ここからサイトの主なメニューです
研究環境基盤部会 学術情報基盤作業部会 コンピュータ・ネットワークワーキンググループ(第9回)議事内容

1.日時: 平成17年10月17日(月曜日)16時〜18時

2.場所: 文部科学省F1会議室
(古河ビル6階)

3. 出席者:
(委員) 伊賀主査、後藤主査代理、阿草委員、岩宮委員、尾家委員、岡部委員、斎藤委員、酒井委員、島倉委員、近田委員、根元委員、松浦委員
(科学官) 西尾科学官
(事務局) 松川情報課長、柴崎学術基盤整備室長、大山学術基盤整備室室長補佐、上田情報研究推進専門官

4. 議事概要
(1) 資料1の前回議事概要案について、修正があれば10月24日(月曜日)までに事務局へ連絡することとした。

(2) 日本学術会議の要望「国立大学法人の大学法人化に伴う大学附置全国共同利用研究所・施設の課題」について、資料2に基づき事務局から説明が行われた。

(3) 我が国の学術情報基盤としてのコンピュータ及びネットワークに関する地図の作成について、資料3に基づき事務局から説明が行われた後、意見交換・質疑応答が行われた。

意見交換・質疑応答
(まる・・・委員等 さんかく・・・事務局)

委員等  この資料は、日本のネットワークやスーパーコンピュータに関する全容を把握できるように作成してもらっているところである。今後、ネットワークやスーパーコンピュータを活用した研究グループ等の情報を追加していき、資料として完成させたいと考えている。ただ現状をまとめるだけでなく、何が欠けているかといった点を明らかにして行きたい。各委員には情報提供をお願いしたい。

委員等  スーパーコンピュータについては国内の状況しかまとめられていないが、日本の現状を明らかにするためには、海外の状況を把握すべきではないか。

委員等  スーパーコンピュータの配置状況について、機種更新を行うと性能が一桁上昇するため、最新のスーパーコンピュータの能力や規模を基準に現在の状況をまとめると、機種更新の直前にある機関が抜け落ちてしまう。分布状況を正しく表現する方法を検討する必要があるのではないか。

委員等  更新時期が近いスーパーコンピュータを持っているということは、逆に言うと能力の低い計算機を持っているということであり、研究者は次々と新しいスーパーコンピュータを探し出し、使っていかなければ計算需要を満たせないという現状を示しているのではないか。

委員等  スーパーコンピュータの定義は変わっていくと思うが、機種更新を行ったら、大体どれくらいの期間スーパーコンピュータと言えるのか。

委員等  2年も経つと世界のトップランクのスーパーコンピュータが入れ替わるぐらい性能が向上し続けているため、5、6年もスーパーコンピュータという位置づけを維持することはできない。

委員等  メーカーは大体5年かけて新しいスーパーコンピュータを開発するため、かつての大型計算機センターでは5年に1回スーパーコンピュータを更新していた。ただ、メーカーごとに開発のサイクルが2〜3年程度ずれているため、スーパーコンピュータと言えるのは2〜3年ではないか。

事務局  平成12年に100ギガフロップス以上の演算性能を持つ計算機を政府調達上のスーパーコンピュータと定義したところであるが、急速な計算機開発技術の進展に伴い、100ギガフロップス以上の演算性能を持つ計算機の導入事例が増えたことなどから、米国と協議した結果、本年5月より1.5テラフロップス以上の演算性能を持つ計算機を政府調達上のスーパーコンピュータとすることになった。本資料は1.5テラフロップスを基準としてまとめたものである。

委員等  国立大学法人化前の計算機に係るレンタル料の予算は、6年間のレンタル期間を前提に配分されていたが、いまや6年のレンタル契約を結ぶと、レンタル期間中にスーパーコンピュータとしての価値がなくなってしまう。

委員等  スーパーコンピュータを更新するとプログラム等のチューニングが必要になるため、あまり更新期間が短くてもよくない。大体4〜5年で更新するのが妥当という意見が多い。

委員等  資料に記載されていない計算機が数多く稼動している以上、スーパーコンピュータの配置状況についても時系列と規模の大小などを踏まえて説明する必要があるのではないか。

委員等  世界のネットワークに関する状況についてまとめられているが、Internet2について記述されていないのは何故か。

委員等  資料はSINETの接続状況についてまとめられている。なお、Internet2はUCAID(ユーケイド/University Corporation for Advanced Internet Development:先進インターネット開発大学協議会)が推進するプロジェクトであり、物理的なネットワークとしてはAbileneが該当している。このような情報を付加していくべきではないか。

(4) コンピュータ・ネットワークに関する人材育成について、事務局より資料4−1、4−2及び資料7に基き説明が行われた後、意見交換・質疑応答が行われた。

意見交換・質疑応答

委員等  特定の企業等ではなく、産業界全体、コミュニティのどこで人材が求められているかという、広い意味でのjob opportunityについて検討を行って行きたい。本ワーキンググループでは、主に「4)大学等で教育を行う上で、学術情報基盤としてのコンピュータ・ネットワークを推進・維持する情報処理関係施設の役割はどのようなものが考えられるか」及び「5)その役割を果たすために、情報処理関係施設の教員、技術職員などの教職員に求められるものは何か」について検討していくことになるであろう。

委員等  「大規模科学計算(シミュレーション)を必要とする分野・業界に必要な人材」にある「先進的高度なスパコンユーザー」という記載について、例えばスーパーコンピュータを作る業界に必要な人材という観点で、「先進的・高度なスーパーコンピュータ利用を通じ、どのような機械が必要とされているか指摘できる人材」等と改めてはどうか。

委員等  自動車業界等、高度にスーパーコンピュータを活用する分野において、即戦力となる人材を育成するという観点もある。


(5) 情報基盤センターにおけるHPCの現状と将来及びセンター教職員の評価について、岡部委員から資料5に基づき発表が行われ、その後意見交換・質疑応答が行われた。

◎岡部委員発表概要

 本年5月に米国インディアナ大学のCIO(情報担当理事)と意見交換を行う機会を得たが、同大のハイ・パフォーマンス・コンピューティング(HPC)の現状としては、まず実ユーザー数が約1,000人とかなり多く、またさらに増える傾向にある。その原因としては、各センターに数十名程度のサポート部隊が措置されており、まったくの初心者でもスーパーコンピュータを利用できるよう支援した結果、バイオインフォマティクス分野などの新規分野の研究者を取り込むことができたためと言える。

 一方、日本のHPCを巡る現状については、この十年間利用者数は逓減している。それは、これまでC言語やJAVA等の新しい言語に対応しきれておらず、加えて情報基盤センターはどちらかといえば初心者よりも少数の経験者のニーズに応えてきたからではないかと考えている。このような状況からスーパーコンピュータ不要論すら出てきており、このままでは米国に負けてしまうのではないかと懸念される。また、現在概算要求されている「最先端・高性能汎用スーパーコンピュータの開発利用」プロジェクトにおける京速計算機と情報基盤センターとの役割分担を検討する必要がある。

 一方、国立大学の法人化により自由度はかなり増し、各大学で工夫する余地が出てきたことも確かである。ただ、計算機のスペース等の効率化に飽和が見られ、機種更新によってこれまでと同様の性能向上を続けた場合、私の所属するセンターでは空調設備の性能やスペース等の関係で、現在のレンタル料で導入できる最高のスーパーコンピュータを導入できないという問題が生じる。そこで、日本では情報分野の人材に十分投資をしてこなかったという経緯に鑑み、今後は節約したレンタル料の一部をサポート部隊の育成等に充当し、初心者の教育等を活性化してはどうかと考えている。そして、京速計算機を日本のトップの計算機と位置づけ、情報基盤センターの計算機はHPCのユーザーを開拓するための教育を担うという役割分担が考えられる。現在、PC等の性能が格段に向上しているため、HPCを利用したことのない研究者や学生等はHPCを利用するよりも、使い勝手の良いPCを利用して研究等を行っているという状況である。そこで具体的な教育ミッションとしては、エントリーシステムとして、教育のために1、2ノードでも余り負担にならないように廉価で使わせることにより、HPCの処理の早さを実感させるとともに、HPC利用に対する敷居を下げ、新たなユーザーを開拓することが挙げられる。私の所属しているセンターでは、より高い能力を持つ研究者はエキスパートとして、下位のユーザーの教育に携わるなど、かつての指導員のような体制をイメージしている。

 人材の評価については、私の所属しているセンターでは教員は研究業績だけでなく教育や支援業務の業績も含めて全体的に評価を行うことにしているが、他の部局では支援業績等が必ずしも考慮されていない。ただし、職員が転出する場合や他の部局から問い合わせが来た場合に支援業務の実績を提出できるような体制を整えている。本来ならば支援業績等も給与に反映されるのが望ましいが、実際にはまだ給与査定ができないので、現在は賞与等に反映させている。

 職員の支援業績について、技術系職員は最終的には事務系職員の枠組みで評価されるが、人事担当部署に技術職員のキャリアパスを大学内に確保することや、あるランク以上の職員は事務系、技術系を区別しないよう働きかけている。また、現在情報関係の部署を一体的に運用する総合情報システム機構の設置を学内で検討しているが、その際、各部局の情報系人材をトレーニングの名目でシャッフルし、技術系職員等の仕事を経験した上でキャリアアップさせる案を考えている。

 私の所属している大学ではセンター長が事務系職員、技術系職員を評価することになりつつあるが、センター長が評価を行うようになれば技術系職員等の評価も行いやすくなるのではないか。ただ、やはりいくらセンターがセンターの支援業務等の実績の評価を行うよう求めても、他の部局ではその考え方が浸透しておらず、せめてセンターだけでも支援業務等の実績を評価しようとしているのが現状である。


意見交換・質疑応答
(まる・・・委員等 さんかく・・・発表者)

委員等  かつて米国では、スーパーコンピュータの設置されている拠点大学から離れた研究機関ではそもそもスーパーコンピュータを使えなかった。一方日本では情報基盤センターにおいて自由にスーパーコンピュータを使うことができ、利用面でアドバンテージを持っていた。学外も含めた情報基盤センターの利用者にとって、日本と米国でHPCを使う環境はどちらがよいと考えるか。

発表者  現在も米国にはさほど多くの大学にHPCが設置されているわけではなく、HPCの設置大学以外の大学の研究者はHPCを利用できないかもしれない。しかし、インディアナ大学では利用者をサポートする体制が整っており、HPCを使うことのできる大学にいる研究者にとっては、米国の方が利用環境が良いと言えるのではないか。

委員等  現在のレンタル料でレンタルできる最高のスーパーコンピュータは施設のスペース等の関係で導入できないとのことであるが、レンタル料が余っていると判断され、削減されてしまったらその後増やすことはできないのではないか。将来の状況変化に備え、HPC関係予算として確保しておくべきではないか。

発表者  施設のスペース等の問題についてはハウジングサービスを活用して対応するしかないと考えているが、ハウジングサービス等の余分なコストがかかるとスーパーコンピュータが中途半端な規模になってしまうので、むしろ教育という観点を打ち出している。日本では他所に負けないトップのスーパーコンピュータを維持すべきであるが、情報基盤センターがそれを保有する必要はないのではないかと考えている。

委員等  スーパーコンピュータは皆同じ使い方をされているのではなく、役割分担があるのではないか。資料3はその点が分かるようにすべきである。世の中にスーパーコンピュータがありふれているという誤解を与えるとスーパーコンピュータは使われていない、故に日本にスーパーコンピュータは不要であると言われてしまい、「情報基盤センターのスーパーコンピュータは研究者が自由に使える」という我が国のアドバンテージをつぶすことになるのではないか。

発表者  法人化後小さい大学の中には、計算機を保有せず情報基盤センターの計算機を使う大学が出てきたが、今のうちに情報基盤センターの役割を明確にしなければ、情報基盤センターもスーパーコンピュータを放棄することになりかねないのではないか。

委員等  教育を前面に押し出すのではなく、HPCにはハードウェアとソフトウェアの双方が必要であるため、ソフトウェアという大きな括りの中に教育を位置付ける考え方が良いのではないか。また、スーパーコンピュータのメンテナンス費用も、ハードウェアだけでなくオペレータ等のソフトウェアに係る分を含めるべきであること、オペレータの人件費が高くなっていることを主張していくべきではないか。

委員等  私の所属している機関では、法人化を機に機関内の資源配分の観点から計算機のレンタル料を見直し、レンタル料を半分にし、その分大型設備の建設費用に充てることにした。これまで計算機のレンタル料は他の予算に比べて優遇されてきたが、結局は大学・研究所全体として何をしているかが評価される以上、共同利用のユーザーにどのようなサービスを提供するために資源配分を行うかという観点が重要ではないか。

委員等  今後HPCの必要性を主張していくにあたり、計算力は国の科学技術や経済活動等のライフラインであるという観点から、GDPに対する計算力の割合を1つの指標として考えられないか。それによって例えば米国が将来GDPあたりどれだけ計算力を持つか想定し、情報基盤センター等のHPCに加えて京速計算機の開発により、せめて米国と対等の計算力を提供すべきであるといった主張ができるのではないか。

発表者  ユーザーが減少しているからスーパーコンピュータは不要であるという意見を聞くが、ユーザーが減少するのはサポートする人員が少ないためであり、サポートできる人材を措置しなければ、いくら高性能の計算機を導入してもユーザーは減り続け、結局は国力の減少につながるのではないか。それを防ぐための1つの対応として、情報基盤センター群が教育にも関与していくことが考えられるではないか。

委員等  情報基盤センターがスーパーコンピュータを放棄し、京速計算機センターが設立されるという事態になれば、国全体の計算力が後退してしまう。やはり国全体の資産として考えていく必要がある。

委員等  それなりの規模の計算機がなければ教育をできないので、私の所属している大学でも計算機の予算確保に努めているが、全体の予算額が大きくないこともあり、研究用の計算機と教育用の計算機のレンタル料を統合し、教育の質の維持も含めて対応している。同様に、ネットワークをいかに維持すべきかも重要であり、レンタル料の中に含める形に変えている。また、日本全体の計算資源の配置について検討する必要があるが、7つの情報基盤センターが同じことをするのは疑問である。

発表者  全国共同利用情報基盤センター長会議において定期的に意見交換等を行っているが、情報基盤センター間の住み分けについては検討に至っていない。また、ある大学は計算機の更新にあたり、計算機を手放し、私の所属している大学のスーパーコンピュータを使わせてほしいと打診してきており、今後このような大学が増えるのではないか。

委員等  情報通信分野では施設・設備があればユーザーがついてくるという傾向があったため、業界全体でユーザーを教育・サポートするという取り組みが弱いのではないか。また、米国では計算機を使いたい人が大きな声で必要性を主張するため、そこに投資することにより研究も進展し、評価も高まっている。一方、日本では業界全体として、ユーザーから大きな声で必要性等を主張しない傾向にある。なお、インディアナ大学はHPCでは新興勢力であり、大学間競争において大学が勝ち抜くためにサポート体制を含めてHPC環境を充実させたと考えれば、直ちに日本の大学で模倣できるわけではないが、先を見て投資するという点で参考になる取り組みであろう。


(6) 東京工業大学情報基盤の構築について、酒井委員から資料6に基づき発表が行われた後、意見交換・質疑応答が行われた。

◎酒井委員発表概要

 最近学内の様々な部署において情報関係の設備が構築されているが、全て学術国際情報センターで管理できるわけではないため、センターの役割について検討を行った。現在は、ネットワーク等の情報基盤はセンターが構築・提供することとし、個々の部局では端末を整備すればよいという状態を目標とし、基盤ネットワーク提供サービス、ユーザー情報管理サービス、計算資源提供サービス、情報提供支援サービスの四本柱のサービスを行うこととしている。例えばユーザー情報管理サービスについては、学内に複数ある認証システムの統一のため、最初にセンターで認証を行った後、個々の認証システムに派生していくような、認証システムの基盤の構築を進めている。ただ、学内に様々な認証システムがあるため、可能な限り既存のシステムと統合できるようなシステムにし、統合できないシステムも将来吸収する予定である。

 情報提供支援サービスについてはe-learning、無線LANなど様々なサービスがあり、全てをセンターの職員で実施することはできないため、できるサービスに限定して実施するとともに、システム構築を検討している部局の相談に応じ、センターのネットワークや認証システム等を活用していく体制を目指している。具体的にはアカデミックレポジトリについて、STAR(Science and Technology Academic Repository)という、学内の情報提供を一括するシステムを構築し、主に講義、研究論文、電子博物館等の情報を公開している。将来的には講義資料、講義ビデオ等を公開する、教官業績の一覧のページから各研究室の公開ページにリンクを張るなど、大学全体としての情報発信を行いたいと考えているが、学会の著作権により大学としての論文公開ができないといった問題がある。

 学内LANの整備については、本年5月から学生用の無線LANの運用を開始し、順次教員に拡大しているが、当初ある部局とセンターで別個に無線LANの整備計画が進み、後にセンターの整備計画に一本化した経緯があり、大学全体としての整備計画を考える必要性を認識するとともに、センターの役割を主張する機会となった。システムの構築にあたっては学生等の意見を踏まえ、ユーザー名、パスワード、MACアドレスからなる、簡便な認証システムを構築しており、今後も学生、技術職員と連携してシステムの構築等を進める予定であるが、このように大規模な作業をどのような役割分担で行うか、携わる職員、特に教員の業績をどう評価するかといった問題がある。


意見交換・質疑応答
(委員等・・・委員等 さんかく・・・発表者)

委員等  情報系センターは支援体制も担っており、サポートする人員は必要である。センターの業務はサービス業であり、教員は不要ではないかという意見もあるが、新しい分野に新しいアイデアを入れていくためには新しいことを担う教員が不可欠である。問題はセンターの教員の評価である。センターの運用も基礎研究も分かる人材を増やすため、センターの教員を固定するべきではない。センターの教員が研究面でも実績を上げることができる仕組み、国全体としてセンターの運用・支援業務を評価する仕組みについて検討すべきである。かつてある学会で業務運営のための研究会を開催し、そこでの教官・技官の発表を研究業績とする試みが行われたが、うまく進まなかった。また、私の所属している大学では、センターとしては教官の運営業務を評価しているが、他の大学や部署に異動することを想定し、研究の業績として論文を書かせている。個々の大学の取り組みでは事態は改善しないため、センターの教員の評価については国として方向性を示す必要がある。

委員等  運用技術の研究会を実施している学会もあり、無線LANの整備についてもぜひ参加して発表してほしい。

発表者  私の所属しているセンターでは、専門分野と関係させて教員に運営業務に携わってもらっている。例えば計算サーバについてはトップレベルの技術を開発できればその研究成果をセンターの運用に活用していける。一方、ネットワークは安定して運用していくことが求められており、必ずしもトップレベルの技術を導入するわけではないため、研究ではトップレベルの成果を出してもセンターに導入するとは限らない。

委員等  現場における運用の工夫等は重要であり、このような工夫を皆で活用していくためにも、ぜひ論文にまとめていただきたい。

発表者  センター長としては論文数で教員を評価しているわけではないが、教員の研究業績も把握し、論文の少ない教員には論文を書くよう促しているのが現状である。しかしながら、論文数が少ない教員もセンターの業務を怠けているわけではなく、論文を書くよう指導しなければいけない状況はおかしいのではないか。

委員等  受け入れる側にセンターの運営のノウハウがまとめられている論文の価値をきちんと評価できないという問題がある。

委員等  私の所属しているセンターでは、アカデミックな分野を志す職員には論文を書くよう指導し、そうでない職員には自分で進路を探させているが、センターの運営を一所懸命に行う者は民間企業に採用される例が多い。

発表者  センターの運営業務に近い分野の研究者が運営に携わることにより、論文の題材となる問題点が見つかるというメリットがある。例えば新しいシステムを導入すると、システム自体は新しい論文の題材にならなくても、システムから新しいテーマを見つけ、論文が出てくることがあり、このような機会を増やすためにもセンターのサービス提供を増やすという考え方もある。

委員等  教員の評価は研究科が責任をもつ必要がある。例えば教育業務の代わりにセンターの運営業務に携わることとし、教育業務とセンターの運営業務について人事のローテーションを形成することが考えられる。私の所属している研究科では、センターを医学部における附属病院のような応用の場と位置付け、他大学等から異動してきた人材はセンターに配置し、運営業務も研究もできる人材を研究科に異動させ、基礎分野に従事させている。

委員等  様々な部局と関係しているセンターでは、人事のローテーションを組むことは困難である。

委員等  部局から任期を定めて推薦し、任期満了後は推薦した部局が推薦した教員のキャリアに責任を持つよう依頼したところ、任期を定めることには抵抗があったが、任期を明確にしなければ教員がセンターから異動出来なくなってしまうため、任期満了後は推薦した部局が教員を引き受けることにし、部局は自分の研究科に戻って来てほしい人材を推薦するようにした。

委員等  私の所属するセンターでは技術系職員の最高のキャリアは係長クラスである。かつては他の大学との人事交流や図書館系との人事でキャリアアップすることができたが、法人化後は異動先が狭くなってきている。

委員等  職員のキャリアを確保できないのであれば、センターの業務を全て外部に委託することも考えられるのではないか。

委員等  私の所属している大学では固定的な業務の一部を外注しているが、そのような戦略を企画担当部署で検討しており、そこに技術の分かる人材を配置している。

委員等  これまで設置されたいわゆるスーパーコンピュータについては施設の規模等の制約があり、またユーザーも減少しているが、いずれ更新していく必要もある。一方で新しい概念のHPCを突破口として、国際競争に勝ち抜いていく必要もある。HPCの設置にあたり、先導的な設備という面についてはどのように考えられるか。

委員等  ユーザーが減少しているという現状を改め、ユーザーを増やすためにも教育が重要と考える。ユーザーを増やさなければ支援も得られない。アメリカではバイオなどの分野でハイ・パフォーマンス・コンピューティングが使われているが、日本ではこれらの新しい分野ではまださほど活用されていない。

委員等  ユーザーを増やす上で何ができるかという点を明らかにする必要があり、各大学のセンターがイニシアティブをとって明らかにしていく必要がある。

発表者  HPCについて、私の所属している大学は今回計画している調達で可能な限り能力を向上させることを考えているが、ユーザーはさほど多くない。このため、専門的なユーザーを増やすとともに、全ての人が将来ユーザーとなるよう、センターでサーバを預り、各部署でサーバを持つ必要をなくすという方向性で検討している。

委員等  サポート体制の重要性について、私の所属している大学でスーパーコンピュータの更新を検討した際、スカラー型にするかベクトル型にするか論争を行ったが、このような専門的な議論を行うにあたり、コンサルタント体制が整っていることが重要であると実感した。欧州の計算機センターではコンサルタント体制が整っており、各センターがスカラー型を導入した際もプログラミング等のサポート体制が整っていたため、ユーザーが増えていった。また、人材育成について、資料4−1では「そのために必要な大学等での教育内容」とまとめているが、「大学等」には人文系、情報系もあり、また専門学校等もあり、それぞれ教育内容、育てるべき人材は異なるはずであり、輩出すべき人材に応じてカリキュラムを定める以上、一概に議論することはできないのではないか。

委員等  情報系の学部全体として何を教育すべきかという議論もあるが、具体的に何を教えるべきかは各大学等で判断すればよく、本ワーキンググループとしてはセンターの現状等を踏まえた上で、大学や高等専門学校等の教育に将来の方向や筋道を示したいと考えている。

(7) 次回は11月21日(月曜日)15時から開催することとされ、正式な開催案内は、後日連絡することとなった。


(研究振興局情報課学術基盤整備室)

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ