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総合政策特別委員会(第11回) 議事録

1.日時

平成27年9月28日(月曜日)16時00分~18時00分

2.場所

文部科学省3階1特別会議室

東京都千代田区霞が関3-2-2

3.議題

  1. 最終取りまとめ案について
  2. その他

4.出席者

委員

濵口主査、庄田主査代理、新井委員、伊地知委員、稲葉委員、小野寺委員、春日委員、木村委員、五神委員、竹山委員、知野委員、土井委員、永井委員、西尾委員、細野委員、松本委員、結城委員

文部科学省

藤井文部科学副大臣、土屋事務次官、戸谷文部科学審議官、関政策評価審議官、伊藤総括審議官、瀧本総務課長、中岡施設企画部長、生川大臣官房審議官(研究振興局担当)、田中研究開発局長、森大臣官房審議官(研究開発局担当)、川上科学技術・学術政策局長、奈良科学技術・学術政策研究所長、岸本科学技術・学術政策局次長、神代科学技術・学術総括官、村上科学技術・学術政策局企画評価課長、ほか関係官

5.議事録

【濵口主査】
 それでは、時間になりましたので、ただいまより科学技術・学術審議会第11回総合政策特別委員会を開催いたします。
 委員の皆様におかれましてはお忙しい中、御出席いただきまして、まことにありがとうございます。本日は、後ほど藤井副大臣に御出席いただく予定でございます。
 さて、本日は前回に引き続きまして、最終取りまとめ案について御審議をお願いいたします。
 会議開催に当たりまして、事務局からまず資料の確認をお願いいたします。

【村上科学技術・学術政策局企画評価課長】
 資料につきましては、お手元の議事次第の裏にございますとおり、資料1から3までを配付させていただいております。欠落等の不備がございましたら、お手数でございますけれども、事務局までお知らせいただきますようお願いいたします。
 以上でございます。

【濵口主査】
 ありがとうございます。
 それでは、本日の議事に入りたいと思います。資料について事務局から説明をお願いいたします。

【村上科学技術・学術政策局企画評価課長】
 それでは、お手元の資料2、最終取りまとめ案の見え消し版に沿いまして御説明を申し上げたいと存じます。
 資料2につきましては、前回、第10回の本委員会におきまして頂戴いたしました御意見等を反映させたものを、事務局の方で準備をさせていただいたものでございます。
 それでは、主な修正点につきまして御説明を申し上げます。13ページを御覧いただければと存じます。
 13ページの一番上の上段でございます。「その後、平成25年6月に」以下、科学技術イノベーション総合戦略についての記述でございます。この部分につきましては、前回の本委員会及びその後、伊地知委員より、科学技術イノベーション総合戦略について2014年以降2015年という形で、どの年度のものを指しているのか分かりにくいという御指摘がございましたので、今回の最終取りまとめにおきましては、総合戦略2015の内容を反映した記述とさせていただいておりますことから、平成27年6月に閣議決定された総合戦略2015ということで、対象となります総合戦略を明確化させていただいております。
 続きまして、28ページから29ページを御覧いただければと存じます。
 まず、28ページの中ほどでございます。「大学院教育改革を支援する博士課程教育リーディングプログラム」ということで、博士課程リーディングプログラムの趣旨に即しまして記述を修正させていただいております。
 その下、マル2の「次代を担う人材育成と裾野の拡大」の部分でございます。一番下の段から次の29ページにかけての部分でございます。前回の本委員会の場におきまして、委員の皆様方から、科学技術リテラシーに関する初等中等教育段階での記述が不十分ではないのかという御指摘を頂戴いたしました。今回、この修正部分につきましては、本年8月にまとめられました中教審の教育課程特別部会の中間論点整理に科学技術リテラシーに関する記述がございます。この内容を反映して加筆をさせていただいているところでございます。
 同様に29ページの一番上5行でございます。「そうした技術を理解し使いこなす科学的素養をすべての子供たちに育んでいくことも重要となる」。このような記述を追加させていただいてございます。
 続きまして、お隣の30ページを御覧いただければと存じます。30ページの一番下から4行目でございますけれども、女性研究者の割合についての記述でございます。先日の科学技術・学術審議会の総会におきまして、甲斐委員より、女性研究者の割合を高める目標といった場合、特に指導的立場に占める割合を高めるという具体的な目標が必要ではないかという御指摘をいただきました。このところにつきましては、この最終取りまとめの10ページの下から7行目でございます。「特に」ということで、「特に女性研究者に関して指導的立場の女性が少ないことは課題である」という旨、既に指摘をさせていただいておりますので、同様の記述を追加させていただいてございます。
 続きまして、34ページを御覧いただければと存じます。34ページの一番上の部分に破線囲みで科研費の改革の内容についてまとめておりますが、その下でございます。「こうした抜本的な改革の一環として」以下でございますけれども、この部分につきましては、国際的な研究ネットワークの構築に当たって科研費が果たす重要な役割につきまして、記述を追加させていただいております。実はこの部分につきましては、本年1月におまとめいただきました中間取りまとめの時点では、同様な記述が含まれていたところでございますけれども、第10回にお諮りいたしました前回の案では削除されておりました。同様の記述を復活させていただいたということでございます。
 続きまして、35ページを御覧いただければと存じます。35ページのマル2、「戦略的・要請的な基礎研究の推進」の部分でございます。この部分につきましては、先日の科学技術・学術審議会の総会におきまして、基礎研究としての学術研究、戦略研究、要請研究のそれぞれの重要性について誤解を招きかねない表現であるという御指摘を西尾委員から頂戴いたしております。
 したがいまして、今回、まず2段目といたしまして「基礎研究については」ということで、この基礎研究については学術・戦略・要請全てを含むということで、基礎研究についての重要性を記述した後に、3段目といたしまして、「このため」以下でございますけれども、「このため、学術研究については上記」、したがって前段のマル1の学術研究の推進でございますけれども、「掲げた取組を進めていくこととあわせ、戦略的・要請的な基礎研究の振興を政府の重要な役割と認識し、推進する必要がある」という記述とさせていただいております。したがいまして、基礎研究における学術研究・戦略研究・要請研究、いずれも同様に基本的に大事なものであるという記述とさせていただいております。
 続きまして、お隣の36ページの下から4行目以下の部分でございます。ここにつきましては「民間活力の導入」という記述とさせていただいておりましたが、前回の総政特の後、伊地知委員より、民間活力の導入の具体的な中身をはっきり書いた方が良いのではないかという御指摘をいただきました。したがいまして、「優れた技術やノウハウ、人的リソース等の民間活力を導入し、共通基盤技術や研究機器の効率的な維持・発展方策を検討していくこと」という記述とさせていただいております。
 続きまして、37ページの下から7行目辺りのマル2の「産官学が利用可能な研究施設・設備の整備、共用、プラットフォーム化」の部分でございます。こちらにつきましても36ページと同様に、「研究組織のマネジメントと一体となった研究設備・機器の整備運営の早期確立」という記述とさせていただいておりましたが、もう少し内容を分かりやすくした方が良いのではなかろうかという御指摘をいただきましたので、このように加筆をさせていただいております。
 続きまして、少し飛びまして41ページ、42ページを御覧いただければと存じます。産官学連携に係る記述でございますけれども、まず中ほどからやや下でございます。「また、産学官連携が本格化しない要因の一つとして」という部分、その次の「さらに」以下の2段でございますけれども、この2か所につきましては、前回の本委員会の場におきまして、木村委員より、産学官の連携を推進していく上で産官学の連携リスクマネジメント、知的資産マネジメント、これが車の両輪として進められることが重要であるということを、より明確にすべきではないかという御指摘をいただいております。この御指摘を反映して修正をさせていただいております。
 なお、お隣42ページの上から7行目の「有機的に」という部分も、同様の趣旨での修正でございます。
 続きまして、48ページ、49ページでございます。(2)「『超スマート社会』の実現に向けた変革」の記述の部分でございますが、まず48ページの下から12行目、13行目辺りでございますけれども、「例えば、ドイツにおける『Industrie 4.0』においては」以下の記述でございます。この部分につきましては、五神委員より、超スマート社会の実現を図っていく中で、我が国が強みを有するものづくりにどのように超スマート社会というものを結び付け、かつ生かしていくのかという視点が必要であるという御指摘をいただいておりますので、その趣旨を反映した修正とさせていただいております。
 続きまして、49ページでございます。マル1「超スマート社会の実現に向けた研究開発の推進」の部分でございますが、見え消しさせていただいております部分2か所につきましても、先ほど御説明申し上げたのと同様の五神委員の御指摘を反映した修正とさせていただいております。
 続きまして、51ページを御覧いただければと存じます。51ページの4段目でございますが、「さらに、近年新しい潮流となっているオープンサイエンスの基盤である研究データのシェアリング」に関する記述の部分でございますが、前回の本委員会、総会におきまして、研究成果に関して、国としてデータベースの構築への取組が不十分ではないかという御指摘をいただきました。その旨を反映させた修正とさせていただいてございます。
 続きまして、55ページを御覧いただければと存じます。55ページのマル3「科学技術外交のための国際戦略」に関する記述でございますが、後段にいきまして国際的な学術組織等との連携強化に関する記述を、こちらは総会で安西委員より書面で御意見を賜っております。この頂きました意見を反映させた修正とさせていただいております。
 続きまして、61ページを御覧いただければと存じます。1「大学の機能の強化」に関する記述でございますが、この部分につきましては前回、本委員会におきまして、結城委員より、国立大学法人支援の三つの重点支援の枠組みが大学の類型化のように見えるという御指摘を頂いております。したがいまして、そうではなく、支援の類型であるということを明確とする修正とさせていただいております。
 また、次の62ページの2段目でございますけれども、「なお」書き以下、「なお、大学の機能強化に当たっては、国公私立大学、大学共同利用機関等のそれぞれの強みを発揮しつつ、科学技術イノベーションの創出に向けて、大学システム全体として強化を図っていくといった観点が重要である」という記述を追加させていただいております。この部分につきましては、前回の本委員会、総会におきまして、委員より、大学の機能強化に係る記述部分につきまして、国立大学のみを念頭としての記述に読める。国公私を通じた基本的な考え方を示すべきではないかという御指摘をいただいておりますので、その旨反映した記述を追加させていただいております。
 最後でございます。67ページを御覧いただければと存じます。67ページの下から2段目の中ほどでございます。「科学技術イノベーション政策の総合的なデータベースを構築し、研究開発やイノベーションに係る情報を把握・蓄積・分析し」という記述でございますけれども、前回の本委員会におきまして、伊地知委員より、こういったデータベースの構築のみならず、データそのものの収集や蓄積も重要ではないかという御指摘をいただきました。その旨反映をさせていただいております。
 資料2の主な変更点については以上でございます。
 なお、お手元の資料3を御覧いただければと存じます。「我が国の中長期を展望した科学技術イノベーション政策について」、「主なポイント」と題した資料でございます。こちらにつきましては、本年1月の中間取りまとめの際にも、同様のポイントを抽出いたしました資料を作成させていただいております。1月にまとめさせていただきましたものから、本体の内容は変わっておりますので、それらを反映した修正版を用意させていただいておりますので、後ほど御覧いただければと存じます。
 以上でございます。

【濵口主査】
 ありがとうございます。
 それでは、ただいま事務局から説明のありました内容、あるいは最終報告に向けての新しい御希望、御意見等も含めて御発言ございます方、どなたからでも結構ですので、挙手をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。特に前回、御意見いただいた修正点に関してこれで良いかどうか。結城委員、どうぞお願いします。

【結城委員】
 61ページを直していただいたわけですけれども、今の書き方ですと、「これこれを推進する取組を中核とする国立大学」の後に閉じのかぎ括弧があるものですから、どうしても国立大学そのものを定義しているように見えると思うのです。したがって、せっかくこれに対する支援というふうに書いていただきましたので、かぎ括弧閉じを「支援」の後ろに持っていっていただけないかと思います。
 もう一つ、64ページの上から1行目、2行目でありますが、基盤的経費の例示がここに並んでいるわけですけれども、「国立大学法人運営費交付金及び施設整備費補助金、私学助成等」となっておりまして、今、例示に挙がっているのがいずれも大学に対する資金になっています。もう一つ大事なのは国立研究開発法人に対する運営費交付金ですので、この「等」の中に入っているのでしょうけれども、是非これは明記していただければと思います。
 以上です。

【濵口主査】
 ありがとうございます。御趣旨に従って修正させていただきたいと思います。
 ほかいかがでしょうか。西尾先生、どうぞ。

【西尾委員】
 基礎研究に関しましては御修正いただきまして、どうもありがとうございました。
 私は、現在、学術情報委員会で学術情報のオープン化の推進について議論しておりまして、明日の学術分科会で中間まとめを報告させていただく予定なのですけれども、それに関してオープンサイエンスの記述が場所的に今どこにあるかを確認しました。見え消し版ではなくて溶け込み版の39ページの一番下のところの「また、研究成果の」というところと、それからもう一つが、先ほど前回指摘があって修正なされたというところで、溶け込み版で言いますと51ページの3段落目のところに書かれています。
 それで、39ページの方は「情報基盤の強化」という中に書かれているもので、ここで書かれていることは、オープンサイエンスそのものに関しての新たな科学技術の研究を進める上でのさまざまな重要性が書かれています。しかし、むしろそれは51ページの「科学技術イノベーション推進手法の革新」という題目のもと書かれるべきだと思います。そのような変更をした上で、情報基盤の強化のところでは、オープンサイエンスを進めるに当たってどういう意味があるかということに関しては、その変更した51ページに書かれていることを参照しながら、情報基盤の強化の観点から、アカデミッククラウドをどうするのか、つまり、オープンサイエンスのプラットフォームをどのように構築していくのか、ということについて記述すべきだと思います。
 再度申し上げますが、オープンサイエンスが、新たな科学技術の方法論として、今後、いかに重要なのかということに関しては51ページにきっちりまとめるという形で、この二つの場所の関係をもう少し相互に連携するような書き方にすべきではないかと思います。明日、いずれにせよ中間まとめをお話ししますので、どういう記述にしたら良いかということに関しましてはまた相談させていただきたいと思います。

【濵口主査】
 ありがとうございます。訂正させていただきたいと思います。
 ほかはいかがでしょうか。庄田先生。

【庄田主査代理】
 前回、議論があった内容が良くまとめられておりますが、私が1点気になりましたのは、41ページのセクターを超えた人材流動のところです。資料3のP5には、中間取りまとめのときにもお示しいただいた大学、公的研究機関、企業の人の異動の図がございますが、「セクター間を超えた」と言いながら、実際にはほとんどが大学と公的研究機関の間の異動のお話に留まっているのではないかと思います。そういう意味では以前から議論があるように、例えば、社会保障制度の共済年金と厚生年金の2階部分の一元化がこの10月から始まるということであるとか、社会整備のところもきちんと進めていくことが必要ではないかと思います。これは何も科学技術イノベーション人材に限らないと思いますけれども、その点についてはほとんど触れていないので、産業と大学、公的研究機関のセクター間の異動加速という観点が少し足りないのではないかという印象を持ちました。

【濵口主査】
 ここは大変重要な点だと思います。

【庄田主査代理】
 それからもう1点、先ほど触れられなかったのですけれども、33ページの上の第2パラグラフ、「イノベーションの源泉として重要だが」という言葉がここに入りましたが、言葉の順序を変えて、「市場原理のもとでは実施されないイノベーションの源泉として重要な研究」とした方が誤解を招かないのではないかと思います。

【濵口主査】
 そうですね。ここの訂正は相談させていただいてということですね。
 春日委員、お願いします。

【春日委員】
 55ページの「科学技術外交のための国際戦略」のところですけれども、マル3の5行目以降、元の記述ですと、「各国や合同委員会等を積極的に活用し」という文脈だったわけですが、そこにICSUやGRCが入ったことによって、ICSUを活用するというのが余り適切でない表現のように感じるわけです。そこで、「ICSUやGRCなどの学術組織等に積極的に貢献し」、あるいはそれでもしも弱いとすると、「学術組織等において積極的なリーダーシップをとり」ということでつないでいただいてはいかがでしょうか。

【濵口主査】
 ありがとうございます。

【村上科学技術・学術政策局企画評価課長】
 ありがとうございます。そのような方向で検討させていただきます。

【濵口主査】
 ほかいかがでしょうか。土井委員、お願いします。

【土井委員】
 2点ございます。1点目は、先ほど西尾先生からも御指摘のあった51ページの中段のオープンサイエンスに関わるところであります。「我が国においては組織的に検討が実施されてきていない」と入れていただいたので良いのですが、今、学術会議でもオープンサイエンスに関して議論をしていますが、分野による差が大きいのです。ですので、すぐオープンにすべきものと、そうではなく、特許化してからオープンにすべきものというのが分野によってかなり異なっておりますので、国際的な検討状況や我が国の国益というところにも表れているかもしれませんが、分野による特性を考慮することがすごく重要かなと思います。我が国の国益というだけではなく、それよりは国際的な協調と産業での位置づけということを考えることが重要なので、それを少し明確にしていただいて、研究データのシェアリングということを考えていただければと思います。
 あと2点目は67ページの、これもデータベースに関わるところであるのですが、追加いただいた真ん中の方です。「その際、データを提供する機関の特性や研究者等の負担について配慮する」とあります。ここの意味は、研究者等の負担というのは、新たにデータベースのために研究者がデータ入力しなくてはいけないということは避けるという意味だと思うのですが、一方のデータを提供する機関の特性というのは、研究者が公募とか、いろいろなときに入力したものをそのまま生かすという意味であれば、機関の特性という意味が少し分からないのですが、どのような意図で入れられているのか御説明いただけるとありがたいのですけれども。オープンサイエンスということであれば、データを提供する機関というのはその特性を考えないといけないのですが、ここは政策に関わるお話ですよね。なので、機関の特性という意味が不明だったので、教えていただきたいのですけれども。

【村上科学技術・学術政策局企画評価課長】
 今、土井委員から御指摘をいただきました機関の特性の部分でございますけれども、本委員会の場で新井委員からも、大学でデータベースというものをばらばらに整備していて、そこを国がまとめて、例えば文部科学省がきちんと一元的に把握できる仕組みになっていないのではないかという御指摘もございます。それと併せて、ここの部分につきましては、先ほど御説明申し上げましたように伊地知委員から、もう少し生に近いものでも良いので、とにかくデータを1か所に、あるいはデータを持っているところがきちんとそれを集めて、どこか1か所にストックと申しますか、アーカイブ化なりデータベースに加工するような仕組みにできるようにしておくことが重要ではないのかという御指摘もいただきました。
 その上で、研究者の負担というのは正に委員御指摘のとおり、何でもかんでもデータを入力することで、それがかえって不必要な手間になってはいけないということでございまして、それから機関の特性の部分につきましても、これが研究開発法人でありましたり、大学でありましたり、ファンディングエージェンシーでありましたり、それによっておのずとそういうデータベースの構築なり、データの入力なりに使える人的なリソースなり、手間暇なり、あるいはそもそも持っている、大学であれば研究成果としてのアウトプットの部分でございましょうし、ファンディングエージェンシーであればファンディングする際のデータ、研究成果としてのアウトプットの部分、そういったものがそれぞれの機関によって異なってくるので、そういった部分について配慮して、一律の形でデータベースを整備するというふうに書かない方が良いのではなかろうかということで、このような記述にさせていただいております。

【新井委員】
 こういうふうに書くと、例えば各大学で既に持っているから、それを継続しようという圧力がどうしても掛かると思うのです。あるいはそれぞれデータベースを予算化して、いろいろな機関が持っていますと。それを継続しましょうという流れに、どうしてもこの一文はなってしまうと思うのです。
 ですので、正に今、土井委員がおっしゃったように、二重とか三重にやるのは意味がないけれども、それはきちんと仕分けましょうというか、どのデータはだれが集めるのが適切なのかということをきちんと考慮して、一律に全部文部科学省がどこかの機関に頼んでやるということではなくて、機関の特性ではなくて、主にはデータの特性に応じてどの機関が収集するのが適切かを検討しということではないでしょうか。

【濵口主査】
 土井委員、いかがですか。

【土井委員】
 データの特性に応じてというお話であれば分かるのですが、逆にそこまで広げると、ファンディングのためだけではなく、オープンサイエンスともつながっていく話なのです。ですので、そこの書き分けが少し難しいなと逆に感じて、どう書くのかなというのは、正にそのとおりで、現在、レガシーをそのまま持ち込むのは困るし、かといって全部を一律にやり直すというのも難しいので、その中間的な、ソフトランディングできるような、どういう作り方が良いのかというのは悩ましいのですけれども、そこはトライしないといけないので、私も答えはないのですけれども、どう書き分けるか、重要なところですけれども。

【濵口主査】
 西尾先生、何かサジェスチョンないでしょうか。

【西尾委員】
 今おっしゃった問題が結構あるように思います。要は、データはだれのものかというところに最後行ってしまうのですけれども。そういう観点で、ここの記述はどちらかというと、オープンサイエンスとは関わらないデータについて記述しているのだということをより明確にした方が、誤解を生じないと思いました。

【濵口主査】
 五神先生。

【五神委員】
 今の問題は内閣府の会議でも議論になったような気がします。データベースを作る形に持っていき、データを中心としたようなものを蓄積していきたいというのは正しいのですが、それを作ることが先行してしまって、結果的には使われない無駄な作業をするということは過去に何度も経験しているので、そこのところを例えば海外の事例をきちんと検討しながら合理的な仕組みを作るなどの工夫をしないと危ないなという気がします。ですから、作業は膨大だけれども、結果的に使われないものを国費でやるということを繰り返さないように配慮していただきたいと思います。
 しかし、それを恐れなくても進められるようなポジティブなことで、海外の進んでいる事例を取り入れることをやらないと前には進まないはずで、今のような議論のままだと同じままでとどまってしまうと思います。

【土井委員】
 ですので、多分、データベースとして必要なものは、オープンサイエンスの中でいうと、分野ごとの研究として必要な、それぞれの分野によって特性があるのですけれども、あともう一つは研究不正を防ぐための生データをどうやって持っていくかという話と、あとはファンディングのためという、多分三つあると思うのです。ですので、きちんとその三つを意識していますというところを、全部データベースという名前で読んでしまうと分からなくなるので、それを少し書き分けていただくと良いのかと思いました。

【新井委員】
 ただ、ここのところは「成果、人材、資金配分やそれらの相互関係等に関する科学技術イノベーション政策の総合的なデータベースを構築し」なので、オープンサイエンスとはやや違って、本当の生データみたいなものはここではないというのが西尾先生の御指摘だと思うのですけれども、そのデータをどうやって作るかというお話に限ってのことだと思うのです。
 なので、これは例えばこういうふうに漫然と書くと、何となくネガティブになるので、例えば共通化できる部分に関して精査し、その部分は共通化しとか何か、共通化できない機関の特性やデータの特性があるものに関してはそれを生かしとか何か。こういうことはしないようにするというのではなくて、方向性を少しかっちり書いていただけたら前へ進むかなという気がします。

【濵口主査】
 ここのところ、データを提供する、といきなり入っているのを、その前の総合的なデータベースを構築するもととなるデータについて共通化できるものは考慮しつつデータの特性や研究者のうんぬんというふうにやれば、かなり絞り込まれるかなと思います。御意見をいただいてどうでしょうか。

【村上科学技術・学術政策局企画評価課長】
 ありがとうございました。今、新井委員からも御指摘いただきましたように、もともとここの記述の部分は政策の企画立案及び推進機能の強化ということで、いわゆるPDCAの中でエビデンスに基づいてどうやって進めていくかというところが一番の根っこにございます。そういった意味でここの部分は、委員の皆様方から御指摘いただきましたとおり、ここで言っているデータベースとは何のことかというところが漠然とし過ぎて、少し乱暴な記述になっておりますので、検討させていただきたいと存じます。

【細野委員】
 今のオープンサイエンスに関係するのですけれども、この中全体に日本の学術誌をどうするかという議論が全然ないのです。これをオープンアクセスにすると、日本のジャーナルは全然なくて、全部外国のジャーナルにお金がいってしまいます。これは先ほどのデータベースもそうですけれども、日本発のデータベースで売れるものは一つもないのです。新井さんにもいつも怒られているのですけれども、そこの議論が完全に抜けていると思います。
 私は材料系ですが、材料系は全部で21学会あります。けれども、インパクトファクターは四捨五入して2以上のものは一つもないのです。ひどい状況です。それは多分、ほかの分野も同じだろうと思います。これをこのまま放っておいては、非常にまずいことになると思います。それはどこかに警鐘を鳴らしていただきたい。そうしないと幾らやっても何もなりません。データベースも新井さんは一生懸命やられていますけれども、国際的な標準になっているものは一つもありません。これは非常にゆゆしきことだろうと思います。

【西尾委員】
 ジャーナルに関しては、40ページの上から6行目のところに2行ぐらいは書いてあります。

【細野委員】
 これでは仕方がないですね。

【西尾委員】
 もう少し強力に記述するとか。

【細野委員】
 いつまでも「ネイチャー」、「サイエンス」だけ言っているのは後進国だと思いますよ。そういうものを育てていかないと。はじめは育てるという意図があっても、どこかでやめてしまうわけです。さっきのデータベースと同じです。最後までどれかを育てるという長期的なビジョンがないと育たないと思うのです。それが今度、全部オープンアクセスになると、科研費の例えば1割が全部、オープンアクセスの費用になります。そうすると、それが例えば200億円、300億円になるわけです。それが全部海外に出てしまうわけです。そこは科研費の使い方の問題に関係しますので、かなり真剣に考えた方がアカデミアとしては良いと思います。

【濵口主査】
 ここの40ページの記述を強化する方向で考えてよろしいでしょうか。

【細野委員】
 それはオープンサイエンスと全く同じことです。ただ、ジャーナルの場合は、意図的に強いジャーナルを作っていかないといけません。今、日本のジャーナルは中国の雑誌よりもインパクトファクターは低いですから。それは学術界にいる人間としてはいつやっても答えが出なくて、長期的にどんどん減っているわけです。学会の会員が減っているのと同じようにもっと減ります。これは放っておくと、幾らほかに投資をしても、この部分が崩れてしまうと腰が抜けた状態になると思います。

【濵口主査】
 総論的には分かるのですけれども、名案が何かあるかどうか。

【細野委員】
 意図的に各分野で機関のフラグシップにあるジャーナルを育てるという政策的なことをやるのが、ですからデータベースだったら、どの部分をデータベース化、国際的な標準になるようにするかという具体的に選別をしなければ、多分予算の関係でできないと思います。

【濵口主査】
 新井委員、どうぞ。

【新井委員】
 URAの採択のときも、インパクトファクターで決定されてしまった向きがありましたよね。今後もそうなると思うのですけれども、もしも国策でそういうことをするということであったらば、フラッグシップであるようなジャーナルをある程度決めて、そこは見ますということがありません。だから、現世利益がなければ、そこを維持しましょうということで、若手は特に書かないわけですから、そこを書くような流れを政策的に作らないと難しいと思うのです。そうしないと明らかに、細野先生がおっしゃるように、国費は流出してしまうので、それを食い止めるためにはどうにかしなければならないと思います。

【細野委員】
 日本のジャーナルだけで全部やるというのはとても無理ですので、少なくとも今一つもない状態というのは幾ら何でもまずいのではないかと。全領域を合わせて二つぐらいあっても良いのではないか。非常に現実的な話です。

【濵口主査】
 五神先生、どうぞ。

【五神委員】
 今の問題は非常に重要で、私自身も1998年の補正予算で「J-STAGE」を立ち上げるきっかけになった活動をしました。当時中村修二さんの論文などが日本のジャーナルから出版されており、論文として出版されていたことはノーベル賞選考などでも重要なポイントになったわけです。そのような日本の英文学術誌が電子化の流れの中ですたれていくか、あるいは買い取られるかという状況になった中で、国として支える仕組みをつくりましょうということで「J-STAGE」の活動をしました。ただ、それから随分時間がたち、状況はむしろ良くない方向に進んでおり、細野先生のおっしゃるように、日本から出ている英文雑誌で、みんながそこに投稿する雑誌だというものを一つでも二つでも作らないといけないと思います。
 そういう意味で40ページに書かれている文章を見ると、1998年のときのスタンスとそんなに変わらない状況になっていることがうかがえます。もしそういうことが重要だということでまとまるのであれば、是非強いステートメントを加えていただきたいと思います。私は加えることに賛成です。しかし、現実には相当意識的にやらない限り効果は出ないと思います。

【濵口主査】
 結局、プロモーションを考えると、みんなインパクトファクターのところへ、高いところへ出したがるのです。

【細野委員】
 そうですね。それで、出版社の傾向、この間も学術会議でその委員会をやったときに、中国を取り込んだ方が、インパクトファクターが上がるというので、商業出版社は全部そうなっているわけです。明らかに中国が入るか入らないかでインパクトファクターが全然違ってしまいます。それも確かにそうなのですけれども、その流れの中でいくと日本は人口が減ってきますし、学生や大学院生の数もどんどん減ってきます。このままいくと日本のジャーナルが淘汰されてしまうのではないかというレベルまで来ているのではないですか。
 学会の会員の分布を見ると、45歳以上が非常に多いのです。多くの学会が45歳以下になると急に会員が減ります。そうすると、また15年後にどかっと減るわけです。ですから、ある意味で今から現実的な手を打っておかないと、そのときになったら手遅れになるということがあり得るのではないですか。

【濵口主査】
 恐らくこれは個別的なポスドクレベルの人たち、あるいはアシスタントプロフェッサーのプロモーションのところに明確な指標としてインパクトファクター以外のものがきちっと入らないと、出さないのです。科研費も同じことなのです。

【細野委員】
 一時期、特許申請が大流行がのころ、特許の出願件数を書いていたわけです。何の意味もないですよね。特許でしたら、それの引例がきちっと今出てくるわけですから。

【濵口主査】
 実用化できるかどうかというところにチェックが入る。

【細野委員】
 どのくらい引用されているか、リジェクトも含めて。だから、評価をきちっとするということだと思うのです。インパクトファクターはたかが2年のことですから、それをずっと。でも、インパクトファクターが高い雑誌の方が低い雑誌より良いというのは、3倍も違えば違ってしまうわけです。それはそうなのですけれども、それをあえて日本のフラッグシップのジャーナルを、例えば材料というのは、増本先生が作った、NIMSが持っているSTAM(Science and Technology of Advanced Materials)というのが3.5をずっとキープしています。これは意図的にやっているのです。五神先生が言われている物理学会も、シニアの偉い先生がずっとそれをキープしていたわけです。でも、今度減ってきましたよね。ついに2を切ってしまいましたよね。ですから、このままいくと際限なく下がってくると思います。限りなくみんな1になってしまうのではないかという危機感を覚えているものですから。

【濵口主査】
 分子生物の分野で見ていると、これは日本だけに限ったことではなく、アメリカでもかつてはMCB(Molecular and Cellular Biology)などは13点ぐらいあったのですけれども、今は5点ぐらいです。もっと過激に動いていますね。ですから、世界的な潮流も少しあるような気がします。
 一方で、幾つかの学会、私の関係しているところを見ていると、総説をきちっと書かせるという作業をやったり、それからアジア全体に広げるという学会全体の取組をやると一定の投稿があって、インパクトファクターが3から4近くになってきたりというのが幾つか見えるところもあります。そういう政策をどういうふうに入れ込んでいくかというところ。

【細野委員】
 今、先生がおっしゃったように、現実、インパクトファクター3ぐらいの雑誌を残すということだと思うのです。それが多分、我々にできることではないかと思います。

【濵口主査】
 学会の機関誌の評価をきちっとどこかで入れるということですか。

【細野委員】
 そうです。どこかでそれをやらないと、多分、限りなく下がってしまうと思います。それをどこかに書いて、なおかつ具体的なことをやらないと、もうそろそろいけない時期ではないですかという提案です。

【濵口主査】
 ありがとうございます。少し検討させていただかないと、これはなかなか難しい。どうぞ局長。

【川上科学技術・学術政策局長】
 この表現は、先ほどの五神委員の御指摘のとおり、言ってみれば、この基本計画の中でも第2期基本計画はずっと書き続けています。日本のジャーナルの育成が重要であるというポイントは全然ずれていません。電子化の流れの中で日本が立ち遅れないようにということで、五神委員の御指摘のように「J-STAGE」もやりました。したがって、オープンジャーナル化、これも一つの転機ですし、ここで巻き返すチャンスがあるだろうということで今回オープンジャーナル化の話も、フリーアクセス化の話もしっかり書かなければいけないということで書いてきています。
 それ以上の手だては行政として何があるだろうかということが実は思いついていないので、この記述になっています。むしろ、正に御議論になっているように、研究者の評価をどうするかをはじめとして、正に研究にタッチしておられる先生方、ここの中の状況をどうするのか、若しくは、結局論文の書き手がどこに投稿するかというのが最後に決まることですので、そのムーブメントをどうするのか、この二つに実は大きく懸かっていますので、それこそ今ここにお集まりの先生方の総意としてやらなければいけないと思います。
 いわゆる学会としてやらなければいけない、研究会、研究者としてこの問題にこういう方向性でやらなければいけないのだということを大きく宣言するのであれば、そのことを付け加えるというのは、常々私も10年前からずっと思っていることですので、やるべきだと思うのですけれども、そこもコンセンサスがなかなか得られないという状況でこの10年来ているのではないかということから見て、もう少し書くのであるとすると、学会にいらっしゃる先生方の決意の御議論がもう少しないと難しいかなと思っているところでございます。

【濵口主査】
 ここでの記述として、学会としての機関雑誌の強化を組織的に図っていただきたいという旨の文章を少し入れるかどうか。

【川上科学技術・学術政策局長】
 例えば期待するとか、それでも全部書かせていただくのであれば、例えば日本学術会議が審議の母体になるかもしれません。それに対する日本学術会議へのお願いなどの努力は、できる限りのことはさせていただきたいと思いますが、だれがイニシアチブをとるかという問題はこのジャーナルには非常に大きな問題があるということでございます。

【濵口主査】
 エディターチーフの質によっても随分増えますので。

【五神委員】
 実効性のある支援を新たに打ち出すとすれば、学協会の支援を国がやるかどうかということになってしまうと思います。どこかを選んで支援するのであれば、例えば先進的な取組をしているところや、国際的なステータスが一定以上あるものについて、モデルケースとして強化する施策を打ちますといったことを書けば、前に進むと思うのですが、そこはなかなか難しいですし、ここでも全然議論ができていないのではないかというところなので、これをもう一歩ぐらい進めて、本日議論があったという痕跡が残るぐらいのことを書いておいていただいて、次の第5期の中で具体化していくということをマニュアルで進めるというのが妥当ではないかと思います。

【濵口主査】
 ありがとうございます。よろしいですか、細野先生。では、少し事務局と相談させていただいて。
 ほかいかがでしょうか。どうぞ知野先生。

【知野委員】
 少し細かいことになるのですけれども、59ページのマル2「社会のステークホルダーの科学技術イノベーションとの関わりの強化」というところですけれども、ここの2行目の終わりから5行目にかけての主語が最初は一般市民になっていて、途中から「国や大学・研究機関が整備することが重要である」となっていて、少し分かりにくいと思いますので、これは文章上のことですけれども、文章を途中で切るなど、一つ工夫が必要ではないかと思います。
 また、これを見ますと、「社会とともに創り進める科学技術」、マル1は政府に対する要望、マル2は一般市民への要望、マル3が科学者・技術者とのかかわりの強化ということであるならば、マル2でいきなり一般市民に求めるよりも、マル3の科学者・技術者が社会とのかかわりを強化するということを前に出してきた方が良いのではないかと感じました。
 それから、これは質問ですが、49ページ、マル1「超スマート社会の実現に向けた研究開発の推進」のところですけれども、真ん中の赤で消してあるところで、「人工知能(AI)」のAI部分を消してあるのですが、これはどうしてでしょうか。というのは、我々報道をしている側からしますと、AIという言葉自体がかなり市民権を得ており、人工知能と言われても分からないけれども、AIと言われると何となくピンとくるという人たちが増えているように感じられますので、入れておいても別に良いのではないかと思いますので、教えてください。

【濵口主査】
 ありがとうございます。前半のところは整理させていただいて、AIをどうするかを。

【村上科学技術・学術政策局企画評価課長】
 まず、知野委員の最初の御質問でございますけれども、前回の本委員会の場でも御説明させていただいたかと存じますが、6月の安全・安心科学技術及び社会連携委員会の報告を基本的に引くような形で、取りまとめの方も整理をさせていただきました。したがいまして、先ほど御指摘いただきました1、2、3の順番が今見てどうなのかというところは若干あろうかと思います。また、先ほど御指摘がありました文章の主語が分かりにくいというところも含めまして、検討させていただきたいと存じます。
 もう1点の49ページのAIでございますが、こちらは前の方で既出ということで、繰り返しになるので、落としたものです。

【濵口主査】
 確認して、訂正をさせていただきたいと思います。
 永井委員、お願いいたします。

【永井委員】
 見え消し版の28ページの下から6行目の「初等中等教育においては」の下に、今の一線の研究者なり行政官が必要なことが書いてあります。それをあえて「初等中等教育においては」と書くのは気になります。その後に、情報基盤のインフラを整備しましょうということで良いのですが、ひとえに初等中等教育の問題であるという印象を与えます。「現役の研究者は言うに及ばず、初等中等教育においても」という書きぶりにしないとおかしいのではないでしょうか。

【濵口主査】
 これは中教審で議論になっているのをそのまま入れたということですか。

【村上科学技術・学術政策局企画評価課長】
 今、永井委員より御指摘いただきました箇所につきましては、正に初等中等教育における科学技術リテラシーの育成というところで、先ほど御説明申し上げましたように、中教審の特別部会で記述されているとおりに記載させていただきました。

【永井委員】
 そこは良いのです。もっと大人についてもしっかり言わないとバランスを欠くということです。

【村上科学技術・学術政策局企画評価課長】
 ありがとうございました。
 先ほど知野委員から御指摘をいただきましたAIの記載についてでございますけれども、5ページの上から9行目から10行目にかけまして、AIという形で初出となっております。ただ、少し分かりにくいようであれば、後ろの方にも再度括弧を付けようと思います。

【知野委員】
 そうですね。AIというのが先にお送りいただいた資料だと消えていましたので、マル括弧であっても良いのではないかという気がします。その方がむしろ分かりやすいと思います。

【濵口主査】
 ほかいかがでしょうか。どうぞ松本委員。

【松本委員】
 質問ではないのですけれども、まず36ページの下から3行目です。大学の運営の中で民間の活力やノウハウを導入するという視点で、ここでは「優れた技術やノウハウ、人的リソース等の民間活力を導入し、共通基盤技術や研究機器の効率的な維持・発展方策を検討していくことが必要である」と書いてあります。これはどういうことなのかという単純な疑問です。
 それに対して、41ページの下の方の「さらに」の段、これは大学の知的資産マネジメントの在り方についての議論が別途検討委員会でなされているかと思うのですけれども、この文章の中で大学の経営人材といいますか、大学が有する知的資産をマネジメントしていく人材をしっかりと育成しましょうという文言ですけれども、これは委員会でもいろいろ議論がありまして、アメリカの大学は経営感覚のある研究者を早い段階から経営マネジメントとして育成するという教育プログラムがかなりしっかりしています。
 大学の経営というのは極めて難しいという議論がそこであったのですけれども、この中に民間の経営のノウハウを大学が活用するという文言が一切ないのですけれども、ここのところはあくまでも大学内で経営人材を育てるという意図としてあえてそうしているのでしょうか。あるいは産学連携の共創の場で民間のそういう経営のノウハウを活用しましょうと、あえてそちらに持っているのでしょうか、そこについての単純な疑問です。先ほどの共通基盤技術など、研究機器の維持管理については民間のリソースをしっかり活用しましょうと書いているのですけれども、マネジメントや大学の経営のところには一切がそれが書かれてないのですが、あえてやっているのかどうか、意図を教えていただきたいのですが。

【濵口主査】
 ここのところは難しい議論だと思います。恐らく大学のアカデミアの側は二つに分かれてくると思いますけれども、個人的な意見を言えば、企業のマネジメントは非常に勉強になるものがあると思います。学長としてやっていた現場のマネジメント、例えばその典型例でいくと、コダックと富士フィルムがなぜああいうふうに変わったか。ターニングポイントがあったはずなのです。そういうときのディジョンメイキングのプロセスというのは大学にとってはすごく勉強になるのです。要するに知財をどう生かしていくかという展開のところですよね、ここで書かれているところで。本当はそういう記述がもう少しあっても良いのですけれども、大学、アカデミア側の議論がまだ十分成熟し切ってないような気もします。ここが難しいところであるかと思いますけれども、西尾先生、いかがですか。

【西尾委員】
 今、正に濱口先生がおっしゃったように、企業におけるマネジメントというのは非常に参考にはなるのですけれども、例えば大学におけるガバナンスが企業のとおりにそのままでいくのかどうなのかということになりますと、一旦ワンクッション置く必要があるのではないかと思います。
 例えば企業サイドの場合ですと、多分、トップダウン的なマネジメントが相当強いのだろうと思います。ハーバード・ビジネス・スクールにお勤めだった江川雅子先生、東京大学の濱田総長の下での6年間の理事・副学長の御経験から感じた大学におけるガバナンスについて、ある新聞に記されております。その折に、強く感じられたこととして、大学におけるガバナンスは、単にトップダウンだけではいかなくて、ボトムアップの側面とのバランスをどのようにとっていくかというところが大変重要であると書かれています。さらに、その過程において、一番大事なことは透明性の確保だと記されています。その辺りのところが、やはり、非常に難しいところだと思います。企業におけるマネジメントからは学ぶところは多くあると思いますし、学ぶこと自体は大切だと思うのですけれども、そのまま持ってくれば良いのかということではなくて、ワンクッション要るのではないかと思います。

【濵口主査】
 結局、コダックと富士フィルムの例を出したのは、ガバナンスを間違うとコダックになってしまう。そのリスクも非常に高い企業型のマネジメントがあって、我々の場合は人材育成ですので、結果が出てくるのに5年、10年とかなり長いタームでずっと育てていかなくてはならない。途中でドラスティックな変化というものが、結果が見えてくるまでに時間がかかってしまう。そこのもう一つの時間軸の苦しさがあるのです。それから、多様性があって、非常に幅広い。そこを統一的に、ベターなシステムはどうあるべきか、というのが見えていないのだと思います、私どもも。

【松本委員】
 現時点でどう書くかというのが極めて難しいということですかね。

【木村委員】
 私自身、海外企業の経営者としての経験を長く積んだ後、大学の職に就いたので、その経営者感覚からすると、大学にはとても理解できないことが起きる一方、全く異質である大学から学ぶものもたくさんありました。企業と大学の異なる両方の価値を融合して、最適な答えを導き出すのに10年かかりました。企業の経営論理を丸のみするわけではないけれども、大部分は大学でも適用できると思います。特に企業との人事交流は非常に効果的かなと思います。海外の大学ですと企業経営者を学長にスカウトして、経営改革を断行している例もありますよね。例えばインペリアル・カレッジがそうです。ただ、その後の現場の研究は随分荒れてしまったと聞きます。そういう意味では何を優先するか、バランスがあるのかなと思います。
 ちょっと細かい点ですが、今の41ページの最後の段落で「知的資産」と書いています。この中にあるフットノートにきちんと説明がありますが、これは非常に大事なキーワードですけれども、どうしても「知的財産」と混同されがちかなと思うのです。ここで議論しているのはヒト・モノ・カネ全部のマネジメントなので、インテレクチュアルプロパティの話をしているわけではないので、ここは少し本文の中にその解説があった方がよろしいかと思います。
 以上です。

【濵口主査】
 ありがとうございます。五神先生。

【五神委員】
 全体のまとめのポイントの資料3を見ていて、矢印の先、「『我が国及び世界の持続的発展のために何をすべきか』といった観点から」という記述が弱いと感じます。現在、産業自体の構造がものすごく大きく変わってきています。グローバル化というのは、する、しないではなく、現象として進んでいるものです。ですから、日本も、例えば昭和の終わりには、日本の民間企業でいえば、外国資本比率が5%だったのが今は三十数%になっていますので、国家の利益と資本の利益との関係も昔とは全然意味合いが違ってきており、国境の考え方も違います。
 そういう中で科学技術政策として国がやるべきことは何なのかという観点に立ち、日本の蓄積を生かして人類社会全体の安定化につながるようなことに圧倒的に貢献することを目指すくらいのことを言わないと駄目だと思います。資本主義自身の限界がかなり明確になっている中で、日本の実績や蓄積をうまく生かして新しいモデルを提示するような活動を先導していくぐらいの気概がないと世界に貢献できないだろうと思うのです。
 大学はコーポレートガバナンスから学ぶべきということが言われますが、会社にしてもガバナンスや経営の仕方をどんどん変えていかなければいけないのです。例えばベンチャーも大事ですけれども、ベンチャーは知財や人をパッケージ化して商品化してしまうので、日本でベンチャーを一生懸命やってもそれは外国資本に「ぱっ」と買われるだけかもしれません。しかし、そういうステージを経ないと次の未来の社会に貢献できないかもしれないわけです。
 そういうときに、日本が世界に対して圧倒的に貢献するということにプラスになるような活動を一生懸命やっていきましょうという観点で、ポイント1、2、3に書いてあることは正しいと思います。しかし、何のためにやるかというところの記述が非常に曖昧なために、下手をすると空回りしてしまうのではないかという気がします。ですから、世の中の変化をどう捉えるかということとグローバル化をどう捉えるかということをしっかり考えた上でで、科学技術を軸とすることで、広めに選択肢を用意しながら発展していくというアクションがとれるというところを、重要視していくという形にならなければいけません。
 いろいろなところにいろいろな良いことが書いてありますので、うまく拾えばそういう形でまとめのポイントは作りかえられるのではないかと思います。この数行に少し知恵を出していただきたいなと思いました。

【濵口主査】
 後ほど相談させていただきたいと思います。
 どうぞ竹山先生。

【竹山委員】
 62ページに、前回全て大学と書いてあるところの大学が、これを読んでみると国立大学に限った話に聞こえるので、もう少し国公立、私立という枠を入れてほしいと思います。特に私立ですけれども。私立というのはすごく大きな大学があって、ここを見ていると私立の活躍している先生ががっくりくるような文章になっている部分があるので。
 今回、付け足しのように3行入れていただいたのですけれども、大学の機能の強化といったときに、全体的に見ると新しい枠組みの言葉、特定研究大学や卓越大学院、これは多分、将来的にプロジェクト的な意味合いで出てくると思います。そのときにこの文章が国立大学うんぬんで終わって、最後に付け足しのようにこの三つになってくると、どうしても深読みする人たちが出てくるので、大学として日本で伍(ご)していくということで考えて書いているのであれば、もう少し言葉を選ばなければいけないと思います。
 例えばRU11だって、国立、私立、両方入っているわけで、そこに入っている私立はどうしたら良いのだろうという状況が生まれてくるわけです。これからどんどん頑張っていこうという国立大学だけではなくて、トップに伍(ご)してくる私立大学も伸ばしていかなければいけないし、公立も伸ばしていかなければいけない。そういう中で少し書き方、もちろん国立大学のいろいろな改革というものも本当にやっていかなければいけないと思うのですけれども、大学という言葉でいったときには、もう少しここの書きぶりを変えていただきたいというのがあります。付け足しで書くのではなくて。特定研究大学や卓越大学院は、国立大学にしか適用されないシステムとして考えているのか、そこが私には分からなくて、この文章だと全部これは国立大学にかかる言葉として書いてあって、後で付け足し3行では何だかよく分からないというのはあります。
 国立大学と私立の大学の違いというのは、作られたときの差というのはあるのかもしれないのですけれども、今ここで言っているのは、国としてどうサイエンスに大学が貢献していくのかというその道筋を書いているときに、余り大きな差はないはずだと思いますし、今、海外の大学でトップクラスの大学はほとんど私立なわけです。それの経営の仕方が何とかというのでしたら、日本の中でもそこは学ぶべきことが多いと思いますので、もう1回読み直さないとどう言葉を変えていいかというのはあると思うのですけれども、それも少し考慮していただければと思いました。

【村上科学技術・学術政策局企画評価課長】
 ありがとうございました。これは決して付け足しというニュアンスで記載したわけではございません。最後の大学システム全体として強化を図っていくというところに肝があるというつもりであったのですけれども、御指摘いただきましたので、また可能な範囲で検討させていただきたいと思います。

【濵口主査】
 前のところで三つの特性に分ける話が大分あるので、国立大学にどうしてもニュアンスが強くなってくるのですね。少し検討が必要です。
 春日委員、どうぞ。

【春日委員】
 この報告書全体の位置付けですけれども、この委員会が立ち上がったときの議論に戻りますと、科学技術基本計画の策定の主体が総合科学技術・イノベーション会議に移った後、文部科学省として何を言うべきかというところから始まったものと理解しています。
 「はじめに」のところの書き方、2ページの二つの段落が文科省としてのもどかしさを感じさせるような気がいたしまして、第5期に向けてというふうにはっきり書かないかわりに、ポスト第4期における我が国の中長期的な方向を検討すると言いつつ、その段落の最後では科学技術イノベーション政策全般にわたって方向性を示しているものとあります。しかも今後のあるべき方向性姿ということで、一つにはどこの立場で書くのか、それからどのくらいの時間軸を想定しているのか、それをあえて曖昧にしているのかなという気がいたします。ですけれども、最後の段落では、政府において第5期の基本計画策定に向けて、この報告書が十分踏まえられることを期待するということも書いてあるわけです。
 ここでもう少し正直に、クリアに、文部科学省としてはこういうことを今後何年間の軸で期待するのだということを明記しても良いのではないか。その方がこの報告書の意図することがはっきりと伝わって、またこの委員会として今後、科学技術イノベーション政策をレビューしていくに当たっての立ち位置がはっきりするのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。中間取りまとめからの主な変更点の中でもCSTIでの案を見据えつつ変更しているところもあるわけなので、政府の中で調整が必要であると同時に、文部科学省としての独自性も意識しているということはよく分かるわけです。でも、そのことがおかしな形のコンフリクトにならず、しかも文部科学省として主張したいところはこの点なのだということが何らかの形で分かる記述があれば、望ましいのではないかと思います。

【濵口主査】
 どういたしましょう。これは大きな宿題になります。局長、お願いします。

【川上科学技術・学術政策局長】
 全体的にはもちろん検討いたしますけれども、この報告書の最初のポジションはもちろん文部科学省の審議会ですので、文部科学省の立場に立ってではありますけれども、狙うところは第5期基本計画の中に取り入れられるということですので、第5期の政府の計画になるものとは違うものとして作るという趣旨でもないわけでありますので、そういう意味で文部科学省としての立場を余り強調するようなことは差し控えていくようにしてきています。最終的に第5期基本計画とポスト第4期のこの報告書にもしかしたら食い違いが出てくるかもしれません。それが正に文科省の主張であり、政府全体の主張と少しニュアンスの違うところであるということになるのではないかというふうにむしろ思っております。

【濵口主査】
 どうぞ春日委員。

【春日委員】
 おっしゃるように、対立があってはおかしいというのはよく理解いたします。ですけれども、同じものを二つつくるのも意味のあることではないと思います。おっしゃるように、違う点が文部科学省らしさなのですけれども、ただ、あくまでもこの報告書は文部科学省として作っているということは事実なわけですので、「はじめに」の後ろの二つの段落の書き方が、半分遠慮して、半分希望を言っているような、少しおかしなニュアンスに読めてしまったものですから。例えば具体的な記述としては、最後から2段落目の最後の部分、「我が国の科学技術イノベーション政策全般にわたって文部科学省として」ということを一つ入れてはいかがでしょうかというところが1点。それから、今後のあるべき方向性のところに想定される時間軸、5年なり10年なり、それを入れてはいかがでしょうか。

【川上科学技術・学術政策局長】
 まず、5年の件についてはおっしゃるとおりです。もともと基本計画そのものが10年を展望して5年間の計画として作っておりますので、これとは平仄(ひょうそく)を合わせて御検討いただきましたし、事務局の提案はそういう時間軸でなされてきました。したがいまして、明確化ということで、そういうことは書き込むことはベターであるかと思います。
 文部科学省として書くことも念押しになりますので、やぶさかではございません。ただし、文部科学省は科学技術行政の中心を担う役所ですので、一部分を担うというよりも、広い立場、幅広い観点から御検討をお願いしたいと思っております。

【濵口主査】
 よろしいでしょうか。どうぞ。

【新井委員】
 57ページからの「社会からの信頼回復」の「リスクコミュニケーションの強化」のところを拝見させていただいて、違和感がある点がございました。リスクコミュニケーションの強化の必要性が、東日本大震災から強く要望されていることは間違いないのですけれども、今後のことを考えたときには原発や地震ということだけでは全然ないわけで、例えばiPS細胞であったり、自動運転であったり、テクノロジー不況であったり、不況がリスクかどうかはよく分かりませんけれども、そういうことも含めてテクノロジーの影響というのは非常に幅広いと思うのですが、最後の段落が震災絡みのことに余りにも拘泥しているように読めると思います。
 最後の方に「レギュラトリー・サイエンスや社会が直面する問題に関連する成果を社会で活用するための、地震・降水モニタ、防災マップ、気候変動予測ツールの開発などを推進する」というのは、余りにそのことに拘泥しているような感じがして、例えばもう少しiPS細胞の新しい技術も含めて、特に超サイバー社会を前提としているような書きぶりが前半にあるわけですから、AIによる例えばリスクなどを想定して、もう少し幅広に最後の段落はお書きになった方が良いのではないかという気がいたしますが、いかがでしょうか。

【濵口主査】
 課長、よろしいですか。

【村上科学技術・学術政策局企画評価課長】
 新井委員、ありがとうございました。今御指摘いただいたような部分は、実は、iPS細胞にしろ、新しい研究開発が進んだ後のリスクを研究開発の段階からそういった視点を盛り込むべきだというのが、後ろのマル2、マル3あたりに書かせていただいたところでございます。したがって、マル1はおっしゃるとおり、どちらかというと従来型のリスクコミュニケーションというところにとどまっています。そこはそれで十分かどうかということは、また改めて検討させていただきたいと思います。

【庄田主査代理】
 最終的に中間取りまとめと同じように、A3判等でおまとめになると思います。前回、少し気になっていたのですが、申し上げなかった点があります。先ほどの人材の流動促進、資料3でいいますと、5ページにある「セクター間の異動状況」というところです。これは五神先生もおっしゃったように、産業界も大きく変わっているわけで、ここに記載されている、企業の66万人という数字は、恐らくは日本国内の研究所、研究開発部門の人たちのことであって、今や多くの日本企業が海外に自らの研究所を持っているわけですから、現在、大学と公的研究機関のみが海外と交流しているような図になっていますので、現実の今の状況を反映してない気がします。実際に緑色の部分以外に何万人の海外研究者がいるのか数字を持っていませんが、今や多くの日本企業は海外研究所を持っていますので、状況が大分違っているはずです。
 もう1点は、最終取りまとめ案の11ページの脚注の部分です。これまでの審議会あるいは委員会に参加して、基礎、応用、開発と学術、戦略、要請の3掛ける3のマトリックスについて、例えば産業界が行っている研究というのは、恐らくは社会経済的な要請に基づく応用、あるいは開発が多いだろうと思います。このように、このマトリックスが日本全体の研究活動に関する概念であるということを文部科学省にとどまらず広く、各省にも宣伝をしていただいて、徹底いただく必要があるのではないかということを感じております。

【濵口主査】
 ありがとうございます。
 永井委員、お願いいたします。

【永井委員】
 私もそれに関係しますけれども、研究の概念とか科学の領域の概念がこれから大きく変わるという危機感をもう少し出した方が良いような気がします。例えば見え消しの51ページの超スマート社会のところ、先ほど五神先生からもお話がありましたけれども、超スマート社会がこれから来るから、それに向かって科学は頑張りましょう、特に技術は頑張りましょうというイメージではないと思うのです。コンピューターの発達にあらゆる科学が依存しています。基礎研究、あるいは純粋科学も変容する可能性があり、変容しないと超スマート社会は実現できないわけです。そういう危機感ですね。科学が変わりますということをもう少し強く出した方がよろしいと思います。

【濵口主査】
 ありがとうございます。少し検討させていただいて。
 ほかいかがでしょうか。そろそろ御意見は出尽くしたかと思いますが、稲葉委員、お願いいたします。

【稲葉委員】
 全く本質的なところではないのですけれども、例えば略語の使い方、略語が出ていて、片仮名が括弧書きになっていたりというところがあったり、略語に正式名称が付いているところや付いてないところがあったりとか、それからTAという言葉、ティーチングアシスタントとテクノロジーアセスメントという2つが出てきて、それぞれそこの段落、項目の中には出てきているのですけれども、何となく分かりにくいなという気がしました。ですので、どこかで統一していただけると有り難いと思います。

【濵口主査】
 最終的には文言整理をして。

【村上科学技術・学術政策局企画評価課長】
 知野委員からも御指摘いただきましたので、略語の部分につきましては統一的に、括弧を開くかどうかということも整理させていただきたいと思います。

【濵口主査】
 ほかいかがでしょうか。どうぞ。

【稲葉委員】
 もう一つ良いですか。例えば見え消し版でない方の47ページの下から4行目のところに、「次世代都市交通システムをはじめとする9つのプロジェクト」と書いてあるのですけれども、ほかの八つが何であるのかよく分からないので、例えばフットノートを入れていただくなどすると、もう少し分かりやすくなるのではないかと思いました。

【濵口主査】
 これは入れさせていただきます。

【村上科学技術・学術政策局企画評価課長】
 御指摘のとおり、少し工夫をさせていただきたいと思います。

【稲葉委員】
 同じように28ページ、マル2の「次代を担う人材育成と裾野の拡大」のところに「学力の三要素」というのがあるのですけれども、初めに出てくるマル2の2段落目、「質の高い科学技術イノベーション人材を」というところの「初等中等教育、大学教育を通じて、基礎的な知識及び技能、思考力・判断力・表現力等、主体性を持って多様な人々と協働する態度など、学力の三要素」で見ると、一体学力の三要素って何なのかなというのがよく分かりません。

【濵口主査】
 これは中教審の文言ですね。そのままこれを引用している。

【稲葉委員】
 けれども、もう少し何が三要素になるかというのが、幾つも並んでいて、どれがというのがもう少し分からないと良くないのではないかと思いました。

【村上科学技術・学術政策局企画評価課長】
 申し訳ございません。御指摘の箇所、中教審の部会では恐らく当然という形でこのような表現をしておりますけれども、確かに分かりにくいですので、括弧開くで、自ら学びうんぬんということになるかと思いますけれども、工夫をさせていただきたいと思います。

【濵口主査】
 フットノートにしっかり入れてさせていただきます。
 どうぞ土井委員、お願いいたします。

【土井委員】
 1ページ目の「はじめに」のところで、下から2番目の段落の最後のところに「未来社会を担うべき若者たちの社会デザイン力と柔軟、迅速な行動力が鍵を握る」と書いていただいていて、中で若者にかかわるところを読んでいくと、そういう教育をしなさいとか、テニュアトラックを用意しますというお話は書いていただいているのですが、迅速な行動力を実行できる施策はあるのかなと見てみると、意外とありません。
 当てはまるのが41ページの、先ほどからも御指摘がある上から2番目の段落のクロスアポイントメント制度もそうだと思うのですけれども、ここも大学、公的研究機関という話になっておりますが、今、先ほどから御指摘のあるように、超スマート社会というときには大学、公的研究機関に限らず若手の人材がいろいろなところでキャリアを積むことで、企業においても、大学においてもきちんとキャリアアップできていくということが重要だと思うのです。
 大学にいれば論文を出さないといけないとか、企業だと事業化しないといけないという話だと、クロスアポイントメントできちんとキャリアアップしていくことは難しいので、そういうのではないところも取り組むのですという、第5期ですぐできないかもしれないのですけれども、人材育成は時間がかかるので、そういうところを今からやるのですというメッセージを是非ここに出していただけると、少し力になるかなと思います。よろしくお願いいたします。

【濵口主査】
 ほかよろしいでしょうか。どうぞ。

【松本委員】
 極めて細かな話なのですけれども、科学技術イノベーション人材の育成のところ、これは初等中等教育の話ですが、例えば29ページの上の段で、「卓越した研究や技術革新、技術経営などを担うキャリアに関心を持つことができるよう」裾野を広げていくことも重要であると書いているのですけれども、大学での教育にも裾野を広げるという、技術経営はいろいろ議論があると思うのですけれども、技術経営的な裾野を広げるというのも大事ではないかと思います。大学のところはサイエンスに特化した記述しかないのです。

【濵口主査】
 実態はインターシンシップがどこまで実質化されるかというところが一つ大きいと思います。

【松本委員】
 そういうのもありますし、今、大阪大学の学生に技術経営概論というのを教えて、正に先ほど話がありました富士フィルムとコダックのケーススタディのディスカッションをしたりしているのですけれども、議論は非常に白熱するのです、学生になりますと。これは初等中等教育の方に技術経営の観点を広げるといってもなかなか難しいところで、大学でこそそういうことをやるべきではないかという気はしますけれども、その記述がないので足したら良いのかなという気がします。

【濵口主査】
 西尾先生、御意見ありますでしょうか。

【西尾委員】
 まず、今のことに関してですが、おっしゃるとおりだと思います。大阪大学の例でお話しいただいたのですけれども、土井委員もおっしゃったように、今後、イノベーションを起こしていく人材をきっちり育成していくことを考えますと、企業と大学の間を行ったり来たりということは学生だけではなく、教員のレベルでも重要ではないかと思っています。クロスアポイント制度については、現在、民間企業との間では現実的にはなかなか難しいということはあるのですけれども、その辺りも、今後、何らかの規制緩和と国民の理解が得られる中でもう少し前進していかないと、今の状況はなかなか打破できないということを思っています。そのような意味でも、おっしゃることは私も十分感じております。
 それから、先ほど庄田委員のおっしゃった研究のタイプに関する3掛ける3のマトリックスの考え方が他の省庁でも使われているのか、ということに関してコメントさせていただきます。本委員会での、中間取りまとめもベースにして内閣府で策定された第5期科学技術基本計画に向けた中間取りまとめにおいて、学術研究という言葉が基本計画の中で初めてオーソライズされて記述されています。第4期科学技術基本計画までは、この言葉は記述されていませんでした。これは、文部科学省の方々の御尽力によるところが大だと思っていますけれども、研究のタイプに関する3掛ける3のマトリックスの考え方は、きっちり広まっていることを私としては実感しております。

【濵口主査】
 ありがとうございます。
 どうぞ松本先生。

【松本委員】
 おっしゃるように行ったり来たりするというのをもう少し制度的にやっていくというのは大事なのかなと思います。大阪大学では結構それを先駆的に今もやられています。要は企業の人間が大学に行って、大学院の学生を教えるということをやります。それはリアルな課題とか、企業のいろんな事例をケースディスカッションしたりといったこと結構大阪大学さんはやられています。
 逆に、企業に来ていただいてやるという、インターンシップですけれども、採用という観点を全く除外したインターンシップも最近ちょっと依頼があって、これは神戸大学さんですけれども、科学技術をベースとして新しい事業、プランを創るというのを先生に頼まれて面倒見ているんですけれども、行ったり来たりするというのを制度化するというのも大事かと思います。いろいろ異論はあると思うのですけれども。

【濵口主査】
 制度化、プログラム化することは大事ですね。

【松本委員】
 教育という観点で。

【濵口主査】
 リーディング大学院もその流れの中で出てきたと思うのですけれども、ほかよろしいでしょうか。五神先生。

【五神委員】
 先ほど発言したことと関連して、要するに何を目標にこれをまとめるのかということなのですけれども、人類社会全体の持続的発展の道筋をみんなで考えていかなければなりません。科学技術は非常に進歩しましたが、それをオペレートする社会システムはこの70年間でそんなに進歩していないかもしれませんし、やっていることは余り質的に変わってないかもしれません。これが世界共通の問題になっている中で、日本が重要な貢献をするということを目指して、それを支える科学技術戦略でないといけないということだと思うのです。
 そのためには産官学民が、今までとは違った次元で連携する必要があります。つまりこれまでは役割分担をしてやってきたのですが、もうそれでは無理で、変化のスピードにも追いつきません。産官学民の活動のオーバーラップをいっそう深めていって、一緒に社会全体を変えていく必要があります。世界に対して日本が遅れている部分をキャッチアップするというのではなく、世界全体も迷走しているところがありますので、日本の強みを生かして先導していくということ、リーダーシップをとっていくということです。そのために日本は強みがどこにあって、どういうところを生かしていけば伸ばせるのかということで、ポイントとして1、2、3というのが出てくるという言い方になるだろうと思います。
 日本は少子化で、どんどん縮小していくと言いますが、アジアで見れば経済は成長するし、人口も増えます。その中心地にいるわけですから、そこでリーダーシップをとることは極めて重要なわけです。そのときに限られた日本の労働力をどうやって有効に使うかと考えると、簡単な説明をしてしまえば、例えば賃金掛ける雇用の数の積を最大化することが重要です。賃金というのは要するに評価ですから、それだけ価値の高い活動をすべきということなので、それを実現するために日本はどういう戦略をとるかという観点に立ち、超スマート社会に備えるためのことをあらかじめやっていくことが重要だと思います。
 ですから、例えばサービス業の生産性が低いことについては、生産性を上げることも正しい部分もありますけれども、全体の中で高い賃金をはじき出してきた今までの例えばものづくりとか、そういったものの質が変わっていき、そこにサービス的なものを付加することによってハイインカムの職に日本人がたくさん就くことで、日本人の賃金掛ける雇用数の積を大きくしていくことが、世界の中で重大な貢献をしているということの証明になっていくわけなので、そういうことを目指すような形で、公的なお金を投入していくやり方を変えることが望ましいのではないでしょうか。そのためには従来のような産学の分業ということではもう成り立たないので、一緒にやりながら一緒に新しい社会を日本から提示していくというシナリオを描くべきだと思います。

【濵口主査】
 少しこれは議論が要る課題だと思いますけれども、検討させていただくということでよろしいでしょうか。ほかに、よろしいですか。
 よろしければ、本日御意見いただいた点につきましては、取扱いについて私に御一任いただければ、最終版をまたお送りするという形にさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【濵口主査】
 ありがとうございました。
 それでは、終わりにあたって、少し御挨拶をさせていただきたいと思います。本委員会は昨年7月から本日に至るまで1年余、11回にわたりまして第5期科学技術基本計画を見据え、我が国の今後の科学技術イノベーション政策のあるべき姿を幅広い観点から議論を行っていただきました。本日も本当にたくさんの御意見を頂きましてありがとうございます。委員の皆様におかれましてはお忙しい中、積極的に議論いただき、大変感謝しております。委員会の議論を通じて、今後の科学技術イノベーション政策において重点的に取り組むべき課題が更に明確になるとともに、議論の方向性というのもかなり見えてきたように思います。
 文部科学省におかれましては、最終取りまとめに盛り込まれた人材システム改革や大学改革等の取組をしっかり実行していただくととともに、報告書の内容、第5期科学技術基本計画の策定に向けた総合科学技術・イノベーション会議における今後の議論にしっかり反映させていただくようにお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 また、第5期科学技術基本計画期間における政府研究開発投資の目標額に関してですが、これは私としては一番大事なことだと思います。この報告書においては、対GDP比1%を確保することを基本とすべきとしているところであります。今後、目標の設定に関して内閣府が中心となって検討が行われると思いますが、委員会の提言をしっかりと盛り込んでいただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 ここで最後に、藤井副大臣から一言御挨拶をお願いしたいと思います。副大臣、お願いいたします。

【藤井文部科学副大臣】
 どうもありがとうございました。長時間にわたる積極的な御議論、本当に心より感謝申し上げたいと思います。
 今、濱口先生からお話がありましたように、1年少しの議論、最終取りまとめに向けての2か月間、非常に精力的な御議論を頂戴いたしました。今後の科学技術イノベーション政策に向けて、多くの御示唆を頂いたものと考えております。
 御案内のとおり、ここでの議論というのは総合的な政策ということでございまして、非常に幅広な対象についていろいろな角度から御意見を頂戴いたしました。途中お話がありましたとおり、これだけの70ページ近いものを今お手元に配付させていただいておりまして、これを読んでいただける方はまだ良いのですけれども、これのコンパクト版、1枚か2枚の紙を読んで、何だ、この検討はという意見がこれから出てくるかもしれないと思っているのですが、私どもとしましてはできるだけ先生方の御議論の内容を、ここの文案に盛り込まれたことと、本文の正に行間にどのような内容が入っているかということも含めて御説明をしていかなければならないと思っております。
 いずれにしましても先生方の御議論というのは、科学技術というものがこれから先の日本国を発展させるし、世界をリードして、人類のためになるという、そのために科学技術はどうあるべきかということをベースに、幅広に御検討いただいたと理解をしております。
 私どもとしましては、これから年末に向けまして第5期科学技術基本計画の策定に向けての議論が本格化してまいります。文部科学省は科学技術に関し、政府において中心的な立場にある省庁だと理解をしておりますので、単なる省益ということではなくて、おまとめいただいた内容をしっかり受けとめまして、総合科学技術・イノベーション会議をはじめとする政府内での検討に先生方の御意見を反映させるように頑張っていきたいと思います。
 そして、最後に濱口主査からコメントを頂きましたように、投資の問題というのは無視できないと私どもも思っております。過去、政府研究開発投資に関し対GDP比の1%確保という大きな目標がなかなか達成できず、今日を迎えております。金額の多寡だけで物を言うつもりはありませんけれども、政府内におきまして政府研究開発投資の目標、これに関する検討におきましても先生方の御意見を十分反映して、一生懸命頑張らせていただきたいと思っております。
 本日は本当に長い間、御議論頂戴しました。ありがとうございます。

【濵口主査】
 どうもありがとうございます。
 それでは、最後の議題2、その他となりますが、事務局より説明をお願いいたします。

【村上科学技術・学術政策局企画評価課長】
 本日、委員の皆様方から頂戴いたしました御意見等につきましては、濱口主査とも御相談の上、私ども事務局の方で修正をさせていただきました後、最終版を委員の皆様にお送り申し上げたいと考えております。
 また、今後でございますけれども、総合科学技術・イノベーション会議、それから次回の第53回科学技術・学術審議会の総会に、この最終取りまとめを御報告申し上げたいと考えております。
 また、本日の議事録につきましては後ほど委員の皆様にメールで送らせていただきますので、御確認いただきました上で、後日、文部科学省のホームページに掲載をさせていただきたいと存じます。
 事務局からは以上でございます。

【濵口主査】
 ありがとうございました。
 それでは、本日の第11回総合政策特別委員会、これで終了させていただきます。長期間にわたり、どうもありがとうございました。

お問合せ先

科学技術・学術政策局企画評価課

(科学技術・学術政策局企画評価課)

-- 登録:平成27年11月 --