ここからサイトの主なメニューです

「平成19年度の我が国における地球観測のあり方」 別表

3.地球環境分野における観測事業の分析結果

1.各論(分野内各課題もしくは事項の分析)

1対流圏短寿命化学種観測
(1)観測の現状 (2)観測の空白 (3)今後3〜5年で実施すべき観測等 (4)平成19年度に実施すべき観測等
・全球をカバーするヨーロッパの衛星センサー(SCIAMACHY)が現在NO2(二酸化窒素),HCHO(ホルムアルデヒド),SO2(二酸化硫黄),O3(オゾン)その他の対流圏カラム濃度を観測しており、近く更により精度の高いOMIが打ち上げられる予定である。 ・我が国には対流圏化学ガス成分を対象とした衛星センサーが全く欠如している。特にアジア域をカバーする静止衛星によるアジア大気汚染常時観測センサーが必要である。 ・対流圏化学衛星センサー、特にアジア大気汚染衛星(静止衛星)の実現へ向けての体制の整備、センサー技術開発。 ・対流圏化学衛星観測の実現へ向けての体制作りの発足。
  ・現在ヨーロッパの衛星に搭載されている対流圏化学成分センサーによるアジアにおけるデータに対する品質保証のための地上からのカラム濃度観測。 ・既存の衛星データのアジアにおける品質保証に関わるNO2(二酸化窒素)対流圏カラム濃度などの地上観測技術の確立。  
・国際機関・政府機関による地上観測ネットワークとして、WMO/GAWが我が国の3地点(担当気象庁)を含むアジア数地点でGHG,O3(オゾン),CO(コバルト),エアロゾルなどを、EANET(東アジア酸性雨モニタリングネットワーク・担当酸性雨研究センター)が北東・東南アジアの40数地点で降水化学成分を中心(我が国の10地点ではO3(オゾン),NO(ノーベリウム),SO2(二酸化硫黄),エアロゾルを含む)に継続的モニタリングを行っている。 ・アジアにはヨーロッパのEMEPに相当する対流圏大気化学観測の包括的地上ネットワークが存在しない。中国、東南アジア、南アジア、中央アジア、シベリアをカバーする包括的ネットワークが必要である。 ・将来の包括的国際的アジア観測ネットワークを見据えた、我が国のイニシアチブによる中国、東南アジア、南アジア、中央アジア、シベリアなどにおける試験的観測。  
・国立環境研究所が沖縄・辺戸岬でO3(オゾン),CO(コバルト),VOC(揮発性有機化合物),エアロゾル、太陽放射を含む総合的対流圏大気の連続観測を行っている。   ・メガシティ、広域越境大気汚染、半球大気汚染のための観測データの集積とデータの集約。  
・国立環境研究所が波照間(沖縄県)と落石(北海道)で、エアロゾル成分濃度、NOx(窒素酸化物)、SO2(二酸化硫黄)、CO(コバルト)、オゾン、ハロカーボン(落石は予定)、炭素濃度の連続通年観測を行っている。   ・我が国の大気環境に影響のある中国における対流圏化学集中観測。 ・中国における大気化学集中観測
・海洋研究開発機構が中国、ロシアでO3(オゾン),CO(コバルト)などの連続観測を行っている。   ・中国・東南アジア/インドでのVOC(揮発性有機化合物)の測定。  
  ・対流圏大気化学観測用の航空機が我が国には一機もない。国として最低限一機の中型航空機を保有し、対流圏大気観測の実施体制を整備する必要がある。 ・航空機による対流圏化学成分三次元分布の観測システムの立ち上げ。  
  ・アジア大陸上における航空機による大気微量成分の垂直分布の観測が行われたことがない。    
・大気ラジカルの測定技術が開発され、大気中での実測が可能となった。ただしその装置は高価であり大型である。 ・装置の小型化によるHOx,ラジカルの自動連続測定技術の開発。ハロゲンラジカルの測定装置の開発 ・ネットワーク構築のための低コスト観測機器の開発。  
・プロトン移動反応法(PTR)による揮発性有機化合物(VOC)のオンライン型観測技術が開発され、連続観測が可能となった。 ・揮発性有機化合物(VOC)の連続測定システムの技術開発が必要である。    
・DOAS(差分吸収分光法)によるNO2(二酸化窒素),O3(オゾン),SO2(二酸化硫黄),HCHO(ホルムアルデヒド),HONOなどの同時成分分析観測技術が確立されている。 ・汚染地域に対してはDOAS(差分吸収分光法)によるNO2(二酸化窒素),O3(オゾン),SO2(二酸化硫黄),HCHO(ホルムアルデヒド),HONOなどの同時成分分析観測ネットワークを確立することが必要である。 ・DOAS(差分吸収分光法)によるNO2(二酸化窒素),O3(オゾン),SO2(二酸化硫黄),HCHO(ホルムアルデヒド),HONOなどの同時成分分析観測システムの構築。  

2エアロゾル、オゾン等大気汚染物質の観測
(1)観測の現状 (2)観測の空白 (3)今後3〜5年で実施すべき観測等 (4)平成19年度に実施すべき観測等
・全球をカバーするMODIS,AVHRR,GLIなどの衛星センサーによるエアロゾル観測が行われている。 ・衛星によるアジアの対流圏オゾン常時監視技術の開発が必要である。 ・衛星によるアジアの対流圏オゾン常時監視の実現へ向けての体制の整備  
・全球をカバーするヨーロッパの衛星センサー(SCIAMACHY)が現在NO2(二酸化窒素),HCHO(ホルムアルデヒド),SO2(二酸化硫黄),O3(オゾン)その他の対流圏カラム濃度を観測しており、近く更にO3(オゾン)を始め各種成分観測により精度の高いOMIが打ち上げられる予定である(対流圏短寿命化学種観測と重複)。 ・対流圏大気化学観測用の航空機が我が国には一機もない。国として最低限一機の中型航空機を保有し、対流圏大気観測の実施体制を整備する必要がある。    
・国立環境研究所が沖縄・辺戸岬でO3(オゾン),CO(コバルト),VOC(揮発性有機化合物),エアロゾル、太陽放射を含む総合的対流圏大気の連続観測を行っている。 ・アジアにはヨーロッパのEMEPに相当する対流圏大気化学観測の包括的地上ネットーワークが存在しない。特にエアロゾル・オゾンに関し、中国、東南アジア、南アジア、中央アジア、シベリアをカバーするネットワークが必要である。 ・中国におけるエアロゾル、オゾンおよびそれの前駆体物質の集中観測。 ・中国におけるエアロゾル、オゾンおよびそれの前駆体物質の集中観測。
・国立環境研究所が波照間(沖縄県)と落石(北海道)で、エアロゾル成分濃度、NOx(窒素酸化物)、SO2(二酸化硫黄)、CO(コバルト)、オゾン、ハロカーボン(落石は予定)、炭素濃度の連続通年観測を行っている。
・国立環境研究所がエアロゾルライダーの観測ネットワークを我が国の数地点、中国の数地点で展開している。
・海洋研究開発機構がプロジェクトべースのO3(オゾン),CO(コバルト),ブラックカーボンなどの通年観測を中国・ロシアで展開している。
・東京大学などが中国におけるエアロゾルの共同観測をプロジェクトベースで行っている。
・気象庁が全球で衛星によるエーロゾル全量の観測(30分〜1時間毎)を行っている(気象庁)
・気象庁が全国17箇所と岩手県綾里でそれぞれエーロゾル全量とエーロゾル鉛直分布の観測(1日3回)を行っている。・MODIS,AVHRR,GLIなどの衛星センサーによるエアロゾル観測が行われている。
     
・エアロゾル質量分析装置(AMS)などによるエアロゾル成分の連続測定装置が開発されている。 ・エアロゾルの吸湿特性、光学的性質の測定技術の開発が必要である。 ・エアロゾルの吸湿特性、光学的性質の測定技術の開発。 ・エアロゾルの化学組成と吸湿特性の実験室測定および野外観測。
・エアロゾル粒径分布の長期連続観測技術の開発。 ・エアロゾル粒径分布の長期連続観測技術の開発。  
・有機エアロゾルの酸化過程の実験室的測定技術の開発。    
・個々のエアロゾル粒子の化学組成がより明確にわかるような単粒子測定技術の開発。 ・個々のエアロゾル粒子の化学組成がより明確にわかるような単粒子測定技術の開発。  
  ・航空機による雲粒子の粒系分布の観測。 ・航空機による雲粒子の粒系分布の観測。  
  ・降水中のブラックカーボン(BC)の観測。 ・降水中のブラックカーボン(BC)の観測技術の確立とネットワーク観測。 ・降水中のブラックカーボン(BC)の観測技術の確立。
・気象庁が全国3箇所(札幌、つくば、沖縄)及び南極昭和基地で、オゾンの鉛直分布、気圧、気温、風向・風速の観測(週1回)を行っている。 ・対流圏オゾンライダーの開発と実用化。    

3オゾン層の動態解明の観測
(1)観測の現状 (2)観測の空白 (3)今後3〜5年で実施すべき観測等 (4)平成19年度に実施すべき観測等
・国際的にはTOMS,OMI,MLS,MIPASなどの衛星搭載センサーがオゾン層の動態解明の観測を行っている。 ・オゾン全量、鉛直分布観測ともに、東南アジア、南米、アフリカ、特に赤道域が空白地帯となっている。 ・左記空白域におけるオゾン層回復の検出に関するオゾン全量、オゾン鉛直分布観測。特に、シベリア、東南アジアでの観測の充実。また、オゾン破壊物質であるClO(一酸化塩素),HCl(塩化水素),ClONO2(硝酸塩素)などの観測項目の充実。 ・オゾン及び微量ガス濃度の全球分布を計測するためのISS/JEM搭載用サブミリ波リム放射サウンダ(SMILES)の開発を継続
・WMOのオゾン全量及びオゾンゾンデによる鉛直分布観測が主に北半球中緯度域において実施されている。   ・熱帯上部対流圏、下部成層圏における水蒸気気球観測。
・中緯度水蒸気気球観測。
 
・国際的にはNDSC(成層圏変化検出ネットワーク)が世界約80箇所で、レーザーレーダー、マイクロ波(ミリ波)、放射計、フーリエ変換赤外分光計(FTIR)、可視/紫外分光計などを用いて多様な気体成分や気温などのパラメータを観測している。我が国ではつくば(国立環境研究所)、陸別(名古屋大学)、母子里(名古屋大学)においてNDSCの一環としての観測がなされている。   ・極域下部成層圏における水蒸気濃度とPSC(Polar Stratospheric Clouds;極域成層圏雲)の気球および遠隔観測。  
    ・気候変動による影響を解明するための上部対流圏・中間圏における気温の観測。  

4成層圏における物質輸送の長期継続的観測
(1)観測の現状 (2)観測の空白 (3)今後3〜5年で実施すべき観測等 (4)平成19年度に実施すべき観測等
・WMOのオゾン全量及びオゾンゾンデによる鉛直分布観測が主に北半球中緯度域において実施されている。(オゾン層の動態解明の観測と重複)
・国際的にはNDSC(成層圏変化検出ネットワーク)が世界約80箇所で、レーザーレーダー、マイクロ波(ミリ波)、放射計、フーリエ変換赤外分光計(FTIR)、可視/紫外分光計などを用いて多様な気体成分や気温などのパラメータを観測している。我が国ではつくば(国立環境研究所)、陸別(名古屋大学)、母子里(名古屋大学)においてNDSCの一環としての観測がなされている。(オゾン層の動態解明の観測と重複)。
・東南アジア、南米、アフリカ、特に赤道域が空白地帯となっている。 ・ミリ波・サブミリ波、レーザーレーダー、FTIRを備え気球観測によって補完されたNDSCタイプの地上観測体制の整備(特に極域、熱帯域、アジア域)  

5海洋環境変動の長期観測
(1)観測の現状 (2)観測の空白 (3)今後3〜5年で実施すべき観測等 (4)平成19年度に実施すべき観測等
1.太平洋熱帯域で約70基の係留ブイ網(JAMSTEC・NOAA)により日々の海上気象(風速・湿度等)と表層水温・塩分をリアルタイムに取得。 ・熱帯域の係留ブイ観測に関しては、インド洋では東部赤道域に日米で数基設置されたのみで、空間的にほとんどが空白域。このためCLIVAR/GOOSで検討し国際協力により約40基のブイ網を構築する計画が提案された(1.、2.)。 ・インド洋熱帯域・太平洋熱帯域での係留ブイ網の構築と維持、特にインド洋では沿岸国との協力関係の構築。 ・インド洋への係留ブイ展開の強化。
2.インド洋では、中・東部熱帯海域にJAMSTECが2基、NOAAが4基の係留ブイを設置し、太平洋と同様にデータを取得中。 ・アジアおよび環太平洋諸国との海洋観測研究の協力体制の整備、特にチリ、インド
3.表面から2,000メートルまでの水温・塩分を10日毎に測定するフロート3,000個を全海洋に展開する国際Argo計画が進行中。日本は太平洋を中心にJAMSTEC、気象庁等により300台が展開稼働中。 Argoフロートはかなり展開したが、測定項目はほとんど水温・塩分であり、二酸化炭素等の化学系データが不足している。今後、Argo等の自動観測装置に搭載可能な化学センサーの開発が必要(3.、1.、2.、5.、6.)。 Argo計画の当初の展開計画の完遂と、それをベースとした測定項目、観測深度等の増強による新たな自動観測への発展。 Argo計画達成のためのフロート展開の維持・強化。
4.全海洋、約50本の大洋縦・横断線上で、海面から海底にいたる全層での高密度・高精度の繰り返し船舶海洋観測(水温・塩分・酸素・二酸化炭素・CFC(フロンガス)・C14等)が国際枠組み(CLIVAR/Carbon Hydrographic Program)で進行中。日本ではJAMSTECが中心となって主として太平洋で5本の観測を実施。 ・2,000メートル以深での観測データが、海洋再解析の観点から絶対的に不足しており、船舶観測の推進と同時に、深層で使用可能な自動センサー類とそれを搭載する装置の開発(4.、5.、6.、3.)。 ・大洋横断型高精度船舶観測計画(CLIVAR/Carbon Hydrographic Program)に基づく大洋横断型高精度船舶観測の実施、海色とプランクトン等の生物学的項目の付加。 ・大洋横断型船舶観測の実施。
5.西部北太平洋で、JAMSTEC、水産研究センターが中心となって亜表層係留と船舶高精度観測による生物地球化学データ(二酸化炭素、有機物粒子束)を時系列として取得中。   ・北太平洋亜寒帯高基礎生産海域における地球生物化学観測のための低価格の係留系の開発と国際枠組みの構築。
・自動観測を可能とするための新たな化学センサーおよびフロートの開発。
・新たな生物地球化学観測係留系の開発。
6.北極海域では国際枠組みの中でJAMSTECが中心となり自動観測ブイの氷上設置による気象・海象データ(風速、気温、水温、塩分、流速等)と、船舶による海洋観測から化学的データ(栄養塩、14C)を取得中。 ・主としてArgo等の自動観測システムのためのデータバッファリングと伝送手法の開発(例:氷海域では、融氷期までの観測装置内へのデータ蓄積技術、あるいは衛星を経由しないリアルタイムデータ転送技術の開発が必要となる)(6.、3.、1.、2.)。 ・主としてArgo等の自動観測システムのためのデータバッファリングと伝送手法の開発(例:氷海域では、融氷期までの観測装置内へのデータ蓄積技術、あるいは衛星を経由しないリアルタイムデータ転送技術の開発が必要となる)。  
7.古環境復元のため、主に西部北太平洋においてコアを採集中。 ・古海洋でのプランクトン群集構成データ(海洋酸化イコールocean acidulationの実証データとなる)(7.) ・特に浅海域(補償深度以浅)での堆積物コアサンプリング。  
1〜5の取得データについては、それぞれの枠組みにおけるデータセンター(NOAA/JAMSTEC、Argo Global Data Center、CDIAC Deta Center、CLIVAR Global Hydrographic Data Center)およびJAMSTEC DMOで品質管理、公開、配付されている)。   以上の項目に加え、これらで構成される地球環境観測の戦略をさらに高度化、効率化するために、「観測システム」の一部として、海洋再解析に代表されるデータ統合システムが必要。  

6人為的海洋汚染の広がりの解明
(1)観測の現状 (2)観測の空白 (3)今後3〜5年で実施すべき観測等 (4)平成19年度に実施すべき観測等
・環境省において地球環境研究総合推進費としてバラスト水関連の研究レベルで実施 ・現在実施されている観測は研究レベルがほとんどで、中長期観測に至っていない。 ・既に地球環境研究総合推進費等で欧米に先駆け開発されている手法があり、早急に北太平洋および日本海において観測を始める必要がある。 ・POPs条約評価のためにも早急に広域観測を開始すべき。
・水産庁が有機スズの定点調査および総合評価法を研究レベルで実施。ダイオキシンの魚介類への蓄積調査を実施。 ・観測項目は極限られている。  
・ロシアとの共同研究で日本海における観測の予定がある。 ・内海や極至近の沿岸域のみであり、外洋域などは観測例が少なく、欧米に大きく見劣りがする。 ・欧州連合として広域観測の実施が始まっており、太平洋沿岸域(北太平洋)でもアジア、北米間で共同観測を実施すべき。

7人為的汚染物質の生態系への影響の把握
(1)観測の現状 (2)観測の空白 (3)今後3〜5年で実施すべき観測等 (4)平成19年度に実施すべき観測等
・環境省の地球環境研究総合推進費において研究レベルであるがバラスト水の生態系への影響の調査を実施中。 ・海産生物の越境移動の実態把握はほとんど実施されていない(研究レベルで極限られた海域のみ) ・研究の成果をもとに、早急に日本沿岸域における海洋生態系の実態把握が必要  
・水産庁がダイオキシン類の国産および輸入魚介類への蓄積実態調査を実施。 ・海産ほ乳類への影響は捕獲が難しいこともありほとんど実施されていない。    

前のページへ 次のページへ


ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ