| 1. |
精神・神経疾患の診断・治療法開発に向けた高次脳機能解明によるイノベーション創出
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| (1) |
イノベーションにつながることを意識したものであるか |
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総合失調症、うつ病等精神疾患、アルツハイマー病等神経疾患の予防や治療法の開発、子供の心の問題など認知、情動の解明による教育カリキュラムや支援方策の開発、高度で複雑な産業製品製造工程への人間の最適関与等におけるイノベーションにつながることを意識したものである。
具体的には、精神・神経疾患又は認知・情動と関係する遺伝子異変・多型、環境因子等を付与した動物モデルの利用等により、マーカーを同定・検証し、評価・解析技術の研究開発等を目指すものである。 |
| (2) |
戦略重点科学技術との関係 |
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「生命プログラム再現科学技術」、「臨床研究・臨床への橋渡し研究」に該当。 |
| (3) |
ニーズが想定され、優れた研究提案が数多くなされるか |
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近年、統合失調症の関連遺伝子、うつ病や神経症に影響する遺伝子の発見、遺伝子と養育環境、ストレスの相互作用、遺伝子の発現、制御機構の解明などの進展、精神・神経疾患関連分子の機能解析や脳機能を評価する非侵襲計測技術等が大きく進展していることから、これらの研究成果を臨床研究につなげる技術開発を行うことにより、当該分野が大きく進展する可能性が高い。 |
| (4) |
既存の施策・事業等と重複がないか |
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本目標は、ヒトの脳機能で近年その生物学的関連性が示されたエビデンスをもとに、既存の動物モデル等を活用し、その成果を医療や産業応用に結びつける時限的なトップダウン型研究である。
これに対して、理化学研究所脳科学総合研究センターは「脳を知る」、「脳を守る」、「脳を創る」、「脳を育む」の4領域において脳科学に関する総合的な研究開発をボトムアップ的に進めており、また、科学技術振興機構の社会技術研究「脳科学と社会」については、言語・社会能力といった倫理や社会性を取り扱うものであり、いずれも対象を異にするものである。 |
| (5) |
推進にあたっての留意点 |
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本戦略目標のもとの研究の推進にあたっては、「脳機構の解明」のみにとどまることがないよう、橋渡し研究を目指した研究としての位置づけを常に留意する必要がある。 |
| (6) |
評価結果 |
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以上の観点から、(5)推進にあたっての留意点に配慮し、平成19年度の戦略目標として取り上げることが適当である。
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| 2. |
高信頼・高安全を保証する大規模集積システムの基盤技術の構築
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| (1) |
イノベーションにつながることを意識したものであるか |
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大規模集積システムについて、欧米で物理的エラー等の検討が開始されているところであるが、我が国において、物理的エラー、人為的エラー、人為的攻撃への対応、相互作用への対応等を有機的に結びつけ、高信頼・高安全を保証する大規模集積システムの基盤技術の構築を進めることで、国際的なデファクトスタンダードを含め、当該分野のイニシアチブをとっていくことが期待される。これにより、金融取引や行政などの電子化が促進され、我が国の国際競争力の強化が図られるものであり、利便性が高く快適なIT社会をより低コストで実現するなど広範な産業や生活におけるイノベーションにつながることを意識したものである。
具体的には、情報システムの安全性にディペンダビリティという概念を導入し、大規模集積回路のライフサイクルを考慮した総合的なアプローチを行うものであり、極限微細化におけるディペンダビリティに与える物理的要因の解明とそれを突破する対処法の明確化や設計の誤り等人為的エラーを防止する設計技術の構築と検証等ディペンダビリティ実現のための基盤技術の構築を目指すものである。
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| (2) |
戦略重点科学技術との関係 |
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「次世代半導体の国際競争を勝ち抜く超微細化・低消費電力及び設計・製造技術」に該当。
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| (3) |
ニーズが想定され、優れた研究提案が数多くなされるか |
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大規模集積システムは、コンピュータのみならず自動車、医療機器など様々な機器に組み込まれ、深く生活に溶け込んでおり、その不具合は甚大な被害につながる。また、集積システムの微細化、大規模化、高機能化が進むにつれ、半導体の特性である本質的なばらつきや宇宙線による物理的エラー等今まで経験したことのない課題が生じ、信頼性・安全性の低下による我が国のエレクトロニクス機器をはじめとする機器の国際競争力の喪失や社会基盤そのものの脆弱性が露呈する懸念がある。
近年、情報システム開発は高性能化等の追求以上に信頼性・安全性の保証を求められようになり、欧米においても情報システムの信頼性・安全性の保証に関わるプロジェクトが多く採択される傾向にある。しかし、人為的エラー、相互作用に対するアプローチの難しさから、一般的には物理的エラーへの対応が主体であり、人為的エラー等に対しては部分的な対応に留まっている。こうした状況下、我が国の大学・研究機関においては、人為的エラー及び相互作用へのアプローチも意識されつつあり、学術的な知見が蓄積されつつある。これらを有機的に結びつけた総合的なアプローチを提案・実施することにより、欧米に先行して大規模集積システムの信頼性・安全性を保証する基盤技術を構築することが可能となり、膨大な経済損失を未然に防ぎ、実質的な付加価値増加をもたらすことが期待できる。
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| (4) |
既存の施策・事業等と重複がないか |
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メーカー等産業レベルではそれぞれの自社開発の能力及び機能を最大限発揮させるのに最低限必要なディペンダビリティを確保することを目的とした研究開発が行われている。各大学・研究機関においては、小規模な検討が始められており、知見の蓄積にとどまっている。
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| (5) |
推進にあたっての留意点 |
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ライフサイクル内の各段階でのディペンダビリティ課題について、ライフサイクル全体を俯瞰した上で有機的に結びつけた観点で研究開発を推進できるよう、各エラー要因に関する専門家及び総括的な観点からの研究者等の英知を融合させた推進体制の構築に配慮する。
また、成果である基盤技術を我が国の企業が取り入れられるようにする仕組みの構築が期待される。
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| (6) |
評価結果 |
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以上の観点から、(5)推進にあたっての留意点に配慮し、平成19年度の戦略目標として取り上げることが適当である。
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| 3. |
新原理・新機能・新構造デバイス実現のための材料開拓とナノプロセス開発
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| (1) |
イノベーションにつながることを意識したものであるか |
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化合物半導体やワイドギャップ半導体の開拓による高い移動度・高い飽和速度を利用した超高速・低消費電力デバイスによる次世代のモバイル機器の実現、有機分子材料の開拓による軽量で衝撃に強く携帯性に優れるフレキシブルデバイスの創成等将来の更なるユビキタス、ネットワークの高速化、コンテンツの大容量化においてイノベーションにつながることを意識したものである。
具体的には、非シリコン系半導体による従来のCMOSを越える次世代デバイス用材料、光・電気・磁気機能の多元的な融合・変換を利用した新規デバイス材料、ナノレベル・分子レベルでの加工による新規デバイス材料、薄く、軽量で、湾曲性・屈曲性並びに耐衝撃性を有する携帯デバイス材料の開拓とプロセス開発を目指すものである。
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| (2) |
戦略重点科学技術との関係 |
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「イノベーションを生む中核となる革新的材料・プロセス技術」、「デバイスの性能の限界を突破する先端的エレクトロニクス」、「ナノ領域最先端計測・加工技術」に該当。
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| (3) |
ニーズが想定され、優れた研究提案が数多くなされるか |
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微細化が進むシリコンではハーフピッチ32ナノメトルが目前に迫り、従来のシリコンCMOSとは異なる新概念・新原理に基づいたデバイス開発が求められている。アメリカでは10年後〜15年後のエレクトロニクスの覇権を握るとの認識から、既に国としての取り組みが始まっている。
我が国においては大学において個別の基礎研究が行われているが、強力なイニシアチブのもと互いのグループ間の連携を密に、時には共通インフラも使いながら融合的に研究を促進することが求められている。これらの大学における研究と、現在、戦略的創造研究推進事業において実施されているナノテクノロジー分野別バーチャルラボで得られている化合物半導体による超高速デバイス等の世界に誇る萌芽的成果をもとに多くの優れた研究提案が見込まれる。
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| (4) |
既存の施策・事業等と重複がないか |
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前述のナノテクバーチャルラボは平成19年度に終了する。この成果も含めてナノエレクトロニクス施策についての有識者による評価・検討を、今年度中を目途に関係府省において行うこととしており、現行のプロジェクトからの有望なテーマとともに、優れた成果が期待できる新規テーマを加えた形で本戦略目標につなげることが可能である。
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| (5) |
推進にあたっての留意点 |
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本戦略目標のもとの研究の推進にあたっては、「材料の特性解明」のみにとどまることのないよう、今後のユビキタス・情報ネットワーク社会においてイノベーションを創出しうる研究テーマの抽出、推進等に留意する必要がある。
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| (6) |
評価結果 |
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以上の観点から、(5)推進にあたっての留意点に配慮し、平成19年度の戦略目標として取り上げることが適当である。
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| 4. |
社会的ニーズの高い課題の解決へ向けた数学/数理科学研究によるブレークスルーの探索(幅広い科学技術の研究分野との協働を軸として)
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| (1) |
イノベーションにつながることを意識したものであるか |
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今日提起されている課題について論理的に検討を加え、問題点の整理を行い具体的な解決に導く数学的思考、アプローチをすることがイノベーション創出につながった事例がファジー集合論の家電製品等への応用、ウェーブレット解析の画像処理におけるデータ圧縮等散見される。
数学はツールとしてあらゆる科学技術の基礎となっているものであるが、それのみならず数学的思考、アプローチが他の分野において大きなブレークスルー、ひいては、イノベーションを引き起こす可能性を秘めており、当該分野の活性化、他分野との連携の仕掛け作りはイノベーションにつながることを意識したものである。
具体的には、例えば、異分野の視点を兼ね備えた数学研究者を研究総括として設定し、他分野への発展を期待できる数学の課題を募集、他分野の研究者の交流の場としてワークショップ等を開催し、他分野との連携研究の機運の醸成、さらには実際に共同研究への発展を目指すものである。
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| (2) |
戦略重点科学技術との関係 |
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分野別推進戦略では、どのような情報通信技術も、数学的成果を利用していることは明らかであり、数学研究者の育成の強化は、今後30年を考えた場合の情報通信技術、さらには他の領域における科学技術の進展に必須の政策であるとの言及がある他、ライフサイエンス等の他の分野でもシミュレーションやシステム的な研究などの形で数学の必要性が示されている。また、第3期科学技術基本計画の「分野別推進戦略の策定及び実施にあたり考慮すべき事項」において、既存の分野区分を越え課題解決に必要な研究者の知恵が自在に結集される研究開発を促進するなど、異分野間の知的な触発や融合を促す環境を整える必要があり、このような活動によって生まれる新興領域・融合領域へ機動的に対応しイノベーションにつなげていくことに配慮するとされており、本目標は当該環境を作り出すものに該当。
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| (3) |
ニーズが想定され、優れた研究提案が数多くなされるか |
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科学技術政策研究所における国内の重点8分野の産学官研究者に対するアンケート調査では数学の貢献を期待したい課題がある旨の回答が81パーセントにのぼり数学への期待のニーズが高いことが伺われる。また、北海道大学の「21世紀COEプログラム」の一環として、数学者とのブレーンストーミングによる課題解決の糸口を探ろうとする試行的な取り組みも順調であり、直接的な解決が図られるだけでなく、数学者との討論により、問題の論理構造が明確になったり、学生の研究テーマへの発展による若手人材育成、共同研究への発展等見られたりするところであり、優れた研究提案が見込まれる。
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| (4) |
既存の施策・事業等と重複がないか |
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数学は、その重要性にもかかわらず、これまで大学における基礎的な研究が実施されてきたに過ぎず、本目標にある他分野への展開を志向する数学研究を推進する事業と重複するような施策はない。
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| (5) |
推進にあたっての留意点 |
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提案課題、数学と他分野間の共同研究の発展のフェーズに応じて、既存の競争的資金による研究開発プロジェクト等への展開など既存施策・事業との連携にも配慮する。
応募課題が個人研究の場合、純粋な数学振興の研究にとどまらず、他分野への展開を常に意識したものとなるよう研究総括によるマネージメントが必要。
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| (6) |
評価結果 |
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以上の観点から、(5)推進にあたっての留意点に配慮し、平成19年度の戦略目標として取り上げることが適当である。 |