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総合政策特別委員会(第15回) 議事録

1.日時

平成28年11月24日(木曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省3階1特別会議室

東京都千代田区霞が関3-2-2

3.議題

  1. 経済社会・科学技術イノベーション活性化委員会等の政府における取組動向について
  2. 超スマート社会(Society5.0)の実現に向けた取組・推進体制の在り方について
  3. オープンサイエンスの推進について
  4. その他

4.出席者

委員

濱口主査、新井委員、伊地知委員、小野寺委員、木村委員、庄田委員、白石委員、竹山委員、知野委員、土井委員、細野委員、結城委員

文部科学省

伊藤科学技術・学術政策局長、田中研究開発局長、川上科学技術・学術政策研究所長、真先大臣官房審議官(科学技術・学術政策局担当)、板倉大臣官房審議官(研究振興局担当)、信濃大臣官房政策課長、村上科学技術・学術政策局企画評価課長、ほか関係官

5.議事録

科学技術・学術審議会 総合政策特別委員会(第15回)

平成28年11月24日

【濵口主査】
  それでは、お時間になりましたので、ただいまから科学技術・学術審議会第15回総合政策特別委員会を開催させていただきます。
  委員の皆様におかれましては、あいにくの天気でもございます。また、お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
  最初に、事務局より出席者の紹介をお願いいたします。

【宮地企画評価課課長補佐】
  それでは、事務局より御出席者を御紹介いたします。
  本日は、稲葉委員、春日委員、五神委員、永井委員、西尾委員、松本委員が御欠席されております。また、新井委員は遅れて御出席される予定となっております。その他の委員の方々には御出席いただいております。
  以上でございます。

【濵口主査】
  ありがとうございます。
  それでは、会議開催に当たりまして、事務局から配付資料の確認をお願いします。

【宮地企画評価課課長補佐】
  事務局から御説明を差し上げます。資料については、お手元の議事次第の裏にございますように、資料1から3と参考資料1、2を配付してございます。
  また、机上資料としてファイルに入った基本資料を置かせていただいております。
  あと、委員の方々には、次の議題2のSociety 5.0について、御欠席しておりますけれども、西尾委員からコメントを頂いておりますので、後ほど紹介させていただきます。
  以上でございます。

【濵口主査】
  ありがとうございます。
  本日の議題ですが、主に3つの議題がございます。
  まずは、政府における取組動向として、経済社会・科学技術イノベーション活性化委員会の審議状況について、事務局から紹介がございます。
  その後、以前より御議論いただいております重点的調査検討事項のうち、超スマート社会の実現に向けた取組・推進体制、それから、オープンサイエンスの推進について、事務局からの説明を頂いた後、御意見を頂きたいと思います。
  なお、前回及び今回の御意見を基にしながら、今期の総合政策特別委員会としてのまとめについて、次回、次々回で議論を進め、提言をまとめていきたいと考えております。文部科学省においては、この報告書に基づき、平成30年度概算要求の検討やその他、今後の施策の検討に資するよう取組を進めていただきたいと考えております。
  それでは、議題(1)に入らせていただきます。経済社会・科学技術イノベーション活性化委員会における審議状況や、その他関連する会議の動向について、事務局より説明をお願いします。

【宮地企画評価課課長補佐】
  事務局より「科学技術イノベーション官民投資拡大イニシアチブ(仮称)中間報告」という資料を基に御説明を差し上げます。このイニシアチブでございますが、「600兆経済」の実現に向けて、科学技術イノベーションの活性化を図るために、平成28年6月に経済財政諮問会議と総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)の下に、「経済社会・科学技術イノベーション活性化委員会」を設置したということでございます。その1回目の審議状況については、前回の会議でも御報告を差し上げたところでございます。そのアップデートとしまして、10月14日に本中間報告が報告されましたので、御説明を差し上げたいと思います。この中間報告については、引き続き検討を進め、年内をめどに最終的に取りまとめを行っていく予定とのことでございます。
  まず1つ目、基本的な考え方でございますけれども、CSTIの司令塔機能の強化を図り、産業界との連携を通じ、予算配分の仕組みを構築していく。
  2つ目としては、イノベーション創出を阻害している制度、仕組みの徹底的な見直し。
  3つ目としまして、「政府研究開発投資の目標(対GDP比1%)」の達成、大学等への民間投資の3倍増を目指すことを基本的な考えとしているところでございます。
  また、この基本的な考え方に基づきまして、活性化に向け、下の枠に入っている3つのアクションをまとめてございます。
  1つ目として、「予算編成プロセス改革アクション」でございまして、これまでもCSTIにおいてはSIP事業がありますけれども、新型推進費の導入も含めて、こういったSIP事業関連の取組を継続・発展させていって、相乗効果を発揮させていきたいということでございます。具体的には、民間投資誘発効果の高いターゲット領域を設定すること。あとは仮称でございますけれども、推進費を活用する。
  3つ目で、連携コーディネーターを指名しつつ、4つ目として、ステージゲート方式による評価を進めていくことでございます。
  (2)「制度改革アクション」でございまして、産業界からの投資拡大のための大学改革等、制度改革を実施することでございます。
  新たな制度改革としては総ざらいをすることでございまして、大学改革、産業連携、オープンイノベーション促進、ベンチャー企業支援、地域活性化など、そういったところの制度改革を提言していることでございます。
  (3)エビデンスに基づく政策推進のためのアクションということで、3つ目でございます。エビデンスに基づくPDCAサイクルの確立や投資効果等の「見える化」や、そのためのインプットからアウトプット、アウトカムに至る情報を体系的に独自に収集・相互に接続するということ。
  または、重要な政策課題の調査分析をすることが主なところでございます。その本文につきましては、次のページ以降に付けさせていただいております。
  簡単ですが、以上でございます。

【濵口主査】
  ありがとうございました。もし本中間報告を取りまとめた際に、会議に御出席された白石委員よりコメントがありましたらお願いしたいと思います。

【白石委員】
  ごく簡単に申し上げます。本文の方で申しますと2ページ目の2ポツ、「経済社会・科学技術イノベーションの活性化に向けた『3つのアクション』」の2つ目のパラグラフ、「科学技術・イノベーション予算の抜本的強化を通じ、内閣府におけるSIP及びImPACTの拡充を含めた継続的実施等について、実現を目指すべき」と、極めて微妙な書き方になっておりまして、この辺がどうなるのかというのが、正直申して折り合いがついていない部分でございます。ですから、最終報告に向けて、この辺の文章がどう変わるのか。それが先ほど説明のありましたアクションの1、予算編成プロセス改革につながってくると読んでいただければ、この中間報告の論点が分かるのではないかと思います。

【濵口主査】
  ありがとうございます。
  それでは、先ほど事務局から説明いただいた内容を含めて、この件に関して御意見、御質問等あります方はお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。御意見ございませんか。
  竹山先生、いかがですか。

【竹山委員】
  今、白石先生がおっしゃった、実現を目指すところがまだ不明瞭だというお話があったのですけれども、今、いろいろな大型予算が出たときに、それが終わったときに継続するかどうかというのはいつも問題されているところだと思うのですが、SIPに関してもImPACTに関しても、それは同じかと思うのです。ただ、現状、それ自身を伸ばすことは重要だとは思うのですが、かえって集中し過ぎていて、新しい芽が出てくるところへの配分がおろそかになる可能性も出てくるところがあるかと思うのです。そこの帳尻は、この中でどんな考え方で進めようと、新しい芽をどうやって拾い上げてくることと、既にできたものをもっと拡充していくこととのバランスは、どのように皆さんお考えなのかを教えていただければと思います。

【白石委員】
  今のところ、まだ具体的にどのような分野ないし研究提案にファンドをつけるのか、そこまでは全くいっていなくて、むしろもう少しはっきり申しますと、SIP及びImPACTの拡充を含めた継続的実施のためには当然お金がいるわけですけれども、財政が極めて厳しい中でそのお金をどこから取ってくるのかが、実は今、一番大きい争点になっていることでございます。

【濵口主査】
  前回のケースでいくと、各省庁から捻出している状況がございました。そこはすごく今回も微妙な点になってくるかと思います。
  それから、御質問の点では、ステージゲート方式による評価を導入するというのがあって、これはある種間口を広くして絞り込んでいくやり方ですので、従来よりも幅広く、まず入り口は確保されるだろうという感じがします。
  ほか、御意見ございますか。
  どうぞ、土井先生。

【土井委員】
  今、竹山委員から御指摘のあった、新しく起こすという話の後にプロジェクトが終わったときにどうその成果を生かしていくか。ステージゲートで、途中で終わるものもあるのだと思いますが、ただ、そのときにデータは継続して使えるようにするとか、後ほどオープンサイエンスの話もありましたけれども、そこも是非考えていただきたいと思います。そういう意味では、この報告書の3ページで大学改革、産学連携、オープンイノベーションの促進ということでマッチング型とかいろいろ書いていただいていますけれども、得られたデータをその後、いろいろな形でビッグデータとして、ほかの異分野からも使えるようにしていくことを考えていくことも、投資を無駄にしない観点では非常に重要かなと考えております。是非よろしくお願いいたします。

【濵口主査】
  重要な点ですね。あとでオープンイノベーションの点はまたしっかり御議論お願いしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。ほかはいかがでしょうか。
  はい、小野寺先生。

【小野寺委員】
  科学技術イノベーションの投資の拡大については、経済界としても経団連の方では、Society 5.0実現部会なども作って活動しているのです。一方で、予算の問題が非常に大きな問題だということで、先日、経団連からも年間2,500億円の新規の政府研究開発投資をするようにという提言書をまとめています。ただ、おっしゃるとおり、新規というところが非常に財務省の縛りがきついというお話は伺っていまして、新しい産業を興して、今のGDP600兆円を目指すのであれば、2,500億程度の新規をやらないと無理ではないかというのが、経団連側の見解です。そのときに各省庁の方から、「飽くまでも新規ですよね」とくぎを刺されているのですけれども、まさしく新規だと思っていまして、これまでの継続と同時に、プラスαをやっていかないと無理ではないかと経団連側では考えています。是非皆さんと一緒にやっていかないといけないのではないかと思いますので、よろしくお願いします。

【濵口主査】
  よろしくお願いします。
  庄田委員、何か御意見ございますか。

【庄田委員】
  特に。次でお願いします。

【濵口主査】
  では、次で伺います。
  今の御意見、御質問等を生かしながら、継続的に御議論をお願いしたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
  それでは、議題の2に移らせていただきたいと思います。重点的調査検討事項のうち、超スマート社会の実現に向けた取組、推進体制について、議論をお願いします。
  まず、事務局より、政府における政策の全体像や、取組状況を説明いただき、その後、これからの超スマート社会に関する取組について、過不足がないか、連携が十分取れているか等、御意見を頂きたいと思います。
  それでは、まず、資料説明をお願いいたします。

【宮地企画評価課課長補佐】
  事務局より御説明を差し上げます。まず、資料2-1を御覧ください。「Society 5.0に関する政府における検討体制について」という資料でございます。前回も似たような資料を提出させていただきましたが、それのSociety 5.0に特化したものを作った次第でございます。
  大きく分けて、日本経済再生本部の流れで未来投資会議、その下に構造改革徹底推進会合が置かれ、その中に「第4次産業革命(Society 5.0)イノベーション会合」というものが置かれているという、1つの大きな流れがございます。
  もう一つ、内閣府の流れとして、総合科学技術・イノベーション会議で、5期計画ないし科学技術イノベーション総合戦略の中で定められている流れがございます。その下で、現状としては、重要課題専門調査会の中にシステム基盤技術検討会や、人工知能と人間社会に関する懇談会が置かれているものが大きな検討体制になります。
  続きまして、資料2-2を御覧ください。表面につきまして、関係府省での検討条件(案)でございます。これで全てを表しているものではなく、切り口によって多様な示し方があると思いますが、政府における検討状況というところで説明させていただきます。
  まず、Society 5.0と第4次産業革命という言葉は併存しているときもありましたが、未来投資会議の第2回の会合で、第4次産業革命については飽くまでも手段であって、Society 5.0が目指すべき社会だという整理もされてございますので、題名としてもSociety 5.0として付けさせていただいております。
  また、5期計画については、オレンジ色の吹き出しで書かせていただいておりますが、個別の方法論を深掘りし、イノベーションを創出していく役割がCSTIにはあるというところです。
  下にいきまして、日本再興戦略関連では、飽くまで成長戦略の司令塔として、Society 5.0を目指して、構造改革を主にやっていく、社会実装を進めていくのが、未来投資会議の役割だということでございます。
  5期計画に関しましては、もう既に御存じかと思いますが、超スマート社会サービスプラットフォームというもの、あとはそういったものに関する基盤技術強化、知財・国際標準化、人材強化などをしているところで、それぞれの検討会やプログラムで進めているということでございます。
  また、下を御覧いただいて、日本再興戦略においては、司令塔の設置ということで未来投資会議が設置され、規制制度改革も行い、「人工知能技術戦略会議」を開催することにより、研究開発・産業化の戦略の具体化を進めていく。
  あとは、そういった技術面のみならず、事業面、中小企業関連、人材育成に関する取組も進めているのが、検討状況の大まかなところでございます。
  裏面を見ていただきまして、それにひるがえって、文科省がどのような取組を進めているのかというのを、基礎・基盤研究、産業・実装化、人材、ELSI、データ基盤等で整理をしてたのが、この資料になります。右側につきましては、先ほど表面で政府の取組については御説明したところを整理し、現状を書き下したものでございます。
  文科省の取組としまして、太字、青で書かれているものがSociety 5.0に関連する取組として、基本計画であったり、日本再興戦略であったり、その他でSociety 5.0の取組だとして記載されているものでございまして、黒字の細いものについては、それを支えるもの、関連するものとして、文科省の取組を御紹介差し上げているところでございます。
  基礎・基盤研究の部分でございますが、既に御承知のとおり、人工知能、ビッグデータ、IoT、サイバーセキュリティ統合プロジェクトを文科省で行っておりまして、そういった研究開発を経済産業省、総務省等と連携しながら進めているということでございます。
  また、もろもろその科研費も含め、戦略創造研究推進事業も含め、Society 5.0に関係する取組もなされているといった状況でございます。
  産業化・社会実装については、文科省自体、産学連携の取組をやっているところが主たるところでございますが、1つ、それはSIPプログラムに資金管理機関や実施機関として参画しているところがございます。
  また、人材のところで、第4次産業革命に向けた人材育成統合イニシアチブを立ててございまして、文科省で一気通貫した施策を統合してお示ししているところでございます。
  また、ELSIについては、JSTのRISTEXで「人と情報のエコシステム」というところの社会科学技術の研究を進め、また、「データ基盤等」については、ビッグデータ研究拠点の構築をしているのが主たるところです。こういったところで文科省の取組を並べてございますが、抜けがあったり、不足があったり、連携が足りないところがあるかどうかというのをもう少し深めていきたいと、事務局としては考えてございます。
  続きまして、資料2-3でございます。こちらについても、前回、分厚いフォローアップの資料としてお示しいたしました資料の抜粋及び深掘りしたものでございます。1枚お開きいただいて、俯瞰マップや2ページ目の検討状況につきましては、これまで前回お示しした状況でございまして、議論の参考にしていただけたらと思ってございます。
  3ページ目以降でございますが、3、4、5、6ページについては、総合科学技術・イノベーション会議が総合戦略2016において重きを置くべき施策として挙げているものを俯瞰マップに沿って並べ替えてみたということでございます。A、B、C、Dという形で体系立てて並べておりますので、議論の参考にしていただけたらと思っております。
  続きまして、同じ体系に沿って文科省の取組をどのようにしているのか、でございます。7、8、9ページ目でございます。
  10、11、12ページについては、先ほど資料2-2の裏面で申し上げました、文科省が主として取り組んでいる大きなSociety 5.0関連取組、AIPやビッグデータ拠点の構築、あとは人材育成総合イニシアチブの説明資料を付けさせていただいております。
  説明は以上でございます。
  また西尾委員より事前に御意見を頂きましたので、御報告させていただきたいと思います。超スマート社会を先導し、実現していく人材の育成が何よりも重要との観点からのコメントを頂いております。
  総合政策特別委員会における問題意識で、最終取りまとめにおける問題意識として、1.イノベーション創出基盤、超スマート社会の実現に向けた変革、組織や政策の枠組みを超えた総合的な計画を提起した点、2. 超スマート社会実現のための4つの柱(ビッグデータ利用技術、AI技術、センサー活用技術、システム統合技術の向上、サイバー空間の活動が現実社会にもたらす影響への対応、データ科学、学術情報ネットワーク、オープンサイエンスの強化、人材育成の強化)を掲げた点、3. 4つの柱の中で、特に人材育成を強調し、若手人材へのキャリアシステムの改革・人材流動促進を掲げた点を挙げておられます。
  問題2につきまして、前述の最終取りまとめ以降の議論に対する懸念事項として、今日に至るSociety 5.0、第4次産業革命への社会的関心の高まりを先取りしたと言え、現在の日本経済再生本部、内閣府、総務省、経産省における様々な議論に発展しており、こうした状況の中で文科省において教育政策及び科学技術政策を横断する観点から、十分に問題的がなされているかということを危惧しておられます。
  中でも、とりわけ、人材育成に関する横断的な議論が十分できているか、という点で、今年、文科省が第4次産業革命に向けた人材育成総合イニシアチブを策定したことは評価できるが、各レイヤー、担当局課の施策を積み上げるだけでなく、実質的な政策の一貫性は確保できているか。何らかのフィロソフィーが貫かれているのか。また、その下で体系化なされているのか、ということやSociety 5.0、第4次産業革命に係る人材育成政策は、高等教育政策及び科学技術政策として着手されているものの、分野別人材の延長としてとらえるべきものではないことが十分理解されているかについても気掛かりであるとのことです。
  また、このことが、従来のIT、情報技術、人材不足と次元の異なることは、昨年の総合政策特別委員会での議論においても、データサイエンティスト、セキュリティ専門家、システムデザイナー等の人材育成、情報通信分野の専門家だけでなく、専門的な知見を活用し、課題解決やサービス創出を図れる多用な人材の育成の重要性を指摘したとおり、強く意識されており、単にIT分野だけでなく、人文学・社会学・科学的な素養も付与し、付加的に物事を捉えることができる人材を求められていることの御認識であるとのことで、こうした求められる人材像への新たな認識も含めて、産業界をも巻き込んだ大きな議論が実行できているかが課題と考えられているとの御意見を頂いております。
  さらに、国際的には高度なIT、AI人材は圧倒的に不足しており、米国等において博士号取得直後の大学院生が年収数千万円以上のオファーを受けるなど、グローバルな人材獲得競争が生じている中、実際、先般、9月初旬に米国西海岸の大学を訪問された際、そのような状況を反映して、AI及びデータサイエンス関係コースの受講希望者が殺到していたということで、我が国がこうした競争環境の中で超スマート社会の実現に主体的な立場から関わることができるのか。あるいは、海外発のイノベーションへの追随にとどまるのかは、大体、該当分野の人材育成とその処遇に一刻も早く本格的に取り組めるかどうかに掛かっているといっても過言ではないとの御意見を頂いております。
  これら2つの事項に関する懸念事項について、さらにコメントとして、1つ目の事項の人材の育成で、我が国がSociety 5.0、第4次産業革命に関し、圧倒的な人材不足に直面しているのはまぎれもなく、例えば、人工知能技術戦略会議のタスクフォースの議論では、我が国では高度なAI人材の供給は一例として、8大学の修士博士を合わせても年間700人から800人程度と試算されており、人材育成の観点では、文科省の数理、データサイエンス教育の強化、データ画面人材育成プログラムの予算要求、科学技術振興機構のACT-1の創設など、新たな取組が見られるが、日本全体の規模からは、量的には圧倒的に不足しているということ。
  また、人材の育成については、短期的、中期的、長期的な観点からの検討及び施策の具体化が必要であるが、急を要する短期的な観点をはじめとする具体策を定めることが急務であり、さらに、人材の処遇、海外の動向も踏まえた上で、我が国の大学、研究所、企業とも、こうした人材の確保のために必要な対応が予算上、制度上、運用上できているかが大変気掛かりであるとのことです。これについての意識なしにはせっかく育成した高度人材も、厚遇される諸外国に流出してしまうことになりかねず、特にITのソフトウェア系においては、大規模な設備を必要としないこともあり、有能な研究者、技術者は、条件の良い職場環境に移ってしまうことがしばしばであるとの御意見を頂きました。
  以上でございます。

【濵口主査】
  ありがとうございます。大変重要な点を御指摘いただいておると思います。全体に関して、Society 5.0、第4次産業革命に関する議論を頂ければと思いますが、いかがでしょうか。御意見ある方は。
  結城委員、お願いいたします。

【結城委員】
  この情報通信関係の科学技術の分野でありますけれども、これまで経産省、あるいは旧郵政省、今の総務省がずっと引っ張ってきた分野であって、旧科技庁あるいは文科省は、実は余り実績がない。むしろ後発であることをまず認識すべきだと思っています。こういう時代では、今は、Society 5.0ということで、根っこから変わりつつある時代になってきました。基礎・基盤研究が非常に大事だということになっていますので、大学を所管し、基礎研究機関を持っている文科省がいよいよ出番だと思っております。
  ただ、産業化、社会実装のところは、経産省、総務省に頑張ってもらわないといけないのであって、そこは3省庁の連携体制をうまく作っていくことが非常に大事だと。その役割分担をしながら、余りお互い足を引っ張らずに、経産省、総務省をむしろ盛り立てていくような姿勢で文科省はやっていただきたいと思っています。
  もう一つ大事なことは、この分野を引っぱっていく人材の問題であって、教育と人材育成は文科省が主務官庁でありますから、西尾先生の御指摘は全くこのとおりだと思います。これを踏まえて人材政策をきちんとやっていくのが文科省の責任だと思いますので、そこは是非、頑張っていただきたいと思います。

【濵口主査】
  ありがとうございます。いかがでしょうか。西尾先生の指摘しておられる、特に国際的な競争環境中での辺りは本当に重要だと思います。圧倒的に今、不足しているように思われますし、有能な人材は結構海外に引き抜かれているお話、最近よく聞きます。JSTでもインドへ出かけたりして交流を進めようとしているのですけれども、情報が聞こえてくるのはインド工科大学のトップレベルですと、インドの大学卒の平均年収が60万の社会で、3,000万、4,000万でどんどんアメリカへ引き抜かれている。日本も映画関係のプロジェクトがスタートしているのですけれども、いろいろ先生方にお聞きすると、ある日、中堅の優秀な人がGoogle所属になっていたりするケースがあることを大分言われますし、それ以上に大学が情報関係のきちんとした経過プロセスを持っているところがまだ少ないし、旧来型にとどまっている感じがするのです。ここら辺の大きな問題を抱えていると思って実感しておりますが、御意見を頂ければと思います。
  土井委員、お願いします。

【土井委員】
  今、御指摘のあった問題意識、そのとおりだと思います。前職の東芝でもそうですし、情報通信研究機構でもそうですが、どんどん引き抜かれているのは事実であります。では、高いペイを出せばいいかというと、今の状況では必ずしもそういうわけにもいかないところもあるので、どうやっていくか。もちろん、この西尾委員からの御指摘のように、人材育成することも大切だとは思うのですが、ただ、情報系だけで考えていくと、どうしてもマスが、母体、母数が限られていますので、特にこのIoTに関しましては、西尾委員の御指摘の中にもありますように、分野横断的に考えていくと。特に、今までは科学分野にとどまっていた基礎的な技術を、いろいろなIoTということで流通とか、ヘルスケアとか、種々のデータが得られるようになってきて、そういう解析ができる。見える化することによって解析をして、それを行政とか、いろいろな経済の活動に役立てていくことになると。ただ、解析できる人がいるだけでは駄目で、それをどうやって実社会にフィードバックしていくか。それなしに解析だけして論文を出していたらば、何もならないわけで、そこのところの横断をやっていくのが非常に重要だと思います。そういう点では、確かに総務省、経済産業省が今まで実務としてやってきたところはあるかもしれませんが、文部科学省としてもそこは文理融合、昔の言い方で恐縮ですけれども、そういうところとか、デザイン思考ということでできるのではないかと思います。
  先ほどもデータの話を申し上げましたが、一昨日でしたか、情報科学技術委員会の中でプロジェクトの評価を行いまして、ソーシャルCPSですか、NIIの安達先生がリードされていたものの評価をさせていただいたのですが、そこでは北大が、実際に札幌の降雪を全部リアルタイムで取得して、それを除雪に役立てることを自治体と一緒になってやっているのです。ですので、そのようなデータは得られてきている。それを今後、自治体が有効に役立てようとする、そこの産業界なしに自治体と直接どうやっていくかというところも、せっかく社会実装しながらやったものが、終わったらそれで後は研究費が続かないから終わるよ、ということになってしまわないようにすることも、1つ重要なのかなと思います。
  もう一点は、大学の教育で、先週でしたか、JSTのお仕事でイスラエルを訪問させていただいたのですが、テクニオン、MITに並ぶような大学ですけれども、そこでは800万人の人口の中で1万4,000人の学生さんがいらっしゃるのです。そのため、イスラエルだけではなくて、アラブからも皆さんたくさん来られていて、1つすごいなと思ったのが、アントレプレナーのコースがあるところです。そういうところで学生さんがいろいろ教育を受ける。自分の専門教育以外にアントレプレナー教育を受ける。ですので、そういったアントレプレナー教育のところで、文科省がやってきたプロジェクトのデータなどを使って、実際にこういう自治体にやったらどういう提案ができるのかとか、そういう生のデータを使ってできるのは、ハッカソンのようなところではなかなかできないので、そういう仕組みを作ることも大学の教育でも、実際にそれをやろうとすると、では自治体がどういう悩みを抱えているのかとか、インタビューしなければいけなくなるので、そういうOJTに近いアントレプレナーコースのように設けることを、今までのデータの蓄積もうまく生かしつつできたらいいかと考えております。
  以上です。

【濵口主査】
  ありがとうございます。いいデータを生かせるようなシステムをどう作るかということと、アントレプレナーのところですね。
  どうぞ、お願いします。

【木村委員】
  このSociety 5.0で一番期待されている産業の1つが、医療だと思うのです。それは、創薬の研究にとどまらず、医師の仕事である疾患の診断をどう支援できるか。さらには、患者あるいは消費者の医療に対するアクセスをどう飛躍的に高めていくか等が期待されています。ところが、この医療の分野というのは、多くの規制に強く縛られ、新しいビジネスモデルや業務の手法が入り込む余地が限られている。結果的には破壊的な変化が起きざるを得ないのではと思うのです。これは、技術的な議論はどんどん進んでいますが、一方の受皿となる社会システムを技術の進歩に即して作り直すことになると、そこにはもっと違った能力を持った人材を交えたチームが必要かなと思っています。先ほどの議論にありましたように、文武両道、社会制度設計を専門とする方々と医療専門家、エンジニアなどが一緒になって課題解決に当たる。その上でこの局面では特に戦略論とか、経営論、マネジメント論が非常に重要な役割を担ってくると思います。
  先般、私どもの医療課題に取り組むCOIで「やっちゃえ」の自動車の自動運転の研究者と意見交換をしました。そうしましたら、技術はそれぞれ全く違うのですが、それを社会実装するには既存の規制体系を1から作り直さねばならない、という点で大きな共通点が見つかり、議論が大変盛り上がりました。「やっちゃえ」の方は、警察が今、この交通イノベーションの社会導入に非常に協力的なのだそうです。医療の分野でも規制当局の異次元の協力が不可欠で、省庁横断的に仕掛けていくことが肝腎かなと思っております。

【濵口主査】
  ありがとうございます。
  では、庄田委員、お願いいたします。

【庄田委員】
  資料2-2を見ると、Society 5.0の実現に向けた様々な議論が総合科学技術・イノベーション会議や日本再興戦略関連の様々な会議体でされていることがよく分かります。
  一方、その裏面には、Society 5.0に関する文部科学省の取組が整理されています。机上資料の科学技術基本計画の概要にある超スマート社会(Society 5.0)は、エネルギーバリューチェーン・高度道路交通システム等の11のシステムと、情報通信基盤の開発強化・標準的データの活用等の基盤から成り立っていますが、文部科学省の取組はこの中のどこに結び付いているのでしょうか。例えば、真ん中の「産業化・社会実装」には「SIPへの参画」という記載だけしかありませんが、参画しているプログラムはSociety 5.0のシステムのどこに結び付いているのか、その主体は文部科学省なのか、国土交通省なのか、そのような整理をして、皆さんと共有していただきたいと思います。
  特に冒頭から御意見があるように、文部科学省の一番大きな部分は人材のところであろうかと思いますので、西尾委員の御意見は本当に大変重要だと思います。資料2-3の12ページの人材育成総合プログラムの冒頭に「包括的な人材育成総合プログラムとして体系的に実施」という表現があります左側に、今後必要とされるデータサイエンス人材数が世界トップレベル年間5人、業界代表レベル年間50人、棟梁レベル年間500人とありますが、これと現在の日本の大学あるいは大学院修士博士課程における人材育成とは本当にマッチしているのか、そういう議論もして、より実効のあるプログラムにしていく必要があるのではないかと思います。先ほど木村委員が言われた医療関係についても、元のSociety 5.0の11のシステムの中の、地域包括ケアシステムに関係するのだろうと思います。また、議題1の活性化委員会の議論の中で、対象とするターゲット領域のお話話がありましたが、このターゲット領域とSociety 5.0のターゲット領域がかなり重なってくるのではないだろうかと思います。そのような整理をすると、ここでの議論が非常に意味あるものになるのではないかと考えます。

【濵口主査】
  ありがとうございます。きっちりととここら辺の整理をお願いしたいと思います。どこがどうリンクしているか、俯瞰的に見えるように。
  それと、この人材育成のところ、西尾先生のお話にはトップレベルのところがかなり集中しているようなお話ですけれども、ここも800人ぐらい主な大学で出ている程度で、頭領レベル500人といったら、ある程度いけるとは思うのですが、実態はまだまだ足りない。ここのレベルももっと必要なのではないかなというのと、この下の学部が非常にか細い状態になっているように思うのです。現場にいた人間としてよく分かるのですけれども、ほとんど工学部の電気・電子の一部分として派生して動いていて、教員定数も学生定員もほとんど確保できていないところが多いです。それから、今の大学改革はほとんどが地域創生だとか、国際化にかなり重点を置いていて、情報をその中でどう咀嚼していくかの視点が少し弱いような気もしているのですけれども、これは各大学の判断がかなり大きいので、なかなか踏み込めないところです。そういう議論もこれから必要なのではないかなと思います。
  知野委員、お願いします。

【知野委員】
  今、ITとかIoT、AIの研究というのは、非常に盛んに行われていると認識しているのですけれども、ただ、非常にあちらこちらでやっていて、全体像みたいなものは一体どこでまとめるのだろうかという疑問を持っています。ここでも全体像は総合科学技術・イノベーション会議なのか、あるいは未来投資会議なのか、一体どこがおまとめになるのか。それから、それぞれの会議で違う意見などが出てきたとき、それを統括するのはどこなのだろうかという疑問がございますので、その辺り、どうお考えか教えていただきたいことが1点です。
  それから、先ほど問題になっている人材ですが、今も座長から御指摘ありましたが、かねて「情報」と名前の付く学部・学科はいっぱいあるのだけれども、それと企業との要望がずれているという話がもう何年も前から指摘されています。その辺をどうやって統合していこうとお考えなのかということが、2点目です。
  3点目で、この「人と情報のエコシステム」ということで、社会への影響、その他倫理、法律を含めてお考えだということで、ここは正に文部科学省としても非常に力を入れていく必要があるのかなと思う分野です。一般の人からするとビッグデータ時代、いろいろな分野で自分の情報がどう使われていくのかとか、様々な不安を持っているところで、今、政府の個人情報保護委員会でガイドライン作成とかいろいろやっていますけれども、それだけではなく全体としてどのようになっていくのだろうという辺りについて、検討していく。あるいは、積極的に保護委員会に働きかけていくとか、何かその辺のお考えがあるかどうかも含めて教えてください。
  以上です。

【濵口主査】
  ありがとうございます。今のお話はいかがですか。

【宮地企画評価課課長補佐】
  まず、1つ目の御質問については、資料2-2を御覧いただけたらと思います。政府内で全体を取りまとめていこうとしているところが、大きく分けて科学技術イノベーション会議と、未来投資会議、あとは各省庁になります経産省、総務省、文科省の取組を糾合して施策を打ち出していくというのが大きな体制になってございます。そのため、基本的にはこの2つが、大きく分けてSociety 5.0ないしは第4次産業革命を大きく推進していく母体なのかなと事務局としては考えてございます。
  その2つの役割分担が、重複があるのではないかということですけれども、大分、重複も解消してきたと聞いておりまして、総合科学技術・イノベーション会議においては、個別の方法論をより深掘りをしていく。そして、イノベーションを創出していくことで、先ほど庄田委員もおっしゃったようなプラットフォームを作り、SIPを動かし、いかに実装、イノベーションを起こしていくのかというのが総合科学技術・イノベーション会議の役割です。半面、日本再興戦略においては、構造改革の総ざらいというところ、先ほど木村委員もおっしゃったこととつながるかと思いますけれども、技術革新に対応した規制体系の抜本的な見直しであったり、既存の利害関係者への政策決定方針の横断的な見直しであったり、新たなチャレンジを促進する制度の枠組みだったり、そういったところの取組をしているということで、重複のないよう全体的に推進していくのが大きな体系になります。

【濵口主査】
  ありがとうございます。

【村上企画評価課長】
  失礼します。知野委員から御指摘いただいた2点目の、情報関係の人材育成のところで、企業側のニーズと養成課程の大学のカリキュラムなどが整合していないのではないかということです。そこは来年度の概算要求の中で、enPiTという言い方をしてございまして、これは修士博士ということではなくて、もう少し間口の広い、学部段階だと御理解いただければ思うのですが、結局、大学の情報系の先生方も、別に出口で情報技術なり何なりがどのように実際に活用されるかということを知見があって教えておられるわけでは必ずしもないものですから、そこは実際に使われる現場の実践的なニーズ内容を反映したカリキュラムでなければいけないということで、企業さんと学部との間で全国に数は正確に把握しておりませんが、拠点のプログラムを作りまして、そこで実際の企業側における出口のニーズを反映させた学部段階を、情報教育を進めていこうというものを拡充という形で来年度要求させていただいております。

【濵口主査】
  ありがとうございます。
  小野寺委員、お願いいたします。

【小野寺委員】
  皆さんからいろいろなお話が出ているのですけれども、特に社会実装の話です。これはまさしく木村先生がおっしゃっているのもそのとおりだと思いますし、自動運転や医療の話だけではなくて、ほとんどの今からの問題というのは、社会実装のときに必ず問題になってくるのですね。それはなぜかというと、先生がおっしゃっているとおりで、今までの法律や規制が、従来の技術に基づくものにすぎないんです。私はよく分からないのですけれども、法学部のオーソリティの先生方と話をすると、昔は法律というのは、社会がある程度マチュアになって、国民の理解がある程度進んだ時点で法律化するのだとおっしゃっているのですが、私はそれではもう全く間に合わない時代に入っていると。そうすると、申し訳ないのですが、社会科学系の先生方がもっとこういう場でも発言、若しくは意見をおっしゃっていただくと同時に、逆に世の中の動きをもう少し捉えていただかないと、なかなかそこに進まないのではないかと思うのです。科学技術学術審議会の方には技術系だけではなくて、もちろん哲学をはじめとした文系の先生方もいらっしゃるので、この文系の先生方、特に社会科学系の先生方をここにどうやって巻き込んでいくのだということを国のレベルで考えていかないと、興味持っている先生はもう持っていただいているのは事実ですが、実際に動くためには、先生方がもう少し関心を持っていただけるような方法を是非考えていただきたいというのが1点目です。
  それから、2点目は、今、皆さんがおっしゃっている人材育成の問題です。私は人材育成の問題で、先ほど土井さんが指摘されたイスラエルの問題。イスラエルは1999年から御存じのとおり、高等学校で、まず義務教育化を果たしたのです。3段階に分かれていました。ミニマムで週1時間。一番上のレベルは、確か週5時間です。週5時間というのは、数学とか何かと同じレベルだという取扱いなのです。これをずっと続けてきた結果が、今のイスラエルでICT、AIにしろ、全ての新しいところが非常に発展してきた大きな理由だと思うのです。中学生や高校生の時代に、関心を持っていただかないと、大学に行くときの選択が、どうしても今までの中学高校で教えられてきた中からの選択になってしまうのだろうと思うのです。そういう意味で、大学レベルももちろん重要なのですけれども、やはり小中高レベルでも、ICTという言い方がいいのかどうか分かりませんが、そういう部分の教育をもっとやっていただかなければいけないと思っています。
  その中で、今年の4月でしたか、安倍総理がやっと小中学校にもプログラミング教育をと。プログラミング教育という名前でおっしゃいましたけれども、今の第4次産業革命に必要な教育だと考えればいいのだと私は思っているのです。申し訳ないけれども、初等中等教育局に聞いたら、義務教育化は2020年からですと。教える先生がいませんと。私はそのときに申し上げたのですけれども、今の先生に教えるというのも、それは無理だと思うのです。皆さん御存じだと思いますけれども、教員養成課程の卒業生が年間1万500とか800とか、そんな数字で大体毎年動いているようです。この人たちはもともとデジタルネイティブな人たちですから、今から先生になる人たちに2年間教育すれば、私は初等中等教育で教える程度のことはすぐに身に付くのではないかと思うのです。ところが、これは、初等中等の方から高等教育局にはそういう話は全然いっていないみたいですし、高等教育局の方もここでクラストップクラスの教育には非常に熱心ですけれども、教員養成課程は一体誰がどう取り扱っているのか、私は知りませんが、ここが、非常に連携が取れていないような気がしてしようがないのです。これは文科省さんの中の問題だと私は思うので、是非、文科省さんとして方向を合わせて取り組んでいただきたいというのが2点目です。
  もう一つ、これは西尾先生もおっしゃっていることで、産業界としても非常に頭の痛い問題なのは、実は処遇の問題なのです。この処遇の問題は、先ほども先生方がおっしゃっているように、欧米、特にアメリカの企業ですけれども、ここは最初から、新卒で大学院を出て、それなりの能力を持っている人はとんでもない給料で、これはそのとおりなのです。ただし、ヨーロッパもそれに似た傾向はありますけれども、アメリカでは、5年たってその人がいらなくなったら、はっきり言って簡単に解雇できるのですよね。実はこの労働制度・労働法制の問題、ここを明確にしていかないと。はっきり言って数人の人を何千万かの年俸で雇うこと自体は、企業から見ればできるのです。ただ、その人を終身雇用でずっと雇っていくということは、正直に言って企業にとっては物すごく重荷な訳です。ですから、当社の研究所もやっていますけれども、有期雇用でやる場合は、正直言ってそういう給与で、はっきり言って外人の方が多いみたいですけれども、雇っているのも事実なのです。そうすると、処遇の問題を考えるときには、当然のことながら企業での処遇を考えると、今の労働法制度をどう考えるのだということを一緒に解決しないと、産業界でこういう人をなかなか雇えないということになるのではないかと思います。そういう意味で、労働法制は厚労省の問題であるのは重々承知していますけれども、教育界からもこういう制度のままでは困るということをおっしゃっていただく必要があるのではないかと思うのです。そういう意味で言うと、大学とか国の研究開発法人は、結構、皆さん、有期雇用で、それがいいかどうかは別ですよ。逆に問題が生じているのも承知していますけれども、そういう制度を割とアプライしているのですが、民間の方がむしろ難しくなってしまっている。そこを是非御理解いただきたいと思います。
  4点目は、皆様方に私が申し上げることではないし、産業界が言うことでは本当はないのかもしれませんけれども、この前、ノーベル賞受賞が決定されている大隅先生の記者会見で、基礎研究の重要性をおっしゃっていて、私はきょうの文科省さんの資料を見ても、ここの中で基礎研究という項目はあるのですけれども、Society 5.0に関するのは基本的には出口がわかっているものの基礎研究。分かりませんけれども、これは恐らくここでかなり網羅されているのではないかと私は思うのです。
  一方、差し当たって出口の見えない研究を一体どうやって、国としてというか、ここを扱うのは文科省しか多分ないのだと思うのですけれども、文科省として取り扱っていくのか。それが10年先、15年先の日本にとって非常に重要な気がするのです。ここは是非、産業界の人間が言うことではないと逆に思っていまして、むしろ学の方々がここをどうお考えになっているのか。また、文科省の方が政策的にどうお考えになっているのか、ここの方向性もある程度一緒に書き込んでいただいた方が私はいいのではないかと思いました。
  以上です。

【濵口主査】
  ありがとうございました。
  それでは、竹山委員、お願いします。

【竹山委員】
  もう皆さんいろいろな御意見をおっしゃって、似ているところがあるのでそこは外そうと思うのですが、基本的に先ほどからあった文科省独自のところはどこなのかというお話で、教育は一番大きいとは思うのです。そこで思っているのは、私たちは大学にいると、もちろん、文科省は重要なのですけれども、相手はどこでもいいのですね。お金を出してくれるのは経産省でもいいし、どこでもいいし、私たちが教育をするに当たって、どれだけサポーティブに考えてくれるかということです。それは産業界もそうですね。教育も特に情報系、例えば、私たちのバイオ系だと、先ほどもありましたけれども、医療データとか、とにかく基礎研究から出てくるデータにしても、遺伝子を1回いじると、すごい量が出てくるということがあって、ビッグデータに関してどうやって解析するための人を育てるかというのは本当に頭が痛いところだったのですね。それはみんな同じで、それを縦割りの情報系の学科だとか、バイオ系の中に生命情報の先生が1人いればそこでいいのかというのは、非常に難しい問題で、いろいろな拠点化とか、いろいろなプログラムをやっているのですけれども、すごい溝があってなかなか埋め切れないというのがあるのです。バイオ系からの人と、情報系からの人とはコミュニケーションが違うというのは相変わらず言われているところです。
  そこで最近、残念ながら文科省ではないのですけれども、経産省のオープンイノベーション・ラボラトリーというのを私のところの大学で作っていただいて、情報をそこで一緒にやりましょうと。情報系、生命系、そして、企業が来てそこで学びたいという人には、本当にオープンエデュケーションをしましょうと。お金を取りませんよと。企業の中でも、最近いろいろな業種が新しくいろいろなところに入っていこうとするときに、企業の中の教育も非常に困っているのですね。結構ビッグな会社だと言いながら、情報の解析ができないと。そのときに、どこかにお願いすると、もう会うだけで何百万という話になってしまうのですね。始めから契約がどうのこうのと。そういう人たちが来る場所は、本当は大学にあるべきなのですけれども、それさえもない状況があって、そういう人たちにも来て、そこで勉強してくださいと。企業の人、学生、そして、いろいろな人が、ポスドクも含めて、教員も含めて、同じ場にいて勉強ができるというのを作ったのです。スタートしたばかりですけれども、非常に活性が出てきそうな感じがあるのです。ですので、今度オープンサイエンスが出てきますけれども、オープンエデュケーションというのは昔から概念にあったのですが、それをもう少し実践をしていく。それをうまく省庁間だけではないですけれども、何か大学の中でうまくやっていけるような、社会全体のボトムアップをしていく。いろいろなレベルがあるのですね。今、トップクラスの話ばかりしていますけれども、総人口で上げていくというのが教育だったら、実践に近いところでもそういうことをやっていかないと非常に難しいので、大所はある種その相談所のような機能も実はあると思っています。ですので、是非そういう意味で企業と大学と、その研究所も含めてですけれども、誰を教育するのかというのは、大学院生は当然ですが、実は企業に入っている人たちもそういうところで困っている。社会人教育という言い方をするのかもしれないですけれども、そこまでの感じがなくて、もう少し簡単にできるということを少し考えていただければいいのかなと思っています。

【濵口主査】
  ありがとうございます。本当に教育にお話が集中していますが、先ほど小野寺委員の言われた4点も含めて、どういうシステムをどこがうまく作っていくかというのが、かなり大きな課題になると思います。
  伊地知委員、お願いします。

【伊地知委員】
  ありがとうございます。まず、既にほかの委員がおっしゃったことと共通するところを私も簡単に申し上げますと、今、資料を拝見していて、全体が網羅されているかどうかというのを確認するのは容易ではないということで、そこは何らかの形できちんと誰が見ても分かる形になった方がよろしいかと思います。
  それに関連して言いますと、1つはある程度量的なところで、これは西尾委員の御意見とか、あとは資料2-3の中にもありましたけれども、例えば、人的なところでは若干量的なことがあるのだと思うのですが、それ以外のところで余り量的なことが触れられていなくて、どの程度がどれくらいどう必要なのかという議論がなかなかできないので、それができるようになっているといいのではないかと思います。
  あとはあわせて、この資料の裏側には現在の各分野の技術の現状だとか、想定される方向性があるとは思うのですが、それも表には出てきていません。この中でごく一例を挙げますが、例えば、最近出たブロックチェーン技術などというのは、もちろん、電子マネーで使われているのですけれども、それだけではなくて、これは分散化されたネットワークで様々なところでインパクトがあり得るわけです。例えば、そういったことも実はここの中には出てきていないようなことがあったりしますので、比較的短期・中期であったとしても、そういった想定される技術に対してどういった取組が必要なのかということは意識されるといいのではないかと思います。
  先ほど、小野寺委員を始め、先導的な研究者あるいは技術者だけではなくて、分野横断的なこの分野のリテラシーをそれぞれ確保するためにどうしたらいいのかという御議論がいくつかあったかと思います。特に初中教育段階での教員養成ということで言うと、現在は教育の技術ということで、情報機器や教材の活用という、ICTの活用というところだけが養成されているのですけれども、今求められているのは、コンテンツをどう作っていくのかであるとか、あるいは、どのように統計的な概念を持って分析をしていくのかとか、それを教員が理解し児童生徒に指導していくという仕組みをどう作るかということではないかと思うので、その辺りはもう少し、教員養成とか初中教育関係に関わっていらっしゃる先生方に考えていただけるといいのではないかなと思います。
  あわせて、今、高等学校では情報系の教科があるわけですけれども、これは教科としてあるわけであって、受験科目には入っていない。大学でも要請されないということで、インセンティブという観点からすると、生徒はそれをしっかり学ぼうというところはないと思います。もしこれは重要なリテラシーであるということであれば、大学に(学生が)入ってくるのであれば、少なくともせっかくそういう教科があるので、その程度ぐらいは一応理解してくださいとか、そういった仕組みを作っていくといいのではないかなと思います。

【濵口主査】
  コンテンツ作りは、教育になってくると相当難しい。受験は確かですね。そう思いますね。いろいろ課題がいっぱいあって、地雷原の中を走っているような感じがいたします。担当する文部科学省は更に大変だ。同情いたします。
  どうぞ、お願いします。

【真先大臣官房審議官】
  非常に貴重で多様な御意見ありがとうございます。多岐にわたる御意見なものですから、なかなか短い言葉で語るのは難しいのですが、幾つかポイントがあったかと思います。私なりに感覚で少し申し上げたいと思うのですが、まず、基本的なSociety 5.0という概念は、先ほども説明がありましたように、あるべき姿を描いているものであります。言ってみれば、先ほどSociety 5.0とは何ぞやと、定義の話がございました。これは第4次産業革命というのは手段であって、Society 5.0というのは目指すべき国の姿だという話でございます。その目指すべき国の姿というのは、あらゆる方にあらゆるサービスが等しく行きわたるといった概念なのですが、それを実現するカギとして、IoT、ビッグデータ、AIが登場するということでございます。そういう中にありますので、Society 5.0の実現に向けての人材というのは、必ずしも情報分野というか、数理科学と重ねているわけではなくて、非常に幅広い分野の方々が必要だろうと思っています。第5期基本計画でもイノベーションということで、知的プロフェッショナル人材という言い方をしておりますが、ここの人材というのは、研究者だけではなく、例えば、経営センスのある方とか、そういうことを含めて非常に多様な人材がイノベーション実現には求められているということでございますから、非常に広い意味で、目で人材育成を見ていく必要があると思います。
  また起業家、アントレプレナーの話もございました。実際の日本は、起業家マインドを持った方の割合が、諸外国に比べてかなり低い割合になっております。これは相当評価をした結果で、そういう起業家マインドを持った方の育成も大きな政策課題の1つでございます。実際、私どもでは、平成26年度からスタートしている3か年事業で、EDGEプログラムという取組を始めたところで、このような取組自体もこれまでなかなか政府でやれていなかったものでございます。EDGEプログラムというのは正に大学等におきまして、言ってみれば起業家マインドも使った育成プログラムですが、これをスタートさせました。結構いろいろな方から評価は高く頂いているものですが、それを更に一層進化させようということをやっております。要は技術者、研究者のみならず、多様な人材の層をきちんと作っていくという取組を今、していく時代なのかと思っています。
  それから、絶対量の話で言いますと、情報系、特に数理科学系など非常に薄い、弱いと言われております。個別の予算事業でも若干立ち上げようとしているところは、正にそういった部分でございます。なかなかこの人材育成の問題は打てばすぐ響くようなものではなくて、長い目できちんと育成していくという観点が必要なものですから、そういった意味でしっかりとした取組からまず始めて広げていくというやり方を取っていく必要があるかと考えております。
  さらに、制度改革の話がございます。要は研究開発の実際のプログラムのみならず、社会実装を見据えたときに、いかに従来のそれを実装するために存在すると言われている、いろいろな障壁にどのように対応していくかという話ですが、きょう冒頭に説明がありました活性化委員会の議論でも、3つのアクションのうち、制度面の改革が非常に大きな柱として立ってございます。人材の話もそこに含まれておりますけれども、そういう制度面の改革に取り組んでいかないと、描いた姿は実現しないということです。ただ、これは一般論で制度改革を、というのはあるのですが、それだけでは議論が進みませんものですから、具体に何の制度改革というところまで我々の方から提案していくことも必要だろうと思っております。
  実際の例で言いますと、例えば、SIPなどの事業で、自動走行などが進んでおりますが、これは非常に分かりやすくて、本当に完全に自動走行を目指すならどのような法改正が必要かというのはすぐに思い浮かぶわけです。そういった取組をいろいろ重ねていくことが大事なのではないかという気がいたします。
  それから、文科省などでは将来を見据えた非連続イノベーションと言いますか、そういったものの取組がすごく大事だということでございます。これについても問題意識を持っていまして、文科省としても、来年度向けの概算要求において、新規で要求、要望を出しているところでございます。これは、結果が見えているものというよりも、非連続イノベーションをいかに打ち出すかというのは、世界に勝つ意味でも先駆けていろいろ実施すということがあるものですから、非常に大事な取組なので、失敗を恐れずチャレンジする。趣旨として、そういうことをきちんと盛り込んだ制度を今、実現しようということでやっております。
  具体的には、今、未来社会創造推進事業という格好で要求してございますが、もともと内閣府にもImPACTというプログラムがございますけれども、そういう取組が徐々にではございますが、拡大してきているということかなと思ってございます。
  また、オープンエデュケーションの話もございました。結局、Society 5.0の話を突き詰めていきますと、どの分野のどの技術ということのみならず、社会構造全体をしっかりとイノベーションにエコシステムを作っていくものと連動していかないと定着しないし、要するに回っていかないと思います。基本計画で言いますと、実は2章にSociety 5.0の話を書いてございますが、当然ながらのエコシステムは3章に書いてございますし、それから、ヒト、モノ、カネの好循環を作るという意味では、4章、5章、全部つながっております。全体を簡単に表すのは非常に難しいものですから、Society 5.0の取組ということで、どうしても一部目立つところだけを変えて、それだけしかやっていないように見えたとしたら、表現の方が悪いかなという気がいたします。
  雑っぱくになりましたけれども、そういった意味で多様な取組が必要だというのは十分認識してございまして、しっかりと軸足を持った中で着実に進めていきたいと思いますので、またいろいろ御意見を賜れればと思います。ありがとうございます。

【濵口主査】
  ありがとうございました。本当に難しい議論をまとめていただきました。
  どうぞ、お願いします。

【榎本参事官】
  研究振興局情報参事官でございます。御指摘多々ありがとうございます。私から個別に2点、補足できればと思っています。
  1つは、人材育成に関しまして、企業が求める人材との関わりという点での御意見等ございました。これは今日資料でも御紹介いたしました三省連携の人工知能技術戦略会議の中でも非常に大きな問題意識を持って取り組んでいるところでございまして、西尾委員に御指摘いただきました8大学で年間修士博士合わせて700から800人程度という試算も、そうした検討の中から出てきたものでございます。
  今、企業と大学の間では、AIやビッグデータに関しまして、共同研究や寄附講座等が個別に増えているところで、先ほど紹介してもらいましたenPiTを始めとします文部科学省の取組もございますけれども、この3省連携の中で研究側のニーズ、それから、企業側のニーズも踏まえた対応が検討できないかという議論を進めているところでございます。
  もう一点、JSTの人と情報のエコシステムに関する御質問もございました。このRISTEXの事業に関しましては、今年度から始めているところでございますが、情報のメリットと負のリスクを特定いたしまして、法律制度、倫理、哲学、経済、雇用、教育など幅広い、今後想定されているAIやビッグデータが普及していく社会の在り方を検討していこうというものでございます。この事業は御紹介ありましたCSTIの検討会の議論とも連動しながら取り組んでいるところでございます。
  このRISTEXの事業は、11月初めに今年度の採択を発表しているところでございますけれども、その中で正に御指摘ありました個人情報の扱い、これも意識したプロジェクトがございます。具体的に申しますと、この慶應大学のSFCの新保先生の事業では、情報ネットワーク法学会といった個人情報の扱いを幅広く、政府、研究の分野、実業、様々な方が連動した議論もございまして、そういった場の方々にも参画してもらいながら、単なる個別の研究ではなく、実社会のいろいろなプレーヤーと議論していくことを想定して、本年度採択がされたところでございます。御指摘の点を踏まえてJSTともよく相談したいと思っております。

【濵口主査】
  私も当事者の一人ですが、ありがとうございます。小野寺委員の御質問に少しお答えいただいたかなと思います。
  議論は尽きないと思いますけれども、少し時間が押しておりますので、次の議題3についてもお諮りしたいと思います。重点的調査検討事項のオープンサイエンスの推進について議論をお願いします。
  まずは事務局より学術分科会学術情報委員会の審議状況やオープンサイエンスに関する情報について説明いただき、その後、論点に従い、今後の推進方策について御意見を頂きたいと思います。
  それでは、説明をお願いいたします。

【渡邊参事官(情報担当)付学術基盤整備室長】
  それでは、資料3を御覧いただきたいと思います。
  まず、オープンサイエンス推進の背景やこれまでの審議状況について御説明いたします。その上で関連施策の方向性について、御審議いただきたいと思っております。
  まず、2ページでございますが、「オープンアクセスからオープンサイエンスへ」ということでございます。御案内のように第5期科学技術基本計画におきましてオープンサイエンスの推進が位置付けられてございますが、国は資金配分機関等と連携し、オープンサイエンスの推進体制を構築する。また、公的資金による研究成果については、その利活用を可能な限り拡大することを我が国のオープンサイエンス推進の基本姿勢とする、とされております。
  オープンサイエンスは、この下の記述にございますように、これまで進められてまいりました論文のオープンアクセス、すなわち査読論文をインターネットで、無償で公開する取組でございますが、これに加えまして研究データのオープン化を含むものとして位置付けられております。このため、若干の例示ですが、JSTあるいは日本医療研究開発機構(AMED)においては、研究データ共有の取組を開始したところでございますけれども、これらを単なる事業等においても拡大していくことが課題となっております。
  続きまして、3ページを御覧いただきたいと思います。オープンサイエンスをめぐる国際的な動向でございます。政府レベルでは2013年のG8の科学技術大臣会合におきまして、研究成果のオープンアクセスを拡大させるという方針が確認されております。続いて、本年、日本で開催されましたG7の大臣会合では、オープンサイエンスの推進とそのための作業部会の設置について御議論されたという状況でございます。
  各国の状況ですが、例えば、アメリカでは、2008年にNIHの査読論文公開の義務化、これに続いて2013年にはNIH、NSFのファンディング機関が素読論文と研究データの公開を決定するといった流れでございます。
  また、EUにおきましても、2015年、欧州オープンサイエンスクラウド計画が公表されております。これはオープンサイエンス推進の本格的な枠組みを示すものと位置付けられておりまして、こういった検討が加速している状況でございます。
  また、右側でございますが、国際コンソーシアムの活動が展開されているといった状況。さらには、海外の大手出版社において、論文に付随する研究データの公開に関し、海外のリポジトリなどで進めているといった状況でございます。
  次に4ページを御覧いただきたいと思います。このような状況を踏まえまして、学術分科会の学術情報委員会では、西尾主査の下で学術情報のオープン化の推進について審議まとめを行っております。ここで示しました基本的な考え方としては3点ございます。1点目は研究成果の公開を通じた利活用促進することによって、新たな知見の創出につなげること。2点目は、研究の透明性の確保や研究費の効率的な活用に資すること。3点目は、公的研究資金による研究成果を広く社会に還元する必要があるということでございます。これらの意義を踏まえまして、公的研究資金による研究成果のうち、論文とそのエビデンスとしての研究データは原則公開すべきとして方針を明確化してございます。同時に、研究資金配分機関など、関係機関の取組について提起しております。具体的には5ページを御覧いただきたいと思います。
  (1)論文のオープンアクセスについての取組から始まりまして、(2)論文のエビデンスデータとしての研究データの公開、(3)研究成果の散逸等の防止、(4)研究成果の利活用、(5)人材育成及び確保ということで整理してございます。特に(2)の論文のエビデンスデータの公開につきましては、2つ目の丸にありますように、競争的研究費おけるデータの共有・公開を念頭に、研究資金配分機関は必要に応じデータ管理計画の提出を求めることや、データの公開について推奨していくことを提言しております。
  また、下から2つ目の丸でございますけれども、公開するデータの範囲や様式については、学協会等、研究者コミュニティにおける検討の必要性について言及しているということでございます。
  これに関連しましては、下で参考に示しておりますように、日本学術会議におきまして、オープンサイエンスの在り方に関する提言を公表しております。ここにお示しした3点が、主な要点でございます。
  また、右側の丸で、「関連学協会」とございますけれども、日本学術会議でこの検討に合わせて関連の学協会に実施したアンケートがございます。例えば、2つ目の項目で、半数の学協会は、データ項目の測定条件を共通化し、これを公開することによって一層価値が高まるデータが存在するといった回答を寄せております。しかしながら、オープンサイエンスに関するワークショップ等の開催実績はまだ1割程度という状況がございまして、このオープンサイエンスの議論がまだ十分に浸透しているとは言えない状況が見て取れると考えております。
  ここまでがオープンサイエンスをめぐる背景や審議の状況について、でございますが、6ページを御覧いただきたいと思います。これらを踏まえまして、施策を実施するということにしておりますけれども、具体的な施策を進める上での方向性や留意すべき点について、本日は御審議いただきたいと思います。
  主な観点ですが、1として、海外では研究資金配分機関による公開義務化が進展しております。我が国における競争的研究費におけるデータの公開・共有への対応についてどのように進めるべきかといった点。
  2点目として、一部の分野あるいは研究プロジェクトにおいては、データの公開・共有が進んでいるという状況はございます。これもほかの分野や機関の取組として拡大していく必要があると考えておりますが、大学・研究機関におけるデータ基盤の整備あるいはデータの管理や公開の取組をどのように進めていくべきか、といった点でございます。
  3点目は、研究データのオープン化と申しましても、全てをオープンにすることでは当然ございませんので、データの公開を促進する一方で、機密保持等の観点から公開になじまないデータの取扱いを規定していく必要がございます。分野ごとのデータの公開・非公開の考え方あるいは公開の在り方について、どのようにコミュニティの議論を喚起して実行していくかといった点でございます。
  4点目は人材育成でございまして、データの利活用に精通した人材の重要性がございますので、専門的な技能を持つ情報人材の育成をどのように図っていくかといった観点でございます。
  続いて、7ページを御覧いただきたいと思います。このオープンサイエンスをめぐる具体的な施策につきましては、文科省内でも横断的な取組が必要であることから、先ほど御説明した学術情報委員会の審議まとめに関係するものに加えまして、広く関連施策を含めて記述しております。内容としては、6ページの今、御説明した主な観点に合わせて、現状と課題、それに対する今後の方向性ということで整理しております。
  まず、1の競争的研究費への導入検討でございます。AMEDやJSTにおける一部の競争的研究費における例はございますが、これを下の参考1で示しております。ここではプログラムとしてのデータ管理に関する方針をまず策定する。それとともに、研究チームごとにデータ管理に関する計画を策定して、こういった仕組みを入れてデータの共有・公開を促進していくということでございます。これについては、まだ一部にとどまっているという現状にございます。今後の方向性としましては、このような事例を参考に、文科省の他の競争的研究費において、こういった仕組みの導入を進めていくことを考えております。
  また、このデータの特性等に応じて公開・非公開の対応については、柔軟に対応できるような仕組みとしていくことも同時に必要と考えております。文科省としては、この第5期の期間中に導入を進める前提で対応していきたいと考えているところでございます。
  続きまして、2-1、8ページ、「研究データの保管に係る基盤整備について」を御覧いただきたいと思います。現状は、一部の分野においては国立の研究開発法人あるいは大学等においてデータリポジトリ等の整備が進められておりますが、これを忠実に図っていく必要がございます。
  今後の方向性ですが、データを集積する、こういったリポジトリ等の基盤については、特定の研究プロジェクトあるいは分野の中核である国立研究開発法人等において既に公的に整備されているものがありますので、まずはこれの活用を促進していくという方向性を示しております。その上で、これ以外の分野も当然これから進むところがございますので、まずはその研究者の所属機関におけるデータリポジトリを活用していくことを基本としてはどうかということでございます。
  このため、研発法人におけるデータプラットフォームの機能を備えた基盤を整備していくことと、大学等におきましては、NIIと連携した上でアカデミッククラウドという考え方でもって共通の基盤を構築、活用していくという方向性を打ち出しております。
  下の参考2で関連する概算要求について整備してございます。
  続きまして、9ページでございます。2-2として、ただいまのデータ基盤に関連して、研究データの散逸等の防止を図っていくということでございます。現状としては大学等で管理に係る規則を定めていくことを示しております。
  方向性としては、この規則の制定を促進することと同時に、多少技術的な話になりますけれども、研究データにデジタル的な識別子を付けて流通を促進するとともに、管理体制を構築していく仕組みを進めていきたいと考えております。
  続きまして、10ページの2-3で、データ共有/公開に対する評価の取組であります。このオープン化の推進に向けては、研究者のモチベーションあるいはインセンティブを高める方策が必要であるということが指摘されております。
  今後の方向性でございますが、データの公開・共有に取り組むもの、あるいは有用なデータの算出について、各機関や研究者の業績評価に適切に反映されるよう、各機関の評価指針等において明確化していく方向を掲げてございます。
  続きまして、11ページを御覧いただきたいと思います。「分野の特性に応じたデータの公開/非公開の在り方の検討」でございます。
  現状でございますけれども、この公開/非公開といった区分については、参考の5で14ページまでにわたりまして示しておりますが、多くの機関や研究プロジェクトにおいては、一般の公開と非公開の間に制限共有あるいは制限公開といった区分を設けております。また、公開までの猶予期間を設けることも行われております。
  今後の方向性といたしましては、オープンとクローズの間の中間的な取扱いを可能にしていくということと、この具体的な取扱いについては、データの特性あるいは研究機関の方針等を踏まえて、1つは研究プロジェクトにおけるデータ管理計画で取扱いを定めていくといった方法。もう一つは、研究機関におけるデータマネジメントポリシー等において定めていくことを進めることとしております。特に公開になじまない性格のデータにつきましては、非公開とする。あるいは、特別な配慮の上で公開を制限することについても規定していく必要がございます。また、公開までの猶予期間を適切に規定していくことも併せて行っていくということでございます。文科省としては、この第5期中に関係機関においてこういった整備が進むということで取り組んでいくこととしております。
  続きまして、ページが飛びますが、15ページを御覧いただきたいと思います。「人材の育成及び確保」については、データの利活用に精通した人材が必要になってくるわけですけれども、現状、体系的な育成が行われていないのではないかということでございます。
  方向性については、先ほどの議題でも御意見を頂いておりますけれども、参考7で16ページにお示ししております第4次産業革命に向けた人材育成総合イニシアチブに沿った人材の育成がまず必要であるということと、現場ではデータの共有・公開を進めるという意味で、データの加工を行う専門人材、キュレーター等の育成・確保の必要性についても検討を進めていくことを示しております。
  なお、人材に関する概算要求については、下の参考6で3点示してございます。
  次に、17ページ以降は参考情報として、関連のデータを基盤としたプロジェクトの推進、あるいは、学術情報のオープン化に関連する概算要求の内容についてお示ししてございます。適宜御参照いただければと思います。資料の説明は以上でございます。

【濵口主査】
  ありがとうございました。
  それでは、このオープンサイエンスの推進について、御意見、御質問等ございましたら、どなたからでも結構です。御意見を頂けますか。
  伊地知委員、お願いいたします。

【伊地知委員】
  4つあったうちの1番目の観点についてですけれども、既に御議論されていると思うのですが、そもそも研究活動というのは国際的に行われるところであるとすれば、どのようにデータ・情報を活用していくかということは世界のコミュニティの中でのことだと思いますので、互恵的な観点というのがあるのではないか。それを意識する上で、国内としてそれをどうするのかということがあろうかと思います。

【濵口主査】
  ありがとうございます。この問題、ほかにいかがですか。
  結城先生、どうぞ。

【結城委員】
  このオープンサイエンスにつきましては、向かうべき方向は非常にはっきりしていますし、何が課題でどう解決していったらいいかというアクションプラン的なものもかなりきちんと良くできていると思います。これから時間はかかるとは思いますけれども、この方向に沿って着々と、また強力に進めていけばいいのだろうと、まず思っています。
  私が気になっていますのは、数か月前に新井委員から提案があった研究者の情報、あるいは、その研究成果の情報の一元化という問題でありまして、あの提案は非常に建設的で、あれがもしうまくいけば、研究開発の生産性が大きく上がるいい提案だったと思うのです。省庁間の壁あるいは組織の壁を打ち破って、研究者に関するデータを一元化するということは、このオープンサイエンスと少しずれるかもしれませんけれども、非常に実利もあるし、是非ともやるべき課題ではないかと強く思っておりますので、その点を申し上げたい。

【濵口主査】
  きょうはあいにく御出席まだいただいていません。サイエンスマップのことですよね。これは特に産業界の方から見ても、どこにどういう研究者がいるかというのが、分かりづらいというから御意見があって、とても重要だと思います。

【細野委員】
  今の結城委員の意見は、全くそのとおりだと思います。現場の研究者から言いますと、研究論文のオープンアクセスは、基本的に重要なことだと思います。これは物すごくお金が掛かるのですね。1報当たり20万から60万掛かるのです。それを今の国立大学にやったら、まず2つ書いたら研究費がなくなります。これは現状です。ですから、お金がすごく掛かるのですね。それで、産業界の方が多分全く御存じないと思いますけれども、大学の経常研究費は今、1人40万円程度なのです。高いオープンアクセスの雑誌ですと、それを1本で超えます。日本でもどのくらいかな。10万はするでしょうね。そうすると、オープンアクセスにすると、どんどん首が絞まってしまうというのが現実です。
  それから、オープンアクセスにしたらどうなるかというと、基本的に日本の出版社というのは全然駄目なのですね。インパクトファクター、日本の学会で1を超えるものはほとんどないのです。全部これは海外の出版社にお金がいくことになるわけです。だから、オープンアクセスは確かに方向としてはいいのですけれども、費用の問題と誰が払うかという問題と、それがどこにいくかという、そこをきちんと考えないといけないです。
  この間、アメリカの物理学会の人が来て、それはけしからんので、今、物理学分野はArXivという無料で載せられるWEB上のサーバーをもっと活用しようということを提案しています。物理の領域ではArXivde現実にかなりの程度が動いているのです。でも、そういうものがいろいろな領域で出てこないと、とてもできないですね。ですから、オープンアクセスは賛成、誰も悪いという人はいないのですけれども、我が国の現在の大学の現状からすると、オープンアクセスにするとお金が払えないということです。

【濵口主査】
  ありがとうございます。そこは重要な点ですが、御意見ございますか。プラットフォームを作らないといけないと思うのですね。

【渡邊参事官(情報担当)付学術基盤整備室長】
  御指摘ありがとうございます。今、細野先生から御指摘いただいた点は、投稿料を払ってオープンアクセス誌に載せるという点だと思います。これは海外を中心に高額になっていることもあって、1つの課題でございます。
  一方で、オープンアクセスを進める手段につきましては、今、大学図書館を中心に、一度雑誌に載ったものをアーカイブしていくという取組もここ10年ぐらい進めてきているわけですけれども、これは著作権の問題などもあってなかなか進まない側面はあるものの、大学から生まれた成果を自分の大学できちんとアーカイブしていくことも必要な取組であろうということで、これも並行して進めていくことを推奨しているところでございます。国内の基盤が弱いという話がございましたが、私どもとしてはJSTのJ-STAGEの機能強化も図りながら、オープン化できる基盤を提供していきたいと考えております。
  それともう一点、投稿料の問題については、実は日本の大学の中でも雑誌を買う経費とは別にどれだけその投稿料が払われているのかといった実態が、実際把握できておりません。これはいろいろな会計のシステム等の問題もあってなかなか難しいところはあるのですが、これを今、図書館の団体がどうにかして把握できないかという活動をしていただいていますので、まずは投稿料の実態なども含めまして、このジャーナルに係る経費については、どのような次の手立てがあるか、検討を進めたいと思っております。

【濵口主査】
  では、細野先生。

【細野委員】
  オープンアクセスで公開になった論文のデータはデータベースに入ります。日本では世界標準になっているデータベースはないのです。基本的に全部海外なのです。ですから、どんどん情報を提供すればするほど、海外のデータベースが充実していく。情報分野に弱いということですけれども。先ほど前の議論に私が発言しなかったのは、では日本はどこで勝っていくのですかという、そこの一番気になるところが明確になっていないのです。キャッチアップで精一杯なのか。予算と人の面から言っても、多分そうだろうと思います。それでも、どこかでそれを考えておかないと、全部海外のトレンドに従うだけではどこも勝てないですよね。ですから、本当に現状でオープンアクセスにする必要があるのだろうかというのも、費用とコストを考えたときに現場ではそういう問題があるかと思います。

【濵口主査】
  実際ジャーナルがどれだけ国際化しようとしても、せいぜいバイオの分野でも3.5ぐらいがリミットで、それ以上は上がらないのです。

【細野委員】
  平均したら1以下ですよ。

【濵口主査】
  ですよね。分野によっては本当に零点幾つというのが結構あります。結局、皆さん、「Nature」「Science」だとか「Cell」だとか、こういうところに流れるわけです。

【細野委員】
 「Nature」「Cell」に流れるのはいいと思いますけれども、インパクトファクターは先生が言われた、日本のジャーナルでは最高で3.5ですから。

【濵口主査】
  だから、5以上出そうと思うと、外なのですね。そこを取っていないと研究費も取れないですし、ジレンマがあるのですね。過去に幾つか、何とか強化しようという動きがあったのですけれども、全部うまくいっていないのです。ほかの方法があるのかどうかという議論が本当は必要だと思うのですけれども。よって、投稿とは並行して、リポジトリをきちんと確保し、それをオープンに、共通のプラットフォームにする。大学の図書館なりがネットワークを使って、大学全体がそれを確保すればできるはずなのです。

【細野委員】
  あとは我々が著作権を出版社に渡さなければ、それができるのです。

【濵口主査】
  幾つか著作権を渡しても、本人が了承すれば出せるという条件があるのではありませんか。

【細野委員】
  出版社はそれでもうけようと思っているものですから、どんどん条件が、縛りがきつくなってきています。中途半端な公開は何の意味があるかというと、ほとんど意味がないです。網羅されてないものなど見てもしようがないですから。歯抜けですから。結局それだったら、お金を払ってそっちを買おうという話になるでしょう。

【濵口主査】
  アブストラクトだけでは意味がないですね。

【細野委員】
  全体として中途半端なデータベースというのは、作っても何の意味もないと思います。

【濵口主査】
  これはもう少し議論させていただかないといけない。

【橋爪科学技術・学術戦略官】
  御指摘のとおり、蓄積をして使っていただくには、そのデータの充実というのは非常に重要だと思っております。それで、全ての分野で一律にずっと、というのはなかなか難しいかと思うのですが、今までのプロジェクトから参りますと、例えば、DIASのような地球環境の研究では、既にこれまでの長い、先生方の取組の実績がございますし、あとは最近では材料分野でも物質のデータを蓄積して、そこから新しい材料を作っていこうということで、物質・材料研究機構とか、そのほか国立研究開発法人がそういう全国のデータを蓄積する中核になっていこうという動きもございます。もちろん、ライフ分野でもゲノムのデータというのは、データの蓄積が進んでおります。なかなか全ての分野で、というのは難しいかもしれないのですが、論文の公開とか評価には難しい課題があるところでございますけれども、先ほど濵口先生からも御指摘いただきましたように、それはそれとして別途、データを共有して新しい研究に役立てていくための、その分野の中核になるデータベースの構築は力を入れていこうと考えておりまして、概算要求でも取り組んでいるところでございます。

【濵口主査】
  では、土井委員、お願いします。

【土井委員】
  オープンアクセスに関して難しい問題があるというのは事実でありますが、先ほど御指摘のあったリサーチマップという話と、実は8ページの参考2の一番下に書いていただいているオープンサイエンス研究データ基盤の整備というのは、これが絡んでおります。こちらは、学術会議の方でオープンサイエンスの議論をいたしまして、私、委員長ですが、その中でNIIが今までやってきている名寄せの話であるとか、あるいは、J-STAGEの話であるとか、今、リポジトリを始めていますが、105以上の機関がリポジットしていただいています。これは、海外でもそこまでなっているところはなく、ある意味、ここはリードができています。それに加えて、データに関しても、同じように管理して論文が探せたら、その論文が基になっているデータは何なのかというところまで探す。それを誰が生み出したのかというところまでを探せるようにしていこうということを考えています。これをやることによって、初めて異分野での研究を破壊的イノベーションというのですか、そういうものを進めていく基盤になるのではないか。このときに日本だけで始めようとしているわけではなく、海外ともソフトウェア、そういう環境、インフラを作っていく上で、協調できる部分は協調していこうという方向で進めています。日本だけ独り勝ちしようというのはもう今更無理ですが、ある分野に限って、先ほど御指摘のありましたDIASでありますとか、脳の関係でCNETが今始めているのが、脳の実験を、ファンクショナルMRIでやるときに、その刺激のデータであるとか、実験に必要なデータも全部やり方とかも共有しつつ、やろうというのをImPACTとか理研とか、皆さんで話し合いながら始めています。そういうものも題材にして、このオープンサイエンス研究データ基盤の整備という中で、研究者自身がいろいろと異分野、破壊的イノベーションを起こしていけるような、そういうデータの共有ができないかということを提言しております。是非よろしくお願いいたします。

【濵口主査】
  はい、ありがとうございます。現状での課題は、とにかく研究者に負担がかからない状態で、1つでも2つでもとにかく成功例を作る。そういう分野を確保することかなと思いますが、ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
  では、竹山さん、お願いします。

【竹山委員】
  質問ですが、今回のこういう話を、私たち委員会に入って総括的にいろいろな分野のデータが今どうなっているかというのは分かるのですけれども、例えば、こういう分野ではこういう動きがあって、情報を総括し始めているとか、あとそれに似たような、例えば、バイオサイエンスだったらバイオサイエンスであると思うのです。一般というか、少し関わって興味があって、私もデータを持っているのだけれども、どうしたらいいのかな、どうなっているのだろうなと思ったときに、何がどこでどう行われているかというのは、どこかに入ればすぐ分かるのですか。例えば、今、そういうものを考えてやっていらっしゃるという話は、普通の研究者には多分、情報は入らないですね。そこに何か縁故があって、そのコミュニティの割と中心になっている、半径何メートルぐらいの人達には、多分、あそこに行けばあるのだというのは分かるのですけれども、そういうものでさえキャッチアップできるような状況が実はないのではないかなと。
  例えば、脳研究だと、いろいろなやり方で脳へのアクセスをしていて、もちろん、遺伝子でやっている全然違うコミュニティが実はあって、頭を細かく刻んで全部遺伝子を読もうというのが、今、アメリカで動いている。でも、それを知っているのは、たまたまそういう学会に行ったら、そういうコミュニティで分かって、端っこにいる人はなかなかそういうものが分からないのですね。だから、何かこういうものが国を含めてデータベースをやろうという動きがあるのだって、では私もそこにどのように参画できるのだろうというような、本当にそれは末端からのリクエストなのですけれども、実はこのような大きな話は共有されていないというのが現状なので、何かそういうものはあるのでしょうか。

【濵口主査】
  オープンイノベーションだとか、オープンサイエンスをなぜ求めたがっているかというと、実はパブリケーションだけでは今、イノベーションが起きない。5年前とか、下手すると10年前のデータをなぞっているだけになってしまって、研究収集団が何を考えているのか、最先端を走っている人が何を考えているのか、それを異業種・異分野の人がどううまくキャッチアップできるかというシステムが必要なのです。そこが実はどこも明快な回答を出し切れていないと思うのです。だけれども、ヨーロッパの方は、実は裏ですごい議論があるのです。JSTもきちんとそれは責任を持たなければいけないという議論を今、始めたのですけれども、最先端のところの議論そのものがオープンアクセスになるシステムをどう作るかというのが、実はイノベーションに一番大事で、後は論文を読めばいいのです。そこが分かれば、別に普通にパブリケーションはずっとなぞっていけば、どこまでやられたかは分かるので、一番コアなところをどうするかが実はものすごい工夫がいって、それであれば日本は先をずっと走れるのではないかなと、現状から一気にワープできるのではないかという気はするのです。オープンアクセス、オープンイノベーションの議論はそこにいかないといけないと私は思っているのです。
  木村先生、どうぞ。

【木村委員】
  このデータをオープン化する、ということは、その結果、複数のデータを統合して分析して利用しようということが続いて起きないと、意味がないのだろうなと。例えば、世の中にはいろいろなパブリックデータに満ちあふれていますが、フォーマットがまちまちで非常に使いにくいですよね。同じ内容でも日本の国内でさえ大学によって随分違うし、もちろん海外とはもっと違うのでしょうね。ですから、これらのデータを統合して分析など夢のまた夢。統合できる基盤がないと、せっかくオープンにしたものも結局使えないということになってしまうので、これは結構ドラスティックな変革が必要になるのかなと思います。
  それから、自分の疫学研究のデータは公開したくない、データは俺の宝だ、と考える研究者にとってはデータのオープン化は余りうれしくないでしょうね。オープンにすることで、研究者にとってもっと短期的なメリットが出てくる仕掛けを工夫しないといけないのかなという気がします。

【濵口主査】
  とても大事な点ですね。統合の問題、どうメリットがあるか、インセンティブがあるかということですね。もう少し御意見を頂ければとは思いますが、よろしいでしょうか。大体お話は、課題点が見えてきたところですけれども、この点に関して文部科学省としても御意見ございますか。

【真先大臣官房審議官】
  ありがとうございます。オープンサイエンスの問題、いろいろと御議論されていまして、御指摘がありましたように、方向性は明確なのだが、具体にどうするのかというのが、過去からずっと問題意識がありまして、なかなか進んでいないところが現実にございます。ですから、そういう中で現実に日本の、特に打ち出したいところを中心に成功例を出していくというのは、多分、1つの戦略だと思います。
  私自身も国際会議に行きますと、オープンイノベーション、オープンサイエンス、あとはデジタライゼーションと言っていますが、こういうキーワードが本当に飛び交っていまして、各国が物すごく議論を密にしている部分なのです。そういうことだからこそ、今、日本はどう諸外国との関係でやっていくのかというのも1つ課題でございます。ですから、この議論を積み重ねるのは国内だけの話ではないので、国際世界との関係でどのようにやっていくのかという意味で、定期的に会議もあるものですから、どういった方向で示唆していくかというのも、また並行して考えていきたいと思ってございます。

【濵口主査】
  ありがとうございます。
  今、新井先生、お越しになったのですけれども、大体話がまとまり始めているところです。
  先生、先ほどリサーチマップの話も出たのです。

【新井委員】
  リサーチマップですか。

【濵口主査】
  それも含めて、先生、言っておきたいこと全部吐き出してくれませんか。

【新井委員】
  オープンサイエンスに関しましては、リサーチマップでは研究者が論文の制作をしたり、共同研究を始めて議論し、その中で論文を共に作ったりし、そして、それをパブリッシュした結果が業績一覧に掲載されるというところまで一貫して支援をするという仕組みを御提供しております。ただ、今、そういう中でこの業績一覧をAIが支援することによって、この論文はどういう分野の論文で、この共著者はリサーチマップに参加しているどの人と共著が行われて、行く行くはこれがどういう競争的資金の支援によって行われ、経歴の変化もそれと突合ができて、これが最後に文部科学省の政策をされている方に大変受けがいいフレーズですけれども、そうやって研究者の業績が人間とAIとが連携することによって非常に精度良く入ったときに、過去の10年間で『Nature』あるいは『Science』」「論文を複数出した若手女性研究者は」と検索したら、パッと出る、というのを、これは東ロボ君の技術ですが、セマンティック・パーシングを深めて、そこまでできるところまで持って行ったなら、きっとこの第5期のフィードバックあるいは6期の計画までできるのではないかと思っております。重要なのは、全てのデータが正しくリンケージされていることで、よく言うのです。情報が黒い字で書いてある情報は死んだ情報です。全部青くなって、全部リンカブルになっていて、それが何とくっついているのか。そして、機械が読めるような状態で入っていると。そのようになるためには、共同研究を支援する、あるいは今、大学の研究室のホームページ、いろいろな大学で踏み台になっていて大変なことになっていますけれども、そういうサービスもリサーチマップの方で大学の研究室のホームページをリサーチマップで作れますと。そうすると、JSTさんが高度なセキュリティ技術をもって、きっとそれをお守りになって運営をされると思いますので、そのようになって全国の研究者、平等に論文の生産からパブリッシュ、特許の出願まで御支援ができたらいいなと思っております。
  以上です。

【濵口主査】
  ありがとうございます。細野先生の御疑問にはこれで答えられることができるかどうかということがあります。

【新井委員】
  平成31年公開を目指して、現在、概算要求中でございます。

【濵口主査】
  ありがとうございました。オープンサイエンスについては、国際的にもスピード感を持って取り組まれております。我が国も後れを取ることがないようにということで、文科省においても具体的な計画を作成し、関係機関と早急に取り組んでいただきたいということを改めてお願いしたいと思います。それから、総合政策特別委員会としてもしっかり進捗状況を確認していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。それでは、一通り御議論いただいたと思いますが、そろそろ時間ですので、本日はこの辺りで終了させていただきたいと思います。
  事務局より連絡事項をお願いしたいと思います。

【宮地企画評価課課長補佐】
  事務局より御連絡させていただきます。
  次回の総合政策特別委員会については、12月19日15時から17時で文科省東館3階講堂、本フロアの講堂でございますけれども、予定しております。
  本議事録は後ほど事務局より委員の皆様にメールでお送りさせていただきます。皆様に御確認いただいた上で文科省ホームページに掲載させていただきますので、よろしくお願いいたします。
  また、本日の資料につきましては、お帰りの際に机上の封筒に入れていただいた上で机上に残していただければ、事務局より後ほど郵送させていただきます。
  事務局からは以上でございます。

【濵口主査】
   ありがとうございました。
  それでは、きょうはこれで終了とさせていただきます。長時間ありがとうございます。

お問合せ先

科学技術・学術政策局企画評価課

(科学技術・学術政策局企画評価課)

-- 登録:平成29年05月 --