研究環境基盤部会 学術情報基盤作業部会(第55回) 議事録

1.日時

平成24年12月18日(金曜日) 10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省16F特別会議室

3.出席者

委員

 有川主査、上島委員、喜連川委員、倉田委員、田村委員、土屋委員、羽入委員、松浦委員、山口委員

文部科学省

(学術調査官)
 市瀬学術調査官、宇陀学術調査官
(事務局)
 森本大臣官房審議官(研究振興局担当)、下間情報課長、長澤学術基盤整備室長、その他関係官

オブザーバー

 竹内千葉大学附属図書館長兼アカデミック・リンク・センター長

4.議事録

【有川主査】
 それでは、時間になりましたので、ただいまから第55回学術情報基盤作業部会を開催いたします。お忙しい中、御出席頂きましてありがとうございます。
 今期の学術情報基盤作業部会のこの任期は1月末までということになっておりますので、本日が最後の会合ということになると思います。よろしくお願いいたします。
 まず、前回に続きまして、学修環境充実のための学術情報基盤の整備について議論を行い、その後来期の審議事項に関する意見交換を行いたいと思っております。前回は、今日もおいでいただいていますが、千葉大学の竹内館長からプレゼンをしていただきまして議論しましたが、内容が豊富であったということもありまして、積み残した部分がありましたので、その辺を今日議論していただくことになると思います。いずれにしましても、大事なキーワードとしましては、学修環境の充実のための学術情報基盤の整備といった観点から今日は御議論いただければと思います。そして、来期の審議事項について意見交換をするということでございます。
 それでは、事務局から配付資料の確認及び傍聴登録等について報告をお願いいたします。

【長澤学術基盤整備室長】
 それでは、御説明させていただきます。
 本日の御出席の関係でございますが、今御紹介いただきましたように、前回に引き続き千葉大学の竹内先生に御出席を賜っております。

【竹内センター長】
 よろしくお願いいたします。

【長澤学術基盤整備室長】
 それから、関連機関といたしまして、NIIの安達副所長、国立国会図書館の相原課長にも御出席を頂いております。
 本日の配付資料でございますが、お手元の議事次第にございますとおり、資料の1から5までございます。読み上げは省略させていただきますけれども、漏れ等ございましたら事務局までお申出を頂きたいと思っております。
 それから、本日の傍聴者でございますが、15名の方に来ていただいているということでございます。事前の撮影、録画、録音の登録等はございません。
 以上でございます。

【有川主査】
 ありがとうございました。
 それでは、審議に入りたいと思います。前回に引き続き、学修環境充実のための学術情報基盤の整備について検討を行います。
 まず、長澤室長から御説明を頂きたいと思います。お願いいたします。

【長澤学術基盤整備室長】
 それでは、資料1と2を基に御説明をさせていただきたいと思います。まず資料1でございますが、前回、千葉大学のアカデミック・リンク・センターの取組というものを竹内先生の方から御説明していただいて、それに関する意見交換を基にして、こういった整備に関する資料2の論点ペーパーについての御審議をお願いしたというところでございます。
 先生のプレゼンテーションの資料につきましては、お手元の分厚い紙ファイルの54回資料の中にとじてございますので、御欠席の先生におかれましては適宜ごらんいただければと思います。
 それでは、まず、前回どのような議論があったかということをおまとめした資料が資料1でございますので、若干御説明をさせていただきたいと思います。
 まず初めですけれども、こういった能動的な学修環境を効果的に整備するという観点からしますと、組織としては図書館とeラーニングとかを担当するような情報系センター、それから、実際の授業等を担当する部局の教員というのが協力して推進する体制が非常に重要だということでございます。
 その整備という内容に関しましては、学習の空間と内容としてのコンテンツ、それをサポートする人的サポートの有機的な連携がどうしても不可欠だというようなことが骨子でございました。
 そのことにつきましては、様々なやりとりがございまして、竹内先生に対する質問責めというイメージがあったわけでございますけれども、その中で学習空間に関しましては、やはり開放性、透明性の高い空間ということが非常に重要だということでございます。
 もともとこういったものに対しては、やはり優秀な学生しか必要としていないんじゃないかというふうな御質問がありまして、それに対して、やはり当初はそういった学生かもしれませんけれども、そういった透明性の高い空間の中で熱心に学習している姿を一般の学生が見ると、刺激を受けて、それが相乗効果でより波及して学習しようという意欲を増すという効果があるので、こういった空間は開放性、透明性が重要だと。
 設備としましては、無線LANとかPC等の端末、それから、貸出し等を含めまして、よりアクティブに使えるような利用環境を整備するということは当然重要だということでございました。
 それから、コンテンツにつきましては、学生のニーズに応えて、電子媒体、印刷媒体ともですけれども、迅速に入手できるようなことがやっぱり目標としてあるということで、重要だということでございます。
 特に、やはり授業をサポートするという観点が重要だということからいたしますと、関連資料をそういった図書館に配置するということと、電子化を推進することによりまして授業の支援をする効果が見込まれるということでございます。
 また、あわせまして、授業のサポートという観点から、eラーニングの環境の整備とか授業の保存、電子的教材の作成ということにつきましても、共用ソフトが一般に公開されておりますが、そういうのを活用しながら着手しておられるということでございます。
 また、授業の可視化という観点で、オープンコースウェアによる公開等も増えてきておるわけでございますけれども、こういったオンラインによる教育の環境構築につきましては、アメリカで非常に進展している状況がございますけれども、そういった状況も踏まえながら、今後の検討課題ではないかということでございました。
 なお、こういったことに対しまして、著作物の電子化という問題が発生するわけでございますけれども、やはりなかなか日本の場合は著作権が出版社に譲渡されていないということが多いということで、例えば図書1点であっても複数の権利者の許諾を必要とするというようなケースがあったり、また、出版社自体がそういった電子化による収入確保に対して懐疑的ということで、なかなか現状としては進んでいないという状況があるということでございました。合理的なビジネスモデルというものができれば、こういった電子書籍、日々、報道等でも加熱しておりますけれども、こういったものも進展が期待できるのではないかということでございました。
 また、人的サポートも重要で、特に自主的環境ということで、学生をほったらかしにしていい、場を提供すればいいというものではないということでございまして、大学院生による学習支援のデスクの提示、それから、図書館職員によるレファレンスのデスク、それから、一般の教員も含めてですけれども、サポートデスクを配置して、様々なセミナーとかも開催しながら、こういった学生に対する学習意欲というものを刺激するということが考えられるということでございます。
 特に、学習支援の内容につきましては基礎的な部分が多いということでございます。それから、教員の学習支援につきましては、現状としてはセンターの先生方が中心ということでございますが、だんだん広がりも持ちつつあるという状況であるということでございました。
 これはアカデミック・リンク・センターを中心にした整理でございまして、裏をごらんいただきますと、その他についても様々なやりとりがございました。ソフト的な観点で、図書館の人材の役割・確保というものについて改めて考え直すということにいたしますと、こういったアクティブ・ラーニングを支える人材には、学生と教員、図書館職員ということがありますけれども、やはり図書館職員の役割というものを学生支援によりシフトしていくことを求めていくということが適切な方向性であるということでございます。
 特に、図書館の在り方が変わってきて、学習支援というものが強くなってきますと、よりこういった環境を整える専門職的な立場というのが重要になるわけでございますけれども、今整備が進んでおりますURA、リサーチ・アドミニストレーターと同様な位置付けを期待するということでございます。こういった人たちは特に専門家として呼んでくるのではなくて、やはり図書館職員の中から育成していくということも必要で、図書館の専門職としての役割というものの強化が重要ではないかということでございます。
 それから、図書館と教員との関係についてはどうなのかということでございますけれども、やはり図書館が全ての教育に対して責任を持つというのはちょっと違うのではないかということでございます。図書館の機能としては、飽くまでも新しい学習環境を整えて、授業を行う教員に、図書館を活用する、そういった場、可能性を提供するというのが役目でありまして、そこを利用した教育をどうするかというのは、やはり担当教員のアプローチが重要だということでございます。図書館は、学内教員にそういった環境を利用して授業を活性化する、教育を活性化するようなアイデアの構築を求めていくということでございます。
 そういう観点からしますと、教員に対する啓発活動というのは非常に重要だということでございますけれども、そういった利用するためのアサインメントの出し方とか、成績の一部として勘案するとかいうようなことを入れて利活用を促す。それから、こういった教育現場にICT技術を活用するというふうなFDを推進していくということが非常に重要ではないかという議論がございました。
 また、そういった資源を利用するにいたしましては、やはり学生の動向というものを正確にできるだけ反映させたような教育の展開というのが必要ではないかということでございまして、例として、MITにおきましては学生に100ドルパソコン、安価なパソコンを配付しているということでございますけれども、これは単に利用促進というサービスの提供という観点ではなくて、その結果の利用状況に関するログを集めて活用して、それを適切に教育に生かしていく戦略があるというような御紹介がございました。
 特に、こういったビッグデータとか大規模データの分析・利活用に関しましては、教育に関する部分が一番後れているというところでございまして、教育支援におきましても学生の意向と、それに対するコンテンツ、それから、学習に関わる情報の把握、分析というものを踏まえながら、いかにより効率的、効果的な学習支援をしていくかということがやはり今後は重要になるのではないかということでございます。
 こういった形で学生の教育、学習到達度を含めました教育に対する取組の情報が集まるような仕掛けが構築できれば、教育そのものが変わってきて、やはりこういったこれからのアカデミッククラウドとかビッグデータの活用という観点におきましても教育への対応というものにより焦点が当たって、こういった課題の解決につながっていくということが考えられるのではないかということでございます。
 このような形の議論が前回ございました。改めて前回御提示させていただきました論点ペーパーが資料2でございますので、簡単にもう一度御説明させていただきたいと思いますけれども、問題意識として3つ提示をいたしまして、1つ目が主に前回議論いただきました図書館の活用による能動的な学修環境整備の在り方ということでございまして、これは中教審の方におきまして、こういった能動的学修、アクティブ・ラーニングへの転換が必要ということで、学生には総学修時間の確保、教員には学生の学修へのきめ細かい支援などが必要だということが求められているところです。
 そのためのスペースの確保とかと同時に、効果的な方策を検討するということが必要ではないかという問題意識を御提示させていただいたところでございます。
 問題意識の2としましては、やはりそういった観点からしまして、教材、授業等の学習資源の保存、活用の促進というものが少し課題としてあるのではないかということでございます。すぐれた各大学が持っている教材、授業等の学習資源の電子的保存、流通ということが進めば、より教育の高度化が進まれるのではないかということで、電子的活用が重要だというような観点で、その推進の在り方についてを問題意識として提示させていただいたということでございます。
 問題意識の3番目は、大学図書館における学術書のデジタル化の促進ということでございまして、やはり図書館の学術情報のデジタル化というのが日本は遅れているというのが現状としてあると思っております。そういったことに対して、やはり紙媒体として残そうという意識が強過ぎるということがよくあるのではないか。大学ランキングとかでも蔵書の数というのが評価項目になっていたりして、そういったものも今後考えていただく必要があるのかなというふうに思っていますけれども、紙媒体でというよりも、やはり電子的にどう対応していくかというニーズは高いのではないかということで、その場合の観点としましては、やはり紙媒体で維持すべきものとそうではないものというものも考えながら、重複しているものにつきましてはある程度シェアードプリントとかで除籍をしていくなり、しながら効果的な保存をして、その空いたスペースをアクティブ・ラーニングに活用するというような対応、これは欧米でも進みつつあるわけでございますけれども、こういった対応も、過去、これまでも議論は頻繁にされているわけでございますけれども、具体的に対応していく必要があるのではないかと思っております。
 特に、やはり学生のニーズの観点からしますと、電子的利用を推進したいという声が非常に高くなっているということは事実としてあるということでございまして、重い本を常に持たないでも、電子的に持って必要な部分だけ抜き出して取り出して見ていくというようなプリントオンデマンドとかいうような対応が進めば、より学生さんの学術情報に対するアクセスも進んでいくのではないかと思われるということでございます。
 こういった問題に対しては、著作権の問題も発生しますけれども、今回、絶版本については電子的な提供ができるということになってございますので、そういったことも踏まえながら、より適切なデジタル化に対する対応というものはどうなのかということについて考えていただければ有り難いということで論点を提示してございます。
 以上でございます。問題意識1は大体議論したということでありますけれども、そういったものを踏まえながら、本日は改めて資料2の論点について御議論いただければと考えております。よろしくお願いいたします。

【有川主査】
 ありがとうございました。前回の議論の様子と、それから、論点を整理したものについて説明していただきました。
 資料2で3つ問題意識が挙げてありますが、1につきましては前回かなり議論をしたと思っております。もちろんそこに触れていただいてもいいのですが、問題意識の2、3辺りを先に議論しまして、もし時間がありましたら、前回御欠席の方もいらっしゃると思いますので、1について議論していただければと思います。
 それでは、四、五十分時間をとれると思いますので、御自由に御発言いただければと思います。
 まず、まとめていただきました竹内先生の方から補足するようなことがございましたら、どうぞ。

【竹内センター長】
 ございません。

【有川主査】
 よろしいですか。どうぞ、羽入先生。

【羽入委員】
 前回欠席しておりましたが、竹内先生の資料を拝読いたしまして、大変有意義な取組をしていらっしゃるということがよく分かり、参考になりました。問題意識の2という主査の御示唆でございましたので、この点について少し意見を申し上げたいと思います。資料1の方でも書いてありましたけれども、教育の場としての図書館を考えましたときに、教員の啓発といいますか、教員がどういうふうに図書館と関わる、あるいは、学習の場として関わっていただけるかというのは大きな問題になりそうな気がいたします。
 そこで、この問題意識の2の所の保存、共有、普及の促進の、いわば重要な役割を果たすものとして教員のFDの活動などが入り込んでくることになるのだろうかと思いますがいかがでしょう。

【有川主査】
 先ほどの長澤室長のまとめの中にもありましたが、これを進める上で、教育の全部が図書館の中でやれるというわけでもありませんので、教育のかなりの部分に一般の教員が関わってこなければいけないと思います。そうした場合に、FDでやるようなことかもしれませんけれども、そうした先生方に対するある種の教育が必要ではないかというようなことについて、経験をお持ちの方とか、あるいは御意見等ございましたらどうぞ。
 前回の竹内先生のお話ですと、図書館は、学生たちが気楽に行って、そして必要なディスカッションや勉強をしたりといった空間、ある意味では学生たちの出会いの場のような感じのところもあるのかなと思います。そして、勉強し始めることによって、それがほかの人に影響を与える。見る、見られるという言い方をされていましたけれども、そういったところがあるわけです。そういうことなどを含めますと、図書館に行くことによって学習に関する意識が変わってくるわけですけれども、先生方も同じようなところがあるのかなと思います。学生たちを見ることによって先生たちの意識も変わってくるし、それから、ある種の仕掛けがあって、先生たちに対する、教育と言ったらいいのか分かりませんけれども、そういった機能も持ち得るのかなと。相談するようなところがあればそこに行ってちょっと相談してみるとか、そういったこともあるのかなという気がします。
 どなたかございませんか。はい、羽入先生。

【羽入委員】
 機関リポジトリが余り進んでいないということも記載されていますが、やはり教員と図書館との関わりというのをもっと加速させるために、今、有川先生がおっしゃったようなきっかけになり得るのかなというふうに思いまして、教員と図書館との関係をもう少し工夫をしていくということがあるといいかと思いました。

【有川主査】
 分かりました。私の方が少し誤解していたかもしれません。
 機関リポジトリに対する協力といいますか、理解は研究面に関してはかなり進んできています。教材、教育関係の資料等について、その辺をどうしていくかということについては、授業を受けている学生と一緒に教材自体を作っていくようなこと、それも図書館を場として作っていくというようなことがあるのではないかと私は強く思っております。そして、当初は限定的かもしれませんけれども、できたものをそこに置いて、そこから公開していくと。どうぞ。

【土屋委員】
 問題意識のタイトルの書き方が、やっぱりちょっと図書館っぽくて嫌だなという感じがします。保存、共有、普及という以上に、今、有川先生が指摘されたように、作る場面、作る場所としての機能というのを持たせなきゃいけないんだろうということだと思います。図書館の伝統的な機能というのは、外から資料を持ってきて、そこで保存、共有、普及する、利用に供するという形だったんですけれども、多分、教育の場面に積極的に関わるという観点で考えれば、正にそれを作るところまで踏み込む必要があるんだろうと。なぜかというと、特にそれぞれの大学の持っている教員、それから、学生といったようなものの特徴があるので、それに即した学習環境というのを提供していくということになると、もちろん教員の協力は要るわけですけれども、図書館としてもより積極的に作ることをサポートするという体制を作っていかなきゃいけないだろうと。
 今までは、多くの場合に、特にOCWなんかの展開を見ると、図書館は余り関係なくて、コンピューターセンターみたいなところの先生が無理やり押しつけられてやるとか、お金が有るところは新たに人を雇うとかという形で、何かとってつけたようなプロジェクトだったわけなんですけれども、それはもうちょっと大学のキャンパスの実用に根差した展開をさせなきゃいけないんだろうということだと思うので、そこに踏み込んで、保存、共有、普及ということ以上に、やはり大学にとって大事な学習環境の一部としての学習のための素材というのはどういうふうに作ったらいいかということに踏み込んでいく必要があるんだろうなという感じはします。
 もちろん、それぞれの大学はみんな自分の環境に応じてゼロから作るということは無理なので、当然いろいろな形の共有というか、協力関係というのは必要になってくるだろうと思います。それは後の話にして、基本的なスタンスとして、どこかで作ってくれたものを持ってきて保存、共有、普及するというのでは、やはりそれぞれの大学にとって意味のある環境を提供したことにならないんじゃないかなと。同じことを申し上げているだけですけれども、そこを明確にしていただきたいという感じがします。

【有川主査】
 ありがとうございました。私もこの2の所に、作るといったようなことがあった方がいいなということは感じておりました。そして、正にそのことが図書館の性格を変えていく力になっていくのだろうと思います。今までは、どこかにあったものを集めてきて管理して、そして利用してもらうということでしたが、図書館の方がそれ自体を作っていく。自分たちが著者といいますか、編集者のような、そういった関係を作ってしまうと。図書館から出版物のようなものが出て、その形はいろいろなものがあり得るし、学生と一緒になってそれを作り上げていくというようなことなどもあると思います。
 それから、教育のことにももう少し深く関係しますので、図書館の性格づけががらっと変わってくるということになりますよね。
 はい、どうぞ、田村先生。

【田村委員】
 関連して、問題意識の2番と3番に関わることで一点お話しいたします。教員をどうサポートするかということに関わって、こういうような新しいことに意欲を持っている教員をサポートする人材をどこから調達するのかということが問題になるかと思います。サポートする人材については前回竹内先生がおっしゃいました。そういうサポートする人材というものをどこかで作り出し、育てていく、そういう仕組みが要るだろうと思います。
 3番の話で、紙媒体の保存に関わるスペースの効率化というような話が出ていますけれども、もう一つの関連した検討課題として、紙媒体の整理とか管理に投入している人材をいかに学習とか研究をサポートする方向に振り向けていくかというんですか、そういうこともあるんじゃないかと思っております。紙媒体に余りに多くの人材を投入しているのではないか。一方、予算とかを見ますと、かなりの部分が電子的な資源の方に振り向けられているわけです。だけど、人材の方がなかなかそれに対応していないというようなところがあるかと思います。そこをどうするか。例えば、教員をサポートする人材のようなものに振り向けていくというようなことが必要じゃないかと思いました。

【有川主査】
 松浦先生が一言ありそうですので、どうぞ。

【松浦委員】
 前回の竹内先生のお話にも出てきましたが、これまでの大学の教育では、教える側の自由が重視されたため、教員が集団として一定の品質の教育を保証するというところは必ずしも十分ではありませんでした。デジタル化された学術情報資源が大量に提供される状況の中では、資源を組み合わせて、提供して、教育をするといい成果が標準的に期待できる仕組みをちゃんと作っておくべきです。最近は学士力というようなことが言われていますが、各教員が情報資源をバラバラに使ったのでは、品質の安定的確保はできません。資源を使いこなすためのフォーマットとか仕組みというものを工夫して幾つかの地区で実験をして見ることが必要です。
 そのような試みの中で、教育に対して提供しなければならない資源と資源の利用方法をある程度標準化できると思います。例えば、法学教育で学部学生がデジタル化された判例集を自由に参照できる大学はそれほど多くないと思います。もし、判決を読むのが法学教育の基礎であるというのであれば、判例データベースの提供を学部教育の標準にすべきでしょう。学術情報資源を十分使いこなす学習環境の整備が大きな課題です。

【有川主査】
 ありがとうございました。教育の自由とおっしゃいましたけれども、この辺りが中教審の答申などで、プログラム化やナンバリングなど最近特にいろいろ言われているわけです。教育そのものについて少し考え直さなければいけないことが求められているのだと思いますが、いろいろなことをやるわけですけれども、いずれにしましても、ある共通の基盤というのはあるでしょうから、それはきちんと共同して開発する、あるいはみんなでシェアするというようなことをして、その上にそこの大学での様々な特徴を出していくといったようなことをすべきではないかということだったと思います。
 倉田先生、どうぞ。

【倉田委員】
 先ほどの出版的なところまで踏み込まないといけないんじゃないかというのはやはりそのとおりで、なので、3の書き方が図書館は既にある資料のデジタル化しかしないかのように一瞬見えてしまうのはよくないと思います。出版社との交渉からやっていると、やっぱり今はなかなか動かないわけで、そうではなくて、教科書というようなレベルなら、かなりの教員が作っている、その責任者は大学の中にいるわけですから。今はそこに出版社の人たちがきて、教科書を先生作ってくださいと言って出版をどんどんやるという仕組みがかなりできてしまっているので、そこを食い込むのは確かになかなか難しいのかもしれません。しかし、やっぱりそこを何かうまい工夫を考えて、最初からデジタル化ということを見据えた形での教科書なり教材なりというものを授業と連携して作っていくという新しい道を考えないといけないと思います。その意味で、アメリカなんかは図書館の中に大学出版会を抱え込むという、それが本当にうまくいくことかどうかは問題もかなり多いようですけれども、やはりそこまで踏み込むようなところがないと、なかなか今の状態のままデジタル化を進めるのは難しいと思います。ここまでの出版社との関係を見ていると徒労な感じがしてしまうので、やはり視点を変えて、ここまで図書館もやるんだというところを見せることによって、逆に現状の本のデジタル化ということも、保存のためのデジタル化というところに関しても、もうちょっと違う形の推進ができるといいのではないかなというふうに思いました。
 それから、今の松浦先生の発言で、やはり基礎的な部分とかスキルを身に付けるという部分は、当然プログラム化も標準化も可能なはずで、そこのところはもう一歩行けば、図書館員が十分教育の最前線といいますか、単に教員のサポートではなくて、自分で教育そのものもできる部分ではないかと思います。いわゆる基本的な図書館の使い方というところにとどまらずに、もう一歩踏み込んで、基礎的な学習の方法など、もちろんそれは全てができるわけではありませんけれども、そういうプログラムが標準化されれば、図書館員がそこをやるということも十分考えていいのではないかというふうに思いました。

【有川主査】
 ありがとうございました。ほかに。美濃先生。

【美濃科学官】
 図書館でこういうことをやろうというのも1つの考え方で、今、確かに京都大学でも、図書館というのは附属図書館があって、各部局に図書館があったんです。その図書館が要らないという話が情報系からまず出てきて、つまり、電子図書館になったからスペースが要らないというわけですよね。それで、図書館のスペースをどんどんほかに転用しようという動きが出てきていて、まずいなと思っているんです。
 スペースの観点からは、図書館の、こういう新たな活用方法というのはすごく大事なのですが、一般的に我々、教育の方でいろいろとICTを使う教育なんかをやっていると、基本的には余り図書館は海外では関わっていないところが多い。反対にどんなところが関わるかというと、結局は情報系で教材作成支援センターみたいなのがあるところが一般的です。教材を作ろうというときにはそういうマルチメディアの支援センターがあって、先生がそこへ行けば専門の人がサポートしてデジタル教材を作ってあげる。それから、eラーニングセンターみたいなのもあって、今度はFDなんかとひっつけて、情報技術を使って教育しようというときに、どういうふうに教育すればいいかというのを教えてあげる。そういうことをして初めて学生の学習に関するデータが集まってくるんです。
 データが集まってきたら、誰がデータを解析するか、教育系の先生方がやるか、どこがやるかとかいうのは議論されていると思うんですけれども、一応ICTのセンターの人たちは今、ビッグデータだといってそういう解析をやり出しているというのが現状だと思うんです。
 京大でも図書館に教員を一人採用しまして付けたのですが、結局、図書館で人事をしたときに、司書の人を採用しまして、結局何にもならないという話になってしまって、そこへまた人を置くと、どうしてもそういうふうな方向には行かないなという気がするんです。
 それで、確かにこういう支援をする人たちは必要だというのはよく分かるのですが、そこに図書館の人を持ってこられるかという辺りは、意識改革と組織と伝統みたいなところがあって、難しいんじゃないかなと思いますので、考え方としては、どこかでそういうスペースが必要だというのも確かなんですけれども、図書館の活用というとすごく抵抗があって、なかなかしんどいかなというような気がいたします。だから、考え方としてはこういうふうなことが必要だというのはよく分かるので、図書館も1つの候補だと思うんですけれども、どういうふうに持っていくかという辺りをもう少し議論しないといけないかなという気がいたしました。

【有川主査】
 ありがとうございました。

【土屋委員】
 よろしいですか。ある程度分かるんですけれども、今、多分、大学の置かれた状況というのは、それぞれの大学の中で今までいろいろな仕事をしていた人が、同じようなスタイルで仕事をし続けられる環境ではなくて、図書館だけが変わらなきゃいけないということではなくて、教員も含めてあらゆる人々がもう一回仕事の見直しというか切り直しというか、しなきゃいけない状況に至っているんだろうと思います。
 ですから、図書館はという固定観念は捨ててしまうしかないので、だから、京都大学なんかはよく知りませんが、要するに、そういう状況なので、つまり、大学全体としてやっぱりそういう問題に取り組まざるを得ないんじゃないだろうかと。今まで図書館という機能を持ったけど、少なくとも基本的に紙はなくなっちゃうんですから、今まで図書館で仕事をしていた人たちは仕事がなくなるだけなので、もし解雇するか別の仕事をするかということになれば、解雇はほとんどあり得ないですから、要するに何か考えるしかないと。そのときに、今まで持っているノウハウとか経験というのは生かせる方向でどう組み替えていくかと。
 これは別に図書館員だけじゃなくて教員だって似たような話で、つまり、授業に行って90分しゃべって帰ってくればいいという時代ではもうなくなっていることは間違いなくて、特に最近のいろいろな方向としては、時間外にどういう勉強をさせるかということまで分かるような授業をしなきゃいけないわけですよね。それで初めて一定の単位をとるための学習が行われるということになるわけですから。だけど、我々は知っていることを90分しゃべって、そのことを全部理解したということをもってよしとするという考えで随分来たように思うわけです。だから、要するに授業の時間外にこの本を読んでおかなければ試験に通らないというような授業を今までしたことがなくて、小学生以来、学生たちはそういう習慣にはならされていないわけですけれども、そういう意味でも、教員も変わらなきゃいけないし、その他、全てのところが変わらなきゃいけない中での変化だというふうに考えていただかなきゃいけないんじゃないかと思います。

【美濃科学官】
 そういう意味で、私は図書館の役割というのは、もっとデジタルアーカイブみたいな話が重要で、今、我々のところで抜けているのは先生の研究した結果をどこがためるんだ、どこが最終的にアーカイブするんだと、これがないんですね。

【土屋委員】
 それは機関リポジトリというものがあります。京都大学では使われていないかもしれないけど。

【美濃科学官】
 いや、機関リポジトリというのは、比較的、発表した文献とかそんなものはいいんですけれども、途中の資料も含めて、この先生どんな業績だったかというのが後で探せるようなセンターというのがたくさん海外にはあって、それでやった業績が後から文系の先生方がいろいろと調べられて、その先生の業績が見られる。日本の大学はそういう先生方のやった資料とかを蓄積するところが全然なくて、今、ある研究室がなくなったとしたら、その研究室のデータはどこが蓄積すべきかというような話を議論しているのですが、図書館が最終的に蓄積してくれないかとお願いすると、それはまた人が要るんだという話があって、そういう意味では、書籍だけに限らずもっと幅広い研究・教育のプロセスのデータを集めていくというような機能も、多分、図書館が持っていかなきゃいけないんじゃないかと。

【土屋委員】
 いやいや、それはだから、図書館が持っていくのではなくて、機関リポジトリが持っていく。それは、もともとそういう構想で機関リポジトリは作られているわけですから、もしも論文を置いておく場所だというふうに認識されているのであれば、それは京都大学の図書館の人の先生に対する啓発が弱いというだけのことで、例えば今、ヨーロッパにおける展開というのはユーロクリスというんですか。そういう大学における研究状況というのを見せるための入り口の部分と、それから、機関リポジトリに蓄積されたデータをどうつなぐかということについて、ヨーロッパ全体的な取組が行われているということもあって、それはそこまで行っちゃうと、図書館はとか、そういう議論ではなくなっちゃうわけですよ。

【美濃科学官】
 そういう意味で、別に図書館どうのこうのという議論をしているんじゃなくて、あるいは教育データのアーカイブにしても、そういうものをどこがやるんだという話も、実はOCWなんかも図書館とか最初言っていたのですが、やってもらえない。新たな仕事が発生したときにどこが引き受けるのかという話じゃないので、今いる人たちがどういうふうな技能を持っていて、その人たちの技能に近い仕事を付けていかないといけないという話がありますので、機能の問題というよりも、今いる人たちの得意なことをできるだけやれるようにしてあげないといけないという気がします。土屋先生は言えばできるだろうとおっしゃっていますが、現場はそんな簡単に動くわけじゃなくて、現在、やっている仕事があって、人が足りない、新たなことを持っていくと、人をくれ、金をくれとかいうような話になって、なかなかうまくいかない。

【土屋委員】
 いや、ですから、人が足りないのであれば、要するに要らない仕事を見つけてそれを捨てるしかないわけです。その中で一番我々が既によく分かっているのは、紙の本の保存に関しては、紙の本についてはもう保存は微妙なんだけれども、紙の本の利用、活用ということの支援の部分というのはもうほとんど図書館から要らないということになっている。だから、もう雑誌の受入れなんて自然に人がいなくなっちゃっているわけです。受け入れないので。ところが、困ったことに、日本の雑誌なんていうのは受け入れないといけないので人が残っちゃうとかいう非常に悲劇的な状況にあるわけです。きれいにそこのところをなくすということをやれば、要するにそこの部分の人は、少なくとも能力というか、特性の問題は別にすれば、マンパワーとしては存在し続けるということになるわけです。

【有川主査】
 はい。松浦先生、どうぞ。

【松浦委員】
 図書館の職員が今までどおりの仕事をやっていればよいという時代でないというのははっきりしています。裁判ではいろいろな資料を使うようになりました。アメリカでは、裁判で使うパワーポイントの資料は資料作成の素人である法律家、ではなく、どんどんプロが作るようになってきています。法律家はそういうプロの人たちと交流しながら、より説得力のある資料を作ろうとしています。
 例えば、法律の世界での優れた資料の作り方を教えている人と、図書館でアーカイブ作業を担当している人たちが協力し、優れた資料をいろいろな場面で活用できる環境開発という職域を作り出すようなことが必要です。図書館職員、大学の教職員、外部の専門家が共同作業をする中で膨大な情報を教育現場に還元する仕組みを作って初めて情報化時代のデータが生きると思います。

【有川主査】
 先ほど美濃先生おっしゃっていたことに関係があると思うのですが、私のところの大学では、かなり前から図書館と情報基盤センターとの人事交流をやっています。図書館の人が、情報基盤センターに行って教わるというような雰囲気だと思われるかもしれませんが、図書館の方も具体的なことを山ほどやっているものですから、実にうまくいくんです。
 前にも話したと思いますが、そうすることによって図書館の方の意識が変わっていきます。ICT関係の人はどんどん進んでいくものですから、新しいことを最初にやるときは関心があるんですけれども、定着させてそれをみんなに使ってもらおうといったときには関心がなくなってしまっているようなところがありますよね。ですから、そういったようなところに関して言いますと、図書館職員というのは伝統的にそれが非常に上手です。そのよさをうまく使っていくと、双方のいい点が引き出せるのではないかなというふうに思っています。
はい、山口先生、どうぞ。

【山口委員】
 ありがとうございます。美濃先生のコメントへの追加質問です。資料2の問題意識の1番に、図書館の活用によるアクティブ・ラーニング、能動的学修環境整備の在り方についてとあります。美濃先生の御発言にもありましたように、図書館の活用に加え、教育の手法の多様化を反映した能動的学修環境整備の在り方というような形で、図書館以外のことも入れた方が良いと思います。
 前回の千葉大学のアカデミック・センターの発展の前提が、組織的に図書館、情報系センター、教育を担当する部局等が協力して推進する体制だということが強調されていました。図書館だけがこれをやるのではなく、大学全体の中の位置付けとして図書館が受け持つ多様な手法を実践していく方向なのかと思います。
 例えば東工大の場合は、数年前に留学生と日本人の学生のコミュニケーションを拡大するために、「インターナショナルコミュニケーションスペース」を造りました。そこでは、スモールディスカッションをする企画や、スピーチコンテストなど、授業の一部ではありませんが、結果的にはアクティブ・ラーニングを推進するような形になっているように思えます。
 あと、もう一点は、細かい点ですが、問題意識2の所の3行目、「授業の予習・復習など、アクティブ・ラーニングの推進においても」という部分へのコメントです。授業の復習・予習は、アクティブ・ラーニングの推進とは少し異なるかと思いますので、「授業の予習・復習や異なるアクティブ・ラーニングの推進においても」とした方がよろしいのではないでしょうか。

【土屋委員】
 今の事業の予習・復習などというのは、ちょっと言いにくいというか、表現が難しいというと、別に誰に聞かれたくないということではないんですけれども、やはり授業の予・復習という考え方自体が非常にまずいんじゃないかなと。つまり、授業というのを中心にやって、予習・復習が前後にくっついてくるというようなスタイルでは、もはやアクティブ・ラーニングとは言えないと。有名な例としては、例えば今まで実際の授業でやっていたようなことは全部オンラインの学習で済ませてしまって、教室ではもっとインタラクティブで、もっとアクティブな参加を求める。学生は嫌いらしいですけれども、そういう教育手法というのが好まれるようになってきているという報告が多々あるわけですよね。
 ですから、そういう意味では、授業と予・復習という書き方でいくのは、そう言わないと分からないと言えばそれまでなんですけれども、ちょっと全体として、大学として学生の学習時間をどう確保して、それをよりよいものにしてやるかという中で、教室がどういう役割を果たし、図書館をどういう役割を果たし、それ以外の空間がどういう役割を果たすかという、そういう全体的なデザインが求められているのだと思うので、そういう位置付けなしに図書館だけ話しているとややこしくなってしまうことは事実だというふうに思います。
 ただ、ここの場で、じゃあ、全体のデザインという話にはならないだろうから、そこら辺のまとめ方は難しいかなという感じはしています。

【有川主査】
 ここは中教審の答申を受けた格好になっていると思います。もともと日本の大学での単位というのは授業15時間、予習15時間、復習15時間と、45時間でもって1単位というようなことになっていまして、それがきちんとやられていないじゃないか、だから日本では学生の学習時間が欧米に比べて少ないと、こういったようなことで、学修時間をいかに確保するかということが直近の中教審答申では言われていたわけです。それがここに出てきているんです。
 少し脱線しますけれども、前回喜連川先生からの発言もあったかと思うのですが、私もデータを見てみましたら、確かに1年生は日本の方が少ないのですが、3、4年になったら学修時間数にして日本の方が多い。これは特に、卒論や実験があるようなところなんですけれども、それが消えてしまっていて、正に自虐的に少ない、少ないと言われているのです。
 前回の喜連川先生からの発言は、これ以上やらなければならないのかというような言い方だったと思うんですけれども、本当にそうかなと思って見てみたら、私のところでも、もう時間がとれないんです。工学系の学生というのはアルバイトもほとんどしませんし、修士などでもそうで、それで更に倍ぐらいやれというようなことだったら、いつ寝るのかという話にやっぱりなります。
 それは置いておきまして、この予習・復習というのは、そういった流れの中にあって、しっかり位置付けられた言葉遣いであるというふうに我々は見ておかないといけないと思います。

【土屋委員】
 ですから、そういう観点でいうと、この問題意識1の方の第2段落にあるように、総学修時間という話が重要で、寝る間も惜しんで勉強しろという話ではもともとないですし、それから、多分、設置基準の書き方としては45時間を標準的に必要とする内容で1単位というふうに言って、その後で15時間授業、30時間その他というのを講義科目とするという順番ですから、45時間の方がむしろ重要だというふうに思われます。
 ですから、そういう意味では、総学修時間という中には図書館で過ごす時間もあるだろうし、自宅で勉強する時間もあるだろうし、いろいろなものが含まれると。そういう全体の中で、全体の学修時間の質を向上させるために図書館というのがどういう整備をしていくかという議論で、一応収められるのではないかとは思うんですけれども。

【有川主査】
 何かありますか。

【喜連川委員】
 前回、理系の学生には余裕がないという過激な発言をしたようで大変失礼いたしました。ちょっと遅刻いたしまして大変申し訳ございませんでした。感覚的に、私、いろいろな分野の学問を見ているようになってきますと、やっぱり教育というのは根源的に難しいなという気がしております。つまり、こういういろいろなことをしても、飛躍的に教育の効率レベルが上がるかというと、多分10倍上がるなんてことは絶対ないわけです。つまり、微妙なパータベーションです。つまり、相手が人間でありますと、人間の寿命もややヘルスコンシャスに健康管理をしても、微妙に寿命は延びますが、百歳を大きく超えることはない。それと同じように、一定の時間を与えられたときに、学生がどれだけの知識をアブソーブできるかというところの効率を議論したときに、そこは結構揺らぎ程度になるのではないかと感じます。
 ということは、揺らぎの中でどう最適化をするかというのは、私は原則、ダイバーシティ(多様性)がものすごく重要だという気がします。つまり、何とかスペースを造りましょう、かんとかしましょうというようなことを上から言うようなことも重要なのかもしれないのですけれども、もっともっと大学が非常に多様な試みを、つまり、デザインスペース(設計空間)が非常に大きいので、いろいろな試みをしながら、こういう学生にはこんなのがよかったね、ああいう学生にはこういうのがよかったねというのをいろいろチャレンジングしていくというのが、次の世代のこういうITと学習の中の一歩になってくるのではないかという気がします。
 これは別の論点ですけれども、オープンガバメントというのを見ますと、アメリカのオープンガバメントというのは、原則、トランスペアレンシーです。ところが、シンガポール等がやろうとしているのは、そこのデータを使って何を次の価値に結び付けていくかという側にむしろ視点が置かれております。教育の場合も同じで、どういうところを各大学が、自分のところのシステムをコンピタンスとしてマグネットにするかみたいな視点でそれぞれが考えていけるような自由なフレームワークというのが非常に重要で、何か枠をがさっと与えるような時代ではないのではないか。これは多分、先ほど土屋先生がおっしゃったこととほとんど同じことじゃないかと思うんですけれども、15時間予習して、15時間勉強して、15時間復習しろというようなことを言う時代ではもはやなくて、寝なくて済む学生もいる、寝ても賢い学生もいるということを理解しつつフレームワークを作っていく、そんな時代かなと、ちょっと暴言かもしれませんが、失礼いたしました。

【有川主査】
 資料2について議論をする時間は大体尽きたような感じなのですが、もともとは竹内先生のプレゼンから始まっているところがありますので、そんなふうな議論をしてもらっては困るということがあればどうぞ。

【竹内センター長】
 そういうことはございません。先ほど一つ出てきた多様性ということの重要度というのはやはりあると思いますが、それを考えていく上でも、やはり基本となる共通のコンポーネントというのはあるのではないかというふうに思っております。
 前回の私のプレゼンテーションの中では、空間とコンテンツと人的サポートの有機的結合ということを申し上げておりますが、結局のところは、その組み合わせ方がどういうふうになっていくのかということであり、それぞれの大学の置かれた状況の違いとか、あるいは個々の学生の達成度と申しますか、能力による違いというのが恐らく出てくるのではないかと思っております。共通の要素として議論していただくということであれば、前回私が提示させていただいた3つの要素というのは1つのたたき台になると思っています。

【有川主査】
 本当に一様にはいかないところがあると思うのですが、先ほど美濃先生が京都大学のことをおっしゃったんだと思うんですけれども、京都では、もちろん中央図書館というか、ちゃんとしたものはありますけれども、部局図書館がものすごく充実している大学だと思います。それで美濃先生のような情報の人と、例えば文学の人との図書館に対する思い方というのは全く違うんだろうと思うのです。
 ですから、それぞれのところが持っている最適ないろいろなことを考えていきますと、結果として今おっしゃいましたような多様性が生まれてくるんだろうと思いますし、そういったことを見ていくのかなという気がしております。

【土屋委員】
 もう一つだけよろしいですか。

【有川主査】
 はい。

【土屋委員】
 形式的なことなんですけれども、飽くまでも問題意識の整理ということで頂いた資料2なのですが、やはり印象としては、この3の所にある大学図書館における学術書のデジタル化の推進についてというのは、問題意識としては余りよろしくないなという感じがします。なぜかというと、大学図書館におけるというのは外さないといけないんじゃないかと。そもそも大学図書館で学術書のデジタル化なんかできないので。やるところはあるかもしれないんですけれども、やるならグーグルか何かに頼んじゃった方がよほど手っ取り早いということなので、学術書がデジタル化されて流通するようになれば、大学図書館はますます要らなくなるわけなので、そこのところはちょっとそういう意味があるので、この大学図書館におけるという表現はやや気になるので、今後、御検討の際にはちょっと念頭に置いていただきたい。
 それから、2番目と3番目の項目というのは、むしろ問題意識の2の方に配置すべきではないかなという感じがあります。2番というのは、教育環境としてのコンテンツというのをどういうふうに、さっきの議論から作成して保存、教育するかという問題だと思うんですけれども、ここで見ているのは、ここの問題意識3の所の2)というのは、正にその一部、流通の形態というのを変更する中で、図書館が果たすべき役割というのを考え直そうということですし、3番は、その際に、特に政策に絡むときに実際に自分で教材を作ろうとかというときに、いろいろな著作権者への問題が生じるわけなんですけれども、その関係なので、感じとしては2も3もどちらかというと問題意識2の範囲かなという印象を持ちました。

【有川主査】
 ありがとうございました。これはまた整理していただきまして、次期の課題として申し送っていただくのだろうと思います。
 大学図書館のというようなことが出てきていますのは、この作業部会のミッションとして、大きく言って、図書館のことと、学術情報発信、流通、それからコンピューターネットワークという三つのことを主に扱ってきていたということがありまして、学術情報基盤というのがそれで尽くされるかという問題は当然あるんですけれども、そういったことから、余り発散しないようにという事務局の意図だろうと思います。

【土屋委員】
 ただ、しかし、大学図書館と付ければいいというものではないと。正しいところに付けてほしい。

【有川主査】
 では、その辺は参考にしていただくことにいたしましょう。ありがとうございました。
 それで、今申し上げましたように、事務局において整理をしていただきまして、来期に引き継ぐということになると思います。内容等につきましては主査の方にお任せいただくということになろうかと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、次期の作業部会に引き継ぐこと、次期に何をやるかというようなことについて議論していただきたいと思います。一つは、振興局長の諮問機関というような格好でワーキンググループを作って、アカデミッククラウドということについて検討しました。その中で、特にビッグデータというようなことの重要性が分かってきたというようなことで、そちらの報告がなされております。
 机上にあります「ビッグデータ時代におけるアカデミアの挑戦」として、アカデミッククラウドに関する検討会の提言ということで出ておりますけれども、そこにありますように、アカデミッククラウド、ビッグデータ、そういったものの動きを踏まえまして、学術情報ネットワークの充実に関する議論が必要になると思っております。つきましては、そういう方向性等について意見交換をしていただき、次期の作業部会に引き継いだらどうかと考えております。
 最初に長澤室長から5分程度御説明を頂きたいと思います。お願いします。

【長澤学術基盤整備室長】
 では、参考の情報という位置付けでございますけれども、今のSINETの状況等につきまして、簡単に御説明をさせていただきたいと思います。
 その前に、まず資料5の方がこれまでの作業部会による検討経緯等でございますので、併せてこのような議論をこれまで作業部会では行ってきているというところも御承知おきいただければと思いますけれども、そういった関係の中で、まずSINETの現状というところが資料3でございます。
 こういった学術情報の流通というものが激しくなってまいりますと、その整備というのは非常に重要だということで、これは今後の対応といたしますと、今議論いただいたような教育の関係のデジタル化とかも含めて、こういったネットワークに対する需要というのは非常に重要になってくるかなということで、併せて検討していく必要があるのではないかということを思っております。
 SINET4の概要につきましては、1ページの所でございますけれども、こういった情報が複数のループ構造で安全に構成されてノードをセンターに移動させて、また、経済的なネットワークということで整備が進んでいるわけでございますけれども、加入機関としましては769機関が参加しておりまして、全国を張りめぐらせましたこういった構造の中で、回線が途切れることなく使用できるような状況というのが整備で使われているということでございます。
 SINET4の年度計画につきましては、23年からの5年計画ということでこのような整備になってございますけれども、今後、更に大きく情報流通というのが激しくなってくるのではないかということが見込まれる中で、平成28年度から始まりますSINET5に向けた対応ということも踏まえて、こういったネットワークについては今後どういった整備が必要か、その前提となるような事由というのはどういったものがあるかということについて検討していく必要があるのではないかと思っております。
 2ページ目は、これまでのSINETが4に至るまでの比較ということでございまして、このような増強が図られてきているという状態でございます。
 現在の通信料のデータというものを例示として3ページの所に参考までに掲げてある所でございますけれども、今、見込みとしましては、総トラフィック量が毎年1.4倍ずつ増えていくというような見込みで対応しているということでございます。
 また、スパコンとか大量のストレージ等の資源が整備されるというふうな状況変化にも適切に対応するような需要の把握というものが必要になっていくだろうということでございます。具体的には、東京-名古屋が1.4倍、東京-新潟だと1.7倍、仙台-弘前だと1.1倍というふうな状況が現在、1年間でそういった状況になっているということでございます。
 4ページの所は、SINETの活用事例でございますけれども、大型のプロジェクトにおきましては、こういったSINETがなくては機能しないというふうな形の研究が進められているということがございます。
 今後の対応としまして、ビッグデータとかアカデミッククラウドという関連がございますけれども、やはりこういったビッグデータとして大型で複雑なデータアセットをということが流れるということでございますので、これに対応するようなネットワーク。それから、その下には、情報がどれぐらい見込まれるかという情報爆発のスライドの活用をした形での例示でございますけれども、こういった爆発的な情報を支えるようなネットワークの在り方、こういったものを利用した結果だということを進めるに当たって、重要なものはどういうふうなインフラであるかというようなことも考えていく必要があるのではないか。
 また、6ページの所は参考でございますけれども、SINETがこういった整備を通じまして、大震災におきましても途切れることなくうまく機能したというものはどういうふうな対応をしていて、どういうふうになっていたからかということに対して、これは大型プロジェクトに対しては毎年評価をしていくということになっておりますが、こういった評価作業部会から、こういった事柄を改めて見直して、うまくいった例示とかをちゃんと対外的にお示ししていくということが有益なのではないかという評価がなされておりまして、現在、こういった形の評価委員会が設置されて、今年度末までにこういった検証が行われるような予定になっているということでございます。
 このことにつきましては、7ページの新聞記事でも、やはりこういった危機の回復力とか、事業の継続計画とか、そういったものも踏まえまして、やはりきちんと対応していく必要があるのではないかということで、こういったものが重要だというふうな内容での報道も組まれているということでございます。
 このような状況も踏まえまして、自由に今後こういったネットワークの整備につきまして御議論していただければと思っております。
 以上でございます。

【有川主査】
 ありがとうございました。それでは、御意見など頂きたいと思います。

【土屋委員】
 よろしいですか。

【有川主査】
 はい。

【土屋委員】
 多分、何年か前になるのですが、このネットワークの議論をしていたときに、SINETの財政基盤というと変だけれども、毎年概算要求を出している形になっているというのは、利用者から見ると非常に不安で、それが認められなくなったら吹っ飛んじゃうのかという。ないとは思うけれども、しかし、例えば質の劣化とか、そういうようなことがあるんですけれども、これを聞かれても答えにくいとは思いますけれども、そういう形式でこのままずっとやっていって、こういうトラフィック量の増加とか、こういう様々な用途の拡大というか、高度化といったようなものに関して、大丈夫なんですかという。

【有川主査】
 しかし、日本の全てのものの予算は概算要求をしているんですね。国立大学の運営費交付金などにしても。

【土屋委員】
 ただ、概算要求、要するに現在運営している国立情報学研究所の運営費交付金には入っていないわけですよね。もちろん運営費交付金自体は減っていくことにはなるわけですけれども、ミニマムな安定性はあるかなと思うわけです。

【有川主査】
 どうぞ。

【長澤学術基盤整備室長】
 先生がおっしゃるような形の御懸念というのは多分あるんだと思います。今はSINETというのは情報システム研究機構、情報学研究所の運営費交付金の中で処置をされておりますので、そこを一応枠としてはそういう形で、プロジェクトとしては大型プロジェクトという位置付けで一応区分はされておりますけれども、それが全体の中でどうなのかと、急に削減されたときに、こういった日本全国のネットワークを維持している機能が果たして生かされるのかということに対するのはありますけれども、我々としましては、これは飽くまでも情報学研究所1機関の問題ではなくて、日本全体を支えるインフラですということで理解を求めながら現行の体制の中で概算要求しているわけですけれども、それに対して、やはりこれまでのままでいいのか、別枠予算にするべきかという議論につきましては、いろいろ考えながらですけれども、適切に対応していく必要があるだろうというふうには思っております。

【土屋委員】
 あるいは、ですから、国の予算ということではなくて、各利用する機関からの経費の徴収ということもあり得るのかなということでもあるんですけれども。

【長澤学術基盤整備室長】
 そこは非常に危険な議論だと思っております。これはNIIが一手に整備するということで安価に抑えられているという現状に対して、参加機関で課金するというのは当然そうすべきだという意見は財務省的な発想としてあるんですけれども、そうすると、じゃあ、私どもはもう参加しませんとかいう話になったときに、全体が維持できなくなってくる。全体の流通って、どこでどういった方が必要になるかということは、やはりその方々の参加意欲では判別できませんので、機関はよくても研究者は困るというところだってありますし、よその機関の研究者にとって全体のこういった規模が必要だという方もいっぱいいらっしゃるわけですので、やっぱり学術を支えるという観点からすれば、機関がどうこうというよりも、日本全体としてこういったネットワークが必要だと。それを、たまたま共同利用機関としてのNIIが対応して、一応引き受けて、請け負っているという形だと思っておりますので、やはり予算の枠組み等はいろいろあると思いますけれども、国としてやるべきか、NIIとしてやるべきかという話はあるかもしれませんけれども、それぞれで費用負担を分担するという形は望ましくないと思っております。

【土屋委員】
 分かりました。

【有川主査】
 前回のときに、予算規模の問題とかも含めて少し心配した時期があったんですけれども、それ以来は安定して、着実に実績も出してきているということではないかなと思います。
 ほかに何か。安達先生、どうぞ。

【安達副所長】
 土屋先生の御指摘については、小さな例としては、今回SINET4の導入の際にアクセス回線の共同調達ということをやりまして、私立大学も含めて一緒に調達することによって随分安く調達するということを実現しましたが、やはり異なる機関が足並みをそろえてきちんとやるというのは難しい課題で、方向性をそろえつつ全体としての合理性を出そうとするときに、合わせて個別のお考えを尊重しながら進めるというのはなかなか大変だったという経験はございます。ですから、現実的にはそのようなことを全国的に、しかも研究から教育までいろいろと異なる観点を持つ機関が合意を形成して進めるというのは至難のわざだろうと思っています。
 御説明いただいた資料3の表のページにありますように、平成28年度には新しいネットワークに切り替えるという計画です。そうしますと、あと1年ぐらいかけて次期ネットワークについて、大体これでよろしいという方向性を出していただき、更にそれを詳しく検討し、入札プロセスに入るというようなスケジュールを組んでおります。
 内部的には、次期ネットワークの構想のたたき台を作っているところですが、私どもの願いとしましては、アメリカのInternet2やヨーロッパのGEANTで構想しております400ギガビットの技術をベースとして、テラビットまでを視野に入れたネットワークの導入をすることが我が国の研究レベルを維持するためにも極めて重要かと思っております。
 それから、もう一つの点は、大震災のとき、辛うじて何とかネットワークを動かし続けることができるのでありますが、今回、より安定性と性能を求めた意欲的な、すなわち他にはないネットワークというものを提案していきたいと思っておりまして、あと1年ぐらいかけてその構想について学術情報の基盤としての観点からいろいろともんでいただければと思っております。

【有川主査】
 ほかにございませんか。よろしいでしょうか。

【喜連川委員】
 私はまだ不慣れでよく分かっていないんですけれども、ネットワークという呼び方をしますと、世の中から見ますと、キャリアに見えます。キャリアというのは、物を運ぶだけになっているので、そういう意味で、今、非常にビジネスモデル的に随分御苦労されておられる。
 昔は物を運ぶところに価値があったわけですけれども、今、やっぱりこの有川先生の委員会で議論していることというのは、学術情報基盤そのものになってきている中で、ネットワークという部分の取り出しよりも、もうちょっとアッパーに考え方を少しシフトしてくる時代になってきているのではないかなという気が致します。先ほど機関リポジトリうんぬんの話もありましたけれども、ネットワークと学術コンテンツの広い意味でのサービス機能のようなものまでを含めた学術情報基盤をどうするかという切り口で考えていく方が、自然な流れではないかなという気がします。
 インターネットという言葉がすごくもてはやされているんですけれども、通信技術とインターネットというのは、根本的に違います。インターネットというのは、コンピュータ上の一個のプログラムでしかありません。通信というもののメディアの媒体にどうシグナルを流すかという技術は、これは電子電気工学の多様な技術に支えられています。インターネットというのは、いろいろなプログラムと原則同一レベルの話です。
 したがって、機関リポジトリを作っているプログラムとインターネットのプログラムは原則同じで、プロセッサの上で動いているプログラムです。そこを特別扱いするというのではなく、情報技術をやっている者からすると、少しもう一度物事を見直さなくてはいけなくて、通信という部分もある。その上にコンテンツを置くストレージの部分もある。更にその上に学術情報のサービスもある。そういうものを一体としてどう捉えていくかというもので考えるべきで、今、この間の線を何ギガビットうんぬんというのも、もちろんファンダメンタルなフィーチャーとしては重要なんですけれども、各大学、あるいは研究者が欲しいニーズというのはもっとアッパーなサービスレイヤであって、ギガビットがどれだけ欲しいというようなことを言う時代ではもうだんだんなくなってきているということも一方では考えていかなきゃいけないんじゃないかなという気がします。個人的な意見です。

【有川主査】
 そういった時代になっているのかもしれませんね。これまでのSINET、それからスーパーSINET3、4と来て、現在に至っているわけですけれども、SINETが導入されたときからすると様々なものが大きく変わってきていますから、その中で位置付けて、もうちょっとしっかりした位置付けをしておく必要がある、そういう時期かなということだと思います。
 それからもう一つは、外国へのことがあるんですけれども、この辺はどうなんでしょうか。最近特にアジア諸国といいますか、韓国、中国、それから東南アジアも含めまして、ものすごい勢いで伸びてきているわけですけれども、その辺について、特別に配慮しておく必要があるのかなという気がいたします。

【安達副所長】
 おっしゃるとおりで、国際ネットワークについても、ヨーロッパとのトラフィックも増えておりますので、先生がおっしゃったように、アジア方面を含めてどういうふうにするかも重要検討課題であります。国際接続は、国際協力として全部日本が持つというわけにもいかず、どのようにうまく分担するか、これにはかなり外交的なセンスも必要でして、実際に進めるには頭の痛いところであります。
 もう一つは、国際ネットワークはボリュームディスカウントといいましょうか、そのような要素が効かないので、相当割高なものにならざるを得ません。その点からもいろいろと戦略とタクティクスが必要ですが、私どもとしては重要な課題として考えていることには変わりません。

【有川主査】
 それでは、来期のことにつきましてはそのくらいにして、相当難しい問題が含まれているように感じておりますけれども、来期、よろしくお願いしたいと思います。頂きました議論につきましては、事務局でまとめていただきまして、主査に一任していただくということになろうかと思います。よろしくお願いします。
 それでは、次は、学位規則の改正に関する経過等についてということですが、長澤室長の方から説明をお願いいたします。

【長澤学術基盤整備室長】
 学位規則の改正ということで、学位論文の公開方法に関する規則改正が進んでおりますので、情報提供させていただきたいと思っております。
 この学位規則改正案につきましては、11月26日の中教審の大学分科会大学院部会に諮られまして、2)のような形の改正について、了承されたということになっております。論文要旨の公表についても、インターネットの利用により公表すると。論文等の公表については、印刷の公表にかえて、インターネットにより公表するということで、いずれもインターネットによりということがはっきりと明示された形での改正案になってございます。
 現在、パブリックコメントの募集が行われておりまして、来年の1月にはその意見も踏まえながら、大学分科会の方に諮問されて、改正の運びになるという状況でございますので、こういった対応をどのように大学の方に通知をしていくかということにつきましては、検討がなされるということを聞いております。
 以上でございます。

【有川主査】
 何か御質問等はございますか。
 これは、よそのところでのことを紹介していただいたわけですが、ここで議論してきておりました機関リポジトリなどが非常にしっかり位置付けられることになるんだと思います。よろしいでしょうか。

【土屋委員】
 通知はこちらの局から出すのではなくて、高等教育局の方で出すわけですね。

【長澤学術基盤整備室長】
 そうです。

【土屋委員】
 はい。

【有川主査】
 それでは、本日の審議は以上でございます。時間が少し有るようでございますけれども、今日は今期の最後ということでございますので、委員の先生方に、一言ずつでも御発言いただければと思います。
 上島先生の方からお願いします。

【上島委員】
 本期の部会は大学図書館の在り方というところで始まったと思うんですけれども、大学図書館に限らず、今まで伝統的に、図書館は、選書から始まって、保存、蓄積ということを進めておられると思います。それを「審議のまとめ」の方向へ転換していくとことは非常に難しいと思っていたところ、やはり皆さんの御意見として、大学全体が様々な部局で取り組まねばならないとおっしゃっていただいて、やはり私どもも同様に思っています。
 私どもの大学のことを申しますと、教育推進部という学部や研究科に属さない教員を4人配置して、学部・研究科では必ずしも行いづらい部分である教材作成支援をしているのですけれども、仕事自身はうまく進んでも、今度は仕事の評価が難しくなってまいりまして、いわゆるそのような先生方のキャリアをどうするかちょっと困っているところであります。
 今、喜連川先生のお話にもありましたように、ネットの上に、あるいは情報基盤の上に、全部乗せて、制度まで変更していかねばならないというところは正にそのとおりと思って、重要な部会であると認識しています。次期部会にはこれからも大変な仕事が待っているような気がしております。お世話になりまして有り難うございました。

【有川主査】
 では、喜連川先生。

【喜連川委員】
 一人何分なのかがよく分からないんですけれども。

【有川主査】
 本作業部会に関する要望や御意見等について一言ずつということでお願いいたします。

【喜連川委員】
 20世紀の終わりから21世紀にかけての一番大きな教育に関する大きな変革は何であったかというと、知識に対するコストが、一定レベルの知識を得るコストが激減したということだと思います。つまり、昔は本を買わなきゃいけなかった、いろいろな偉い先生に聞かなきゃいけなかった、一番高度な情報は別ですが、しかし、そこそこのレベルの情報というのは完全にオープンになったということが、この世の中を根源的に変えているというところをまず我々は認識しないといけないと感じます。
 そういう中で、図書館というものとか教育というものを次の世代にどう展開していくのかというのが、多分次の作業部会の中で、ファンダメンタルにこの質問を自分たちに突き付けて考えていくということではないかなと思います。
 そこがコストフリーになったときに、いや、そうではなくて、大学の出す本当にクリスタライズされた知というものを、今度は料理可能な方に、それがいわゆる次世代へのアカデミッククラウドだと思っておりまして、ネットワークプラスクラウドというものが、我が国が世界に先んじてどう作るか、これが次の国益に結び付く根幹の重要な問題と感じます。 ちょっと一言が長かったかもしれません。失礼いたしました。

【有川主査】
 ありがとうございました。一応12時まで予定していますのでもう少し長くてもいいかと思いますが、よろしいですか。
 それでは、倉田先生、よろしくお願いします。

【倉田委員】
 要望はすごくいろいろありますが、でも、こういう形での委員会というものがあったことは、それなりに意味があったのではないかと思っております。やはりこれまではどちらかというとコンピュータとか、ネットワークという話が一方で、他方で図書館は紙の本の話という、そういう柱があったと思うのですけれども、そういうふうに柱を立てられてしまうと、逆にちょっとやりにくいというのが今の時代なわけで、そういう中で外れてしまっていた部分と、それから、やはりそんなふうに伝統的な区分をしていたらもう無理ということはすごくはっきりしたのではないかなと思います。なかなか難しいところを扱っていただくことにはなるのだと思うのですけれども、そういう今までの柱に縛られない形で、是非新しい視点で、今後の学術情報流通という言葉すらも、もう何かだんだん古くさくなってきたという感じがしていて、そういう根本的に違う形での視点で、是非こういう情報の流通であるとか学術研究、教育環境ということ全体を考えられるようなものはなかなか難しいと思いますが、是非続けていただきたいなというのが要望でございます。

【有川主査】
 ありがとうございました。
 田村先生。

【田村委員】
 作業部会が議論をしている最中でも、オープンアクセスなどはどんどん進んできて、オープンアクセスを作業部会が取り上げた一番初めの頃は、本当にオープンアクセスは普及するのかと疑問視していた人はかなりいたのではないかと思うんですけれども、今日では、オープンアクセスは学術情報流通のかなりの部分を担えるんじゃないかという方向が出てきていると思います。世界はどんどん動いているわけです。
 この会議に参加させていただいて、一方で私なりに得るところは大きかったと思っておりますし、同時に、動いている世界の中で一歩先を行くというのがものすごく重要である反面、やっぱり大変なんだなということも思いました。学術情報をデジタルな形で電子ジャーナルとして出すのは、今はもう当たり前になってしまいました。科研費に関わる今期の議論のように、変化に対し国の体制をキャッチアップさせるという課題と同時に、一歩先を行かないと、もう議論している最中にそれが陳腐化してしまうようなことも起こる恐れがあります。
 そういうことを考えると、次の一歩先をどういうふうに課題設定するかというのは、非常に重要なのではないかと思いました。そのとき、今、倉田先生がおっしゃいましたけれども、大学図書館とか学会とかいった特定の組織を前提とした議論というものがだんだん成り立ちにくくなってきているような気がいたします。現状認識から出発する以上、学内にこういう組織があって、ということを議論の出発点にしなければいけないということはよくわかりますが、行く先はもっと先で、そうした組織が解体し再編されるところまで見据えた議論が必要なのではないかと考えます。要するに、そういう組織を前提としないところで、あるいは組織を再編するようなところまで議論を進めるということですね。それは難しいと思うんですけれども、そういうことを次は考えていただければといいのかなと思いました。

【有川主査】
 では、土屋先生。

【土屋委員】
 今、オープンアクセスのことに触れられたので、それは置いておいても、全体としてこの2、3年で幾つかのまとめを出しているわけですけれども、3、4年ぐらい前はこのまま英訳したら恥ずかしいというようなまとめを作っていた記憶があるんですけれども、大分恥ずかしくなくなって、ついには恥ずかしげもなく英訳してしまったということもありますから、外に出して、議論の水準として低いものではなくなっているなという感じがしたので、それは大変我々の努力によってそうなったと言ってはいけないのかもしれないけれども、事務サイドの方のサポートも非常にしっかりしていただいてできたというのは良かったと思います。
 もう一つ良かったと思うのは、ややピンポイント的、つまりニッチ的なところではあるのだけれども、まとめに挙げたことが具体的な成果として余りお金をかけないで出てきているというところが、結構良かったんじゃないかなという感じがします。要するに、理念論を語るだけで実際何も起きないというのは一番まずいんだろうし、結果としてこういうことだけを通すための作文というのもやったような記憶もなきにしもあらずですけれども、比較的全体としての筋道がついた形で幾つかのことが実現してきているということに関しては、大変良かったんじゃないかなと。
 こういう形でいろいろな意味での情報交換も含めて、ほかの審議会の動向も併せて見ることができて、実現したことだと思うので、そういう意味では、議論の水準としては十分高く、かつ具体的な成果も上がったのではないかということで、この前身か前々身かよく分からないけれども、十数年付き合っているんですけれども、良かった方ですよね。

【有川主査】
 では、羽入先生。

【羽入委員】
 私は大学図書館というものの観点でここに参加させていただきました。それがきっかけですけれども、大学の図書館というのは、言わば知的資源の核であって、教育研究の最も基盤的なものだと考えておりまして、それは大学の中で中心になるべき機能を持ったものだと思っております。
 ただ、先ほどの議論にもございましたけれども、それで感じましたのは、今、図書館というのが前提にあって、それで学術情報が考えられるということではなくて、学術情報がどういう形で機能し得るかということが前提になって、では、大学の図書館なるものがどういった役割を果たすのかという、これまでと観点を逆にする必要が生じてきているのかなというふうに、先ほどの美濃先生のお話を伺いながら思ってまいりました。
 この作業部会に関しましては、そういった現場の状況を十分に踏まえた上で、喜連川先生のような非常に将来を見通した高まいなお話も伺うことができ、また、非常に多機能で多面的な議論があり、同時に土屋先生がおっしゃっていましたような、抽象的なものにとどまらず、すぐに現場に妥当するような議論ができたということはとても有意義なことではなかったかと思いますし、今後もそういった議論の場があってほしいと思っております。ありがとうございました。

【有川主査】
 松浦先生。

【松浦委員】
 私はビッグデータのことについて一つお願いがあります、先ほどルールを変えて、博士論文をインターネット上に公表するという仕組みが導入されるというお話がありました。ルールの変更は、多くの手順を踏み、議論を重ねた結果です。その情報は、社会の現状、問題の内容、関係者の考え方、利害調整など多岐にわたるのですが、その全容を把握するのは大変です。ところが、次にルールを変更する場合に、この過去の情報が改正時点の関係情報とともに必要になります。ある意味でルールに関連するデータはビッグデータになる可能性があります。
 ところが、文科系の学問に関するデータは、ほとんどビッグデータとして意識されていないように思えます。しかし、文科系の学問についてもその可能性を考えることは有益です。そこで、今後の議論の中で御配慮いただければ、幸いです。

【有川主査】
 山口先生。

【山口委員】
 ありがとうございます。私も初めから参加させていただきありがとうございました。当初は、オールジャパンの情報基盤の構築において、インフラの面でどのように国際的に競争力を持っていくかという議論から始まり、その後、図書館の戦略的な位置付け、電子ジャーナル、オープンアクセスの推進など、大変多角的な視点から情報基盤というものについて議論することができたと思います。
 今後は、情報基盤の構築及びその活用についての話をするときに、やはり21世紀において絶えず大きく変化する国際社会というコンテキストを常に念頭に置き議論を進めていく必要があると思います。情報基盤、情報共有の在り方の多様化に加え、やはりダイバーシティを重んじる教育の手法というのが、これからの時代には必要不可欠になってくると思います。その中で情報基盤をどう活用できるのかというところに視点を置いて議論していくことが重要であると思います。
 ビッグデータ時代におけるアカデミアの挑戦の議論には私も参加させていただきました。情報基盤部会での当初の議論では、情報基盤と研究が重点項目になっており、情報基盤と教育に関わる議論は別の委員会が担当するという位置付けだったと記憶しています。現在のビッグデータ時代におけるアカデミッククラウドの議論では、「ビッグデータの活用における科学技術イノベーション」と、「教育クラウドの構築」という点が重点として議論されてきました。今後、日本の高等教育機関が国際的に力を持っていくためには、留学生、日本人学生の質の高い交流、さらには、大学間の単位互換制度を積極的に促進していかなくてはいけないと思います。その一つの価値あるツールとして、研究と教育を融合させた場面で、どのように情報基盤を有効活用していけるかを考えていけたらよろしいかと思います。
 最後に、私は、日本の高等教育機関での経験は、皆さまに比べてまだまだ浅いのですが、異なる機関、多様な分野の先生方と一緒に仕事をさせていただき、たくさんのことを学ぶ機会を与えていただきました。ありがとうございました。

【有川主査】
 指導的な立場から、美濃先生、一言お願いします。

【美濃科学官】
 4月から科学官になって、ここへ参加させていただいたんですが、昔、基盤センターの代表として参加させていただいていたときがあって、学術基盤というのは大学にとって大事で、今、私は京大全体の情報環境の戦略を作って、いろいろなところと話しているんですけれども、やはり中が堅くて、現場を動かすというのは大変だなというので、苦労しています。
 ただ、それでもやっぱりある程度行くべき方向だけは合意してくれと言っているんですが、そんなものを書かれても無理ということで抵抗を受けているところでして、やはりある方向というのを大学でも、みんなで共有して、そこに向かって努力しましょうということが大事だなと最近思うようになってきまして、やはり国がある意味こんな方向というものを示すのが大学にとって本当にいいのかどうかというのはさっきのダイバーシティの話もあり若干分かりにくいんですけれども、少なくとも大学の中ではこういう方向へ行こうということを議論して、合意して、みんながその方向に向かって進んでくれるようにしないと、なかなか大学は変わらないなというのが最近思っていることです。やはり現場の人たちと話をしながら、本当にどういうことをしたいのか、世の中はどうなっていくのかという議論を積み重ねていかないと、なかなか変わらないなというのが最近感じたことでして、それと同時に、やはりこういうところで方向性を示すことも大事なので、文科省としてはやっていくべきだと思いますし、それがうまく大学に浸透するようにどうするのか、何かその後のことも考えられるようなことをやっていけばいいなと思っています。

【有川主査】
 ありがとうございました。今、頂きました御意見等を少し整理させていただきたいと思います。非常に示唆に富む御指摘も頂いております。
 私もある程度長い間関わらせていただいたのですけれども、この作業部会は、科学技術・学術審議会の学術分科会の中の研究環境基盤部会に置かれている作業部会なんですけれども、ですから、階層的に言いますとかなり下の方で、科学技術・学術審議会総会などに行きますと、全然見えないようなところにあるのですが、その割には科学技術・学術に関する極めて大事なこと、文字どおり基盤を扱っていたのでございます。実際はそういう階層になっているんですけれども、研究環境基盤部会へ報告して、そこでどうこうということは最近は特にやらずに、いきなり上の方へ報告するということだったと思います。
 主に3つのことをやってきたわけですけれども、文字どおり学術情報の基盤ということであったと思っておりますし、いろいろな提言が、全部角を潰して丸くしたようなものではなくて、多少角はあるけれども、我々日本がひとつ方向を示そうじゃないかといったような意識も見えるようなこともタイムリーにやってこられたのかなと思っております。
 先ほど土屋先生の方からもありましたけれども、実際にここからのことが実を結んだようなこともいろいろあると思います。先ほど説明していただきました学位論文のネット上での公開など、ある種の例外的なことは当然考えるんだろうと思いますが、これは中教審の大学院部会がかなり迅速に審議をして、結論に至ったわけでございます。歴史的には相当問題があったようでございますけれども、恐らく私どもの議論などが背景にあって、そこに至ったのかなと勝手に思っているところでございます。そういったことで、国全体の情報化の推進ということに関しても寄与しているのかなと思っております。
 私がいつも司会進行させていただきまして、余り的を射ていなかったと思いますけれども、しっかりお付き合いをいただきまして、ありがとうございました。
 それでは、森本審議官においでいただいておりますので、御挨拶をお願いいたします。

【森本大臣官房審議官】
 本日、学術情報基盤作業部会、今期の審議が終了するということで、これまで先生方、本当にお忙しい中を御参加いただきまして、たくさんの会議がございましたが、お時間を頂きまして、ありがとうございました。
 いろいろ提言を頂きまして、有川主査を始め、委員の先生方、あるときは現場の直面されている課題についてコンパクトに教えていただきましたし、それから、未来に対する洞察といいますか、将来のビジョンを提示していただいたということで、非常に有意義だったのではないかと思っております。
 その御提言いただいた中で、例えばジャーナル強化についての御意見です。こういったものは予算要求の中で早速反映するという運びになりましたし、それから、機関リポジトリとかオープンアクセス、これも新しい考え方だと思いますし、これを大学の現場における議論を更に喚起していくきっかけになったのではないかと思っております。
 それから、先ほど喜連川先生からもございましたように、知の大競争時代と言われるようなグローバルな競争の中で、いかに新たな知を創出し、そして付加価値を高めていくかというものの正に競争に突入しているのではないかと思います。その中で、やはり情報基盤というものが大きな貢献を果たすでしょうし、それをうまく活用していけるかどうか、ここが勝負の分かれ目ということになろうかと思います。
 そういう意味で、このアカデミッククラウド、そしてビッグデータ、こういうキーワードの中でそれを具体化し、次の期で更に検討を深めていくということが大事であろうと思っております。そういう意味で、この視点、従来の枠組みにとらわれずに、これからもプラットフォーム、そしてコンテンツ、そして支援体制、こういうものを融合的に検討していく必要があるかなと、今日改めて思った次第でございます。
 今後とも先生方には様々な場で御意見をいただいたり、あるいはお知恵をおかりするということがあろうかと思いますが、是非今後ともよろしくお願い申し上げます。お礼の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

【有川主査】
 ありがとうございました。
 それでは、事務局の方から何かございましたら。

【長澤学術基盤整備室長】
 本日の議事録につきましては、委員の先生方に御確認いただいた上で、公開させていただきます。冒頭お話もございましたけれども、今期の会議はこれで終了ということになりますので、1月11日の予備日等は会合はございませんので、お知らせをしておきます。また、配付資料につきまして、郵送を御希望の方におかれましては、机上に残していただければと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。

【有川主査】
 ありがとうございました。
 本日は以上でございます。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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