第九期食品成分委員会(第13回) 議事録

1.日時

平成29年4月28日(金曜日)13時00分~14時00分

2.場所

文部科学省15階科学技術・学術政策局会議室1

3.議題

  1. 運営規則の確認等について
  2. 平成29年スケジュール等について
  3. 今後の課題と対応の進捗について
  4. その他

4.出席者

委員

安井明美主査、渡邊智子主査代理、上田浩史委員、小竹英一委員、久保田紀久枝委員、斎藤洋昭委員、佐々木啓介委員、佐々木敏委員、関谷敦委員、高橋文人委員、滝本秀美委員、竹林純委員、内藤成弘委員、中村ゆり委員、本田佳子委員、門間三千子委員、安井健委員

文部科学省

太田資源室長、伊藤補佐

5.議事録

○ 食品成分委員会作業部会を設置し、作業部会の主査、主査代理の指名及び選任を行った。

【安井(明)主査】  よろしいでしょうか。それではここから公開となります。
 続いて議題2に入ります。平成29年度スケジュールについて、事務局から資料を基に説明をお願いいたします。
【太田室長】  それでは議題2ということでスケジュールについて御説明したいと思います。お手元の資料6と資料7をお開きください。座って説明したいと思います。
 資料6でございます。「平成29年度作業スケジュール(予定)」となっているものでございます。平成29年度でございますけれども、その頭にあります次期改訂に向けた中長期的な課題の検討とともに、追補2017年、名前としてはまだ仮でございますが、多分こうなると思いますが、これの策定を行うのが大きな業務となっております。
 下にスケジュール感が載っております。3月22日に資源調査分科会を開催いたしました。ここで食品成分委員会を設置いたしまして、本日4月28日、食品成分委員会の開催となっております。これから約半年かけまして、9月まで作業部会を4回から5回ぐらい開催いたしまして三つのことについて検討したいと思っています。
 一つは、追補2017年の収載食品の各成分値及び食品群別留意点等の検討を行いたいということでございます。そこの参考にありますとおり、本年度検討する食品数はおよそ140あります。これにつきましては後の資料9で説明したいと思います。
 二つ目が、成分値の検討を踏まえまして、成分表のその他の関係項目の整理を行いまして追補2017年の全体を作成したいと思っております。
 三つ目でございます。次期改訂に必要となる中長期的な課題について、併せて検討したいと思っております。
 こういったことをしながら9月まで作業部会等を開催しまして、10月に食品成分委員会を開催する。ここで先ほど言ったような半年ぐらいかけたものの集大成として、全体の検討を行って、11月には資源調査分科会をやりまして、そのときに検討結果を報告させていただければと思っております。
 資料7でございます。先ほど申し上げた追補2017年の構成イメージをここで御議論いただけないかと思っております。これが今のところ事務局の案でございます。
 頭のところを読ませていただきます。追補2017年につきましては追補2016年と同様に合冊としまして、以下のような構成を想定しております。各項目の内容につきましては基本的に追補2016年を踏襲するものと書いております。お手元に今年の追補2016年があります。もしあれば、この色のものを。
【伊藤補佐】  一番下に。
【太田室長】  ちょっと見にくいと思いますがこれが今年のものでございます。もしよろしければ1ページをめくっていただいて、こういうものが出てくると思います。この右のところに構成が載っています。第1部、日本食品成分表(七訂)追補2016年と。それからアミノ酸成分表追補2016年、脂肪酸成分表追補2016年、炭水化物成分表追補2016年、資料という5部構成になっておりまして、本来ならば4冊分冊をこういった1冊にしたのが追補2016年でございます。今回の追補2017年につきましても同じような形で5部構成がいいかなと思っておりまして、そこにあるのが構成イメージとなっています。第1部から第4部につきましては今までどおり、追補2016年と全く同じ構成内容でございます。
 特に御議論いただきたいのは第5部でございます。資料となっております。今のお手元の追補2016年をめくっていただいて137ページでございます。今の資料編はエネルギー換算係数と窒素-たんぱく質係数、それからナイアシン当量という二つの数字を全食品について係数化、表化したという、初めての試みをしたわけでございますけれども、今回追補2017年ではどんなものがいいのかということでございます。もちろん第5部がなくてもいいのでございますが、追補2016年で作ったものですから、追補2017年につきましても第5部を作りたいなと思っています。
 事務局が今イニシャルなものとして考えたのが、例えば食品群別留意点です。今成分表本体に書いてありますデータの由来が、食品群別留意点に言葉で書いてあります。こういったものを表化して載せるのも一つのアイデアではないかと思っております。この辺を御議論いただければ有り難いかなと思っております。以上でございます。
【安井(明)主査】  ありがとうございます。何かありますでしょうか。いかがでしょうか。スケジュールとしては昨年よりも大分前倒しになって皆さんに作業していただくことになっております。スケジュールについてはよろしいでしょうか。
 第5部の資料編についてはいかがでしょうか。昨年と同様にエネルギー換算係数、窒素-たんぱく質換算係数、ナイアシン当量を載せる予定にしておりますけれども。これについては新しく今回決める140種の食品について載せるということですね。
【太田室長】  そのとおりです。去年は2,191(食品)載せましたので、今年は140(食品)のナイアシン当量の載せることを考えています。
【安井(明)主査】  はい。いかがでしょうか。事務局からデータの由来の一覧というお話もありましたけれども、データについてのドキュメンテーションも課題の中に入っておりますので、これについては載せる方向で作業をしていただきたいと思っております。
 ほかに、これは是非載せていただきたいというものがありましたら御提案を頂ければと思いますけれども、よろしいでしょうか。会議が終わった後でも、ありましたら御提案を頂ければと思います。
【太田室長】  ありがとうございます。
【安井(明)主査】  それでは次に移りたいと思います。議題3に入ります。今後の課題と対応の進捗について、事務局から資料を基に説明をお願いいたします。
【太田室長】  すみません、資料8をおめくりください。資料8、日本食品標準成分表の更なる充実に向けた今後の課題と対応方向案でございます。これにつきましては、右肩を見ていただければと思いますが、平成28年2月12日に、1年三か月くらい前でございますが、1回作成いたしまして、その後検討を経た最近の状況をここで加除訂正しているものでございます。このペーパーでございますけれども、短期的課題と中期的課題の二つの構成になっておりまして、最初、「短期的課題(平成28年度から着手)」について御説明したいと思います。
 短期的課題でございますけれども、最初でございます。1)新しい食物繊維の分析法(AOAC2011.25)の妥当性検証と食物繊維の再分析というところでございます。これは、昨年度でございますけれども、調査事業を行いまして、新しい食物繊維の分析方法の検証を行っております。この調査事業の結果を踏まえまして、実際に平成29年度以降、該当する食物繊維のある食品については新規分析、ないしは再分析を行うということで今実際行っているところでございます。そこの実施状況を見ていただければと思いますけれども、最後のところですが、平成29年度新規分から導入・実施予定となっておりますが、今公募中でございまして、今年の平成29年度分析からこの新しい分析方法が導入されるということにしております。これが1点目でございます。
 2)アミノ酸組成分析法に関する新しい解析法の妥当性検証というところでございます。今年度の調査事業として考えているものでございます。より信頼性の高いたんぱく質の質量を得るために、従来用いているアミノ酸の組成解析法の欠点を補う、一つの水準だけではなくて多水準の加水分解を用いる方法の導入の適否について、解析法を含めて検証を行うものでございます。これにつきましては今実施機関を公募中でございまして、今年度末までに一定の結論を得たいと考えております。
 3)は今後の検討課題でございます。脂質分析におけるクロロホルム-メタノール法の代替法の検討でございます。現在できるだけ使用しないように勧められているクロロホルムを用いた脂質の抽出を行って分析を行っているのですが、一部脂質が少ない、例えば5%未満等の食品、とりわけ魚介類について、クロロホルムを用いない方法を用いております。今後、脂質の量に関わらずクロロホルムを用いない方法で分析できないか、これから検討していきたいと思っております。
 4)でございます。次期改訂に向けた質の高い食品成分データの蓄積でございます。これにつきましては既に昨年度からこの指針に従って新しい食品の分析を進めているところでございます。(1)から、次のページにありますが、(5)まで現在進めております。後から資料9で説明させていただきます平成29年度の分析ですが、この(2)の炭水化物組成、アミノ酸組成及び脂肪酸組成の収載値の増大というところ、次のページの(4)既収載食品の追加分析という微量5成分、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン、ビオチンといったところを重点化して実施したところでございます。つまり、全体の(1)から(4)までは昨年から既に実施しているということです。
 (5)要検討食品でございますけれども、二つありまして、最初の栄養補給食品、いわゆる健康食品でございますけれども、これにつきましては昨年議論して、事業尚早ではないかということで検討課題として今のところ除かれています。他方、その下にあります伝統食品及び少数民族食品については引き続き取り組むことになっていまして、伝統食品につきましては、現状説明のところにありますとおり4月21日までの締切りでアンケート調査を実施しております。今のところ12県から食品が挙がってきていまして、今その内容を分析中でございまして、今後皆様方にお諮りしていきたいと思っております。
 5)その他でございます。幾つか項目がありますが、(1)の毎年度データ、それからビオチンのところ、それから(3)のクロマトのところにつきましては実施済みでございます。そのため、バー線を引いております。
 旧(4)、新の(1)として収載値の根拠となるデータの体系的整理、Value documentationの導入につきましては、先ほど主査からお話があったとおり、今期検討する課題になっておりまして、資源室としてもまず根拠となるデータについて整理を行っているところでございます。
 それから国際協調としてのLanguaL、それから100キロカロリー及びたんぱく質10グラム当たりの成分表については今後検討していくということでございます。
 二つ目のところ、中期的課題でございます。平成29年度から方向性を検討しまして適宜実施ということになっております。最初のKey Foods Approachでございます。Key Foods Approachについては、御存じのとおりアメリカ、USDAでかなり導入されているものでございますが、我々も厚生労働省からデータを頂きましてそれを食品分析のリスト化に役立てております。後から出てきます4)の(4)のところに食品分析の選定基準がありますが、このところと併せてKey Foods Approachを更に検討していきたいと思っております。
 2)エネルギーの再計算でございます。これにつきましては非常に大きなイシューだと思っておりまして、かなり前からの課題でございます。この数年間というか、五、六年以上前からの継続的課題だと思っています。端的に申しますとエネルギー換算係数の検討でございます。その下に幾つかポツがありますが、英国というポツがあります。英国ではたんぱく質4キロカロリー、脂質9、利用可能炭水化物3.75と、いわゆるたんぱく質、脂質、炭水化物4、9、4という係数を、ちょっとひねった形で使っていたり、下に米国がありますが、Atwater+アルコール6.93とあります。こういったように各国でも換算係数が違ってきております。また、次のページでございますけれども、頭に豪州・ニュージーランドがあります。豪州・ニュージーランドでもまた違った係数を用いているという、各国ばらばらな状況でございます。
 こういった中で、次のページの真ん中に、「FAO/INFOODSのガイドラインにおけるエネルギー換算係数」とあります。Atwaterの係数が幾つかのバリエーションについて載ております。General Atwater factors、More extensive General Atwater factors、Specific Atwater factors、General Atwater factors as proposed by Codex for food labellingと四つありますが、これらがINFOODSガイドラインに載っているもの、とりわけこの中のMore extensive General Atwater factorsがINFOODSとかではかなり推奨されているものでございます。我々、平成29年度につきましては、今収載している全2,222の食品について、この試算、INFOODSのガイドラインに基づいた係数で試算してみて、現状との数字の違いを見てみたいなと思っております。
 3)新たな成分項目の収載の是非でございますが、(1)ナイアシンにつきましては御存じのとおり追補2016年で既に収載しております。
 二つ目のところ、諸外国で取り組まれている項目につきましては、昨年検討した結果、ここにありますように植物ステロール、リコピン、ルティン、ゼアキサンチンではなくて、新しい食物繊維について収載を検討しております。具体的に申しますと次のページの現状説明のところにありますが、分析する高分子水溶性食物繊維(SDF)、低分子水溶性食物繊維(LDF)、高分子不溶性食物繊維(IDF)、難消化性でんぷん(RS)といったものにつきまして来年度以降成分表の成分項目が増えると考えているところでございます。
 トコトリエノールにつきましても検討したんですけれども、これについてはまだ収載には至っていないところでございます。
 その他の検討項目でございます。これにつきましては、新規案件も含めて検討がまだ行われていないところが多数あります。最初の計算値の取扱いでございますが、いわゆる本表と言われるものの括弧書きの取扱いと、組成成分表の括弧書きについて違いが見られている、表示に違いが見られておりまして、これについての取扱いを検討しなければいけない。それから現行の本表にあります18類、調理加工食品、例えばレトルトカレーみたいなものでございますが、そういったものの取扱いの検討を、昨年一定程度しましたけれども、もっとしなければいけないという状況でございます。(3)、(4)、(5)、(6)、(7)あたりは新規ということでこれからもっとやっていかなければいけない状況になっています。
 成分表に関する課題を列挙いたしました。以上でございます。
【安井(明)主査】  ありがとうございます。皆さんからコメント、質問等ありましたらお願いします。いかがでしょうか。
【齋藤委員】  1の短期的課題の中の3)の脂質分析におけるクロロホルム-メタノール法の代替法の検討というところで、ちょっとコメントを申し上げたいと思います。
 様々な手法を検討するのは大事なことで否定はしないんですけれども、本項目についてはちょっと疑問点があります。1点は、2年前に脂質抽出に関しまして妥当性検証を行って、その結果現成分表で行われているヘキサン-イソプロパノール法というのが、少脂魚介類、いわゆる非常に油分の少ない魚介類に対しては、Folch法と異なるデータが得られたということで、特に軟体類ではFolch法と併用したり、あるいは併記することが決定されたように記憶しております。
 もう1点は、その中でホルチ法というのは1957年、あるいはBligh & Dyer1959年にそういう方法が出されて以来、60年以上にわたって世界中の脂質学者が用いてきた手法であるわけですが、それに対してヘキサン-イソプロパノール法というのは本成分表のみが使用している手法です。前にも申し上げましたように、世界中の脂質学者とか研究者が通常使用して、皆さんに認知されて初めて割と安心して使用できるように私自身が考えております。現時点でホルチ法がほぼ絶対的な手法と言えるので、数例ではございますけれども、差が確認された以上、今後も併記するべきではないかと考えます。
 以上、ちょっと御確認を取っていきたいなと提示するものでございます。
【安井(明)主査】  ありがとうございます。
【太田室長】  ありがとうございます。これにつきましてはまだアイデアの段階でございますので、もっと議論させていただいて、先生のコメントを踏まえて検討していきたいと思います。
【齋藤委員】  どうもありがとうございます。
【安井(明)主査】  ほかはいかがでしょうか。
【齋藤委員】  あともう1点、(5)の要検討食品の中で、伝統食品及び少数民族食品という言葉の、少数民族食品が一般的な言葉として、いわゆる日本の食生活になじむ言葉かどうか、ちょっと引っかかるような気がしているんですけれども、何かここに対して注意書きとか、できればもうちょっと柔らかいというか、一般的な表現、例えば地域特産だとか、地方特有のとか、そんな形の表現でもいいのかなと。少数民族というと多分アイヌ民族のことだと思うんですが、余り一般的にそういう、食品として皆さん御存じないと思うので、これをあえて出すのであれば、そこについて注意書きとかが必要ではないかと考えますけれども、いかがなものでしょうか。
【太田室長】  この行なんですけれども、二つ項目がありまして、一つは伝統食品と、二つ目が少数民族食品でございます。先生の御指摘があったように、後半の方はアイヌ民族の食品でございます。最初の伝統食品につきましては地域で長く食べられているもので、そういう意味で言うとアイヌと全然関係ない、地域に由来する食品でございまして、1行に書いてしまってはいます。伝統食品も、もし分かりにくければ名前を変えますし、少数民族食品って確かに余り言わないかもしれない。
【齋藤委員】  なじみのない言葉なものですから、何かそれに対する注意書きみたいなものが必要ではないかと考えます。
【太田室長】  分かりました。分かりやすいように注意書きを付けるか、若しくは別の表記にするかさせていただきます。
【安井(明)主査】  ありがとうございます。ほか、いかがでしょうか。
【関谷委員】  先ほどの資料7の第5部の資料の最後のところと、今の資料8の短期的課題の3)の新しく1のところでしょうか、データの整理をするのは大切だと思うんですけれども、でも結構これは大変なはずなんですよ。ですから、単年度というよりは何年かにわたってできるようにした方がよろしいんじゃないかと思うんですけれども。
【太田室長】  本当にそうだと思います。恐らくデータの整理、とりわけ電子化は、今抱えている業務の中でも緊急度が、一番とは言わないまでもかなり高いのですけれども、今御指摘にあったとおり中長期的に時間をかけないといけないので、事務局としても、年度計画とまではいかないまでもある程度の年限を踏まえてやっておかないと、追補を作りつつ現実的なデータ整理というのは難しいのかなと思っております。ありがとうございます。
【安井(明)主査】  ほか、いかがでしょうか。どうぞ。
【安井(健)委員】  3ページの(2)の国際協調ですけれども、ここにLanguaLを用いた食品の記述とありますけれども、しばらく前にINFOODSから、欧州食品安全機関が作ったFOODEX2という食品を記述するシステムがあるんですけれども、それも食品の記述に使ってほしいというお願いがメーリングリストで流れていました。恐らく資源室で使うんだろうと思うんですけれども、二つの違うシステムを使うことになってしまうんですけれども、INFOODSはそれをやってほしいような書きぶりでしたので、それも頭の片隅に入れておいていただくと、INFOODSのやりたいことと日本の成分表が一致していくことになると思いますので、よろしくお願いいたします。
【太田室長】  LanguaLとは違う。
【安井(健)委員】  違うんです。
【太田室長】  全然違うんですか。ややこしいですね。ありがとうございます。
【安井(明)主査】  どうぞ。
【渡邊主査代理】  その他のところの調理方法の概要表の改善ですけれども、先ほどの資料5に、要望がもう来ているのであれば、この改善を行って先ほどの5章に加えるというのはいかがでしょうか。
【太田室長】  第5部のところですね。
【渡邊主査代理】  はい、そうですね。
【太田室長】  第5部でそういったものもアイデアとして検討していくのは可能でございまして、今後、また半年の中で、時間がありますので、また先生方に追加の第5部の御議論を頂ければ、作成時間がかかるので、先ほどのスケジュール感との兼ね合いで、いつかの時点で第5部の内容を決めたいと思いますので、これから先生方と作業部会等を開催する中で御議論を頂ければ、少なくとも夏ぐらいまでには決めていきたいので、今ここではなくてもアイデアをその場その場で出していただければ有り難いと思っております。
【安井(明)主査】  ほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。今コメントを頂いた件については今後作業部会、企画部会等の中で議論していきたいと思います。
 それではその他につきまして、分析食品一覧につきまして事務局から説明をお願いいたします。
【太田室長】  資料9をお開きください。先ほど資料6の中で140ぐらいありますというお話をさせていただきました。これが資料9でございますけれども、今年度検討を行いたい、端的に申しますと追補2017年に収載する予定の食品の一覧でございます。これから半年かけて成分値等々を決めていきますので、今後これが最終的に成就するかまだ分かりませんけれども、取りあえず今のところのリストということで御理解を頂ければと思います。正確には食品数は138、最後のペーパーに書いてあります。
 今回の食品の特徴でございますけれども、先ほど御説明しましたように微量成分をかなり充実させております。本表記載成分というところで米印をしておりますが、そこが微量成分、微量成分以外も、カロチンも入っていますが、そういったものについて成分表を充実させるというのが1点。
 それから今回アミノ酸と脂肪酸について再分析を含めかなり充実させております。アミノ酸については、今推定値がかなり多いのですが、今回かなり成分分析を実際しているという点、それから脂肪酸は、かなり古い分析が多いのですが、それにつきましても新しく、魚を中心にして分析を行ったといったところでございます。これらにつきましてできるだけ早く議論を行いまして、先ほど申し上げました10月の食品成分委員会のときには全体を御報告できればと思っております。以上でございます。
【安井(明)主査】  ありがとうございます。皆様から何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。本日の議題全体について何かございましたらお受けいたしますけれども。
【佐々木(敏)委員】  本日の議題以外のところで。
【安井(明)主査】  以外。はい。結構ですよ。
【佐々木(敏)委員】  本日の議題と全く関係ないんですけれども、この食品成分表はいろいろな出版社から出版されて使ってもらっております。とても有り難いことだと思うんですけれども、その出版されている名称が統一されていなくて、そのために使っておられる方が、「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」であることを認識されていない。又は認識が困難である書籍が実際に出回っているように私には見えます。それに関してこの中で、きょう第1回ですので御議論を頂ければなと。
 一つの参考事例といたしまして、厚生労働省の食事摂取基準におきましては、こういう名称を使ってくださいということを出版社側に、非公式情報だと思うんですけれどもお願いしたのではないか。その結果だと私は理解している。その事実は私はつかんでおりませんが、その結果として出版物として出版社から出版されたものに、「日本人の食事摂取基準(2015年版)」という名称がそのまま使われている。それに対してこの食品成分表に関しては、2015年版であることが小さく書いてあってほとんど読めない状態になっている。その状態に対して先生方はどうお考えかというところを御意見を頂ければと思います。
【太田室長】  我々も、各社から問合せが来ていまして、出版もそうなんですが、そのとき必ずこの名前、「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」までフルネームで付けてくれと、聞かれたら絶対に言うことにしております。今先生御指摘のところは、もしかして我々に問合せなくしてやっているのかも。
【佐々木(敏)委員】  それが、とても小さく、しかも色の違いも、字と余り違わないという、読みにくい。そして正式名称にはその名称が出ていない出版物があるんです。それを資源室としてどのようにお考えになるか、そして委員の先生方、どのようにお考えになるかというところです。
【安井(明)主査】  いかがでしょうか。
【渡邊主査代理】  おっしゃるとおりだと思います。特に2016年の追補版が出たので、栄養士養成校の教員からも2016年追補版に2015年版も含まれているのかとの質問もありました。正しい情報の周知がなかなか難しくなっています。市販されている本も両方入っている親切な本と、片方だけという本がありますよね。そうすると自分がどっちを使っているかが、きちんと解説を読まないと分かりにくくなっているので、佐々木先生がおっしゃったように表紙のところに両方入っているんであれば,両方のタイトルが入っているとか、片方なら片方の名称を示していただければそういう混乱は少なくなるんじゃないかと思います。
【太田室長】  名称は唯一無二のこれしかないですね。
【中村専門官】  はい。
【太田室長】  我々非常に多くの、いろいろな形で出版社とか業界の方から名称を使わせてくださいと来るんですが、この名称しか言っていなくて。ただ、色とかは言っていないんですね。名称は必ずこの名前、追補2015、フルネームで、七訂まで、7は漢字にしてくださいとまで言っているんですが。
【佐々木(敏)委員】  だけど、出版物の書名を見るとそう書いていないものがあると。
【太田室長】  実際コントロールできるかというと、なかなか。
【佐々木(敏)委員】  恐らくコントロールということではなくて、少なくともこういう言葉を含めることを推奨していますとか、そういうような文章を出していただけるとよろしいかなと思いますが。
【渡邊主査代理】  インターネット上で周知していただいてもいいんですよね、成分表のところで。各出版社が出版される場合はこういう名称で行ってくださいと記載していただくことではどうでしょうか。。
【太田室長】  ホームページで書くということは。
【中村専門官】  できます。
【安井(明)主査】  これの複製については資源室に相談することとなっているんですが、相談はしなくてもいいという。
【太田室長】  そのとおりなんです。昔はこれを、決裁を取っていたんですが、事実上フリーになっていて、オープンデータ、オープンアクセスみたいな形になっていて、自由に使われているので、問合せがあれば必ずこのことをと言っているのですが、複製の複製になると孫コピーみたいになってしまうと、ちょっと難しい。ただ、おっしゃるのは分かりますし、成分表が分からない人はこの「七」の意味も分からなくて、一般に成分表と言われると何だかよく分からないものになってしまっている。時代、版が変わると中身も全然違う。特に追補ができてしまったら分かりにくくなってしまうのは事実ですので、ホームページか何かで周知できればと思います。
【佐々木(敏)委員】  よく「標準」が落とされるんです。
【太田室長】  標準ですか。
【佐々木(敏)委員】  ええ。そうするともう名称が異なものになってしまう。
【太田室長】  分かりました。ホームページか何かで。
【安井(明)主査】  徹底されるように、事務局で御相談して対応をお考えください。
【上田委員】  今の御意見、ごもっともだなと思って聞いていたんですけれども、既に発刊されて世に出回っているものは、これは何版という周知徹底までは積極的に介入してやっていかないという理解でよろしいでしょうか。
【太田室長】  そうですね。それは、我々も全部把握できていない。
【上田委員】  どこかに集中して、例えば文部科学省のホームページにリンクしているところで、今出回っているものを拾ってきて、これは何版ですという対応表みたいなものを表示できると、御覧になる方も整理できるかなと思うんですけれども。
【太田室長】  そうですね。繰り返しにはなるのですけれども、我々に問合せがかなりありまして、そのときにはデータを使っていいですかと聞かれた際、我々も先ほど言ったようにフリーなわけですので、どんどん使っていいですよと回答します。そのときにはこの名前は必ず使ってくださいと、例えば、「追補2016年」は必ず使ってくださいと言っていまして、そのことは我々も把握できていて、状況をできるだけ記録もしているんですが、さっき言ったようにどんどん印刷され、、フリーですので、全部が全部把握できない。前の成分表2010年のときまでは把握できていたんです。そのときは決裁もしていたので、それをたどれば言えたのですけれども、その場合、上田先生がおっしゃるように、多分全部できたと思うんですが、今は我々が把握できたものしか分からないという状況です。
【渡邊主査代理】  ただ、追補版が出るようになってから、ある程度のシェアを持っている、成分表を作っている会社は,毎年出すところが多くなりましたよね。だから、そういう意味では周知をすれば、今年度版はそうなっていないかもしれないけれども、来年度から変わっていく可能性は非常に高いと思います。
【太田室長】  そうですね。ただ、出版をかなりやっていただいている会社は多分間違えないかもしれない。「標準」を間違えることは多分ない。我々より間違えないかもしれませんから。
【安井(明)主査】  ほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。なければ本日はこれで閉会することといたします。
 事務局の準備の終了後に引き続いて作業部会、動物性食品に関する部会を開催いたします。ほかの部会の委員の方におかれましても出席していただいて構いませんので、よろしくお願いいたします。休憩時間を何分取りますか。
【太田室長】  予定は20分ぐらいですが。
【安井(明)主査】  そしたら開始は何分にします?
【太田室長】  じゃあ20分で。10分で。
【安井(明)主査】  14時10分に開始いたします。よろしくお願いいたします。
 それでは、皆さんお疲れさまでした。ありがとうございました。

── 了 ──

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