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総合政策特別委員会(第14回) 議事録

1.日時

平成28年9月26日(月曜日)16時00分~18時00分

2.場所

文部科学省3階1特別会議室

東京都千代田区霞が関3-2-2

3.議題

  1. 第5期科学技術基本計画のフォローアップ等の状況について
  2. 科学技術イノベーションへの投資効果の検証等について
  3. 総合政策特別委員会の今後の検討について

4.出席者

委員

濱口主査、新井委員、伊地知委員、稲葉委員、小野寺委員、春日委員、木村委員、庄田委員、白石委員、竹山委員、知野委員、細野委員、松本委員、結城委員

文部科学省

戸谷文部科学審議官、田中研究開発局長、伊藤科学技術・学術政策局長、川上科学技術・学術政策研究所長、中川サイバーセキュリティ・政策評価審議官、板倉大臣官房審議官(研究振興局担当)、白間大臣官房審議官(研究開発担当)、真先大臣官房審議官(科学技術・学術政策局担当)、増子会計課長、神代科学技術・学術総括官、村上科学技術・学術政策局企画評価課長、ほか関係官

5.議事録

【濵口主査】
  おそろいのようですので、それでは、ただいまより科学技術・学術審議会第14回総合政策特別委員会を開催させていただきます。
  委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
  それでは、まず、事務局より出席者の紹介をお願いいたします。

【宮地企画評価課課長補佐】
  事務局でございます。それでは、出席者を御紹介いたします。
  本日は、五神委員、永井委員、西尾委員が御欠席されております。また、松本委員は遅れて御出席される予定となっております。また、土井委員が御本人の御意向により、9月15日付けで科学技術・学術審議会の委員を御辞任されました。なお、引き続き、当委員会の臨時委員を引き受けていただく予定でございますが、臨時委員の発令手続を現在進めているところでございまして、本日、土井委員は御欠席となります。その他の委員の方々には御出席いただいております。
  加えて、前回の委員会が開催された6月以降の人事異動により、文部科学省からの出席者にも変更がございますので、御紹介いたします。
  まず、大臣官房サイバーセキュリティ・政策評価審議官の中川健朗でございます。

【中川サイバーセキュリティ・政策評価審議官】
  中川でございます。よろしくお願いいたします。

【宮地企画評価課課長補佐】
  続いて、大臣官房審議官(科学技術・学術政策局担当)、真先正人でございます。

【真先大臣官房審議官】
  真先でございます。よろしくお願いいたします。

【宮地企画評価課課長補佐】
  以上でございます。

【濵口主査】
  ありがとうございました。
  それでは、会議開催に当たりまして、事務局から配付資料の確認をお願いします。

【宮地企画評価課課長補佐】
  事務局から御説明を差し上げます。資料については、お手元の議事次第の裏にありますとおり、資料1-1から3、参考資料1を配付してございます。
  また、机上にドッチファイルとして基本資料を置かせていただいております。欠落等の御不備がありましたら、事務局までお知らせください。
  以上です。

【濵口主査】
  ありがとうございます。
  本日は、主に二つの議題がございます。前回御議論いただきました重点的調査検討事項のうち、本日は、「第5期科学技術基本計画の着実なフォローアップと効果的・効率的な指標・データの活用方策」、それから、「科学技術イノベーションへの投資効果の検証と発信」について御意見を頂きたいと思います。
  まず、前半は、第5期科学技術基本計画のフォローアップ等の状況について、事務局からの説明に基づき、御意見を頂きます。また、後半は、科学技術イノベーションへの投資効果の検証等について、事務局から説明する経済社会・科学技術イノベーション活性化委員会の議論の状況等に基づき、御意見を頂きたいと思います。
  今後、総合政策特別委員会として、文部科学省における平成30年度概算要求の検討やその他、今後の施策の検討に資するため、基本計画の推進に向けて過不足のないよう、提言をまとめていきたいと考えております。今回はそのためのキックオフになりますので、どうぞよろしくお願いします。
  それでは、議題(1)に入ります。第5期科学技術基本計画のフォローアップについては、科学技術・学術審議会の各部会、分科会において調査審議を進めていくとともに、総合政策特別委員会においては、全体俯瞰の観点から調査検討を行うこととされています。
  本日は、事務局より俯瞰マップに即して、来年度概算要求の状況や各分科会等の調査審議状況等について御説明を頂くとともに、特に具体的に調査審議の進んでいる研究計画・評価分科会及び学術分科会については、個別に担当事務局からその調査審議状況について補足して説明を頂きたいと思います。
  それでは、事務局より資料説明をお願いいたします。

【宮地企画評価課課長補佐】
  事務局でございます。資料1-1から資料1-7にかけて御説明を差し上げます。
  資料1-1につきましては、平成29年度概算要求及び平成28年度補正予算おける科学技術関係予算の内閣府の資料となります。
  1枚開いていただきまして、科学技術関係予算の全体像でございますけれども、総額につきましては、3兆9,746億円となっておりまして、増額として5,165億円、増減率としては14.9%の増額となってございます。
  次のページを見ていただくと、各省の内訳となってございます。そのうち、文部科学省の総額としては、2兆5,501億円、対前年度増額としては3,037億円、13.5%増となってございます。
  資料1-2でございます。こちらにつきましては、文部科学省全体の概算要求のポイントの資料でプレス公表している資料でございます。
  まず、1ページ目に、文部科学省関係予算、文科省の概算要求状況の総額となりますが、5兆8,266億円となりまして、5,051億円の増、9.5%増となってございます。
  続いて、13ページを開いていただきますと、「科学技術予算のポイント」と題された部分になりまして、研究3局分の予算となっております。平成29年度の要求・要望額としましては1兆1,254億円ということで、対前年度の増減額としては1,634億円、増減率としては17%増となってございます。
  資料1-3を御覧ください。「平成28年度文部科学省第2次補正予算(案)」でございます。一つ目としましては、1ページ目の一番下にございます我が国の成長を担う人材育成の強化ということで、114億円が計上されているところでございます。
  次のページを開いていただいて、2ページ目でございますけれども、生産性革命を支える科学技術イノベーションの推進ということで、宇宙関係、AI関係など、764億円が計上されているところでございます。
  続きまして、資料1-4、文部科学省における税制改正要望事項でございます。1.の(6)に研究開発関係がございまして、試験研究を行った場合の法人税額等の特別控除の拡充ということで、経済産業省との共同要望をしております。こちらについては、文科省関連としては、オープンイノベーションの制度に関しての制度改善等を進めているというところが主な要望事項となってございます。
  続きまして、資料1-5から本題に入ってまいります。文部科学省における科学技術・イノベーション政策の施策の体系、イメージということで概要を示させていただいております。
  こちらについては、Plan、Do、Checkということで、PDCAの文部科学省における施策の動かし方を俯瞰的に見たところになります。まず、Planとしましては、総合政策、つまり基本計画等でございますが、それに加えて、文部科学省における施策の計画があります。Doにつきましては、これを受けまして、文部科学省ないし審議会等で事業の実施をしていきます。Checkにつきましては、審議会等におけるフォローアップを各担当課・分科会及び研究計画・評価分科会等でフォローアップをするとともに、行政機関、文部科学省における評価を進めているという、そういった大きな流れとなってございます。
  簡単に御説明を差し上げますと、4章から6章については、人材であるとか産学官連携であるとか、文科省のみでフォローアップが可能な科学技術基本計画の章立てでございます。これにつきましては、文科省だけでフォローアップ可能ということであることから、俯瞰マップ等を試作しておりまして、そういったものも基にして事業実施をし、それを各担当課や各分科会等でフォローアップしていくという流れを想定してございます。
  また左側を見ていただきまして、科学技術基本計画の2章、3章につきましては、Society 5.0や、各課題対応のものであって、文部科学省だけではフォローアップがなかなか難しいということで、施策の計画に当たっては、それぞれのプログラム、大きな計画ごとに研究開発計画を立てます。それに対して事業を実施するとともに、研究計画・評価分科会等でフォローアップをしていくということでございます。
  詳細については、後ほど、研究計画・評価部会の事務局から御説明を差し上げますが、青で囲ってある部分につきまして、総合政策特別委員会におきましては全体俯瞰の観点でフォローアップをしていただきたいということでございまして、各分科会等も連携をしながらやっていきます。それに加えて、科学技術・学術審議会以外の政策分野についても連携していくということで御審議いただきたいと思ってございます。
  続きまして、資料1-6、大部になりますが、文部科学省における第5期基本計画の実施状況についてということでございます。
  まず、1枚開いていただきまして、「本資料の位置付け」でございます。先ほど御説明しましたPDCAの流れ、それを説明しているものでございます。基本計画における政策領域ごとに試作した俯瞰マップというもので、Planとして試作したものを掲載しております。それに合わせて、政策領域ごとの俯瞰マップごとにおける当該領域の政策・施策・個別取組等を企画・立案・評価する上で必要な指標ということで、マップに張り付けられた指標がございます。それを踏まえ、科学技術・学術審議会等や各分科会等における施策、政策や施策の検討状況、文部科学省における取組状況を整理しております。そういったものを見ていただいた上で、御意見を頂戴できたらと思っております。
  まず、4ページ目でございます。俯瞰マップ1でございますけれども、6ページ目で、Planのマップ、Checkする上での指標ということで示させていただいております。
  資料の7ページで、それに向けて、どのように分科会等で検討されているのか、また、施策が展開されているのかということを記載してございます。まず、分科会の検討状況につきまして、先端研究基盤部会が未来社会創造事業「革新的未来技術創出型」の事前評価などを実施し、事業実施に向けて取組を進めているということでございます。
  8ページ目を、御覧いただくと、1列目で「未来社会創造事業」について新規要求を90億円しているということでございます。これにつきましては、戦略的創造研究推進事業や科研費助成事業等の成果を社会実装に加速してつなげるために、経済・社会的なインパクトを重視した非連続イノベーションを創出する画期的・革新的な研究開発を概念実証に向けて実施するというものでございます。
  続きまして、10ページ目を開いていただくと、俯瞰マップ2でございます。11ページ、12ページ目、13ページ目に飛んでいただきまして、分科会の検討状況につきましては、研究計画・評価分科会で研究開発計画の策定に向けて準備が進んでいるとともに、進捗状況、前回御審議いただきました際からの進捗状況として、戦略的基礎研究部会が「数学イノベーション推進に必要な方策について」を平成28年7月に取りまとめております。
  また、施策につきましては、「先端ロボット技術によるユニバーサル未来社会体験プロジェクト」の取組がなされております。
  また、補足になりますが、各施策の下に、関連する事業と書かせていただいております。これにつきましては、各マップに、ここでいうとマップ2には該当しないけれども、例えば俯瞰マップ5が主に対応する「気候変動適応戦略イニシアチブ」というのが三つ目にございますが、関連するものとして、マップ2にも載せているということでございます。マップ間の連携の示し方が難しいところでございますが、1つ1つ見える化をしていきたいと考えているところでございます。
  また、続きまして、第2章(3)では、「データ関連人材育成プログラム」が概算要求額3億円ということで計上されております。ポストドクター等に対して、インターンシップ・PBL等による研修プログラムを開発・実施することで、各々の専門性を有しながら、データサイエンス等のスキルを習得させる等の事業でございます。
  続きまして、15ページ目を見ていただくと、こちらの方に、「AIP:人工知能/ビッグデータ/IoT/サイバーセキュリティ統合プロジェクト」が大きな予算増となっているとともに、「データプラットフォーム拠点形成事業」ということで、国立研究開発法人を中核としたオープンイノベーションを推進するためのプラットフォームの構築についての事業が新規要求をされているという状況でございます。
  続きまして、18ページ目、俯瞰マップ3から6でございます。こちらにつきましては、マップ化が難しいということで、研究開発計画を策定するというところであり、後ほど事務局より対応状況について御説明を差し上げます。
  29ページ目、特筆すべきものとしましては、「医療研究開発推進事業費補助金」ということで、AMEDに対する補助金がおおよそ120億円増となっている状況であったり、32ページ目、自然災害への対応というところで、「首都圏を中心としたレジリエンス総合力控除プロジェクト」に7億円が計上されてございます。
  続きまして、俯瞰マップ7の人材の部分でございます。こちらにつきまして、ページ数41ページ目を開いていただきますと、まず、41ページ目の一番下、「卓越大学院(仮称)の検討のための有識者会議」ということで、プログラムを形成する取組が進んでございます。スケジュールが新規に明らかになったということで、平成29年度で公募・審査の仕組み等に関する調査研究を実施するとともに、平成30年度でプログラムを開始するというところでございます。
  また、42ページ目でございまして、「特定研究大学(仮称)制度検討のための有識者会議」ということで、「指定国立大学法人制度」の創設でございますけれども、こちらもスケジュールが少し変わってございまして、前は年末というめどが示されておりましたが、平成28年11月末をめどとして申請受付を開始予定となってございます。また、中央教育審議会教育課程部会におきましては、次期学習指導要領の検討がなされてございます。
  次のページ、43ページをお開きいただいて、例えば「テニュアトラック普及・定着事業」が大きな増となっているとともに、「理工系人材育成に関する産学官円卓会議」が引き続き実施をされております。右側を御覧いただくと、これまでの取組として、平成28年8月に「理工系人材育成に関する産学官行動計画」が策定されているという状況でございます。また、今後の取組として、「大学等における数理・データサイエンス教育の強化」も新たに進んでいるという状況でございます。
  更に開いていただいて、46ページ目で、新規事項として、3行目、「Jr.ドクター育成塾」というものも2億円計上されているということがございます。
  続きまして、俯瞰マップ8でございます。48ページ目、49ページ目、50ページ目、52ページを開いていただきますと、新しいものとしましては、2)国際的な研究ネットワーク構築の強化というところで、その2行目、「若手研究者海外挑戦プログラム」がございます。これをJSPSで新規要求をしているという状況でございます。
  また、続きまして、59ページ目、俯瞰マップ9でございます。分科会等の議論におきましては、学術分科会の四つ目で、科研費改革についてということで、「『挑戦的萌芽研究』、『若手研究』及び『特別推進研究』の見直し等の検討を進めており、『科研費による挑戦的な研究に対する支援強化について(中間まとめ)』を取りまとめた」というところでございます。また、「学術の体系の変革を志向した挑戦的な研究への支援を強化するため、新たに『挑戦的研究(開拓・萌芽)』を新設し、9月より公募を開始した」という状況でございます。
  また、60ページ目を御覧いただくと、戦略的基礎研究部会でございまして、WPIプログラムの将来構想ということで、その評価、改善点について、平成28年7月に取りまとめたという状況でございます。
  また、61ページ目でございますが、「科研費補助金」及び「世界の学術フロンティアを先導する大規模プロジェクトの推進」等について、100億単位の増要求をしているということでございます。
  続きまして、俯瞰マップ10でございます。こちらの方、67、68ページ目について、研究基盤部会の事務局のまだ案というところでございますが、マップの方が前回から変わっておりますので、一言付け加えさせていただきます。
  69ページ目でございますが、分科会の先端基盤研究部会の議論といたしまして、二つ目、先端計測機器開発の戦略については、「平成29年度から開始される未来社会創造事業『研究成果実用化加速型』の検討状況についてJSTから聴取し、先端計測機器など先端的な基盤技術の研究開発方針について議論する」とされているところでございます。また、それに関する予算というものが70ページ目の2)で、「先端研究基盤共用促進事業」ということになってございます。
  また、72ページ目でございます。3)のところの一つ目、「国立大学法人等施設整備費補助金」が前年度418億円のところ、今回970億円という概算要求額となってございます。
  また、続きまして、俯瞰マップ11でございます。76ページ目、77ページ目、78ページ目、79ページ目等でございますが、そういったところにつきましては、引き続き進めていくというところでございます。
  俯瞰マップ12でございます。分科会等の状況で、イノベーション促進産学官の対話会議というのがこのページの一番下にございます。その中で、「産学連携による共同研究強化のためのガイドライン」を策定するとされております。「日本再興戦略」を踏まえまして、民間投資3倍増に向けて、「組織」対「組織」の産学連携を深化させるための方策や、その方策の実行に必要な対応の検討を目的として、文科省、経産省の両省でイノベーション促進産学官対話会議の設置をしているところでございまして、スケジュールにつきましては、11月末にガイドラインを取りまとめる予定とされてございます。
  続きまして、92ページ目、俯瞰マップ13でございます。96ページ目でございますが、「次世代アントレプレナー育成プログラム(EDGE-NEXT)」としてEDGEプログラムの後継として7億円が計上されているという状況でございます。
  また、続きまして、100ページ目、俯瞰マップ14でございます。104ページ目でございますが、「地域イノベーション・エコシステム形成プログラム」が大幅な増要求となってございます。
  また、俯瞰マップ15でございます。国際関係の強化でございますが、これについても、分科会、施策等、引き続き検討が進められているという状況でございます。
  また、俯瞰マップ16でございますけれども、119ページ、120ページ目、引き続き取組を進めているという状況でございます。
  また、俯瞰マップ17、18につきましては政策推進を担う行政の取組の整理であるというところもございまして、指標ではなく、基本計画に記載された取組の実施状況を把握するとされているところです。
  俯瞰マップ17でございますが、124ページ目、こちらも再掲になりますけれども、イノベーション促進産学官対話会議が取り組まれているとともに、125ページ目にございます、「国立大学改革」の点、加えて、126ページ目、「特定国立研究開発法人制度」として取組がなされているところでございます。
  最後、俯瞰マップ18でございます。実効ある政策推進というところで、129ページ目、130ページ目でございまして、「科学技術イノベーションにおける『政策のための科学』」、「科学技術・学術基本政策の基礎的な調査研究等に必要な経費」、また、e-Rad等の研究開発管理システムの運営がなされているところでございます。
  長くなりましたが、資料1-6までは以上でございます。
  続きまして、研究計画・評価分科会、学術分科会の事務局より、補足説明をさせていただきます。

【國分企画評価課課長補佐】
  資料1-7を御準備いただければと存じます。私は、計評分科会の事務局を担当しております國分と申します。
  前回6月の本委員会におきましては、研究計画・評価分科会、以下、計評分科会とさせていただきますけれども、こちらで第5期科学技術基本計画の第2章及び第3章への対応を踏まえた構成とする研究開発計画を策定することといたしまして、検討中であるということを御報告いたしました。
  資料の2ページ目を御覧ください。研究開発計画の構成でございます。7月の計評分科会におきまして、研究開発計画の構成につきまして、文部科学省における政策・施策目標体系の見直しと整合性を図りまして、施策目標に合わせた章立てとすることに変更いたしております。なお、個別の構成項目につきましては、順番に入れ替わりはございますけれども、変わっておりません。
  資料の3ページ目を御覧いただければと存じます。文部科学省における政策・施策目標の変更についての資料でございます。いわゆる行政評価法に基づきまして、文部科学省が政策評価を実施するための政策目標体系を定めているものでございます。左側の青の破線部分で囲まれたところが旧政策・施策目標、右側の赤の破線で囲まれたものが変更後の政策・施策目標でございます。
  計評分科会開催時の資料のため、案の段階の資料で大変恐縮でございます。今回、第5期科学技術基本計画の策定を踏まえまして、この政策目標体系のうち、第5期基本計画に関連する部分と第5期基本計画の政策・施策体系、及び、計評分科会が策定・実施する研究開発計画に関連する部分、この三つを、可能な限り整合するように見直しを行ったものでございます。これによりまして、効果的なフォローアップの実施や各局間の業務効率化を図ることとしております。
  本資料の政策目標Cの「未来社会に向けた」と書いてある部分ですが、ここのC-1からC-5が、今回、研究開発計画の第1章から第5章により対応するものでございます。
  資料2ページ目にお戻りいただきますと、章のタイトルの後ろに赤字の括弧書きで書かせていただいたものが3ページ目の施策目標に当たりまして、これに対応していることをお示ししております。
  資料の4ページ目を御覧いただければと存じます。研究開発計画の章ごとの構造でございます。ここでは第2章の環境・エネルギーに関する課題への対応を例にしてございます。構造のポンチ絵だけではイメージしにくいかと存じますので、もう1ページめくっていただきますと、8月の計評分科会で審議いたしました「研究開発計画(案)」から、第2章部分を抜粋して例として添付いたしております。
  資料の4ページにお戻りください。研究開発計画では、章ごとに、まずは大目標といたしまして、基本的に研究開発計画の記述を引用して設定してございます。
  次に、大目標を達成するために、文部科学省が施策として実施する中目標、政策評価でいう達成目標に該当するものですけれども、こちらを関係する委員会ごとに設定することとしております。
  次に、例に挙げました環境・エネルギーに関する課題への対応の場合、環境エネルギー科学技術委員会及び核融合科学技術委員会が中心となって検討している状況でございます。また、今回の研究開発計画では、中目標の達成に向けまして、各分野の研究開発がうまく実施されているかを客観的に評価できるよう、中目標ごとにアウトプット指標、アウトカム指標も設定することとしております。
  その次に、中目標を達成するために重点的に推進すべき研究開発の具体的取組、個別の研究プロジェクト等になりますけれども、こちらを記載することとしております。
  章の最後の方に、研究開発の企画・推進・評価を行う上で留意すべき推進方策、横串的な部分になりますけれども、人材育成、オープンサイエンス、オープンイノベーションの推進等についても記載することとしております。
  8月の計評分科会までに、各委員会において、赤の四角でくくった部分ですね、こちらにつきまして検討を進めているところでございまして、次回11月の計評分科会に向けまして、青の破線部分、指標ですとか推進方策の部分を検討していく予定でございます。そして、2月に予定しております計評分科会で研究開発計画として取りまとめる予定でございます。
  以上でございます。

【宮地企画評価課課長補佐】
  続きまして、学術分科会から御説明をさせていただきます。よろしくお願いします。

【田村振興企画課学術企画室長】
  学術企画室長をしております田村と申します。学術分科会の関連のフォローアップにつきまして、追加で補足として報告させていただきます。資料につきましては、資料1-6の58番のスライドを御覧いただければと思います。
  学術分科会におきましても、第5期科学技術基本計画の取組が進みますよう、フォローアップを行いますとともに、指標について議論を進めているところでございます。指標につきまして主な意見に関しましては、前回6月の総合政策特別委員会でも御紹介をさせていただいたところでございます。その6月の本委員会での議論や新たな俯瞰マップにつきまして、8月の学術分科会にも報告させていただきました。
  指標に関しましては、学術分科会でも意見の出ておりました研究時間に関する指標、また、研究者1人当たりの研究費も追加されたということで、おおむねこの指標に関する議論は収束しかけたところでございますが、特に国際共著論文の比率につきまして幾つか御議論がありましたので、紹介をさせていただきます。
  具体的には、本指標は、基本計画の政策の結果を見るための指標でありますが、近年、大学評価で用いられるようになってきており、海外からの被引用回数を増やすためのテクニックとして目的化しているのではないかというような疑問を持っているという御意見がございました。また、二つ目といたしましては、学術研究としてオリジナリティが高く、評価されている論文には、国際共著論文ではないものも多いという御意見。それから、三つ目といたしまして、国際共同研究が当たり前になっている分野と、日本独自に最先端の研究を行っている分野もあるので、その点、考慮する必要があるのではないかというような御意見がございました。
  もちろん、一方で、これは飽くまでも研究の絶対値の指標ではなくて、国際的な研究ネットワークや研究協力の結果の指標であると。そういうふうに見れば、あり得る指標なのではないかという御意見もあったところではございますが、学術分科会では、国際共著論文比率の例につきましては、むやみに共著者を増やすような弊害とか、分野による違いなどについても十分配慮する必要があるという御意見が多くあったことを御紹介させていただきます。
  以上でございます。

【宮地企画評価課課長補佐】
  事務局からは以上でございます。

【濵口主査】
  ありがとうございました。
  それでは、早速、質疑応答に移りたいと思いますが、ただいま事務局から説明のありました内容について、御意見、御質問等あります方は、どなたからでも結構でございます。挙手をお願いいたします。大分情報が大量にありまして、消化不良をちょっと起こしているかもしれませんが、いかがでしょうか。はい、伊地知さん、お願いします。

【伊地知委員】
  御説明、ありがとうございました。2点ございます。
  一つは個別のことにはなかなか行かないで、全体を拝見していてということですが、いろいろとPDCAを回すように、目標だとか指標とかを整理されていらっしゃるということはよく理解していて、資料1の中では、例えばアウトプット指標、アウトカム指標と区別されていらっしゃいました。
  しかし、例えば資料1-6を拝見すると、その指標も、アウトプット指標、アウトカム指標の部分もあれば、パフォーマンス指標のようなものもあります。少し具体的に言いますと、確かにこの体系は施策単位で整理されているのですけれども、その施策だとかプログラムの推進主体であるところの、例えば文科省であるとか、それを引き継いで受け継ぐ研究開発法人、あるいは、大学等であるとか、その後の個々の研究者、さらには、民間企業等であるとか、今度は研究者が生み出した論文等の成果の受け手であるとか、そういう様々な立場にとってどういう指標なのかということが、混在、渾然一体としていて、そこがあまりよく整理をされていないのではないか。
  あるいは、そういう施策単位では整理されているものの、そういう個々の施策プログラムではなくて、実はシステムとしての指標である可能性もあります。そのあたりについては、例えばこういった領域については、いわゆるロジックモデルとかがありますので、そういった枠組みに照らして、どういった指標が適切なのだろうかということをもう少しまだ考えていただく余地があるのではないかなと思います。
  あわせて、出されている指標については、当然それがどういうことを意味するのかということを見るためには、一定のベースラインを持っていないと判断していけないと思いますので、そういったモニタリングに資するための情報というのもどういうものがあったらいいのかということもお考えいただくとよろしいのではないかと思います。これが1点目です。
  それから、2点目は、具体的なことを事例に挙げて恐縮ですが、今、御説明いただきました、資料1-6の58ページです。私の発言の趣旨は、特定の指標を選ぶことによって、逆に指標で選ばれない点に着目が行かなくなる危険性があるということを主張したいということです。
  実は、先週、OECDが開いた10年に1回の科学技術・イノベーション指標関係の会議がありまして、その場の中で、たまたま、そのこの分野の国際的な研究者の方といろいろディスカスする機会があったんですが、その方がまさにこの一番上にある被引用度のこのあたりの分析をされていらっしゃって、実は日本は世界のほかの国々と比べて圧倒的に、この11%から25%、その領域のシェアが下がっていると。その研究者が、かなり危機的な状況ではないかというようなことをおっしゃっていた。
  つまり、指標として見ないと、そういうことが見えなくなってしまうので、そういうことをきちんと見ていくということも重要ではないかということを指摘させていただきたいと思います。

【濵口主査】
  いかがでしょうか。何か御意見あります? 2点目のところは、もう少し幅広く見れば見えてくるということですかね、これ。

【伊地知委員】
  そうですね。確かにこのトップを見るということももちろんこれは政策目標上、非常に重要だと思うのですけれども、一方で、プログラムだけではなくて、システム全体のありようとしても、それが健全かどうか、今のところで言えば、その裾野の裾が全部ある意味では削られてきていると、そういうことを示唆するわけなので、そういうこともきちんと把握しておいたらいかがでしょうかということです。

【濵口主査】
  ありがとうございます。
  ほか、いかがですか、今の御意見に関して。じゃあ、結城委員、お願いいたします。

【結城委員】
  私はむしろ応援の方ですけれども、この一番分厚い資料1-6ですが、こういうまとめ方をしたというのは過去になかったことで、全く初めてのものであります。それで、これだけのものをまとめるのはかなり大変だったろうなとまず思いますことと、第5期の科学技術基本計画の政策から始まって、我々の審議会の各分科会等の検討状況がどうなっているか、それから、それを実行する文科省の予算がどうなっているかということを、こういうふうに縦と横、非常に見やすくまとめていただいていると、私は高く評価したいと思っております。
  ただ、政策の領域によって、大分それぞれ性格が違いますし、今、伊地知先生がおっしゃったようないろんな問題も抱えていると思いますので、まさにこれを出発点として、これを常に見直して、より精緻なもの、完成度の高いものにしていくということが大事ではないかと思っております。

【濵口主査】
  ありがとうございます。私も、従来、文部科学省のこういうのは文章が並んでいて、どこに何があるのかを探すのが大変でしたが、俯瞰マップを作っていただきましたおかげで、どこにどういう予算が投入されて、どういうことを目標にしているかがかなりよく見えるようになったなと。
  ただ、この横串がうまくきちっと通っているかどうか、もっとよく見ていただくことと等が必要かと思いますね。出発点としては非常にいいかなと思います。
  どうぞ、細野先生。

【細野委員】
  済みません。僕は現役の研究者から見ると、引用の回数だけでものを測るという、こんなばかなことをやっていたら、もうはやりの研究しかやらないですよ。やはりファッションになってない、ファッションを作り出すというところをもうちょっときちんと評価をしないと、今、世界じゅうがみんな、『Nature』、『Science』に踊らされて、みんなそちらの方向に行っちゃって、多様性が全くなくなっちゃっている。
  これはやっぱり、イノベーションと引用回数というのはどういう関係にあるか。もちろん、正の相関でしょうけれども、やはりオリジナルの部分の、製造業がこれだけ外へ出ていっちゃうと、イノベーションをするときに主体がなくなってしまう。知財をどういうふうに押さえるかという問題もある。ただ、それは引用の回数、論文の引用回数と、もしかすると少し逆行する部分がある。
  それをきちんと指標に入れておかないと、この引用回数だけとかでやると、肝心なイノベーションが落ちてしまうというところはきちんと入れていただきたいと思いますが。

【濵口主査】
  ありがとうございます。私もちょっと同感の部分があって、ノーベル賞を取られた先生方のコアになる論文をずっと見てみると、名もない雑誌が多いんですね。英文では書かれておりますけど、インパクトファクターでいくと、3.0とか、そういうところにぽそっと入っている。
  そこから大きく広がってくるところに、その展開を私たちがうまくピックアップする方法をちゃんと作らないといけないなというのをちょっと感じております。これ、まだ開発が要るんじゃないかなと思いますけど。
  もう一つの、先生が言っておられる製造業は本当に大変ですね、これ。アメリカがホームグラウンド回帰しようと思ったときに、アメリカの学長に聞いたら、工場を造るのにも中間技術者がアメリカにはいなくなって困っていると、同じことが今起き始めていると。

【細野委員】
  ええ。だから、イノベーションを何で測るか。引用回数でイノベーションを測るというのは幾ら何でも違うでしょうと。そこでイノベーションを文科省はこれだけ強く口癖のように言っているわけですから、それをどうやって科学的に指標とするかというところを、ここは僕は本当に文科省のイノベーションだと思いますけど。

【濵口主査】
  どうぞ、新井委員。

【新井委員】
  私は、このような大変精緻な検討をしていただきましたことは大変有り難いなと思っております。
  ですけれども、やはり指標の部分が、例えばなんですけど、数と書いてあるところが大変多いんですね。例えば、研究支援者数もそうですけれども、論文数もそうですけれども、女性研究者割合とか、マクロ的な数だけ出てくる感じの指標が大変多くて、それだと、結局掘れないな。細野先生がおっしゃったのもまさしくそうで、インパクトファクターが幾つであるようなものが何本みたいな、本になっちゃったら分からないよね、みたいなところがあるんじゃないかなと思うんですね。
  例えばなんですけれども、多様性という話で女性研究者数みたいなのがあるんですけれども、それは全然数で独立して出てくるので、論文の中に女性研究者がどれだけ入っているかというのも分からないです。
  ですので、本来はこのアウトの論文のところに、女性何人なんですかとか、あとは、比率ですね。若手の研究者がちゃんと育っているのかというのは、本当はそういう比率であるとか、そういう中に出てきます。特任の方とかクロスアポイントメントとか、そういう人数は何か別途出てくるらしいんですけれども、じゃあ、クロスアポイントメントをして本当にアウトが出たのかというのは、そこはマクロになっちゃうと分からないんですよね。
  なので、本当は生データを持っているべきなんですよね。例えば論文があって、この論文は誰さんと誰さんと誰さんで、それで、女性がこの方、日本でない方がどなた、特任がどなたでクロスアポイントメントがどうなっているというのが掘れるような状態、特許もそうですし、産学連携もそうですし、それが全部生データの段階で取れるようにしておくというのが、結局、最終的にこれも出てくるし、掘りたかったら掘れるだけ掘れるというために必要なことかなと思って、それが簡単にできる方法というのが一番重要なのかな。
  だから、数を出すためにひいひい言っちゃうと、数が目的になってしまうので、そこのところをうまく動かす方法をこの何年間で作っていくのが重要かなと思います。

【濵口主査】
  ビッグデータを多様に活用できる指標ですね。
  ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。どうぞ。

【中川サイバーセキュリティ・政策評価審議官】
  事務局の方から、恐れ入ります。今日の会合の最初に、異動の紹介があった私と科学技術・学術政策局担当審議官の真先は、二人とも内閣府で第5期基本計画作りに携わっておりまして、その点も踏まえて少し補足させていただきます。
  先ほど結城委員から御紹介があったように、第5期の科学技術基本計画というのは、この総合政策特別委員会そのものもそうなのですが、今まで第4期までは、作ったら、フォローアップするというのは次を作る2年前ぐらいにやっていたのを、作った瞬間から始める、そしてフォローアップするということを内閣府もやっていまして、それで、文科省の方でもこのように委員会がスタートし、また、策定経緯をふまえてフォローアップしろということで、人事もそういうふうに、私は大臣官房の立場で政策評価を、真先はきちんと伊藤局長を支えてと、これは多分本気で、その実行をやっていけということだと自覚しております。
  そして、内閣府にいた立場から言いますと、本日ここにおられるほとんどの先生にお世話と御一緒にこの計画を作り、その後この俯瞰マップを作りながらそういうことを実行し、また指標の議論もしながら、ここに至ったと理解しております。産学共働してこの第5期基本計画を作り、そのなかで文科省がやるところ、とりわけ、先ほど説明があった「人材」とか「研究力」とか、こういうものについては、文科省がほとんどを担当しますが、ただ文科省でこれを議論するときは、従来は、各分科会がそれぞれの担当部分をやり、その担当課長がそこを一生懸命担当し、ということだったかと思うのですが、今般は、この委員会で、第5期の5年間というのを見て、全体を俯瞰して、「若手研究者がどうなっているか」、「全体の研究力がどうなっているか」、それが5年間という中でどう動いていくかをみていく、逆にいうと、これまではそういう見方を余りしてこなかったという問題意識が、内閣府の方にもありました。
  各事業ということで毎年、毎年議論をしているけれども、そうではなくて、全体をみてマップ化してみようと。内閣府で、全体のフォローアップを始めるのに呼応して、文科省の方でも、この俯瞰マップというのを、かなり無理して、1から十幾つまで作ったと。これは、結城委員がおっしゃったように、これまで計画スタート時にはなかった非常にびっくりしたチャレンジであり、さあ、それでは、ここから、細かい指標ではなくて、このマップという形で全体像を見ていくということかと思います。例えば政策評価では、PDCA、PDCAと簡単に言うわけですが、今までのPDCAというのは、伊地知先生がおっしゃったとおり、毎年の施策を評価するか全体を評価するかどっちかで、毎年の施策がこのマップの中でどうなっているかといったまとまりとして評価してないということで、今度は、恐らくこの総合政策特別委員会という5年間のスケールで回るような委員会では、基本計画をフォローアップするという議論で、恐らくこの1個1個の事業を今紹介を受けながらも、その事業がこういうマップ全体の中でどういうふうに動いていくのかというような御議論はここの場でいただくようなことになるのかと思います。恐らく各分科会で個々の事業を見るのとは違う、世の中は大変革時代、Society 5.0になっていくというようなマクロな見方なのかなと思います。
  そうすると、やはり、ここで少し目線を変えて何とかというのは、まさに細野先生がおっしゃったとおり、行政側のチャレンジでもあって、今までやったことがないようなマクロなやり方で、「研究力が強くなる」とか、「イノベーションが起きる」とか、「人材」、「若手がのびのびする」とか、「本気の産学連携が進む」とか、「本当のグローバル化ができる」とか、そういうものにそれぞれの個々の施策がどう結びついていくのかというのは、これは、行政側もみんなが迷っているところで、そうしたことを継続的に御議論いただきながら、ブラッシュアップしていくということかと思い、少しコメントさせていただきました。

【濵口主査】
  ありがとうございます。ほんと、チャレンジングな政策の転換だなと思っているんですけど。
  ちょっと皆さん、発言がないので。私、この中で一番これ、チャレンジングだなと思うのは俯瞰マップ1でありまして、全体を通じて、イノベーションというのがすごく強調されて、それを実現するために、この「失敗を恐れず高いハードルに果敢に挑戦する営みの拡大」といったときに、このスキームでPDCAサイクルを、どうやって回すのか。細野先生、意見あるでしょう。これ、どうですか。

【細野委員】
  いや、これ、本気でできたら、すごいですよ。

【濵口主査】
  すごいですよ。革命的なの、これは。

【細野委員】
  ただ、こんな哲学的なもの、政策になるかという気がするけどね。

【濵口主査】
  先生、ちょっとお考え、聞かせていただきますか。

【細野委員】
  これ、昔からこういう話をするんですけれども、現実には、ここに書いてあるほど、みんながこんなことをやったら、国が潰れちゃうわけです。ごく一部の人がやって、それをエンカレッジするような方法があれば、僕はいいと思う。みんながこんなことをやったら、まともなことをやる人がいなくなっちゃうので。

【濵口主査】
  そこを見分けるシステムってどう作っていったらいいんでしょうか。

【細野委員】
  それは僕は基本的にはもう人。人しかないと。

【濵口主査】
  人、属人的に判断すると。

【細野委員】
  それはシステムで作れるんだったら、もうとっくにできていますよ。だから、失敗を恐れない行政官というのが重要だと思います。いや、本当に。
  いや、見ていると、やっぱり、非常に面白いきちっとした施策、研究者がうなるような政策を作った行政官というのは、2時間の会議で絶対終わらないですよ。もう8時間、9時間やって、もうこっちは、もう頼むから、もうここで何とかしようというので、そういう審議を経たものだけがやっぱり研究者のマインドを引き付けていることは事実ですよね。

【濵口主査】
  とても大事なことを言っていただいています。
  いかがでしょうか。現場でいろいろ考えておられる木村先生。

【木村委員】
  大変網羅的によく議論された御報告だと思いますが、これ、全部やるとなると、お金が幾らあっても足りないということだと思うんですね。そこで選択と集中をする中、具体的到達目標をどこら辺に設定するの合意は重要です。いろいろな見方があると思いますが、一つは、やはり国際競争力。例えば、アジアのリーダーとしての地位を確立したいとか、アメリカとの格差を圧縮したいとか、そういう国際競争の渦中で日本をどう位置付けるかという課題は現実の国策的には非常に重要であると思うんですね。
  例えば、アントレプレナーが日本は足りないとよく議論していますが、日本の基礎研究の成果として論文数は確か世界の10%ぐらいを占めているそうですね。GDP比率と大体一緒になっている。一方、産業も例えば医薬品の市場規模は世界の10%ぐらいを占めているんですね。ところが、アントレプレナーを支えるリスクマネーの代表であるベンチャーキャピタルの資金規模、日本は世界の2%にも満たないそうです。
  そういう現状を踏まえて、このボトルネックを何とか是正して、イノベーション・エコシステムの循環を日本に作る、この議論は非常に分かりやすい。その解決策の一つとして、リスクマネーの供給を5倍ぐらいに伸ばそうと言うような大ざっぱな達成目標値が見えて来る。このような議論をやると、官民の資金の分配戦略もより方向性が出てくるんではないかなと思います。

【濵口主査】
  多分、それを評価するとき、こういった不確実性は許すけれども、曖昧さを許さないという評価の視点が要ると思うんですね、PDCAサイクル。その設計の基本的なところ、先生の実感だったら、どういうポイントをきちっと押さえたらいいんでしょうか。

【木村委員】
  やはり、例えばある研究成果があって、それを産業化まで持っていくにしても、そこにはサイエンス・技術のリスクもありますし、マネジメント人材のリスクもありますし。

【濵口主査】
  たくさんありますね。

【木村委員】
  いろんなハードルがありますよね。その分析・評価というのはシリコンバレーをはじめとして世界中で十分に実施・経験されていますので、評価指標はほぼ確立したものがあると思うんですね。
  これは例えばベンチャーキャピタルがスタートアップに投資をするときに、デューデリジェンスで点検する項目が多数あるのですが、これらもそういう指標に役に立つかもしれません。

【濵口主査】
  ありがとうございます。
  企業の現場におられる方としてはどう思われます? 庄田さん。

【庄田委員】
  木村委員の御発言と少し離れますが、俯瞰マップについて、研究計画・評価分科会では、科学技術基本計画にのっとって、もう一度整合性を取って活発に議論されていることを理解しました。私自身が参加している学術分科会でも、先ほど細野委員の言われたような指標についての議論も出ています。
  今、木村委員が言われたような内容は、おそらくは産業連携・地域支援部会の関連かと思いますが、今回の俯瞰マップに基づいたような議論がちょっと少なく、そういう意味では、分科会ごとに少し濃淡があるように思います。是非とも文部科学省全体で、各部会の中で、この俯瞰マップについて、同じように活発な議論を進めていただきたいと思います。今日説明された、縦軸、横軸で示された俯瞰マップは、大変進んできたと思いますが、少し分科会ごとに濃淡があるかなという印象です。

【濵口主査】
  ありがとうございます。各分科会の議論、もう一段深めていただく、現状の議論の中で少しつかんでいただくということが重要ですね。
  どうぞ。

【竹山委員】
  先ほども話が出ましたが、外国ではうまく行っていて、日本でうまくいかない点についてです。何でも外国のまねをすればいいわけではなく、日本の文化、社会に合った制度設計が必要だと思います。
  例えば技術シーズの事業化では、アメリカではベンチャーによるものが非常に多く、成功している例も多いと感じています。その影では多くの失敗例があるとしても、多くベンチャーの技術が日本でも活用されています。私たちはそれを一生懸命買って研究しているのが現状であり、日本の技術力はどうなったのかと思うことが多々あります。日本の産業を支えるベンチャーがもっと創出されてもよいのに、と思います。目標では、技術シーズの実用化でベンチャー化云々とよく書いてありますが、地に足が着いた議論になっていないようです。
  アメリカを見ていると、大学人の起業家数は半端じゃないぐらいに多いです。日本においても、それらがもっと推進できる大学内の制度設計、例えば人事においてもひねりが必要だと思います。
  今回、俯瞰的かつ多角的になっていますが、まだまだ制約もあると思います。今までのベンチャー政策から反省して、何故うまくいかないのかを考えつつ、ベンチャーを作ることが目的となるようなお金のつけ方ではなく、柔軟な制度設計を各大学等が考えてのベンチャー推進かと思います。
  科学政策と制度設計、社会の制度設計、特に大学内の制度設計はお互いリンクします。イノベーションをするのであれば、そういうところまで含めた形で文部科学省もかかわる必要があると思います。ベンチャーのお金をどのように入れるのかというよりも、どのように使うのかが重要であり、先生たちが本当にPIとしてやっていくときの足かせにならないようにしなければならないと思います。

【濵口主査】
  実はCSTIの担当の方とそんな話をしていたんですけど、CSTIにやっていただかなきゃいけないのはやっぱり法改正じゃないかと。Industrie 4.0と日本のこのSociety 5.0の大きな違いは、法改正を含んでいるか、含んでないかかと。ワーキング・グループの中にはIndustrie 4.0は明らかに法律担当のグループが最初から設計されていますね。それは大きな違いなんですけど、日本の場合、何か実装化できないところがある。現場でのいろんな制約で。
  ただ、あるのは分かっているんですけど、私たち自身がそこをかなり確実に捉え切れてないところがあって、うまく法律家の方々に伝え切れてないようなところもあるんですね。これをどうしたらいいのかなというのがずっと感じてはおるんですけど。あと、また、御意見ございませんか。いかがですか、そこのところ、その点は。

【竹山委員】
  大学内の事務部門としての法務が考えるのではなく、法律等の研究部門と産業界がタイアップして大学の自由化、産業の自由化の課題の抽出、解決に関して、日本独自の考え方を出すべきです。アメリカを参考にすることはよいですが、まねてはだめだと思います。法律家がサイエンスの現場に入ってくるのは新しい形態でもあり、検討するべきかと思います。

【濵口主査】
  いかがですかね。検討していただけるかどうか。中川さん、そういう話で。
  局長、お願いします。

【伊藤科学技術・学術政策局長】
  いろいろと御意見、ありがとうございます。
  最後に少し議論がありましたように、イノベーションをいろいろと促進していく上で、自然科学系の研究者だけじゃなくて、どうしてもいろいろな規制の制度とか、あるいは、社会に実装する上での障害となっている部分について克服しなくちゃいけない問題はたくさんあるかと思います。
  濵口先生も関係していただいております、例えばCOIというセンターオブイノベーションの方のスキームでは、そのための専門家チームといいましょうか構造化チームというのを置いて、各プロジェクト、横断的にいろいろなそういう法律上の問題というのを見る仕組みがトライアルで行われております。いろんな政府のファンディングの中でも、そういったものを今後ビルトインしていく。
  その過程では、やっぱり大学の中にはそういった人文社会科学の専門家がいらっしゃるわけですから、そういったところと融合というか連携というのが今後ますます重要になってくるんじゃないかなというふうに、今お話を聞いていて、感じた次第であります。

【濵口主査】
  ありがとうございます。構造化チームの役割をちょっと強化するような支援をお願いします。
  春日委員、それから、小野寺委員、お願いします。

【春日委員】
  関連して申し上げたかったことだったんですけれども、第5期の科学技術基本計画の一番大もとになっている特色として、本基本計画を政府、学会、産業界、国民といった幅広い関係者が共に実行する計画として位置付ける。これが一番大元の目標として掲げられていたと思います。
  ともすれば、学会と産業界との連携が主として強調されますし、それは本当に全体を推進する力の上で大きなところなんですけれども、今、前の御議論にありましたように、政府、あるいは、国際政治も絡む実際のルール作り、法律、それから、条約、そういうものが実質的にいろいろなところに非常に大きな力を持つわけです。そういう場面にどのぐらい貢献しているかという指標もやはり欠かせない、この第5期基本計画のモニタリングとしては欠かせない指標ではないかというふうに思います。
  そこは、先ほどのイノベーションの指標と同様に、非常に経験がない難しい指標だと思うんですね。先週の科学技術・学術審議会でNISTEPの御報告に対しても、そういう指標はありますかというふうに質問したんですけれども、やはり国際的な枠組みの報告書にどれだけ引用されたかとか、規格・基準の基になっている、そういう知見が提供されたかということは、国内、国外に向けて少し柔軟に見ていただくと、いろいろ拾い上げることができるのではないかというふうに思います。その点、一つ御提案いたします。
  特に、その点、経済学や法律、法学、そういう人文社会科学との連携が必要になるという点では、ちょっと我田引水で申し訳ないんですが、フューチャー・アースはそういう枠組みを新しく提供しているところで、是非そういう点を私たちとしても進めていきたい、進めていって貢献したいというふうに思います。
  もう一つ別の側面でのコメントなんですけれども、資料1-6の9ページ目に戻っていただいて、プログラム・マネージャーの育成・活躍推進のところで、先ほどもちょっと御意見が出たかもしれませんけれども、研究の支援、推進という点で、この点、もう少し日本では強調していくべきではないかというふうに前から思っております。
  このときに、プログラムの修了者の人数というだけではなくて、修了してから実際にそのプログラムマネジメントに関わっていっている人数、それから、分野、こういうところも併せて評価する指標として挙げていただいてはどうかというふうに思います。

【濵口主査】
  ありがとうございます。
  それでは、小野寺委員、お願いします。

【小野寺委員】
  全体として、ここまでよくまとめていただいているんだろうと思うんですけれども、まず、1点目は、これはもう文科省さんに言うことなのかどうか、そこすらちょっと分からない分野なんですが、文科省さんとして、こういう、いわば評価をするための俯瞰マップを作られたと。これはもうすばらしいことだと思うんです。
  一つ分からないところは、他省庁さんとの関係で、それをどう書き込んだらいいのか分からない部分というのが私はかなりありそうな気がしているんです。これは例えば11ページの俯瞰マップ2で、「超スマート社会」の実現の中で、システムのパッケージ輸出というのが出ているんですけど、これはもうはっきり言って、文科省さんとしてはどうしようもないところで、経産省さんの問題になるんだろうと思うんですが、じゃあ、こういうところとの評価の仕方について、何らか連携して評価していく仕組みを作っていく必要がありそうな気がするんですが、その辺について、何かお考えがあれば、お聞かせいただきたいというのが1点目です。
  2点目ですけれども、これは産業界がこういうことを言うのは何なんですが、実は、産業界の方も非常に大きな問題をいろいろ抱えているのが実態で、産業界がもっと変わらなきゃいかん部分、ここについて、これ、経産省の役目なんだろうとは思うんですが、学の皆さんから見ていても、まだまだここは問題だというところはあるんだろうと思うんですよ。
  特に我々の業界に近いところで言いますと、肝心の製造業、我々の業界というのは要するに情報通信関係なんですが、例えば、新たな半導体を開発していただいて、じゃあ、その半導体を実際に実用化するのは一体誰だといったときに、皆さん、正直言って、悩んでおられますよね。だけど、それは皆さんが悩んだだけでは正直言ってどうしようもないところだと思うんですよ。
  そうすると、産業界とか経産省と一緒にそこの問題を何か考えていかないと、イノベーションと言いながら、研究開発はうまくいきました、試作までうまくいっています、だけども、結果として、これ、国から見たときに、非常に問題になるんだろうと思うんです。それの実用化は実は日本のメーカーじゃなかったと。
  こういう場合に、国としての評価といったようなものが非常に難しくなってくるんだろうと思うんですが、逆に、評価をちゃんとしてあげなければ、そういう分野は全く研究開発が今度できなくなってしまうというのもこれも大問題だと思うので、その辺の考え方、これも文科省さんだけで決められる問題じゃないのは重々分かっていますが、そこを是非検討していただかなきゃいかんのじゃないかと思うんで。
  これ、春日先生が今おっしゃったこととリンクするんですけれども、標準化の問題であるとか、そこにどう寄与しているかということについて、今までどうしても大学の先生方はそういうところに対しては、寄与されても、はっきり言って評価されないんで、結果的にそこが弱くなってくると。これはアメリカの学会を見ていたら、もう、特に我々の業界はそうなんですけれども、IEEEが学会と言えるのかどうかというのは知りませんけれども、あそこがスタンダードを作っちゃっていますからね。我々の業界でいうと、Wi-Fiみたいなのはもうあそこのスタンダードですから。
  ここを作ったところがやっぱり強いのはもう明らかなんで、こういうスタンダリゼーションとの関係をどういうふうに学の方で評価されるのか。評価してあげなければ、やっぱり進まないと思いますね。
  最後に、これは先ほどから法律の問題等の話が出ていますけれども、まさしくそこが問題だというふうに私も思っています。それで、これはもう私、技術屋ですので、正しいかどうか知りませんけれども、私がしょっちゅう言っているのは、やっぱり大陸法の世界と英米法の世界ではもともとの考え方が違うんじゃないかと。
  英米法の世界であれば、法律に書いてなければ、まずやってみると。そういうのが、はっきり言って気概ですよね。ところが、大陸法の国は、やっぱりまずある程度何かルールがないと動き出せないと。これ、実はアメリカですら、我々の業界の話ですけれども、実はB to Cのビジネスは革新的なビジネスと言われるのは大企業から起きていません。なぜならば、みんなレピュテーションリスクをおそれるからです。B to Bは別ですけど、B to Cです、それは。ベンチャーがやったものを大企業が買い取ったりという方向に今なっています。でなければ、それこそ、今言われている4社の名前がいつも会社の方に出てきますけれども、ああいう形で、ベンチャーだったのが非常に大きくなってくると。どちらかの形なんですね。
  とすると、日本型のイノベーションというものを起こすときに、ベンチャーの役割というのが、皆さんおっしゃるとおり、非常に重要なんだけれども、じゃあ、ベンチャーを興すと、興す人たちのマインドセットがうまくできているんでしょうかという。やっぱりマインドセットがないと、幾らやろうと思っても、なかなかそっちには行かないんだろうと思うんです。
  これももう皆さん御存じだと思うんですけれども、アメリカでさえ、ノーアクションレター法がありますよね。日本の法律では法令事前確認制度でしたっけ。実は、これをアメリカでさえ作っておられて、アメリカの方が先行していますけれども、日本、作ったんですが、利用件数をこの前も少し調べさせていただきましたんですけれども、国全体としては総務省さんの所管のようですが、実は2012年度までしかないんですよね、何件あったかって。その後、各省庁さんではかなりあります。
  その省庁さんの資料を見た限りでは、ほとんどが大企業です。しかも、今、一番使われているのは実は金融庁さんで、金融関係とか。それから、この前見ていたら、経産省さんでは原子力関係が多かったですね。こういう人、使うのはほとんど大企業なんですよね。
  私はこれを、この制度があるということすら、ベンチャーの皆さんにはほとんど伝わっていないんじゃないかと思います。これは大学の先生方が使ったって一向に構わないわけですから、やっぱりこういう制度があるにもかかわらず、十分活用されてないところをもっと活用する仕組みを何か皆さんと一緒に考えていかないと、要求を出すのは簡単なんですけれども、せめて今ある制度をまずちゃんと知って活用するということをもっと広めていく必要があるんじゃないかなというふうに思います。
  以上。

【濵口主査】
  ありがとうございます。大変示唆に富んだ御意見を頂きました。
  もう一人、知野委員、じゃあ。

【知野委員】
  ありがとうございます。かなり大作で、いろいろ盛り込まれたと思いますが、科学技術の社会還元というか、一般の人々にとって、じゃあ、自分たちに何が返ってくるんだろうということで期待を持って眺めるのは多分第3章の1から3ぐらいまでの間なのかなと感じます。
  その際に、見ますと、これ、指標というものが特に設定されていなくて項目が並んでいるのですが、これはやはり指標が作りにくいからでしょうか。ここのところは、例えばこれを見れば、私たちの持続的な成長、食糧問題、エネルギー、自然災害に対する対策、レジリエントな社会の実現とか、いろいろ気になることがあるのですが、そういうときに見るべき指標というのは、今回特に入ってないようですが、どういうものであるとお考えでしょうか。

【濵口主査】
  これ、いかがでしょうか、どなたか。

【宮地企画評価課課長補佐】
  事務局から補足を差し上げます。特に2章、3章の部分でございますけれども、この部分については、先ほど御説明差し上げましたとおり、現在、研究計画・評価分科会において研究開発計画(案)を策定中でございます。研究開発計画では、課題対応のための目標を設定するとともに、その達成状況を把握するための指標も同時に検討中でございまして、マップに指標を示しづらくという部分でございます。
  なので、まだ本日、そういったひな形、資料1-7でひな形しか御報告できていないのですけれども、議論が進んだ暁には、研究開発計画の中に課題対応の目標ごとに指標をお示しできるものと考えてございます。

【濵口主査】
  よろしいですか。

【知野委員】
  多分、難しいだろうと思いますが、多分そこのところが何らか出てくると、より何か国民の側というか納税者側としても、こういう研究開発が私たちの安全を支えていくんだという一つの目安になると思いますので、引き続き御検討いただければと思います。

【濵口主査】
  新井委員、お願いします。

【新井委員】
  済みません。今、概算要求を拝見させていただいているんですけれども、ちょっとお尋ねしたいんですけれども、概算要求で、例えば文部科学省に関しては、例えば冒頭から、イノベーション創出を牽引する革新的研究開発の推進、90億とか、AIP156.8億とかというふうに出ているわけですけれども、実際これが出ていくお金になるわけですが、これっていうのは大抵、この施策の中でお金が使われて、そのお金が使われたことというのがどういうアウトにつながったのかというのは、昔からは大抵、紙で何か分厚い報告書が出てくるみたいな感じだったと思うんですけど、唯一、科研費だけが多分今のところデジタル化されていて、この後、FMDBとかでJSTの事業とかもそういうふうにデジタル化されるような話があるんですけれども。
  単にデジタル化だけじゃなくて、機械が読めるような形でデジタル化されれば活用ができるはずなんですけれども、今現在、例えばこれ、今年、概算要求が上がっているわけですけれども、例えばAIPのプロジェクト、もう今年始まっていますけれども、それの例えば年度ごとのアウトというのはどういう形式でお集めになる御予定でいらっしゃいますか。

【濵口主査】
  どちらの方、板倉さん。

【板倉大臣官房審議官】
  済みません。AIPプロジェクトですけれども、今、研究者を集めている段階でありまして、今日の御指摘も踏まえて、できるだけその結果が多くの方々に使われるように、うまくアウトプットも検索ができるようにということを考えていきたいと思っております。

【新井委員】
  もちろん、研究者の方にやたらと御負担をお掛けすると、それは良くないことなんですけれども、多分大部の報告書もお書きになるのであろうから、そのことから考えて、例えば、論文であれば、AIを活用してという話がリサーチマップでも出ておりますので、そういうような形で、研究者の負担を掛けずに、でも、このお金でどんなアウトが出ているんでしょうとか、どの人がこのプロジェクトに関わっているんでしょうというのが把握できるようなシステムというのを、もうこの辺りから作っていった方がいいんじゃないか。それは全部じゃなくてもいいから、可能なところからまずやりましょうという話が、まず戦略創造とか、あってもいいんじゃないかなというふうに考えております。よろしくお願いします。

【濵口主査】
  ありがとうございます。
  済みません。お時間もございますので、議題(2)に移らせていただきます。
  まず、事務局から、科学技術イノベーションへの投資効果に関連した政府全体の検討の動きについて説明いただくとともに、今後、政府全体の検討状況を踏まえて、当委員会として御議論いただきたい論点案について説明いただきます。それでは、お願いします。

【宮地企画評価課課長補佐】
  事務局から、御説明を差し上げます。
  本日御欠席ですけれども、前回、五神先生より、政府の検討体制は複雑で、なかなか理解が難しい、ガイドしてほしいという御指摘がございました。それを踏まえまして、まず、政府、科学技術イノベーション政策に関する主な検討体制についてということで、資料2-1を作成させていただきました。
  まず、内閣府におきまして、総合科学技術・イノベーション会議がございまして、第5期科学技術基本計画であったり、科学技術イノベーション総合戦略が立てられたりしております。その中で、Society 5.0がうたわれているという状況でございます。
  また、他方、経済財政諮問会議がございますけれども、経済財政政策に関する重要事項について審議をするというもので、いわゆる骨太の方針を策定しておりますが、そこの二つの会議が経済社会・科学技術イノベーション活性化委員会という共同の専門部会を設置し、共同で審議を進めているというところでございます。
  これにつきましては、科学技術・イノベーションの一層の活性化、効率化、経済社会と科学技術・イノベーションの有機的連携の強化を図るということで、オールジャパンの視点、分野・領域にとらわれない横断的な視点ということで、制度基盤にも踏み込んだ改革の視点ということで審議が進められているというふうな状況でございます。
  また、他方、日本経済再生本部におかれましては、「日本再興戦略」を作り、第4次産業革命と言われております。参考に、2枚目でございますけれども、5月以前の検討体制というのも付けさせていただきました。これまで、日本経済再生本部の下には、産業競争力会議であったりとか、未来投資に向けた官民対話、若しくは、第4次産業革命官民会議が設置されるのではないかという話がございましたが、それが6月以降の動きとしまして、未来投資会議というものに一元化されることになっております。その未来投資会議につきましては、未来への投資の拡大に向けた成長戦略と構造改革の加速化を図るということで、その下に、構造改革徹底推進会合というものを置きつつ、設置分野の一つとしまして、「第4次産業革命(Society 5.0)・イノベーション」会合を開くという動きになってございます。また、未来投資会議のその大きな枠組みの下には、人工知能技術戦略会議が位置付けられているということでございます。
  これにつきまして、青い部分につきましては文部科学大臣が構成員となっている会議でございまして、また、他方、白地になっているものにつきましては、他府省の大臣若しくは有識者等から構成されているものということで、文科省でできるところ、各省に働き掛けなければいけないところというのが、一つのガイドになるのではないかと思って、作成をしたところでございます。
  続きまして、資料2-2でございまして、「未来投資会議の開催について」ということで1枚付けさせていただいてございます。
  趣旨といたしまして、日本経済再生本部の下、第4次産業革命をはじめとする将来の成長に資する分野における大胆な投資を官民連携して進め、「未来への投資」の拡大に向けた成長戦略と構造改革の加速化を図るため、産業競争力会議及び未来投資に向けた官民対話を発展的に統合した成長戦略の司令塔として、会議を設置するというふうになっております。2.で、議長としては内閣総理大臣が就いているというところでございます。 
  続きまして、資料2-3につきましては、「『経済社会・科学技術イノベーション活性化委員会』の設置について」ということで、先ほど御説明しましたが、経済財政諮問会議及び総合科学技術・イノベーション会議の下で会議を設置するというところで、大きく分けて、三つの論点で議論をされているということでございます。
  一つ目につきましては、民間資金の活用をはじめとする科学技術・イノベーションの活性化策、その前提としての基盤的な制度改革、(2)といたしまして、科学技術・イノベーション政策における「見える化」の徹底とエビデンスに基づいた実効性のあるPDCAサイクルの確立、(3)につきまして、科学技術・イノベーションの将来像を踏まえた効果的な経済活性化策や歳出効率化等の検討ということで、それを目的、趣旨といたしまして会議が設置されているということでございます。
  資料2-4でございます。現在まで、会議につきましては、平成28年6月21日に1回開催されてございます。そこでの審議事項を、先ほど三つの審議論点に応じて入れてみたものになります。(1)につきましては、予算編成プロセスを通じたCSTIの司令塔機能の強化方策であったり、民間資金の導入を促進するための大学等のマネジメントの機能強化であったり、博士課程から官民の人材育成協力の強化、税制・規制・制度改革活用などが議論として上がったところでございます。
  また、(2)につきましては、「見える化」の徹底、PDCAサイクルの確立の部分でございますが、俯瞰的総合データベースの構築、エビデンスデータの集約・分析と政策立案等への活用、各府省やシンクタンク等の連携体制。
  三つ目でございますが、科学技術・イノベーションの将来像を踏まえた効果的な経済活性化策、歳出効率化等の検討ということで、政府研究開発投資目標の達成のための取組であったりとか、STI政策に限らない他分野も含めた効率化・合理化、予算のメリハリの強化や効率的な資源配分等というところが議論に上がったというところでございます。
  これを踏まえまして、資料2-5でございまして、投資効果の検証等について、論点案ということで作らせていただきました。
  一つ目の丸でございますが、基本計画に掲げられました政府研究開発投資の目標で、これに基づく、エビデンスに基づく実効性のあるPDCAサイクルの実現、こういったものが各種政策、文書にて求められているという状況でございます。
  これまでも科学技術・イノベーション政策における「政策のための科学」推進事業、いわゆるSciREX事業というものを文科省でも行っており、人文関係の知見も取り込みながら、政策に生かしていくというところに取り組んでおり、例えば、政府研究開発投資がGDPに及ぼす影響のシミュレーションモデルの開発、各種データを用いた定量的な分析等を行い、科学技術白書への材料の提供、5期基本計画の策定プロセスへの貢献等を進めてきたというところでございますが、今後こういった動きを一層進めていく必要がある。それにより、検証・発信に努めていくと考えられるという状況でございまして、本委員会においても、経済社会・科学技術イノベーション活性化委員会の状況も踏まえつつ、政府研究開発投資が我が国の経済社会における具体的な課題の解決にどのように貢献するかという観点により、検討していくのはいかがかというところでございます。
  具体的な論点としては、1.のところで、政府研究開発投資の効果計上の観点ということで、政府研究開発投資は民間の研究開発やイノベーションへの影響も含め、様々な社会的・経済的影響をもたらすと考えられ、その効果については、例えば下に挙げられたような四つの観点で検証していくことが必要ではないかというところでございます。
  一つ目としては、政府研究開発投資が民間の研究開発に及ぼす効果の観点、二つ目としては、経済成長や社会の発展へのマクロな効果の観点、(3)につきまして、「超スマート社会」など今後の目指すべき社会への効果の観点、(4)として、日本の社会が直面する具体的な課題の解決への効果の観点、そういった観点があるのではないかと考えてございます。
  また、2.につきましては、対外発信の在り方につきましてでございますが、下に挙げられた、国民の方々へ幅広く分かりやすく発信するとともに、政府の関係する会議等における発信や、発信におけるCSTI等の関係府省・団体との連携、公的シンクタンク間の連携の強化などを図っていくということが必要になってくるんではないかというふうに思ってございます。
  次のページ、参考資料でございますが、参考1につきましては政府関係文書でございまして、参考2につきましては、そういった経済効果にどのように生きているのかというところのデータで、科学技術白書、ないし、CSTI等で議論されたものについて、例示をさせていただいております。
  長くなりましたが、以上でございます。

【濵口主査】
  ありがとうございます。
  今の事務局からの説明については後ほど御議論を頂きたいと思いますが、その前に、ここで政府全体の取組として、事務局から説明いただいた経済社会・科学技術イノベーション活性化委員会では、科学技術・イノベーションへの投資効果について、様々な検討がなされているところであります。
  同委員会の委員でもある白石委員より、同委員会における議論の状況や今後の動向にいて御紹介を頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。

【白石委員】
  白石でございます。
  ここにも、この資料2-4のところに、既に非常に要領よくまとめられておりますけれども、フォーマルな会合はまだ1回しかありませんが、それ以外に、8月と、それから、9月、この9月は私は大学の方の用務で出席しておりませんけれども、2回、インフォーマルな会議がございまして、それから、10月の上旬に2回目のフォーマルな会合が開かれるという状況でございます。
  それで、私の印象ですと、ここに既に資料2-4に上げられておりますように、(1)、(2)、(3)と、大体こういうところで議論が少し煮詰まり始めたのかなというのが現状でございまして、最初の(1)につきましては、やはり予算編成プロセスを通じたCSTIの司令塔機能の強化ということでは、CSTIにやはりそれなりの予算がレバレッジとして必要だろうという方向に向かっているとの、かなり強い印象を私としては持っております。
  それから、(2)の科学技術・イノベーション政策における「見える化」ということにつきましては、これは先ほども随分議論ございましたけれども、やはりビッグデータを使って、エビデンスに基づいた政策の立案、あるいは、評価ということをCSTIがリーダーシップを取ってやっていくと。そのためには、各府省、あるいは、シンクタンク、具体的に申しますと、例えばJSTだとか、NISTEPだとか、あるいは、SciREXセンターのその連携ということが非常に重要になるだろうと。
  ただ、ここでも、先ほど既に議論のありましたように、例えばイノベーションというのをどういうふうに測るのかというのは、これは別に答えが分かっているわけではございませんので、かなり試行錯誤して考えていかなきゃいけませんし、ビッグデータを作るといって、それで研究者や何かのところに非常に負担が行くというのは、これは全く本末転倒でございますので、やはり個別データをどう加工していくかというそこのシステムのところから実は考えていかなければいけないだろうと。
  それから、(3)ですが、(2)で、この科学技術・イノベーション政策における「見える化」を徹底するということで、ここのところだけの何か合理化、評価の厳しい評価ということになって、それで、科学技術予算が減ってしまうんでは実はこれも困りますので、実は私が非常に強調しておりますのは(3)でございます。
  科学技術・イノベーションの将来像を踏まえて、もっと大きい、Industrie 4.0、Society 5.0、私自身は、それに加えて、やはりサービスのイノベーションを考えるならば、組織のイノベーションですね。オーガニゼーション・イノベーションということが決定的に重要だろうと。先ほど、イノベーションにおける制度的な制約で大学の話がございましたけれども、これ、別に大学だけの話ではなくて、例えば国の医療システムだとか、インフラ維持のシステムだとか、いろんなところで実は組織イノベーションというのが必要になってくると。
  ここのところをやはりCSTIとしてきちっと注意し、そのためのエビデンスに基づく政策立案ということをやっていく必要があるんじゃないかという、そういう議論。ここのところはまだ、正直申しまして、どこまで合意があるのかよく分かりませんけれども、大体今そういう方向で進んでいるというふうに考えております。

【濵口主査】
  ありがとうございました。
  それでは、今の御報告、それから、先ほど事務局から説明いただいた科学技術・イノベーションへの投資効果に関連した政府全体の検討状況、それから、当委員会における論点等を踏まえて御議論いただきたいと思います。
  御意見、御質問ありましたら、どなたからでも結構です。挙手をお願いします。いかがでしょうか。この2-4は非常にすっきり整理されているように思うんです、(1)、(2)、(3)という点は。はい。伊地知委員、どうぞ。

【伊地知委員】
  先ほどの議題にも一種関連すると思うのですけれども、予算あるいは資金を投下すると、それについて、どういう成果あるいは効果が得られたのかを見たいというのは当然のことだと思います。
  その中で、恐らくこの活性化委員会の中で立てられている論点は、言ってみれば、インプットに対するアウトプットがどうだか、あるいは、アウトカムがよく出現すればいいかということだと思うのですけれども、それは重要だということを認識した後で、他方、先ほども言及させていただいた先週出席したOECDの科学技術・イノベーション指標関係の会議の中で、あるプレナリーの中である方がおっしゃっていたのですが、そこでおっしゃるということは世界的にもそれについては課題でありよく測定できていないということなのですが、やはり基盤としての科学技術というものを測れないだろうかというような問題意識がありました。
   なので、これはやはり一朝一夕にはいかないのだと思うのですけれども、そこの観点も忘れないようにしておいた方がいいのではないかと思います。

【濵口主査】
  ありがとうございます。御指摘のとおりです。
  松本委員、どうぞ。

【松本委員】
  まず、民間資金の活用、国の資金投入というのはある意味、非常に効果は大きいとは思うんですけれども、課題は、先ほどのマップもそうなんですけれども、全体として、つまり、どのステージのどの部分に対して、どういう資金が投入されているかというところが非常に重要かなと思っています。アーリーステージなのか。これは個々に見ますと、全てが全てそうじゃないんですけれども、何かもう全て包括しているような、研究開発から事業化まで、この資金、施策で全部やるように見えるようなものも中にはあるのかなという気はします。全て読み込んではないですけれども。
  だから、この制度というのは、テーマを生み出すところから事業創出のところまでのどのステージのところなのかというのがきっちり見えるようにしなきゃいけないのが1点。
  もう一つは、先ほど、組織イノベーションという話は非常に重要だと思います。これ、私はエネルギー業界出身なんですけれども、民間企業でも、やっぱりなかなかイノベーションを起こすためのエコシステムがちゃんと企業内にできているかというと、ほとんどの企業はできてないわけですよね。そういう組織そのものをどうイノベーティブな組織にしていくか、大変重要です。
  今、オープンイノベーションの時代で、特に内部の連携というのはなかなか民間企業でもできてないし、私は大学にも非常に関わっておりまして、最近大阪大学のオープンイノベーション教育研究センターができまして、そこの特任教授も今度するんですけれども、それと、神戸大学に今度、科学技術イノベーション研究科という、そこの客員教授もさせていただくんですけれども、大学も民間もやっぱり内部の連携というのが、民間企業では特にできていないですね。
  オープンイノベーションで海外のベンチャーとかを今もう本当に血眼になって日本の大手企業は探しているんですけれども、非常に労力を掛けて探してきて、でも、よくよく考えたら、内部にあったなというのはもうよくあるケースなんですよね。
  大学でもいろいろ関わらせていただいているんですけれども、大学の社会科学と自然科学との連携というのももちろん叫ばれているんですけれども、工学部と医学部との連携が本当にできているのかとか、いろんな課題がありますので。
  やっぱり内部をちゃんと連携した上で、その例えば弱いところを国の資金でもってより強くするとか、強いところをより強くするんだとか、産学連携も本当に産業界、大学がそれぞれやっぱり組織をちゃんとイノベーティブにやっていくという、先ほどの議論でやられるということなので、これは重要だと思うんですけれども。
  そういう中で、じゃあ、どの部分にどういう資金を投入するのか。どのステージにどれが投入されているのか。それと、文部科学省と他の省庁との役割ってどこでどう引き継ぐのかというのは多分どの省庁も省内の答申ではそこを多分クリアにはされないケースが多いのですが、私はエネルギー業界出身なので、他の省庁、別のところとのお付き合いは非常に長く、他の省庁のいろんな委員もさせていただいたケースがあるんですけれども、大学の知的資産を活用してというものですね。もうそこのところは文部科学省さんの制度でもってこうすることによって、シーズを引き上げて事業化するみたいな、全体の国としての絵姿というのが今まさに求められているんじゃないかなという気がしますけれども。

【濵口主査】
  ありがとうございます。
  前半のテーマ、多分、今までの産学連携というのは個人ベースなんですよね。ある教授の方がどこかの企業の部課長と、ちょっとこれをやりましょうと。教授が退職すると全部消えていくというケースが多くて。
  それで今、この構造改革の一つの大きなポイントは、それを組織対組織にする、拠点化するということが大きなポイントだと思いますね。COIなんかもその流れですし、そういう形のものを幾つか各地に作って、そこで、産連本部が大学全体を俯瞰して、きちっと対応できるような責任体制を大学が作れるかどうかが大きな課題だと思います。

【松本委員】
  そうですね。民間企業の産学連携に関する期待値というのは実は上がっておりまして、私、産学連携学会の理事もさせていただいているんですけれども、工学系とか、一般の学会って民間企業の会員が減りつつあるんですけれども、産学連携学会だけは実はずっと、急速に増えておりまして。つまり、産学連携に関する民間企業の期待値というのは非常に高いんです。
  でも、おっしゃるように、今までの産学連携って本当に、民間企業にも大変責任があると思うんですよね。

【濵口主査】
  小さいんですよ。

【松本委員】
  そうですよね。

【濵口主査】
  100万、200万の世界で動いて。

【松本委員】
  ええ。産学連携関係の実は文部科学省の委員もさせていただいているんですけれども、平均でいうと200万ですかね。そうすると、実際、研究者が使える経費というのは数十万ぐらいと。本当に数十万で何ができるんだと。

【濵口主査】
  この投資されたお金がどういう成果に結び付いていくかが全然プロセス管理されてないから、これ、CSRになるだけで、大学に寄附しておると企業は思っておられるんだと思うんですね。そこの不信感が超えられないところが今の日本の大きな構造的な問題なのかなと思いますね。

【松本委員】
  そうですね。ええ。

【濵口主査】
  済みません。私が大分しゃべって。

【松本委員】
  それと、民間企業で言うと、確かにイノベーションですね、経済的価値を生み出すというところにかなり行くんですけれども、やっぱり、いわば何%かは夢のある研究といいますかね、そういうのにやっぱり民間企業の経営陣というのは投資するということもやっぱりやらなきゃいけないと思います。国の資金も、そういう夢、ドリームですね、そういうものに対して、どの制度がどうなっているかというのも見えるようにしていただきたいと。

【濵口主査】
  その民間の短期の投資ではできない中長期的な大きなハイリスク・ハイリターンの研究を大学に投資したときのPDCAサイクルというのは本当に成立するのか。それから、その評価、失敗する方が多いに決まっておるのに、それでも続けるのか。恐らく現実的な問題になってくると思いますね。それで、下手をすると、予算が減ってくると、白石先生が言っていたとおりになってくるリスクもあるわけですね。
  そこを論理的には、この総合政策特別委員会が相当責任を持ってそこをクリアできる論理を作っていかないといけないと思うんですね。ハイリスク・ハイリターンに投資しながらも、それを継続することが日本として必要であると。そのPDCAサイクルとしてはこのレベルで考えていくということと、ここまで来たら、予測不能な要素かあって失敗をしているけれども、曖昧な研究ではないという説明がきちっと立つような評価といいますかね。それが恐らくこれから、ここがそれをやらないと、多分イノベーション戦略は壊れてくるような気がしてならないんですけれども。お知恵を頂きたいと思いますけど。
  はい、新井委員、お願いいたします。

【新井委員】
  度々申し訳ないんですけれども。今、経済社会・科学技術イノベーション活性化委員会の議論の状況について、白石先生からも御紹介があったんですけれども、先ほどのやはり俯瞰的総合データベースの構築に関して、既に文科省のJSTの方で25万人のデータを持っているわけなので、新規で構築ということではなくて、それを府省庁全体でどうやって活用していくのか。活用していくときに、データが足りないというのであれば、例えばこちらの委員会の方から、あるいは、CSTIの方から、競争的資金を取った方は必ずこういうものにきちんと入れてくださいと。
  ここに入っていれば、そこからデータを引っ張って、CSTIであれ、e-Radであれ、分析をしますというそのフローを責任持って作っていただく。協調しながら、責任を持って作っていただく。それがよろしいのかなと思いますので、是非とも、その既存のものの活用を御検討いただけるように、白石先生の方からも委員会におっしゃっていただくとともに、科政局の方からは、文科省にはそういうものがありますということを是非主張していただければと思います。
  よろしくお願いします。

【濵口主査】
  先生、よろしくお願いします。

【白石委員】
  それはちゃんと分かっています。

【濵口主査】
  どうぞ。

【伊藤科学技術・学術政策局長】
  活性化委員会の議論とリンクして、CSTIの方の有識者議員、それから、事務局の方でも、そのエビデンスベースで今、各省庁が、あるいは、各シンクタンクが持っているデータベースといいましょうかデータについて、近く、関係省庁連携会というのを設けまして、文科省でいえば、e-Radもあれば、リサーチマップなどもありますので、そういったところをまさに俯瞰しつつ、何をすべきかという議論が今始まろうとしていますので、御報告させていただきます。

【濵口主査】
  ありがとうございます。
  どうぞ。

【竹山委員】
  今のデータベースのこともそうですけれども、資料2-5の、2.対外的な発信の在り方についてという点は重要かと思います。国際社会における日本のプレゼンスをどう主張していくのか、検討する必要があります。今、内部でいろいろと評価をして、それを見える化するというお話でしたけれども、国際レベルでの評価を受けながら進めていく必要があると思います。新井委員のおっしゃっていたデータベースにしても、国際社会でどれだけ見ていただいているのかを評価する必要があると思います。
  このイノベーションの投資効果というのも、国際的に評価を受けた形で、日本のプレゼンスに活用することが必要かと思います。

【濵口主査】
  国際的評価を入れるということですね。
  ほか、よろしいでしょうか。木村委員、お願いします。

【木村委員】
  先ほどの産学連携の議論ですが、産学連携のアウトプットとして期待されるのは、人、もの、金の中でまずは人材なんだと思うんですね。やっぱりそういう産学連携という難しいビジネスをマネジメントするという人材が育つということ。2番目のものはやはり知財であるとか、形になるものができるかと。それから、3番目の金では、本当に何か投資に見合うリターンが発生できるか、という段階がありますね。
  ですから、その産学連携体制それぞれの特徴をよく見極めて期待をしていけばいいのかなと思います。
  私は仕事柄、いろんな大学の産学連携本部とお付き合いがあるんですが、やはり経験値は大学によってえらい違いです。ですから、制度ができ人材も配しているとはいえ、事例が少ないと、やはりどうしても結局なかなか動かないということなんですね。
  ですので、経験ある大学の産学連携本部の人たちがどうやって経験の足りない大学にそのノウハウを伝えるか、これは非常に大事なアジェンダだと思っています。例えば大学間でジョブ・ローテーションをするとか、何か研修をするとか、早く日本全国に経験を広める必要があります。
  御存じのとおり、地方大学にはきらりと光る研究がばらばらあるんですね。それが結局その大学の産学連携本部が経験不足で、例えば大学発ベンチャー、これは産学連携の中でも最上級者コースなんですが、そこにはなかなか手が届かないで、時間だけが過ぎていってしまうという例はたくさんあると。こんなもったいないことをしないよう実務経験を広めていくということが大事だと思います。

【濵口主査】
  研修、大事ですね。
  ほか、いかがでしょうか。小野寺委員。

【小野寺委員】
  先ほどもちょっとお話があったことと関連するんですけれども、この投資効果といったときに、経営の方でいうと、ROIという格好になるんだろうと思うんですが、今、経済界の方でも、いわゆるインタンジブルアセット、これをどう計測するんだと、これが非常に重要になってきているという話が出ています。
  今ちょっとお話のあった、人、もの、金でいうと、はっきり言って、人をどう、教育効果をどう見るんだと。その辺が全てお金に換算できるものならいいんですけれども、今でも非常に難しい部分が物すごくあると思うんですよ。
  そうすると、この投資効果と言ったときに、効果というのがお金の効果だけではないということをどこかできちっと言って、ここの部分はお金の効果で見ますよと、この部分はお金の効果では見られません、見ることができません、したがって、こういう評価をやりますよというふうに分けないと、全てをお金の評価でやれるように思われるのはちょっと問題ではないかなという気がします。
  以上です。

【濵口主査】
  ありがとうございます。そのとおりですね。
  ほか、御意見いただいてない方、おいでになりますか。稲葉委員、よろしいですか。

【稲葉委員】
  確かに大学によって、産連課の人材というのは非常に大きな差があると思います。京都大学の産連課って結構大きな組織ができているんですけれども、やはりなかなか大学の中の人材というのは育ってこない。育てることが非常に大変で、やはり企業の方々のいろんな力をお借りしている状況だと思います。
  だから、いろいろなそれぞれの大学で、そういう人材育成というのにやっぱり物すごく力を入れていかないと、どうやってシーズを拾うのかということから、どういうふうな投資をしていくのか、それをどうやって運営していくのかというところに至るまで、いろんな視点を身に付けていくことが非常に重要だとは私も思っております。

【濵口主査】
  ありがとうございます。
  本日は十分御意見を頂けたかなと思っております。中川審議官。

【中川サイバーセキュリティ・政策評価審議官】
  恐れ入ります。ただいま、本質的なご議論が多々ありましたので、内閣府で5期基本計画を作ったという立場で、少しだけ補足させていただきます。
  先ほど春日委員がおっしゃったように、今回の第5期基本計画は、この計画の1ページの「はじめに」に書いてあるように、「政府、学会、産業界、国民といった幅広い関係者が共に実行する計画」、これがキーセンテンスのひとつで、共に実行がその日から始まっていると。この文の背景には、この計画を「共に創った」ということがあります。それはとりわけ、庄田委員や小野寺委員がリードされていた「産業界」、あるいは、「大学現場」と共に創ったという実感があって、だから、共に実行する、ということにつながります。その「共に創った」という過程であったのは、産業界から、「大変革時代なのだから、産がまず変わりますという宣言がありまして、産が変わるから学も変わろう、官も変わろう、みんな一緒に変わっていこうというCOCNからの御提言、があり、これはかなりインパクトがありました。
  お伝えしたいのは、産も変わろう、学も変わろうだけど、先ほど細野先生がおっしゃったように、それとともに、行政も一緒に変わらないと、これはできないと。これはなかなか難しく、産学連携で産学の障壁を取りのけようだけではできないということで、それを産学官のなかでキャッチボールしながらやっていこうというもので、今日の御議論もそういうことにつながるものかと思います。
  その中で、まさに今おっしゃった、もう少し具体的なこの総合政策特別委員会で御議論いただきたいと伊藤局長が一番思っているところを、まさに濵口主査がおっしゃった俯瞰マップの1、「失敗を恐れず高いハードルに果敢に挑戦する営みの拡大」、これをどう行政で評価するかというのは、行政のチャレンジがないとできないと。
  これは先生方皆様御存じのとおり、我々も、KPIを作って5年後の目標を作って、5年後に5年前に決めたその目標を達成する、そのようなやり方ではイノベーションが生まれない、このことは皆よく知っているわけです。しかし、行政の方では、会計検査や、説明責任などといったことを考えると、「失敗を恐れない」を実際に行政でやれと言っても、なかなかそれはできません。先ほど濵口先生がおっしゃった具体的に「リスクを恐れない評価」をどうやればよいのか、「国民の税金をしっかり使うことをしっかり説明していく」、小野寺委員がおっしゃったようなものができるというお墨付きというのは、行政の方でもこれまでほとんどやったことがないので、それはここで是非今後とも御議論いただければということかと思います。
  もう一つだけ、今日資料がたくさん出ているので、非常に分かりやすく、事務局から、あるいは、伊藤局長からのお話もあったように、あるいは、白石委員のさっきのお話もそうだったんですが、この「資料1-5」というのと「資料2-1」というのとを見分けると、非常に分かりやすくなっていて、先ほど事務局の説明もそうだったのですが、いわゆる自分がCSTI事務局にいたから言うわけではないですが、この「資料2-1」の方は、「オールジャパンとして」、あるいは、先ほど白石委員から紹介された「資料2-4」にある規制改革とか、いろいろな省庁をまたぐもの、例えば、委員が言われたインフラとか医療とか、そういうものは文科省だけではできません、と。オールジャパンとしては、CSTIが担いますよ、と。そして、更にもう一つ、白石委員がいわれた「資料2-4」の委員会のポイントは、CSTIと「経済財政諮問会議」と、この二つの両方が関わって制度改革などをやっていくと。オールジャパンは俯瞰的にやっていくという枠組みができて、これも実効的に動くかどうか、どれだけ機能できるかというのは、これも大きなチャレンジですので、これからも、文部科学省も内閣府や他省庁とも連携して一緒にやっていかなければと思います。
  一方、「資料1-5」で最初に事務局から説明した案の中の、4章から6章のところ、「人材」であったり、「研究力」であったり、ここは高等教育局、あるいは、初中局も含めて、文科省が99%ぐらい責任を負ってしっかりとやってくださいよと。他方、2章や3章のところ、ここはいろいろな省庁をまたがっているので、例えばAIのように、内閣府の下、3省がうまく連携するものであればそこでできるし、それぞれいろいろな省庁、民間と組んでやる。ただ、4、5、6章はしっかりと、ほとんど文科省がやっていきますよというのが、最初の事務局の説明だったかと思います。それは、各分科会とか各課というレベルにとどまるのではなくて、文科省全体として、「研究力をどう上げるか」みたいなことで、そこは逆に、この総合政策特別委員会で、全体像としての答えを書いていくことが必要なのかと思います。
  それと、もう一つ、最後に、今、新井委員がおっしゃったように、多分、第5期は「共に実行する計画」であるので、「共に悩んで」「共に考え」ないと次は出てこないので、多分この委員会で出た課題で、文科省だけでできないものは、また内閣府などに返していく、そうすると内閣府などから課題がまた戻ってくる。こういったキャッチボールをやっていくというのが、今回の第5期の「実行しながら共に新しい時代に対応していく」ということなのかなということかと思います。

【濵口主査】
  ありがとうございます。
  それでは、白石先生。

【白石委員】
  今のちょっと中川審議官の発言に触発されて、2点申し上げますと、行政も変わらなきゃいけないというのはまさにそのとおりで、用語としてはまだ受け入れられていないんですが、私はIndustrie 4.0、Society 5.0に加えて、Government 3.0というのが要るだろうというのが実は私がここのところ、申し上げていることです。
  それから、もう一つは、もう随分前になりますけれども、私自身が内閣府におりましてFIRSTをやったときに、実際に中での議論では、10のうち、二つか三つ成功すれば御の字だと、ベンチャーキャピタルなんて、10のうち、一つか二つ、それでいいんだという、そういう考えが実はあったんですが、それが評価のときには全くそういう形の評価にできなかったという。実は私自身、内心じくじたるものを持っておりまして。
  この部会の仕事というのは、それをどういうふうに評価するのかということでやっぱり非常に大きなチャレンジだろうと、ちょっと申し上げたいと思います。

【濵口主査】
  ありがとうございます。非常によくまとめていただきましたところで、お時間になりましたので、今日の御議論はこれぐらいにして、しっかり今後も御意見を頂ければと思います。
  最後に、議題(3)「総合政策特別委員会の今後の検討について」、事務局より説明をお願いします。

【宮地企画評価課課長補佐】
  事務局より御説明を差し上げます。
  「総合政策特別委員会の今後の予定について(案)」ということでございます。本日の御議論、非常に多岐にわたり、示唆あふれるところでございまして、今後の予定が変わりそうだなと思っているところでございますが、現時点で考えていた案としまして、御説明を差し上げます。
  第15回につきましては、10月下旬から11月上旬、また日程調整させていただきますが、「重点調査検討事項(その2)」ということで、「超スマート社会(Society 5.0)の実現に向けた取組・推進体制の在り方」、「オープンサイエンスの推進やデータ駆動型科学に関する取組の在り方」を予定してございます。
  第16回につきましては、「重点調査検討事項(その3)」ということで、本日御審議いただきましたフォローアップ等の状況につきまして、各分科会等での検討結果、各分科会と連携して本委員会でも進めていくということで進めているところでございますが、そういったところ等の連携も図りつつ、検討結果を取りまとめていくということを進めていきたいと考えており、また、取りまとめとして骨子案のようなものが提示できればと思ってございます。
  第17回につきましても1月中旬から2月上旬を予定してございまして、取りまとめの案というものを御提示できればと思いますが、いずれにしても、また、議題及び御予定につきましては事務局の方から御連絡を差し上げたいと思います。
  以上でございます。

【濵口主査】
  ありがとうございます。
  いよいよ第5期科学技術基本計画フォローアップ本番に入ってきますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。
  本日は、お時間ですので、この辺りで終了させていただきます。
  事務局より、連絡事項等をお願いします。

【宮地企画評価課課長補佐】
  事務局より連絡を差し上げます。
  先ほども申し上げましたが、次回の総合政策特別委員会につきましては、10月以降の開催予定でございます。日程についてはまた調整させていただきたいと思います。
  また、本日の議事録は後ほど事務局より委員の皆様にメールをお送りさせていただきます。皆様に御確認いただいた上で、文科省のホームページに掲載させていただきますので、よろしくお願いいたします。
  また、本日の資料につきましては、お帰りの際に机上の封筒に入れていただいた上で、机上に残していただければ、事務局より後ほど郵送させていただきます。
  事務局からは以上でございます。

【濵口主査】
  ありがとうございます。それでは、これで終了させていただきます。本日はお忙しい中、御参加いただきまして、ありがとうございます。

お問合せ先

科学技術・学術政策局企画評価課

(科学技術・学術政策局企画評価課)

-- 登録:平成28年12月 --