第九期食品成分委員会(第14回) 議事録

1.日時

平成29年11月7日(火曜日)16時00分~17時00分

2.場所

文部科学省15階科学技術・学術政策局会議室1

3.議題

  1. 平成29年度公表(日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2017年)について
  2. 平成30年度食品分析について
  3. 今後の課題と対応の進捗について
  4. その他

4.出席者

委員

安井明美主査、渡邊智子主査代理、上田浩史委員、久保田紀久枝委員、小竹英一委員、小林美穂委員、斎藤洋昭委員、佐々木啓介委員、佐々木敏委員、関谷敦委員、高橋文人委員、滝本秀美委員、竹林純委員、中村ゆり委員、本田佳子委員、村田昌一委員、安井健委員

文部科学省

太田資源室長、伊藤補佐

5.議事録

 ○冒頭、個別企業等の利害に直結する、企業、団体等から要望を受けたもの及びその対応
 について議論を行った。

【安井(明)主査】  それでは、引き続き第14回の食品成分委員会を再開したいと思います。御案内のとおり、冒頭で個別の企業との利害に関わる議論がありましたので、その部分については非公開とさせていただきました。ここからの本委員会の議事については全て公開になります。後日、議事録がホームページに掲載されますので、あらかじめ御了承ください。
 今年度におきましては、平成28年度における分析食品の成分値に係る公表についての検討や、2020年、平成32年予定の次期改訂に向けた各種の課題についての検討など、委員の皆様にはこれまで大変お世話になりました。このような中で、特に平成28年度における分析食品の成分値に係る公表については、これまでも検討を積み重ねてまいりましたが、追補2017年として、年内の12月を目標にしているところです。いよいよ本日、本委員会としてその取りまとめを行うこととしております。委員の皆様には、本日も忌憚(きたん)のない活発な御議論をよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、これより議事に入りますので、事務局から委員の出欠状況の報告と配付資料の確認をお願いいたします。
【伊藤補佐】  出席状況については、本日、委員会委員19名中17名の委員の出席を頂いております。
 資料の確認をさせていただきます。資料につきましては、配付資料の資料1-1、「日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2017年の公表について(案)」がございます。これが公表資料となります。
 資料1-2に構成がありますけれども、追補2017年版の目次の一覧が付いております。
 資料2、これは平成30年度の分析リストの考え方及び資料2-2に、30年度分析候補食品の(案)が付いてございます。
 その後、資料3、これは今後の対応についてということで、昨年作成いたしました「今後の課題と対応方向について」という2色刷の資料が付いております。よろしいでしょうか。
【安井(明)主査】  よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、これより議事に入ります。
 議題1の平成29年度公表……、年内ですから平成29年公表ですね。日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2017年について、事務局より説明をお願いいたします。
【太田室長】  それでは、資料1をおめくりください。二つ資料があります。資料1-1と1-2というものでございます。最初、資料1-1を説明させていただければと思います。
 このペーパーは、12月に公表するときの概要を説明した、概要を端的にまとめたものでございます。最初に読み上げさせていただきますと、「文部科学省科学技術・学術審議会資源調査分科会は、日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2017年を作成しましたので公表します。日本食品標準成分表は、平成27年に公表した七訂に対して、昨年は追補2016年の公表を行いました」。今度は2017、追補のことでございますが、「食品成分表の一層の充実のため、新規食品を含め148食品を収載したものです」という形になっております。
 次のペーパーを見ていただけないでしょうか。具体的に、どんなものをどんな形で収載するかというものを端的にまとめたものでございます。概要のところは、今御説明したものと一緒でございます。ただ、そこに丸印がしております。追補2017と、先ほど端的に申し上げましたけれども、御案内のとおり、追補につきまして四つの成分表によって構成されています。
 具体的に申しますと、追補2017という、いわゆる本表と言われるもの、追補2017アミノ酸成分表編、追補2017脂肪酸成分表編、追補2017炭水化物成分表編の四つから成っております。
 それと、もう一つ、そこに148食品ということを言っております。実を申しますと、この4月に、ここの食品成分委員会を開催させていただいて、同じような形で発表させていただいたときは140食品ということで説明させていただきました。その後、検討の過程で食品数が140から148という形で増えているということになっています。それにつきましては、後から幾つかは説明したいなと思っておりますが、148ということで今のところは最新の数字になっております。4月の時点では、数字的にはそこは違っていますよということは一応留意していただければと思います。
 成分表充実のポイントとして下に三つほど書かせていただいておりますが、今回、先生方に御担当いただき、コメントを頂き、御意見を頂いたものについて、以下の三つに当方としては端的にまとめさせていただいたところでございます。
 一つは、「成分等の充実」というところでございます。今回の成分表の追補2017の特色として、微量成分等々、かなり充実してやってきたということでございます。具体的には、魚介類、肉類などの148食品について、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン、ビオチンといった微量成分だとか、マンガン、α-カロテン、β-カロテンだとか、β-クリプトキサンチン、ビタミンC、食物繊維、酢酸等を追加分析し、成分表を充実してきたといったところでございます。これが特徴として、微量成分について、今回はかなり頑張ってやったということが一つ。
 二つ目としましては、これは従来どおりでございますが、「組成成分表の充実」というところでございます。特に今回、そこに挙げました三つの組成成分表、アミノ酸、脂肪酸、炭水化物のうち、どれぐらい増えたかというのが下に書いてありますが、例えばアミノ酸で申しますと、1,586から1,627と41食品伸びました。脂肪酸につきましては、1,801から1,817、プラス16でございます。炭水化物成分表につきましては、878から935として57伸びております。炭水化物成分表につきましては、一番新しい成分表ということもありまして、今回、特に力を入れて分析食品を伸ばしたといったところでございまして、組成成分表につきまして新しく伸びております。
 3に移ります。「収載食品の充実」のところでございます。収載食品の充実につきましては、いわゆる本表、収載した食品がどれぐらい伸びましたかということを端的に言っています。今回、148を追補2017として出させていただくわけなんですが、新規食品につきましては、先ほど申し上げました、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン等の微量成分を充実してやったということもありまして、純粋な新規食品というものにつきましては15食品になっております。
 後からも表で説明させていただきますが、成分表七訂のところで考えますと、2,235食品になります。その下に、今回、15食品充実する中身を書かせていただいております。冷凍ほうれんそう、めばちまぐろ(赤身、脂身)、あわび(くろあわび、まだかあわび、めがいあわび)、さくらえび、みずだこ、にほんじか、カキフライ、料理酒等々でございます。こういった15、これ以上、幾つかありますが、これらも含めて15食品を増加させたと。以上三つが、今回の成分表の2017を説明する概要かなということで、一応当方として作らせていただきました。
 引き続き、次のページでございます。次のページの最初のところは、先ほど申しました、今回の追補2017で本表が15食品伸びまして2,235になりますという説明をさせていただきましたが、その経緯が書いてあるものでございます。
 昨年12月に追補2016を公表させていただいたんですが、その際には、全体で2,222になりますという話をさせていただきました。今回、それが15食品伸びまして2,235になるんですが、これ、足し算すると合いませんが、これは実を申しますと、そこの中枠にもありますが、作成過程において2食品が欠番となりまして、合計しますと2,235になっておりますので、食品数としましては、去年から見ますと、純粋には13伸びたということになるかもしれません。
 それから、下の方には、今回作る各成分表の概要が載っております。このように、成分表というものにつきましては、本表と言われる表のほかに九つの表から成っております。これまでどおり、冊子とホームページにつきましては、以下に丸が付いているものについて公表していきたいと思っております。これは従来どおりでございます。
 以下、表2からですが、具体的に今回収載させていただくもの、148食品の羅列がずっとあるものでございます。ここで具体的に何がどうなのかというのは控えさせていただきますが、一番の小麦から始まりまして、砂糖類、脂質類、野菜類、肉系統、魚介類、加工食品等々につきまして収載値をそのまま載せていくということをやっております。最後、料理酒まで、合計148食品を今回収載していきたいと思っています。
 それと、資料1-2というのをお開きください。「印刷冊子(日本食品成分表2015年(七訂)追補2017年)の構成案」というものでございます。今回、追補として出させていただくものの全体の構成、骨組みをここに示しております。端的には、去年とほとんど変わらないものは、当然のこと、変わらないのでございます。ただ、幾つか異なる点がありますので、それについて追補2016との比較において話していきたいと思っております。
 御存じのとおり、成分表につきましては、繰り返しになりますが、追補2017は四つで構成されています。第1部として、日本食品成分表2015追補2017というものでございます。それから、第2部として、アミノ酸成分表追補2017、続きまして第3部として、脂肪酸成分表追補2017、第4部として炭水化物成分表追補2017でございます。それと、最後に第5部として、関連事項として、去年も挙げておりますが、今年も違う中身として挙げていきたいと思っております。
 それでは、最初の第1部でございますが、第1部につきましては従来どおり、第1章に説明を置いて、第2章として食品成分表の本体、第3章として留意点という形の構成については従来どおりでございます。
 ただ、今回、第1章の説明のところに、追補2016と違っている点として、これは従来の成分表でも載っていますが、今回、揚げ物、フライがあります。カキフライのことでございますので、表14というフライ関係の表を付け加えております。それと、これは今までにないものでございますが、参考1、2ないしは3というものを今回付けております。それは、フォルチ法ないしはヘキサン-イソプロパノール法という、今までに、例えば、マニュアル等々に載っていない新しい分析を今回から導入しておりますので、それにつきましての手順書というものを、これがマニュアルにないものですから、ここに参考1、2として付けさせていただいております。
 それと、参考3として、今回、繰り返しになるんですが、フォルチ法、ヘキサン-イソプロパノール法ないしはソックスレー法の三つにつきまして、甲殻類ないしは軟体動物について三つの分析方法で脂質を分析しておりますので、それらの値の変化というものを見るということにおいて、これらの三つの分析法から得た脂質の値について参考3として付けることを考えております。
 それから、参考4として、五訂成分表以降の収載食品で、見直しに伴い欠番となったものとなります。先ほどの一番頭の資料1-1で欠番二つありますという話をさせていただきましたが、その際に、その二つの欠番がどんなものかということを含めて、参考4の中に入れていきたいと思っております。以上が第1部でございます。
 第2部は今までどおりなので割愛させていただきまして、第3部、第4部も従来と同じでございます。もちろん数字は変わっておりますし、留意群等々も変わっておりますが、構成としては同じでございます。
 第5部の構成でございます。第5部の構成につきましては、従来作成の2016と変わっておりますので、それにつきまして簡単に御説明させていただければと思います。
 まず、表1、2でございますけれども、エネルギー換算係数、窒素-たんぱく質換算係数、ナイアシン当量でございます。これにつきましては、去年作成しました追補2016においては、全食品、収載している全食品という意味でございますが、それのエネルギー換算係数、窒素-たんぱく質換算係数、ナイアシン当量につきまして収載しましたが、今回は該当する148食品についてのみ、この換算係数ないしはナイアシン当量の数字を入れております。
 それと、表3の「本表における食品の収載データの由来一覧」、名前が適当かどうかというのも御意見を頂ければ有り難いかと思いますが、というのも付けております。これは従来、留意群の中に、食品についてどういった形で分析をいつ年にしましたかということが言葉として書いてあるんですが、そうではなくて、収載している全食品について、留意群に書いてあるデータ、由来をまとめて、表化したものでございます。今後、将来的に表化することによって、より分かりやすく、使いやすくなることが期待されるという意味において、初めての試みとしてやらせていただいたところでございます。
 以上、表1、2でございます。
 全体の成分表でございますが、今、最終段階に入っているところでございます。チェックも今しているところでございまして、先生方から、今、最新のものがあると思いますので、それにつきまして、こうしたらいいというようなものがあれば、時間がかなり限られておりますが、御意見を頂ければ有り難いと思っています。
 取りあえず、資料1-1、資料1-2を説明させていただきました。以上でございます。
【安井(明)主査】  ありがとうございます。御意見等ありましたら、お願いいたします。よろしいでしょうか。
【佐々木(敏)委員】  資料1-2の「第1部」の右に「一(イチ)」って入っているね。
【安井(明)主査】  スラッシュじゃないですか、「一(イチ)」じゃなくて。
【佐々木(敏)委員】  いや、スラッシュだったら、右にも付くだろう。第2部以降は入ってない。単なる誤植だと思う。しようもないことで済みませんでした。
【安井(明)主査】  第1部の後。何か棒線が入っている。要らないですよね。
【伊藤補佐】  要らないです。失礼しました。
【安井(明)主査】  取りますね。
【伊藤補佐】  はい。
【太田室長】  取ります。
【安井(明)主査】  ほかにお気付きの点があれば。
【関谷委員】  資料1-2の番最後の第5部の関連表目次のところで、「本表における食品の収載データの由来一覧」が入っていて、これ、結構労力が大変だったと思うので、その文章の最後のところに、「本表における食品の収載データの由来一覧」と続いちゃっているので、できれば、本表における食品の収載データの由来一覧を別建てにして、表1、表2の次に、ポツ「食品の収載データの由来一覧」にしたら分かりやすくというか、すごく……。
【太田室長】  例えば、今、エネルギー換算係数、ナイアシン当量と書いてありますが、これが一つで、これを削って、もう一つ、丸印にして、「本表における由来一覧」という形で二つにすると。
【関谷委員】  にした方がすごく……。
【太田室長】  分かりました。
【安井(明)主査】  表3というのをなくしてね。
【太田室長】  表3はないということですね。
【渡邊主査代理】  第5部の最初のところの追補2017という、この書き方で、追補2016も含まれていると読み取るんでしょうか
【太田室長】  エネルギー換算係数、窒素-たんぱく質換算係数、ナイアシン当量でしょうか。
【渡邊主査代理】  はい。この「本表における」というのは全部入っていますよね。全食品の由来一覧ですよね。
【太田室長】  そのとおりです。
【渡邊主査代理】  そうですよね。だから、表1から2のくくりと表3は違いますよね。だから、ちょっとタイトルを大きく……。
【太田室長】  関谷先生がおっしゃるとおりで、これ、分けないとおかしいという。
【渡邊主査代理】  そうですね。
【太田室長】  むしろ分けないと両面的じゃないという。済みません、間違えました。そのとおりです。
【安井(明)主査】  ほか、いかがでしょう、気が付いた点。
 表紙の参考1のフォルチ法のところで、「メタノール、クロロホルム」になっているけど、これ、ハイフンか何かの方がいいんじゃないですか。
【伊藤補佐】  ハイフンでした。
【安井(明)主査】  分析手順書そのものもこういう書き方になっているので。
【太田室長】  はい、分かりました。
【伊藤補佐】  はい。
【安井(明)主査】  ほか、よろしいですか。構成になりますので、この後、気が付いたところがあったら事務局に御連絡を頂きたいと思います。こういう形で公表ということで、構成、この後ありますけれども、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 じゃ、この案で資源調査分科会には報告したいと思います。ありがとうございます。
 では、次に議題2に移ります。平成30年度に予定している食品成分分析について事務局から説明をお願いいたします。
【伊藤補佐】  資料2-1、2-2で平成30年度分析食品のリストについて御説明したいと思います。
 まず、資料2-1で考え方ですけれども、平成30年度に分析したものが平成32年、2020年の八訂に収載できる最後の食品となります。現時点で調整しているものもありますけれども、資料2-2のリストに載せているものは161ございます。これらの選定に当たっての考え方については以下のとおりです。
 まず一つ目が、新規食品や調理後食品を積極的に追加していくこと。2番目の炭水化物組成、アミノ酸組成、脂肪酸組成等の組成の収載値を増やしていくこと。3番目の既収載値の再分析。4番目の既収載食品の追加分析。特に微量5成分の分析を増やしていくこと。5番目に、要検討食品として、伝統食品及び少数民族食品の検討というのがございます。ただし、これを全て反映させるのは非常に難しかったので、今回は八訂までの最終年ということで、主に新規食品に力を入れてリストに載せております。現在、新規食品、リストに載っているものが92ございます。むしろ微量5成分や組成については、本年までの分析でかなりカバーしてきているので、新規食品について重点的に載せてきております。
 また、5番目の伝統食品及び少数民族食品として、今回、20食品をリストに追加しております。これについては、資料2-2の備考の欄に、「地方食品」あるいは「アイヌ伝統食品」として記載しているものが、この伝統食品及び少数民族食品というのに当たります。これらを現在リストして、161ございますけれども、今後、分析すべき項目、今後出していただいた上で、12月に決まります来年度予算で再度調整させていただいて、この中から30年度に分析する食品を決めていきたいと思います。例年、140品目近くをやっておりますけれども、本年は新規が多いということもありますので、若干それよりも食品数は落ちるのではないかと考えております。委員の先生方につきましては、今後、再度絞り込みの作業等で御検討をお願いすることになりますが、よろしくお願いいたします。
 以上です。
【安井(明)主査】  ありがとうございます。ただいま御説明いただいた資料について御意見等ありましたら、お願いいたします。よろしいでしょうか。
 どうぞ。
【関谷委員】  この分析のあれとは直接というか……、30年度、来年分析するやつというのは、追補2018年を出すんでしょうか、まず。
【伊藤補佐】  追補2018年は出しますけれども、18年に分析したものは19年の成分委員会に掛けて承認しますので、19年には追補を出さないので、20年の追補に載るという。
【太田室長】  だから、2020年は追補を出さなくて、改訂版、八訂だけを出すということです。
【関谷委員】  2019年は出るんですか。
【太田室長】  2019年は多分出すと思います。平成29年度で出されたということでございます。2年掛かるということでございます。今、30年分析をして、31年分析をして。
【安井(明)主査】  ほか、よろしいでしょうか。この後、委員の先生とまた再調整ありますけれども、よろしくお願いいたします。
 それでは、議題3に入ります。今後の課題と対応の進捗について説明をお願いいたします。
【太田室長】  資料3を見ていただければと思います。この資料自体は、実を申しますと、今年4月28日のものと全く同じでございます。あえて同じものを付けさせていただいたのは、来年の2月か何かに、また開催できないかなと思っていまして、その際の、この半年なりについて、申し訳ないんですけれども、口頭で説明させていただけないかと思っております。
 最初に、短期的課題でございます。これ、平成28年度から順次やってきたとして、三つか四つ、ここに項目が上っていたと思います。最初、これはもう解決済みでございますが、新しい食物繊維の分析法(AOAC2011.25)の妥当性検証と食物繊維の再分析ということでございまして、これはこのときも導入・実施ということになっていましたが、実質的に今年、平成29年度の新規分析から、もう既にこれは導入済みという位置付けになっております。
 そして、もう一つ、次の2)のところでございますが、アミノ酸組成に関する新しい解析法の妥当性検証でございます。4月のときは実施中でございまして、これは現在でも実施中ということは変わりません。専門の先生方に集まっていただいて今まで議論をしておりまして、また、今月も含めて議論をしていきながら、来年、できるだけ早いときにタイミングを見て結論を得ることを努力していきたいと思っております。
 三つ目でございます。クロロホルム-メタノール法の代替法の検討でございます。これにつきましては、4月のときでも慎重な検討が必要だということで、複数の先生方からも意見を頂いたところでございます。現在、今年の分析の中でもクロロホルムを使った分析をやられておりますが、魚介類以外を含めて、クロロホルムを使わない分析方法について導入方法を検討していくということでございまして、それは現在、予算を検討しているところでございまして、具体的にどうなるかというのは、来月を見てみないと何とも言えないといったような状況でございます。
 それと、4)のところ、「次期改訂に向けた質の高い食品成分データの蓄積」というところでございます。これにつきましては、一定程度、具体的な動きがありましたので、それも含めて説明させていただきます。
 この次のページも含めて、幾つか項目があります。(1)(2)(3)までは従来どおりでございます。(4)というところで、既収載食品の追加分析として、繰り返しになりますが、今年、追補2017では、これに該当するもの、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン、ビオチン等々につきまして充実したということでございます。
 それと、「推計値を収載しているが、分析値が必要な食品」と書いてあります。今年の分析でもこれを生かしておりまして、アミノ酸成分表につきましてはかなり推定値から分析をやらせていただいたのが今年の分析でございます。その意味においては、今年の追補2017につきましては、この中の、とりわけ(4)についてかなり重点的にやったこととなっております。
 (5)の「要検討食品」について新しい動きがありました。それは、先ほど、30年分析の中で事務局から説明させていただきましたが、地方食品、ここでは伝統食品と少数民族食品と言っていますが、具体的にもっと適切な言葉で申しますと、地方食品なりアイヌ民族食品でございますが、そういったものにつきまして、先ほどの表にありましたとおり、今年初めて具体的な形として、組織立ててと言っては言い過ぎかもしれませんけれども、分析を始めております。数につきましては20弱ぐらい、こうした食品をやろうと考えておりまして、要検討食品の中の二つ目の柱について、今年、具体的に動いているといったところでございます。
 5)「その他」のところでございますが、(1)(2)(3)は済みということでございます。新しい(1)というか、旧(4)のところ、「収載値の根拠となるデータの体系的整理」、これは、いわゆる国際的な言葉で言いますと、「Value documentation」ということでございますが、に関するものにつきましては、実を申しますと、先ほどの第5部で由来一覧という説明をさせていただきましたが、これが一つ、Value documentationの最も初歩の形の一つじゃないかと思っておりまして、今後、そういったものを包括しまして、スタートして、Value documentationというものをできるだけ、少しずつでもいいから充実していくことをしていきたいと思っております。
 二つ目のLanguaL、100キロカロリー当たりの成分表等々につきましては、今年はまだ済んでいないといった状況についてはこれまでどおりでございます。
 中期的課題でございます。最初のKey Foods approachでございます。これにつきましては、現状にも書いてあるとおり、厚生労働省さんのデータを適宜使わせていただいておりまして、今回もそれを参考にさせていただいたということでございます。
 それと、エネルギーの再計算のところでございます。エネルギーの再計算につきましては、そこにありますとおり、過去、かなり議論をさせていただいた分野でございます。次のページに、真ん中より下に「現状説明」とあります。4月のときには、各省庁さん、団体等との協議と、ここに書いてあります。その後、当方で関係省庁さんと各団体さんにこの話をさせていただいたところでございますが、プラスの意見もあったんですが、かなり厳しい意見も頂いたところでございまして、そういった意見も含めながら、今後、先生方と相談しながら、八訂に向けてどうするかについて検討していきたいと思っております。
 3)、三つ目でございますが、「新たな成分項目の収載の是非」のところでございます。最初のナイアシンというものにつきましては、追補2016でもう既に決着済みでございます。次の「諸外国で取り組まれている項目」につきましては、そこにも書いてある食物繊維というものについては新しく我々、導入していますよといったところでございまして、これにつきましても、項目としてはもう新たにできつつあるのかなと思っております。
 4)のところ、「その他の検討項目」でございます。これにつきましては、逐次、実を言うと、課題が後から出てきてしまっているのが現状でございまして、また今年も半年ないし1年やった後、幾つかの課題が出てきて、このペーパーに載せるかどうかも後で相談をしていきたいかと思っています。この時点で考えますと、そこに書いてあるとおり、現状につきましては余り変わってないというのがあります。最初の計算値の取扱いにつきましては、この半年間は余り動いてないということでございます。ただ、次の18類の取扱いにつきましては、一定程度、本日と言ってもいいかもしれませんけれども、先生方と議論をさせていただいたので、この18類の取扱いについては、今後、一定程度、最終的には2020年の八訂に向けてでございますけれども、課題点が絞られてきているのかと思っております。
 3番、4番、だしの話、食品分析選定基準については余り動いてないといったところでございます。
 それから、第5番の未分析を含む微量成分を材料としている食品については一定程度議論をしておりますが、もう少し議論が必要なのかと、それから、実際やってみなきゃいけないのかと思っております。
 6、7については、まだ議論が至ってないということでございまして、様々な検討項目、未着手が多いということもありますので、この辺については今後力を入れてやっていきたいと思っています。
 いずれにしましても、まだ今年度、あと数か月ありますので、今年度、数か月の実施状況を踏まえて、この資料3をアップデートして、皆さん方にまたお見せできればと思っております。
 以上でございます。
【安井(明)主査】  ありがとうございます。御意見、御質問等ありましたら、お願いいたします。
 3ページの国際協調のLanguaLについては、先ほど、Foodex2の話もありましたので、それも入れて検討したいと思います。
 ほか、よろしいでしょうか。来年2月にまた開催予定ということでございます。
【佐々木(敏)委員】  一つ。
【安井(明)主査】  どうぞ。
【佐々木(敏)委員】  このところと全く関係ないところなんですけれども、以前にも少し意見を出させていただいたんですけれども、この食品標準成分表、各出版社からこのデータがそのまま出版されています。その出版物の表題が「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」になっていない出版物に対して……。
【太田室長】  一応、御指摘をこの4月にもお出しをして……。
【佐々木(敏)委員】  もう一度お願いをしたい。
【太田室長】  ホームページで一応、留意するように、従来より多く書いているのでございますが。
【佐々木(敏)委員】  引き続きよろしくお願いいたします。
【太田室長】  分かりました。
【安井(明)主査】  ほか、いかがですか。
 どうぞ。
【安井(健)委員】  2015年版については英文版がまとまった形で出て、海外からそれなりの注文なり評価なりがされているわけですけれども、追補版についての英語版というのは……。
【太田室長】  それは実を言うと、結構英語訳はお金が掛かるということがありまして、実は、今御指摘の話は、この前、国際会議に出させていただいたときも、やはり国際的にもっと我々、PRすべき点はPRした方がいいかなということも踏まえまして、重要かなと思っています。
 今、お金が掛からなくてやれる方法として、例えば、第2章というのは表になっておりますので、お金が掛かるのは、英訳が掛かる第3章、つまり留意群関係は英訳が結構大変なので、そこはお金が掛かりますので、第2章の数字につきましては比較的お金が掛からないかなと思っていまして、これにつきまして検討していきたいと思っております。
 できれば全体をやりたいんですが、なかなかお金がないものですから、今のところでやれるとしたら、この第2章、つまり数字についての英訳をしていきたいかと思っております。
【安井(明)主査】  ありがとうございます。
 ほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、その他の項目になりますけれども、事務局からお願いいたします。
【太田室長】  ありがとうございます。それでは、幾つか当方からでございますが、まず、追補2017でございますけれども、昨年、追補2016を出させていただきました。各地を回らせていただいて説明等をさせていただいたんですけれども、なかなか知られてないというのを我々痛感しておりまして、追補2017ができた暁には、何らかの形でPRをより積極的にしていきたいと思っています。
 成分表自体、5年に一度出るというのはかなり知られてきていまして、逆に言うと、5年に一度しか出ないというような認識が非常に、私が受けた印象ではあるものですから、追補2016ないしは来年は2018だと思いますが、こういったものがあるんですよということをPRしていきたいと思っておりますので、PRの方法について何か有効な手立てがあれば、ないしは、PRにつきまして引き続き御協力いただければ有り難いかなと思っています。
 去年はある団体に、関係する団体でございますが、当方からペーパーを出させていただいて、団体の支部の方とかにも配布してくださいとお願いをしたんですが、もう少し積極的な動きが必要だったんじゃないかと思っております。
 以上でございます。
【安井(明)主査】  ありがとうございます。何かアイデアがありましたら。この前も内部でお話ししましたけれども、関係学会とか栄養士会のホームページに載せていただくように要請を出すと非常によろしいと思います。
【太田室長】  はい、そうですね。
【安井(明)主査】  委員の方も所属学会があると思いますので、そちらで広報の欄が多分あると思うので、その辺も利用していただけたらと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、そのほかに連絡事項がありましたら、お願いします。
【太田室長】  それでは、二つほど連絡させていただければと思います。
 一つは、今後の日程でございます。本日11月7日でございますけれども、食品成分委員会で御検討いただきました。その結果を踏まえまして、資源調査分科会を従来どおりやっていきたいと思っております。具体的な日付としましては、11月24日金曜日でございますが、開催する予定でございます。
 それを踏まえまして、もちろんここで、11月24日が通ればという前提でございますが、通った暁には、成分表の追補2017の公表というわけでございますが、予定としましては、今のところ、12月22日金曜日に予定をしております。順調にいってほしいなと思っております。それが一つ目でございます。
 二つ目は、今、最終的なチェックないしは、先ほど説明させていただいた30年度の食品分析リストの最終的な調整をしている段階でございます。各先生方においては、今ある構成の最終校ないしは食品分析比率について引き続き御理解と御協力を頂ければと思いまして、ないしは、それに対してコメント等、より積極的に頂ければ有り難いと思っております。
 以上でございます。
【安井(明)主査】  ありがとうございます。
 一応、議題については全て終了しましたけれども、皆さんから何かコメント、御意見等ありましたら。よろしいでしょうか。
 それでは、これで閉会にしたいと思います。皆様、長時間、どうもありがとうございました。御苦労さまでした。

―― 了 ――

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