資料2-2 重点的調査検討事項に関する委員の主な御意見

重点的調査検討事項に関する委員の主な御意見


(1)第5期科学技術基本計画のフォローアップに関連する御意見

  ア)第5期科学技術基本計画の着実なフォローアップと効果的・効率的な指標・データの活用方策
  ○  第5期基本計画の推進に向けた施策がきちんと行われているか、施策が効果的・効率的なものであるかを把握することが大事。
  ○  政策領域毎に俯瞰マップを作り、見える化をして、そこに指標を当てはめ、指標群を使って継続的にフォローしていくというやり方は、今までになかった新しいアプローチであり、完遂してもらいたい。
  ○  エビデンスに基づく説得が重要。今後は、我が国が、日本による日本のためのIR(インスティテューショナル・リサーチ)を可能とする量的分析を実施し続けることのできるデータを持っておくことが必要。今は、それを持っていないために海外の指標に全てやられてしまう。文部科学省が継続的な方法で実行すべき。例えば、JSTにおいて、事業に関連する基盤的なデータを継続的にサステイナブルな形で持ち、それをシンクタンクが様々な観点から高度に分析するという体制を作り、第6期基本計画を策定する際にはそれを基に周辺を説得していくようにするのはどうか。
  ○  産学連携でも、詳細な事柄は個票のレベルで集めて分析することは可能であり、そうしたことができるシステムを作ることを考えてほしい。
  ○  フォローアップの際には、日本がどこまで世界の科学技術のアクティビティに食い込んでいるかを重視する必要がある。その上で、日本の強みが何かを考え、フィードバックして目標をブラッシュアップしていくというサイクル作りが必要。
  ○  「目指すべき国の姿」に向けて、これまでの科学で足りていなかったものは何なのかを検討していってはどうか。
  ○  新しい評価軸、評価体系を検討すべきではないか。
  ○  国立研究開発法人の評価は別体系があり、フォローアップとの関係がもっと見えると良い。
  ○  評価を行う際には、インプットとアウトプットの両方で見る必要がある。

  イ)科学技術イノベーションへの投資効果の検証と発信
  ○  政府研究開発投資目標の26兆円の達成に向けて、文部科学省の科学技術関係予算を増やすことが必要であり、理論的裏付けを行うなどの支援を行っていくべき。
  ○  26兆円を実現する上で、全体の枠の拡大をきちんとやっていく必要がある。どうやってシーリングを外していくかが大きな課題であり、何らかの策が必要。
  ○  国の投資が、どういう研究からどういうイノベーションを生んでいるのかというデータを収集し、分析することが総合政策特別委員会の仕事である。それが、GDP1%の政府研究開発投資の確保にもつながっていく。
  ○ 評価を行う際には、インプットとアウトプットの両方で見る必要がある。

(2)超スマート社会(Society5.0)の実現に向けた取組に関連する御意見

ウ)超スマート社会(Society 5.0)の実現に向けた取組・推進体制の在り方
  ○  超スマート社会を形成するための「超スマート社会サービスプラットフォーム」に必要となる具体策について検討を行うことが必要。この分野は、文部科学省も得意分野ではなく、担当部署もはっきりしていないので、背中を押す必要がある。
  ○  超スマート社会やSociety5.0に向けて、科学技術・学術審議会の各分科会等が議論しているが、総合政策特別委員会でもきちんと議論していく必要がある。
  ○  超スマート社会に向けた取組については、各府省間の更なる連携や、施策の棲み分けが必要になってくるのではないか。
  ○  超スマート社会に向けた全体図を描くことが重要。総合政策特別委員会は、例えば、超スマート社会を作るためにはどのような技術が必要で、そこにはどのような法律や規制がかかわってくるのか、また、社会的・倫理的な問題などについて、学術的視点から提案して良いのではないか。

  エ)オープンサイエンスの推進やデータ駆動型科学に関する取組の在り方
  ○  超スマート社会に向けて、データ流通の基盤がきちんと出来上がらないと、絵に描いた餅になってしまう。企業や公的セクターが、今まで縦割りであったデータ流通の在り方を見直し、データが互いに流通して活用できるプラットフォームを作ることが重要。文部科学省でも、学校や建物に関する基本的な生データが把握できていない。そうした生データを共有する仕組みが重要である。
  ○  今、海洋生物の遺伝子情報などについては、新しい情報が出てきたときに、情報が整理整頓できておらず、データベースもバラバラで集約できていない。日本が世界に勝っていくには、こうしたところで日本がリードしていくべき。データから何か新しいことを導き出すこともでき、また、ある一定の組合せで起こり得る予測なども出てくる。まずは、研究につなげられるデータベースを数年以内で作れば、新しい産業も興り、日本が独自で勝てるところも出てくる。日本が一つのビジネスモデルを作れば、アジアのマーケットは広いので、日本に続く国が出てくる。
  ○  学術的なデータの把握や取扱いが今後の鍵になる。また、そこから、新たな科学研究の在り方をデザインしてプロダクトしていくことが必要。
  ○  産業構造が垂直統合から水平統合にドラスティックに変わる中で、企業として一体何をやっていったらいいのかということが分からなくなってきている現状がある。そうしたことを、企業と大学がCo-Creationしていくことが重要。国全体として、ビッグデータ時代に、科学技術や産業でどうやって世界をリードするかというシナリオ作りを早急にやらないといけない。
  ○  データサイエンスの分野は、桁違いにビジネスモデルを変える、桁違いに安価なソリューションを提供することが非常に期待されている分野。ただ、この分野は世界中がやっているので、スピードが格段に速い。シリコンバレーの周回遅れにならないように、世界のスピードをモニターしておく必要がある。

(3)その他(各分科会等の調査審議事項の更なる強化など)

  ○  基盤的経費と競争的資金の配分(デュアルサポートシステム)の最適化について議論していく必要がある。
  ○  国際連携の方策をきちんと見ていく必要がある。
  ○  リスクコミュニケーションや、科学者・技術者の社会とのかかわりの強化に、もう少し力を入れた方が良いのではないか。
  ○  これまでの大手企業は、やるべきことが決まっていて、そのスピードを上げるために大学や公的研究機関とのHow to doのオープンイノベーションをやっていた。それが最近は、自企業が今後どんなことをやるべきかというWhat to doを悩んでいる企業が増えてきている。フューチャーセンターのような議論の場と人材育成プログラム、オープンイノベーションの仕組みが一緒にあることが重要。
  ○  超スマート社会から新しいビジネスを生み出すには、一番社会や経済にインパクトのあるような分野で、どうイノベーションが起こるのか、あるいはイノベーションの仕組みがどうなっていくかということを捉えることが重要。その際には、科学技術の知見をうまく生かしながら、エンドユーザーに、新しい価値、ビジネスモデルを提供できるような人材をどう育てていくのかが特に重要になる。
  ○  産業や社会を変えるとなると、科学技術イノベーションと社会システムイノベーションとの両輪を組み合わせないといけない。その両方を横断的にカバーできる人材がまだ日本には定着していない。
  ○  今後必要とする人材の育成と、その育成の在り方の評価をどうしていくべきかという点は欠かせない視点。

お問合せ先

科学技術・学術政策局企画評価課

(科学技術・学術政策局企画評価課)

-- 登録:平成28年06月 --