ここからサイトの主なメニューです

総合政策特別委員会(第1回) 議事録

1.日時

平成26年7月17日(木曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省 旧文部省庁舎6階 第2講堂

3.議題

  1. 総合政策特別委員会の議事運営について
  2. 今後の科学技術イノベーション政策について
  3. その他

4.出席者

委員

野依主査、新井委員、伊地知委員、稲葉委員、上山委員、小野寺委員、春日委員、木村委員、五神委員、庄田委員、白石委員、土井委員、西尾委員、細野委員、松本委員

文部科学省

土屋文部科学審議官、戸谷官房長、岩瀬政策評価審議官、佐野大臣官房審議官(高等教育局担当)、山脇大臣官房審議官(研究振興局担当)、田中大臣官房審議官(研究開発局担当)、磯谷大臣官房審議官(研究開発局担当)、関大臣官房文教施設企画部部長、小松研究振興局局長 、田中研究開発局長、榊原科学技術・学術政策研究所長、川上科学技術・学術政策局長、伊藤科学技術・学術政策局次長、村田科学技術・学術総括官、小山科学技術・学術政策局企画評価課長、林科学技術・学術政策局戦略官、坂下科学技術・学術政策局企画評価課企画官、ほか関係官

5.議事録

【野依主査】  
 本委員会の議事をこれから公開とさせていただきます。傍聴の方がいらっしゃいましたら、入室させてください。
 (傍聴者入室)

【野依主査】  
 よろしいでしょうか。
 それでは、次の議題に移る前に、今回は第1回目の委員会でございますので、主査の私の方から一言挨拶を申し上げたいと思います。
本委員会の主査を務める野依でございます。今後、総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)、これが第5期の科学技術基本計画に向けた検討を本格化させるということで、文部科学省の科学技術・学術審議会といたしましても、次期計画の重要事項に関する議論を深めて、CSTIにおける議論に資するよう、この委員会を立ち上げたところでございます。
 世界におきましては、グローバル化あるいは知識基盤社会が大変進展しており、さらに、地球環境問題や食糧問題、資源・エネルギー問題等の地球規模で解決すべき課題が顕在化しております。また、国内でも少子高齢化あるいは人口減少等の課題が大変深刻化しております。
 一方、現在の安倍政権は、日本を最もイノベーションを生みやすい国にすると、前向きに宣言しているところです。科学技術・学術審議会におきましては、これまでも、東日本大震災を踏まえた今後の科学技術・学術の在り方について建議を行ったり、あるいは、我が国の研究開発力の抜本的強化のための基本方針として、若手、女性、外国人の積極的登用、研究の質及び生産性の向上、世界最高水準の人材育成システムを目指した改革等、様々な提言を行ってまいりました。
 しかしながら、実現への道はまだ半ばと言わざるを得ないところです。本委員会では、改めて、科学技術イノベーションに関する我が国と世界の社会・経済の変化、将来の課題、目指すべき我が国の姿等を見据えて、中長期的な視点からの人材育成、あるいは基礎研究の振興方策等について、重要な論点を洗い出し、骨太の議論を行ってまいりたいと考えております。それぞれの分野で、幅広い御経験と御知見をお持ちの先生方にお集まりいただいておりますので、是非とも活発な御議論をお願いしたいと思います。
 これから半年間議論を行いまして、年末には建設的かつメッセージ性の強い提言をまとめてまいりたいと思っております。どうかよろしく御指導をお願いいたします。ありがとうございました。
 続きまして、文部科学省の川上科学技術・学術政策局長から一言御挨拶いただきたいと思います。

【川上科学技術・学術政策局長】  
 ありがとうございます。科学技術・学術政策局長の川上でございます。
 委員の先生方におかれましては、御多忙中にもかかわらず御参集いただきまして、ありがとうございます。
 今さら申し上げることではございませんが、平成7年に科学技術基本法が制定され、平成8年から5年ごとの科学技術基本計画を策定いたしまして、科学技術行政ではこれを大きな枠組みとして進めてきております。第1期から第3期までの15年間は、例えば、4分野、8分野というように分野を念頭に置いて研究開発の重点化を図るとともに、科学技術のシステム改革をどうするかという、こういう2本の柱を中心に進めてまいりました。そして、現行の第4期の科学技術基本計画におきましては、そういった重点分野的な考えから、社会が求める、我が国が取り組むべき重要課題を設定いたしまして、その対応戦略を策定して研究開発を推進するという方向へ転換し、また、イノベーションを重視し、科学技術イノベーションへ至る一体的展開を打ち出したということになっております。
 おかげさまで、今政権になりまして、アベノミクス効果というふうによく言われますが、日本経済は力強さを取り戻し、世の中もだんだん明るくなっているところでございます。このようなときこそ、やはり改革を進めるときであると考えております。次期科学技術基本計画が再来年度から開始されるわけでございますが、是非、改革を進めていきたいと考えております。
 科学技術イノベーション、これは我が国の国力・経済力を牽引(けん引)する重要なエンジンでございます。明日の産業の糧となる極めて重要なものであるとともに、国内のみならず、国際社会に貢献をし、国民の生活の水準を向上させ、人類の知の資産を追求していく上でも不可欠のものであり、国民の皆様方の期待も非常に高いと考えております。
 委員の皆様方におかれましては、第5期の科学技術基本計画に盛り込むべき今後の我が国の科学技術イノベーション政策の方向性につきまして、御専門を超えて大所高所から御意見を賜りますよう、お願い申し上げます。よろしくお願いいたします。

【野依主査】  
 ありがとうございました。
 それでは、議題(2)「科学技術イノベーション政策について」に移ります。まず、「科学技術イノベーション総合戦略」と「科学技術基本計画」の位置付けについて、事務局から資料の説明をお願いします。

【坂下科学技術・学術政策局企画評価課企画官】  
 お手元に資料6を御用意いただければと思います。「「科学技術イノベーション総合戦略」と「科学技術基本計画」の位置付け」というタイトルの資料でございます。
 1ページ目ですけれども、「科学技術イノベーション総合戦略」が昨年平成25年に閣議決定をされました。こちらでは、「まずは現下の我が国の最大かつ喫緊の課題である経済再生に向けて、科学技術イノベーションの潜在力を集中してフルに発揮する」ということで、性格が位置付けられております。こちらにつきまして、今年度、「科学技術イノベーション総合戦略2014」として、先月、新たに改定がなされております。こちらに第4期基本計画との関係が明記されておりまして、「第4期科学技術基本計画を指針とする科学技術イノベーション政策の大きな方向性の下、短期の工程表を具備する科学技術イノベーション総合戦略を毎年策定する枠組みを構築した。この総合戦略により、科学技術イノベーション政策全体を体系的に提示するとともに、政策の重点化を図り、効果的・効率的な政策推進を実現する」と記載されております。また、「科学技術イノベーションの成果を具体的にどのような経済社会の実現につなげていくのかという、出口志向の課題解決型政策運営を目指す」ということも、記載されております。
 他方、「科学技術基本計画」でございますけれども、こちらは、平成7年に科学技術基本法ができ、その中の第9条で位置付けられているわけでございますけれども、同法ができたときの付帯決議におきまして、10年程度を見通した中期(5年)計画であると記載されております。右下にタイムスパンによる比較という図を描いておりますけれども、総合戦略の方は長期ビジョンを備えた短期の工程表、行動プログラムである、基本計画は10年程度を見通した中期計画である、というような関係にあると考えております。
 1ページめくっていただきまして、2ページは最近の政府文書等におけるイノベーションに関する記述でございます。科学技術基本計画等においてイノベーションがどのように書かれているかという簡単な記載でございますが、まず、第3期の基本計画におきましても、イノベーションということは、ここで登場してきております。第4期の科学技術基本計画においては、先ほど川上の方からも申し上げましたとおり、重要課題を設定して科学技術イノベーション政策を一体的に推進するという転換がなされたわけですけれども、「「科学技術イノベーション」とは、科学的な発見や発明等による新たな知識を基にした知的・文化的価値の創造と、それらの知識を発展させて経済的、社会的・公共的価値の創造に結びつける革新」と定義が書かれております。これからの議論につきましても、この第4期科学技術基本計画の科学技術イノベーションの定義というものをベースにして、科学技術イノベーションについて考えていただくよう、お願いできればと思っております。
 その他は参考ですので、説明は以上でございます。

【野依主査】  
 ありがとうございました。
 ただいまの説明について、御質問はございますか。
 ないようですので、引き続いて、事務局から資料7から資料9までの説明を一括してお願いします。

【林科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官】  
 事務局の科学技術・学術戦略官をしています、林でございます。資料7から9に基づきまして、最近の科学技術イノベーション政策をめぐる状況について、第1回目でございますので、簡単に御説明をいたしたいと思います。
 まず、資料7でございます。第4期科学技術基本計画期間中の主な取組ということで、1ページめくっていただきますと、これは第1期から第4期までどのように推移してきたかということが簡単に述べてあります。1995年に科学技術基本法ができた後に、今まで第4期まで基本計画は進んでおりますけれども、第1期基本計画につきましては、大きな2本柱、開発投資の拡充であるということと、システムの改革ということで、そのような中で、ポスドクの話であるとか、評価の話が言われてきました。第2期、第3期は、それに加えて戦略的重点化ということで、先ほど局長の川上の方からも話がありましたけれども、重点分野というものを設定するとともに、特に競争的研究資金の倍増であるとか産学連携の強化ということと、あと開発投資の方も、第1期の17兆円というところから、24兆円、25兆円と、このように拡大をしてきました。第4期に関して、特に第3期と大きく変わっているところは、まず、政策の体系を科学技術イノベーションとして、科学技術イノベーションを一体的に展開するとともに、研究開発の重点化につきましては、重点分野ということではなく、重要課題を設定して、それに向けて研究開発をしていくという、課題設定型というのを打ち出しました。それに伴いまして、その課題の中で特に重要なものとして、震災からの復興・再生、グリーン・ライフイノベーションが設定されております。また、これとともに、基礎研究、人材育成の強化、PDCAサイクルの確立を打ち出してきたところです。このような流れの先に、第5期基本計画はどうなるのかと、それに向けてこの委員会でどのような審議をしていくのかと、こういうことになるわけです。
 第4期のところでどのようなことが取り組まれてきたかということに関して、3ページ以降に簡単にまとめております。これは、研究開発の成果というよりも、システム改革であるとか、政策の進捗であるとか、そのようなものを中心に書いております。まず、実効性ある科学技術イノベーション政策の推進という観点からは、総合科学技術・イノベーション会議というものが創設されて、司令塔強化を図られてきました。そのような中で、科学技術イノベーション総合戦略であるとか、予算の戦略的重点化というものが行われてきました。また、PDCAサイクルの確立という観点から、「政策のための科学」という取組が開始されるとともに、研究開発評価指針も、平成24年に総合科学技術会議の方で国全体を、また平成26年4月には文科省の指針を変えてきたと、こういったようなことになっております。
 次の4ページに行きまして、重要課題達成のための施策ということで、これは、科学技術イノベーション総合戦略に基づいて、いわゆるImPACTとかSIPといったプログラムが創設されているとともに、医療・健康分野につきましては、医療研究開発の推進体制の整備ということで、健康・医療戦略推進本部と日本医療研究開発機構を設置して、その分野を全体的に進めるような体制が整備されてまいりました。あと、イノベーションシステムの改革という中では、昨年12月に研究開発力強化法の改正がございまして、労働契約法の特例を10年に定めるとともに、我が国及び国民の安全に係る研究開発への資源配分や研究開発法人に対する出資業務、こういったものの追加が行われました。また、新たな研究開発法人制度というのも取組が進みまして、新たな研究開発型法人制度が創設されました。さらに、その中でも特に特定国立研究開発法人の創設というものを閣議決定いたしまして、研究開発型の法人につきましては、「独立行政法人通則法の一部を改正する法律」が成立しておりますので、このような国立研究開発法人としての分類というのが確立して来年4月から新しい制度が始まると、こういうことになっております。また、新しい産学官協働の場の構築というようなものも始まっております。
 最後の5ページになりますが、ここでは、基礎研究や人材育成の強化ということで、科研費の基金化の実現化とか、大学における研究力強化の取組の支援、また、リーディング大学院等の開始であるとか、最近は国立大学改革プランや大学のガバナンス強化ということでの大学改革の進展。また、国立大学法人等施設整備5か年計画の策定と推進、こういうことが第4期基本計画中に行われてきたということです。
 次は、資料8でございます。これはもっとブロードに科学技術イノベーションをめぐる状況を書いております。非常に大部な資料なので、適当にピックアップして御説明いたします。
 まず、1.世界の情勢と国力一般です。最初の方には、GDPの推移であるとか、競争力のランキングというものがございます。御承知だと思いますけれど、GDPにつきましては中国に抜かれて3位になっているということであるとか、世界の競争ランキングを見ると、2000年直後よりは少し上がっておりますけれども、やはりある程度のところで停滞しているということが分かると思います。その他、図1-5からは、我が国を巡るいろいろな状況をさらに描いております。貿易収支が赤字になってきているというような話であるとか、地球温暖化が今後も進行することを示しております。また、エネルギー自給率も我が国は非常に低い。エネルギー自給率の次に食料自給率になっていますけれども、そういうものは非常に低いということ。次に、1-12、13、14で、我が国をめぐる少子高齢化の現状であるとか、震災からの復旧・復興の状況であるとか、さらに東京への一極集中の状況、そういったものが示されているところです。少し戻りまして、図1-9から1-11につきましては、昨今、特に大きな変化を遂げているICTの状況が描かれております。世界の中で携帯電話・インターネットが非常に普及して、世界の多くの人々がつながっていくというような話であるとか、デジタルデータが非常に増加していると。こういうことによって社会が大きく変革していくのではないかというようなことが、いろいろなところで指摘されております。
 次に、16ページになりますけれども、2.研究開発投資に移らせていただきますと、図2-1は全体的な国際比較ということでございますが、2-2に研究費の推移ということが描いております。90年代の後半は日欧米と大体一緒ぐらいの研究開発費だったのが、その後、日本は米欧に大きく引き離されてきている、こういう状況が分かると思います。また、二つ先に行きまして図2-4を見ますと、伸びを見ると、中国、韓国、こういったものも非常に研究開発費を伸ばしてきているとともに、我が国の特徴としては、政府負担割合というのが比較的低くて、そのGDP比も横ばい傾向であるというようなことが分かると思います。2-5、2-6、2-7、2-8については詳細な記載なので今は飛ばしまして、大学の状況が描かれております2-9にまいりまして、基盤的経費が減少しているような話であるとか、2-10では、研究費に占める外部資金の割合が増加している状況を示しております。2-11では、大学や公的研究機関での研究費の民間負担率、これは諸外国と比べると低いというような話であるとか、2-12を見ますと、企業、政府が研究開発費を負担しているのですけれども、その間のやりとりが非常に少なくなっております。企業から公的機関や大学に行くラインは細いですし、政府から企業に行っているのも細いと、そのような感じになっております。
 次は、3.研究、論文の状況です。29ページからですが、まず、3-2の方ですけれども、世界的な論文の状況であるとか、日本の状況が描いてあります。状況を比べてみますと、日本の場合は、臨床医学の割合が増えて、化学が減っている、こういうような状況が分かります。図3-3に行きますと、主要国の論文シェアはどうなっているかということで、論文数、及びトップ10%の論文数、これは少し質の高い論文の数ということになりますけれども、これらは中国が非常に伸びてきていて、我が国、米国、英国は低下傾向であるということが分かると思います。次の3-4は、論文数とトップ10%の論文数のランキング、層の厚さを比較しているのですが、日本とドイツを比べてみますと、日本は上位校というのは非常に多いのですけれども、中位校の割合が少ないということで、ドイツと比べると非常に層が薄いのではないかということが分かります。3-5に行きますと、今、世界全体で国際共著論文が大きく増えているのですけれども、日本はそのようなネットワークの中からは少し外れているのではないかと、このようなことが分かります。3-6では、トップレベルの研究者の意識によりますと、パスツールの象限というのを少し説明いたしますと、現実の具体的な問題解決に当たるというのと、原理の追求、両方に当たるというものですけれども、パスツールの象限というのがアメリカに比べると半分以下だというようなこと。3-7では、サイエンスマップということで、どういう領域が国際的に注目されているかということを示すようなものですけれども、そこに対して日本の参画というのが他の国に比べると少ないというようなことがございます。3-8では、産業や社会の変化に伴って研究分野が変わっているかということを、コンピュータ、電子情報分野で示しているわけですけれども、日本はそこの変化が低いというようなことが分かります。3-9からは、いろんな成果になってきます。ノーベル賞受賞者につきましては、今世紀に入ってからは米英に次いで多いということ。あと、その後、科研費であるとか、戦略創造の成果例というのが出ております。
 次に、42ページ以降ですが、4.人材に入らせていただきます。図4-1は、我が国の研究者数ということで、1990年代後半までは増加傾向だったのが最近は頭打ちになっているとか、博士号取得者数は、減少しているとともに、海外と比較して、100万人当たりですけれども、低いというようなこと。次の4-3に行きまして、これはちょっと古いデータで、最近のデータは来週ぐらいに公開できるのではないかということで、次の会議に示したいと思いますけれども、2009年11月時点でポストドクターは1万5,000人で、理学、工学分野が多いと。4-4では、重要論文に対する若手研究者の貢献を日米で比較すると、アメリカの方が貢献度は高いと、アメリカの方が若手が活躍していると、そういうような話です。4-5では、大学の教員の年齢構成の推移を示しておりますが、若手の割合は減少してきていると。4-6は、研究者の流動性を示していますけれども、若手の研究者の流動性は増大しておりますが、シニアは流動性が低く、世代間の不均衡が見られると、このような話。図4-7は、大学、公的機関、企業間、このようなセクター間の流動性ですけれども、これはいずれも低く、10年間見ても余り変わっておりません。特に、大学と企業の間の流動性が低くくなっております。4-8は、ドクター等々をどれぐらい企業が採っているかということですけれども、民間企業の博士課程修了採用者割合は12%ぐらいということで非常に低いということと、次の4-9では、なぜ採用しないのかというようなことで、ドクターを採用するよりも社内の研究者の能力を高める方が良いとか、ドクターはすぐ活用できないとか、そのような理由が非常に大きいということ。4-10では、世界の研究者の主な動きを見ていますけれども、欧米の間は非常に激しい動きに比べると、日本と諸外国との間は細いネットワークであるということが分かると思います。4-11と4-12は、研究者の派遣・受入れということでございまして、海外からの受入れというのは、短期の方は比較的上昇傾向です。地震の影響があってここ2、3年落ちていたところはありますけれども、それも復活してきております。中・長期については横ばい傾向となっています。海外への派遣は、短期につきましては一貫して増加しておりますが、中・長期につきましては、平成11年以降落ちてきて、最近は復活しているものの、ピーク時の7割程度になっております。では、地域別にどうなのかというと、受入れ研究者は、アジア、ヨーロッパ、北米の順になっております。派遣については、短期の場合はアジアが多いのですけれども、中・長期の場合になると、ヨーロッパ、北米、アジアの順になると、このような状況が描いております。4-13と4-14は、女性研究者、外国人研究者という部分になりますが、女性研究者、外国人研究者も、徐々に増えてはいますけれども、やはり海外と比べるとまだまだ低いということが分かると思いますし、4-15では、研究支援者ですけれども、これも、もともとそんなに増えておりませんし、海外と比べても低いということになっています。4-16は、大学ランキングです。これを見ますと、20位以内に日本の大学は入っておりませんで、最高が23位の東京大学です。100位以内を見ても2大学しか入ってない、このような状況になっております。
 次は、5.産学連携、イノベーションシステム、59ページ以降になりますけれども、5-1は、特許出願、登録件数の推移で、これに関しては主要国の中でもトップというような状況でございます。5-2では、国内外の比率を描いております。国内外、いろんな主要国で特許の出願件数は伸びているのですけど、特に他の諸外国を見ると、海外での出願、特に、米国や中国は明らかですけれども、増えています。5-3は、日本企業の投資効率の推移を見ますと、90年代後半から非常に悪化してきているというような話です。5-4は、日米英の企業の開業率と廃業率ですけれども、英米と比べると日本は非常に低い位置で推移をしています。5-5からは、大学と民間の共同研究の状況を見ています。民間企業との共同研究は増加傾向ではあるのですけれども、1件当たりの受入れ額に関して、数百万と大きな額ではありません。特にリーマンショックの後は景気の影響もあって1件当たりの額自体が減っているというような状況になっておりますし、また、5-7を見ていただきますと、大学等における特許保有件数の推移を示しておりますが、これは最近非常に伸びています。過去に出したものが権利化されてきたのではないかということだと思いますけれども、最近非常に伸びています。図5-8に行っていただきますと、この伸びに対応するということだと思いますが、実施等収入、実施等件数、こういうものも最近増えています。図5-9は、産学連携・技術移転の取組の事例です。青色発光ダイオードであるとか、透明酸化物半導体(IGZO)技術であるとか、レーザー技術であるとか、そのようなものが出ているというようなこと。図5-10は、民間企業の研究開発の話に入ってきますが、企業における研究開発の9割は既存技術の改良で、また、短期的なものが増えているというような話であるとか、あと、最近、オープンイノベーションというのが言われているわけですが、企業が社外へ支出する割合が近年増加をしているというようなことでありますけれども、外部との連携はまだ全体的な割合で言うとそれほど増えているわけではないということが分かります。少し飛びまして図5-13になりますけれども、産学連携事業から創出された色々な特許の商業化率や売り上げへの貢献を見ると、小規模、中小企業の方が割合は高くて、大企業に行くほどそういうものが低くなるというような傾向が分かると思います。次の図5-14は、大学発ベンチャーの状況です。これは2000年以降ずっと増えてきましたけれども、平成16年、17年をピークに、どんどん減り続けております。ピーク時は250件ぐらいあったのですけれども、今は50何件と、そういう状況になっております。5-15は、共用施設の状況ということで、これは特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律に基づく比較的大規模な施設の枠組みを示しています。今、特定中性子線施設であるとか、スーパーコンピューター「京」、特定放射光施設ということで、その3施設がこういったもので共用されているということです。5-16は、民間企業のそのような先端研究施設・設備の活用状況です。約半数は活用していません。その理由としては、費用負担が大きいとか、十分な利用時間を確保できないとか、そのようなものです。5-17は、大学や独法での施設・設備の外部共用のための取組状況ですが、幅広く共用を進めているというのは17%で、一方、進めていないというのは30%程度いるということで、余り進んでないということです。
 次は、6.社会との関係、77ページ以降に入っていきますが、78ページで科学技術イノベーション政策の過去と未来ということで18世紀から今世紀ぐらいまでの色々な変化を述べてきておりまして、そのような中で客観的根拠に基づいた政策というのが必要になってきているというようなことを示しているのと、次の図6-2で、これは1999年のブタペスト宣言が書いてありますが、特に、社会における科学と社会のための科学、このような視点が追加されてきていることを示しております。このように社会が科学を見る目というのが変わってきています。あと、6-3で科学者や技術者に対する信頼度について示しています。これは、震災の前後で1割程度、信頼性が落ちていることを示しております。
 最後に、7.第4期科学技術基本計画期間中の変化ということで、83ページと84ページに、科学技術・学術政策研究所が産学官の約1,500人の有識者に毎年実施している意識調査、定点調査と呼んでおりますけれども、これを基に、第4期が23年度からですので、23年度から25年度の変化で大きい指標を幾つかピックアップしたものです。これは少し図の読み方が分かりにくいのですけれども、真ん中辺りに、曇りとか、雷とか、晴れとかあるのですけれども、意味としては、雷のところは、著しく不十分だと、こういう認識を示しています。次に、雲から雨が降っているところがありますけれども、これは不十分との強い認識、白い雲のところは、不十分。あと、少し太陽が出てきているものが、ほぼ問題はない。太陽だけのものは、状況に問題ない。これがどのように変わってきたかというのを指数の変化という形で表しています。特に改善された事項としては、ここに10個挙げていますけれど、上から五つまで言いますと、科研費は使いやすくなった、これは基金化の影響だと思います。あと、技術やシステムの海外展開というのが出ている。あと、リサーチアドミニストレーターと、国による研究開発の選択と集中が進んだと。国を越えた協力というのも進んでいる。この辺が上位五つになる。ただ、リサーチアドミニストレーターは増えたといっても絶対値としてはまだまだ著しく不十分と、このような状況も分かるわけです。図7-2、次のページに行きますと、今度は改善が見られなかった事項一覧ということになっていまして、指標が一番悪くなっているのが、望ましい能力を持つ人材が博士課程を目指しているか、これは非常に落ちているということ。施設・設備は十分か、基盤的経費、あと、論文のみでなく様々な観点からの評価をされているか、間接経費等、このようなものが特に落ちている指標だということでございます。
 資料8は、以上でございます。
 次に、資料9でございます。この後、第1回目ということで今後の議論に向けていろいろな意見を頂こうと思っておりますけれども、議論の御参考にということで、今後の検討の視点例を、事務局の方で用意させていただきました。
 まず、1ぽつ、今までいろいろなデータの御紹介はしてきましたけれども、今後の科学技術イノベーション政策の策定に向けて考慮すべき社会経済の変化というのはどういうものがあるかと。少子高齢化と人口減少の問題である等、インターネット・デジタル社会の発展の問題であるとか、オープンイノベーションの問題といった例が挙げてありますけれども、こういったものも踏まえて、どういったものをきちんと踏まえて議論をしないといけないかと、こういったような話です。
 2ぽつは、社会経済変化ではなくて、科学技術イノベーションの中で、今、課題と思われるようなところは何か。これも先ほどのデータの中でいろいろ挙げてはいますけれども、例えば、科学技術力というものが相対的に低下しているとか、人材に関するいろいろな問題があるのではないかとか、大学・独法の改革の話、成果を社会に還元するシステムの話、こういったようなものを例として挙げさせていただいています。
 このような社会経済の変化を踏まえて、基本計画では、目指すべき国の姿というのを一番上部構造に置いて、それに向けてどういう政策を展開すべきかというようなことの論理展開になっているわけですけれども、今後5年間、目指すべき国の姿というのはどうあるべきかと。下に参考で第4期に掲げられた五つの国の姿を書いておりますけれども、このようなものを御参考にどうかということでございます。
 4ぽつは、こういうものも踏まえて、今後、科学技術イノベーション政策を検討していく上で、特に重点的に議論すべき問題というのは何かというものを書いております。視点の例としては、人材政策の話であるとか、オープンイノベーション時代の研究開発と成果活用、また、大学、独法、企業の役割はどうかとか、あと、イノベーションの源泉としての基礎研究、国内外の重要課題、特にインターネット・デジタル社会の発展にどう対応するか。社会の信頼性の獲得、国際戦略の在り方、こういったものを例として挙げておりますけれども、特に、時間も限られておりますので、そのような中でどういう点をきちんと議論しなければいけないかというようなことを、少し意見を出していただければと思っております。
 資料の説明は、以上でございます。

【野依主査】  
 ありがとうございました。
 ただいま事務局から説明がありましたとおり、本日の会合におきましては、今後の科学技術イノベーション政策の策定に向けた検討に当たって考慮すべき社会経済の変化や、特に重要な課題、また、目指すべき国の姿はどうあるべきか、さらに、特に重点的に議論を行うべき検討の視点、すなわち今後の議論の基軸として挙げるべき事項は何かを御議論いただきたいと思っております。本委員会の最初の会合ですので、できるだけ多くの委員の皆様から御発言を頂きたいと思っております。
 ちょっとお伺いしたいのですが、今まで科学技術においてはどちらかというと理工医系の議論が多かったのですが、社会科学的な観点を入れないと、なかなか、国のあるべき姿、あるいは社会にどう対応するかということは分かりません。委員の先生方は大変御見識を持っていらっしゃるかもしれませんが、その視点というのはCSTIでは入ってくるのでしょうか。あるいは、この委員会でそういう方の御意見を伺う機会があるのかどうか。どのように考えたらよろしいですか。

【林科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官】  
 CSTIの方は、総合科学技術・イノベーション会議ということで、そういう視点も含めて議論をしていくのだろうと、このように思っておりますし、この委員会でも、時間がタイトなので本当にそれが実現できるかどうかというのはあるのですけれども、必要に応じてそういうことも考えていいと思いますし、議論の中では、今これだけ社会の変化が激しい中で、自然科学だけの狭い議論だけじゃなくて、もっと広い議論をしてもらってよろしいかと思います。ただ、個別、個別のところでは、例えば人材の問題等は分けて考えなければいけないようなところもあると思いますので、そういうところは分けて意見を頂ければと思います。

【野依主査】  
 私も長く科学技術・学術審議会に携わっていますが、どちらかというと社会科学あるいは人文学等からの御意見少ないような気がしております。特に、イノベーションというか、社会的あるいは公共的な価値を作るというような観点になりますと、私の個人的な意見ですけれども、そういった方の御意見を伺うことは大変貴重ではないかと思っております。
 御意見ございますでしょうか。木村委員、どうぞ。

【木村委員】  
 学生には、かねがね、こういうところで最初に手を挙げて発言する勇気を持てと言っていますので、まずは実践を。
 今日のテーマはイノベーションですが、イノベーションの発生メカニズムはどうなっているかというと、異なるアイデアが出会って交わって、そこに初めて新しい社会的価値がこの世に産まれてくる、というのがイノベーションですね。最近有名になった言葉で、When ideas have sexというフレイズがあります。セックスに例えて、異なるものが交わって新たな命を宿すのですね。具体的にどんな場面があるかというと、大学では、例えば医工連携のような異分野融合・横断と呼ばれる教育、研究プログラムはそういう典型的な事例ですし、産学連携もそうですね。そういう場は日本の大学にもだんだん増えてきました。そのような新鮮な場で議論がぶつかり合うと今まで考えてもみないことが出てくる確率が高く、イノベーションの量産化につながると言われています。ですから、それを担保するような、教育プログラムだとか、あるいは社会の仕組みが必要です。そんな専門外の人間との交流なんぞは雑用で時間の無駄だ、ではなくて、それこそが重要なことなのだ、ということを学生なり教員も思えるという環境ができたらいいかと思うのですね。しかしながら現実には、縦割り社会が日本を根強く支配していて異分野交流はなかなか難しく、その縦割りの源流というのが大学にあるわけです。文系、理系という区別や学部間の壁は結構高い。霞が関も縦割り文化をしっかり担っているわけですね。文系、理系なんて10代~20代始めのたった4年間という短い期間の教育の違いが一生を左右し、例えば霞が関では事務官・技官としてこれを一生背負い、引きずっているのですね。こういう縦割り社会というのは、やっぱり異質との出会いもなくその結果イノベーションが生まれにくいのだろうなと思います。だから、その出会いを阻む高い壁をどうやって排徐するかというのは、非常に重要な課題だろうと。
 2番目には、異質な人たちが出会って交流をするとなったとたんに、しっかりとしたコミュニケーションスキルが不可欠になります。ホモジーニアスなカルチャーの仲間同士では、あうんの呼吸で何でも伝わってしまう。ところが、ヘテロジーニアスになったとたんに、議論が必要だし、説得が必要だし、交渉が必要になりますね。これはもはやれっきとしたマネジメントスキルの一部なのです。日本のいわゆる学校教育の中で一般教養としてマネジメントスキルをちゃんとやってきたことは大学を含めて余り聞いてこなかったですよね。東大でもようやく最近になってリテラシーとしてマネジメント教育の重要性が認識され、まずは医師や研究者の卵たちにマネジメントスキルを習得してもらう。医療の現場や研究プロジェクトで適切なチームワークで仕事ができる人材を世に送り出そうとし始めました。
 3番目は、ではイノベーションが生まれてきたらどうなるか。今、野依主査のお話があったように、イノベーションが世に出ると多くの場合既存の社会の仕組みと対立しそれを破壊しようとするのです。ルールもそれに合わせて変えないといけない。新しいルールの環境のもと初めてイノベーションは合法的に社会に実装されるわけです。この時社会には大きな力が働き、勢力のバランスが崩れる場合もあるのでしょうが、それを治めるのが政治の力、リーダーシップだと思います。そのような社会のダイナミックな変化にサイエンティストも無関心でいてはいけないでしょうし、参加・貢献すべきだと思います。
 最後に、エビデンスに基づいた政策というお話がありましたが、なかなか説得力のあるアプローチですね。エビデンスベースド政策は受け入れやすい。ただそれにも問題が二つあって、一つは、本質的課題ってなかなか表面に顕在化してないものですよね。だから、エビデンスは余り存在しない。そこに敢えてチャレンジをするためには見識のある方々が叡智(えいち)をめぐらせて深く掘り下げ、本質的社会ニーズとか、研究の究極的目標を掘り当てることが重要です。エビデンスを出し揃えて、その枠の中で論理的に政策目標を組み立てる、それも大事ですがこれだけではだれがやっても同じ結論に到達してしまいます。この両方のアプローチが大事だと思います。
 それから、世間で出回っているエビデンス、例えば、今日お示しいただいたようなランキングの類いは、本当にそれが信用できるかどうか、よくよく吟味していただきたい。ランキングというのは分かりやすく、ジャーナリズムに乗っかりやすい。ところが、これらの生データを調べてみたら、とてもプアーで使い物にならないということが往々にしてあるのですね。それらに余り引っ張り回された挙句、大事な政策が決まっては、それこそ大変な話です。エビデンスは精査して、慎重に選びぬいたもので議論をしていただくということが必要かなと思います。
 以上。

【野依主査】  
 ありがとうございました。
 文部科学省も、今までの科学技術の推進にイノベーションが加わってから、イノベーションにも傾注したCOIというプログラムが進んでおりますので、簡単に御紹介いただければと思いますが。

【川上科学技術・学術政策局長】  
 少し御説明申し上げたいと思います。おっしゃるとおり、科学技術にイノベーションが加わり、それは、ただ単に研究開発をし、科学技術の分野で成果を出しただけでは世の中に還元されていかないということで、より社会の需要というところまでも含めて政策を展開する、というのが科学技術イノベーション政策であるわけです。今、野依主査から御指摘のCOIを例に取ると、社会としてどういう方向にあるか、どういう方向に持っていくのかという、その課題をまずは考えてみて、そこからバックキャストをして何を行うのかという形で取り組もうといって始めましたのが、COIのプログラムでございます。今回のCOIのプログラムについては、12課題を選んでいるわけですけれども、単なる学問のディシプリンの中からイノベーションは生まれるのではなく、多くの分野の研究者や、複数のセクターの研究者の共同作業によって実際にイノベーションは起こっていくということが、COIのプロジェクト等を通しても出てきております。また、COIのプロジェクトを行うに当たっては、プロジェクトマネジャーをきっちり決めて、そのマネジメントの下で推進をしていくということで、マネジメントの重要さというのも、今回の取組を展開することによって、浸透してきているのではないかと思っております。

【野依主査】  
 ありがとうございました。これをきっかけに大学等にもこの精神が浸透していけばと思っております。
 では、白石委員、どうぞ。

【白石委員】  
 資料9の検討の視点ということについて、4点ほど指摘させていただきたいと思います。
 一つは、まず、1の科学技術イノベーション政策の策定に向けて考えるべき点として、一つ、ちょっと落ちているのではないかなと思いますのは、ある意味では人的資本、その中でも特に人的資本と関連する知的資本がこれから極めて重要になってくると。つまり、日本社会というのは非常に平等主義的な社会ですけれども、これから科学技術イノベーションを引っ張っていく人というのは恐らく、トップの10%ぐらいの人が事実上引っ張るような社会になってまいりますので、そういう人たちが出てきて、どんどん伸びなきゃいけないわけですね。そこのところをやはり、時代、あるいは現在の世界状況の認識として、きちっと押さえておく必要があるだろうと。それから、それに関連して、先ほど既に日本の科学技術研究コミュニティが世界的なネットワークの中でマージナルになりつつあるのではないかという、私も全くそういう認識を持っておりますが、これに対してどう対応していくのかというのが極めて重要であると。これが第1点でございます。
 第2点目は、3ぽつの目指すべき国の姿のところで、丸4でございますが、「国家存立の基盤となる」、これで結構なのですけれども、第4期では「安全保障」という言葉が入っておりまして、これからの東アジアの安全保障環境を考えますと、今、「安全保障」という言葉を落とすというのは、私は賛成ではございません。同時に、安全保障国家基盤技術ということで申しますと、やはり国でないとできない科学技術投資というのは歴然としてあるわけでございまして、そういうコア技術について国としてきちっとコミットメントするということは、非常に重要だろうと思います。
 それから、3点目は、4ぽつのところですが、「科学技術に関する国際戦略の在り方とは」ということで、あたかも国際戦略というのは人口減少社会だとかオープンイノベーションだとかと並列して検討すべきことのような書きぶりにちょっとなっておりますが、私は、あらゆる問題について国際戦略を抜きにして対処するということは、もうあり得ないのではないかと。ですから、その意味で国際戦略というのはいわば横串で全部入りますので、そういう形の議論の仕方をお願いしたい。
 最後に、ファンディングの仕組みのことがどこにも入っておりませんが、私は、科学技術のファンディングというのはいろんなやり方があってしかるべきだと思います。ですから、どこかでファンディングのやり方についても議論できるようにしていただければと思います。

【野依主査】  
 ありがとうございました。厳しい国際社会、グローバル社会において、どういうふうに日本が生きていくか、もう少し危機意識を持ちなさいという御意見だったかと思います。よろしくお願いいたします。
 では、五神委員、どうぞ。

【五神委員】  
 科学技術基本計画は第4期までですと、20年。これが、第5期に入るということですから、25年ということになります。95年に基本法が成立してからのこの期間は、ちょうど私が研究室を立ち上げて活動を拡大している時期でしたので、その中でこの科学技術基本計画による様々な施策によって、大学あるいは研究所等の環境が大きく変わったことは実感しています。非常に大きな投資が行われたことは事実ですし、それによって国際競争力は付いたと言えます。ところが、一方でシステムが安定性を欠いたものになってしまったという部分があります。その結果として、過去の20年に及ぶ投資が、全部税金による投資ですけれども、それが国としての基礎力を付けるということに対して必ずしも有効に作用していない側面がある。特に研究人材を見ますと、競争的資金の多くの部分は人件費に充てられているというのは事実です。にもかかわらず、その人件費は、ほとんどが有期雇用ということで不安定な雇用です。これは投資をしている国民から見ても効果的に活用されておらず、もったいない状況と言えます。その資金によって雇用されている人から見ても、ありがたみが少ないと言えます。つまり、非常に無駄な部分があるだろうと。ですからここを、これは5年計画ですから、次の5年、さらに10年を見据えた話になるということですから、どのような国の姿を描き、そのためにはどのように基礎的な投資をしていくべきかを考える必要があります。人材について言えばそのポートフォリオの組み方も含めて安定的なシステムを構築するためにどのような施策を進めるべきかということを是非議論するべきです。
 そのためには国としての明確なビジョンが必要です。先ほど国際戦略という話がありましたが、国際化というのは私が学生の頃にも重要だと言われていましたが、グローバルになったという話は比較的最近です。グローバルになったということは、地球自身をもっと遠くから見て、小さくなったということを意味しています。要するに、科学技術によって人間の活動の影響が大きく拡大し、地球自身は有限のものであるということが際立ってきたということです。その中で国境とか国家といったものも含めて世界の在り方を見直す中で、日本が国際的に認知され尊重され続けるために科学技術投資はどうしなければいけないかということです。その中で日本人が活躍しなければいけない。そのためには、次の5年間に20兆、25兆という投資をするとすれば、それはどう進めなければいけないか。一番重要だと思うのは、これまで20年間に投資したものによって蓄積されたものの価値を更に高めるという視点が重要です。それを有効に活用する。もちろん修正すべきことは修正しますが、その効果が出ているものも多々あります。ですから、それを損なうことなく、それに追加することで過去の投資効果を高めていくための戦略、それを是非お願いしたいと思います。

【野依主査】  
 ありがとうございました。巨大なお金が投入されて、それがフローに使われているだけで、どのぐらいストックになっているか、そういったレビューが必要かなと私も感じております。
 では、細野委員、どうぞ。

【細野委員】  
 二つ、ちょっと発言をさせていただきます。
 一つは、僕は現場の研究者なんですけれども、研究をやるときに、どこで勝っていくかと。国として、どこで勝っていくかということをきちっと意識しないといけないと思います。学術の面と産業の面、両方ですね。
 それからもう一つは、これだけ日本は産業界が外に出ていきますと、基礎研究から出てきた成果というのは、論文というのは、良い論文ほど世の中に普遍的なものになってしまって、産業に直接行くわけではないわけです。知財しか残らないわけです。知財は、日本の研究でやったから、日本の企業がまず手を挙げてやってくれれば、ほとんど問題はないのですけど、全体としてのグローバルの中で日本のGDPを見てみますと、やはり10%以下になっている。そうすると、日本の中で実用化されるということは、やはり例外的なものになってしまう。そういう場合、知財をどういうふうにして扱うかということは、国として、考える時期にきている。企業は、日本の企業の名前であっても、必ずしも日本の中に税金を納めているわけではないわけです。そういう中で、国益とは何か、知財の国益とは何かということを真剣に考える必要があると思います。

【野依主査】  
 ありがとうございました。サイエンスは人類共通の資産であるけれども、技術はもう少しナショナル・インタレストを考えなければいけないということですね。
 西尾委員、どうぞ。

【西尾委員】  
 科学技術のイノベーションをどこで起こしていくかというときに、大学であるとか、独立行政法人の研究所は、非常に大切でございます。それと、先ほどファンディングに関してのことはきっちりと議論しておくべきではないかということでございました。それで、資料の視点の例から言いますと、2の大学・独法改革の進展に関して、第5期の科学技術基本計画では是非、デュアルサポートシステムの再構築の重要性ということをうたっていただきたいと思っています。現在、学術分科会の下に設置されております学術の基本問題に関する特別委員会におきまして、この委員会は当方が主査を務めておりますけれども、今年3月より学術研究の推進方策に関する総合的な審議を集中的に行ってきました。その結果の中間報告をまとめまして、先般6月3日の総会で報告したところでございます。中間報告の論点は幾つかありますが、その中で最も大事なのはデュアルサポートシステムの再構築であり、今後、大学・独法の改革に向けた具体的な取組の一つとして挙げております。
 それを簡単に紹介させていただきますと、我が国の大学は、例えば国立大学の場合は、国立大学法人運営費交付金等の基盤的経費により多様な教育研究の基盤を確保しまして、他方、競争的な資金により教育研究活動の革新や高度化・拠点化を図るという、デュアルサポートシステムによって支えられてきております。しかしながら、昨今の国家の財政状況の逼迫の中で基盤的経費は削減されておりまして、例えば国立大学法人運営費交付金はこの10年間で1,292億円減少しております。その結果、大学の研究環境は悪化して、学術研究の推進はもとより、人材育成にも大きな影響を及ぼしております。そのため、さきに述べました中間報告においては、学術政策と大学政策と科学技術政策が連携してデュアルサポートシステムの再構築に取り組むことが非常に重要な課題であるとしております。具体的には、基盤的経費については、大学においては明確なビジョンや戦略に基づいた配分により、その意義を最大化することが必要であるとしており、その取組と相まって国が確保・拡充に努めることが必要であるとしております。科学研究費補助金については、これも今まで増加をしてきたのですが、昨年度から今年度に向けて大変なことが起こりまして、減額をされてしまいました。科学研究費補助金については、応募区分とか審査方式の見直し等、研究分野の融合・創出等に資する仕組みへの転換等のための改革に取り組むことが必要であるとしております。なお、その研究費の成果を最大化する観点から、基金方式をさらに拡充することが必要であるとしております。科学研究費補助金以外の競争的資金の改革については、これらの改革等と並行して、総合科学技術・イノベーション会議において議論をしていただくことが重要であるとしております。また、間接経費につきましては、競争的資金の拡充を図る中で確保・拡充するとともに、大学においてより一層効果的に活用することが必要であるとしております。
 学術分科会でも引き続き議論は進めてまいりますが、今回の第5期の科学技術基本計画に向けた検討に際しても、今述べさせていただきましたような視点を是非踏まえていただくことが必要ではないかと考えております。どうかよろしくお願いいたします。

【野依主査】  
 ありがとうございました。
 今、科研費の話が出ましたけれども、日本の、特にライフサイエンスの研究が非常に高くついているということを付け加えさせていただきたいと思います。先端機器等がほとんどアメリカのベンチャーから輸入されているということで、アメリカ等の研究に比べて、倍以上、3倍ぐらいかかっているということがありますね。ここのところを何とか考えていかなければいけないのではないかと思います。もちろん日本で先端機器の開発を促進・振興しなければいけないということもありますが、それでは間に合わない。研究費を持っている人は、高くてもとにかく最高のものを買わないと研究にならないということがあるのですね。これは個々の研究者だけの努力では解決できないわけで、研究者コミュニティあるいは国も巻き込んだ形で考えなければいけない。文部科学省も科研費の増大等に今まで大変努力してきていますが、それは一体どこに行ったのか、海外へ垂れ流しになっているのではないかと感じるところもあろうかと思いますので、是非どこかで議論をしていただきたいと思っております。余計なことかもしれませんが、申し上げます。
 ほかにございますか。では、春日委員お願いします。

【春日委員】  
 私は、まだ独法化されていない、純粋な国立の研究所の職員です。ですので、これまでの御説明にありましたように、政策のための科学、それから、政策のためのエビデンスを蓄積したり、それを構築したりするための科学、これを毎日の業務としてずっと行ってまいりました。さらに、現在、学術会議の国際担当副会長をしておりますので、国際的な観点から、特に社会との協働について、日々感じることが強い次第です。その意味で、四つほど、きょうの資料9に関係することとして、挙げさせていただきたいと思います。
 まず一つ目は、社会との協働の在り方です。社会との協働の仕組みをもう少し新たに打ち立てる必要があるのではないかというふうに感じています。これまでの議論の中で、産学連携、それから社会実装、また課題解決ということは言われてまいりましたけれども、そもそも課題の設定を社会とともに始める必要があるという、そういう新しい動きが国際的に出てきております。課題の設定から、研究計画立案、研究の推進、そして研究成果の社会実装に至るまで、全て社会のステークホルダーと協働で行っていくという、これは、分野を超えてという以上に広がった超学際研究、トランスディシプリナリー研究と言われる、そういう動きです。これを組み込んだ社会との協働の仕組み、新たな仕組みを考える必要があると思います。
 2番目は、何人かの先生方もおっしゃっていた国際化の問題です。どこで日本の強みを発揮できるかという、この視点に加えまして、どこで日本から貢献ができるか、この考え方も新たな科学技術イノベーション政策の中で忘れてはいけない視点ではないかというふうに思います。そのことによって、日本が尊重され尊敬を集める、その基盤ができるかと思います。
 今、基盤と申し上げましたが、3点目のキーワードが基盤研究です。最近、大学のアイソトープ研究施設が、非常にお金をくう割には論文として出るものが少ないということで、統廃合されたり、あるいは一つの大学から消えていくようなところもあるというふうにお聞きしています。また、論文を書いたときのエディティングについて日本はそのサポートが弱いということも、よく言われます。また、いろいろな種類のデータベースを管理したり、一次データを集める研究者は多いのですけれども、それを二次加工して必要なものを抽出するような研究、こういう研究者が少ないとも考えられています。
 今出しました例は、いろいろな分野に共通して支援できるような研究、基盤となれるような研究です。これは、いわゆる基礎研究、応用研究、どちらにも支援できるような基盤ですが、そこの認識が日本では十分ではないと感じております。このような基盤研究、これは短期的にはなかなか成果が出にくいものかもしれませんけれども、中長期的に見た場合に、決して弱体化させるわけにはいかない、そういう研究でありますし、そういう研究に関心を持って、価値を持って入ってきていただけるような、若い人材を育てる必要もあると思います。
 最後に、資料9の3で目指すべき国の姿ということが書かれていますが、私は、安全かつ豊かで質の高い国民生活に加えて、国民が幸福を感じる国ということをちょっと加えたいと思います。
 以上です。

【野依主査】  
 ありがとうございました。
 それでは、小野寺委員。

【小野寺委員】  
 私からも何点かお話ししたいと思うのですが、一つは産学官の連携の話なのですが、第1期から第4期まで全ての基本計画で産学官の連携についてうたわれているのですが、先ほどの数字にもありましたけれども、産と学の間の人事交流というのはほとんどゼロに等しくて、特に学から産にはゼロですね。逆方向は多少ありますけれども。そういう意味でいうと、産学官の連携の問題点というのは、その仕組みが整備されてこなかったことにあるのではないかと思っているのです。その仕組みをどう作るか。今までの産学官の関係だけで、仕組みがないままでいくと、何も変わらないような気がするのです。今回新たに研究開発法人について仕組みを変えてくるということで伺っていまして、経団連としてもこの点について何点か既に申し上げてきています。そういう意味で言うと、まず、産学官の連携について仕組みをきっちり作った上で交流を図っていく必要があります。この仕組み作りを是非お考えいただきたいというのが、1点目です。
 それから2点目ですけれども、考慮すべき社会経済の変化の中で、先ほど資料8にもありましたけれども、実は我々業界が一番関係しているのですが、デジタル化の進展というものに対して日本の取組は非常に遅れていると、私は見ています。特にその問題点は、先ほどの資料の中にもありましたけれども、分野が変わってきているにもかかわらず、例えばコンピュータの研究については、非常に国内は少ないです。米国の方がずっとコンピュータに対する割合を増やしています。このとき一つの大きな問題なのは、これは産業界の方にも責任があると思っているのですが、デジタル化が進んで何が起こったかというと、実はコモディティー化がどんどん進んでしまって、ハードウエア、特に商品としてのハードウエアについては、商品・製品では、皆さん、中身を見ればすぐ分かるのですけれども、汎用部品しか乗っかってないのです。何が違うかというと、ソフトウエアだけなんです。ところが、残念ながら日本では、ソフトウエアの研究開発若しくは教育、これについてほとんどされてきてないのですね。
 この前、FIRSTのプログラム、最新の報告書が出たと思うのですが、あの中でもビッグデータの喜連川先生の1件だけです。ハードは何も変えていませんと、はっきり書いてあります。汎用のものを使っていますと。だけど、ソフトだけで1,000倍です。ところが、残念ながら日本人は、「日本人は」と言っていいかどうか分かりませんけれども、そういうソフトに対しての評価をほとんどしないのです。ハードばっかりなんですよ。それをどんどん進めていきますと恐らく、今の情報機器関係と同じように、コンポーネントとか、部品若しくはマテリアル、ここの分野では強いけれども、商品・製品では全く太刀打ちできないということになりかねないと思っています。
 これも資料8にありますけれども、まさしくビッグデータではないですが、ここ5年間、10年間でトータルのデータ量というのは過去の比ではないわけですね。5倍、10倍という話じゃないですから。1,000倍、何万倍というふうにすぐなるというのが、もう見えているわけです。それをみんなが使えるように、若しくは、流通できるように、処理できるように、日本の仕組みを変えていかないと、恐らく諸外国にどんどん置いてきぼりを食らうのではないかと思うんです。そういう意味でソフトウエアの重要性をもっと強調していただかないと、恐らく産業界も含めて、残念ながらこの分野ではどんどん負けていくのではないでしょうか。
 これは余り言い過ぎるとちょっと問題かもしれませんけれども、例えば自動車の問題にしても、今まではエンジン中心で来ているわけですから、これはものづくりそのものなんですけれども、電子化がどんどん進んで電気自動車になったとたんに、我々の知らない中国の会社が急に伸びてきたり、当たり前にしているわけです。こういう時代に産業界は入っているのだと、その基盤は一体何なんだと、どこに問題があるのだというのを是非もっと突き詰めて皆さんで考えていただかないと、これは非常に大きな問題になるのではないかなと思います。
 そういう意味で、科学技術の基本計画の中で、今までソフトウエアという問題は、私、ずっと見てきたのですけれども、取り上げられてないのです。これをもうちょっときちっと、何が必要なのか御検討いただかないと、産業界は非常に厳しいのではないかなと、私は見ています。
 それから、3点目になりますけれども、まさしく今から日本では人口減少になると。高齢化ももちろんありますけれども。そのときに、今日の資料もそうなのですが、少子高齢化と人口減少って、みんな書くのです。少子化は明らかに人口減少です。高齢化は全く別問題です。単純に寿命が延びると考えれば、絶対数が一定であれば、寿命が1年延びれば、人口はその分だけ増えるわけです。ところが、少子高齢化でみんなまとめてしまうために、日本単独の問題、単独ではないのですけれども、少子化と人口減少という問題と、グローバルに共通の問題である高齢化とが、ごっちゃになっているのです。発展途上国にしてもいずれ、医療の環境がどんどん良くなっていけば、高齢化が進むのはどこの国でも基本は全く一緒なんです。そういう高齢化というグローバルな視点と、少子化、人口減少という、極端な言い方ですけれども日本の現象とを分けてきちっと記載していかないと、私は大きな誤解を生むのではないかと思います。
 少子化、人口減少を科学技術イノベーションで防げるのかと。これは全く別問題じゃないのでしょうか。これは、社会性の問題とか、そちらの問題であって、高齢化の方は科学技術イノベーションでもっていろいろなことが今から産業として起きてくるのは間違いないと思うんです。そういう意味で、少子高齢化と一つくくりで扱うことは是非やめていただきたいと思います。
 それから、最後ですけれども、目指すべき姿、これは、皆さんがおっしゃっているのはそのとおりだと思うのですが、安心・安全、私は、産業界で見ると、実はビジネスに一番結び付くのは快適ではないかと思っているのです。快適に過ごせること。春日先生から幸福というお話が出ましたけれども、幸福と快適、ちょっとニュアンスは違うのだと思うのですが、今、快適にはお金を使いますから、そういう意味で、幸福、快適というような、こういうことを言葉に一つ入れていただけたら、変わるのではないかなという感じがしています。
 以上です。

【野依主査】  
 ありがとうございました。産業界からの貴重な御意見だと思います。
 私は、産学の連携がうまくいかないのは、一つに産業界の方も大学の方も忙し過ぎて、お互いに学び合う機会が少ないためだと思っております。アメリカ等では社会人の大学院生が20%を超えているが、日本は2%ぐらいにすぎないということです。また、大学の先生が企業で働く機会が非常に限られています。アメリカの場合には、週5日間のうち4日間は大学に拘束されますが、1日は産業界でもどこでも行って働くことが許されている。もしそういうことになりましたら、企業は受け入れていただけるでしょうか。

【小野寺委員】  
 その点は常に問題になるところなのですけれども、実は、今、米国の話がありましたが、例えばドイツだと、フラウンホーファー、これがまさしく産学の共同研究ができる仕組みとして作っています。私は、ああいう形であれば、いろんなやり方があるのだろうと思うんです。特にあの中で大学院生が、ドクター課程の方だと思いますけれども、大学院生が産業界で、職を得てと言うと語弊があるのだけど、例えば週のうち3日働いて、ちゃんと給料をもらう。そのうえ大学院できちっと学位も取れる、そういう仕組みを作っています。そこで人事交流が非常にうまくいくのだろうと思うんです。ですから、そういう形の受け入れ方は、産業界としては、今後、当然検討をしていかなければいけない問題だと思っています。

【野依主査】  
 ありがとうございました。
 新井委員、どうぞ。

【新井委員】  
 2点、お話をさせていただきたいと思います。今、五神委員、あるいは春日委員、多くの委員の皆様から、PDCAサイクルをいかに回すか、データに基づいた科学技術政策であるとかが大変必要だというお話がありました。私、4期において、それに基づきまして、いろいろな科学技術政策を科学するためのデータ整備の委員会等に関わらせていただきました。4期に、評価ということが重要だということで、例えば様々な競争的資金をはじめ政策に関して、中期計画を立てるとか、中間評価を行う、最終評価を行うというようなことが数多くされて、評価のための多大なコスト等がかけられてきたわけですけど、その評価報告書というものが十分に生かされているかということになりますと、この評価報告書は基本的に人間以外読めないような状態ですので、先ほど小野寺委員からもお話があったような、データ化というか、データ化をして機械が読めるような状態で何かが分析をするというような状態では、残念ながらありません。現在、先ほど配付されました「科学技術イノベーションの動向」の3から始まる分析の多くは、海外のデータ屋さん、例えばエルゼビアとかトムソン等から購入したデータに基づいた分析しか行われていません。そして、今現在、大学でも研究大学等はそうした企業にお金を払ってコンサルをしているというような状態です。そうではなくて、日本が日本の科学技術を向上させるために必要な基盤となるデータは機械可読な状態できちんと整備をしていくということが大変必要だと、私は考えます。
 例えば若手の研究者がどれくらい論文のアウトプットに貢献しているかというようなことを一つ調べるにしても、若手の研究者かどうかは論文自体には書いてありませんので、それは別途調査をするというようなことを毎回して、そのような調査は金額がかかりますから、5年に1回とかしか行うことができません。そうすると、若手研究者支援をした資金は本当にメリットがあったのかどうか、それが正しかったのかどうか、途中で方向修正をすることが極めて難しい。であれば、全ての研究者が登録できるようなデータベースがあって、そこの中に、論文の状態であるとか、あるいは、どのような資金でどのような任期、任期付きなのか、そうではないかとか、そういうようなことが分かるようなデータベースを今正に整備をしていますが、各大学がそれぞれ自分でデータベースを作りたいというようなことがあって、なかなか全体を見るためのデータベースに協力をしないというような状況が四、五年続いています。ですが、日本全体を見るため、例えば若手研究者はどんどん動きますので、その全体を把握するのは各大学では限界がありますので、そのような基盤データベースをきちんと機械可読な状態で整備するということが、第5期に向けていろんな意味で重要になってくるだろうと思っております。それがまず第1点です。
 第2点目は、社会と科学技術イノベーションとの関係についてです。前の世紀は、科学イノベーションのシードから社会的な影響が起こるまで、例えば50年とか、非常に時間がかかりました。でも今は、特に、インターネットであるとか情報技術、あるいは、ゲノム、創薬辺りは、イノベーションから社会的影響が起こるインパクトまで、非常に短い時間で起こるということがあります。特に労働市場への影響であるとか、法整備と合わないところ、例えば、先日、3Dプリンターで銃器を作るというようなことがあって、それは銃刀法違反でコントロールできるのかというようなこともありますし、ほかにも、例えば無人の自動車ができてきたときの製造物責任であるとか、あるいはプライバシーというのが個人情報保護だけではカバーできないとか、いろいろな問題が起こってくる。それは今の段階で予想はできないので、例えばCSTIの下にそういうことの社会的影響に関して不断に検討するような委員会等を常設して、そこで検討をしていく、あるいは予測をしていくというようなことも必要になるのではないかなと思います。
 以上です。

【野依主査】  
 ありがとうございました。
 上山委員、どうぞ。

【上山委員】  
 先ほど野依主査の方から社会科学的あるいは人文学的な見地も含めた意見をということがありましたので、そのことも念頭に置きながら、第5期に向けての概念的な整理ということについて、少しお話をさせていただきたいと思います。
 まず、何よりもイノベーションという概念をもう少し拡大して読み直した方が良いのではないかと、私は最近よく考えるようになりました。イノベーションとは非常に大きな技術革新を伴う社会的変動力のあるアイデアなり革新ということですが、そういう捉え方をするよりは、もう少しイノベーションという概念を拡大した方が良いと、最近よく思うようになっております。ベレット・ロジャーズというアメリカの学者がいるのですが、イノベーションというのは実はそこかしこで起きていると。とりわけ突出した新しいアイデアというわけではなく、イノベーションの一番重要なことは、それがどのように社会の中で、あるいはコミュニティの中で普及をしていくかということなのだと、そういう捉え方ですね。実はその考え方自体はそれほど最近出たものではないのですけれども、私たちが捉えるイノベーションというものの考え方に少し違う光を当ててくれていると思います。
 なぜかといいますと、科学という分野においては、解けていない問題を新しい発見によって解決をしていく、これは非常に明確な目的を設定することができる。そこから波及して技術ということになりますと、それを何らかの道具的なものに落とし込んでいくような努力、それが技術ということになるでしょうが、実はイノベーションというのは、それがどのような形で社会的な影響力を持つか、あるいは、人々がそれを受入れ、それを社会の中で使っていくプロセスに発展をしていくかということが一番重要なのだという考え方で、そうすると、イノベーションの種というのは実はそこかしこで突然変異的にたくさん発生しているかもしれない。その発生しているイノベーションの種を我々は見過ごしているかもしれない。その見過ごしているかもしれないものをどのような形でピックアップしてシステムの中に落とし込んでいくかということの、その体制作りこそが重要なのだという考え方に恐らくなっていくと思うんですね。
 日本においてはこれまでたくさんの資金を投入してきて、大学あるいはその他の研究機関に研究投資をしてきた中で、ひょっとすると我々は多くのものを見逃しているかもしれない。イノベーションに発展していく可能性のあったものを私たちはそれをはっきりと認識できていないかもしれないという見方に、恐らくはつながっていくだろうと思います。この点は、最初に白石委員がおっしゃったみたいに、人的資本の問題に明確に関わっているというふうに思っているわけです。なぜかというと、たった一人の研究者が新しいアイデアを打ち出す、それを例えば論文の形で発表していく、それではなくて、それがどのような形で知的財産にもつながり、かつ企業にも展開していけるように、我々がその道筋を発見していくことができるかということこそが実はイノベーションなのだという捉え方をすると、実はそこに至る多くの人的資本が必要だということになっていくと思うのですね。一握りのごく限られた研究者、限られた学者たちだけではなくて、ピュアな論文を書けないかもしれないけれども、様々な形で科学的な発見あるいはインベンションの意味を見出していくことができるような幅広い人的資本というものを研究開発の拠点の中で作っていかなければいけない。それをどのぐらいそろえていくかということによって、我々は社会の中でイノベーションというものを発見し普及させていくことができるのだという、そういうパースペクティブだと思います。
 日本の今までの科学技術政策の中で恐らく欠けているのは、既に私たちが先入観として持っている、新しいブレークスルーを発見しようとする、その努力だけにとどまっているのであって、それを発見し普及させていくようなプロセスに関わる人的資本に余り投資をしてこなかったと。そのことがイノベーションということについての日本の問題だろうというふうに、最近思うようになりました。ということは、それに対してどのような形で政府が財政投資をし、サポートをしていくことができるか。つまりこれは本当に幅広い人的資本に対する支援を必要とすることにつながるだろうと思います。
 このことは第3番目の問題として、どのような新しいアイデアがイノベーションにつながっていくかということを発見するということは、非常に複眼的で多様な視点を持っている人間を育てなければいけないということですから、もちろん女性研究者も含めて、あるいは文科系的なアイデアを持つような人と理科系的な人との間のコネクションも必要でしょうし、さらに言えば、優秀な海外の研究者が日本の研究拠点に入っていくことによって、複眼的な視点を持つような人材が生まれてくる。そのことに対する支援というような政策も恐らくは必要になってくるだろうと思っています。その意味で、最初に申し上げましたように、イノベーションというものの考え方をもう一度捉え直した方が良いのではないか。特に我々のような日本の中における政策の組み立ての基軸としてイノベーションというものをちょっと別の形で見た方が良いのではないかなと、最近ちょっと思っております。

【野依主査】  
 貴重な御意見、ありがとうございました。
 伊地知委員、どうぞ。

【伊地知委員】  
 ありがとうございます。4点、申し上げたいと思います。今、多くの委員の先生方がおっしゃったことと共通する部分があるかと思いますが、言葉を違えてやはり重なるということはそれなりに共有されているのではないかなということで、お聞きいただければと思います。
 まず1点目ですが、エビデンスに基づいて政策を進めるということと同時に、そこでは現れていない内容というのは、専門家あるいは現場の立場からの展望というのも参考にして、議論をしていきたい。そうしたときに、今後、これから5年間どうするかといったときには、これまでの傾向からある程度外挿できるようなことというのもある。一つだけ外部環境で言えば、先程来議論があったように、国際的な観点から特に他国・地域の中で非常に活動が加速しているというところがあれば、そういうところとの相対的な位置付けは量的・質的にそれなりの変化があり、内在的には既に様々な人がいるわけですが、人というのはそんなに変わるものではない。5年間すれば大体その部分の人口が移るということはある程度予測ができるわけで、そうすると、どんな人が、どんな年齢の人が、どんな職種でいて、どういうふうにいるのか、どう変化していくのかというのを見通した上で、計画を考えていければ良いのではないかなと思います。
 2点目は、イノベーション、人材、それから自然科学だけではないということに関連してですが、イノベーションという言葉はよくよく考えるとイノベートという動詞の名詞形で、動詞の名詞形であるということを我々は忘れがちである。例えば英語の辞書を見ると、イノベートのほかの言葉の言い換えとしては、ブリング・インというのがあります。そのブリングというのもやはり、なかなか我々はなじんでないかと思います。
 これは例ですけれども、現在、内閣府が新たなイノベーション大募集ということをされてまして、その中で内閣府大臣政務官がある方の言葉の引用としてイノベーションを「未来の当たり前をつくること」という表現をされています。私、これは非常に良いなあと思っていまして、その中に、「つくること」、つまりこれは行為であるということが入っている。それから、「未来の当たり前」ということは、現在は突拍子もないということ。それから、「未来の当たり前」ということは、未来には普及している、受容されている、広く社会的・経済的価値が生み出されているというようなことが入っているのではないかと思います。そういったイノベーションというのは、先ほど上山委員もおっしゃったように、世界共通して理解されているようなものを踏まえていくといいのではないかと思います。そのときに、科学技術あるいは科学技術・イノベーション政策と近接して関連する政策分野との関係を見たときに、国全体としてのシステムとして、特に例えば人材育成ということで言うと、従来、科学技術基本計画の中では研究者あるいは非常に高度な専門家ということにかなりフォーカスされてきているのではないか。
 そうしたときに、実は2点ありまして、一つは中等教育です。他国の場合は、例えばイノベーションの人材といった場合には、すぐ出てくるのはSTEM(Science, Technology, Engineering and Mathematics)。特に中等教育の段階でどのように共通して知識なり理解を得るのか。ところが、現状の基本計画を見ると、その部分というのは、通常、学生が受けるような授業とか教科そのものに関わるところはほとんどない。教科の中で、例えばソフトウエアの話もありましたが、そういうのがあるかというと、通常の普通科の学生であればそのようなことを受けないということで、これから社会の中で担うような人材が、科学とか、技術とか、あるいはイノベーションにつながるところを持つ基盤が今のところないのではないかと思うので、その辺は検討していくところがあるのではないか。
 それから、大学についても、大学改革等がありますが、現状書かれているのは大学の機関単位で可能なものであって、大学を含む国全体の公的研究セクターについても、いかに成果をより生み出していくのかというところが課題としてあるのではないかと思います。今日の資料8の中でも例えば33とか34のような分析がありましたけれども、グローバルの中でどう大学の中にある様々な研究者とか研究基盤を生かしていくのかというのは、検討していければ良いのではないかなと思います。
 それから、3点目ですが、実は科学技術政策の外側の様々な制度的なことが科学技術の在り方を規定している。それは、例えば、独法制だとか、広い意味での政策評価制だとか。どうしても局所最適化になるので、そうではなく、全体あるいは動的に持続可能な形、具体的に言えば、システムの構造にもPDCAをいかに組み込んで、きちんと機能するようにしていくのか。それはデータの蓄積・活用等もあるのではないのかなと思います。
 最後に、4番目ですが、国全体としてのコンピタンスを確保して、持続可能な形で維持・発展させていくというときに、これも今まで議論がありましたけれども、それを実現するための様々なプログラムをいかに組織化するか。つまり、プログラムを明確に意識する。ほかの国ではプログラム等はされているのですけれども、我が国の場合はまだまだ緒に就いたところではないかと思います。そういうところをやって、世界をリードして切り拓いていく。そういった科学技術・イノベーションであって、世界からアプリシエイトされるようなものになっていけば良いのではないか。併せて、政府内においても、そういった共通の目指す姿があるとすれば、それに向かって首尾一貫した形になれば良いのではないかなと思っております。
 以上です。

【野依主査】  
 ありがとうございました。
 今日は御出席の全ての方に御発言頂きたいと思っておりますが、頂いた時間があと7分しかございませんので、手短に4人、稲葉委員から2分以内でお願いして、それから、いろんな御意見があると思いますので、書面で事務局の方に御意見賜ればと思っております。よろしくお願いいたします。

【稲葉委員】  
 分かりました。
 「科学技術を文化として育む」というような書き方が3番目にありますけれども、今、伊地知先生がおっしゃったように、やはり教育というのは非常に重要だと思うんですね。伊地知先生は中等教育からとおっしゃいましたけど、やはり小学校の頃からの教育。できれば、小学生を教える教員の教育というようなことも、非常に重要な課題だと思います。それと、中学や高校では理科や数学を担当しているのは男性教員が圧倒的で、女性教員が非常に少ないことも問題ではないかと思います。女子生徒が理系に興味を持ち続けるためには、理系の女性教員の養成を促進すべきである、あるいは理系の女性教師の採用を進める必要があるのではないかと思います。それが一つ。
 それからもう一つは、グローバル化だとか国際化ということがありますけれども、確かに科学技術を進めて日本のプレゼンスを上げるということは非常に重要なのですが、そこの中で、世界に模範となれるようなものを、ちょうど東京オリンピックとかパラリンピックに向けて、この5年というような間である程度達成できていったら良いなと思います。

【野依主査】  
 ありがとうございました。
 庄田委員、どうぞ。

【庄田委員】  
 私は、この委員会でのこれからの議論の進め方について、御提案というか、お願いがございます。資料6で、科学技術イノベーション総合戦略と科学技術基本計画の位置付けというお話がございました。科学技術イノベーション総合戦略は、短期行動のプログラムに力点が置かれているような御説明であったかと思いますが、私の理解は若干違っております。確かに出口志向の課題解決型の部分の戦略がたくさん含まれておりますので、「知」の創造を続けていく学究的な基礎研究への取組等より、少し経済再生・経済成長に力点が置かれているなという印象は持っております。ただ、これは国の科学技術イノベーション戦略ですので、本日、たくさんの御議論やいろいろな視点のお話がありましたが、この中で一体どういう社会・姿を目指しているかということを一度しっかり共有する必要があると思います。机上配付資料の10番、「科学技術イノベーション総合戦略2014」の中に「五つの課題」というものが設定されていますので、これを基に科学技術基本計画の中で欠けている視点とか、あるいはもっと深掘りすべき視点は何かという形で議論を整理し、進めていくことを提案したいと思います。

【野依主査】  
 ありがとうございました。
 それでは、土井委員、どうぞ。

【土井委員】  
 3点ございます。1点目は、イノベーションの認知です。ここで書かれているのは、どうも日本のことしか考えていただけていないようなのですが、今、産業界は、グローバライゼーションということで、市場は日本には閉じておりません。なので、そういう意味で、グローバルな出口という、是非そういうシナリオを5期では考えていただきたいと思っております。
 2点目は、「知」の資産の活用ということですが、従来のコンテンツというもの以外に、ビッグデータということで様々なデータの活用というのが求められております。ただ、産業界からすると、それには幾つか問題がありまして、一番大きな問題は、研究用ということで集められていますので、実際に商用に使おうとすると、一番最初の集めるときの許諾が問題になって活用できないというのが非常に多くあります。なので、既に集まっているデータに関しても、どうやってそれを打破していくか。これから集めるデータに関しても、商用化をちゃんと保証したデータの集め方というのをきちんと考えていく必要があると考えております。
 3点目は、ファンディングです。フラッグシップにファンディングするというのも非常に重要だと思いますが、それだけではなく、これだけ運営費交付金が減らされていくという中で、研究開発の基盤、インフラをどうやって維持していくか、これは非常に重要であります。「知」の資産という意味でデータベースもそれに含まれてきますし、ICTのいろいろな基盤もあります。それをサポートする人材をどうやって維持していくか、これは非常に重要で、そのために研究者が貴重な研究時間を割くということがないようにしていくというのが、今後非常に重要だと考えております。
 以上です。

【野依主査】  
 研究基盤の問題は大変大事だと思っております。ありがとうございました。
 松本委員、どうぞ。

【松本委員】  
 私は2008年から大阪ガスのオープンイノベーションを推進しています。今回の資料の随所にオープンイノベーションという言葉が記載されていますけれども、皆様方がイメージされている以上に日本企業は危機的な状況になっています。欧米の企業は相当以前から、オープンイノベーションでスピード・性能・効率レベルを上げています。日本企業は、もはや既存の技術・製品レベルでは国際競争に勝てません。いかにグローバル市場に勝てるレベルまで技術・製品のレベルの引き上げができるか。しかも引き上げの高さだけではなく、スピードもトップでないと国際競争で勝てなくなっています。私のところに毎日のように大手企業が、オープンイノベーションをやらざるを得なくなったと、やり方を教えてほしいと、訪ねてこられます。大阪ガスは、日本の企業の中では先行的にやってきたものですから、手法、やり方を教えてほしいということで来られます。想像以上に、日本の企業はせっぱ詰まっている状況です。もはやオープンイノベーションはブームではなくやらざるを得ない状況です。やらないと国際競争力がどんどん下がってくる。本委員会に求めるのは、国家レベルでオープンイノベーションの手法であったりとか、やり方であったりとか、拠点をどうするのかという議論を是非とも本委員会でしていただきたいというのが1点です。
 まず、日本の企業が今やろうとしているのは、ニーズとシーズのマッチング、つまり大学にあるシーズをいかに活用するか。ベンチャーのシーズをいかに活用するか。これはあくまでも企業が思っているニーズが前提です。ところが、これはこれで必要ですけれども、これから求められるのは、何をやるべきかという議論をやる場作りです。科学技術とか研究開発は、それが事業創造につながらなければ価値はないと、思っています。いかに新たな価値を生み出すかが重要です。
 従来のリニアモデルではなくて、ユーザー起点の価値創造モデルにイノベーションの方法を変える必要があります。市場に近い企業とシーズを生み出す大学・公的研究機関が一緒になって、まず、何をやるべきかという議論の場が必要です。そこでは、まず、顧客の観察、市場の観察、分析から一緒にやりながら、何を作るのか、アイデアを一緒に生み出す、事業のコンセプトも一緒に考える。ビジネスモデルを大学の先生と、研究者、基礎研究の方々と事業者が一緒にビジネスモデルを作るようなイノベーションの場、つまりはフロントイノベーションの場を作らなけらばならないと思います。いろんなイノベーションのモジュールは、世界にはいっぱいあります。でも、すべて揃っているフルラインでイノベーションが起こるような、ユーザー起点でイノベーションを考えるような拠点というのは、世界にはありません。もし日本にこれができたら、世界で一番、日本はイノベーションの先進国になる可能性があるわけです。だから、そういうユーザー起点のイノベーション創発をいろんなパートナーが集まって議論をするような場づくりが重要です。ディスカッションしながら、リニアモデルではなくて、価値創造型のイノベーションのモデルを今こそ作るべきだと思っています。民間企業はせっぱ詰まっています。そういう場を求めております。大阪ガスでは今年から民間企業間で異分野のワークショップをやっております。大学の先生はまだ入っていただけていません。是非入っていただきたい。国が関与しながらそういう場を作るということが非常に大事で、世界に冠たる、世界に類を見ない、そういうフロントイノベーションから始めるフルラインの拠点作りというのを是非、今こそ考えるべきじゃないかということだけを申し上げたいと思います。
 もう少しいろいろ申し上げたかったのですが、時間がありませんので、以上です。

【野依主査】  
 新しい価値を共に作る共創の場を作らないといけないと思いますね。私もアカデミアに近いところにおりますが、大学の先生方に対する現行の評価法を変えていかないと、なかなか産業界と一緒にやろうということが出てこないように思っております。是非、今回の第5期でそういう場を作ることを心掛けたいと思います。
 最後に、議題(3)「その他」、今後の委員会の日程等について、事務局から説明してください。

【坂下科学技術・学術政策局企画評価課企画官】  
 資料10を御覧いただければと思います。「総合政策特別委員会の今後の予定について」ということで、本日は1回目ですけれども、第2回は8月6日15時から17時。第2回では、外部機関からのプレゼンテーションや関連審議会の検討状況等を踏まえまして、今日頂いた御意見、それから、これからまた必要に応じて御意見頂ければと思いますけれども、そのようなものを踏まえて、今後の検討の方向性の整理を行いたいと思っております。それから、第3回から第6回まで、個別論点に関する議論、7回、8回は12月で、中間まとめ案の審議といったようなスケジュールで、おおむね今後進めていきたいと思っております。
 また、詳細な議題や出欠の確認等につきましては、追って事務局より連絡をさせていただきます。
 それから、本日の議事録でございますけれども、後ほど事務局より委員の皆様にメールでお送りさせていただきます。御確認を頂きました上で、文部科学省のホームページに掲載させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 事務局からは、以上でございます。

【野依主査】  
 ありがとうございました。
 先ほども申し上げましたように、時間が十分にとれておりませんので、御意見がございましたら、先程申し上げましたようにどうぞ書面で事務局の方にお寄せいただきたいと思っております。
 以上で、科学技術・学術審議会、第1回の総合政策特別委員会を終了させていただきます。今後ともよろしく御指導いただけますようお願いいたします。
 どうもありがとうございました。

お問合せ先

科学技術・学術政策局 科学技術・学術戦略官付(制度改革・調査担当)

(科学技術・学術政策局 科学技術・学術戦略官付(制度改革・調査担当))

-- 登録:平成26年08月 --