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3.次期科学技術基本計画において考慮されるべき重要科学技術課題
 以上を踏まえ,地球環境科学技術分野として取り組むべき重要科学技術課題は以下に述べるとおりである。

○地球観測:
 地球規模の諸現象を解明するとともに,これに起因する諸課題に対応するためには,正確かつ広範な規模で観測情報を取得し,処理し,流通させることが必要である。このため人工衛星による観測,海洋観測,極域観測その他の現場観測などの地球観測技術の研究開発が重要である。

○地球環境変動予測とその影響予測研究:
 地球規模の課題は気候変動・水循環,海洋循環,生態系変動,人間活動等の諸要素及びこれらの相互作用による大規模かつ複雑な事象の現出である。これらの変動及び影響を予測する研究開発は,地球規模の課題の将来見通しと評価を行う上で重要である。

○地球環境を保全するための対策技術研究:
 クリーンなエネルギーの開発や循環型社会の実現のため,バイオマスの資源化,燃料電池の実用化促進,温暖化対策,化学物質対策などの環境対策技術に関する研究開発が重要である。

○持続型社会構築研究等の政策研究:
 人間の生活基盤となる環境の健全化と社会経済発展の両立がより近づける様な望ましい社会ビジョンの提示が可能なシナリオに関する科学技術が重要である。

○地球温暖化研究:
 気候は人類生存の基盤である地球上の生態系を維持する。すでに人為による気候変化の影響が現れているとされ,変化の観測,更なる不確実性の減少,正確な予測,防止と適応の対策技術やその推進策の提示は緊急の課題である。

○地球規模水循環変動研究:
 水循環は地球環境と人間活動の決定要因である。水環境の変化,水需給の逼迫は,気候変動,人口増に伴いいよいよ深刻化している。水循環メカニズムを解明し,水循環の将来予測や地球環境変動研究に資するとともに,水管理の向上を図ることは,世界の緊急の課題である。

○生物多様性・生態系研究:
 多様性の維持は生態系保全のキーとされる。陸地,沿岸,海洋にわたる生態系メカニズムの解明,希少生物の保全,生態系の持つ人類社会へのサービス機能の同定,地球変動による影響把握に更なる研究強化が必要である。

○自然共生型流域圏・都市再生技術研究:
 世界的な都市化傾向を踏まえ,人間活動による自然環境への圧力変化,都市における自然と共生する人間生活,都市空間における健康・快適環境形成などの問題に継続的に取り組む必要がある。

○非持続型の消費・製造形態からの離脱による循環型社会システム設計:
 大量消費・大量廃棄型文明からの脱却がなければ持続可能な社会の実現は困難である。そのためには,循環型社会への道筋の提示,生産・消費・廃棄に及ぶ物流の把握とその評価手法の開発,技術的政策的対応策の提示が必要である。

○人の健康や生態系に対する化学物質リスク総合評価・管理技術研究:
 化学物質など人工物のもたらす生態系,人間健康への影響を評価する方法の開発と,リスクを最小に押さえ,安全で安心な社会を作るための技術開発と社会システム工学,法学,経済学等の社会技術の利用を進める必要がある。

○自然・人為災害による人命及び財産の損失軽減:
 地震,津波,火山噴火に加え,近年,豪雨,干ばつ等の異常気象が顕著になっている。異常気象の発現及びそれによる被害の拡大については,人為的な要因も指摘されているところである。人命及び財産の損失を軽減するため,観測や予測精度の向上,メカニズムの解明,ハード・ソフト両面による効果的対応策等への一層の取組が必要である。

○環境分野の知的研究基盤の充実:
 以上の研究課題の支える研究基盤として,長期にわたる観測や調査,資料収集やデータベース作成利用システム構築など,息の長い研究を維持する必要がある。


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