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1.課題名: 極端紫外(EUV)光源開発等の先進半導体製造技術の実用化

2.課題概要: 次世代半導体デバイス製造に不可欠なリソグラフィー用極端紫外(EUV)光源の開発等、国際競争力のある技術を開発し、世界の半導体市場における国際的優位性を確保する。

3. 評価の検討状況
(1)課題設定の妥当性(必要性)
1 国の方針との適合性
  本分野では、半導体微細加工技術・関連装置技術、低環境負荷プロセス技術の開発等を戦略的に推進すべきであり、強力な産学官連携のもとに、政府主導で開発を行う必要がある。また、本プロジェクトは分野別推進戦略、平成15年度資源配分の方針及び研究開発推進方策において位置付けられており、国の方針と合致する。

2 リーディング・プロジェクトとしての妥当性
プロジェクトの基本的性格
  産学官の連携により5年以内の実用化・普及を目指し、比較的短期間の実用化による経済活性化の効果が見込まれる。
研究開発成果の持つ経済活性化効果等(実用化された場合の社会・経済へのインパクトを含む)
  世界の半導体産業が凌ぎを削る先進半導体製造技術における、最先端細線化の中核となるリソグラフィー用EUV光源開発等の実用化プロジェクトの実施により、世界の半導体市場(約20兆円)における国際的優位性の確保が期待できる。
  製造機器市場開拓及び加工業の競争力強化等の観点からも大きな経済効果が見込まれる。
  また、本課題の基盤をなす高性能レーザー技術等は普遍性の高い技術であり、分野融合領域(医療分野等)への新しい産業基盤の提供等の大きな波及効果が見込まれる。
研究開発成果の目標とスケジュール
  本課題は、企業による商品化を目指すものであるが、本分野は世界的に競争が激しい分野でもあるので、我が国においても乗り遅れることなく取組みを進めていく必要がある。
大学等と産業界の役割
  本課題で必要となる高性能レーザー、水素負イオンビーム技術等は、参加大学、特殊法人等が既に独自の特許を数多く保持又は特許出願中であり、本課題の推進にはこれらの技術を十分に活用できる。
  本課題は、大学及び特殊法人のシーズを産業界と連携して実用化につなげる試みであり、これまで行われてきたような断続的な取組みに比べて高い成果が見込まれる。
  また、キヤノン、浜松ホトニクスをはじめとする産業界からの人的及び資金的貢献が表明されているとともに、研究成果の実用化の段階は当該民間企業が担当する見通しである。
政府部内における既存制度における研究開発課題及び他経済活性化プロジェクトとの関係
  極端紫外(EUV)光源開発に際して、経済産業省が行う装置化・システム化技術との強力な連携の下で役割を分担し開発を実施することは効果的であり、必要である。
(2)手段の適正性(有効性・効率性等)
1 研究体制の妥当性
研究責任者(プロジェクトリーダー)の適否
  井澤靖和阪大教授は、高性能レーザーに関して数多くの研究実績を有し、かつ、大型プロジェクトのリーダーを努めた経験、産業界との関わりもつ共同研究の経験が豊富であることから、責任者として妥当と考えられる。
研究体制及び研究運営方法の妥当性
  外部有識者を含むプロジェクト推進委員会による評価を受けながら適切に研究開発が進められると考えられる。また、研究責任者のもと、企業からの委員を含む研究体制を構築し研究開発を推進することにより、より効率的・効果的な取組みが期待できる。さらに、本課題の基盤技術を持つレーザー核融合研究等に対し、本課題の進展・成果が有効に働くなど、核融合研究と本課題の双方が適切に進められるようにすることが必要である。
2 研究計画の有効性・効率性
費用対効果
  本課題の成果には大きな波及効果が見込まれるものであり、高い費用対効果が期待される。

知的財産の取得・活用方針
  本課題の推進により関連分野の基本特許群の取得が期待される。

4. 評価結果
  本分野では産業界が基礎的な情報、基盤となる技術を必要としており、産学官の連携による本課題の実施は必要である。
  本課題の実施に当たっては、最先端の現場で必要とされる製造技術を的確に把握し、それに応えるようにプロジェクトを進めることが望まれる。

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