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(RR2002 中間評価票)
(平成16年8月現在)
(プロジェクト名) ナショナルバイオリソースプロジェクト
(プロジェクトの概要)
 ライフサイエンス研究の基盤となる生物遺伝資源(バイオリソース)及びそのゲノム情報については、国の戦略的な目標に基づき、実験動植物(マウス等)、ヒト細胞、各種生物の遺伝子材料等を対象に、体系的な開発・収集・保存・提供を行う体制の整備確立を図る。

1 中核的拠点整備プログラム
 ライフサイエンス研究に不可欠な生物等の収集・保存・提供又は開発を行うために、生物種等の対象ごとに拠点を整備する。
2 情報センター整備プログラム
 中核的拠点において整備されるバイオリソースの所在情報や各リソースの遺伝情報等を集約し、それらの情報を提供するセンター機能を整備する。
3 この他、関連してゲノム解析を実施する。

 なお、平成16年度概算要求に係る総合科学技術会議の優先順位付けヒアリングにおいて、本プロジェクトは「S」評価を受け、国として重点的に推進すべき施策となっている。

(プロジェクトの必要性、有効性)
 我が国の科学技術政策の基本的な方向性を定めた「科学技術基本計画」(平成13年3月閣議決定)において、生物遺伝資源を含む知的基盤の重要性が指摘され、同計画の具体的な推進方策を示した「分野別推進戦略」(平成13年9月総合科学技術会議)において、生物遺伝資源の収集、供給等の機能は、長期間にわたり継続することが必要であり、国家として対応することが必要であることが指摘された。このような指摘を踏まえ、知的基盤整備計画(平成13年8月科学技術・学術審議会答申)において、我が国における生物遺伝資源が欧米と比較し、質については遜色ないものの、量に関しては大きく遅れている現状を踏まえ、「国が重点的かつ主体的に整備すべきバイオリソースについては、2010年時点で世界最高水準の目標を達成する」ことが提示された。これにより、同方針に基づき、平成14年度より「ナショナルバイオリソースプロジェクト」が開始された。
 本プロジェクトにおいて対象となるバイオリソースとは、研究開発のための材料として用いられる生物系統、集団、個体、組織、細胞、DNA、さらにはそれらから生み出された情報である。「リソースなしに研究はない」ことは明白であり、我が国のライフサイエンス研究開発を発展させるには、その基盤となるバイオリソース事業の充実を図る必要がある。
 なお、リソースの有用性の一層の向上を行うために、各リソースの事情を考慮し、優先度の高いものについては、新たに戦略的・集中的にゲノム解析(BACライブラリー※・cDNAライブラリー整備、それらの塩基配列情報解析)を行う必要がある。

(プロジェクト終了時の目標、またそれを評価する指標等)
 「国が重点的かつ主体的に整備すべきバイオリソースについては、2010年時点で世界最高水準の目標に達する」という戦略的な目標を視野に入れつつ、平成18年度における保存数・提供数を設定し、年次計画に基づき、各リソースの体系的な整備を行う。
(研究の成果と課題、目標の達成状況)
 本プロジェクトにより、収集等されたリソースを利用して、我が国独自の研究を推進し、国際的なイニシアティブの確保、新薬探索・先端医療が効果的に実現できる体制が着実に構築されつつある。
 各リソース毎に固有の事由があり、画一的な評価はできないが、各リソース毎に各年度毎に設定している収集・提供等の目標値を毎年概ねクリアしており、順調に推移している。この状況で推移すれば、「2010年時点で世界最高水準の目標を達成すること」という目標が見えてくる。平成15年度における24リソースの収集及び保存の平均実績はいずれも当該年度の目標を100%達成している。
(今後見直しが必要と考えられる点)
 本プロジェクトにおいて、リソースの数量だけでなく、質の面でも2010年時点で世界最高水準の目標を達成するため、各リソースの特性に十分配慮しながら、今後の収集・保存・提供体制を持続的に行えるような長期的ビジョンを確立することが重要である。
 現時点で利用者が多く有用性の明確なリソースに加えて、将来の有用性を期待できるリソースや散逸の恐れのある日本独自のリソースにも配慮し、我が国の独自性のある知的基盤として適切に整備する必要がある。
 プロジェクトのフォーメーションについては、分散型で実施している機関については、効率化と合理化を図りつつ、可能な場合は中核拠点への集中化を進める必要がある。
 ユーザーである研究者のニーズを的確に把握し、有効な成果を挙げられるようリソースの付加価値を高める等の工夫を図り、リソースの提供体制の高度化を図る必要がある。
 国際的には、海外と対等な立場でやりとりできるようなリソースを整備しつつ、日本の役割を明確にし、我が国独自のリソースの発信や内外の研究機関との協調関係を更に推進することが重要である。
 情報整備プログラム等における広報活動の一層の充実を図るとともにシンポジウム開催等を通じて、本プロジェクトの理解・普及を深める努力が必要である。
 本プロジェクトの適正なかつ透明性の高い運営を図るとともに、ライフサイエンスの将来の動向を見据えたリソース整備を行うために、推進委員会を広い視野と専門性の両面において強化する必要がある。
(評価結果)
 ナショナルバイオリソースプロジェクトは、バイオリソースの収集・保存・提供等を行いつつ、バイオリソースの質・量の向上により、実験結果の再現性や定量性を確保し、ライフサイエンスの発展に寄与するものである。特に、我が国の研究成果に基づいたリソースの整備に焦点を置いている。当該プロジェクトの最終目標である「2010年時点で世界最高水準」に到達するための橋渡しとして、平成18年度(2006年)において戦略的・体系的にバイオリソースの整備等を行うことを目標としており、目標の設定は妥当である。
 研究実施体制については、個々の生物種の特性に応じ、最適な集中型と分散型のバイオリソース事業の両方をバランスよく保つことが必要であることから、積極的な実施体制の合理化・効率化を図るべきである。また、現在も海外へのリソースの提供も含め国際協調を推進しているが、今後一層国内外の連携強化に努めるべきである。
 また、ゲノム解析は、世界的な潮流であり、バイオリソースに高い付加価値を与えるものであり、予算措置を含め、積極的な推進を図るべきである。
 当該プロジェクトのより高い水準での成果により強固な基盤を構築し、分子生物学の分野をはじめとするあらゆる研究分野の促進と創薬や先端医療の発展に寄与することが大いに期待されるため、今後ともプロジェクトの推進を積極的に図るべきである。
 最後に、バイオリソースの整備においては継続性が重要であるため、国際的動向も視野に入れた長期的な展望に立ち、我が国のライフサイエンス研究・バイオ産業の活動を安定的かつ効果的に支える知的基盤、すなわち生物遺伝資源の更なる向上のため、本プロジェクトの実績を踏まえた国としての検討を進めることも肝要である。
※BACライブラリー: ヒトやマウスなどのDNAなどをBAC(バクテリア由来のベクター)で複製する際に使用するライブラリ(DNAを断片化したものの集合体)のこと。

ナショナルバイオリソースプロジェクト(PDF:38KB)


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