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研究計画・評価分科会(第60回) 議事録

1.日時

平成29年2月8日(水曜日)15時~18時

2.場所

文部科学省3階3F1特別会議室

東京都千代田区霞が関3-2-2

3.議題

  1. 部会等からの報告について
  2. 研究開発計画(案)について
  3. 研究開発課題の評価について
  4. その他

4.出席者

委員

大垣分科会長、佐藤分科会長代理、有信委員、栗原委員、甲斐委員、春日委員、結城委員、渡辺委員、安井委員、北川委員、三島委員、田中委員、李家委員、山口委員、小川委員、小林委員、五十嵐委員、高梨委員、長谷山委員、土井委員

5.議事録

【大垣分科会長】  定刻でございますので、ただいまから、第60回科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会を開催いたします。
 第8期の本分科会も今回で終了となりますが、本日は、部会からの報告、研究開発計画の最終取りまとめ、個別の研究開発課題の評価と、盛りだくさんであります。予定している時間が3時間と長丁場でございますが、進行状況を見ながら、17時頃をめどに休憩を一度とる予定でございます。議事の進行のぐあいで、少し早くなるかもしれませんし、若干遅くなるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
 議事に入る前に、配付資料等について、事務局から説明をお願いします。

【國分企画評価課課長補佐】  初めに、事務局に人事異動がございましたので、御紹介いたします。科学技術・学術政策局企画評価課長、松岡謙二でございます。

【松岡企画評価課長】  松岡です。よろしくお願いいたします。

【國分企画評価課課長補佐】  それでは、定足数について、御報告いたします。長谷山先生は、15分程度遅れて到着されるとの連絡が入っております。研究計画・評価分科会の委員・臨時委員25名のうち、現時点で19名に御出席いただき、科学技術・学術審議会令第八条第1項に定める、定足数である過半数を満たすことを御報告いたします。
 続きまして、資料についてです。本日の資料は、机上配付資料として「アウトプット指標・アウトカム指標について」というものが1枚、その下に座席表、その他議事次第の裏に記載されているとおりでございます。議題の番号に合わせまして、資料1から資料3までを御用意しております。また、そのほかの机上配付資料といたしまして、資料集、緑の表紙のものと、研究開発方策のドッチファイル、「平成29年度予算(案)の概要」、この3冊を御用意いたしております。過不足等ございましたら、議事の途中でも結構ですので、事務局までお知らせください。
 以上でございます。

【大垣分科会長】  よろしいでしょうか。
 それでは、議事に入ります。議題(1)、部会等からの報告についてであります。本日は、地球観測推進部会と研究開発評価部会から報告がありますが、質疑の時間はまとめて最後にとりたいと思います。
 それでは、まず、地球観測推進部会の部会長として、実は私ですが、「Society 5.0の実現に貢献する地球観測」について、御報告を申し上げます。資料1-1を御覧いただきたいと思います。
 まず、1の背景でありますが、我が国では、平成16年に総合科学技術会議が策定した「地球観測の推進戦略」に基づいて、地球観測事業を推進しております。その後、全球地球観測システム(GEOSS)を推進する、地球観測に関する政府間会合(GEO)の新しい10年計画への対応を見据えるとともに、CSTI環境ワーキンググループで実施した進捗状況のレビューを受け、平成27年8月に課題解決型の地球観測を推進することといたしました「今後10年の我が国の地球観測の実施方針」というものを策定したわけでございます。
 地球観測は、地球や自然及び人間社会に対する包括的な科学的理解と社会的課題解決のための基本データを与えるもので、社会的な共通基盤として観測の継続性が重要であり、それにより社会的課題の解決に貢献し、社会的・経済的価値が生まれるものであります。
 地球観測推進部会では、このような背景の下、各省庁の平成28年度の地球観測の実施計画を取りまとめるとともに、今回、地球観測の重要性について、提言を取りまとめたものであります。
 次の2の項目でありますが、地球観測の社会的重要性について、二つの観点から取りまとめを行っております。一つ目は「Society 5.0」実現への貢献と民間との連携、もう一つは国際的な重要性であります。「Society 5.0」は、経済的発展と社会的課題の解決を目指すものであり、経済的発展への貢献の例として天候インデックス保険の開発を挙げておりますが、地球観測データを用いた民間との連携や、防災・減災、社会インフラの整備といった社会的課題の解決に必要となる基本的なデータを提供するのが、地球観測であります。このことから、「Society 5.0」の実現に地球観測が不可欠なものであることを記載しております。また、SDGsや「パリ協定」など、地球規模の課題解決のためには、一国で取り組むことは困難であり、地球観測においては国際的な連携の重要性が増していることを記載しております。
 以上をまとめて、3ページ目では提言として4点を挙げております。3の提言の1点目でありますが、CSTIにおいて、地球観測の重要性を踏まえ、次期「科学技術イノベーション総合戦略」に、地球観測に関する研究開発や観測の実施、観測データの利用、人材の育成に十分な予算を確保することを盛り込んでいただきたいということにしております。2点目は、各省庁や関係機関において、政策として地球観測に着実に取り組むとともに、地球観測の社会や経済への貢献をより分かりやすく示して、国民理解の獲得に努めていただきたいこと。そして、諸外国の取組も参考に、産学官の連携の下、利用の拡大に向けた具体的活動にも注力していただきたいということであります。3点目は、データ統合・解析システム(DIAS)は、「科学技術基本計画」に掲げられた11のシステムの一つである「地球環境情報プラットフォーム」の中核であり、システム間の連携の推進により、各省庁の有する地球環境データの登録や、民間企業等も含めた幅広いユーザーによる利用をより一層推進する必要があることを示しております。4点目として、地球観測に関する政府間会合(GEO)の本会合が2018年に日本で開催されることを受け、文部科学省をはじめとする関係省庁はGEOの戦略的活用を一層推進し、我が国の地球観測データの地球規模課題解決への利用、DIASを通じた地球観測データの提供により、諸外国のデータ公開促進などの取組を強化するべきであることを述べております。
 これら4点を提言としてまとめております。本分科会や地球観測に関係する委員会・部会等におかれましても、本提言に御留意いただければ幸いでございます。
 説明は、以上でございます。
 それでは、今度は司会としてですが、次に、研究開発評価部会から、御報告をお願いいたします。

【有信委員】  それでは、研究開発評価部会の報告です。1月10日に開催いたしました第57回研究開発評価部会において、平成28年度科学技術戦略推進費による実施プロジェクトの評価について審議し、評価結果を決定いたしました。また、「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」の改定についても審議し、部会として改定案を決定しましたので、それぞれ御報告申し上げます。
 最初に、資料1-2-1を御覧ください。平成28年度科学技術戦略推進費による実施プロジェクトの評価結果についてですけれども、昨年7月に本分科会で御報告申し上げました科学技術戦略推進費及び科学技術振興調整費による実施プロジェクトの評価の進め方に基づいて、部会の下に評価対象プロジェクト等の専門分野・領域の専門家及び有識者で構成する三つの評価作業部会を設置し、三つのプログラムにより実施した4プロジェクトについて、同作業部会からの報告案を踏まえて審議をいたしました。それぞれの評価結果の概要としては、3ページに記載してありますとおり、4プロジェクト中、1プロジェクトがS評価、2プロジェクトがA評価、1プロジェクトがB評価となり、これを評価部会として決定いたしまたので、御報告申し上げます。
 次に、「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」の改定についてであります。資料1-2-2及び1-2-3を御覧ください。昨年12月に「国の研究開発評価に関する大綱的指針」が改定されたことを受けて、「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」の改定について、研究開発評価部会で審議を行い、改定案を決定いたしました。
 まず、資料1-2-2のローマ数字1に基づいて、今回の大綱的指針改定のポイント3点について、御説明申し上げます。
 まず、1点目は、これは前回もそうでしたが、研究開発プログラム評価に関して、これをより実効性を持って更に推進するという点であります。これについては、政策目的の実現に向けて必要な活動を組み合わせた研究開発プログラム単位での評価を推進するということが、改めて強調されています。あわせて、目的達成までのシナリオを示した、ここでは「道筋」と言っておりますけれども、これを研究開発プログラムごとに作成し、研究開発プログラム単位での政策実施や評価の実効性を向上するという点が、新たに盛り込まれたものであります。
 2点目は、アイデアの斬新さと経済・社会インパクトを重視した研究開発の促進という点であります。これについては、「第5期科学技術基本計画」の内容を踏まえて、挑戦的な研究開発の評価においては、果敢な挑戦を促進し、ハイリスクであることを前提とした評価を行うことや、長期にわたる研究開発の評価においては、一定の期間ごとに目標の再設定や計画変更の要否を確認するということ、それから、研究開発の実施主体の長のマネジメント力や体制を評価に適切に反映するということなどが、新たに盛り込まれた点であります。
 3点目は、研究開発評価に係る負担の軽減という点であります。これについては、研究開発プログラム評価を政策評価と一体的に取り組むことで効率化を図るとともに、評価結果の活用や共有を促進するということなどが、新たに盛り込まれています。
 今申し上げましたような点の大部分については、文部科学省の研究開発評価指針、これは、前回、分科会及び総会で様々な議論を頂きましたが、この大規模な改定の際に既に盛り込まれている事項であります。今回の指針改定に向けた総合科学技術・イノベーション会議の検討においても、文部科学省から文部科学省の指針の内容を紹介し、文部科学省指針の要素が大綱的指針に反映されているという、こういう状況になっています。したがって、今回、新たな大綱的指針に基づく評価をできる限り迅速に実施するとの観点から、改定された大綱的指針と整合性を確保する点を中心に、改定案を取りまとめております。具体的な改定のポイントについては、資料1-2-2のローマ数字2及び資料1-2-3を御参照ください。
 まず、1点目として、研究開発プログラム評価に関しては、本格実施に向けて、従来、特筆事項の一つとして、「試行的・段階的に進めていく」とされていたものを、研究開発施策評価に関する記載と統合して対象別事項の一つに位置づけるとともに、目的達成までのシナリオをお示しした道筋設定の追加などを行っております。
 2点目は、「第5期科学技術基本計画」等を踏まえた記載の充実に関してであります。まず、チャレンジングな研究の評価に当たっては、直接的な目的の達成度に加え、研究開発プログラム全体として得られた成果の大きさなども積極的に評価する。それから、長期間にわたる研究開発においては、一定の期間ごとに目標の再設定や計画変更の要否を確認する。研究開発の実施主体の長のマネジメント力を評価に適切に反映する。さらに、研究開発活動に加え、産学官連携活動、オープンサイエンスへ取組等の関連する活動にも着目する、というような点の追加を行っております。
 次に、3点目として、研究開発評価に係る負担の軽減の観点から、過去を振り返ることや評価対象のランク付けに注力することにとどまるのではなく、改善策や今後の対応などに重点を置くなど、評価結果を政策・施策等に生かしていく旨を追加しております。
 本改定案については、本日の研究計画・評価分科会でお認めいただければ、次回の科学技術・学術審議会総会の議題とさせていただきたいと考えております。その上で、文部科学省において改定案を早期に取りまとめていただき、研究開発評価の現場で活用していただきたいと思っております。
 報告は、以上です。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御報告及び地球観測推進部会からの報告について、御質問等ございますでしょうか。いかがでございましょう。
 どうぞ。

【五十嵐委員】  御説明、ありがとうございました。まず、地球観測の方ですが、このような提言をされて、具体的には、今後、どういうところでどういう形で研究計画の中などに入ってくるのか、既に決まっているようなことがあれば、教えていただきたいというのが、一つ目の質問です。
 二つ目は、研究評価の方ですが、指針について、私がこの分科会の委員になりましたときに「ハイリスク」という言葉に非常に違和感がありました部分が、「挑戦的(チャレンジング)な」という言葉に入れ代わっていて、私としてはとてもよかったと思いますが、部会でそれについて何か御議論があったとすれば、ちょっとその辺をお聞かせ願いたいと思います。大変申し訳ないですが、質問2点、よろしくお願いいたします。

【大垣分科会長】  それでは、地球観測。これはCSTIにインプットされるものと理解しておりまして、そのような形で具体的な政策に移っていくと考えておりますけれども。
 事務局の方から、説明をお願いします。

【橋爪科学技術・学術戦略官】  「挑戦的(チャレンジング)な」という言葉にした経緯でございますが、これは、CSTIの方の大綱的指針の改定の際に、「ハイリスク」というより、「チャレンジングな」ということで捉えて、その構成要素としては、やはりリスクも高かろうと。ただ、それによって得られるインパクトというか、成果も非常に大きなものだという議論がございましたので、むしろ同趣旨のことを書いております文科省の指針の方を新しく大綱的指針の書き方に合わせていただいたという状況でございます。

【大垣分科会長】  ちょっと中途半端ですが、よろしいですか。

【五十嵐委員】  分かりました。

【大垣分科会長】  ほかにはよろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。なお、研究開発評価部会からの報告事項につきましては、次回、第9期の科学技術・学術審議会の総会において報告することとなりますけれども、総会事務局から、第8期の分科会長から報告するようにという依頼がありましたので、私の方から報告させていただきます。
 次に、議題(2)でありますが、研究開発計画(案)についてに移ります。研究開発計画は、今年度、各委員会及び本分科会で議論を重ねてきましたが、本日で本分科会としての最終取りまとめとなりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、最初に、事務局より説明をお願いいたします。

【國分企画評価課課長補佐】  事務局からは、本日、3点、御説明申し上げます。1点目が研究開発計画の概要、2点目が研究開発計画の冒頭の研究開発計画の策定に当たっての部分、3点目が第6章の研究計画計・評価分科会における研究開発評価の在り方でございます。
 それでは、資料2-1を御準備いただければと存じます。こちらは、研究開発計画の概要をまとめたものでございます。今回、研究開発計画の最終取りまとめということで、研究開発計画とは何ぞやということが1枚で分かるようなものがあった方がよろしいかと思いまして、1枚にまとめさせていただきました。
 1の策定の目的でございますけれども、主に基本計画の第2章及び第3章に関する研究開発課題に対応するため、計評分科会において重点的に実施すべき研究開発の取組ですとか、推進方策等を明らかにするために作るもので、広く国民及び関係者に明らかにしまして、効果的なフォローアップや政策評価とともに政策マネジメントサイクルに資するものとすることを目的としております。
 研究開発計画の対象期間及び内容ですけれども、今後10年程度を見通し、おおむね5年程度を計画の対象期間としたものであるということ。研究開発課題に対する目標ごとに、重点的に推進すべき研究開発の取組、研究開発の企画・推進・評価を行う上で留意すべき推進方策を取りまとめたものであるということ。あと、先ほど評価部会の方から御説明ございましたけれども、「国の研究開発評価に関する大綱的指針」の改定を踏まえまして、研究開発評価の新たな取組等を記載したということになっております。
 3の研究開発計画の構成ですけれども、こちらには、研究開発計画の章立てを文部科学省の施策目標と一致させまして、評価結果が政策評価に反映できる構成としたことなど、本計画の特徴も記載させていただきました。この中で特に四つ目の計評分科会における研究開発評価の在り方につきましては、後ほど詳しく説明いたしますけれども、大綱的指針の改定等を踏まえた評価とした内容としておりますことを書いてございます。
 最後に、4の今後の取組として、具体的な評価方法の検討、評価時期ですとか、俯瞰(ふかん)的名評価方法をどうするのかといったこと、適切なアウトプット指標・アウトカム指標の継続的な検討ということを挙げさせていただきました。
 また、裏には、研究開発計画の構造が分かりやすいように、ポンチ絵を付けてございます。
 ここで概要の説明は終了いたしまして、資料2-2を御準備いただければと存じます。
 前回、11月に開催いたしました計評分科会のときの研究開発計画を見え消しで修正したものでございます。
 1枚おめくりいただきますと、目次がございます。私ども事務局が担当しましたところは、「はじめに」を修正しました研究開発計画の策定に当たっての部分と、次のページの最後、第6章の研究計画・評価分科会における研究開発評価の在り方でございます。また、こちらの目次につきましては、最終的に、ページが確定しましたら、点線の端に数字を入れ込む予定でございます。
 次に、3ページ目を御覧いただければと存じます。こちら、「はじめに」から「研究開発計画の策定に当たって」に修正しましたのは、前回の計評分科会におきまして、安全・安心科学技術及び社会連携委員会(安連委員会)の小林主査から、同委員会が作業部会を設置して検討されました、社会との連携・関係深化に係る各分野に共通する課題につきましては、研究開発計画の冒頭などにまとめて記載する方が分かりやすいのではないかというような御提案がございましたためで、安連委員会さんと私ども事務局で検討し、このような形にさせていただきました。
 具体的にどこにそれが書かれているかと申しますと、3ページの一番下のパラグラフ、最後のパラグラフでございます。こちらに、「研究計画・評価分解では、本研究開発計画の策定に当たって、研究開発に携わるすべての個人・組織は科学技術と社会との関係がこれまで以上に重要性を増していることを踏まえ、研究開発は、社会からの信頼の上に成り立っており、社会との価値観の共創が重要であることを認識しつつ研究開発を推進することに留意することとした」と、記載させていただきました。この後に具体的な内容が書かれてございます。次の4ページの上から6行目までが、安連委員会さんに記載いただいたところでございます。
 また、今回の研究開発計画には第6章に評価の在り方を盛り込みましたことから、4ページの中段の方にその旨を書かせていただいております。
 続きまして、ちょっと飛ぶのですけれども、64ページを御覧いただけますでしょうか。第6章の研究計画・評価分科会における研究開発評価の在り方でございます。こちらは、昨年12月に改定されました「国の研究開発評価に関する大綱的指針」を踏まえまして、研究開発評価部会の有信先生や栗原先生、評価関係の事務局にも大変お世話になりながら、作成いたしました。構成といたしましては、ローマ数字1の基本的な考え方、次の65ページのローマ数字2の対象別評価の実施の二つから成ってございます。
 ローマ数字1の基本的な考え方では、1に策定の背景を記載させていただきまして、2に計評分科会で行う評価はこの2種類であるということを書いております。マル1としまして中目標を単位とする研究開発プログラムの評価、マル2としまして以前から実施しております重点課題の評価、ということを書かせていただきました。その上で3に、評価の改善への新しい取組として、研究開発プログラム単位での評価と政策評価との関係について、記載いたしました。特に3の(1)の研究開発プログラム単位での評価につきましては、「研究開発計画に掲げた中目標を「研究開発プログラム」として、俯瞰(ふかん)的な評価を新たに行うこととする」としました。その際、分科会が所管する内局予算による個別の研究開発課題の評価結果に加えまして、当該中目標に係る国立研究開発法人の行う研究開発課題の評価結果――こちらは国立研発法人評価の結果等を用いて行います。あるいは、政策評価における事前分析表等を活用しまして、中目標達成のための研究開発の取組全体を総合的に評価すると、記載させていただきました。こちらは、前回11月の本分科会で今後の評価の在り方として俯瞰(ふかん)的に評価するようにしたいと提案させていただいた内容がここに記載されている形になります。政策評価との関係ですけれども、研究開発計画に掲げた中目標と政策評価における達成目標を可能な限り整合させることで、本分科会における中目標(研究開発プログラム)の達成状況の評価を政策評価に反映することにいたしました。
 次のページを御覧いただけますでしょうか。ローマ数字2の対象別評価の実施でございます。対象別評価の実施につきましては、1の中目標を単位とする研究開発プログラムの評価と、2の重点課題の評価について、それぞれ(1)で目的を記載した上で、評価の時期あるいは評価の方法等ということについては、それぞれ計評分科会で定めていくということを記載いたしました。従いまして、評価の時期ですとか方法など、詳細につきましては、第9期に入りましたら、早速、検討してまいりたいと考えております。
 最後に、65ページの下の方に3として、特に留意すべき事項を記載させていただきました。基本的には大綱的指針の改定で強調された部分を反映して記載したものでございますが、(1)の指標につきましては、本分科会オリジナルで追記したものでございます。これを追記しました理由ですけれども、ナノテクノロジー・材料科学技術分野、一度、例を見ていただいた方がいいと思いますので、ページを戻って恐縮ですが、8ページ目を御覧いただけますでしょうか。8ページの下の4行、赤で線が引いてございますけれども、評価の際には、設定した指標だけではなく、定性的な指標等の情報も含めて総合的に評価されるべきであるということから、指標の記載部分に個別にこのように留意事項として追記されておりました委員会が幾つかございました。評価に当たって指標以外の定性的な情報も含めて総合的に評価するということは、どの研究開発の評価におきましても共通に言えることでございますので、65ページにまとめて、注意点、留意すべき事項として記載させていただきました。具体的には、66ページの2行目、「ただし、定量的指標は対象の一側面を表しているにすぎないことから、各種の定性的指標等の情報も活用しつつ、総合的に評価を行う。この場合、定性的な評価がより本質的な意味を持つ場合もあるため、設定された目標値そのものが自己目的化され、本来の目指すべき状況とのかい離や望まざる結果を招かないよう、留意することが必要である」と、留意すべき事項として書かせていただきました。
 そのほか、大綱的指針の主な改定点を踏まえまして、チャレンジングな研究開発の評価、道筋の設定、イノベーションを生むためのマネジメントに係る評価等を記載いたしました。
 以上で、事務局からの説明を終了いたします。
 最後に一つ追加したいのですけれども、この後、各委員会で検討いただきました研究開発計画の本文の方に入ってまいりますが、前回、アウトプット指標・アウトカム指標につきまして議論になったところでございますので、今回も机上配付資料として、アウトプット指標・アウトカム指標の定義ですとか、例といったものを準備させていただきました。こちらを御参考にしていただければ、幸いでございます。
 以上でございます。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。
 ただいまの説明に関しまして、御質問ありましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。
 どうぞ。

【小林委員】  安全・安心及び社会連携委員会の主査の小林でございます。今、事務局から御説明いただきましたように、「はじめに」のところで全研究計画に共通の社会との連携に関する事項をまとめて書いていただいたこと、感謝いたします。それから、その委員会の中でも議論がございましたのは、評価において、特に社会との連携といったことを定量的な評価だけでやろうとすると、非常に数字が自己目的化してしまいまして実が上がらないという意見が強く出ておりました。しかしそれは、事務局の方で、今回は第6章のところで、今、最後に御説明いただいたように、ちゃんとただし書で書いていただいております。これは、第5期の「科学技術基本計画」に関しましても有識者がそういうペーパーを1枚出して指標等の自己目的化に関する戒めを書いておられますので、その精神を反映して我々も意見を申し述べたということでございます。その点で、事務局の御尽力に感謝いたします。ありがとうございました。

【大垣分科会長】  ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。どうぞ。

【田中委員】  総論的には異論がないところでございますけれども、若干、言葉狩りに近いのですが、4ページの1行目にマル5のところがございます。確かに研究開発計画自体は自然科学系が中心であることは事実であり、その中で人文社会系との連携をうたっていただいたのはいいと思うのですが、いきなりマル5の「研究者が」という表現を見ると、人文社会系は研究者ではないと読めます。少なくとも私は人文社会系の人間でございますから、これは、議事録がございますので表現は悩ましいところがございますが、若干、衣の下によろいが見えるというところがあるので、せめて、「各研究開発課題は」とか、そういうぐらいにしておいていただくべきではないかと思いました。
 以上でございます。

【大垣分科会長】  ありがとうございます。これは事務局の方で修正をしますか。

【國分企画評価課課長補佐】  はい。事務局の方で検討させていただきまして、また分科会長と主査に御確認いただきまして、最終決定したいと思います。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。
 よろしいですか。それでは、また後ほど気付いた点……。どうぞ。

【土井委員】  どうもありがとうございます。今のマル5のところで少し意味が不明なところがあるので教えていただきたいのですけど、「研究者が」というところは直したとして、3行目です。「ステークホルダー等との橋渡し人材等の育成と活用を行う」。ここでは、目指すべきは橋渡し人材の育成と活用なのでしょうか。コミュニケーションの向上を図るとともに、「橋渡し人材等」という中に何が含まれているのかというところが少し読めないのですが、少なくとも経済・社会に関して法制度の整備など考えなければいけないことがあるので、もしここで橋渡し人材というのを取り上げていただくのであれば、それと併せて法制度等の見直しなどとか加えていただくと更に良いものになるかと思いますが、いかがでしょうか。

【小林委員】  おっしゃるとおりで、これは、広くつなぐ人材というのでいろんな場面で包括的に取り上げられているので、実情としては様々なタイプの人材がいらっしゃいますので、それをできるだけカバーできるようなという御趣旨だと思いますので、私もそれに賛成いたします。

【大垣分科会長】  ありがとうございます。
 ほかに、関連して、御意見……。今の件ですか。

【栗原委員】  いえ、今の件ではなくて。

【大垣分科会長】  じゃ、ちょっとお待ちください。

【渡辺委員】  今のところ、皆さんがおっしゃる橋渡し人材というのは研究者とは別の専門家を示しているように見えるのですが、そうすると文章としておかしいと思うのです。研究者が自らそういう能力なり努力をするべきであるということを言っていると思うのですが、そう読めなくもないので、誤解のないような表現に是非見直していただきたいと思います。

【大垣分科会長】  そうですね。「、」でつながっているから……。

【小林委員】  前段はそうですね。

【大垣分科会長】  はい。それでは、事務局の方で修正をするということでよろしいですか。

【國分企画評価課課長補佐】  修文いたします。まず、案を作って、照会させていただきます。

【大垣分科会長】  ありがとうございます。
 栗原委員、どうぞ。

【栗原委員】  今回、総合的な評価ということの重要性と同時に、道筋とか、マネジメントに係る評価という、成果最大化のための体制作りや、その進め方についての評価の重要性というのがきちっと書き込まれたことは、大変良かったと思っております。ありがとうございました。

【大垣分科会長】  ありがとうございます。
 ほかにはないでしょうか。後ほどお気付きの点は、全体の質疑時間のときにお願いしたいと思います。
 それでは、委員会ごとに作成いただいている研究開発計画(案)の第1章から第5章について、説明を頂きたいと思います。今回の研究開発計画(案)は、委員会ごとに、連携できそうな委員会に対して意見出しを行い、その意見を受けて適宜修正されたもので、各委員会としての最終案となっております。
 進め方ですが、前回と同様に、第2章まで説明いただいたところで、一度、質疑の時間を設けたいと思います。
 それでは、資料2-2の見え消し版を用いて、記載順に従って、各委員会から、修正を行った点を中心に手短に説明をしていただきたいと思います。
 それでは、第1章、未来社会を見据えた先端基盤技術の強化について、担当の情報科学技術委員会、ナノテクノロジー・材料科学技術委員会及び量子科学技術委員会から、説明をお願いいたします。
 よろしくお願いします。

【北川委員】  情報科学技術委員会の主査の北川でございます。第1章のうち、情報科学技術委員会取りまとめ分について、前回からの変更点を中心に説明させていただきます。
 まず、5ページ目の下半分、(1)の中目標達成状況の評価のための指標である、アウトプット指標、アウトカム指標を修正しております。上下を大きく入れ替えておりまして、マル1として「情報科学技術分野における研究開発の論文数、論文被引用数、学会発表数」、マル2としまして「情報科学技術分野における研究開発件数、研究成果に基づく特許数、特許のライセンス供与により、事業化に至っている案件数」、マル3として「情報科学技術分野におけるソフトウェア開発、利用・提供件数」であります。一方、アウトカム指標については、マル1が「各研究機関において実施される研究開発のテーマ数・進捗状況」、マル2が「社会実装され、社会の基盤構築につながった研究開発のテーマ数」、マル3が「研究開発が社会実装されたことによる経済的・社会的インパクト」、マル4が「情報科学技術分野における国際的プレゼンス」としております。ただし、先ほど事務局から説明がありましたように、これらの指標につきましては、この分科会での議論を踏まえ、他委員会との統一のとれた指標にできればと考えております。
 次に、6ページです。(2)の中目標達成のために重点的に推進すべき研究開発の取組の部分についても、修正しております。これは他委員会からの御指摘を踏まえたもので、マル1の「未来社会における新たな価値の創出と着想の獲得に向けた研究開発の推進」の部分の、そのパラグラフの下2行に、「他分野との連携を図りながら価値創出と研究開発をスパイラルに発展させる」ということを追記しております。また、マル1のウの下3行ですが、「多様なニーズに応える革新的な計算環境を構築し、その利用を推進すること」等を盛り込みました。
 次に、7ページに参りまして、一番の上のエでございます。人間と環境の相互作用を支援する技術、ヒューマン・ロボット・インタラクション等の研究開発のシーズを発展・高度化させる点についても、追記しております。
 また、7ページの下半分から8ページにかけましてマル2というのがございますが、幅広く、環境・エネルギー、健康医療、防災等の分野で情報科学技術の実用化を見据えた研究開発についての記載をしており、適宜、委員会からの議論を踏まえて、修正しております。
 次に、少し飛んでいただきまして、17ページ以降です。ローマ数字2の研究開発の企画・推進・評価を行う上で留意すべき推進方策についてでありますが、そのうちのマル1が情報科学技術分野関連でございます。まず、17ページ一番下の(1)の人材育成については、「計算科学とデータ科学をベースとした工学教育は、情報科学技術分野だけでなく、あらゆる研究分野において研究開発力を高めていく上で重要である」ということを追記いたしました。また、18のページの6行目あたりでありますけれども、「また、ビッグデータを組み合わせて価値創造につなげられる力を持つ人材育成も非常に重要である」ということを追記いたしました。
 次に、18ページから19ページにかけてです。オープンサイエンスの推進についてでございますが、19ページの一番上あたりです。研究者だけではなく、幅広いユーザーも参画する、イノベーションの観点も付け加えました。
 次に、19ページの下にあるオープンイノベーションの部分のマル1です。「大企業や中小企業・ベンチャー企業のニーズの把握や「オープンにする価値」と「クローズのままのリスク」についても検討しながら「協調領域」と「競争領域」を設定し、大学及び公的機関等を中核とした共同の場の形成と活用を推進する」ということを盛り込んでおります。
 以上でございます。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、続いて、三島主査からお願いいたします。

【三島委員】  続きまして、ナノテクノロジー・材料科学技術分野から、変更点について御説明申し上げます。
 他の分野の委員会との意見交換の中から修正したものについて順番に申し上げますが、(1)の中目標達成状況の評価のための指標についての記述は、先ほど事務局から御説明していただいたように66ページに移りましたので、若干、文言を変えたところはございますが、目標とアウトプットとアウトカムを書き込ませていただいてございます。
 それから、情報科学技術委員会から、ナノテク・材料分野は情報科学等との融合を明記してはどうかというサジェスチョンを頂きましたので、11ページの真ん中辺、先端材料計測解析技術の開発というところに、「情報科学等も活用しつつ、」というのを加えさせていただいております。
 それから、計評分科会の事務局から、推進方策の項目の並びをそろえるために、オープンサイエンスの推進というところにナノテクも追記すべきと。これは、抜けていたということでございまして、19ページを御覧いただきますと、ナノテクノロジー・材料科学技術分野、マル2として追記してございます。「オープンアクセスと研究データのオープン化を含めたオープンサイエンスの概念は、オープンイノベーションの重要な基盤として世界中で注目されている。このような現状を踏まえ、「(6)ナノテクノロジー・材料科学技術を支える基盤の強化」に掲げるオープン/シェア/クローズド戦略も踏まえつつ、適切な産学官連携・国際連携により新たな価値の創出につなげるデータプラットフォームを構築することにより、オープンサイエンスを推進する。」、これを追記したという形になってございます。
 それから、前回の計評分科会のときに、オープンイノベーションの推進に関する記述、今のページの下から始まる、マル2のナノテクノロジー・材料科学技術分野のところでございますが、20ページの見え消しになっているところ、「物質・材料研究機構を中核として」と限定的な書き方をしたところは、もう少し開かれた形で書くべきであろうということで、「国立研究開発法人」という形に変えてございます。
 それから、21ページでございます。先ほど、冒頭でございました社会との連携の部分でございまして、真ん中辺のナノテクノロジー・材料科学技術分野のところに、「ナノテクノロジーにおける人文社会科学的視点の導入」という見出しで、「ナノテクノロジー・材料科学技術分野は、横断的・複合的な分野であるため、今後の取組について個別具体の進め方を検討する際には、人文社会科学的視点を導入し、社会との直接的接点をより強固にすることが重要である」ということで、その後、「例えば」のところは、ちょっと文言の修正をして、付け加えてございます。
 もう1点だけ、小さいところを付け加えますと、1月30日にナノテクノロジー・材料科学技術委員会を開催いたしましたけれども、そのときに、健康医療以外のライフサイエンス分野も重要なので、その分野においてナノテクノロジー・材料科学技術が貢献できることを示すべきであろうということで、10ページに戻りますが、上の方の「このようなシステムの高度化及び超スマート社会の実現には、エネルギー、インフラ、健康医療やライフサイエンス等を支える機能性材料や革新的構造材料の開発を推進し」云々(うんぬん)というところを変更させていただいた。
 以上が、ナノテクノロジー・材料分野の変更点でございます。ありがとうございました。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、量子科学は、吉川課長補佐ですか、お願いいたします。

【吉川研究開発基盤課課長補佐】  よろしくお願いします。先端研究基盤部会量子科学技術委員会事務局、吉川でございます。量子科学技術に関する点について、変更点を説明させていただきます。
 まず、14ページです。大目標達成のために必要な中目標のところですけれども、ここに注釈を書かせていただいております。「量子科学技術分野の「中目標達成のために重点的に推進すべき研究開発の取組」等については、現在、量子科学技術委員会で、これまでの研究動向など現状分析しつつ、文部科学省としてどのように研究開発を推進していくべきか検討中。このため、量子科学技術分野においては、現在までの検討状況を記載したものであり、平成29年度中に検討結果を踏まえて改定予定」としております。平成28年3月から7回にわたり具体的に、量子科学技術の国内の動向であるとか、我が国の強み、課題、推進方策を検討する上での留意事項等を委員会の中で調査・検討してまいったのですけれども、正に現在、これまでの技術を俯瞰(ふかん)した調査・検討の中間的な取りまとめをしているところでございます。これを踏まえて、第9期においても推進方策の具体化を進めていきまして、報告書を出しまして、この研究開発計画も随時更新していこうと考えております。
 続きまして、14ページ、(1)中目標達成状況の評価のための指標ですけれども、ここのアウトカム指標のところ、少し記述を変えております。もともと、「論文の創出状況及び優れた研究成果発表数」と書いていたのですけれども、論文の創出状況というのは上のアウトプット指標の論文数に入っておりますので、アウトカムの方は修正をしまして、「優れた研究成果発表に関連する論文の創出状況」と、変更をしております。
 続きまして、16ページです。下の方にイ.量子計測・センサ(物理系)とありますけれども、今回、ここを更新させていただいております。8月25日、10月7日、2回にわたって量子計測・センサは委員会の中で議論をしたのですけれども、その後、「議論の骨子案」を作りまして12月27日に委員会にて確認した、その文章をここに追記をさせていただいています。これについては、量子計測・センサは、半導体・ナノテク分野で培われた材料作製技術等、我が国の強みが多面的に発揮でき、かつ非常に波及効果が広い分野であると。あと、突出した点と点をつないで、若手研究者の多様なアイデアを基に新しい領域を開くような、ハイブリッド型の研究推進が強く望まれる典型であると。最後の部分、量子計測・センサの開発には、理論、そのほか、次のページにありますような分野など、異なる分野や技術段階の間での連携や流動性が重要。このような広がりにまたがるような基礎研究や人材育成が重要であると、指摘をしています。
 修正点は、以上です。人材育成、オープンサイエンス、オープンイノベーション等、そのところについては、毎回、委員会の議論でそれらの観点を踏まえて委員の方々に議論をしていただいていまして、中目標達成のために重点的に推進すべき研究開発の取組の各項目の中にその観点は含めております。
 以上です。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、続いて、第2章の環境・エネルギーに関する課題への対応について、環境エネルギー科学技術委員会及び核融合科学技術委員会から、説明をお願いいたします。

【安井委員】  環境エネルギー科学技術委員会の安井でございます。第2章、24ページでございますが、ここは大目標が三つございます。まず、24ページから参りますと、ここの部分は、エネルギーとCO2を最終的に、「パリ協定」の言う、今世紀末にはゼロにするにはどうするかといったような、大目標でございます。それの達成のための中目標といたしまして書かれておりますが、ここは環境が絡んでおりますので社会との連携性が非常に高いので、アウトプット指標・アウトカム指標がその下に出てまいりますが、文系の先生方は、例えば論文を書かれると、それだけでアウトカムになる可能性があるので、それでアウトカムの方に入っていたのですが、一応、ほかの分科会と合わせまして、普通の書き方に直してございます。それが、24ページの下の方でございます。
 25ページもそれでございますが、(2)の真ん中あたりから下あたりでございますが、先ほど同じような御報告がございましたが、理研と物材研だけではないということでございまして、いささか官僚的修正でございますが、「等」を入れさせていただきました。
 次は、大目標[2]になりまして、29ページまで飛んでいただきたいと思います。大目標[2]は、最先端のスパコン等を用いました気候変動予測と、それから、予測したデータを、ダウンスケーリングと言いますけれども、いろんな地域に適用してみて、そこの適応策、気候変動に対してどうやって、例えば農業を変えるか、そんなものに使うといったところでございます。そういった大目標達成のための中目標といたしまして、30ページに参りますけれども、一つはやはり、データをどのように扱うかというのが鍵でございまして、そういった意味で、ここにDIASというデータ統合解析システムが入っていたのでございますが、重複しているのではないかという御指摘を頂きましたので、そこを取り除きまして、後半の方で一本化をしたという修正がなされておる次第でございます。
 次は、31ページでございます。ここのプラットフォームのところも、後の方にまとめて書いたということになります。
 31ページの一番下に、3番目の大目標がございます。ここは、情報絡みといいますか、「Society 5.0」に関わるようなところでございまして、そこの大目標達成のために必要な中目標に関しましては、先ほどのアウトプット指標でございますけれども、ここも若干書換えをいたしておりまして、DIASに新たに格納されたデータセット数といったような形を少し明示した形にさせていただいたということでございます。
 あとは、オープンサイエンス絡みの話が34ページにございますけれども、ここは、オープンサイエンスの一般的な記述に合わせさせていただいたという形で、かなり大幅な変更がなされている部分かとも思います。この辺、核融合のあたりは全部、次に御担当の方がお話しになると思います。
 最後は、37ページまで飛んでいただきまして、国際連携のところでございます。国際連携は、IPCCの第6次のAR6というのが2020年めどに公表予定でございますので、それに対する貢献というようなことを考えて書かれておるところでございますが、そこに関しましても、国内を見ても様々な省庁が絡むものでございますので、余り変わっておりませんけれども、そこを強調したような形になっている次第でございます。
 変更は、以上でございます。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、小川主査、お願いいたします。

【小川委員】  それでは、核融合科学技術委員会で前回の計評分科会において頂きました御意見に基づいて加筆・修正を行いましたので、御説明いたします。
 核融合分野に関しましては、24ページ、第2章の環境・エネルギーに関する課題への対応の大目標[1]に含まれ、具体的には、中目標は26ページのところから始まります。順を追って、修正点をコメントさせていただきます。
 26ページの(1)中目標達成状況の評価のための指標についてですが、核融合分野については分野の特性から他分野とはやや観点の異なる指標を設定していますので、その説明として、「核融合エネルギーの実用化という明確な目標があるため、その実現に向けて、本計画実施期間中に達成すべきマイルストーンを指標とした」旨を明記いたしました。
 次に、指標自体の内容に関しまして、アウトプット指標・アウトカム指標それぞれに、マル5として社会連携の指標を追加いたしました。具体的には、アウトプット指標としましては「社会との協働・共創により」云々(うんぬん)ということですし、次のページに行きますと、アウトカム指標としましては「社会との連携強化が進み、核融合炉の安全性への理解も含め」云々(云々(うんぬん))という文章でございます。
 その後に続く中目標達成のために重点的に推進すべき研究開発の取組の部分については、前回から修正はありません。
 続きまして、しばらく飛びまして、33ページでございます。IVの研究開発の企画・推進・評価を行う上で留意すべき推進方策の(1)の人材育成の核融合分野の部分に関しまして、社会とのリスクコミュニケーションといった観点からの人材育成も重要ではないかというコメントを頂きましたので、その旨を追記いたしました。
 続きまして、34ページの(3)のオープンイノベーション(産学官連携)の推進に関しましては、その次のページのところで、本委員会において、広がりのある連携が期待されていることから個別の研究機関を挙げるのはどうかという御意見がありましたので、そういった部分を削除し、実績としての具体的な連携内容、「ITER等の大型核融合実験装置の製作を中心として」云々(うんぬん)と、記載させていただきました。
 続きまして、36ページの(5)の社会との関係深化においてでは、マル2のところに、核融合の実現には多くの時間やコストがかかるという、いわば等身大の姿をはっきりと示すことも必要であるということから、その旨の文言をここに追加させていただきました。
 続きまして、37ページの(6)の国際連携に関しましては、マル2の核融合科学技術分野のところに、新たに文章を追加いたしました。ここでは、ITERをはじめとして、これまでの実績と経験を踏まえ、更に戦略的な国際連携を展開していく必要があるという趣旨で記述させていただきました。
 以上が、核融合科学技術分野の研究開発計画(案)についての御説明でございます。
 以上です。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、第1章、第2章、御説明を頂いたところのですので、ここまでについて、御意見、あるいは御質問等ありましたら、お願いしたいと思います。各委員会の修正された点を中心に、お願いいたします。
 佐藤委員。

【佐藤分科会長代理】  ちょっと細かなことですけれども、指標について気になる点がございます。情報科学技術委員会のアウトプット指標でございますけど、見え消し版の5ページです。これのマル1に、論文数に引き続いて論文被引用数も書いてあるのですけれども、論文被引用数というのはアウトカムの方がいいのではないかと思います。机上配付資料を見ますと、アウトプットには論文指標みたいなもので、アウトカムは被引用数とかいう感じだと思うので、ちょっとそれについてコメントしました。
 それからもう一つ、同じく情報科学技術委員会のアウトプット指標のマル2です。「特許のライセンス供与により、事業化に至っている案件数」とありますけれども、これもアウトカム指標の方がよろしいのではないかと思います。机上配付資料の整理を見ますと「アウトプットによって、その受け手に、研究開発活動実施者が意図する範囲でもたらされる効果」と書いてありますので、これに当たるのではないかと思うのですけど、いかがでございましょうか。

【大垣分科会長】  ありがとうございます。
 どうぞ。

【栗原参事官(情報担当)付専門官】  事務局でございます。先ほど情報科学技術委員会の北川主査から御説明ありましたとおり、これらの指標につきましては、この分科会での議論を踏まえまして、他の委員会と統一をして、アウトカムにすべきという御判断があれば、そちらの方に移したいと思います。アウトプットは直接、論文数、学会発表数等、出るものであって、先ほど御指摘あったように、ライセンス供与数であるとか、被引用数とか、その結果として出てくるものはアウトカムの方に統一するというような記載で検討したいと思います。

【大垣分科会長】  よろしいでしょうか。
 ほかにはいかがでしょうか。1章、2章についてです。どうぞ。

【渡辺委員】  3点あります。まずは、19ページの(3)のところですけれども、「オープンにする価値」と「クローズのままのリスク」と書いてあるのですが、これだけですと、オープンは全ていいこと、クローズは全て悪いことを検討しましょうと見えます。「オープンにする価値とリスク、クローズのままの価値とリスク」とすべきです。なぜなら、両方ともそれぞれ、いいところとリスクを持っているわけですから、それを書いて、科学的に、客観的に検討していただく必要があると思います。
 次は、21ページのナノテクノロジーのところです。ここに「ナノテクノロジー・材料科学技術分野は、横断的・複合的な分野である」と書いてあり、その後に「人文社会科学的視点を導入し」とあります。せっかく横断的・複合的な分野であるということですので、ほかの分野との横串を差すような機能をきちんと発揮していくことが大事で、ナノテクノロジーだからできることですので、そういう点を入れていただいた方がいいと思います。
 それから3点目は、27ページの核融合のところです。アウトカム指標のマル5で「核融合炉の安全性への理解も含め」となっているのですが、これですと、従来と同じように、科学者が、とにかくこれはすごく安全でいいのだと、一方的に国民の方に説明するだけになってしまいます。そうではなく、国民を含めた対話を通してこういうことをお互いに理解し合っていくというような形にしていただいた方がいいと思います。
 以上です。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。

【北川委員】  19ページのオープンとクローズドのそれぞれの価値とリスクを考えた方がいいというのは、そのとおりだと思いますので、修正する方向で対応したいと思います。

【小川委員】  核融合も、今御指摘の点、そのとおりだと思いますので、対応させていただきます。

【三島委員】  ナノテク・材料で御指摘の21ページのところ、横断的・複合的な分野であるため、今後のというよりは、横串を差すような形で考えるというようなこと、確かにそのとおりだと思いますので、ちょっと検討をさせていただきますが、尾西さんはいらっしゃるかな。

【尾西参事官(ナノ)付参事官補佐】  ナノテク・材料委員会事務局の尾西でございます。渡辺先生の御指摘の点ですけれども、正に御指摘のとおりでございまして、我々の方としましては、ここのところでは特に人文社会科学のところで安全・安心委員会さんの方からの御指摘を踏まえてこのように修正させていただきまして、一方、ほかの分野との融合ということに関しましては、23ページのところに別途、我々のところは重要であるという認識の下に、(9)の分野融合の推進という形で、新たな節といいますか、項目を設けさせていただきまして、この部分に、「幅広い分野の基盤技術となるナノテクノロジー・材料科学技術は、他分野との融合を図ることで新たなブレークスルーをもたらす可能性がある」と、そういった形で分野融合の重要性という点で訴えさせていただいてございますので、そういった観点で、ここに入っているのかなと、我々、考えてございますけれども。

【大垣分科会長】  よろしいですか。
 ほかには。どうぞ。

【土井委員】  細かいことで恐縮ですけれども、5点、6点だったかな? あります。
 1点目は、11ページのナノテクのところで、新しく情報科学ということを入れていただいて、ありがとうございます。ただ、ほかのところでも情報科学技術としているので、「情報科学技術等も活用しつつ」としていただいた方が、表記として合っているのかなあと考えます。

【大垣分科会長】  済みません、たくさんあるようですので、1個ずつやっていきましょうか。

【土井委員】  はい。

【三島委員】  これは、情報科学技術とすべきであろうと思いますので、訂正いたします。

【大垣分科会長】  続けて。

【土井委員】  次は、量子に関しては3点ありまして、1点目は14ページです。先ほど御説明あって、アウトカム指標を直していただいたのですが、逆に分からなくなってしまったのですけど、「優れた研究成果発表に関連する論文の創出状況」というのは、まず、優れた研究成果発表があるというのがあって、それに関連して論文がどう出ているかということですね。それがどうしてアウトカムなのか分からなかったというのが、1点目です。
 2点目は、16ページの下から6行目のところです。「若手研究者の多様なアイディアを」云々(うんぬん)で「強化が強く望まれる典型。」となっていて、これは、計画というものに対する書きぶりだとすると、少し違うのかなあと思いました。
 3点目は、その次のページで、17ページです。同じように書きぶりで恐縮ですが、2段落目の下から2行目あたり、「推進が適切ではないか。」と。これも質問になっていて、研究計画の書きぶりとしては少し適切ではないかなあというふうに思いましたが、いかがでしょうか。3点です。

【大垣分科会長】  お願いします。

【吉川研究開発基盤課課長補佐】  事務局より、御説明いたします。
 まず、1点目、アウトカム指標のところの「優れた研究成果発表に関連する論文の創出状況」。これは、アウトプットの方で論文数というのがあるのですけれども、論文としてはたくさん、いろいろなレベルのものが出ていると。アウトカム指標の中で、例えば、Top10%論文であるとか、Top1%論文、そういうものがありますけれども、出した論文の中でも優れたものということを表現する形でこのように書いているのですけれども、「優れた研究成果発表に関連する論文の創出状況」というのは、Top10等プラス、例えば、こんなすごい技術が開発されて、こういうことに展開ができますよと、いろいろなプレス発表というのもあると思うのですけれども、そういうものも含めた形でここは書いていると理解していただければと思います。
 2点目と3点目は同じだと思うのですけれども、「適切ではないか。」という疑問形であるとか、「典型。」と言って、取組の記述としてはちょっとそぐわないということだったのですが、今、量子科学技術委員会の中で、各項目、例えばこの部分ですと、量子計測・センサという一つの項目に焦点を当てて委員の方々に議論をしていただいて、それの骨子をまとめて、その中で推進方策の検討に当たって留意すべき事項というのをまとめているのですけれども、今の段階では、そこでまとめた骨子案というのをここに転載させていただいております。最初にちょっと御説明させていただきましたように、今、「中間取りまとめ」というのを作ろうとしております。これまで委員会の中でしてきた議論、毎回、骨子を作ったやつをまとめて、今後、どういうふうに推進方策を検討すべきか、具体化しないといけないというような記述になっていくと思うのですけれども、それをまとめた上で、この研究開発計画の方も記述等は改めて、記載ぶり等をまた更新していきたいと考えております。

【土井委員】  2点目、3点目は了解しましたが、1点目は、ほかの分野は例えば「Science」「Nature」に載りましたというのをアウトカム指標は挙げていないので、ここも、そういう意味では、先ほどの机上配付資料のアウトプット指標・アウトカム指標でもそのような書きぶりはないと思えるので、ほかにも合わせるという意味で再検討いただければと思います。

【吉川研究開発基盤課課長補佐】  分かりました。ほかの、例えばナノ・材でありますとか情報、そちらの方ともできるだけ横串を通した形で、記載ぶりというのは検討させていただきたいと思います。

【土井委員】  済みません、あともう1点、いいですか。

【大垣分科会長】  今の論文の創出の「論文」というのは、本人が書くのではなくて、ほかの論文が創出されるという意味じゃないのですか。

【土井委員】  そういう意味ですか。

【大垣分科会長】  いや、そうならば、意味が通じる。違いますか。要するに、分かりやすく書かないと……。

【吉川研究開発基盤課課長補佐】  被引用のことも含んでいると考えています。

【大垣分科会長】  被引用のことですよね。だから、そう書いてもらった方が……。

【土井委員】  それは引用論文ですか。

【大垣分科会長】  違うの? ちょっと日本語が。

【吉川研究開発基盤課課長補佐】  この表現でいろんな成果というのをまとめた形で記載をしようとしていたので、そこがいろいろと誤解を招くところだと思いますので、記載ぶりについては検討をさせていただきたいと思います。

【大垣分科会長】  お願いします。
 それじゃ、続いてどうぞ。

【土井委員】  済みません、最後の1点です。核融合のところで、27ページです。アウトカム指標のマル5はアウトプットに対応するように書いていただいているのですが、アウトプットの方ではなかった言葉がここに入っていまして、「原型炉開発に向けた社会の理解と支援の基盤」と、逆にアウトプットよりも範囲が限定されているというのは、アウトカム指標としてはそぐわないのがなあと。なので、ここは「原型炉開発」というのは除いてもいいのかなと思うのですが、いかがでしょうか。

【小川委員】  ある意味では「核融合開発に向けた」という言葉でもいいのですが、後半はどちらかというと原型炉というところもあるから残したいのですけれども、原型炉に限らないで、「核融合開発に向けた」というのでもいいかもしれないですね。事務局、それでよろしいでしょうか。

【野田核融合科学専門官】  はい。

【小川委員】  「核融合開発」という形で一般論にしたいと思います。ありがとうございました。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。土井委員、もうよろしいですか。

【土井委員】  以上です。済みません。

【大垣分科会長】  ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、第3章に行きたいと思います。健康・医療、ライフサイエンスに関する課題への対応について、ライフサイエンス委員会からお願いいたします。

【村松ライフサイエンス課課長補佐】  ライフサイエンス委員会の事務局の村松と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 38ページ目からが、第3章となってございます。修正点を中心に、御説明させていただきます。
 まず、40ページ目でございます。4ポツの大目標達成のために必要な中目標のところのアウトカム指標を修正してございます。こちらは、ちょうど今年度から事業が変わっておりまして、事業の実施のターゲットが変わっておりますので、それに伴って修正等を行っております。
 また、同じく40ページ目の下の方でございますが、5ポツの大目標達成のために必要な中目標のアウトプット指標とアウトカム指標のところでございますが、用語が不適切というような指摘が委員会でございましたので、修正してございます。
 また、42ページ目でございます。(5)社会との関係深化という項目のところでございますが、ほかの委員会等からの御指摘等を踏まえまして、「研究公正の確保に向けた取組や国民の適切な理解を深める取組を推進する」と。その上で、「また、再生医療等の本分野における倫理的・法的・社会的課題(ELSI)については、研究開発の状況と人文社会科学的視点なども踏まえながら検討を進める」ということを追記させていただいてございます。
 また、その下の(6)健康・医療分野に限らない生命科学分野の推進についてというところでございます。こちらは、これまでの他分野のところでも言及がありましたとおり、他分野との融合研究の重要性ということを御指摘いただいておりますので、情報科学技術分野、ナノテクノロジー・材料科学技術分野などとの融合研究の推進の必要性を記載するとともに、その2行下の行になりますけれども、基礎研究の重要性について改めて委員会の方でも議論がありましたので、ここに追記をさせていただいております。
 ライフサイエンス委員会については、以上でございます。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、続いて、第4章、安全・安心の確保に関する課題への対応について、防災科学技術委員会からお願いいたします。

【田中委員】  43ページを御覧ください。主な変更点を上から順番にお話ししていきたいと思います。
 まず、大目標達成のために必要な中目標のところは、前回も付けておったのですが、若干、社会との接合を考えて、観測というよりは、社会が求めているのは予測力だろうなあというようなことで、「予測力」「予防力の向上」に変えさせていただきました。
 それから、アウトプット指標で、これはほかのところと接合があるのかどうかわからないのですが、防災というのは効果がなかなか見えにくいところなので、効果の手法の開発とか定量化を目指すということで、今までの話だと、若干、アウトカムの方がいいのかなという気もしながら見ておりましたが、付け加えさせていただきました。
 それから、次のページは若干細かい話でございますので、45ページを御覧ください。これについても非常に細かいところで、中段ぐらいに「将来発生する大規模地震による」というところがございますが、元来は既に観測されたものを再現するというのが一つでありますけれども、社会が求めているのはそれを一歩超えて予測だろうというので、予測に踏み込ませていただきました。その後の部分は、手法の開発ということで、先ほどのアウトプットの話と絡んでくるところでございます。
 それから、46ページの大目標達成のために必要な中目標の括弧のところは、「対策」と書いてあったのですが、若干これは分かりにくいということもございましたので、社会の対応力を向上するということで、受け手の方も含めて書かせていただきました。
 それから、(1)の中目標の指標のところで、「冗長性を持つ」という表現をとらせていただきました。実は情報通信の方から冗長性というものが大事なので全体に書き込んでくれないかという御要請がございましたけれども、それはそれで情報通信の方で受けていただき、我々は、特にこの中で防災として突っ込むとするとモニタリングの冗長性であろうということで、そこの表現を少し変えさせていただくことで対応させていただきました。
 それから、大きなところでいきますと、50ページになります。(5)の社会との関係深化というところで、これはかなり大胆に書かせていただいていて、要するに、「上流(理学・工学的なハザード研究)から下流(災害対応、リスクコミュニケーション)」というような表現をとっていたのですが、上下というのは若干よくないのではないかという、安心・連携からの御指摘もございました。また、ソリューションというのを社会が求めているはずだから、そこをもうちょっと書いた方がいいのではないかとか、幾つかの御指摘を頂きましたので、「社会との関係を深化させるためには、研究者は基礎研究の重要性に留意しつつも社会が求める解決法を研究開発する努力が必要であり、災害対応、リスクコミュニケーションの観点から理学・工学的なハザード研究の進め方を考える姿勢を徹底することが必要である」というところで残させていただきました。
 あとは、大きな変更点はございませんが、幾つか、ほかの委員会からも御指摘いただきまして、ありがとうございました。特に、幾つか具体的な連携の案は頂いていたのですが、余り個々の組織名を挙げるのも全般的にはばかられるということがありましたし、それから、防災というのは一種の応用で、エネルギーとかも一緒だと思いますが、社会との接合点を、ある意味では我々は受皿になっているところがございますので、個別要素技術のブレークスルーは我々にとっては大前提になっておりますので、あちらこちらにその辺をちりばめるということで対応をさせていただきました。
 以上でございます。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、続いて、第5章の国家戦略上重要な基幹技術の推進について、航空科学技術委員会と原子力科学技術委員会から、説明をお願いいたします。
 まず、航空、お願いします。

【坂本宇宙開発利用課課長補佐】  航空の事務局の方から、説明させていただきます。51ページからが、第5章になります。まずは航空の方になります。大きな、ポイントとなる変更点だけ、説明させていただきます。
 真ん中の方、アウトプット指標、マル1として、括弧書きで「JAXAが実施している共同/委託/受託研級数の観点も含む」と、こういうような記載をさせていただきましたが、これは後ほど、アウトカムと併せて説明をさせていただきます。マル2については、用語を明確化しただけですので、説明は省略させていただきます。
 アウトカム指標、マル1、「航空科学技術の研究開発における連携数(JAXA、企業等との共同/受託研究数))ですが、もともとこのアウトカム指標については、社会に大きな影響を与える、インパクトのあるものを挙げるということで、我が国の航空産業発展、国際競争力強化に直結するためには、企業が力を持つ、技術力を高めるということが重要であろうということから、企業との連携数を重視して、アウトカム指標は設定させていただきました。ただ、航空の方の委員会でいろいろ議論をしていく中で、必ずしも企業だけでなく、社会にインパクトを与えるものとして、例えば防災関係ですね。総務省消防庁の方では、D-NETシステムと言われる、大規模災害においていかに救助ヘリを効率的に運航させ、一人でも多く要救助者を救う、命を助けるための取組が、研究開発を行ったことで、今、導入されているわけですけど、そういうのも非常に社会的に大きなインパクトがあるのではないのかと。そういうのも拾えるようにする必要があるという観点から、「企業等」と、具体的なことを明記するのは今の時点では難しいので、「等」というような表現を追記させていただきました。あと、共同研究だけでなく受託という部分も同様に、これは、受託すれば当然、最後は企業などに還元されるわけですから、受託研究というのも当然含まれるということで、追記させていただきました。
 ただ、そのような議論をしていく中で、一つ、入れる、入れないで議論をしたのは、大学というものが残っております。大学については、確かに大学の技術レベルが上がるというのは非常に好ましいことであるものの、大学というのはあくまでも基礎・基盤的な研究と人材育成をメーンとしていることから、これは直ちに社会にインパクトを与えるものではなく、アウトカム指標として入れるのはどうかということで、事務局としては、これは含めないという判断をしております。ただ、そのような中で、そもそも大学との連携を軽視していると誤解を招く可能性もあったことから、そういうことがないように、アウトプット指標において、括弧書きですけど、JAXA単独ではなくて、その中で、大学も含めてですけど、連携しているものはすべてカウントし、しっかりとアウトプットの中の評価としていくことで、大学との連携数というのもフォローしていきたいということから、ここで記載をさせていただきました。
 続きまして、アウトカム指標のマル2ですが、これは、「JAXAライセンス」という単語がちょっと分かりにくかったので、具体的な表現として知的財産、例えば特許だとか、そういうふうに用語を明確化したものでございます。
 大きな変更点としては、あとは60ページになります。(4)の知的財産・標準化戦略という項目になります。マル1が航空科学技術分野ですけど、今までの記載ですと、「このため」以降に具体的な記載を書いていたのですが、標準化戦略、国際標準の話しか記載をしてなくて、いわゆる知的財産戦略というのは詳しい説明が全くなかったということで、これは、委員の指摘に基づきまして、記載をさせていただいております。具体的には、ポイントとしては、61ページに記載したとおり、オープン・アンド・クローズド戦略、具体的には協調領域と競争領域を踏まえて権利と秘匿というのを適切に使い分けるということが大事ということで、記載しております。もう少し踏み込んだ文章として、国内の企業や研究機関同士ではオープンにして我が国の国際競争力を高めて、国外に対しては秘匿というような戦略という書き方も検討したのですが、残念ながら航空の分野に関しては必ずしもそうではなくて、欧米の一番手の企業に対して欧米の二番手の企業が激しく争っている中で日本の企業がどっちかに付いているということで、必ずしも国内・国際だけで協調・秘匿という区分けではないということから、これ以上の書きぶりはできないということで、このような表現とさせていただいております。
 あと、61ページにも見た目大きな変更はあるのですけど、これは、単に項目を移しただけで、内容が変わっているわけではありません。
 変更点は、以上になります。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。
 次に、原子力の山口主査、お願いします。

【山口委員】  それでは、原子力科学技術委員会の方の修正点、御説明いたします。
 まず、54ページを御覧いただければと思います。大目標達成のために必要な中目標ということで、ここでは「福島第一原子力発電所の廃炉やエネルギーの安定供給・原子力の安全性向上・先端科学技術の発展等」と明示的に書きまして、その中のアウトカム指標として、「被引用数Top10%論文数」、こちらをまず、54ページ、55ページにありますが、削除してございます。それは、福島第一原子力発電所の事故を踏まえた安全性向上のための取組等は、その成果を図る指標としては、こういうTop10%論文数というものよりも、プラグマティックな実績にどのような成果が進み、社会から理解が得られたかというものであるので、むしろこういう数値が自己目的にならないようにという趣旨でございます。それから、55ページに、「必要な研究基盤の検討、整備」ということが書いてございます。これは、この原子力科学技術の分野で研究基盤の重要性が多々指摘されるところでございまして、これを定性的観点として加えたということでございます。
 次に、56ページを御覧ください。マル4、高速炉の研究開発です。こちらは、昨年12月に原子力関係閣僚会議におきまして、高速増殖原型炉「もんじゅ」に関する取扱い方針が決定されました。ポイントは、「もんじゅ」の運転は再開せずに、新しい役割で位置付けるということ、それから、「常陽」の再稼働というものに取り組むというところでございまして、それを踏まえた記載の修正がこちらでございます。
 次に、そのページの一番下、3ポツです。こちらは、先ほど研究基盤のお話をいたしましたが、原子力分野の研究・開発・利用の基盤についてということでございます。こちらのアウトカム指標、57ページになりますけれども、「広聴・広報・対話活動について社会から受けるフィードバック」というものを消してございます。これは決して後退ということではなくて、むしろ、そのほかの上に書いてあるアウトカム指標がきちんと得られるということの前提として、こういう問題があるという認識でございます。これにつきましては、61ページの(5)の社会との関係深化というところでこういった趣旨のものは書いてございます。そういうことで、むしろこういうベースとなる取組として捉えるべきであろうという認識を持ってございますので、アウトカム指標としては削除したということです。
 58ページを御覧いただきたいと思います。核不拡散・核セキュリティに資する技術開発等ということで、これは日本の技術が国際的にも非常に高く評価されている重要な部分でございます。これにつきましては、もともとは62ページの(8)に書いてございました。ここは留意すべき推進方策の一つとして書いてあるわけでございますが、技術開発そのものであるので、ここに書くよりも、むしろ(2)の研究開発の取組のところで書くべきという御指摘もありまして、こちらに移動させたということでございます。
 次に、61ページを御覧ください。上から二つ目のパラグラフ、マル2のところは文言の修正です。それから、下から二つ目のパラグラフ、社会との連携強化というところは、先ほども御説明しましたが、ここの中でも文言を少し改めてございます。改めたポイントは、従来は立地地域からの理解と信頼を得るというような形で書いてあったわけでございますが、むしろフィードバックを受けつつ進めて信頼を得ると。フィードバックを受けるということと、理解と信頼を得るというところの順序といいますか、位置付けを入れ替えたという修正です。
 それから、62ページの上から二つ目のパラグラフ、マル2の原子力科学技術分野というところで書いてございますが、これは、63ページ、最後に国際的取組というところで書いてあったものを、(6)の国際連携という中に移動したというものでございます。
 同じく62ページ、一番下のセキュリティに資する技術開発は、先ほど説明しましたとおり、研究開発の取組の方に移動させました。
 以上でございます。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、これまでの御説明に関しまして、御意見、御質問等ありましたら、お願いしたいと思います。先ほどと同様に、前回からの修正部分や、研究開発計画全体についても、御意見をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
 どうぞ。

【甲斐委員】  細かいことで、済みません。社会との関係深化をあちこちに書いてあるのですが、その場所で、ステークホルダーとの密接な連携をとって、対話をして、対応するというふうに、どこでもステークホルダーという言葉が使われているのですが、ほかのところはいいのですけど、50ページの、災害対応、リスクコミュニケーションに対して用いられている、「各ステークホルダーと密接に連携し」の相手が、ちょっと違和感があるのですね。航空科学技術分野での開発でステークホルダーと対話をして、協働してという場合は、利害関係というか、企業とか、相手は、社会とは言いつつ、お金を出している人と対話をするという感じで分かるのですけど、災害の地域に行ってステークホルダーと密接に連携しって、この場合はちょっと違うのではないかなと思うのですね。地域社会とか、あるいは行政機関ですよね。だから、そういうふうに言った方が分かりやすいのではないかなと思いますので、毎回同じ言葉ではなくて、それに相応した言葉を使っていただけたらいいかなと思いました。

【大垣分科会長】  ありがとうございます。

【田中委員】  ここでは、もちろん企業さんも入っていますし、コンビナート防災も含めて考えれば、いろんなステークホルダーはいると思うのですね。そういう面では必ずしも間違っているとは思いませんけれども、それは、広く地域というので拾えるかもしれませんので、ちょっと検討させていただきますが、趣旨としては、ここからは住民と行政の1対1の防災じゃ駄目でしょうということが背景にあるというのは、御理解いただければと思います。

【大垣分科会長】  よろしいですか。
 ほかには。どうぞ、渡辺委員。

【渡辺委員】  今のこととも少し関連することですが、42ページのところです。医療・ライフサイエンスの社会との関係深化についてですが、ほかのところではほとんど、対話をしましょうとなっているのですけれども、ここはまだ、「国民の適切な理解を深める」となっています。国民が理解していないのが進まない理由だと見えるので、ここも対話を促進すると、特に医療・ライフサイエンスに関心ない方はいらっしゃらないと思うので、どういうことが求められているのかを科学者が知るという観点も入れていただきたいと思います。
 次は、57ページの原子力のところです。アウトカム指標としてフィードバックを削除しますという話だったのですが、これより上のところを見ると、フィードバックに関するものは何もないので、これはむしろ残した方がいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

【大垣分科会長】  ありがとうございます。最初のところは、22ページですか。

【渡辺委員】  42ページです。

【村松ライフサイエンス課課長補佐】  ライフサイエンスの部分だと……。

【大垣分科会長】  お願いします。

【村松ライフサイエンス課課長補佐】  対話という観点が抜けておりましたので、御指摘を踏まえて、修正させていただく方向で主査の永井先生と相談させていただきます。

【大垣分科会長】  42ページの上から3行目あたりですね。

【渡辺委員】  そうです。

【大垣分科会長】  失礼。それから、50ページですね。

【渡辺委員】  57ページです。

【山口委員】  原子力の方でございます。

【大垣分科会長】  お願いします。

【山口委員】  御指摘いただいて、どういうものかと考えるところですが、少し説明をさせていただきますと、マル1は、研究開発等の推進の進捗状況で、具体的な技術開発等がどういうふうに進むかということ、マル2は規制との関係が書いてありまして、マル3は法人評価の話で、そういうものと比べると、広報に関するフィードバックというものは、少し視点が違うというところもありますし、アウトプット指標の方を見ますと、論文あるいは研究成果報道等発表数ということでして、具体的に科学技術の開発というものがどういうふうに進んで評価されているかという視点で選んでいるということです。社会からのフィードバックというのは非常に重要な視点ということはそのとおりだと認識してございますが、アウトカム指標としてほかのものと並べると、少し性質の違うものかなと。逆に、マル4のこういうフィードバックがないと、上のマル1からマル3が非常に貧弱なものになると考えての判断です。ちょっとそのあたり、また御意見を頂ければと思います。

【大垣分科会長】  いかがでしょうか。

【渡辺委員】  フィードバックがなくても、進むことはできるとおっしゃっています。技術だけを考えれば、それはできますが、原子力の今の問題は、多くの方々との関係、原子力の研究者だけで閉じないということが非常に大事なわけですから、この指標はきちんと入れていただく必要はありますし、そういうものが一つもないというのは、原子力の分野としては問題ではないかと思います。

【大垣分科会長】  今の?

【高梨委員】  はい。違う分野ではあるのですけど、第2章の核融合のあたりでも、技術の話があった後に、社会との対話とか、そういうような項目が出てきてはいるのですね。ですので、レベル感とかいうのは若干違和感があるかもしれないのですけれども、入れて記載するということはいいのではないかなと感じています。

【大垣分科会長】  ありがとうございます。
 どうぞ。

【山口委員】  そういう意見を頂きましたので、定性的指標なので、どういう書きぶりにするかは、元の文言を復活させるということも含めて、その方向で考えさせていただきます。ありがとうございました。

【大垣分科会長】  フィードバックという言葉がもしかすると誤解を与えて、もうちょっと別な言葉の方がいいのかもわかりませんね。それじゃあ、検討するということで。
 どうぞ。

【土井委員】  2点ございます。1点目は、今も話題になりました42ページのライフサイエンスのところです。細かいことですが、下から3行目のところで、国立研発理化研、これは特定ですよね。あと、航空ではJAXAと書いてあり、原子力では原子力機構と書かれているので、それはほかのところと表記を合わせていただくのがいいのかなあと思いました。
 2点目は、49ページの防災です。(3)のオープンイノベーションの推進のところの2行目から3行目にかけて「災害発生時の産官の事業継続能力」と書かれていますが、「学」は入ってなくていいのでしょうかという話と、あともう一つ、その次の「産業界への経済的波及効果の増大をめざして」、これは災害発生時ではないのですね。災害発生時とは関係なく、どういうときの経済的波及効果なのかというのが、ちょっとこの書き方だと不明なので、教えていただきたいのですが。

【田中委員】  そうですね。ちょっと考えさせていただきます。私も大学の防火・防災部長をやっておりますので、立場上、ちょっとまずいかなと思っていますが、「学」だと全て入ってきてしまいますので、その辺は検討させてください。
 それから、2点目の方に関しては、何を言っているか若干分かりにくいというのは御指摘のとおりだと思いますので、少し表現を工夫させていただきたいと思います。結局、マイナスだけではなくて、単なるコスト競争だけではなくて、もうちょっとプラスに働くような方向もあるだろうしということも含めてだと思いますので、そこは少し検討させていただければと思います。ありがとうございます。

【大垣分科会長】  ほかにはいかがでしょうか。

【栗原委員】  前の委員会で、基盤の領域を後段の方の課題解決型の研究計画に対してもどう融合していくのかを書き込んでいただきたいとお願いしたと思うのですが、今回、いろいろなところに非常に基盤のとの関係を書き込んでいただいたのは、大変よかったと思います。基盤の方だけが、課題解決、解決と言っても、両方向に融合していかないと思いますので、大変有り難いです。事務局としては大変御尽力になったと思いますので、お礼を申し上げたいと思います。
 細かいことですが、先ほどのナノテクノロジーに関しては、医療・健康だけではなくてライフサイエンスという言葉が入ったのは、ナノバイオという言葉もあって、医療・健康だけじゃなくて、広い意味での生命科学に役に立っているという意味でも、これは非常に大事な点だったと思いますので、それに対しても、よかったと思っています。
 以上です。

【大垣分科会長】  ありがとうございます。
 ほかには、御意見、御質問、よろしいでしょうか。
 それでは、ただいま御審議いただいた研究開発計画(案)につきましては、頂いた御意見を基に事務局において修正し、担当委員会の主査と私とで確認した上で、本分科会として決定したいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【大垣分科会長】  どうもありがとうございます。それでは、本分科会として、研究開発計画を取りまとめて、決定することといたします。
 なお、アウトプット指標・アウトカム指標については、本日も議論になりましたように、まだ精査が必要かと思われますので、実際の評価を見据えて、第9期においても本分科会で引き続き検討すべきかと思います。
 また、事務局は、研究開発計画の体裁の最終チェック等をよろしくお願いいたします。
 さらに、本研究開発計画につきましては、次回(第9期)の科学技術・学術審議会の総会において報告することになりますが、総会事務局から、第8期の分科会長から報告するよう依頼がありましたので、私の方から報告させていただくことになります。
 それでは、お約束した時間よりちょっと早いですが、休憩を少しとりたいと思います。七、八分ほど休憩をとって、4時55分から再開いたします。

16時47分 休憩

16時57分 再開

【大垣分科会長】  それでは、議題(3)の研究開発課題の評価についてに入ります。本日は、環境エネルギー科学技術委員会、ライフサイエンス委員会及び情報科学技術委員会の研究開発課題の事後評価を2題ずつ、防災科学技術委員会の研究開発課題の中間評価1題の審議を行います。各委員会において取りまとめられた評価結果(案)を資料3として配付しておりますので、これを基に御審議いただきます。
 まず、環境エネルギー科学技術委員会から2題続けて説明いただき、質疑の時間をとりたいと思います。その後、ライフサイエンス委員会、情報科学技術委員会、防災科学技術委員会の順で、同様に進めさせていただきます。また、時間が許せば、全体を通した質疑の時間を設けるという手順で進めたいと思います。
 資料は、各委員宛てに事前に送っていただいておりますので、説明は評価票の必要な部分を簡潔にお願いいたします。
 それでは、環境エネルギー科学技術委員会から、説明をお願いいたします。安井主査、お願いいたします。

【安井委員】  それでは、資料3-1-2に基づきまして発表させていただきますが、最初の目次を見ていただくとお分かりのように、環境エネルギー科学技術委員会だけではなくて、ナノテクノロジー・材料科学技術委員会と両方の名簿が出ておりますように、実を言いますと、一部分、我々は余り感知していない部分もございまして、そこはちょっと想像して報告をさせていただきたいと思います。
 事後評価票でやれということでございますので、6ページをお開けいただきたいと思います。課題名は通称DIAS-Pと呼ばれておりました地球環境情報統融合プログラムというものでございまして、御存じのように、DIASは大量の、今は27ペタバイトのストレージがございまして、ここに、例えば、地球の気候のシミュレーションのデータとか、非常に膨大なデータを全てため込んで有効活用を図ろうという、そういう意欲的なプロジェクトでございましたが、当初、志は良かったのですけど、なかなかほかの方が使うのは難しいというようなことがございまして、しかしながら、そろそろ真価を発揮し出したというのが現状かと思います。今、必要性の御説明をしておりますけれども、いろいろ高度化をし、いろんな方々に使えるようにしてきたということで、だんだん必要性は高まっていると、そういう評価でよろしいかと思います。
 有効性でございますが、やはりデータをためてみますとなかなかいろいろな使い方ができると、そういうことになってきておりまして、そこに幾つか例が出ておりますけど、JICAにもお役に立ったり、よその国にも役に立ったりといった形で、やっておいてよかったかなという形になってきているわけでございます。
 効率性でございますが、これもそういう意味ではだんだんよくなってきていると言えるのではないかと思いますが、特に、これから適応策というのを考えていかないと、地域の農業とか、そういったものが問題になってまいりますが、そういうものに有効活用されるような形になってきて、効率的な活用は望めるというような状況になっているということかと思います。
 7ページに参りまして、成果でございますが、DIASの高度化・拡張、これに関しましては、文科省系だけではなくて、他省庁からのデータも入ってきているというようなことでございまして、拡張が進んできているということでございます。次の項目、データ基盤の開発でございますけれども、一つはやはり、IPCCに対して、CMIP5というのは、同じような条件でもって各国が計算をやる、そういう枠組みでございますが、そういうものの相互比較のようなこともできるようになっているということ。あと、最終的には地域に落としていかなきゃいけないというようなことが行われつつありまして、そういった基盤開発もできているということでございます。あと、当初心配されておりました、本当に使えるのかということ。大分有効になってきましたので、これから先、どうやって長期的に運用するかといったような問題になってまいりますと、やはり使う方が使いやすいということ、ユーザーの裾野を広げて、なおかつ使っていただけるということが大きいということでございますが、最近でございますと、自治体をはじめとして、関心をお持ちの方も増えてきているということでございます。その他の成果も若干できてきているということかと思います。
 8ページの下の展望でございますけれども、「パリ協定」だけではなく、SDGs、もっと広いわけでございますが、それから、ローカルでございますが、仙台の防災とか、そういったようなものが大分実績を上げてきておりまして、先ほどGEOの話もございましたが、今後の展望といたしましては、次のページに参りますけれども、社会問題の解決のプラットフォームとして使っていけるのではないかというようなことになってまいりまして、最終的には、最後の行に書かれておりますけど、「Society 5.0」を実現するシステムとして何か形が見えてきたなと、そういう評価になりました。だんだん、初期に比べて少し良くなってきて、意義が出てきているという感じがいたします。
 次は、10ページからでございます。グリーン・ネットワーク・オブ・エクセレンスは、はっきり言って、グリーンイノベーションをやるのに、ネットワーク型でいろんなことをやらなきゃいけない。ネットワークを組み、それで研究を進め、なおかつ人材育成もやろうと、そういう欲張りなプロジェクトだったと思います。そこのあたりが研究開発の目的に書かれておりますが、ページをめくっていただきまして、14ページから事後評価票がございます。
 最初のものは環境情報分野と植物科学分野でございまして、先ほどのDIASを情報基盤といたしまして様々な連携をしていこうと、そういう話でございました。あともう一つは、CO2を減らしていかければいけないということになりますと、植物、バイオマス、今、プラスチックはほとんど石油起源でございますけど、最近はかなり植物原料になろうともしているように見えますので、そういった植物を原料としたような社会にしていくということで、対象としては、まず、植物を扱うといったようなことをやってきている。それに対してネットワークを組んで、どういうふうになるかということでございます。それが必要性でございます。
 有効性に関しましては、先ほどDIAS-Pのところで申し上げた話とも絡むのでありますけれども、例えば、八王子で河川流域モデルとかいった、そういうようなこともやってみたり、それから、植物科学の分野ですと、その下にございますけれども、基礎研究から、最終的に、経済性・環境性・社会的影響などを考えたような検討までやってきているということでございます。
 次のページ、15ページに参ります。DIASは、先ほどのお話とも絡むのでありますけれども、大分、IT研究者との連携等もとれるようになってきて、かなり活用ができてきて、効率性も上がってきているのではないかということでございます。
 成果でございますけれども、成果はいろいろなところにございますので、一々、私も説明できないので19ページまで飛ばせていただきますが、今後の展望ということになりますと、各課題は、DIASを通じて情報の交換を行ってネットワークを組んでいくといったものになっていくわけでございますけれども、そういったものが大分できるようになってきたと。人材育成に関しましては、民間企業からの寄附講座が実施されたり、かなりいろいろな、良い影響といいますか、効果が出ているということかと思います。植物科学分野は、バイオマスの利用等々でございますけれども、植物を原料といたしましたプラスチックであるとか、いろいろとやっておりまして、それが発展的に、NEDOプロとか、CRESTとか、ALCA等々にスピンアウトしていったものもあるということで、これから先、まだまだ進化するのではないかというような展望ではないかと考えております。
 三つ目は、先端環境材料分野というところでネットワークを組んでやっていただくという、そういうことであったようでございまして、実を言いますと、我々の部会ではないので内容は余りよく分からないのでありますが、その御説明を申し上げますと、24ページの事後評価票の案を御覧いただきたいと思います。
 実を言いますと、それもまた二つに分かれております。一つは、先端環境材料・デバイスの創製という、代表機関は東京大学のものと、あと、これは本日お見えの栗原先生がおやりになっておられた、グリーントライボという、トライボロジー、研磨みたいな話でございますが、そういったネットワークを二つに分けてやってみたということになるかと思います。いずれにいたしましても、大学・研究機関内でネットワークを構築いたしまして、最終的には研究開発の効率的な振興とか、あるいは低炭素社会への貢献みたいなものがどういうふうになるかということをいろいろと検討されたと思います。
 最初の先進環境材料・デバイスでございますけれども、これは、真ん中辺から下に書いてございますが、省エネ照明とか、太陽電池、燃料電池、電力変換及び圧電発電といった五つに分けて、材料創製から、いろいろとおやりになり、4大学が協力されてコンソーシアムを作って、ネットワークだったということでございますが、後の方にもいろいろ文句は書かれておりまして、こういうふうに細かく分けてしまうと、ネットワークというのも余りうまくいかないのかもしれませんね。しかも、これだけばらばらに五つのテーマをやってしまうと、マネジメントがなかなか難しかったということもあるようでございます。
 一方、トライボロジーに関しましては、一つのグループでございましたので、参画した8機関11グループというものはうまくまとまって行われたということで、将来、こういったネットワークで2050年対応みたいなものを考えていくというときには、もう少しこういう実験をやった上で、いいネットワークの組み方を見つけ出さなきゃいけないのかもしれないと、そういうことになっていると思います。
 必要性は、御説明するまでもないように思います。トライボロジーは基盤技術ですから、材料の最終的な応用段階にはこういったものを見つけ出すようにということでございます。
 有効性ですが、今申し上げたことと同じなのですけれども、五つのエネルギー分野のデバイスということになりますと、多分、ネットワークのサイズもそれほど大きくはできなかったはずでございまして、ネットワークの組み方あたりを分野別にもう少し連携しないと駄目かなと、そういう結論になっております。
 効率性のところも、今申し上げたのと全く同じでございまして、相互補完から得られた融合研究の成果というものも十分だったのかどうか、若干疑問みたいなことが評価としても書かれておる次第でございます。グリーントライボの領域は、ネットワーク全体のレベルアップがかなり図られたということかと思います。
 成果も、大体似たようなことでございますが、中で、ダイヤモンド系のトランジスタとか、ダイヤモンド系の半導体化するわけですけれども、半導体の研究などでは成果が出たということかと思います。グリーントライボに関しましては、ネットワーク形成による明瞭な成果が得られたと。ですから、いろんなケースがあって、今後、そういった研究に、こういった共同の仕方、ネットワークの形成の仕方の研究には役に立つのではないかということでございます。
 今後の展望も、似たようなことになってしまうのでございますけれども、結局、一部は産業界との連携が余りなかったというようなことも書かれておりまして、やはり、産業界との連携も含めて、ネットワークの組み方を考えていかなきゃいけないだろうと。グリーントライボは、かなりまとまったテーマでございましたし、これだけのネットワークで、さらには人材育成等々もまあまあうまくいっていると。人材育成に関しましては、デバイスの方もそれほど悪い評価ではなかったようでございます。
 大体、以上のような評価でございまして、いろいろ話しましたけど、御議論いただければ幸いでございます。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。
 ただいまの説明に関しまして、御意見、御質問ございましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。

【土井委員】  どうもありがとうございます。2点ほど教えていただきたいのですが、1点目は、最初のDIASのものです。8ページのところで東日本大震災を契機として分散システムになったというのは、被災を契機にプラスに転じたというものの例だと思うので、こういう形でDIASが分散システムになったというのは、今後に大きな影響を及ぼしたと思います。そのページの上から2~3行目のところで、長期運用の検討ということで書いていただいている中で、「フォーラムや会議の開催予定、成果を世界に向けて発信した」と。開催したではなくて、予定なのでしょうかというのが、1点目なのですが。

【安井委員】  なるほど。実を言うと私もそこまでちゃんと把握してなくて申し訳ありませんが、後で確認をとらせていただきたいと思います。

【土井委員】  よろしくお願いします。
 あともう1点は、2件目のグリーン・ネットワーク・オブ・エクセレンスですが、12ページのところに予算(執行額)の変遷を書いていただいていて、平成27年が両方とも調整中になっているのですが、これはまだ決まってない? もう終わったのですよね。

【安井委員】  終わっています。

【土井委員】  多分決まっているので修正していただければと思うのですが、気になったのは、これを合わせると34億で、できたことというのは15ページから19ページにわたって書いていただいていることなのですが、この中で、例えば18ページのところで、済みません、ソルガムって何なのか、よく分からないのですが、ソルガムの収量を向上させることができたというふうにたくさん書いていただいているのですが、19ページの今後の展望というところには、ソルガムというのがどこに今後なのかという、成果で書いていただいていることと今後の展望がちょっと結び付いていないので、植物科学だけだと17億かもしれないのですが、せっかく17億かけていただいたのが、今後、どう成果がなるのかというのは、もう少し分かりやすくまとめていただけるといいのかなあと思ったのですが。

【安井委員】  なるほど。個々の成果を申し上げなかった理由というのは、はっきり言ってネットワークがどうやったら効果的に運用できるかというのが主眼で、しかしながら、そういう報告書に余りなってないというところが問題なのかもしれませんが、こちらの植物分野に関しては、割合とうまく人材が回ったみたいなのですね。したがって、極めてぼんやりした結論になっています。ソルガムというのはトウモロコシみたいなものですが、それが悪い環境でも育つという、そういうことが得られたというようなことでございますが、この場合、個々の成果とネットワークという二つの要素があるわけですから、実を言うと、成果としてどう見るかって、それ自身は難しい部分がありますね。ネットワークがなかったらこういう成果は出なかったというのをどうやって証明するかと言われると、なかなかないかもしれません、そういう意味では。

【土井委員】  だとすると、逆に何を期待して34億付けたのかというのが。ネットワークというのが主眼であれば、そこに対して、こういう成果が得られた、あるいは得られなかったということをもう少し明確に評価していだたくということも、難しいかもしれませんが、そもそもその難しさを認識されてこういうプログラムを作られたと思うので、それは是非、もう少し書き込んでいただく必要があるのかなあと。その次のも、そういう意味では似ている。特に、その次のものの前半の方はマネジメントがうまくできなかったと書いてあるので、同じような話だと思うのですけど、そこは是非御検討いただきたいのですが。

【安井委員】  我々のようなところがプロジェクトの最初のスタートのときにどのぐらい責任あるかって、なかなか難しい問題でして。そこは、様々、大人の事情等ございまして、なかなか難しいのですが、確かに、報告書としてはそういった方が望ましいのは事実だと思いますね。

【大垣分科会長】  よろしいですか。
 それでは、訂正すべきところは訂正するということで、よろしいですね。

【安井委員】  ちょっと批判的なことをもう少し書いた方がいいのかもしれませんね。植物分野もちょっと分かれ過ぎていて、人材育成面ではこういういろんな分野が教育できるという面はあるものの、その研究がどれほど有機的に行われたかというのは、もう少しクリティカルに評価すべきかもしれませんね。

【大垣分科会長】  ありがとうございます。
 ほかにはございますか。よろしいですか。
 では、次に行ってよろしいですか。
 それでは、ライフサイエンス委員会から、説明をお願いします。

【村松ライフサイエンス課課長補佐】  事務局から、御説明させていただきます。資料3-2-2を御覧ください。今回、二つの評価をお諮りしております。二つの評価結果を一つのものにとじ込んでございまして、ページ番号が通し番号になってなくて申し訳ないのですけれども、前半が生命動態システム研究の事後評価、後半が次世代がん研究の事後評価となってございます。
 まず、前半の生命動態研究事業についての事後評価を御説明させていただきます。3ページ目で事業の概要を御説明させていただきます。
 この事業、二つ目の箱のところに目的と書いてございますが、計測で得られたデータから、数学、統計学、計算機科学等の数理科学的手法を用いて生命現象を理解して、in vitro(試験管の中)とか、in vivo(実際の生体の中)とか、場合によってはin silico(コンピュータの中)で再構成をするという、野心的な生命動態システム科学という、最近起こってきている研究手法を活用して、生命現象を動的なシステムとして理解する方法論の開発と実証を行うということを目的として、研究を平成24年度から5年間実施しておりました。その中で、研究のみならず、数理科学的手法と生命科学の融合研究の発展のための人材育成、融合人材の常勤ポストの設置を行うような恒久的な拠点の整備、また、この手法を創薬開発等に応用していく道筋を示すということを目的として、研究開発を行ってきました。
 右の水色の枠の中にあります、事業内容というところに書いてございます四つの拠点を採択して、事業を進めてまいりました。また、関連している、近い研究をしている機関といたしまして、理化学研究所の生命システム研究センター、QBiCと呼ばれていますけれども、大阪にある拠点や、JSTのさきがけ、CRESTで近い分野の研究を実施しておりましたので、こういうところとも連携をして拠点構築を進めていくということを目的にしておりました。
 予算については、次のページにございますので、後ほど御確認いただければと思います。
 6ページ目からが、評価結果となってございます。まず、冒頭の事業の概要につきましては、今、御説明させていただきましたので省かせていただきまして、必要性のところから説明させていただきます。
 必要性でございますが、評価項目、科学的・技術的意義、融合領域研究の促進ということで、基準といたしましては、生命科学と数理科学の融合研究が推進できたか、生命動態システム科学の研究手法を実証することができたかということを基準にしてございます。この拠点におきまして方法論の開発というものが進んでおりまして、一定程度の成果を上げたものと、評価をしてございます。特に、実験デザインの段階から数理系の研究者の方に議論に加わっていただきまして、後ほどデータの解析をするという観点から実験を組み立てていくという、今まで生命科学の分野であまりとられていなかったような手法が取り入れられて、今まで連携していなかった分野の方が連携して実験を行うという、新たな取組が行われました。ただ、次のページに書いてありますが、これはモデルケースというところにとどまっておりまして、システム生物学の視点から生命科学そのものに大きな影響を与えるような新たな概念を創出できたかは不明確であり、モデルケースにとどまってしまった、拠点内にとどまってしまったという評価結果になってございます。
 また、有効性でございますが、人材育成ということを目標に掲げておりましたので、融合領域研究人材が育成できたか、生命動態システム科学手法を創薬開発等に応用する道筋を示せたかというところを基準としております。人材育成につきましては、拠点において教育プログラム等を実施して、サマースクール等も実施をいたしまして、中には、学部段階から既に学生を取り込むというようなこともやっていただきまして、学部段階で学会発表をするというような成果が出ている拠点もありまして、融合型人材の育成というものが着実に進んだという評価をしてございます。また、この拠点から多くのPIが誕生したということで、この分野の人材育成には貢献してきたという評価をしてございます。創薬研究につながる道筋を示せたかというところに関しましては、幾つか基本的な研究での成果が得られてはおりましたが、あくまで萌芽(ほうが)的・基礎的な成果にとどまりまして、実際の創薬に応用する道筋というところには至らなかったということから、不十分であったという評価です。
 最後、効率性でございますが、こちらは計画・実施体制の妥当性ということで、新しい研究手法である生命動態システム科学分野への参入を推進することができたか、関係する事業・機関との連携ができたかということを評価基準にしております。その点に関しましては、サマースクール等、もろもろのイベントを通じて裾野を広げる有効な手段にはなったと考えておりまして、実験系と理論系が同じ研究環境を共有して融合していくというような、新しい分野へ参入するきっかけにはなったという評価をしてございます。また、事業間・拠点間の連携でありますけれども、合同推進会議という形でシンポジウムの共同開催等をしておりましたが、人材育成の面はある程度連携はしたのですけれども、研究面での直接的な連携というのはできなかったということで、不十分という評価をしております。
 成果につきましては、今申し上げたような内容が書いてありますので、省かせていただきます。
 最後は、9ページ目に今後の展望ということで記載してございますが、人材育成を一つ大きな目的に掲げておりましたので、このような分野の研究をする人材が広がってきたという意味で成果はあったのですけれども、融合型研究人材のポテンシャルを生かせるキャリアパスは、アカデミア、産業界共にまだ十分とはいえず、この分野振興のためには、こういう分野を研究した人材がアドバンテージを得られるような方策等を推進していかないと、人材育成は進まないのではないかというような意見がございました。
 また、事業全体につきましては、こういう分野を推進して、実験科学と数理科学の融合ということで少しずつ成果が上がってきていることは認めつつも、生命科学全体に大きな影響を与えるような数理科学からの貢献はまだ明確ではないということで、この領域を進めていく上で、非常に幅広い領域ですので、対象を明確にした課題設定をしていくということが必要だったのではないかとの指摘を受けております。
 以上でございます。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。

【小林先端医科学研究企画官】  引き続き、がんの研究について、御報告させていただきます。
 今の資料3-2-2の動態研究の次に次世代がん研究シーズ戦略的育成プログラムという事業に関する資料を準備しています。この事業につきまして、御報告をさせていただきます。
 がんの研究でございます。平成23年度から5か年の研究事業で、終了に伴いまして事後評価を頂きました。がんの研究につきましては、これまで国内で優れた基礎研究は推進されてきましたけれども、それらの成果が創薬等に十分結び付いていないという指摘がなされていたところでございます。このため、本プログラムにおきましては、次世代のがん医療の確立に向けまして、革新的な基礎研究の成果を厳選し、診断・治療薬の実用化開発につなげるための研究が推進されてきたところでございます。
 実施体制でございますけれども、3ページの下の方にございますように、マル1の革新的がん医療シーズ育成領域では、創薬の候補化合物の探索・同定を行っていきます。マル2のがん臨床シーズ育成領域では、臨床検体のゲノム解析等を行っていきます。マル3の創薬基盤融合技術育成領域では、DDS技術や分子イメージング技術などの先端技術を活用した研究を推進します。この三つの領域で、計142課題について研究が行われました。この事業の特徴的なところは、その三つの領域の上にヘッドクォーターと書いてございますけれども、個別の研究の進捗管理を行い、研究者が必ずしも得意としていないような知財の関係ですとか、倫理的な問題についてのサポートを行ってきたという特徴がございます。それから、3ページの下の方ですが、ハイスループットですとか、様々な技術面での支援を行っていく研究基盤支援機能というものをこの事業の中で内在し、事業を行っていったという経緯でございます。
 4ページにありますとおり、三つの領域の中にそれぞれグループと、さらにはチームを設けて、それぞれのリーダーのもとに、事業が展開されました。
 評価結果につきまして、資料の19ページを見ていただければと思います。ライフサイエンス委員会で評価を頂いた、事後評価票でございます。
 必要性につきましては、平成27年度までに成果目標を上回る研究シーズを創出することができたことから、効率的かつ迅速なシーズ育成という点において本プログラムは円滑に遂行されたと、評価を頂いております。
 続きまして、有効性でございます。ヘッドクォーターが司令塔役となり、三つの領域の進捗管理を行いながら、互いの連携を促進し、各領域のグループリーダー、チームリーダーを介した運営管理体制が構築されました。また、これまで必ずしも大学や研究者が得意としてこなかった戦略的な知的財産の取得の支援や、研究倫理面での支援、研究成果の導出支援を適切に行い、研究者が効率よく研究できる体制を構築したということで、評価を頂いてございます。
 それから、効率性についてですけれども、20ページの下でございます。様々なステークホルダーの参画を得て必要とされる研究領域を設定したか、また、有望なシーズを有する基礎及び臨床の研究者から構成される質の高いシーズ育成チームが構成できたのか、研究支援基盤の整備・共有化はできたのかという評価基準につきまして、21ページにあるように、この基準が満たされたと評価を頂いてございます。
 それから、21ページの成果でございます。成果につきましては、ジャパン・キャンサーリサーチ・プロジェクトのKPIでございます、27年度までに新規抗がん剤の有望シーズを10種、早期診断バイオマーカー等を5種取得ということが目標として定められてございますけれども、それぞれ、17種、12種を取得することができたということで、所期の目標値を超えていることから、アカデミア主導で医薬品開発を目指すプログラムの成果として高く評価できるということでございます。また、研究成果の発表や知財の取得が積極的に行われた点も、評価されてございます。
 続きまして、22ページの今後の展望でございます。本プログラムの研究成果を踏まえ、企業との共同研究が開始され、革新的がん医療実用化研究事業に採択されるなどの研究成果が着実に上がっており、今後、臨床開発を経て、社会的な成果が得られることが期待されます。また、中ほどにございますけど、一方で、これらの研究成果が社会的ニーズ、医療ニーズに応え、医療分野の進展へ貢献するためには、臨床開発への展開をスムーズに進めるべく、研究支援体制の継続や、製薬企業とのマッチングなどの機会を増やすための取組が求められます。また、最後でございますけれども、我が国のがん研究を担う人材育成の観点から、より一層、研究者相互の交流活動に取り組むことが必要だということで、評価を頂いてございます。
 事務局からは、以上でございます。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に関しまして、御意見、御質問ありましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。

【渡辺委員】  資料の7ページのところに創薬の人材育成のことが書いてありまして、創薬の分野の中で融合型の人材を、特に若手を対象に育成していくというのは極めて重要なことで、こういうことがほかの分野にもどんどん広がっていったらいいのではないかと思うのですけれども、具体的に、1年に何人ぐらいを対象にこの人材育成というのはされているのでしょうか。

【村松ライフサイエンス課課長補佐】  頻繁に若手の方を集めた会を年間何回か開いておりますので、それなりの人数だと思うのですけど、今、手元にデータを持っていません。申し訳ございません。

【渡辺委員】  応援するつもりで申し上げているのですけれども、こういう大事なことは、人数も含めて、いろいろなところで宣伝して、ほかへの波及効果を是非狙っていただきたいと思います。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。
 ほかには。

【山口委員】  簡単に。同じく7ページのところなのですが、生命動態の方です。非常に成果が上がっているというところはよく理解できましたが、一つ、7ページの有効性のところの最後に、創薬開発等に応用する道筋については、兆し的な成果は見られたが、不十分であったというふうに書いてございます。いろいろ実用化に向けて課題はあるにせよ、道筋を示すということが不十分であったという点は、どこが不十分であったかというところは見てみるに余り書いてなくて、少しその辺を補足説明していただけると、今後の展望に向けてもしっかり示せるのではないかと思いましたので、ここの部分、少し説明を追記していただければよいのではないかと思いました。

【村松ライフサイエンス課課長補佐】  対応させていただきます。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。
 ほかには。

【五十嵐委員】  細かいことで申し訳ないのですけれど、言葉遣いで、先ほどのバイオマスの御説明でも人材という言葉があって、人材育成は非常に重要だということをこの分科会でもずっと議論してきましたが、様々な形で人材という言葉が使われております。バイオマス研究人材であるとか、ここも、融合人材であるとか、融合型人材であるとか、次世代融合型人材であるとか。たくさん出て参りまして、それぞれ、もう少し適切な呼び方があるかなというのを感じました。人材育成というテーマですから、人材という言葉が多くなるとは思うのですが、もうちょっと整理した方がいいのではないかと。済みません。

【大垣分科会長】  ありがとうございます。ほかにもありますね。実験系人材、理論系人材、いっぱいあることはある。

【村松ライフサイエンス課課長補佐】  整理させていただきます。

【大垣分科会長】  ほかにはよろしいですか。

【土井委員】  2点ございます。1点目は、今のお話のところで、7ページの上から2行目のところで、目指した実験科学と数理科学の融合は進んだものの、システム生物学の視点から生命科学そのものに大きな影響を与えるようなものにならなかったということを書いていただいているのですが、あわせて、先ほど説明のあった3ページの目的の中で、「「生命動態システム科学」の手法を創薬開発等に応用する道筋を示す」ということで、今回はこの四つの大学に分かれてやって、それに対して、創薬の道筋を示すために、例えば創薬メーカーとか、何らかの寄与があったのでしょうか。そのあたりがなかったから萌芽段階で終わったのか、あるいは、もともと萌芽的なレベルだったのかという、先ほどの質問と同じような質問になって恐縮なのですけど、これを30億ぐらい付けてやるというときに、ある程度、創薬に対して道筋が付けられるという見込みであったというのが本当に正しかったかどうかというところはもう少し評価というところでは検討していただくということも必要ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

【村松ライフサイエンス課課長補佐】  手元に参画した機関等の一覧を持ってないので断言できないのですが、創薬企業が参画していたということはないのではないかと思います。評価の中でも、事業の目標設定の仕方が妥当だったのか、拠点の体制が十分だったのかというところは指摘があったところですので、御指摘の点は追記させていただくようにいたします。

【土井委員】  よろしくお願いいたします。
 2点目は、二つ目のところで、こちらは、新規抗がん剤のシーズが10種であるとか、バイオマーカーが5種とか、そういう意味で成果は上がっていると思うのですが、一方で、がんの治療薬に関しては、薬価の高騰など、いろいろ指摘されているので、今後は是非、そういう経済的にもインパクトをよく考えていただくような、研究のやり方というのですか、目標設定なども、AMEDの中で、ライフサイエンスの中でも御検討いただけると有り難いなと。単なる意見ですが、よろしくお願いいたします。

【小林先端医科学研究企画官】  御指摘ありがとうございます。今、御説明させていただきました次世代がん研究は27年度で終了いたしておりますけど、28年度から後継事業が始まっておりまして、御指摘の点も踏まえて対応してまいりたいと思っております。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。
 次に行ってよろしいでしょうか。
 それでは、情報科学技術委員会から、お願いいたします。北川主査。

【北川委員】  情報科学技術委員会の北川でございます。資料3-3-1を御覧いただきたいと思います。1月27日の情報科学技術委員会におきまして、この施策マップの中の黄緑色に色付けされた二つのプロジェクトについて事後評価をいたしましたので、その御報告をさせていただきたいと思います。資料は、3-3-2を御覧いただきたいと思います。二つの研究開発を順番に説明させていただきます。
 この資料の3ページの2に、研究開発概要と目的が書いてございます。まず、社会システム・サービス最適化のためのサイバーフィジカルIT統合基盤の研究でございますが、これは、高効率化・省エネルギー、安全・安心の確保など、様々な課題達成に資するシステムとして、実社会で得られる大量の情報をサイバー空間に投影し集約して、そのサイバー空間の方で課題達成に最適な解や行動を導き出して、それを実社会の方にフィードバックするという、高度に連携・統合されたITシステムを構築するための研究開発と、それを地方公共団体あるいは民間と連携して実証事件を行うというものでございます。
 4ページに、予算、実施体制が書いてございまして、5ページからが評価結果でございます。
 5ページから9ページにかけて、必要性、有効性、効率性、書いてございますが、非常に細かく書いてございますので、非常にざっくり説明させていただきますと、都市規模の大規模なデータ処理が可能なサイバーフィジカルIT統合基盤、通常、CPSと略しておりますけれども、このCPSを開発して、CPSが多様な社会問題の解決に有効であるということを示すとともに、独創性・優位性のある新しい知見あるいは研究開発を行いました。成果については、論文等による発表、特許の出願、それから、様々な形での報告会の開催、新聞・テレビ等での報道、国民に対して幅広い情報発信を行っております。同時に、札幌市の交通システム等、社会実装を実際に行っております。その中で、今後に向けては地方公共団体や民間との連携に係る技術面以外の課題もあるということも明らかにされました。このようなことを踏まえ、審議の結果、課題の達成状況については、全体として着実に達成されたと判断いたしました。
 10ページに、今後の展望が書いてございます。この部分では、現代社会においては、情報科学技術が社会インフラとして果たす役割は非常に増大しております。実世界の多様なデータが種々のセンサーにより大量に収集・活用される中で、データを分析・評価し、実社会にフィードバックすることによって新たな価値を創造するCPSの取組は非常に重要であり、ますます重要になっていくと予想されております。したがって、CPSの広範な社会問題への適用とCPS利用者の裾野の拡大を図るという観点から、CPSのプラットフォームやデータのオープン化が課題であると判断しております。また、CPSの有効性を実感できる成果を分かりやすく発信し、社会的な理解を更に深めていく不断の努力が今後も必要であると指摘しております。
 その後に、また1ページに戻りますけれども、二つ目の研究開発であります、ビッグデータ利活用のための研究開発や環境構築でございます。これも3ページ目に研究開発の概要と目的が書いてございますが、高度情報化社会の進展に伴って世界のデジタルデータ量が爆発的に増大しておりますが、その多くが現状では整理・構造化されておらず、有効活用できていないという状況がしばしば発生しております。このような状況でビッグデータを効率的・効果的に収集・集約し、革新的な科学的手法により知識発見や新たな価値を創造することの重要性が国際的にも認識されております。特に情報科学技術分野において、質的・量的に膨大なデータを連携し、高度に処理あるいは活用するための研究開発を行うことによって、異なる分野のデータを連携させる異分野融合の重要性も認識されております。このような現状を踏まえまして、この事業においては、急増するデータをリアルタイムかつ自動的に処理するデータ統合・解析技術の研究開発を行い、地方公共団体や民間と連携した実証実験を行いました。さらに、ビッグデータを有する各分野の知識及び情報・統計分野の専門知識を持ち、分析結果から新たな知識を得て、更にそれを実装していく、そういうことができる人材の育成方法についても、研究開発を行ったものでございます。
 5ページに予算、6ページに実施体制を書いておりまして、8ページから15ページにかけてが、評価でございます。二つに分かれておりまして、前半にビッグデータ利活用技術に関して必要性・有効性・効率性を書いて、その後に、人材育成に関してのものが同様に書いてございます。これも非常に長いので、非常にざっくり説明させていただきます。
 ビッグデータを利活用するためのデータ統合・解析技術の研究開発を行うとともに、その結果を、交通、環境、高齢者といった、具体的なテーマを想定した実証実験を行いました。また、情報あるいは統計分野の専門知識を持ち、ビッグデータの分析や利活用を担える人材の育成を目的として、データサイエンティスト育成のあるべき姿を提言として取りまとめるとともに、スキルと実践をキーワードに、実際に大学院修士課程の学生を対象とした実践的なプログラムを実施して、人材育成に係る、大学連携ネットワークを形成いたしました。このような活動を見まして、審議の結果、課題の達成状況としては、全体としては着実に達成したと判断いたしております。
 16ページに今後の展望を書いております。データ統合・解析技術につきましては、今後、スケールアップを含めた横展開を後押しするための国の取組が課題であると判断しております。また、社会への貢献を実感する成果を分かりやすく発信し、社会的な理解を更に深める不断の努力が必要であると評価しております。また、ビッグデータの利活用を担える人材、特にデータサイエンティストですけれども、その人材育成についても、現時点では非常に少ない規模で行われておりますので、人材育成自体のスケールアップを図り活躍の場を広げること、それから、工学教育等の現場への反映やMOOC等の導入を含め、学生と社会人の双方を育成する人材育成ネットワークの産学の裾野を広げる取組が課題であり、重要である、ということを指摘しております。
 簡単ですが、以上でございます。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明について、御意見、御質問等ありましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。
 どうぞ。

【長谷山委員】  2点、質問させていただきます。まず1つ目ですが、9ページの(2)の成果の(エ)スマート除排雪について確認させていただきます。3行目に「交差点の除排雪を行うことにより」と記載され、平均車両の通過速度が左折で50%程度、その後、15%、24%~79%と差があると具体的な数値で成果が示されています。成果の部分に書かれておりますので、このパーセンテージは、この事業の中で得られたと認識してよろしいでしょうか。

【北川委員】  私、利害関係者なので、事務局の方から。

【栗原参事官(情報担当)付専門官】  社会システム・サービス最適化のためのサイバーフィジカルIT統合基盤の研究におきましては、札幌市、大阪市内、九州大学伊都キャンパスにおいて実証実験を行っておりまして、特にこのスマート除排雪に関しましては、札幌市における実証実験で、その改善率の高い区間について、どの程度の渋滞、また右左折の速度が改善されるかというものを、バスやタクシー等にセンサーを付けて計測してございまして、その結果得られた数値でございます。

【長谷山委員】  この事業の成果であれば、それが明確に分かるように記載していただき、そうでないのであれば、削除を御検討いただければと思います。
 2点目は、同じページに記載の(カ)でございます。先ほど確認させていただいた事業についてデータのオープン化は、「一層踏み込んだ取組が課題である」と書かれております。この記載から、この事業でデータの蓄積・取得が試みられたものと認識いたします。さらに、今後の展望でも、収集データのオープン化について書かれておりますことから、今後、検討されるものと理解しておりますが、そのような理解でよろしいでしょうか。

【栗原参事官(情報担当)付専門官】  こちらは関連する企業等で収集したデータもございまして、様々、研究者にお話を聞く限りでは、取得する際の、札幌市役所であるとか、大阪の商業施設「グランフロント大阪」を運営する企業であるとか、ステークホルダーとの関係もあります。一方で、委員が御指摘のとおり、可能な限りオープン化を進めていきたいということを、この課題の中でも言っておりますし、事後評価の過程でも大きな議論になって、今後、可能な部分を可能な限りオープン化を進めていきたいと。また、委員の指摘としても、是非それをやるべきだということで、このような指摘を書いてございます。

【長谷山委員】  分かりました。せっかく集めたデータでございます。可能な限り、オープン化が実施されるものと理解いたしました。
 以上でございます。

【大垣分科会長】  ありがとうございます。
 ほかにはよろしいですか。次に行ってよろしいでしょうか。
 それでは、最後になりますが、防災科学技術委員会から、説明をお願いいたします。田中主査。

【田中委員】  それでは、資料3-4-2を御覧ください。1ページ、2ページをおめくりいただいて、3ページを御覧いただければと思います。日本海地震・津波調査プロジェクトに関する、中間評価ということになります。実施期間が平成25年から32年までの、8か年計画ということでございます。そこにプロジェクトの全体の構成が書いてございますが、大きく三つの領域に分かれていて、サブテーマ(1)というのは、地域の防災リテラシー向上に向けた取組となっておりますけれども、基本的には、海岸・護岸の評価も含めたハード対策、それから、避難とか住民の意図といったあたりを見ておりますソフト対策、それを両方合わせながら、最終的に、地域研究会という活動を通じてライフライン機関や市町村・道府県等に成果を受け渡し、それから行政ニーズを聞き取るという場面をしているのが、サブテーマ(1)でございます。そのサブテーマ(1)がインターフェースとなりますと、サブテーマ(2)というのは、実は日本海というのは太平洋側に比べますと幾つか特徴があるわけですが、履歴がよく分かっていない、あるいはデータの蓄積が極めて乏しいというので、よく構造が分かっていないというのが、一つの問題でございました。そういう意味で、海底探査等も含めた構造探査をし、そこから断層モデルを科学的に作り上げて、そして津波の波源モデルを作っていくという、ある意味、非常に基礎的な部分をやっているところでございます。そして、サブテーマ(3)は、その結果を受けて、津波あるいは強震動の予測ということで、これをまた市町村等の被害想定等にフィードバックをしていくという、その大きな三つのグループから成っているところでございます。
 4ページ目に、執行額等がございます。これは、見ていただければと思います。
 それでは、中間評価票に基づきまして、御説明させていただきたいと思います。まず、全般的には、おおむね適正に進捗しているという評価をしてございます。評価の理由等につきましては、各観点の評価のところから、少しお話をさせていただければと思います。
 5ページ目の(2)の必要性というところでございますが、基本的には、先ほど申しましたように、太平洋側と比較して調査観測データが非常に乏しいというのが、日本海側の特徴になっております。そこで、構造探査、津波履歴調査、あるいは連続観測といった手法を使って、構造をきちんと把握していこうということをやっております。幾つかの接線を作って、最初は、中部というか、金沢あたりから始めて、北海道の方に上がり、今度はまた西の方に下がっていくということで、接線ごとの探査をしているというところが、海底の探索になります。この結果として、得られたデータに基づいて、今、震源断層モデルと、それに基づく津波波源モデルを構築して、そして、一部、まだ全部できているわけじゃありませんけれども、強震動や津波のシミュレーションを行い、防災対策の基礎資料として、市町村あるいは渡しているというところでございます。そういう面で、必要性は、防災対策を考える上での前提となる地震像を明確にするという意味でプロジェクトの必要性は極めて高いということでございました。そして、海溝型に比べると、内陸型というのは発生メカニズムというのが必ずしも明確に規定されているわけではないので、その理論モデル、基礎メカニズムなんかもきちんとやっているということでございます。
 有効性に関しましては、既に皆様も御案内のとおり、東日本大震災を受けて、想定外を防ぐという意味で、国土交通省等、政府が、L2対策ということで大規模地震の津波の想定をしております。日本海側に対してもやっておるのですが、これは基本的には大規模なものをやっておりますので、長さ40キロ程度以上の断層を対象に議論をしております。ただ、今回は、それも含みますが、それ以下のものも含めて、科学的なデータに基づく断層モデルを再構築し、そこから防災対策への基礎資料を提供しているというところがございます。そして、もう一つは、海溝型地震と内陸沿岸地震の関連メカニズムというものについても評価をしていて、皆様も御案内のとおり、この頃、日本海側も地震が結構起きてしまっていて、多分、中越あたりは褶曲(しゅうきょく)帯なのだろうと言われていたわけですが、なかなか分からないところもあり、そこの評価もしているというところでございます。ただ、地震の切迫度といったような、長期評価ということに関するのは、なかなか履歴がないということで、やはり統計的な部分がないと再現確率できないということになります。そこについて新しい手法を提案しないといけないのではないかというコメントを頂いております。それから、もう一つ、先ほど地域研究会というのを言わせていただきましたけれども、地方自治体、国交省の地方整備局、インフラ事業者、研究者と連携した地域研究会等を行っております。この中で実際に、どういうことでこういうモデルを立てているかとか、あるいはデータがこういうふうになっているとか、逆に、自治体から何が課題になっているのかといったようなあたりの聞き取りをして、お互いの情報交換をしていると。そういう面では、地方自治体の方も理解をしやすいし、対策に結び付けやすい。あるいは、行政の課題に反映した研究をやれるというところはございます。
 それから、最後のページになりますけれども、7ページ目でございます。効率性の部分でございますけれども、ここでは、歴史分野の史料地震学とか、あるいは、観測データ、堆積物、岩石学、あるいは我々のような人文社会学も含めて、かなり多様な分野が入ってきています。そういった意味で、様々な研究分野の文理連携の協働が見られ、研究体制の効率化は満たされていると考えられると、評価いたしました。それから、日本海側における構造探査などにより、地震発生メカニズムの解明に資する基礎データも計画的に収集されてきている。具体的な被害予測への展開、これから更に全国的には展開をつなげていくということになるわけですけれども、そこへの展開が望まれるということを、効率性として評価させていただきました。
 ただ、その中で、その他ということで、先ほど申しましたように非常に様々な研究分野が連携をしてやっていることもあり、今のところ、データをとり、お互いに情報交換はしているけれども、本当に十分な連携を図って、さらに、市町村の防災対策、あるいは住民の方々の防災対策に踏み込むためには、もう少し戦略的・統合的なプランニングをして統合化を高めていく必要があるのではないかと。そして同時に、8年間の長い期間でございますけれども、その中で対象地域に研究成果を落し込んでいくという作業も重要だという指摘をさせていただきました。
 それで、最初の5ページ目に戻っていただきまして、総合的な評価の理由として、これまで調査が不十分であった日本海側の沖合・沿岸・海陸境界域において、多様な研究手法による地震資料の収集や地質調査・構造調査などが着実に進められ、津波波源モデル・震源断層モデルの構築と、それに基づく津波波高予測や強震動予測がなされていると。また、それが、地域研究会を通じて積極的な活動が継続されていることから、地元から高い評価が得られている。適正な進捗状況であると評価をするということでございます。そして最後に一つ、個別研究として多角的な試みが精力的に進められていることをより一層生かすため、今後、得られた知見を社会にどう展開していくのかという戦略をもっと明確にし、それについて成果の統合化を後半の4年間でやっていただきたいということで、評価を取りまとめさせていただきました。
 よろしくお願いいたします。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に関しまして、御意見、御質問をお願いいたします。いかがでしょうか。

【土井委員】  中間評価ということなので、例えば、6ページの有効性のところで五つ評価基準がありますけれども、2番目、3番目に関しましては、その下の評価理由のところに書かれておりますように、内陸地震の発生ポテンシャルに関してはまだ緒についたばかりという話と、あと、長期評価に関しては新たな提案を期待したいというふうに書き込んでいただいているので、これは5ページの全体の評価の理由のところにきっちりと書き込んでいただいて、期待しているということを明確にしていただくのがいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

【田中委員】  どうしましょうか。おっしゃること、とても理解できました。2番目の方で、いわゆる長期予測の評価ですね。これをどこまで前面に押し立てるかというのは多少不安もありますので、ここでは有効性の中のコメントとして触れさせていただきましたけれども。
 何かコメントありますか、事務局の方で。

【松室防災科学技術推進室長】  どうしようかな? ちょっと検討をさせて……。

【土井委員】  もし長期評価というのを推し進めていくのが難しいということであれば、最後にできなかったという評価をするよりは、しっかり中間評価のところで計画を見直していくというのも一つの研究プロセスだとは思うのですが、そのあたりを明確にしていただければいいと思います。

【田中委員】  分かりました。いずれにしても、極めてチャレンジングなテーマなので、そういう意味を含めて、きちんと分かるような形、中間評価として後半に結び付けるような形に変更させていただければと思います。

【大垣分科会長】  ほかにはよろしいですか。
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいま御審議いただいた、それぞれの評価案につきましては、頂いた御意見を基に事務局において修正し、担当委員会の主査と私とで確認した上で、本分科会として決定したいと思いますけれども、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【大垣分科会長】  では、御異議なしということで、分科会として事後評価結果及び中間評価結果を決定することといたします。
 本日の議題は、大変長かったのですが、以上となります。そのほか、皆様から何かございますか。
 ないでしょうか。
 冒頭に申し上げましたように、本日で第8期の研究計画・評価分科会は最後になります。委員の皆様には2年間にわたり、非常に多数の研究開発課題の評価を頂き、さらに、横断的、俯瞰(ふかん)的、あるいは横串を指したような形の新しい評価の在り方について御審議を頂いたおかげで、本日の研究開発計画をまとめることができました。ありがとうございます。佐藤分科会長代理、各委員の方、それから、事務局の方、あるいは部会長を務められた方、本当に御協力ありがとうございました。御礼を申し上げます。
 それでは、最後に、伊藤科学技術・学術政策局長から、一言お願いいたします。

【伊藤科学技術・学術政策局長】  本日も大変御熱心な御議論を頂きまして、ありがとうございます。
 まず、おわびを申し上げなければいけないことがございまして、既に御案内のとおり、文部科学省において再就職規制に係る国家公務員法違反というのが内閣府の再就職等監視委員会の方で認定されまして、文部科学行政に対する国民の信頼を著しく損なうような状況になっていること、この場をおかりしておわび申し上げたいと思います。今、信頼回復に努めているところでございますけれども、文部科学省が所管する、教育、科学技術、学術、スポーツ、文化、いずれも一刻の停滞も許されない中で私どもはしっかり取り組ませていただきますので、引き続き御理解をお願いしたいと思います。
 今、分科会長からございましたように、計評分科会、第5期の基本計画を挟みまして大変重要な時期に、参考資料2を見ただけでも、部会・委員会の開催状況、これだけで20ページ以上にわたる、大変御熱心なといいましょうか、多角的な御議論を頂いたことについて、改めて感謝申し上げたいと思います。
 第5期の基本計画をフォローアップしていくという意味では、本日御議論いただきました研究開発計画とともに、総合政策特別委員会の方でも、研究開発以外のいろんな、第5期に盛られた施策全体を、俯瞰(ふかん)マップというものを作りまして、それをエビデンスベースのデータでしっかりフォローしていくという体制を作ってございます。そういった活動と一体となってこの研究開発計画についてもしっかりフォローさせていただきたいと思いますし、そういった中で、日々、研究開発の新しい動きというのも出てまいりますので、そういったエマージングなイシューについてもしっかりアンテナを張って事務局としても取り組ませていただきたいと思いますので、引き続き、いろんな形で御指導を賜れれば幸いでございます。
 いずれにいたしましても、この場をおかりしまして、2年間、本当にありがとうございました。お礼申し上げます。

【大垣分科会長】  それでは、事務局から、連絡をお願いいたします。

【國分企画評価課課長補佐】  これまでお話にありましたとおり、第8期研究計画・評価分科会は、本回が最後となります。これまで本分科会の運営に御協力を賜りまして、ありがとうございました。
 本日の議事録ですけれども、後ほど事務局よりメールでお送りさせていただきます。修正があれば御連絡いただき、大垣分科会長の了承の上、文部科学省のウエブページに掲載させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 また、本日の資料は、机上に置いていただければ、こちらから郵送いたします。
 事務局からは、以上です。

【大垣分科会長】  事務局のスケジュールでは18時01分に終わる予定だったのですが、8分ほどずれまして、申し訳ございません。
 それでは、以上で、科学技術・学術審議会第60回研究計画・評価分科会を終了いたします。どうもありがとうございました。

―― 了 ――


お問合せ先

科学技術・学術政策局 企画評価課

(科学技術・学術政策局 企画評価課)

-- 登録:平成30年01月 --