前期における審議状況の概要について先ほど既にお話がございましたが、研究環境基盤部会におきましては、大学共同利用機関法人、大学共同利用機関の今後のあり方についてご審議をいただきました。大学共同利用機関は平成16年に法人化されて、第1期中期期間を経過したところですけれども、第1期の現状や成果、課題等についての検証を行っていただきました。その結果、3つ目のマルにございますように、法人化についてはおおむね肯定的な評価が得られている一方で、大学共同利用機関の機能強化に関する課題なども指摘されており、大学共同利用機関の改善・充実が必要であるといったことを骨子といたしました審議経過報告を昨年8月に取りまとめていただいたところでございます。この審議経過報告は、その後、上の学術分科会で審議をいただいて、本年1月に、学術分科会の審議経過報告として取りまとめられました学術研究の推進についての報告の中に取り入れられているところでございます。
それから、2.共同利用・共同研究拠点に関する作業部会ですが、平成21年に共同利用・共同研究拠点の文部科学大臣による認定制度が創設されまして、最初の拠点の認定作業を中心に、この作業部会で行っていただきました。第5期の2年間に、記載のとおり、77拠点を認定候補として決定をする評価・審議を行っていただいたところであります。
3.学術情報基盤作業部会、2ページですが、電子ジャーナルの効率的な整備をはじめとして、大学図書館の整備のあり方について、平成21年7月と平成22年12月の2回の審議を取りまとめていただきました。この作業部会の審議についても、学術分科会の審議経過報告の中に取り入れられたところでございます。
それから、4.国立大学法人等の運営費交付金(学術研究)に関する作業部会、これは毎年度の概算要求に当たって、国立大学法人運営費交付金で措置をいたします研究プロジェクトについて、その支援についての基本的な考え方をご審議いただくとともに、各法人から要求のあったプロジェクトについての評価等を実施していただきました。
5.学術研究の大型プロジェクトに関する作業部会は、昨年の3月に日本学術会議で取りまとめられました学術研究の大型プロジェクト、大型研究計画についてのマスタープランに7分野、43の研究計画が盛り込まれたマスタープランが取りまとめられたわけでございますが、これを受けて、これらのプロジェクトの評価を行い、優先度等を整理した「ロードマップ」を含む審議のまとめを昨年10月に取りまとめていただいたところでございます。以上が第5期の審議の状況でございます。
次に資料6ですが、今期に審議をお願いしたい事項として、現段階で事務局として考えている案でございます。
まず1つ目の大学共同利用機関法人及び大学共同利用機関の今後のあり方については、前期に審議経過報告まで取りまとめられているわけでございますけれども、ここに記載のとおり、国公私立大学の共同利用の研究所としての機能強化、それから、機構法人のあり方、それから、新たな学問領域の創成に対応した適切な組織のあり方などについて引き続き検討が必要であるという指摘を前期の部会でいただいておりまして、こうした残された課題についての審議をこの部会でお願いしたいと考えております。
2.の共同利用・共同研究拠点につきましては、制度が発足して現在、既に国立、私立合わせて83拠点を認定しておりまして、新規の認定の可能性というのは非常に少なくなっております。ただ、認定した拠点の中間評価とか、今後のフォローアップのあり方等についてご審議いただく必要がございまして、そういった事項について引き続きご審議をお願いしたいと思っております。
それから、学術情報基盤の整備・充実に関しましては、引き続き検討をお願いしたい事項がございます。これについては、後ほど情報課長のほうからご説明を申し上げます。
4.の国立大学法人等の運営費交付金につきましては、これは毎年度の概算要求に当たって基本的な考え方とか、各プロジェクトの評価については毎年度行う必要がございまして、引き続きお願いしたいと思っております。
それから、5.学術研究の大型プロジェクトの推進につきましては、現在、日本学術会議で、昨年3月に出されたマスタープランの改訂についての審議が行われておりまして、本年夏ごろを目途に改訂が行われるというふうに聞いております。したがいまして、それが行われた場合には、この作業部会で取りまとめていただいたロードマップについて改訂の必要があるかどうかを含め、あるいは、改訂をどのように行うかなどについてご審議をいただく必要があると思っておりまして、これらの事項をお願いしたいと思っております。
1.の、この部会でご審議いただく大学共同利用機関のあり方についての問題につきましては、いつごろから審議を開始するかにつきましては、そのほかの情勢も判断し、また、現在、各機構法人でも主体的な検討が始められておりますので、そういった状況も踏まえながら、その時期については部会長ともご相談をさせていただいて先生方にお諮りしたいと思っております。
それから、2、3、4、5の4つにつきましては、前期に引き続き作業部会の設置をお願いしたいと思っております。それが資料7です。今、ご説明申し上げました審議事項に対応するための4つの作業部会の個々の設置要綱の説明は割愛させていただきますが、この資料7お示しさせていただいているような内容の作業部会の設置を、本日のこの部会でご了承いただければありがたいというふうに思っております。
また、現時点では以上ですが、今後新たな検討が必要な場合、新たな作業部会等の設置が必要になった場合には、その時点でまた部会長にご相談し、また委員の先生方にお諮りをさせていただきたいというふうに思っております。
では、学術情報基盤作業部会について、情報課長から説明いたします。
【岩本情報課長】
情報課長の岩本でございます。学術情報基盤作業部会でございますが、資料5にも部会のことが記載されておりましたが、学術情報基盤としまして、コンピュータ・ネットワーク、それから大学図書館、その他学術情報発信の関係につきまして、学術情報基盤として大変重要な課題でございますので、これについて、前期、第4期におきましてもこの研究環境基盤部会のもとに設置をしていただき、そこでさまざまなことについてご議論いただきました。主に電子ジャーナルの効率的な整備ということで、海外の高騰する電子ジャーナルの問題に対応することも踏まえました国公私立大学全体を包括するような組織、コンソーシアムでの対応ということについて一定のご提言をいただき、現状としまして、国公私立大学においてコンソーシアムをまとめて対応するという方向になっております。また、オープンアクセスの一層の推進とか、機関リポジトリについても提言をいただきました。それは平成21年7月にそのような形でまとめをいただいているわけでございます。
そして、昨年12月に「大学図書館の整備について」ということでご提言をいただきました。大学図書館の機能と役割について、特に近年におきます電子化とか、そういう環境の変化ということも踏まえて、特に戦略的な位置づけについていろいろ知能を整理していただきました。そして、大学図書館職員の育成・確保ということにつきましても、具体策についてご指摘をいただいているわけでございます。
そういうことで、第5期の学術情報基盤作業部会におきましては、主に、学協会等の情報発信の強化、流通の促進ということにつきまして、日本学術会議等でも1つの提言をされている状況でございます。そういうことも踏まえまして、それぞれの学協会において情報発信をしておりますが、そのような情報発信の強化に関しましてご審議をいただきたいと思っております。
それから、学術コンテンツにつきまして、流通促進という課題が以前からございます。それぞれ、国立情報学研究所や科学技術振興機構(JST)というところで、それぞれ情報流通促進のためのさまざまな取り組みをしていただいております。また、大学図書館においても役割を果たされ、あるいは、機関リポジトリの設置などもやっておりまして、学協会それぞれの役割もございます。そういった問題につきまして、ここで一度、状況を踏まえて、電子化という課題もございますし、情報発信の強化もございます。その全体をまとめてそれぞれの果たすべき役割と連携強化ということにつきましてご議論をいただくことを当面考えております。
さらに、そのほか、大学図書館の問題とか、IT、情報基盤ということに関しましては、これも状況の変化に応じて当然、審議が必要になってまいりますので、状況を見てご相談申し上げたいと思っております。
そういうことで、当部会におきましても引き続き学術情報基盤作業部会の設置について、よろしくご配慮をお願いしたいと思います。
以上でございます。
【有川部会長】
はい、ありがとうございました。
それでは、ただいまの資料5、6、7に基づきました当面の審議事項等のご説明に対しまして質問などがございましたらお願いいたします。
【海部専門委員】
よろしいですか。質問というか、コメントなのですけれども、2つありまして、1つは、共同利用に関することです。ここでご提案のように、大学共同利用機関に関しては、検討はするけれども、すぐ作業部会をつくることはしないという話です。それはそれで結構だと思いますが、私は、1つの印象として、大学共同利用機関の問題と、大学における共同利用の問題がちょっと切り離されているような気がするのです。しかし、実はこれは一体のものであるわけです。もともと大学共同利用機関は何から生まれたかというと、大学における共同利用の中から生まれてきたものなのです。ですから、特に大学共同利用機関の中で非常にその後も活発に活動しているところは、当初からそういうコミュニティが形成され、共同利用の実態がある、そういうものが共同利用機関として衣替えをしていく中で、より有効な活動を展開することができるようになったと思います。
そういう面から言うと、私がちょっと気になるのは、大学における共同利用・共同研究拠点が整備されたのは大変いいのですが、私はそれに大賛成したわけですが、ただ、それの、例えば、今度の作業部会でも、申請への対応、フォローアップ評価となると、何となく矮小化していかないかなと、そういう危惧を若干持つわけです。私は、日本における研究を進めてきた1つの大きなきっかけというか、仕組みであった共同利用ということについて、やはり、引き続き今後どういうふうにもっと発展させるべきかを検討するような体制が必要だと思うんです。それは、ここの研究環境基盤部会でやると。ですから、それを2の課題でやるのか、つまり、大学の課題でやるのか、共同利用機関の課題でやるのか、ここがちょっと分離されているところが、実は悩ましい気がしているわけですが、いずれにせよ、大学共同利用機関と大学における共同利用を含めた日本における共同研究をどう発展させるかという視点は、どこかに明確に入れていただきたいということが私の1つのお願いです。それが第1点であります。
第2点は、大型プロジェクトですが、これはご提案では、大型プロジェクトに関して、検討事項、学術研究の大型プロジェクト推進のための方策となっていて、それで結構だと思います。ただし、これも先ほどちょっとご説明がありましたし、資料6の5に「プロジェクトの推進について」とありますが、これもロードマップの改訂、あるいは評価法等に矮小化というと、ちょっと語弊があるかもしれませんが、そうすることなしに、まだ、私は、日本における大型計画の課題は非常に残っていると思います。それは、前回も随分指摘されたように、例えば、文部科学省を超えるような別省庁の大型はどうするのか。文部科学省の中でも国策的なものとボトムアップ的なものとの関係をどうするのか、その辺はまだ十分議論されていない部分です。非常に難しいことはよくわかります。しかし、それをどう超えていくかということがなければいけないだろうと思います。当然、学術会議でそういう議論はやりますが、学術会議だけの議論では、これは進まない。やはり、政策省庁がその辺をどう対応していかれるかということを抜きにはいきませんので、その辺もぜひ視点に入れていただきたいところであります。
以上です。
【有川部会長】
はい、ありがとうございました。2つのご指摘をいただいたのですが、最初のほうのことは、資料6で言いますと、1.と2.のことになるかと思います。少し整理しておきますと、資料6で言いますと、2、3、4、5というのは、これは作業部会等で審議することになっているのですが、この辺は、ちょっとご覧いただくとおわかりになると思いますが、具体的な作業が入っているようなところがあるわけです。例えば、わかりやすいのは、2.のところで、共同利用・共同研究拠点、その認定にかかるようなことをやったりするわけです。それから、3.になると、もうかなり、学術情報基盤に特化されたようなことをやっています。そのほか、比較的最近出てきましたのは5番目あたりだと思いますが、今、申し上げましたような、ちょっと技術的といいますか、かなり突っ込んだことをやらなければいけないようなものに対して部会が設定されております。そして、そういったところまで持っていくような一般的なことをやるのがここであると、そういうふうに考えていただければいいのではないかと思っております。
そういう意味で、1.のところは、共同利用機関法人と大学共同利用機関、これは前期もかなり審議してきたわけですが、もう少しやっていこうということで、これなども、あるところで技術的なこととか、詳細にやらなければいけないことまでブレークダウンできるようなことになりましたら、おそらくやはり作業部会などをつくって対応しなければいけないということになろうかと思います。それで、1.のところで1つだけ本部会で審議というふうになっておりますけれども、これは、前期からの宿題的にやることで、今、海部委員からご指摘のようなことはここで議論していけばいいのだというふうに思っております。
それから、2つ目は、大型のものですけれども、これも非常に新しいやり方であると思っております。例えば、先ほどもありましたように、日本学術会議のほうと、ある意味で連動したような格好でやっているわけでございまして、そちらのほうで見直しがあるというようなことであれば、やはりそれに呼応しなければいけないということもあります。それから、大型プロジェクトというのは、文部科学省が所掌していることだけではない。そういう意味では、実際には、しかし、大きな研究プロジェクトというのは、主に大学関係者、あるいは、そういう自治体がやるわけですので、多少そこは越境して、こうあってほしいみたいなことは、この部会で議論していってもいいのではないかというふうに思っております。
私のほうでお答えしてしまいましたが、事務局のほうで、そういうことを言われたら困るというようなことがもしありましたら、お願いします。
【森田学術機関課長】
そういうことはありませんで、今、部会長からお話があったとおりでございます。共同利用・共同研究拠点については、個々の認定であるとか、認定した拠点の評価、そういった非常に具体的な作業は作業部会でお願いするのがメインで、大学の共同利用・共同研究拠点と大学共同利用機関との関係のあり方といった、より視野の広いテーマについては、この部会における大学共同利用機関のあり方の検討の中で視野に含めていただいて結構かと思っております。
それから、プロジェクトにつきましても、この作業部会、学術分科会の中の部会のもとでの作業部会ですので、基本的に、メインになるのは学術研究としてのプロジェクト、これについてのロードマップの策定がメインでございますけれども、周辺部分への、学術分科会のテリトリーではないものを直接、審議することはなかなか難しいわけですけれども、周辺部分への提案等は、今、部会長からございましたとおり、この部会で出していっていただくことが可能だと考えております。
【有川部会長】
実際には、こういったところで議論したものが、例えば、次期の科学技術基本計画の考え方などにも反映されているわけでございます。そういう意味で、ある意味では越境しているわけですけれども、自分たちのテリトリーを超えて議論していくということは大事だと思っております。
それで、今ご指摘のようなことも含めまして、この議論をする中で大事なことで浮かび上がってきましたら、当然、それをここでしっかり議論することになると思います。そして、必要なことは学術分科会に上げていくし、ブレークダウンして細かくやらなければいけないこと、あるいは集中してやらなければいけないことであれば新たに作業部会をつくることになるのだと思います。ですから、そういう意味では、文字通り研究環境基盤について審議、調査するということですので、ここに書いてあることに限定して考えることはないのではないかと思います。
ほかに何かございませんか。はい、西尾先生。
【西尾臨時委員】
大型プロジェクトの推進は、特に法人化後、大学における大型設備等の更新を促進するために、また、日本の学術のさらなる向上を目指す上で非常に大事な課題です。そこで、大型プロジェクトの推進に関する本部会の位置づけが重要です。先ほどご説明がありましたように、日本学術会議で、現在、マスタープランの改訂の作業が進んでおりますが、その改定作業の結果を待って本部会を開いていくという立場なのか、そうではなくて、改定作業結果は1つ検討事項であるけれども、別途、学術の大型プロジェクトをどのように推進するのかということを検討していくのか、その立場を教えていただけたらありがたいのですが。
【有川部会長】
はい。多分後者のほうで、1つは、例えば、ロードマップというようなものが学術会議のほうから新しいやり方で出てきているということがありますから、それはそれに対応するわけですけれども、大型プロジェクトをどう推進していくかというのは、この研究環境基盤部会の初期のころの重要なテーマであって、何回か議論してきたと思います。その上で、やはり、作業部会をつくってもう少し集中的に議論しようということになったのだと思っております。そういう意味で、後ろのほうでおっしゃったようなことでいいのだと思います。事務局からお願いします。
【森田学術機関課長】
今、部会長からありましたように、もともとこの部会として大型プロジェクトのあり方については非常に問題意識が提起されていたということで、ちょうど、学術会議でマスタープランの検討が始まっていたということで、その作業部会の設置そのものはマスタープランを受けてということでございますけれども、この審議をしなければいけないということについては、この部会として、もともと委員の先生方からいろいろ提起されていたテーマであったということだというふうに思っております。
【西尾臨時委員】
海部先生がおっしゃった意味も含めて、今ご説明いただいた趣旨であってほしいと思います。
【有川部会長】
これは、私の印象なのですけれども、これまでは学術会議からの提言であるとか、提議とか、そういったものと、こういった学術審議会といいますか、そことの間に少し距離があったような感じがしていたのですけれども、こういったやり方でもって、かなりリアルタイムに議論ができるようになったということで、それは非常にハッピーなことではないかという印象を私は持っておりました。そういうことで、連動しながらお互いにやっていくということ、それは、日本の、文字通り研究環境をしっかり整備するということからしますと当然のことではないかというふうに思っております。
ほかに何かございませんか。そういう意味では、資料6の「その他」というところ、ここが非常に大事ということになるかと思いますが、具体的なことは書いてありますが、最初のところに書いてありますように、ほかの分科会とか部会、中教審の大学分科会等の審議動向に留意しながら審議を進めるということで、そういったところからの問題提起など、あるいは関連するものがあったら、当然、ここで扱うということになろうかと思います。それから、他の分科会と言っていますけれども、学術分科会からは直接、こういうことを審議しろということがおりてくる可能性も当然あると思います。
そういうことでよろしいでしょうか。
それでは、当面の審議事項につきましては、かなり理解と整理ができたと思います。資料7で、今期の第6期、この研究環境基盤部会におきます作業部会の設置についての案が示されておりますが、そこにつきまして何かご意見はございますか。内容等につきましては、これまでの説明の中でご理解いただいていると思います。
それでは、継続的なものですので、お認めいただいたということで、そのように決定したいと思います。ありがとうございました。
なお、作業部会の委員及び主査につきましては、この研究環境基盤部会運営規則第2条第3項及び第4項によりまして部会長が指名することになっておりますので、委員及び主査については考えさせていただきまして、後日、連絡をしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
また、次回以降の部会及び作業部会につきましては、きょうご議論いただいたようなことを踏まえながらですけれども、具体的には、当面は資料6の審議事項に基づいて議論していくことになろうかと思います。
それでは、その他のことですが、事務局から学術研究を取り巻く最近の動向についてご説明をいただきたいと思います。参考資料2-1、2-2、3などに基づいてご説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【森田学術機関課長】
それでは、参考資料2-1、2-2、それから参考資料3によりまして、来年度の予算案の状況等につきましてご説明を申し上げます。
参考資料2-1ですが、来年度の予算が来まして、文部科学省予算は一番上に書いてありますとおり、5兆5,428億円で、サンカク0.9%となっております。政府全体としての財政事情が非常に厳しい中で、最小限の縮減で、他府省と比べましても最も小さな減額になっているということであります。
最初の枠の中に主な点が書いてありますが、大学の教育研究の基盤となる大学関係主要経費の拡充や、科学研究費補助金の基金化による複数年度使用を実現するなど、制度創設依頼の最大の増額などが図られております。
それから、3つ目のマルですが、「元気な日本復活特別枠」という名称で政策コンテストが行われたわけでございますけれども、特に大学関係者、研究者のコミュニティの方々から多数のご意見をいただいたおかげによりまして、必要な予算額の確保ができていると思っております。
3ページです。研究環境基盤部会と関係の深い大学の基盤的経費でございますが、上のほうの3つ目のマルにございますように、成長の土台となる大学の基盤経費、科学研究費補助金など大学関係主要経費については、これらをトータルいたしますと、平成17年度以来、6年ぶりの増額でございます。具体的には、下半分のところですが、国立大学法人運営費交付金は1兆1,528億円で58億円の減額でございますけれども、法人化以降、最も小さな縮減でございます。1つ目のダイヤに書いてありますように、世界最先端の教育研究を支える大学・大学共同利用機関の新たなプロジェクトの推進などが盛り込まれているところでございます。
下のほうに書いてありますように、国立大学の法人化以降、基盤的経費の削減に、来年度予算案に関して申し上げれば、歯止めがかかっている。同時に、一番下ですが、大学における機能別分化・連携の推進など、大学改革の推進が同時に求められているということです。
それから、4ページですが、2つ目のマルの私立大学の基盤的経費であります私立大学等経常費補助につきましても、国立大学と同様0.5%の縮減にとどまっておりまして、平成17年度以降最も小さな縮減になっているということでございます。
それから、7ページの科学技術予算でございます。科学技術予算につきましては1兆683億円でございまして、3.3%の増になっております。3つ目のマルにありますように、新成長戦略に掲げられた「知恵」と「人材」のあふれる国の実現に向け、未来をつくる基礎研究や若手研究者等への支援の強化、ライフ・グリーンの2大イノベーション等を中心に増額が図られております。
下半分ですが、科学研究費補助金につきましては、633億円増の2,633億円でございます。特にこの説明の中に書いておりますが、若手B、挑戦的萌芽研究、基盤支援の3つの種目にいての新規採択分から基金化を図り、新規採択率30%を達成するなどの制度改革と増額が図られているということです。この基金化につきましては制度改革でして、現在、開会中の国会に、日本学術振興会法の改正案を提出中でございます。
それから、その他若手研究者育成のための特別研究員事業、テニュアトラック普及・定着事業や、そのほかリーサチ・アドミニストレーターの育成・確保。それから8ページですが、若手研究者の海外派遣のための海外特別研究員事業や、若手研究者戦略的海外派遣事業など、これらの事業について新規や既存事業の拡大が図られているところであります。
8ページの下半分は、ライフ・グリーンノ2大イノベーションの推進ということで、再生医療、次世代がん研究、脳科学、大学発グリーンイノベーション創出事業等、国が主体的に進める研究開発プロジェクトについて新規や拡充が図られているということでございます。
それから、9ページですが、イノベーションを生み出す研究インフラ及びシステムの整備として、革新的ハイパフォーマンス・コンビューティング・インフラの構築、それから、「明日に架ける橋」プロジェクト等、記載のような事業が盛り込まれているところでございます。以上が参考資料2-1でございます。
参考資料2-2ですが、特に学術研究に関するもののみを取り出したものが、この参考資料2-2でございます。1ページの下半分にあります、大学・大学共同利用機関等における独創的・先端的基礎研究の推進については、ちょっと後回しにして後ほど少し詳しく申し上げたいと思います。
2ページですが、一番上の部分ですが、今年度からスタートいたしました最先端研究開発戦略的強化費補助金、額としては小さくなっておりますけれども、今年度からスタートした継続事業の計画的な推進に必要な額は確保しているところであります。
それから、(2)の大学等における学術研究への支援の2つ目、人文・社会科学等の振興で、この中には、私立大学等における人文・社会科学分野等の共同利用・共同研究拠点を対象に行っております特色ある拠点づくりの推進事業の経費、現在、私立大学7拠点が認定されておりますけれども、額については、やや小さくなっておりますけれども、引き続き継続するための経費を盛り込んでいるところでございます。
最後の5ページですが、先ほど後回しにしました大学・大学共同利用機関等における独創的・先端的基礎研究の推進でございます。横長のポンチ絵になっておりますが、1つ目のマル、国立大学における共同利用・共同研究、多様な学術研究の推進は、国立大学法人運営費交付金の中に盛り込まれている国立大学法人を対象とした学術研究のための経費、トータルで153億円でございますけれども、共同利用・共同研究拠点、国立大学法人74拠点を対象にした事業実施のための経費。それから、さまざまな研究プロジェクト推進のための経費を盛り込んでおります。特に、共同利用・共同研究拠点は2年目でございまして、初年度から減額にならないように最大限の確保をしているところでございます。
それから、国立大学における教育研究設備の有効活用にかかるマネジメント機能を強化するための取り組みを行う経費についても、若干でございますが、設備の共同利用や再利用、あるいは、技術サポートの集約化とか、そういった設備マネジメント機能、設備サポート機能を強化するための取り組みを行うための経費も若干ですが、盛り込んでいるところでございます。
それから、2つ目のマルが大学共同利用機関法人の運営費交付金、3つ目のマルが施設費補助金の中の大型特別機械の整備費でございます。これらの経費によりまして、下の欄にありますとおり、来年度予算におきましては、今年度から最先端研究基盤事業補助金により着手しております大型低温重力波望遠鏡計画と、高エネルギー加速器研究機構のBファクトリー加速器の高度化、いわゆるスーパーKEKB計画ですけれども、これらの推進に必要な23年度分の所要額を盛り込んでいるところであります。
それから、来年度建設の最終年度となりますアルマ計画、アタカマのミリ波、サブミリ波干渉計計画でありますけれども、これらについても必要な経費を盛り込んでいるところであります。以上が参考資料2-2でございます。
最後に、参考資料3、冒頭に局長のほうからもございましたが、4月から第4期科学技術基本計画がスタートいたします。この概要は、年末に総合科学技術会議から総理に答申された第4期科学技術基本計画の内容についての概要でございます。この部会に特に関係の深い学術研究については、5つの柱のうちの4の柱それから研究及び人材育成の強化という部分に盛り込まれております。基本方針として、重要課題対応とともに、車の両輪として基礎研究の取り組みの強化を図る。基礎研究の抜本的強化ということで、独創的で多様な基礎研究の強化、世界トップレベルの基礎研究の強化、それから、特に4の国際水準の研究環境及び基盤の形成と、この(1)大学及び公的研究機関における研究開発環境の整備、(3)の研究情報基盤の整備、この中に、きょうは詳細は省略いたしますけれども、大学・大学共同利用機関における学術研究でありますとか、共同利用・共同研究の推進でありますとか、学術研究の大型プロジェクトの推進の必要性や学術情報基盤の整備の必要性等々について、特にこの4.のところに盛り込まれているところです。
一番最後の大きい柱の5の中の4.ですが、研究開発投資の拡充については、官民合わせた研究開発投資の対GDP比4%以上、このうち政府研究開発投資については、対GDP比1%、総額約25兆円が明記されているところであります。今月中に閣議決定されて4月から第4期に入る予定であります。
以上、最近の動向の説明とさせていただきます。
【有川部会長】
はい、ありがとうございました。何かご質問などはございますか。どうぞ。
【中村専門委員】
1つ確認させてください。参考資料2-1の9ページ、新規のところで、地域イノベーション戦略支援プログラム等々があります。これは文部科学省だけではなくて、どういう省が絡んでいるというふうに理解すればよろしいですか。111億円はついていますけれども、これは全体の戦略プログラムの中では文科省はどれくらいのウエートだということですか。
【森田学術機関課長】
ちょっと詳細が、担当課でないとわからないところがあるのですけれども。
【中村専門委員】
わからないですね。
【田中政策評価審議官】
恐縮でございます。政策評価審議官でございますけれども、あまり発言する立場ではないのですけれども、111億円は、これはすべて文部科学省の経費でございます。
【中村専門委員】
ですよね。ほかの少々は111億円以外にプラスアルファがあるわけですよね。それがどれくらいかはご存じですか。どれを、どれだけの省庁が絡んでいるのかということです。担当の課がいらっしゃらなければ……。
【田中政策評価審議官】
従前からは、特に経済産業省、農林水産省等々が地域のイノベーションの問題についてかかわっておりますけれども、それぞれが幾ら23年度予算に計上しているかは、ちょっと数字は今、持ち合わせておりません。よろしくお願いします。
【中村専門委員】
そうですね。
【有川部会長】
今のことは、ほかの省庁の予算をずっと見ていって初めてわかるということになるのでしょうか。
【戸渡大臣官房審議官(研究振興局担当)】
いえ、これは担当課のほうで連携しながら政策を進めていますので、3省庁が一体となって地域イノベーションを推進しようということでやっていますので、担当課であればわかるのですが、今ちょっとここに数字を持ち合わせていないということで大変恐縮でございます。
【有川部会長】
いずれにしても、これは文科省の関係で。
【中村専門委員】
そうですね、文科省関係ですね。
【有川部会長】
ほかに何かございませんか。よろしいでしょうか。予定しているよりは少し早目に進行しているのですが、ないようでしたら、きょうは初回でございますので、方向づけができればいいのだと思います。ありがとうございました。
事務局から何か連絡事項等はございますか。
【俵学術機関課課長補佐】
きょうはありがとうございました。次回の研究環境基盤部会と、また、本日、了承いただきました作業部会の日程につきましては、また改めてご連絡を差し上げたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
本日の資料につきましては、机の上に残しておいていただければ郵送させていただきますので、よろしくお願いします。
【有川部会長】
どうもありがとうございました。それでは、本日の会議はこれで終了といたします。どうもありがとうございました。
【俵学術機関課課長補佐】
ありがとうございました。
── 了 ──
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