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1.RI・研究所等廃棄物を巡る状況

1−1.RI・研究所等廃棄物(注1)
(1) RI廃棄物について
   RI廃棄物とは、RI使用施設の操業、放射線発生装置の使用等から発生する放射性廃棄物(例:RIが付着した試験管、注射器、ペーパータオル、排気フィルター等)及びこれらの施設等の解体により発生する放射性廃棄物(例:RIが付着したコンクリート、金属やこれらが放射化したもの等)をいう。
 RI廃棄物に含まれる代表的な放射性核種としては、研究利用や産業利用から発生する廃棄物(研究RI廃棄物)では、三重水素(3H)、炭素14(14C)、リン32(32P)、硫黄35(35S)等があり、医療利用から発生する廃棄物(医療RI廃棄物)では、テクネチウム99m(99mTc)、タリウム201(201Tl)、ヨウ素125(125I)等がある。

 RIの利用は、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(以下、「放射線障害防止法」という。)、医療法、薬事法及び臨床検査技師等に関する法律(以下、「臨床検査技師法」という。)の規制の下に行われており、放射線障害防止法対象事業所は約4,600事業所、このうちRI廃棄物を発生するのは約1,000事業所である。一方、医療法、薬事法及び臨床検査技師法(以下、総称して「医療法等」という。)対象の放射性医薬品の使用施設数は約1,300施設(いずれも平成16年度末現在)である。
 これらの事業所、施設から発生するRI廃棄物の大部分はRI協会が集荷、貯蔵しているが、その貯蔵量は、平成16年度末で200リットルドラム缶換算で約10万本(最終的に処分される形態の廃棄体(注2)としては200リットルドラム缶換算で約1.7万本)となっている。

(注1) 参考資料2−1−1〜10参照
(注2) 最終的に埋設処分可能な形態の廃棄物を指す。例えば、ドラム缶にセメント固化する等十分安定化処理されるか又は容器に封入された形態のもの、非固形化コンクリート等を容器等に収納した形態のもの等がある。廃棄体は、発生した廃棄物を焼却処理、圧縮処理や溶融処理等を行い埋設処分可能な形態とされたものであるため、一般的には発生した廃棄物よりもその容量がかなり少なくなる。

(2) 研究所等廃棄物について
   研究所等廃棄物とは、実用発電用原子炉を除く原子炉(注3)及び核燃料物質の使用施設等(注4)の操業から発生する放射性廃棄物(例:原子力機構等の研究機関や大学、民間企業等において実験で使用した手袋やペーパータオル、廃液等)及びこれらの施設の解体により発生する放射性廃棄物(例:核燃料物質が付着したコンクリートや金属、放射化した炉内構造物等)をいう。
 研究所等廃棄物に含まれる代表的な放射性核種としては、三重水素(3H)、コバルト60(60Co)、炭素14(14C)、セシウム137(137Cs)、ストロンチウム90(90Sr)、ウラン238(238U)等がある。
 核燃料物質の利用は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(以下、「原子炉等規制法」という。)の規制の下に行われており、研究所等廃棄物を発生する事業所は、原子力機構、大学、民間企業等の約170事業所である。
 これらの事業所から発生する研究所等廃棄物の大部分はそれぞれの事業所において貯蔵されているが、その貯蔵量は平成16年度末現在で200リットルドラム缶換算で約41万本(原子力機構約34万本(廃棄体としては200リットルドラム缶換算で約12.8万本)、大学・民間企業等約7万本(廃棄体としては200リットルドラム缶換算で約2.1万本))となっている。

(注3) 原子力機構の新型転換原型炉「ふげん」及び高速増殖原型炉「もんじゅ」は実用発電用原子炉ではないが、一方で、これらの炉は発電を行うことから、その廃棄物は研究所等廃棄物であるとともに発電所廃棄物としても位置づけられている。
(注4) 「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」でいう使用施設、貯蔵施設、廃棄施設。

1−2.RI・研究所等廃棄物の処分までの工程(注5)
 RI・研究所等廃棄物は、同廃棄物が発生した場所(注6)から集荷して、処理施設において処理し、最終的に同廃棄物に含まれる放射性核種が周辺の環境に影響を及ぼさないよう処分場において埋設処分することになる。これまでは、処分までの道筋が明確になっていないため、RI廃棄物の大部分については集荷された後、一部が処理されているほかはRI協会において貯蔵され、研究所等廃棄物の多くは発生事業所で貯蔵されている。

(注5) 参考資料2−2−1〜3参照
(注6) 原子炉施設等の解体及び運転に伴って大量に発生する金属及びコンクリート等のクリアランス対象物は、発生段階で分別され、検認後、再利用や産業廃棄物として処分される。

(1) 集荷について
   現在、集荷・処理を希望する事業者のRI廃棄物は、発生者からの申し込みを受けてRI協会が集荷を実施している。集荷に当っては、発生者は、可燃物、難燃物等の分別を行うとともに、RI廃棄物に含まれる放射性物質の種類や濃度等の内容を明示することになっている。

(2) 処理について
   RI・研究所等廃棄物には、気体のもの、液体のもの及び固体のものがあるが、それぞれの性状や放射性物質の濃度にあわせて、以下のように適切に処理され、保管される。
 気体廃棄物は、含まれる放射性物質が安全規制上問題にならないように、排気フィルターによる吸着等により処理され、環境中に放出される。この処理過程において使用された排気フィルター等が、固体廃棄物として発生する。
 液体廃棄物は蒸発濃縮等により処理されるとともに、濃縮された廃液等はセメント等により安定に固化される。その他の液体廃棄物は、その性状に応じて、含まれる放射性物質が安全規制上問題にならないように、ろ過や濃縮等によって処理され、放出される。この処理過程において発生したスラッジ(汚泥)等が、固体廃棄物となる。
 固体廃棄物は、その性状に応じ分別して処理される。可燃性廃棄物は減容等のため焼却処理される。難燃性廃棄物及び不燃性廃棄物は、切断・圧縮等(一部、焼却や溶融処理も行われる予定)の処理がされる。これら処理された廃棄物は、その性状に応じセメント等により安定に固化される。ただし、固体廃棄物は、性状等によってそのまま保管されるものもある。
 現在、RI協会においては、集荷した可燃性固体廃棄物の一部を焼却処理するなどにより減容処理を行っている。
 原子力機構においては、可燃性固体廃棄物の焼却処理や金属廃棄物の圧縮処理等の減容処理を行っている。また、不燃性固体廃棄物等の減容を目的に、高減容処理施設の運転準備を進めている。

図1.RI・研究所等廃棄物の処理処分の基本フロー

(3) 処分について
   放射性廃棄物の処分は、処分方法に適した形態に処理した後、廃棄物の特徴、特に含まれる放射性核種の種類及び濃度を考慮して廃棄物からの放射線の影響が安全上支障のないレベルになるように行うことが基本であり、以下の4つの方法がある。
1 コンクリートピットなどの人工構造物を設けない簡易な方法により浅地中処分する方法(トレンチ(素掘り)処分)
2 コンクリートピットなどの人工構造物を用いた処分場を設置して浅地中処分する方法(コンクリートピット処分)
12を合わせて「浅地中処分」ともいう。
3 一般的な地下利用に対して十分余裕を持った深度(例えば50〜100メートル)にコンクリートピットなどの人工構造物を用いた処分場を設置して処分する方法(余裕深度処分)
4 人間の生活環境から十分離れた地下数百メートル以上の深さの地層に適切な構造物を設置して処分する方法(地層処分)
 このうち、トレンチ処分については、旧日本原子力研究所の動力試験炉(JPDR)の解体から発生したコンクリート等を対象として、既に原子炉等規制法の下で埋設実地試験がなされたことがあり、コンクリートピット処分については、日本原燃株式会社により、青森県六ヶ所村の低レベル放射性廃棄物埋設センターにおいて実用発電用原子炉から発生する低レベル放射性廃棄物を対象として実施されている実績がある。このように、我が国では既にトレンチ処分とコンクリートピット処分の実績もあり、RI・研究所等廃棄物について処分施設を建設し、処分を行うことは技術的に可能である。

1−3.RI・研究所等廃棄物の発生量と今後の発生見込み
 研究所等廃棄物は、主として原子力機構、大学・民間企業等において、RI廃棄物については、主としてRI協会において管理されているが、平成16年度末現在の発生量と平成60年度までの発生見込み(いずれも200リットルドラム缶に換算した廃棄体の本数。)は以下のとおりである。なお、RI協会については、今後RI廃棄物発生者から集荷するRI廃棄物の見込み量を示した。

表1.事業者における廃棄体の発生量(平成16年度末)と発生見込み(平成60年度末)
200リットルドラム缶換算廃棄体本数(単位:万本)
(四捨五入のため合計が合わない場合あり)

注1. 原子力機構の再処理施設やウラン濃縮施設、民間の照射後試験施設等から発生する、ウラン、TRU(Transuranic,超ウラン)核種を含む浅地中処分相当の廃棄物を含む。
注2. 原子力機構については平成15年度末の試算値
注3. 平成16年度末(原子力機構については平成15年度末)の本数を含む。
注4. 原子力機構で発生するRI廃棄物を含む。
原子力機構の廃棄体数量は、TRU二次レポート及びTRU廃棄物(地層処分)の制度化に際して見直しを実施したものである。原子力機構のトレンチ処分の廃棄体数量については、24.4万本であるが、二法人統合準備会議で算入していたSPring-8(財団法人高輝度光科学研究センターの大型放射光施設)が解体された場合の解体廃棄物量1.4万本を従来との整合性のため、原子力機構の物量に加えた表記としている。
注5. 高エネルギー加速器研究機構の大型加速器が解体された場合の解体廃棄物(トレンチ処分)7.45万本を含む。J-PARC(高エネルギー加速器研究機構と原子力機構が建設中の大強度陽子加速器施設)から将来発生の可能性がある解体廃棄物は含めない。
注6. 廃棄物の場合には200リットルドラム缶51万本。

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