参考資料 用語集

・DDT

 《dichlorodiphenyltrichloroethane》の略。殺虫剤の一種。有機塩素系で、神経毒として強い殺虫効果を示すが、残留性が高く、環境汚染や生物濃縮をもたらす。現在は使用禁止。

・PCB

 《polychlorinated biphenyl》の略。二つのフェニル基が結合したビフェニルに塩素が多く付加している化合物の総称。化学的に安定で、絶縁油・熱媒体・可塑剤・潤滑油などに広く使われたが、生体に蓄積され有害なので、現在は使用禁止。

・PRTR

 有害性のある多種多様な化学物質が、どのような発生源から、どれくらい環境中に排出されたか、あるいは廃棄物に含まれて事業所の外に運び出されたかというデータを把握し、集計し、公表する仕組み。

・アンサンブル予測

 不確実性の範囲を示すために、ほぼ同じ条件で何度か計算を繰り返し、その平均と幅を見ることにより予測する手法。

・エコタウン

 エコタウン事業は、「ゼロ・エミッション構想」(ある産業から出るすべての廃棄物を新たに他の分野の原料として活用し、あらゆる廃棄物をゼロにすることを目指す構想)を地域の環境調和型経済社会形成のための基本構想として位置づけ、併せて、地域振興の基軸として推進することにより、先進的な環境調和型のまちづくりを推進することを目的として、平成9年度に創設。

・カーボンニュートラル

 木、草等の植物は、空気中の炭酸ガス(CO2)を取り入れて成長する(光合成)。燃焼時に炭酸ガスを空気中に放出するが、植物の一生(ライフサイクル)でみると炭酸ガスの増減はなく、これをカーボンニュートラルという。バイオマス(生物資源)には多くの有機物質が含まれていてそれが燃焼すれば現在の化石燃料と同じように二酸化炭素を発生する。しかし、バイオマスは成長段階で二酸化炭素を光合成にて吸収しているため、最終的に見れば二酸化炭素が増加していることにはならない。

・カスケード性

 段階的に各時点において品位に応じた利用ができること。

・生物多様性

 生物多様性とは、基本的にはあらゆる生物種(動物、植物、微生物)と、それによって成り立っている生態系、さらに生物が過去から未来へと伝える遺伝子とを合わせた概念。

・地球シミュレータ

 宇宙開発事業団、日本原子力研究所、海洋科学技術センター(名称、全て開発当時)が開発したスーパーコンピュータ。開発後2年半にわたり世界最速(LINPACKベンチマークテストによる)を誇ったベクトル型並列スーパーコンピュータ。コンピュータ内に仮想地球を作り、大気や海水、地殻の状態を高速かつ高精度にシミュレーションでき、中長期的な環境変動や災害などの予測、解明を目的に開発、使用されている。また、バイオ、ナノ分野など先進分野でも利用されている。

・中層フロート

 浮力調節により、海洋中の所定深度を漂う設計がされたブイのこと。所定層の水温・塩分・圧力を測定することができる。

・デルファイ調査

 科学技術の中長期発展に関する専門家の見解を把握するためのアンケート調査。

・日本モデル

 我が国の大学を含む各研究機関の英知を結集し、また、各種観測データを集約することにより、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」における第4次評価報告書(AR4)に寄与できる精度の高い地球温暖化予測を目指したモデル。

・バックキャスティング

 現在の状況から将来を予測するのではなく、将来のあるべき姿を設定し、それを実現するために必要なプロセスを考える手法。

・パラメタリゼーション

 大規模現象から小規模現象の構造を推定・決定し、その小規模現象の存在の大規模現象への効果を一意的に関連付けること。

・ミレニアム生態系評価

 ミレニアム生態系評価(MA)は国際的なプロセスであり、生態系の変化が人間生活や環境に与える影響について、また、生態系の変化に対応する選択肢について、政策決定者や一般の人々が必要とする科学的情報を提供するプロジェクトである。4つの国際条約、5つの国連機関、国際的科学組織の代表者、民間セクター、NGO、原住民の指導者の監督のもと、100以上を超える国々の主要な科学者達によって評価が行われる。MAは、民間セクターや市民社会のニーズはもちろんのこと、生物多様性条約(CBD)、砂漠化防止条約(CCD)、国際湿地条約(ラムサール条約)の評価ニーズを満たすように計画されている。MAは2001年6月に、国連のコフィ・アナン事務総長によって着手することが発表された。成果の一部はまず2003年に公開され、2004年に成果の主要部分が発表される。MAのプロセスは5ないしは10年単位で繰り返されることが期待されている。

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科学技術・学術政策局計画官付

(科学技術・学術政策局計画官付)