航空科学技術に関する研究開発の推進方策について はじめに

 航空科学技術に関する研究開発は、文部科学省に設置された科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会(以下、「分科会」という。)が平成15年5月に策定した「航空科学技術に関する研究開発の推進方策について」に沿って推進されてきた。当時の推進方策は、第2期科学技術基本計画(平成13年3月30日閣議決定)に基づいて策定されたが、平成18年3月、平成18年度から平成22年度までを対象とし、新たに第3期科学技術基本計画(以下、「第3期基本計画」という。)が閣議決定された。また、同時に、第3期基本計画で定められている政策課題対応型の研究開発を対象に、分野別推進戦略が策定されている。

 第3期基本計画では、以下の2点を基本姿勢として、政府全体で実行すべき主要政策が提示されている。

  • 「社会・国民に支持され、成果を還元する科学技術」
  • 「人材育成と競争的環境の重視」

 分野別推進戦略では、文部科学省の航空に関連する施策のうち、今後5年間に特に重点的に投資を行う戦略重点科学技術として、以下の3課題が選定されている。

  • 「全天候・高密度運航技術」
  • 「新たな需要に対応した航空機・エンジン実現を可能とする全機インテグレーション(注)技術のうち試作機開発及びこれに寄与する技術開発」
  • 「静粛超音速(注)研究機の研究開発」

 第3期基本計画及び分野別推進戦略と、経済・社会情勢、これまでの航空科学技術に関する研究開発の進捗状況を踏まえ、分科会において、今後10年程度を見通した上で当面5年から7年程度の間、文部科学省として重点的に進めるべき研究開発及び研究開発を推進するに当たっての重要事項について、本推進方策を策定した。策定に当たっては、分科会の下に設置されている航空科学技術委員会において、航空機メーカやエアライン等の民間企業、研究機関、大学、関係省庁等の幅広い機関からヒアリングを行い、現状及び将来の構想等具体的な情報を収集し検討を重ねた。

 本推進方策は、航空科学技術に関する研究開発の中核を担う実施機関である独立行政法人(注)宇宙航空研究開発機構(以下、「JAXA(ジャクサ)」という。)の中期目標への反映はもちろんのこと、航空科学技術に関連する学科・講座・研究室等を有する大学等の教育機関へも一定の方向付けを行うことを意図するものであり、航空科学技術に関する研究開発が、本推進方策の趣旨に沿って着実に推進されることを期待する。

注:文中の「注」を付した用語ついては、用語集に説明を記載

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