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研究計画・評価分科会(第47回) 議事録

1.日時

平成25年8月22日(木曜日) 14時~17時

2.場所

文部科学省 3階 3F 1特別会議室

東京都千代田区霞が関3-2-2

3.議題

  1. 研究開発課題の事前評価について
  2. 研究開発課題の中間・事後評価について
  3. 研究計画・評価分科会における議事運営の一部改正ついて
  4. 「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」改定に向けた検討状況等について
  5. 部会等からの報告について
  6. その他

4.出席者

委員

大垣分科会長、佐藤分科会長代理、有信委員、五十嵐委員、甲斐委員、川合委員、小谷委員、高梨委員、田中(知)委員、柘植委員、平野委員、堀井委員、松田委員、安井委員、吉川委員、結城委員、李家委員、渡辺委員

5.議事録

【大垣分科会長】  ただいまから、第47回科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会を開催いたします。
 きょうはいくらか涼しいですが、議題はたくさんあり、3時間を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。
 まず、事務局に人事異動がありましたので、紹介をお願いします。

【小山企画評価課長】  この夏の人事異動で、科学技術・学術政策局、伊藤次長が着任してございます。

【伊藤科学技術・学術政策局次長】  伊藤でございます。よろしくお願いいたします。

【小山企画評価課長】  企画評価課長の小山と申します。機構改編に伴いまして、この分科会の事務局も、計画官付から引き継ぎ、企画評価課で担当させていただきます。御指導、お願いいたします。本日はこのほか、関係課長、室長も出席してございます。よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、配付資料などについて、事務局から説明をお願いいたします。

【小山企画評価課長】  配付資料ですが、分科会長からございましたように、大部で恐縮でございますが、議事次第の裏側に資料の一覧を載せてございます。個々には省略いたしますが、資料1が事前評価の資料、資料2が中間・事後評価の資料、資料3が公開の手続の案、資料4が評価指針の関係の資料、資料5は26年度の地球観測の実施方針の資料、その他に参考資料、机上資料を置いてございます。御審議の途中でも、過不足等ございましたら、事務局にお声をお掛けいただければと存じます。よろしくお願いいたします。
 以上です。

【大垣分科会長】  それでは、議事に入ります。今回は、予算日程の都合により、議題(1)の事前評価については非公開で行います。なお、非公開で審議を行いました資料と議事録については、概算要求資料の発表後、文部科学省のウェブサイトに公開する予定でございます。
 それでは、議題(1)の研究開発課題の事前評価についてであります。まずは、本分科会に設置されております各委員会において取りまとめられた事前評価案について、御審議を頂くことになります。審議は、分野別委員会ごとに説明していただき、それぞれ質疑の時間を若干とりたいと思います。また、時間が許せば、全ての委員会からの説明が終わった後に全体を通した質疑の時間を設けるという手順で進めたいと思います。資料は各委員宛てに事前にお届けしているところでございますので、説明は、施策マップを中心に、事前評価票の必要な部分を簡潔にお願いしたいと思います。
 それでは、ライフサイエンス委員会からお願いいたします。よろしく。

【板倉ライフサイエンス課長】  ライフサイエンス委員会の事務局を担当しております、ライフサイエンス課長の板倉でございます。よろしくお願いいたします。
 まず資料1-1-1を御覧いただければと思います。事前評価は、黄色い下三角の矢印で示してございます。今年度(2013年度)につきましては、「創薬等ライフサイエンス研究支援技術基盤事業」「革新的バイオ医薬品創出基盤研究開発事業」、一つ飛びまして、「次世代がん研究戦略推進プロジェクト」の拡充、それから「橋渡し研究加速ネットワークプログラム」の拡充、また、「オーダーメイド医療の実現プログラム(第3期)」について御評価頂ければと思います。このほか、一番上の「革新的細胞解析研究プログラム」の事後評価及び「次世代がん研究戦略推進プロジェクト」の中間評価についても、後ほど御説明したいと思います。
 続きまして、資料1-1-2を御覧いただければと思います。2ページ目がライフサイエンス委員会の名簿でございますが、本日主査は所用のため欠席させていただいております。
 4ページからが事前評価の結果でございます。1ページお開きいただき、最初のプロジェクト、「革新的バイオ医薬品創出基盤技術開発」でございます。こちらは新規でございまして、ポンチ絵の中ほど右に世界の大型医薬品の売上高ランキング上位10位を並べております。この10位のうち7品目までが、バイオ医薬品と言います、抗体でございますとか、タンパク質、核酸などを使った医薬品がランキングをされているところでございます。バイオ医薬品につきましては、欧米製薬企業がかなり市場を握ってございます。我が国の製薬メーカーも追い上げつつあるところでございますが、追い上げるためには、左の囲みにありますような、まだ世界でどこも成功していない技術、分子量を小さくして注射剤にしていく、あるいは細胞内の標的に直接ターゲットするようなバイオ医薬品の開発、あるいは生理活性を制御する糖鎖の効率的な制御でございますとか、一つ飛びまして、核酸医薬品を安定化する技術、こういったものが日本のバイオ医薬品業界を活性化させるためには必要であるという状況がございます。こういった課題に、日本の強みでありますケミカルバイオロジー、あるいは、構造生物学、計算科学、糖鎖工学などを総動員しまして日本のバイオ医薬品の産業を活性化していこうということが、狙いでございます。
 事前評価でございますが、課題概要は、今御説明させていただきましたとおりでございまして、7ページ、各観点からの評価を御説明いたします。まず、必要性については、製薬会社が抱えている技術的課題を解決していくということで、必要なプロジェクトと評価されてございます。有効性につきましては、バイオ医薬品では、こういった革新技術の開発とともに、製造技術を改良して低コスト化を図るという、二つの問題点がありますが、低コスト化につきましては、今年度から経済産業省でプロジェクトが始まり、その面について措置をされる予定となってございますので、両プロジェクトが合同して行うことにより、非常に有効ではないかという評価でございます。3点目の効率性でございますが、このプロジェクトに必要な技術につきましては、平成23年度まで文部科学省で推進していました「ターゲットタンパク研究プログラム」、及びそれを引き継ぎました「創薬等支援技術基盤プラットフォーム事業」で培ってきているところもございますので、これらの事業との連携により、効率的に推進することが可能と評価されております。
 総合評価といたしましては、我が国のバイオ医薬品の国際競争力を高めるためには、本事業を積極的に推進すべきであるとされております。ケミカルバイオロジー等々の我が国が得意とする分野及び先ほど申し上げました「創薬等支援技術基盤プラットフォーム事業」との連携を推進することで、効果的に技術成果を創出することが期待されるとされています。また、バイオ医薬品研究に関わる人材の育成も重要であるため、アカデミア及びベンチャー企業においてすぐれた技術を持つ研究者の参加いただき、研究者の交流等々を戦略的に図っていくための仕組みも必要といった評価を頂いておるところでございます。
 続きまして、8ページ、「橋渡し研究加速ネットワークプログラム」でございます。この橋渡し研究の支援につきましては、平成19年度より支援をしているところでございます。ページの中ほどにあります日本地図の中に七つの大学を記載しておりますが、このプログラムは、これらの拠点に、基礎研究のシーズを臨床応用までつなげていくための専門的な人材、設備、それから必要な研究費などを支援することにより、周辺の大学も含めたネットワークを作りながら、基礎的なシーズを臨床応用まで持っていくという事業でございます。右手のプログラム開始後の実績にありますように、現在までに薬事承認を受けたものが、医療機器四つ、薬一つと、五つも項目が出ているところでございまして、この取組をさらに加速させるとともに、昨年度より厚生労働省で、大学等における臨床研究を国際水準の質の高いものにするための事業、臨床研究中核病院整備事業というものを実施しておりまして、厚生労働省の事業と連携を密にすることにより、質の高い環境における基礎段階のシーズを実用化まで持っていく取組を行い、革新的な医薬品・医療機器をどんどん創出していくことを、来年度事業として計画しているところでございます。
 9ページの4ぽつからが評価でございます。必要性としまして、医薬品・医療機器の分野は成長産業として期待感が高い一方、次のページ、人材及びシーズの育成費用の不足というものが生じており、こういったプログラムで支援を行うことは、非常に必要性が高いと評価を受けてございます。また、有効性といたしまして、既にこのプログラムは実績を上げておりますので、この枠組みを使った支援により、革新的な医療を国民に還元していくということには非常に効果があるであろうと評価を頂いております。また、効率性の観点からは、厚生労働省の事業と一体化しまして、必要な人材を共有していくなどの取組により、効率性も上がっていこうという評価を頂いております。また、革新的なシーズを切れ目なく支援することで、遅滞なく実用化を図っていくということで、効率的であろうという評価を頂いております。
 総合評価といたしましては、我が国発の医薬品・医療機器を、持続的かつより多く創出することは、成長戦略の重要な柱であって、厚生労働省との密接な連携で一気通貫にこの臨床研究を支援する体制を構築することは重要であり、開発に係る専門人材の拡充などで拠点を強化して、このシーズに対する開発が途切れないように支援をしていくことが望ましいという評価を頂いているところでございます。
 続きまして、11ページ、「創薬等ライフサイエンス研究支援基盤事業」でございます。こちらの事業につきましては、平成24年度から行っている事業でございます。後ほど事後評価で「セルイノベーションプログラム」の御説明をさせていただきますが、その別事業で培ってまいりました、ポンチ絵左の中ほどに次世代ゲノム解析の拠点を追加しようとしておりますが、具体的には、1細胞のRNAの解析を行う技術、あるいはエピゲノムというDNAのメチル化修飾を、これも非常に高効率で解析をするという技術が「セルイノベーションプログラム」で確立されましたので、その技術をオールジャパンの研究者あるいは製薬企業の方にも使っていただけるような体制を構築する。それを、従来、タンパク質の構造解析、あるいは低分子化合物のスクリーニングを行う拠点を統合しておりました「創薬等ライフサイエンス研究支援基盤事業」の中に盛り込むことによりまして、相乗効果を持たせていきたいと考えてございます。
 13ページからが評価でございます。まず、必要性につきましては、政府の「健康・医療戦略」にも位置付けられておりますが、単一細胞のRNA解析ができるということは非常に病態解明に有益であります。また、エピゲノム解析も、個別化医療、個人個人の差を勘案した医療にも有効な技術でございまして、こういったものがこの拠点に入ることで新たなシーズの発見に大きく貢献できることから、必要性が高いとされております。また、有効性につきましては、この革新的な技術を今度は支援拠点として日本全国のライフサイエンス研究者に広めることが可能となりますので、極めて有効性が高いと考えてございます。また、効率性につきましては、「セルイノベーションプログラム」で開発した技術を従来行っていましたタンパクの構造解析等々の技術と同じプロジェクトに入れることにより、相乗効果も期待でき、効率性があると評価されてございます。
 総合評価でございますが、我が国の医薬品の競争力を高めるためには、最先端の技術を用いることが重要でございまして、高度なゲノム解析技術を普及させることが重要であり、また、このゲノム解析技術と従来のタンパク構造解析などの技術を融合しつつ、さらに発展させるということで、疾患研究の進展というものが期待されるという評価を頂いているところでございます。

【阿蘇研究振興戦略官】  続きまして、14ページ目を御覧ください。「オーダーメイド医療の実現プログラム」です。こちらのプログラムは、遺伝情報を基に個々人に適合した予防・診断・治療を可能とする医療(オーダーメイド医療)の実現に向けた取組を行うことを目的としているものでございます。これまでに構築した研究基盤を活用しましてSNP解析を行って、疾患関連遺伝子、薬剤関連遺伝子を同定してまいりました。これらのうち、三つの薬剤、カルバマゼピンなどにつきましては、既に臨床研究を開始しているところでございます。さらに、今後の方向性といたしましては、引き続きバイオバンク機能の拡充に努めるということ。あるいは、右下のところに書いてございますが、平成26年度の予算の拡充事項でございますけれども、臨床検体の全ゲノムシーケンスの試行的実施と機器の設置、新たな解析基盤の構築、あるいは、二つ目といたしまして、ほかのバンク事業との連携によるオーダーメイド医療の基盤強化ということが、今回の概要になってございます。
 こちら、事前評価につきましては、15ページ目を御覧ください。ほかのバンク事業との連携ということを拡充したいと考えておりますけれども、3ぽつの課題概要の「さらに次年度からは」というところでございますが、具体的には、ナショナルセンターバイオバンク・ネットワーク(NCBN)等、ほかのバンクとの連携を推進し、バイオバンクの検体や情報を統合的に解析する基盤を整備するとともに、国立高度専門医療研究センターの臨床機能と連携いたしまして、こちらの事業で同定した遺伝子・関連遺伝子を臨床研究につなげるといった取組を推進してまいりたいと考えております。
 事業の必要性でございますけれども、関係大臣申合せの「健康・医療戦略」におきまして「バイオバンクの基盤を確立するため、健常者・患者コホート研究及びバイオバンクの取組において各事業の相互連携を推進する」といったこと、あるいは、東北メディカル・メガバンク計画検討会、16ページに参りまして、平成24年の「オーダーメイド医療の実現プログラムの在り方に関する検討会報告書」等におきまして、共同研究を実施することの重要性について指摘されているところでございます。また、有効性につきましては、他バンクとの連携により疾患と遺伝的要因や環境要因等の関連性の解明の成果をゲノム医療の実現に向けて国民に還元していくとともに、急速に進むゲノム解析技術の進展を踏まえて、全ゲノムシーケンス解析の解析基盤の強化を図ることは、非常に有効であると評価されてございます。また、効率性につきましても、既に保管されている検体試料等を用いながら研究を実施するということから、効率性は担保できると評価されてございます。
 また、総合評価でございますけれども、他バンクとの連携を進めることは、疾患と遺伝的要因等の関連性の解明を加速するためにも重要な取組であるということ。また、得られた成果を予防・診断・治療などに活用されることを見据えて、基盤的な研究を積み重ねていくということも重要であるということを御指摘いただいております。また、ゲノム解析、急速に技術革新が進んでいるということから、適切な解析手法を検討しつつ進めることが重要であるという評価を頂いております。
 続きまして、資料の17ページ目でございます。「次世代がん研究戦略推進プロジェクト」でございますけれども、こちらのプログラムは、次世代のがん医療の確立に向けて、革新的な基礎研究の成果を厳選して、診断・治療薬の実用化開発につながる有望な化合物等の探索研究を推進しているところでございます。こちらは、来年度、拡充要求を検討してございまして、これまでの成果、具体的にはシーズになり得る新薬候補化合物の育成を加速させる取組を進めてまいりたいと思います。既に新規の抗がん剤の有望シーズとなり得るシーズ、37種の取得でありますとか、1,500検体に及ぶバイオマーカーの解析を終了しているところでございますが、次年度以降、創薬支援技術グループ、あるいは先端融合技術育成グループというものを併せて協働して研究を進めることによりまして、こちらのシーズの育成といったものを加速させていきたいと考えてございます。
 具体的な事前評価票でございますが、18ページ目以降です。18ページ目の3ぽつ、課題概要は、先ほど申し上げたとおりでございますが、特に次年度からは、これまで育成してきたシーズを、ドラッグデリバリーシステムなどの創薬基盤技術の研究開発をはじめ、がん研究とは異分野の分子イメージング技術などの先端技術と融合した研究開発に着手するということを検討しております。
 必要性につきましては、これまでこのプログラムに関しましては、「第3次対がん10か年総合戦略」や「がん対策推進基本計画」に基づき、がん研究を推進してまいりましたが、さらに、18ページ目の一番下の「健康・医療戦略」、19ページ目でございます「日本再興戦略」におきましても、がん研究に係る指摘を受けて、シーズの導出を一層加速させる必要があると評価されております。さらに、文部科学省、厚生労働省、経済産業省の3省で協働した今後のがん研究の在り方についての報告書におきましても、新規薬剤開発において直面しておりますドラッグ・ラグ解消に向けた研究開発などの指摘を受けているところでございます。また、有効性につきましては、ライフサイエンスにとどまらない広範な基礎生命科学の研究をさらに推進する取組であり、国際競争力の向上に資するということ。また、効率性につきましては、これまで、本事業の実施に当たりまして、研究方針の決定に際して様々なステークホルダーの参画を得ることにより研究領域を設定していること、また、設定された研究領域につきましてポテンシャルの高いシーズ育成チームを構成すること、また、それらの研究チームを支える研究支援基盤を整備して進めていることなど、研究推進体制を構築してきたところでございますけれども、引き続き、これらの研究推進の仕組みを導入することにより、効率性が確保されるものと評価されてございます。また、後ほど次世代がんのプロジェクトに係る中間評価について御報告いたしますけれども、評価結果を踏まえて、各研究の次年度以降の研究費の適正化、中止措置なども含めた、在り方を検討していきたいと考えてございます。
 5ぽつの総合評価でございますけれども、がん分野の研究におきまして、エピゲノム等の研究が進捗しているところであり、研究成果を応用につなげるために、より基礎研究を充実させることは重要であること。また、若手研究者の育成、創薬支援技術、先端融合技術も合わせたプロジェクトの推進ということは、妥当であるという評価を頂いているところでございます。
 ライフサイエンス委員会の事前評価につきましては、以上でございます。

【大垣分科会長】  御苦労さまでした。
 それでは、ただいまのライフサイエンス委員会の説明に関しまして、何か、御質問あるいは御意見はございますでしょうか。いかがでしょうか。
 どうぞ。

【松田委員】  日本版NIHの設立とか、そういったプロジェクトが今言われているわけですけど、そういったものの中で、今御説明していただいたようなものがどういった位置付けに入ってくるのかを教えていただけませんでしょうか。

【板倉ライフサイエンス課長】  まず、この8月8日に健康・医療戦略推進本部というものが開催され、そちらで医療関係の来年度予算要求の姿について決定されたところでございます。総理が本部長になり、全大臣が参加をしている本部でございまして、役割としては、予算の一元的な調整を行い、医療分野の研究開発の総合戦略を作っていくことをミッションとしてございます。そういう中で、今、私どもが説明したものを含めまして、医療に関係しそうなものは全て内閣官房の方に説明を行い、関係省庁との連携なども含めて調整を行って財務省に予算要求をしていくという仕組みが決められたところでございます。こういった調整も踏まえつつ、日本版NIH、この新しい独立行政法人ができるところでございまして、執行することが適切なものについては新しい独立行政法人で執行していくということになろうかと思います。
 具体的には、総合戦略、あるいは独法の事業全体につきまして、年末までに調整が行われるということになろうかと考えてございます。

【松田委員】  ありがとうございました。

【大垣分科会長】  よろしいですか。

【松田委員】  はい。

【大垣分科会長】  ほかにはいかがでしょうか。
 特に、よろしいでしょうか。それでは、どうもありがとうございました。
 それでは、次の委員会に移りたいと思います。脳科学委員会、お願いいたします。

【板倉ライフサイエンス課長】  脳科学委員会の事務局をやっております、ライフサイエンス課長の板倉でございます。
 まず、資料1-6-1を御覧いただければと思います。2013年度は、一番下の新規課題の事前評価がございます。また、課題Dの事後評価、課題F、Gの中間評価につきましては、下半期に行うこととしておりますので、検討が終わり次第、御審議いただきたいと考えております。
 具体的な事前評価の中身でございますが、資料1-6-2を御覧いただければと思います。開いていただきまして、2ページ目に脳科学委員会の名簿でございます。3ページが、来年度の新規要求でございます「革新的技術による脳機能ネットワークの全容解明プロジェクト」でございます。国際的な脳研究の流れといたしましては、ミクロのアプローチとマクロのアプローチがございます。ミクロのアプローチは、分子生物学的なアプローチ、あるいは電気生理学的なアプローチで脳機能を解明していこうとしております。マクロのアプローチといたしましては、MRIですとかPETなどを利用して、イメージングで脳機能を探っていこうというアプローチでございます。世界的に直面している課題としまして、二つの手法がつながっていかないという点がございます。ミクロとマクロ、これをつなげるのが神経回路の解明で重要となってございまして、欧米でも1,000億規模の大規模プロジェクトが今年から動き始めたという状況でございます。我が国におきましても、神経回路の全容を解明しようということで、日本の得意としております霊長類研究、中でも世界で初めて小型の霊長類でありますマーモセットの遺伝子操作を行いましてトランスジェニック・マーモセットを作ることを可能にしたというブレークスルーがございましたので、このマーモセットの脳の構造と機能の解明をいたしまして、ヒトのデータと比較することで、ヒトの精神・神経疾患の克服でございますとか、高次脳機能の解明、あるいは新しい情報処理理論の確立と応用ということを目指していこうというプロジェクトでございます。
 評価でございますが、次の4ページの4ぽつの(1)からでございます。今、私が説明しましたマクロとミクロのギャップを埋めていくというところで、この計画は非常に重要であろうという評価を受けております。また、次のページでございますが、このプロジェクトの波及効果で、精神・神経疾患の克服、あるいは新しい情報処理技術、あるいは高次脳機能の解明によります教育等々への貢献ということも可能になるという評価を頂いてございます。有効性につきましては、神経回路の解明に関して、マーモセットであれば神経回路の操作ということもできますので、精神・神経疾患と脳機能障害の因果関係の物理的な証明ということも可能になると期待されておりまして、精神・神経疾患の克服には非常に有効な手段ではないかと、評価を頂いてございます。また、効率性でございますが、文部科学省で精神・神経疾患の克服のためのプログラムを動かしているところでございまして、こういったところとの連携ですとか、あるいは、このプロジェクトで使います遺伝子操作をしますマーモセットを低コストで供給しようという事業も行ってございますので、こういったところとの連携で効率的に事業が行えるということを期待してございます。
 総合評価でございますが、精神・神経疾患の克服のためには脳機能ネットワークの全容解明が不可欠であると評価されております。マーモセットの遺伝子操作技術は「脳科学研究戦略推進プログラム」等により世界に先駆けて日本で開発した技術で、世界をリードする状況にございます。本プロジェクトを通じて、現代脳科学の中で細分化・分断化されています研究領域を結び付け、ブレークスルーを起こすということが期待されております。なお、動物を扱うということもございますので、このプロジェクトに当たりましては、動物愛護管理法で定めております3Rを十分に考慮した研究体制を構築するほか、倫理的・法的・社会的問題を想定し、適切に検討することが必要であるという評価を頂いておるところでございます。
 以上でございます。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの脳科学委員会の報告に関しまして、何か、御質問、御意見ございますか。
 よろしいですか。それでは、特に御意見ないということで、どうもありがとうございました。
 それでは、次の委員会に移ります。環境エネルギー科学技術委員会であります。よろしくお願いします。

【安井委員】  委員会主査の安井でございます。資料といたしまして、資料1-2-1と1-2-2を使わせていただきます。資料1-2-1、横長のA4のものでございますけれども、御覧いただきますと、グリーンの矢印のような箱が二つございます。下の方に「大学発グリーンイノベーション創出事業」というのがございます。平成23年から開始されているものでございますが、その中に一つ事業を追加させていただきたいということで、事前評価を御審議いただきたいものでございます。
 資料1-2-2に事前評価結果の案をまとめております。1ページ目、2ページ目を飛ばしまして、5ページに事前評価票がございますが、まず、北極というものの意義でございます。北極は気候変動が起きますと、影響が最も大きくて、温度の上昇も最も激しいという、非常に重要なところでございますが、単にそれだけではなくて、日本等へも、北極からの影響が来るということで、極めて重要な地点でございます。
 6ページの国費を用いた研究開発としての意義というところに背景を書いてございます。25年5月にAC(北極協議会)オブザーバーの資格というものが承認されまして、北極圏への研究面での貢献が求められるようになった背景がございます。これにどう対応していくかということでございますが、内容といたしましては、やはり人材がどうも足らないようであるので、若手の育成ということで何とかカバーしたいというのが、趣旨でございます。具体的には、アラスカ大学のIARC(国際北極圏研究センター)への研究者の派遣、あるいはカナダの、Arctic Netと呼ばれている、50大学が参画するようなコンソーシアムへ若手の研究者を送ると、そういった形で人材育成及び国際的な連携を強化したいと、そういったプログラムを追加したいということでございます。
 評価でございますけれども、6ページの下の方にございます4ぽつの必要性に関しましては、国際連携の強化と若手研究者の育成は必要であると認識をされました。2番目の有効性については、7ページになりますが、人的・物的リソースを効果的に使うということで、この協力関係を維持するのは重要であろうと、そういう意味からこういった国際展開は非常に有効ではないかという評価でございます。3番目の効率性でございますが、既にあります海外機関のポテンシャルを活用するということで、高い効率性が認められるのではないかということでございます。
 最後に、総合評価でございます。どちらかといいますと比較的ばらばらに行われていた北極圏の研究者をまとめているこの研究、GRENEと呼ばれる先ほどの全体がそうなのですけれども、その枠組みの中で若手人材の育成を行うということは高く評価できるのではないかというようなことでございます。ただ、若干の留意事項というものが指摘されておりまして、7ページの黒丸として挙げられているものでございます。一番重要なのはどれかといえば、真ん中辺り、定期的な評価を行いなさいと、そういうことになったということでございます。
 簡単でございますけど、以上でございます。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。ただいまの御説明に関しまして、何か、御質問、御意見はございますでしょうか。いかがでしょうか、北極圏の研究ですが。
 よろしいですか。それでは、どうもありがとうございました。
 それでは、次の委員会、情報科学技術委員会、お願いいたします。

【下間参事官(情報担当)】  情報科学技術委員会の事務局を務めております、研究振興局参事官(情報担当)の下間でございます。本日、有川主査は御欠席でございますので、私の方から御説明申し上げます。
 資料1-3-1と資料1-3-2でございますけど、1-3-1を御覧いただきますと、情報科学技術関連では、本日、2件の事前評価をお願いしたいと考えてございます。
 一つは、ビッグデータの利活用のためのシステム研究をフィージビリティースタディーという形で、昨年度、事前評価を頂きまして、今年度実施をしておりますけれども、その成果などを踏まえ、26年度からビッグデータ利活用のための研究開発や環境構築のための事業を開始いたしたいということで、また、これを含む事業につきましては、平成17年度から「次世代IT基盤構築のための研究開発」という形で実施をしてまいりましたけれども、事業のスキームを見直しまして、「未来社会実現のためのICT基盤技術の研究開発」として、来年度から実施をいたしたいと考えております。これらにつきまして、評価を賜りたいと思います。
 もう一つは、「エクサスケール・スーパーコンピュータ開発プロジェクト(仮称)」の推進でございます。「京」を中核とするHPCI(革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ)の計画が現在進行しているわけでございますけれども、その中で、2020年頃までに、「京」の100倍の計算性能を持つエクサスケールのコンピューティングの実現を目指すというプロジェクトでございます。
 資料1-3-2に沿いまして、御説明申し上げたいと存じます。1-3-2の3ページでございます。「未来社会実現のためのICT基盤技術の研究開発」の概要というところでございますが、安倍政権が世界最高水準のIT利活用社会の実現を目指してこれまでと次元の異なる取組を推進していく中で、文部科学省といたしましても、産学官連携、それから各省の役割分担の中で、政府の方針に従って、あるべき未来社会の実現に必要なICT基盤技術の確立に向けて必要な研究開発を重点的に実施するということで、全体としては、ビッグデータの利活用、情報システム・情報デバイスの革新によるあるべき未来社会の実現によって、革新的な新産業・新サービスの創出や、健康で安心して快適に生活できる、安全で災害に強い社会を実現していくということでございます。3点ございますが、情報システムあるいは情報デバイスに関する事業につきましては、既に平成23年度に研究開発課題の事前評価を実施いただいた継続事業でございますので、ビッグデータ利活用のための研究開発や環境構築に係る事業につきまして、御審議を賜りたいということでございます。
 ビッグデータを利活用するためのシステム研究開発でございますけれども、急増するデータ、大量で多様ないわゆるビッグデータをリアルタイムかつ自動的に処理するシステムの研究開発を産学官の連携により進めまして、2017年度までに試行システムの構築とデモンストレーションの実施を行うことによりまして、ビッグデータの利活用による、国民の生活の向上、及び新産業・新サービス創出に貢献をしていくということでございます。
 また、ビッグデータ利活用によるイノベーション人材育成ネットワークの形成につきましては、今年度、フィージビリティースタディー的に既に開始をしているところでございますけれども、これを拡充いたしまして、多くの機関の参画も得て、ビッグデータを有する各分野及び情報・統計分野の専門知識を有し、分析結果から新たな知見を得られる人材の育成手法を確立するとともに、ビッグデータの利活用につきましては様々な人材育成の取組がございますけれども、こういうネットワークを形成することを志したいということでございます。
 事前評価票でございますけれども、4ページ、概要はただいま御説明したとおりでございますので割愛させていただきまして、5ページの各観点からの評価の部分を御説明申し上げたいと思います。必要性などにつきましては、情報科学技術一般といたしまして、今後の社会構築に向けて情報科学技術は中核となる技術であり、ICT基盤技術の研究開発は不可欠であり、また、その中でビッグデータ等につきましては、時宜にかなった施策で、緊急性は高く、早急に取り組む必要があります。今回、事業のスキームといたしましては、あるべき未来社会の実現に向けて必要な技術の実用化を見据えた研究開発へさらにシフトをさせていくということで、具体的には事業構想段階から実用化を見据えて、関係各省とも連携・分担をしながら、民間企業とも密に連携した研究体制の構築をするということでございます。こうしたことが成果に結び付くようなプロジェクトの運営につながることが期待され、合理的であると評価されております。また、ビッグデータの利活用については、文部科学省が中心となるべき人材育成についても継続的に取り組んでいく必要があるということを含め必要な取組であり、有効性、効率性につきましても同様の御指摘をいただいております。7ページの総合評価といたしまして、大量のデータに対処する技術、人材の育成ということは、重要かつ時宜を得た課題であり、また意義が高いことから、実施すべきと評価されております。その中で、事業運営としては、文部科学省としての役割を十分に考慮しつつプロジェクト運営を進めるべきであり、事業方針として、技術開発と並行して社会制度の研究を行う必要――具体的には、データの利活用のないところにビッグデータ利活用の技術研究もないわけでございまして、そういうco-designの視点を持つべきであるなど、御指摘を賜っているところでございます。最後に、平成26年度以降の本格実施に当たって、対象とするデータや達成するシステム機能を明確化したプロジェクトを具体的に設定して実施し、実用に耐えるシステムの構築と、そのために必要なICTとしての技術開発の両面を実現するような課題設定を行うべきであり、また技術については、国際標準を見据えて進めるべきであると評価を頂いているところでございます。これらを踏まえまして、具体的な概算要求について、現在検討しているところでございます。
 2点目、9ページ「エクサスケール・スーパーコンピュータ開発プロジェクト」でございます。繰り返しではございますけれども、国家の基幹技術である世界最高水準のスーパーコンピュータを国として戦略的に開発・整備することで、科学技術の振興、産業競争力の強化、安全・安心の国づくりなどの社会的課題を解決につなげていく。そのために、エクサスケール・コンピュータの開発・整備と、エクサスケールのスーパーコンピュータを活用するためのアプリケーションの開発について、平成32年(2020年)頃までにエクサスケール・コンピューティングを実現する。その中で、我が国のフラッグシップシステムとして、主要な社会的・科学的課題の要求性能に対応でき、かつコストパフォーマンスにすぐれたエクサスケール・スーパーコンピュータとする。アーキテクチャーとしては、汎用部分と、それに加速部分を組み合わせるというシステムが今議論されているわけでございますけれども、そうした加速部を含むアーキテクチャーの検討をはじめとする様々な視点からの検討を行う。また、CPU等のキーとなる技術については、システムソフトウェアやアプリケーションの開発、人材育成等の観点で国内開発の利点があることから、国内外の技術動向を評価し、柔軟に対応していくことを前提として、現時点では新たに自主開発することを基本方針とする。現時点で独立行政法人理化学研究所が開発主体候補でございますけれども、これを中心といたしまして、大学・研究機関、開発企業、ユーザー団体等から構成される実施体制により、ハードウェアとアプリケーションの開発を密接に連携して進める。スケジュールにつきましては、来年度、システムの基本設計、またアプリケーションについてフィージビリティースタディーを進め、その後、システムの試作・詳細設計等を経て、2020年度の運用を目指すというようなことでございます。
 10ページにエクサスケール・スーパーコンピュータで解決すべき主な社会的・科学的課題ということが示されてございます。まず、エクサスケールのスーパーコンピュータの開発ありきではなく、それによって何を解決していくのかという、社会的・科学的課題の提示が重要であるというような観点がございます。お手元に、机上配付資料といたしまして、「今後のHPCI計画推進のあり方に関する検討ワーキンググループの中間報告」も配付させていただいておりますけれども、大体40ページぐらいの報告の中で、4分の1をこうした課題に割いてございます。それらを抽出いたしましたのがここにございます。最適な治療を実現する画期的な新薬開発や安全性の高い自動車開発といった創薬やものづくりといった分野、広域複合災害に対する総合防災・減災対策といった国民の安全・安心につながる分野、また、宇宙の起源と進化の探求といったサイエンスで重要な成果といった点を挙げ、こうした課題の解決のために取り組んでまいりたいということでございます。
 評価につきましては、12ページからの必要性、有効性、効率性について触れたいと思いますが、必要性、有効性、効率性とも、それぞれ重複している部分がございますので、省略をしながら御説明申し上げたいと思います。科学技術の第三の手法であるシミュレーションのための強力なツールとして、また、ビッグデータの処理・解析やデータ同化のための重要なツールとして、スーパーコンピュータというものは重要であります。また、シミュレーションの活用により、産業競争力の強化、安全・安心の国づくりといった観点からも重要になってきております。こういった中で、国際的にも各国がエクサスケール・コンピューティングの実現に向けて計画的に研究開発を推進しており、こうしたスーパーコンピュータの開発は、国内産業への波及効果を持つのみならず、広い意味での安全保障とも関係することから、我が国において継続的にスーパーコンピュータを開発していくための技術力を維持・強化することが重要となります。繰り返しでございますが、ハードウェアの開発と協調して、当該ハードウェアの能力を最大限活用するアプリケーションを開発することが重要であるというようなことから、平成32年頃までにエクサスケール・コンピューティングの実現を目指し、本プロジェクトを国として重点的に推進する必要があります。その際、主要な社会的・科学的課題の要求性能に対応でき、かつコストパフォーマンスにすぐれたエクサスケール・スーパーコンピュータについて、研究振興局長の私的諮問会議のHPCI計画推進委員会で、具体的なHPCI計画の推進について議論をしております。そこでの評価や議論を踏まえることを前提に、様々な観点からの検討を進め、特にそうした研究開発の必要性といったことにつきまして、一層の精査をしていくということでございます。
 有効性につきましても、我が国は、「京」の開発により、高性能なプロセッサやネットワーク、すぐれた省電力機構などの技術を獲得してございます。こうした世界最高水準のスーパーコンピューティング技術を開発する本プロジェクトは、我が国IT産業の競争力を高めるのみならず、国内産業への様々な波及効果を持つことも期待されているところでございます。こうした人材の養成あるいは知的基盤の整備というような観点からも、非常に意義あると認められております。
 また、効率性の観点からも、このプロジェクトでは、「京」のプロジェクトの過程で蓄積した技術・経験・人材・アプリケーションといったものの活用により、効率的なプロジェクトの推進や成果の創出が可能であり、今後、こうしたエクサスケール・スーパーコンピューティングの実現に向けて、5~10年後を見据えた技術的知見を得ることを目的として、現在、フィージビリティースタディーを実施してございます。そうした調査研究の結果なども踏まえ、効率的な推進が可能であるということなどから、計画・実施体制等々において妥当性が十分にあると考えられますが、技術的変化、国際的状況変化等への対応方策を引き続き検討していく必要があるとされております。総合評価としましては、スーパーコンピューティング技術というものが競争力の源泉たる国家の基幹技術である中で、国際的にも自主開発が拡大している中、我が国の計算科学技術インフラを発展させ、様々な分野で貢献するということとともに、必要な技術や経験の継承・発展、それを支える人材の育成・確保、広い意味で安全保障にも貢献することから、国として着実に推進することが必要と評価されております。一方、15ページでございますが、相当額の国費が投入されるプロジェクトですので、その内容、必要性、期待される成果等について、引き続き、合理的かつ分かりやすい説明に努める必要があると。また、アプリケーションの開発を協調的に進めることで、成果を国民に見える形で早期に創出していく必要がある。さらに、開発主体候補である独立行政法人理化学研究所の提案を引き続き精査し、現時点で最善の選択をすることも当然であるけれども、スーパーコンピュータの分野は技術的な進展が早いので、プロジェクトの推進に当たって、解決すべき社会的・科学的課題とそれに必要な仕様、国内外の動向、開発体制、自主開発すべき要素技術、下方展開した場合の競争力、開発のスケジュール、コスト、そのコストパフォーマンス等について引き続き検討を進め、幅広い御意見を踏まえながら、検討事項について段階ごとにHPCI計画推進委員会の評価を受ける必要があるという評価を賜っているところでございます。
 説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に関しまして、何か、御質問、御意見、お願いいたします。
 どうぞ。

【平野委員】  私は反対するものではありませんけれども、ビッグデータに関わる「未来社会実現のためのICT基盤技術の研究開発」においては、委員会では当然議論をされているだろうと思いますが、単に成長戦略のための技術開発・技術基盤強化ということも当然大事なのですが、個人的な目線に立って、個人情報をどのように保護し、ビッグデータとして国の安心・安全のために使うのか、を考慮していただきたいと希望します。どうもビジネスが先に動いているのではないかとの懸念がありますので、せめてこの文部科学省の委員会においてはきちっと、人材育成とともに、その点についても、産官、行政の方が一緒になって動く委員会ですから、留意していただきたい。これは希望であります。

【大垣分科会長】  ありがとうございます。
 どうぞ。

【柘植委員】  エクサスケール・スーパーコンピュータの開発プロジェクトで、今の説明、特に最後の総合評価の説明でカバーされていると認識していますが、念のために2点だけ、情報科学技術委員会及びこのスーパーコンピュータを支える専門の方々にお伝え願いたいと思います。まず1点目は、「京」コンピュータを開発したときの教訓ですね。失敗とは言わないですけど、今から見れば避けることができた手戻りがあったと、私は記憶しています。是非とも、「京」の基本設計以前の、基本計画というか、フィージビリティースタディーのシステム構成の教訓をもう一回、それを来年から始まりますエクサスケール・スーパーコンピュータの開発プロジェクトに生かしてほしいということです。そうしないと、「京」の場合は1年、時間を無駄というか、手戻りが起こってしまったということがあります。
 2点目は、まさに10ページのパワーポイントにありますような解決すべき社会的・科学的課題、これの社会的なコンセンサスを得るということです。先ほど総合評価にも書いてありましたけれども、国民の理解を得る、社会からの理解を得ることの説明を相当前広に分かりやすくしてほしい。私に言わせると、国としてスーパーコンピュータは持ってないと必ず負ける技術で、国の産業力も、学術の競争も含めて、持ってないと必ず負ける技術だと。産業的に見ると、例えば高性能電池なんていうものは、最先端のスーパーコンピュータを持っていないと必ず負ける技術だと、私は確信しています。「京」のときに一時、社会の方から、なぜ必要なのか、ナンバーツーではだめなんですかなんて政治の方からもありましたけれども、日本として持ってないと必ず国際競争で負けてしまう国家戦略技術であると、こういうのをきちっと前広に社会に理解してもらえるよう継続していただきたいと、この2点を是非とも関係者にお伝えください。

【大垣分科会長】  ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、ただいま出ました意見について、委員会へ伝えていただきたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、防災科学技術委員会です。お願いします。

【鈴木防災科学技術推進室長】  濱田主査が御欠席ですので、防災科学技術委員会の事務局より説明させていただきます。
 まず、資料1-4-1でございます。施策マップのうち、本日は事前評価といたしまして「レジリエントな社会の実現に向けた社会防災システム構築のための基盤技術開発」、そして、中間評価といたしまして「地震・津波観測監視システム(第II期)」を御説明いたします。
 資料1-4-2を御覧いただきたいと思います。まず、3ページ目に概要のポンチ絵がございまして、この事業の概要でございます。災害対策をトータルデザインいたしまして、社会の事前・応急・復旧・復興対応を効果的に推進するために必要な基盤技術を開発するというものでございます。これには、研究分野でしか現時点では活用されていない社会動態に関する個々の観測データを活用し、研究を進めるというようなことを考えている課題でございます。
 評価でございますけれども、4ページ目からでございます。3番は概要でございまして、その後、4番、各観点からの評価でございます。まず、必要性につきましては、早期に被害から回復するため、社会の事前・応急・復旧・復興対策を効果的に推進するための基盤技術の開発は、社会的意義、経済的意義が極めて高いというような評価をしていただいてございます。有効性につきましては、防災研究に役立つようなデータの公開が促進され、防災研究のさらなる進展が期待される、などとされてございます。また、効率性でございますけれども、現在進行形で進みつつある東日本大震災の災害対応に関する研究を行うこと、このタイミングで行うことは非常に重要であるという評価を受けてございます。
 また、全体的な話としまして、この課題は、近い将来発生が懸念される大規模災害時に被害を最小化し、早期回復力を備えた社会を構築するため、東日本大震災等の災害対応過程を科学的にモニタリングしながら、災害対策をトータルデザインし、社会の事前・応急・復旧・復興対応を効果的に実施することを目指すものであり、この内容で推進すべきであるという評価をされてございます。ただし、理学・工学・社会科学等の幅広い分野の研究者、企業や行政等の実務者が事業に参画する体制を構築するとともに、企業等のステークホルダーと研究機関との連携、研究機関同士の情報共有を進めることに留意すべきである。また、開発する技術・手法の最終的な利用形態を考慮した研究体制を地域スケールに応じて構築することに留意すべきであるという指摘がされております。
 以上でございます。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に関しまして、御意見、御質問、お願いいたします。
 どうぞ。

【有信委員】  最後の総合評価で一応検討はされていると思いますけれども、災害に対してレジリエントということは分かるんだけど、レジリエントという話と防災という話とが何となく直に結び付いて、それが防災科学かどうかというのはちょっと違う話のような気がしています。特に、企業では随分以前からビジネス・コンティニュイティー・プラン(BCP)というのがあって、様々な障害に対して事業の継続性をどう担保するかということに様々な施策がとられてきているはずです。BCPにも色々な、技術的に様々な手法が進んでいるはずで、おそらくその意味で企業等の実務者が事業に参画するという指摘があったのだろうと想像しますけれども、防災というところにこだわってしまうと観点がずれてしまいます。最後の総合評価のところ、社会科学等も含めた総合的な取組としてレジリエントな体制、つまり、様々な障害あるいは変化に対して柔軟に対応でき、機能を速やかに回復、あるいは維持できる、こういう視点での取組が必要かと思います。是非、検討をよろしくお願いします。

【大垣分科会長】  ありがとうございます。
 ほかにはよろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
 それでは、原子力科学技術委員会、お願いいたします。

【田中(知)委員】  原子力科学技術委員会の主査をしています、田中でございます。
 資料1-5-1は、原子力科学技術関係で人材育成及び研究開発について、現在あるいはこれから行おうとしているプログラムについて、描いてございます。まず、三つ目にございます「廃止措置等基盤研究・人材育成プログラム」について事前評価を、後ほどその下の「原子力基礎基盤戦略研究イニシアティブ」について、中間評価を説明します。
 資料1-5-2は、原子力科学技術委員会のメンバー、ポンチ絵、それから事前評価票となっております。まず、本事業に係る背景について、少し御説明したいと思います。東電福島事故への対応のため、政府及び関係機関が一体となって取り組む必要があることに加え、中長期にわたって継続的に新たな知見の創出、人材の育成・確保などが必要となるため、東京電力福島第一原子力発電所廃炉対策推進会議では、廃止措置等に必要な研究開発について、関係者が一体となって取り組むよう、中長期ロードマップを整備してございます。本事業では、中長期ロードマップを踏まえ、中長期的視点での人材育成に関する重点分野に関し、この8月に設立されました技術研究組合国際廃炉研究開発機構との連携の下、大学等の研究機関において多様な分野の英知を結集して基盤研究を着実に実施し、我が国における廃止措置等技術の高度化と廃止措置の着実な遂行に貢献できる成果の創出及び人材の育成を目指すものでございます。
 ポンチ絵の説明でございますが、本事業は、来年度からの新規事業として、事業年度を5年間とし、約9億円の概算要求を行う予定でございます。ただし、課題開始後3年後に中間評価を行い、中間評価の結果に応じて、計画の変更等、見直しを行うこととしております。本事業の実施に当たりましては、中長期ロードマップにおいて中長期的視点での人材育成に係る重点分野の候補例が挙げられておりますが、6課題をテーマとした委託研究事業を実施し、廃止措置等の現場に貢献できる成果の創出及び人材の育成を目標としております。その際、各々の研究課題について中核となる大学・研究機関、いわゆる中核拠点を設置し、中核拠点は福島第一原子力発電所の廃止措置等へ向けた研究開発を行っている国際廃炉研究開発機構の組合員である研究機関・メーカー等と共同研究を行うことを通じて、現場のニーズを踏まえた基盤研究を行うとともに、現場で活躍できる人材育成も実施していくこととしております。
 事前評価票でございますが、概要の後、必要性、有効性、効率性、総合評価とございます。概要につきましては、省略させていただきます。
 必要性でございますが、廃止措置を進める上で必要となる基盤研究が中核拠点によって実施され、民間事業では対象となりにくい分野の研究開発が促進されるとしております。有効性でございます。その分野に関する専門分野が育成されることから、我が国における廃止措置の技術及び人材育成の基盤を強化でき、廃止措置の実施に有効であるとしてございます。効率性でございます。廃止措置のニーズを把握した上で、中核拠点を核とする他機関との連携や共同研究、連携機関が所有する施設の活用や、連携機関からの講師派遣による研究者及び学生への教育等により、研究開発・人材育成のためのリソースを効率的に活用できるとしているところでございます。
 これらを踏まえ、総合評価として、福島第一原子力発電所の安全かつ着実な廃止措置を行っていくためには、政府及び関係機関が一体となって取り組むことが不可欠である。また、廃止措置が喫緊の課題であり、かつ完了するまでに30~40年程度かかると見込まれることを踏まえれば、廃止措置を進める上で必要となる基盤研究の実施や専門的な人材の確保を急務であるとともに、計画的に実施する必要があると、総合評価したところでございます。
 以上でございます。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。
 ただいまの説明に関しまして、御意見、御質問はございますでしょうか。
 どうぞ。

【柘植委員】  今の「廃止措置等基盤研究・人材育成プログラム」の事前評価票、これにはコメントはございません。これは避けがたいことで、優先事項としてこの事前評価結果で進めることが必須だという認識の下、本日の審議事項からは外れるのですが、今後の課題をリマインドしたいという意味で資料1-5-1について発言します。
 この原子力安全確保等に係る基礎基盤研究・人材育成のところで、「廃止措置等基盤研究・人材育成プログラム」は説明があったのですが、一つ飛んで、「原子力システム研究開発事業」が2008年からずっと続いています。ここのところは、不幸なことに福島の問題が起こり、原子力研究開発機構の機構改革、ミッションの再定義も含めて検討されていると認識しております。その中で、この間の中間報告でも出たように、原子力の安全性を高める、向上する研究と開発ということが、2番目か3番目の非常に重要な事項として書かれていたと、私は記憶しています。そちらの機構の方の活動と呼応して、この「原子力システム研究開発事業」の中身が今のまま進んでよいのか、あるいは機構の改革等――「等」というのは、かつて経済産業省が持っていたような開発的な部分の機能が今は完全に失われているということも含めると、必ずしも原子力研究開発機構だけじゃなく、国全体として原子力の安全性を向上する研究開発にあたり、科学技術・学術審議会として何をせねばならないか、そういう視点で、平成20年からやっているこの開発事業を一度点検して、必要な是正をするということが必要だなと、最近特に感じております。本議題じゃないのですけれども、是非ともお願いしたいと思います。

【藤木文部科学審議官】  この所掌は研究開発局じゃないかと思いますので、私の方から少し答えさせていただきたいと思います。
 柘植先生には、原子力研究開発機構の改革委員会にも委員として参画していただき、大変ありがとうございました。原子力は、福島の事故以降、その方向性をめぐって、政府全体としてもまだ議論が続いております。特に、原子力研究開発機構の大きな役割の一つである核燃料サイクル事業をどうしていくのかというのも、政府の中でまだ議論・検討中の状況でございます。その中で、原子力研究開発機構のガバナンスの問題をどうしていくのかといった問題を中心に、柘植先生にも委員会で議論をしていただきまして、ありがとうございました。特に、軽水炉も含めて安全性の研究に対する取組といったものを非常に重視した御意見を出していただいたと思っております。
 この「原子力システム研究開発事業」はもともと革新的次世代炉についての様々な研究開発を行うという趣旨で始まった事業でありますが、福島の事故以降、その方向性をどうするのかというのは政府全体の政策の方向性と併せて考えなければいけないというものではあります。ただ、私の記憶では、少なくとも原子力安全性に関わる部分についての技術開発については、この「原子力システム研究開発事業」は引き続き取り組んできているという理解をしております。ただ、いわゆる新世代炉そのものの成立性等に関する技術開発の部分については、政府全体の方向性の検討を待っているという状況にあると認識しています。これから、どのような研究開発の、あるいは政府の原子力政策の方向性がどのように向こうと、少なくとも安全性に関わる部分だけは必ずやらなくてはいけないという部分だと思います。この「原子力システム研究開発事業」だけではなくて、原子力研究開発機構においても、安全性に対する取組というのは決して、それを低下させることがあってはならない。これから機構の改革も具体化してきますけれども、その中でも安全性に対する取組はしっかりとできるように考えてまいりたいと政府の方でも思っておりますので、引き続き御指導いただければと思っております。

【大垣分科会長】  どうぞ。

【有信委員】  言わずもがなと思いますが、資料の図の中で挙げられている技術研究組合国際廃炉研究開発機構で、中長期的視点での人材育成に係る重点分野の候補例という、6点、研究開発内容が挙がっていますが、これは非常に妥当といいますか、真っ当な対象を挙げられていると思います。そういう意味では、この点に関しては、今までもずっと研究が続けられてきていますね、特に軽水炉を中心に。それだけの研究成果がありながら事故時に今のような結果に至ってしまったということがあるわけですから、そこを踏まえた形で人材育成をきちんとやっていくということで進めていただければと思います。

【大垣分科会長】  ありがとうございます。
 ほかに。どうぞ。

【西田放射性廃棄物企画室長】  ただいまの御指摘につきまして、事務局から御説明させていただきたいと思います。放射性廃棄物企画室長をしております、西田と申します。
 ただいま御指摘のあった重点分野ですけれども、我々としましても、福島の事故を踏まえて、中身について検討をしてまいりたいということで、平成25年度の事業の中で、こうした重点分野の絞り込み、あるいはやるべき課題のテーマについての調査研究事業をしております。それも踏まえて、26年度事業に反映させながら、実施していきたいと考えております。

【大垣分科会長】  どうもありがとうございます。

【平野委員】  ちょっと簡単に。

【大垣分科会長】  簡潔に。

【平野委員】  大学にいた者としての反省でもあるのですが、原子力関係の専攻学科ができた当初は、御存じのように、基盤となる機械だとか、あるいは核物理関係の方が一緒になって学科を創り、総合的な面も含めて授業ができていたと思うのです。最近の大学の中の原子力関係のところというのは狭すぎる危惧があります。今、図の中にいろいろ共同研究の矢印がありますが、個別に行くということも必要ですが、その深化だけではなくて、総合的にきちんと捉える人も相互連携で育てるよう留意していただければありがたいと思います。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。
 以上でよろしいでしょうか。個別の委員会の報告はこれで終了いたします。全体意見の時間がなくなってきましたけれども、特に発言という御希望があれば。

【有信委員】  全体的ということで、特にスーパーコンピュータのエクサスケールにも関わる話だと思いますけれども、例えばエクサのようなものをターゲッティングしたときに、単純に今までの技術を外挿して実現できるものと、現実にそれだけでは不可能なものがあるんですね。特にライフサイエンス系はなかなかうまくいかないのでそういう心配はないのですけど、エクサのような場合だと、単純に今までの技術をどんどん外挿していけるかというと、様々なところで技術的な限界が来るものがいっぱいあるわけですね。したがって、そういうことを含めて、もちろん優秀な方々が検討されているので十分検討されていると思いますが、例えばCPUの速度が今の100倍にできるかというと、これも不可能なのは目に見えているわけですから、そういうことも踏まえて検討をしていただきたい。
 ほかの分野もそうで、単純に技術というのは今の技術を外挿していけば達成できるという段階は、もうほとんどのところで終わっていると思います。限界に来ているので、全く新しいコンセプトだとか、新しいアイデア・仕組みが要求される。そういう意味で基礎研究が重要になっている時代でもあると思いますので、その点を全体的なコメントとして加えさせていただければと思います。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、全体はよろしいでしょうか。
 いろいろ御意見、ありがとうございました。ただいま頂いた御意見は、各委員会に戻って十分お伝えいただきたいと思いますが、全体としては、この事前評価案につきまして、本分科会として原案のまま決定してよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)

【大垣分科会長】  ありがとうございます。それでは、分科会として事前評価結果を決定することといたします。
 さて、この後、公開になりますが、休憩時間の予定が少し違っていますので、念のため、いつからにしましょうか。

【小山企画評価課長】  今、15時19分ですから、5分程度と思っております。25分に。

【大垣分科会長】  25分には始めさせていただくと、そういうことで。

【小山企画評価課長】  はい。その間に傍聴の方を入れさせていただきます。

【大垣分科会長】  あとは公開になります。どうもありがとうございました。後半、よろしくお願いします。

( 休憩 )


【大垣分科会長】  それでは、休憩前に引き続きまして、議題(2)の研究開発課題の中間・事後評価についてです。ここからは公開審議となりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本分科会に設置されております各委員会において取りまとめられた中間・事後評価案について、御審議いただきたいと思います。審議は、分野別委員会ごとに説明していただき、それぞれ質疑の時間を若干とりたいと思います。また、時間が許せば、全ての委員会からの説明が終わった後に全体を通して質疑の時間を設けるという手順で進めたいと思います。議題(1)と同様、資料につきましては各委員宛てに事前にお届けしておりますので、説明は、机上配付の施策マップを中心に、中間・事後評価票について必要な部分を簡潔にお願いいたします。
 それでは、ライフサイエンス委員会からお願いいたします。よろしく。

【宮地研究振興戦略官付専門官】  ライフサイエンス委員会事務局でございます。先ほど事前評価の方でも御説明ありましたとおり、永井主査は本日御欠席です。また、先ほど説明しましたライフサイエンス課長の板倉、研究振興戦略官の阿蘇も所用のため退席させていただいておりますので、研究振興戦略官付の宮地とライフサイエンス課の成田が御説明差し上げます。
 資料は2-1でございまして、「ライフサイエンスに関する研究開発課題の中間・事後評価結果(案)」という資料に基づき、御説明いたします。
 1枚開いていただきまして、左側、1ページ目でございます。中間評価が1件、事後評価が1件ございます。中間評価については「次世代がん研究戦略推進プログラム」、事後評価につきましては「革新的細胞解析研究プログラム(セルイノベーション)」でございます。
 4ページ目、研究開発課題の中間評価結果(案)ということで御説明いたします。
 1枚開いていただきまして、5ページ目「次世代がん研究戦略推進プロジェクト」の中間評価でございます。先ほど事前評価がございましたが、そこに至る中間評価でございます。背景としましては、右側にありますとおり、がんは日本国民の最大の死亡原因でございます。現在では3人に1人、近い将来には国民の2人に1人ががんにより死亡すると予測されておりますが、我が国では、基礎研究の評価は高いものの、それらの成果は、創薬、医療現場に届いていないという背景がございます。そのため、左側の事業概要にございます、次世代のがん医療の確立に向けて、革新的な基礎研究の成果を厳選し、診断・治療薬の実用化開発につながる有望な化合物等の探索研究を推進するということで、プロジェクトを推進してございます。
 本プロジェクトは、二つのプログラムから成っておりまして、下の図にございます「次世代がん研究シーズ戦略的育成プログラム」と「がん薬物療法の個別適正化プログラム」でございます。プログラムにおいては二つのグループで研究を推進しておりまして、革新的な治療法に関する基礎研究成果を活用し、一貫した取組により実施する創薬研究開発ということと、臨床情報と遺伝子情報の関連性の分析による新たながんの治療法や診断法の開発ということで実施しております。下の「がん薬物療法の個別適正化プログラム」については、遺伝情報に基づきまして、薬剤の副作用のリスクや効果の予測が可能となる遺伝子検査の開発を行っているということでございます。
 次のページ、6ページ目を開いていただいて、実施体制でございます。実施体制につきましては、両方のプログラムにプログラムリーダーを置いております。また、「次世代がん研究シーズ戦略的育成プログラム」については二つのグループを置いておりますが、それぞれについてグループリーダーを置いてございます。各グループには研究支援基盤を設置しておりまして、例えば、ハイスループットスクリーニングの実施や、実用可能性の検証、ゲノム解析等、研究者が自分で行うには困難でありますけれども、必要不可欠な研究プロセスについて、共通して支援する研究支援基盤機能というのを有しております。また、プログラムリーダーの下に次世代がん医療創生研究ヘッドクオーターというものがございます。これにつきましては、研究者が必ずしも得意とはしていない知的財産や臨床検体利用に対する研究倫理についてのサポートを実施しております。さらに、二つのグループは五つの研究領域チームでそれぞれ構成されておりまして、チームリーダーを置き、公募等により全部で84の個別研究課題が実施されております。7ページ目以降、18ページ目まででございますけれども、各リーダー、個別研究課題の研究代表者、課題について記載されてございます。
 19ページ目に、中間評価票がございます。これに基づき、ポイントについて御説明を差し上げます。
 (1)課題の進捗状況でございます。総論といたしまして、「次世代がん研究シーズ戦略的育成プログラム」及び「がん薬物療法の個別適正化プログラム」とも、おおむね計画どおり進捗していると評価されてございます。個別のことにつきましては、従来、有望シーズ輩出の研究に不十分であったハイスループットスクリーニングなどを実施する研究支援基盤や、知財・倫理の問題に適切に対応する体制を組織的に構築しており、極めて有効に機能していると評価されてございます。また、革新的がん医療シーズ育成グループにおいては、がん幹細胞を標的とした新規抗体を取得しており、また、がん臨床シーズ育成グループでは、早期診断マルチバイオマーカーとしてグライコーム解析によるがんの血中糖鎖バイオマーカーの開発など、それぞれのグループにおいて成果を上げていると評価されてございます。また、「がん薬物療法の個別適正化プログラム」においても、おおむね計画どおり進捗していると評価されてございます。
 (2)各観点の再評価と今後の研究開発の方向性でございます。今年度閣議決定されております「科学技術イノベーション戦略」「日本再興戦略」、また関係大臣申合せの「健康・医療戦略」において、がんの革新的予防・診断・治療法の開発や世界に先駆けた日本発の革新的ながん治療薬の創出などが盛り込まれているところであり、本事業もさらに充実させ、引き続き継続すべきであると評価されております。また、「健康・医療戦略」では人材育成についても述べられており、がんに関する新たな診断・治療法や医薬品の開発研究等を担う高度な研究能力を有する医療人材の育成・確保が求められており、今後は若手研究者等のリーダーとなり得る人材の育成にも積極的に取り組むことが望まれると、評価されてございます。また、課題の見直しについても指摘されておりまして、一部、進捗が明らかに遅れている個別研究課題も見受けられており、今後、研究費の適正化や中止措置なども含めて課題内容を再検討し、より効率的かつ重点的な事業の実施を図り、有望なシーズの創出をさらに進めていく必要があるという評価でございます。これに基づき、議題(1)で説明させていただきました事前評価につながっているところでございます。
 以上です。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。

【成田生命科学専門官】  続きまして、「革新的細胞解析研究プログラム(セルイノベーション)」の事後評価について、お話しします。
 資料の21ページを御覧いただきたいと思います。事業概要でございます。このプログラムは三つの役割分担の中で事業が進んでいます。一つは先導研究で、これは、大学等が、がん等に関わる細胞の機能の基本原理や高次生命活動機構の解明や、次世代シーケンサーというDNAを高速にシーケンスできる技術を活用した細胞機能解析ということを行います。下のシーケンス拠点とデータ解析拠点ですが、シーケンス拠点は理化学研究所、そしてデータ解析拠点は、情報・システム研究機構の遺伝学研究所、こちらの方でシーケンサーを18台整備しておりまして、そこでこういった先導研究を支える基盤として、最先端の高度な技術を駆使し、シーケンスを行っています。そこから出たデータをデータ解析拠点において解析をし、先導研究に返すと、こういった事業設計になっております。
 22ページでございます。運営体制ですが、このプログラムはPD・PO制度をとっております。豊橋技術科学大学の榊学長を中心として、山本先生、菅野先生がPD・POということで、プログラムの実施体制としては、運営委員会、実施者会議等、御覧のような形で事業を進めております。
 23ページ、24ページは、先ほど申し上げた先導研究の内容と、シーケンスとデータ解析拠点の分担機関等の研究課題の一覧でございます。
 25ページに参りますが、事後評価票についてですが、2ぽつのプログラム運営体制のところでございます。PD・PO制度をとっておりますけれども、PD・POは本プログラムに対する進捗管理・総括を適切に果たして、助言に尽力したと評価されております。また、中間評価の指摘事項を踏まえまして、研究体制を縮小し、あるいは一部課題を中止するといった、研究体制の見直しを行ったところが評価できるとされております。そして、シーケンス拠点やデータ解析拠点の整備を推進し、各先導研究拠点との連携にも尽力しているということ。次世代シーケンサーも本拠点以外にも多くの施設で導入されているという時代になりましたので、技術開発に特にスピーディーにそういう技術や研究成果の普及とか、そういった啓発活動について一層の取組が必要ということ。また、PD・POは、キックオフミーティング、研究成果発表会等々、御覧のような取組を通じて指導・要請を行っており、その総括は適切と評価されております。
 次にその下、プログラム全体に対する評価でございます。プロジェクト開始初期は、一部の課題、分担課題に進捗の遅れがございましたが、中間評価において改善を指摘された課題に対して体制を見直したことで、全体的には最終的に十分な成果を上げたと評価されています。また、公開シンポジウムや国際シンポジウム、次のページに参りますが、パンフレット、ニュースレターなどの発行の普及・啓もう活動を適切に行っているということで、論文準備中・投稿中と記載された成果については、速やかに論文発表に結び付けることが指摘されております。これらを踏まえ、PD・POの運営は大変優れていると評価を受けています。
 成果についてでございます。単一細胞又は微少レベルの試料で解析可能な超高感度の解析技術等について、世界最高水準の技術開発成果を達成し、知財権の確保、あるいは企業への技術移転、製品化の取組が積極的に行われたことが、高く評価されております。また、シーケンス拠点、データ解析拠点のツール等、開発したものについて、積極的に外部利用することが求められております。また、その下ですけれども、論文発表や特許などの先駆的成果がより一層創出されることが期待されております。
 今後の展望でございます。超微少試料のChIPシーケンスや、あるいはRNAの解析技術など、斬新な成果を挙げていると評価されております。あるいは、FRETイメージング技術を開発し、がん細胞群を解析する等、新しい手法を開発しておりまして、この開発した手法を国内外の多くの研究者が利用できるように、普及促進に取り組むことが求められております。また、結びとして、このプログラムでは、1細胞又は微少レベルでの解析技術においてすぐれた成果が上がったが、これだけでは十分ではなく、今後、多細胞解析も含め、さらなる技術開発を推進させることが必要であるとされております。
 以上でございます。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、川合委員、どうぞ。

【川合委員】  先ほど事前評価の説明がありましたが、これは当然、今お話しされた中間・事後評価の結果を考えて評価したものと思って、質問します。
 まず、後ろの方で話されたセルイノベーションの方は、今年度でそれ自身は終わって、新たなRNA解析技術といった成果を加えて、創薬等ライフサイエンス支援基盤事業につながっていくということですね。今度、がんの方は、先ほどの表を見ますと、ずっと続いていて、この中間評価を受けて、先ほどの事前評価にどうつながっているかが説明でよく分からなかったのですが、中間評価でどこら辺が問題で、先ほどの事前評価の新しい取組のどこら辺に組み入れられたのか、そこを伺いたい。

【宮地研究振興戦略官付専門官】  御説明がちょっと悪かったかと思いますけれども、このプログラム自体は、平成23年度から始まりました5年計画の3年目ということで、中間評価を差し上げております。先ほどの事前評価については、来年度の予算に関する評価ということですので、中間評価の結果に基づいて事前評価をしていくという形になります。
 中間評価票、ちょっと繰り返しになるかと思いますが、大きく2点言われておりまして、若手の人材育成に積極的に取り組むということ、あとは、今後、研究費の適正化や中止措置なども含めて課題内容を再検討するということが指摘されております。先ほど事前評価でも口頭で御説明があったかと思いますが、見え方としては見えているところではないのですが、今後、採択や課題を見直していく方法について具体的に検討をしていくということと、そういった採択を踏まえまして、若手人材をどのようにしていくのかということも、採択や実際に運用していく上で考えていくということで、今後進めていきたいと考えてございます。

【川合委員】  そうすると、若手のと、今、二つぐらい言ったのが事前評価の中に入っていて、そこが事前評価のときの一つのポイントであったということなるのですね。

【宮地研究振興戦略官付専門官】  そうですね。中間評価を踏まえた反映事項としては、そこがしっかり反映されているということでございました。

【大垣分科会長】  よろしいでしょうか。

【川合委員】  はい。

【大垣分科会長】  ありがとうございます。
 それでは、次へ行ってよろしいでしょうか。
 次に、環境エネルギー科学技術委員会、お願いいたします。

【安井委員】  主査の安井でございます。お手元の資料2-2を使わせていただきたいと思います。それ以外に、資料1-2-1、先ほど使いましたものでございますが、そちらにスケジュールが出ております。
 1ページ、2ページを飛ばしまして、この中身でございます。実際には評価票が4枚ほどございまして、4ページ目に最初に出てまいりますのは「地球環境情報統融合プログラム」というものでございます。説明は、もう1ページおめくりいただきまして、6ページからの中間評価票を用いて御説明したいと思います。
 これは、DIASと呼ばれているものでございます。地球環境問題を解決しようと思いますと、観測データと、スーパーコンピュータを使っております予測データ、それに社会・経済データ、こういったものを統合的に使うということが必須なのですが、いずれも非常にデータが大きいのですね。それを統合的に使うためには同じ組織に全部をまとめて入れるのがよいのではないかということで、実を言いますと、DIASは平成18年から5年計画で始まったものでございます。今、第2期という形になっております。要するに、非常に大きな容量のデータを統融合していくということで新たな知見を得る、そういうことが狙いです。
 具体的な評価にまいりまして、進捗状況でございますけれども、まあまあうまくいっているのではないかと。ただし、ユーザーを支援する仕組み、真ん中より下の方にアンダーラインが引いてあるところでございますけれども、ユーザー支援を強化する、これは後で申しますけれども、こういう大規模なものは、いかにユーザーがうまく使ってくれるかということが重要でございますので、ユーザーの新しいアイデアを得たり、色々なユーザーとのインターフェースが非常に重要だということを指摘しているところでございます。そこから下の方でございますけれども、量的には、まあまああるのではないか。あと、メタデータ、要するにほかのところにあるものを参照するようなデータに関しましては、もう少し努力をして一元的にデータが使える体制にした方がいいという進捗状況の評価になっております。7ページ目に参りますけれども、今入っている一番大きいデータのは、CMIP5と呼ばれる予測のデータの結果、生データでございますが、このデータ配布サーバーが一番利用されているということですが、もう少し認知度を上げて、様々な人に使われるようにしなさいといった評価になっております。全体としては、計画に従って順調に進行しているという評価でございます。
 2番目、各観点からの再評価でございます。かなり重なった記述が多いのですが、真ん中あたり、DIASシステムの拡充が急速に進んでいて、実際、補正予算で10ペタ追加し、最終的には20ペタになる予定ということですが、このシステムのメンテナンスやユーザーのサポート体制が、ハードの進展に比べて後れているという評価でございます。今後、以下のような点、下に幾つか載せておりますけれども、こういったことに留意して推進をすべきということの指摘をしております。特に申し上げたいのは、8ページ目、先ほど少し申し上げたことでございますけれども、もう少しちゃんとしたユーザーを引き付ける、そのためにはユーザーのアイデアやニーズをつかむ必要がありますが、そのためにはユーザーサポート体制をもっと強化すべきであろうということが、一番重要なことかと思っております。
 8ページ目の一番下にございます、その他。その他は普通余り書かれないと思うのですが、ここには書かれていて、長期運用体制ということで、こういったものは途中でやめるわけにいかないのですが、どう維持するのかというのは非常に難しいことでございますので、長期的な運用体制の方向性等をちゃんと検討しなさいと、こういった評価になっておるところでございます。
 それから、次のページをおめくりいただきますと、「大学発グリーンイノベーション創出事業 グリーン・ネットワーク・オブ・エクセレンス事業」、いわゆるGRENE事業と呼ばれているものでございます。こちらの御説明は、16ページの中間評価票から参りたいと思います。実を言いますと、これからの御説明は三つの分野が並列して走ってございまして、評価票も三つ分になっています。
 最初の部分は、植物科学と呼ばれる分野でございまして、これは基本的に公募でございます。公募によって選ばれました11機関が、その研究代表者のリーダーシップの下に研究を進めているということでございます。狙いは、真ん中あたりに書いてございますが、理学、農学、工学の人材や技術といったものを超え、分野を超えた交流をすることによって、若手の研究者とか大学院生は、もう少し広い視野からこういう植物関係の研究に取り組むべきであろうと、こういった狙いでございます。
 進捗ですが、一番下の方の結論としては、「当初の目的と計画に沿って、全体として順調に進捗していると評価できる」ということでございます。成果としては、例えば貧栄養状態における生産性を20%向上させるといったことが目標とされて、そんな方向に進んでいるのではないかということでございます。
 17ページに参りまして、若手を中心に育成していこうということでございますが、その必要性は高まっているし、有効性に関して言いますと、まあまあ動いてはいるものの、もう少し、研究成果の実用化や社会導入を見据えて、社会ニーズを踏まえた格好で研究開発の取組を強化しなさいということが書かれております。その心はといいますと、下の方のその他にございますが、最後は工学系がこれを引き受けるとは思いますけれども、ライフサイクルアセスメント等を分析することによって、エネルギー収支とかコストだけではなく、土地利用等の社会的影響、環境的、経済的な分析までとなると、ほかのデータが全部そろってからでないとできないのですね。こういったものをいかにうまくやっていくかをもう少し各人考えてやってくださいと、そういった注文がついていると考えております。効率性は、投入された予算に対して十分ではないかと。アンダーラインがございますが、以上のことから、中間評価では、当初の計画どおり進捗はしているけれども、連携ネットワークをもっと生かして積極的にプロジェクトを推進してくださいといった評価になっております。
 18ページでございます。これは環境分野でございます。環境分野は、先ほど御説明しましたDIASというデータ統合・解析システムがございますが、ここに様々なデータを入れていただいて、まさに環境情報をいっぱい入れようと、そういったことでございます。これも、公募によって選ばれました農業、水、健康、都市、生物多様性、炭素循環、そういったものが入っております。個々のものを御説明していると余り時間がなさそうですが、それぞれ名前が付いた課題、溝口課題、今須課題等々ございますけれども、非常に評価がいいものと、そうでもないものがばらばらになっているというのが現状かと思います。うまくいっているけれどもDIASの活用が不十分とか、いろいろ細かいことが書かれております。全体として見ますと、まずまず進捗をしているのではないか。
 (2)に参りまして、中間評価でもし本当に悪い評価である場合には、何とか対策をとらなければならないのでございますけど、7課題とも今後とも継続して実施すべきであろうと。ただし、その下にアンダーラインがございますが、DIASのさらなる有効活用を図るとともに、DIASの発展に寄与してほしいと、そういったことが書かれておるわけでございます。これに関しましては、その他はございません。
 21ページの北極気候変動分野でございます。先ほど少し御説明いたしました事前評価に関しまして、若手の派遣を追加させていただこうというのが事前評価の内容でございましたが、それの本体でございます。先ほど御説明いただきましたので簡単に参りますけれども、具体的には、国立極地研究所が中核となってこれを一つにまとめていくと、そういったものでございます。そこで重要なことが、最初の必要性に関する進捗度の真ん中より下あたりに、結果として取組がばらばらだと書いてございますが、四つの戦略研究目標の関係――この四つに関しましては、11ページに戻っていただきますと、一番上の段落の最後の四つのドット、北極域における云々というこの四つをやっているということでございますけれども、その四つが比較的ばらばらではないかということで、もう少しうまくハーモナイズした形で進めてほしい、また連携を強めてほしいといった形になっております。指摘はほぼそれに尽きまして、次の段落も、その次の段落も、大体そういった形にまとめられております。(1)の最後に、成果はとにかく、27年度の最終年度に行われるASSWという国際大会において、ちゃんとした発表をしてほしいと形になっております。
 22ページの(2)も同じ問題意識でございまして、四つの戦略研究目標取組間の連携が弱いということが一番の指摘事項といった評価になっておるということでございます。
 以上でございます。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの環境エネルギー科学技術委員会の説明に関しまして、何か、御意見、御質問ございますでしょうか。
 どうぞ。

【柘植委員】  ジェネリックなものにつながるのではないかという背景で、22ページの「四つの目標が一体となった研究への深化を図る」という、これができていないのは、アカデミアの方のせいなのでしょうか。それとも、行政というか、予算の縦割りの中が何か……。

【安井委員】  少なくとも評価をした委員会側では、もう少し連携ということを研究者側に求めていて、体制云々であればそういうことを書くことになったと思います。これは、私の下にワーキンググループを作って検討をさせていただきましたが、そのワーキンググループの感想としては、研究者はタコつぼに入るなよということだったと思います。

【大垣分科会長】  よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、次に移ります。次は、情報科学技術委員会です。よろしくお願いします。

【下間参事官(情報担当)】  資料2-3でございます。事後評価につきまして、1ページ、3件の事後評価をお願いいたします。「イノベーション創出の基盤となるシミュレーションソフトウェアの研究開発」「Web社会分析基盤ソフトウェアの研究開発」「デジタル・ミュージアムの実現に向けた研究開発の推進」という3点でございます。
 まず、1点目でございますが、資料の3ページ、平成20年度から24年度まで実施をしたプロジェクトでございます。概要として、バイオ、ナノ産業を中心として、次世代ものづくりのシミュレーション、量子バイオシミュレーション、ナノデバイスのシミュレーションなど、世界最先端の実用的な複雑・大規模シミュレーションソフトウェアを研究開発しまして、産学官の連携体制の中で普及を推進するということで、東京大学を中核拠点として、高度情報科学技術研究機構と共同で業務を行うというものでございます。
 目的としましては、ここに書いてございますこと、大学にあるシーズのソフトウェアと産業界のニーズのマッチングを図ることにより、世界最先端で実用的なソフトウェアの効率の高い研究開発を実施し、イノベーション創出の基盤とするということでございます。具体的には、10万CPU規模のスーパーコンピュータで十分に機能を発揮できる高並列化、大規模格子化、大規模データ処理などの技術開発を推進するということで、スーパーコンピュータの「京」でも稼働するようなソフトウェアを産業界と連携して開発し、普及を推進していくということが、プロジェクトの概要でございます。
 必要性等は割愛させていただきますが、6ページの体制のところ、この後の評価にも関わりますことから簡単に絵の御説明を申し上げますと、中核拠点と各大学・研究機関が連携しながら、スーパーコンピューティング技術産業応用協議会、参加企業204社から成るユーザー企業とのシーズ/ニーズのマッチングの検討でございますとか、具体に実用化に当たるベンダー等々の参画も得ながらソフトウェアを開発し、これをフリーソフトウェアとして配布をすることにより普及を図っていくという事業体制になってございます。ソフトウェアの評価に当たり、評価委員会というようなものを設けまして、産業界の代表、有識者による評価・助言も得ながら、研究開発を進めてきたということでございます。
 評価でございますが、7ページの課題の達成状況につきましては、次世代ものづくりシミュレーションシステム、量子バイオシミュレーションシステム、ナノデバイスシミュレーションシステム及びそれらの基盤技術について、研究目標は達成されているということでございます。平成22年度の中間評価の段階で産業界との連携という話があったわけでございますけれども、「一層の強力な連携をすべき」という指摘も踏まえまして、さらに連携を図り、民間企業において車体やファン等の設計時のシミュレーションに利用されるなどの成果も上げ、また、本研究課題で開発されたソフトウェアの利用者が相当数に上っているということも成果の一つであるという評価を頂いてございます。開発体制につきましては、先ほど申し上げましたとおり、大学のシーズと産業界のニーズとのマッチングを図り、一定の成果を達成しているということで、今後、他のプロジェクトとの連携・共同もより一層進めることが期待される。研究開発成果の利活用につきましても、ソフトウェアのダウンロード件数が3万件、商用ライセンス付与企業22社等、産業利用等において既に多くの利活用が図られており、評価ができるということでございます。
 成果として、当初から意識的にこうしたシーズとニーズのマッチングを図った上で開発をしておりましたので、ちょっと個別具体の話でございますが、具体例として、流れの風洞実験などにも応用できます解析ソフトとしてFrontFlow/Blueというものがございますけれども、こうしたところで高レベルのソフトウェア技術として今後の発展の基盤を形成できており、今後の展開が大いに期待できるということでございます。一方、課題として、今後の普及活動の中で、ダウンロード件数が多いソフトウェアがある一方で、必ずしもそうではないソフトウェアもあるということから、実用性の向上と普及促進を期待すると評価されております。
 今後の展望といたしましては、特定のプラットフォームにとらわれることなく、マルチプラットフォームの多くのプレーヤーも巻き込み、ターゲットを明確にした上でソフトウェアの最先端の機能を継続的に開発し、維持強化していくことが重要であり、また、シミュレーション成果、それにより日本における得意産業分野を伸ばすような諸問題の設定と解決ということを計算科学・工学の立場から提言していくような研究活動の継続を期待したいということでございます。その中で、類似の研究プロジェクトとの連携、産業界との密接なコンタクトといったような、御助言も頂いているところでございます。
 2件目は、「Web社会分析基盤ソフトウェアの研究開発」でございます。9ページでございます。平成21年度から24年度まで実施をされたものでございます。多様な分野の社会分析ニーズに応えるために、そういう社会分析が可能な規模でWeb情報を収集していく技術、そこから多様な解析が可能な解析の技術、それらのソフトウェアの開発というようなことを目的として、実施をされたものでございます。これも、10ページの体制のところでございますけれども、国立情報学研究所を中心にいたしまして、東京大学、早稲田大学など、関係の大学や研究機関が四つの研究課題に取り組んできたということでございます。
 評価でございますが、11ページの総論のところで、「多くのメディアからの膨大なWeb情報を収集・蓄積し、多様な解析を行うための基盤となる要素技術を開発するとともに、高水準のソフトウェア群が開発され、企業との実証実験等を通して新たな社会分析が可能であることが示されており、目標は達成された」という評価を頂いているところでございます。平成23年度の中間評価の際に大きく2点の指摘を頂いておりまして、「社会にとって価値のある成果となるよう留意し、どのような価値のある成果が得られたのか、具体的テーマを取り上げアピールしてく必要がある」ということで、前半の要素技術の開発の段階から、具体的に、東日本大震災、北朝鮮のミサイル問題、ロンドン・オリンピック等のイベントに対する時系列な流れに対するWebと放送映像の反応の相互作用の解析といったことを通じ効果的な分析ができることを示しており、十分に対応ができているということでございます。また、「実利用可能なソフトウェアの開発に向け、応用開発やサービスについて実務経験を持った人材の意見を取り入れていくことが重要」という意見を踏まえまして、社会学者、メディア研究者、広告代理店等との連携を実施することにより実証実験につなげており、対応ができているという評価でございます。体制としては、工夫が見られるところでございますけれども、さらに、幅広い技術を統合して少人数でしっかりした研究開発を行ったことも高く評価できるという、評価を頂いているところでございます。
 成果として、画像・映像キーワード抽出技術や画像・映像の同一物体検出技術、同じものを放送映像、あるいはブログ等、様々なところに提示をされたものを検出する技術でございますけれども、こうしたもので世界1位の検索性能を達成し、また、多メディアWebの収集・蓄積技術によりアジア最大級のアーカイブを構築するなど、すぐれた成果が出ており、評価ができる。開発されたソフトウェアをオープンソース化するとともに、アーカイブの公開準備も進めており、今後、様々な分野、特に社会的な分析につきましてはこうしたデータを使って社会分析が進展するということが期待できるということで、今後の展望としまして、実際の社会的分野への活用、企業との連携によるマーケティング等のビジネス面における日本発のビッグデータ対応ソフトウェア・プラットフォームとしての実用化が進むことが期待されると評価されております。そのための認知度を高めていくことが必要であるとともに、一方、これは目的的にアーカイブを作ってきたということではございませんけれども、こういう膨大なアーカイブを構築したということから、その維持、継続的な知の積み上げといったような取組も今後重要であり、そのような取組が求められるという評価を頂いているところでございます。
 3点目につきましては、企画評価課で担当してございますので、企画評価課の方から御説明申し上げます。

【三木企画評価課課長補佐】  続きまして3件目、「デジタル・ミュージアムの実現に向けた研究開発の推進」について、御報告させていただきます。資料については、13ページからとなっております。
 本事業は、博物館等の展示におきまして、視覚的、または聴覚に頼る一方的な情報提供のみではなく、デジタル技術によって五感で対話的に体験することを可能としまして、新たな展示の可能性を提案する、デジタル・ミュージアムの実現に向けた研究開発を行っていくというものになっております。
 概要は割愛させていただきまして、事後評価票(案)の16ページに移らせていただきます。評価は、課題の達成状況、成果、今後の展望の三つの観点で行っていただいたものですけれども、まず課題の達成状況についてでございます。
 本事業の特徴的な点ですが、途中で仕分けの議論があり、予算規模が縮小されるということがございました。しかしながら、対応としまして、重点化などの対応をとり、全体としましては計画どおりに主要な技術開発を終えておりまして、この点を高く評価していただきました。また、プロジェクトの目的として掲げられました2項目につきましては、一つめの「貴重な文化資産を五感で対話的に体験する統合システムの構築」、これに関しましては十分な達成度であると評価していただきました。また、二つめ、「システム構築を通じた最先端技術の研究開発の促進」に関しましては、当初予定期間の途中で事業が終了しましたために、完全な目標達成には至っているとは言えないという評価を頂いております。また、20か所のミュージアム等で22件の実証実験が実施され、延べ3万人以上がシステムを体験しており、十分な実証実験が行われたと評価していただきました。続きまして、中間評価指摘事項への対応につきましては、指摘ごとに具体的に対応がなされたことを確認されております。次の研究開発体制につきましては、2段落目の後半に記載されておりますけれども、実際の博物館、美術館等を巻き込んで現場を持った成果を上げていることについて取り上げていただき、すぐれた体制で実施したとの評価を頂いております。より具体的には、戻ってしまいますが、15ページに体制図がございます。
 続きまして、(2)の成果でございます。ここでは、人間の五感で体験できるデジタル展示に加えまして、従来のミュージアムでは困難であった情報提供の方法を示し、新たな価値を創造したことに評価を頂いております。また、本事業は学術的な成果も多く輩出されておりまして、最後の段落に書いてございますが、研究開発の成果は、25編の雑誌論文、131件の国際会議発表、121件の国内会議発表、16件の受賞など、学術的にも評価されていること。また、新聞等で60件取り上げられるなど、国民にデジタル・ミュージアム技術の可能性を伝えるという観点でも成果があったと認めていただいております。
 最後に、(3)の今後の展望でございます。本事業につきましては、既に幅広い社会還元を進めておりまして、今後の利活用についても期待を大きく持っていただき、情報科学技術委員会でも多くの意見を頂きました。まずは、本研究で開発されたモデルにつきましては、ミュージアム等の展示へ継続的に生かせるように、成果の普及を行うことについて期待を頂いております。そして、2点目、技術開発が激しいIT分野における成果がおさめられていることが特徴的でありまして、そのため、陳腐化をいかに防止するかが次の課題であると指摘を頂きました。また、19ページに移りまして、最後のところですが、海外を含めて積極的に展開していくことが期待されるとして、評価いただいております。
 以上「デジタル・ミュージアムの実現に向けた研究開発の推進」についての情報科学技術委員会における事後評価案でございます。

【下間参事官(情報担当)】  以上でございます。よろしくお願いいたします。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。
 情報科学委員会の事後評価、三つの報告です。御質疑ございますか。
 どうぞ。

【渡辺委員】  最初の「イノベーション創出の基盤となるシミュレーションソフトウェアの研究開発」について、質問させていただきます。これにつきましては、大学側のシーズと産業界側のニーズをいかにマッチングさせるかというのがポイントだと思います。この中で企業の方と大学の方が一緒に議論をしながらこのマッチングを進めているということですけれども、企業の方というのはどういう方が参加されているのか。研究開発を主とされている方なのか、それとも事業をけん引されている方が参加されているのか、そこが1点目の質問。
 2点目については、これを進めることによって、新しい事業ができた、あるいはその見通しが立つような事業計画が新しくできた、そのような見通しがあるかどうかについて、教えてください。

【下間参事官(情報担当)】  1点目でございますけれども、このソフトウェアの実際の開発に当たりましては、様々な企業の技術開発に当たっておられる方の御意見などを伺いながら、マッチングを進めたということでございます。
 2点目は、具体的な成果、どういうものにつながったかということでよろしいでしょうか。

【渡辺委員】  はい。

【下間参事官(情報担当)】  失礼いたしました。例えばFrontFlow/Blueなどにおきましては、会社名、具体が適切かどうか分かりませんが、例えばコピー機のトナーの回収機能の強化、回収効率をどう上げるかといったような観点から、それに当たっては、トナーの排出効率をどのようにして決めるのかということが全く分からなかったわけでございますけれども、こうしたシミュレーションを共同でやることによって、具体にトナーの排出効率とか回収効率というものの関係が初めて分かったということで、その企業において具体的にコピートナーの回収に生かしているというようなこともございますし、現実にエンジンのファンの音を6デシベル下げることが可能になったということを、実際のファンの開発に生かしているという企業例もございます。件数は手持ちにございませんけれども、そうした企業における実装が、具体的にこうしたシミュレーションソフトウェアの開発を通じて、シミュレーションに活用することによって行われているという実例がございます。

【渡辺委員】  一つお願いがあります。シミュレーションというのは、研究開発だけではなくて、実際の事業でもほとんどのところで使われているので、できたら事業に実際携わっている方にも参加していただきながらマッチングを図っていくということがとても効率がよい結果につながると思います。そういうことも是非御検討いただきたいと思います。それは今後のためという意味でのお願いです。

【下間参事官(情報担当)】  ありがとうございます。今後の同種の事業においてその視点をしっかり持って取り組みたいと存じますし、これは事業としては終了した課題でございますけれども、東京大学の生産技術研究所を中心としてこのシミュレーションソフトウェアの継続的なブラッシュアップというようなことに取り組んでまいりますので、その際にそうした観点がしっかりと生かされますように、伝えていきたいと思います。ありがとうございます。

【大垣分科会長】  ありがとうございます。
 どうぞ。

【松田委員】  今のところに関連するのですが、例えばスーパーコンピューティング技術産業応用協議会といったところに参加している企業が多分その成果を活用していると思うのですけど、成果の活用の対価というのは、これは国の事業でやっているものなのでメンバーは無償でそれを使うことができるのか、それとも、それで何らかの成果が上がった場合には、これは文科省に払うのか東京大学に払うのか分かりませんけれども、有償の対価として払っているようになっているのか、教えてください。
 あと、Web社会分析基盤の方とデジタル・ミュージアムの方は、これだけ見ているとそれなりに成果が出ているような感じがするのですけれども、御説明にもありましたが、実際の事業化とか、海外でのビジネス展開とか、ここはかなり可能性のあるところだと思うのですが、そういった取組というのは今どうなっているのでしょうか。この2点をお願いします。

【下間参事官(情報担当)】  1点目の御質問からお答えしますと、このソフトウェアについては、商品化ということではなくて、フリーのソフトウェアとして配布をして御活用いただくという対応をとってございます。したがいまして、特許もこれで取っているということではございませんので、各企業群においては、開発の段階では参加いただく際に何らかのコストを御負担いただいているケースはあると思いますが、最終的な成果物としてのソフトウェアの利用は無償ということでございます。
 それから後者については、ちょっと担当が分かれますが、「Web社会分析基盤ソフトウェアの研究開発」において、今後の実用ということにつきましては、非常に期待が持てるところでございますし、私もシンポジウム等に参加してございますが、そこでも多くの企業とのマッチングの場のようなものがございましていろいろな議論が行われてございますけれども、それらがどのような展開になっているかということは、本日御説明できるまで承知してございません。申し訳ございません。

【大垣分科会長】  何か、特にありますか。よろしいですか。

【三木企画評価課課長補佐】  はい。

【大垣分科会長】  よろしいでしょうか。

【松田委員】  はい。

【大垣分科会長】  ほかになければ……。
 有信委員、簡潔にお願いします。

【有信委員】  2点だけ質問があるのですけど、一つは、シミュレーションソフトについて。非常にすばらしいソフトウェアが開発されたと思っています。ただ、これが今後、さっき最後に少し言及がありましたけれども、有効であるためには、メンテナンスだとか、バージョンアップだとかを引き続きやっていかないと、開発されたものがあっという間に無意味になってしまうので、そこのところについて質問したいのと、最後のデジタル・ミュージアムについては、既存の映像とか様々なコンテンツを使う場合に全く違う形でそれを体験させるということになるので、多分、著作権上の問題というのが出てくる可能性があると思うのですね。この辺の議論があったかどうかをお伺いしたいと思います。

【下間参事官(情報担当)】  1点目の御指摘は全くそのとおりでございまして、この事業は事業として一旦プロジェクトを閉じさせていただくわけでございますけれども、こうしたシミュレーションソフトウェアを、継続的に高度化を図っていくことは大変重要でございますので、その点につきましては、また別の手だてで私どもとして考えていきたいと思っております。また、産業利用のアプリケーションの開発と利用ということにつきましては、私どもHPCIの計画の推進のワーキングの下に産業利用のためのサブワーキングというものを設けて、有識者の方にお集まりいただき御検討いただいておりまして、そこでは、こういう国プロで開発しましたシミュレーションソフトウェア、あるいは市販のソフトウェア、そうしたものを今後継続的にスーパーコンピュータにおいてどのように利活用を図ることによって社会的・科学的課題の解決につなげていくのかというような観点から、御議論賜っているところでございます。大変重要な御指摘を頂きまして、ありがとうございます。

【三木企画評価課課長補佐】  2点目のデジタル・ミュージアムの著作権の問題ですけれども、重要な点を御指摘いただき、ありがとうございました。ただ、今回は特段、議論の過程では著作権の話は上がってきておりませんでした。現在の段階では、既に持っている著作物を使ったりですとか、博物館を巻き込んでおりますので、既に処理が終わったものを使ったりということが多く行われておりますので、特段話題にならなかったのではないかと思われます。今後の課題として受け取りたいと思います。ありがとうございました。

【大垣分科会長】  よろしいでしょうか。

【有信委員】  いいのですけど、認識が甘いのではないかということで、つまり、現にあるものが形が変わって体験されるということは、著作権のバイオレーションになる可能性があるのですね。だから、そこの認識は、いわばデジタルライツということで様々検討はされていると思いますけれども、是非、今後はよく検討をお願いしたいと思います。

【三木企画評価課課長補佐】  ありがとうございます。

【大垣分科会長】  今の件は、事後報告書の修正まではよろしいですね。

【有信委員】  はい。

【大垣分科会長】  それでは、次の防災科学技術委員会、お願いいたします。

【鈴木防災科学技術推進室長】  資料2-4を御覧いただきたいと思います。防災科学技術委員会で中間評価の対象となっていますのは1件でございまして、「地震・津波観測監視システム(第II期)」についてです。4ページ目から概要がついておりまして、10ページ目からが評価票となっております。
 この課題は、南海地震の想定震源域における地震・津波・地殻変動に関する詳細データをリアルタイムで入手することを目的としまして稠密(ちゅうみつ)な海底ネットワークシステムを開発・整備するもので、第I期の東南海地震の想定震源域の整備に続くものでございます。
 進捗状況ですが、10ページの中間評価票にも書いておりますけれども、東北地方太平洋沖地震の発生を契機に事業を大幅に加速させておりまして、必要な準備も着実に推進しているところでございます。また、事前評価での指摘事項でございました、得られた情報についての応用ですけれども、このI期につきまして既に防災科学技術研究所や気象庁と情報を共有するようなシステムも出来上がっているというところで、順調に進んでいるというところでございます。
 津波の発生をより早く検知するということは数分単位であっても被害の軽減に大きく貢献するということで、緊急地震速報等への活用が期待されているところです。また、これにつきましても事前評価で指摘がございました対応をさせていただき、順調に進んでいけるということでございます。
 今後の研究開発の方向性として、観測データが利用しやすいよう、ニーズや利用状況に合わせたシステムへの反映を行うほか、保守の自動化・効率化を進め、継続的な維持・管理を容易にすべきというような指摘がございました。
 説明は、以上でございます。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの中間評価に関しまして、御意見、御質問ございましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。
 特によろしいですか。それでは、どうもありがとうございました。
 それでは、その次、原子力科学技術委員会、お願いいたします。

【田中(知)委員】  説明させていただきます。先ほど資料1-5-1で、「原子力基礎基盤戦略研究イニシアティブ」について、今回、中間評価されると申し上げたところでございます。
 この制度でございますけれども、少し振り返りますと、昭和32~33年頃から原子力試験研究費としてスタートして、適宜、改正・改編しながら進めたところでございますが、最近の大きな改正のポイントといたしましては、昔の国立試験研究機関や独立行政法人のみならず、大学、民間等にも開かれた、より競争的な制度へ改正するということと、政策ニーズを明確にして、より戦略的なテーマ・プログラムを設定するというところが、最近の大きな改正点でございました。
 資料2-5でございますけれども、ポンチ絵を見ていただきたいと思います。事業の大きな目的としては、原子力を支える技術基盤の確保と充実のため、大学等研究機関における基礎的・基盤的研究を推進し、我が国の原子力研究の裾野の拡大を図ることでございます。そのため、政策ニーズに即した対象領域・課題を設定し、競争的な環境の下で、課題解決に資する新たな科学的知見の創出や、機関や分野を超えた連携による取組を推進してまいりました。平成24年度からは、福島原発事故を踏まえて、新たに原子力安全とか放射線の影響などのプログラムを立ち上げたところでございます。予算規模としては毎年5億から9億円程度、個別課題は20件から40件程度でございますが、採択倍率は7倍前後となっており、こうしたことでは高い数字になっているのではないかと思っています。
 中間評価票でございます。まず、(1)の課題の進捗状況から御説明したいと思います。事業全体の評価ですが、「戦略的原子力共同研究プログラム」など、四つのプログラムをこれまで展開しています。実施に当たりましては、旧国立試験研究機関や独立行政法人だけでなく、大学、公益法人、民間企業、NPO法人等も新たに公募の対象とし、より開かれた制度としているとともに、プログラムの設定に際しては、公募前に原子力委員会と連携し、政策ニーズを踏まえて設定してございます。
 続いて、個別の研究課題の評価でございますが、研究開発・技術開発に実績のあるPD・POにより、採択、課題管理、課題ごとの事後評価まで一貫したマネジメント体制を構築して、効率的・効果的な運営に努めてございます。これまで73件の課題を採択してございますが、再委託機関も含めると延べ178機関にわたり幅広い研究取組を実施してきており、理学、工学系分野でも原子力以外の分野からの参加もあることから、当初の目的である裾野拡大が着実に進んでいると言えます。また、プログラムの申請に当たりましては、複数機関あるいは他分野との連携による申請を必須としているため、機関間、分野間の連携が着実に進んでおります。さらに、成果報告会におけるプログラム間の情報交換も活発に行われております。また、個別研究課題の中には海外の研究機関と協力して研究を実施している課題もあるなど、より広範な連携も進めていると、評価しています。
 次に、各観点の再評価と今後の研究開発の方向性についてですが、基礎・基盤的な研究開発は、原子力研究開発を進める技術基盤の水準を世界最先端に維持し、人材を育成し、多くの分野のイノベーションに寄与する可能性のある新しい知識や技術概念を生み出す源であると考えます。過去5年間の採択倍率や、福島原発事故以降における原子力に対する意識の変化から鑑みても、今後も我が国の原子力研究開発の裾野の拡大を図り、若手人材育成及び原子力やその周辺分野との学際的連携を強化していくために、大学等研究機関における基礎的・基盤的研究の推進が必要と考えます。したがって、政策ニーズを踏まえつつ競争的環境の下で基礎的・基盤的な研究活動を実施していくことが重要でありますが、限られた財源を有効に使うため、テーマの設定に際しては、重点化するなどしてより戦略性を高めていくべきと考えます。また、海外を含めた、より多様な場における研究討論及び成果発表が期待されるところであります。加えまして、事業の企画・運営に当たりましては、効率性の観点からPD・PO体制を堅持し、よりきめ細かな課題の選定及び課題管理を行って、円滑に研究活動が進むよう支援することが必要と考えます。以上を踏まえた上で、本事業については今後とも継続すべきであると考えるところでございます。
 たくさんの件数があるのですけれども、それに対して1個1個の評価をもちろんやっているわけでございます。おおむね順調にこの目的を踏まえてやっているかと思いますけれども、ここに書いているような、さらに注意を持って今後とも進めていくべきという評価でございます。
 以上です。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。
 ただいまの中間評価結果について、何か、御質疑の点、御意見、ございますでしょうか。いかがでしょうか。
 どうぞ。

【柘植委員】  特に原子力の苦しい状況の中で、私がこのイニシアティブの中で期待していますのは、大学院生も含めた学生がこれに意欲を燃やして、やがて社会で活躍してくれることを期待しているのですけど、先生から見て、人の育ち方についてどのような評価をされていますか。

【田中(知)委員】  もちろん、福島の廃炉とか、復興・除染等の必要性も考え、それらに関与したい学生もおりますが、同時にやっぱり、原子力は、エネルギー、あるいは新しい放射線の応用・利用等、そういう観点が重要でございまして、その辺についても新しい研究を展開しつつ、その中で学生を刺激するということも大事であります。そういうことで、こういうプログラムを有効に活用させていただきながら、そのような学生の刺激ということも重要な観点と思っています。

【大垣分科会長】  よろしいですか。

【柘植委員】  はい。

【大垣分科会長】  ほかにはございませんか。よろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。
 以上が個別の委員会からの中間・事後評価の結果でありますが、全体を通して何か御意見ございますでしょうか。一つ二つもしあればということですが、時間も押しているものですから、よろしいですか。
 それでは、ただいま、いろいろ貴重な御意見を頂きましたけれども、御審議いただいた中間・事後評価につきましては、本分科会として原案のまま決定したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)

【大垣分科会長】  では、御異議ないものして、そのようにいたします。ありがとうございました。
 それでは、続きまして、議題(3)、研究計画・評価分科会における議事運営の一部改正についてです。事務局より説明をお願いいたします。

【小山企画評価課長】  お手元の資料3で、1枚だけのものでございますが、修正部分を赤くしております。これは形式的な改正でございまして、既に運用しております傍聴手続等を定めたこの分科会の規則で、担当課の名称を届先などとして引用しているものですから、企画評価課の新設に伴い、そのように書き換えるという訂正でございます。分科会の決定としての手続規定でございますので、お諮りいたします。
 よろしくお願いします。

【大垣分科会長】  質問もないと思いますが、この改正について、決定ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)

【大垣分科会長】  どうもありがとうございました。
 続きまして、議題(4)、「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」改定に向けた検討状況等についてであります。本評価指針については、4月17日の第45回研究計画・評価分科会において改定の基本的方向性を御議論いただき、4月22日の科学技術・学術審議会総会で審議・決定されております。これを受けまして、本分科会に設置されております研究開発評価部会において、「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」の改定案について、現在検討を進めていただいているところでございます。本日は、この評価指針の改定案について委員の皆様から御意見、御質問等を頂き、部会で検討を進めていただく際の参考にしていただきたいと思います。
 それでは、事務局から説明をお願いいたします。

【鎌田企画評価課企画官】  研究開発評価を担当しております鎌田でございます。資料4-1を用いまして、文部科学省研究開発評価指針の改定の状況につきまして、簡潔に説明いたします。
 今、分科会長より御説明いただきましたとおり、資料4-2の基本的方向性を4月22日の総会で決定いただき、資料4-3の論点整理としてより具体的に整理いただいてきたところでございます。これを踏まえまして、7月22日の研究開発評価部会より具体的な文部科学省における研究及び開発に関する評価指針の改定案について御審議を開始いただいたところでございます。
 資料4-1でございますが、まず、「はじめに」という部分がございます。こちらにつきましては、冒頭の部分でございますので、今般の指針改定の経緯等を下線部分で追記しております。
 次に、目次の部分でございます。御覧いただきますとお分かりいただけますように、序章という部分と第1章という部分に先般おまとめいただいた基本的方向性等の内容を盛り込むという形の改正を御検討いただいております。
 それから、目次の後に本指針の用語・略称に関する部分がございます。これは、現時点においては、巻頭に記載しておりますが、巻末に記載した方がいいという御意見も頂いております。いずれにいたしましても、本指針で出てくる用語、略称などにつきまして、このような形でまとめて記載することによって読みやすくなるよう御審議いただいているところでございます。
 それから、序章、第1章の本文の内容につきましては、先ほども説明申し上げましたように、基本的方向性あるいは論点整理の内容を本指針に合うような表現などに修正いたしまして、基本的にはそのまま盛り込んでいるというところでございます。序章は、今般の指針改定の基本的考え方を簡潔にまとめています。第1章につきましては、1ページ目から3ページ目までで、まず全体の改定の時代的背景や課題などの論点について触れております。
 それから、3ページ目の1.1から各論に入っております。まず、科学技術イノベーション創出、課題解決のためのシステムの推進から始まっているところですが、4ページ目に1.1.1、1.1.2とさらに番号を付しております。御覧いただきますと分かりますように、1.1.1で研究開発評価に際して全体として特に期待される取組、あるいは、1.1.2で研究開発施策、1.1.3で研究開発課題、1.1.4で研究開発機関等、1.5で研究者等の業績評価に際して特に期待される取組ということで、それぞれ評価の対象ごとに課題を整理するというような構成にしております。それから、例えば1.1.2でございますと、「文部科学省内部部局及び資源配分機関は」というような形で、それぞれの対象ごとに、その評価に当たってどこが主体としてこの指針で注意して対応していかなければならないかというところも明記するような形で、具体的な指針改定に取り組んでいるところでございます。
 また、5ページ目の参考2のように、今回の指針改定におきましては、関連する海外の取組例などもこのような形で参考情報として記載して本文の理解を助けるというような構成にしてはいかがかという形で、御議論いただいているところでございます。
 同様に、6ページ目から1.2でハイリスク研究、学際・融合領域・分野間連携研究等の推進に関する論点がまとめられておりまして、9ページ目からが1.3として次代を担う若手研究者の育成・支援の推進、それから、12ページ目からが1.4として評価の形式化・形骸化、評価負担増大の改善の課題、17ページ目からが1.5として研究開発プログラム評価のそれぞれの課題について、まとめられているところでございます。
 第1章の論点につきましては20ページ目まで、21ページ以降がこれまでの研究開発評価指針に掲げられていた基本的考え方以降の中身になっております。こちらにつきましても今般の改定で何点か改正を御検討いただいているところであり、例えば、31ページ目の3.1.5.3評価項目の抽出の記載にある必要性の観点というところでは「ハイリスク研究や学際・分野融合研究の促進、若手研究者の育成、研究コミュニティの活性化」などの観点を追記し、また、有効性の観点では「社会実装に至る全段階を通じた取組」などの観点を追記しているところです。
 それから、例えば52ページ目の3.4研究者等の業績評価の項目のところでは、研究者の評価に際しても、「学際・融合領域・分野間連携研究、国際連携といった横断的取組、研究開発段階において、幅広い分野の関係者との協力に基づく、国際水準をも踏まえた課題設定や出口戦略の作成、産業構造の変化に対応した取組」等についても、追記をしております。
 56ページ目の4.2.1.4.2評価の方法の項目におきましては、科学技術・学術審議会でおまとめいただいた内容を踏まえ、人文・社会科学の研究開発評価に関する部分について追記をする形で、改正を検討しております。
 以上のような具体的な改定案に基づき、7月22日の研究開発評価部会におきましては、例えば、諸外国の参考情報については、あくまで参考情報という位置付けのものであることから、本指針がこれを直ちに推奨するものと受けとめられないように留意する必要があるというようなことや、科学の現場や施策立案側に対してもっと劇的に変えていくべきというメッセージを強く打ち出してはどうかというような御意見、あるいは、基礎研究・学術研究の在り方に関して、「学理の再体系化」だけでなく、「新しい学理の創出」などのキーワードも加えた方がいいのではないかという御意見、それから、研究不正・研究費不正の問題が昨今起きておりますが、研究開発評価指針の中でも研究不正・研究費不正との関係を整理していくべきではないかというような御意見も頂いているところでございます。また、会議終了後も委員の先生方から多くの細かい御指摘を頂いておりまして、現在、事務局の方で再修正案を取りまとめている状況でございます。
 研究開発評価部会の検討状況は以上のとおりですが、本分科会の委員の先生方におかれましても、御意見等を賜れればと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に関しまして、御意見、御質問等がございましたら、お願いしたいと思います。研究開発評価部会に反映をするという形になるかと思いますけれども、どのような観点でも結構ですが、いかがでしょうか。
 私は、序章と1章が加わって大分大部な形になっていると感じました。大部になっているというのは、要点や要旨といった取りまとめたものが前にあると、パンチがあるのではないかとか、説得力が出るのではという気がいたします。
 柘植委員、どうぞ。

【柘植委員】  今の分科会長の話の各論になるかもしれませんけれども、本文の2ページの下のところに、「評価システム」の在り方検討委員会が24年度に取りまとめた中にやはり、負担が多いとか、頻度が多いとか、過度に精緻だとか、徒労感とか、まさにこのままでは教育研究現場は本当に何とかせねばならないと、ここがスタートになっていると思うのですが、様々な各論で改善をしようとしていることは読み取れるけれども、現場の徒労感なりが回復するだろうかというマクロ的な見方からは、読みにくいなと感じます。

【大垣分科会長】  有信委員、どうぞ。

【有信委員】  今の点に関して、評価そのものの構造化をもっと進めるべきだという議論をしています。つまり、ピアレビューのレベル、それから評価そのものの正当性・妥当性を評価するというレベル、実際にそれ全体を評価するレベルでは、それぞれの役割が違うはずです。違う役割の評価をみんな同じレベルで評価するものだから、しかも少しずつ違う視点で評価をするものだから、ここにあるような、同じ資料を何度も何度も、あるいは手をかえ品をかえ出さなければならないことになるなど、こういったことが徒労感につながっているので、評価全体の構造化をきちんと進めるということが重要だろうと思います。一番重要なのは、ピアレビューの部分以前に、研究者の自己評価の部分が一番重要であり、研究者の自己評価が正当に、あるいはきちんと行われているかというピアレビューの部分と、そういう全体の評価の進め方が正当か、妥当か、あるいはアカウンタブルであるかを評価するというように、きっちり分けるべきだろうと思っています。

【大垣分科会長】  ほかにはいかがでしょうか。高梨委員、どうぞ。

【高梨委員】  細か過ぎるかもしれませんが、気になることがあるので、二つほど。
 まず、4ページの1.1.3の研究開発課題の評価に際して特に期待される取組の(a)のところの2行目、「世界水準をも踏まえた課題設定」という言葉、ここの「世界水準をも踏まえた」というところが何となく私には気になりまして、それまで一言も、世界水準とか、特に触れてこなかったところで、ここで、基準になるような、価値を示すような一言が入るということがすごく違和感がありまして、この「世界水準」というので何を表現したかったのかなというのを確認させていただきたいです。グローバルな課題に対しても資するようなというふうな意味なのか、あるいは、いわゆるインテレクチュアルなところで世界水準の論文みたいなもののアウトプットを求めているような、そういう課題設定が必要だとか、全体の流れの中でのたった一言ですけれども、ちょっとそこが、まず気になりました。使わない方が良いと言うことではなく、この言葉で何を表現したかったのか確認させてください。
 
【有信委員】  これは、そんなに深刻な話ではなくて、評価の際に単純にベンチマークがきちんとできているということを確認すべきだということです。意外とベンチマークのところがおろそかになっているケースも多いので、そのベンチマークという意味では、要するに広く、これは研究者の責任なので、自分の研究課題が世界的に見て、そのベンチマークを踏まえた上で優位であるという、そこをきちんと評価しましょうということだと思います。

【高梨委員】  分かりました。
 2点目で、8ページに、これはハイリスクな研究に関する記述のところだと思うのですが、(c)のところで「予期せざる波及効果に大きな意味がある場合等には」という表現があります。これは事後評価に関してのことと思うのですが、事後評価をする段階で予期せざる効果があると判断できるのかどうかがとても気になります。事後評価の在り方として、あるいは追跡調査も多分含まれてくると思うのですけど、事後評価の基準を考える際に、ハイリスクに関しては評価基準というのが別途必要だという感じはしているのですが、ここのいわゆる「予期せざる波及効果」というあたりも含めての検討がなされているかどうかというのをお聞きしたいと思います。

【有信委員】  これは、要するに、ハイリスク研究のようなものについて、いわゆる評価基準では、所期の目標が達成できたかどうかというような形式的な基準で判断をする場合が多いわけです。しかも、形式的な基準でどこまで達成できた、できないとやれば、評価する側も非常に心穏やかで、できてないのはバツを付けられるのだけど、そこはもう少しきちんと評価をしましょうというのが本意です。それをどう表現するかということでこのような表現になっています。

【平野委員】  これについては、この前の指針のときも同じような背景を一部入れてあるのですが、今、有信委員が言われたとおり、当初の目標が達成できたかどうかの基準だけでハイリスク研究をイエス・ノーで評価をしないように、他分野を含めてどのように波及したかを評価し、チャレンジングなテーマを応援しましょうという背景がここに入っております。

【有信委員】  やはり、表現は分かりやすくした方がいいと思います。

【平野委員】  表現は難しいかもしれませんが、内容はそういうことです。

【大垣分科会長】  高梨委員、よろしいですか。

【高梨委員】  はい。

【大垣分科会長】  五十嵐委員、どうぞ。

【五十嵐委員】  56ページの上から4行目からの「人文・社会科学の研究は」というところに私は驚きまして、ここの意図することが、とりわけ大変詳細に書き込まれている意味を伺いたいです。この評価というのはそもそも自然科学の研究だけを対象としていたものなのかということが分からなくなってしまいました。ここに書いてある人文・社会科学の特徴は、確かに自然科学とは違う面もある一方、「創造へ挑戦する研究を積極的に評価するなど」というところは、決して人文・社会科学に限ったことではないですし、逆に、人文・社会科学についてももっときちんとしたエビデンスがあるクリアな評価が必要だということを議論してきたのではないか、と理解しているのですが。

【鎌田企画評価課企画官】  それでは、事務局の方から説明させていただきます。
 ここの部分につきましては、科学技術・学術審議会の学術分科会の方で「リスク社会の克服と知的社会の成熟に向けた人文学及び社会科学の振興について」という報告が昨年7月に取りまとめられておりまして、是非この内容を研究開発評価指針の中身にも盛り込んでほしいという、こちらの分科会からの御要望もあり入れ込んだものです。本指針はもちろん全ての研究開発分野を問わず対象としておりますが、やはりどちらかというと自然科学中心の中身になっており、人文科学・社会科学に関する視点ももう少し盛り込んでほしいという御要望も含めた記載になっております。
 御指摘のとおり自然科学にも関係するような記述もあると思いますし、一方、今、こういう形で案としては盛り込んでおりますけれども、中身が具体的で細か過ぎるという御意見も研究開発評価部会委員の先生方からも頂いておりますので、また推こうして中身を検討してまいりたいと考えております。

【大垣分科会長】  平野委員。

【平野委員】  ここは、すぐ前のページを見ていただきますと、評価の方法という項目でして、人文科学の方々の論文は理系のようにある意味数値だけで成果を示すということが難しいという背景を含んでおります。ただ、表現は、少し修正が必要かもしれませんが、事務局が今言われたような背景が含まれております。

【五十嵐委員】  あえて言わせていただくと、自然科学においても、ずっと、数値だけで評価しないということを議論してきたように思います。論文数に限らない評価をしようと重ね重ね議論してきた文書に、この部分が加わったことについて、私はとても違和感があります。

【平野委員】  分かりました。

【大垣分科会長】  少し、部会の中で工夫していただきたいと思います。
 ほかにはよろしいでしょうか。渡辺委員、どうぞ。

【渡辺委員】  私の理解が不十分な部分もあるかと思いますので、質問させていただきます。この中では、社会と科学技術をきちんと結び付けましょうということで、「社会のニーズに対応して」というように、社会との関係についての記載が、様々な箇所に入っていてとても分かりやすいと思います。基本的に、事後評価をするときには、最後に社会に研究開発成果が本当に還元されたのか、その結果、社会が本当に良くなったのかというような項目を入れ込むだけではなく、それを問うような評価というのが必要ではないかと思います。ここではそういうものは入っているのでしょうか。

【平野委員】  社会への貢献について、定量的な評価をするという記載はありませんが、今の御質問にあったように、社会への関係ということは必ず問うておりますので、評価の中に若者を育てる等々と同じような意味合いを含んでいるつもりであります。

【渡辺委員】  これは意見ですけれども、もちろんいろいろなところでそういう視点を入れていくというのはとても大事ですが、事後評価できちんとそれを問うような1項目を入れてはいかがでしょうか。事後評価で、100%全て成功したという結果にならなくてもいいのではないかと思います。というのは、社会もどんどん変化するので、ある部分はできたけれども、ある部分はできなかったというような結果もあり得ます。次につながるようなきちんとした評価を全体でできると大変役に立つのではないかと思いました。

【平野委員】  分かりました。

【大垣分科会長】   甲斐委員、どうぞ。

【甲斐委員】  質問も含めてですが、15ページにPD・PO制度の改善について、例えば、(c)の「活動の中長期化(少なくとも10年程度)」というように、かなり詳細に、明確に書いてありますが、PD・PO制度でもっと権限を強めて、これについて何か特別に詳しい検討をされたのでしょうか。といいますのは、日本学術振興会のPD・PO制度では、併任で3年以内となっています。こういう制度をとっていることに対して、よく審議会で、専任にしたらどうかとかいうような意見が出ますが、それに対して、日本学術振興会は、NSFの調査を何回も行って、向こうのPD・POも呼んで話をしたり、こちらから訪問したりと、かなり大部の報告書をまとめて、日本にはこの方法が良いという結論を出しています。NSFの方法には、良いこともあるけれど、弊害もあるということでした。例えば、PD・POが専任になってしまうと、その人たちの権限が強くて、NSFでもPD・PO詣でというのもありますし。10年も専任にすると、その人が第一線の研究者ではなくなってしまい、視野が狭くなるとか、あるいは、NSFの専任でも3年専任にして戻しているといいますが、実は、アドミニストレーションの方に戻るけれども、学術界には戻れていません。つまり、優れた人をPD・POにしようと言いながら、そういった方々が、学術界に戻れなくなっているということです。そうなると、自分の学術の歴史をまだまだ続けて構築したいと、本当に優れた人がPD・POにならなくなってしまいます。NSFの方々と話をしていても、問題がありますから、アメリカがやっているから同じようにしようというのは良くないと考えながら、あくまで科研費だけですけれども、日本学術振興会では、あのような制度を作り上げています。かなり力を注いで議論を行っている一方で、文部科学省の評価指針に、方向性が詳細に書かれているような気がしたので、どのような検討を行って書かれたのか教えていただけますでしょうか。

【有信委員】  日本学術振興会が行った検討はしていませんが、ここの基調は、それぞれの責任権限を明確にしましょうということです。現状のPD・POというのは実に千差万別で、日本学術振興会のようなPD・POがあり、科学技術振興機構の中のPD・POもそれぞれの担当ごとで果たしている役割がかなり違うというようなことがあります。それから、PD・POの評価もしていたり、していなかったりするという事実があります。そういう議論の中で、もう少し責任・権限を明確にしようというのがここの趣旨です。10年というのは多分アメリカ流のものをそのまま持ってきてしまったのかもしれないので、ここのところは検討させていただきますけれども、少なくとも趣旨は、PD・POの役割を明確にした上で、責任と権限をきちんとはっきりさせようということです。これは全てにわたってそういう趣旨が貫かれていて、「文部科学省の担当部局は」と主語を明確化しているのも、そこに責任があるということを示しておりますので、そのように御理解いただきたいと思います。ただ、いろいろなケースがあると思いますけれども、10年と書いてあると、それが固定化するとしたら、それは問題かもしれないと思います。

【甲斐委員】  ありがとうございます。そうであるとするならば、もう少し抽象化していただきたいと思います。「2~3年で交代してしまうため、役割等が十分に果たせていない等の課題も生じてきている」と、はっきり書かれていますけど、これを固定化してしまうことによる課題は逆に書かれておりません。だから、一方的な意見であると見えてしまうので、PD・PO制度を強化するという方針に文部科学省が踏み切られるのであればそれでも良いのですが、指針となると、ちょっと強制力がありますので、もう少し検討の余地が残せるような書き方にしておいていただいた方が、指針としてはいいと思います。お願いいたします。

【大垣分科会長】  平野委員、いいですね。

【平野委員】  検討させていただきます。

【大垣分科会長】  確かに、JSTの方でもPD・POという略語を使っていますので、少し混乱が起きるかもしれないですね。
 事務局は、特にいいですね。
 大変御議論いただいておりますけれども、もう一つ議題があるものですから、ほかになければ、この議題はよろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
 それでは、分科会として御質問を頂きましたけれども、御議論を受けて、研究開発評価部会において今後の検討を進めていただく際に参考にしていただきたいと思います。

【平野委員】  ありがとうございます。

【大垣分科会長】  また、御意見があれば、皆さん、事務局へ意見をお寄せいただければと思います。
 それでは、続きまして、議題(5)、部会等からの報告事項についてであります。時間がオーバーして恐縮でありますが、地球観測推進部会より「平成26年度の我が国における地球観測の実施方針」について報告がございますので、事務局から説明をお願いいたします。

【木下環境科学技術推進官】  環境エネルギー課の木下でございます。地球観測推進部会の小池主査に代わりまして、報告をさせていただきます。
 資料5-1と5-2がございます。5-2が本文でございますけれども、説明は、資料5-1に基づきまして、御紹介をさせていただきたいと思います。
 この地球観測の実施方針でございますけれども、大もとは、平成16年に総合科学技術会議において制定されました「地球観測の推進戦略」に基づいて、地球観測推進部会において具体的な実施方針を毎年定めているものでございます。平成26年度の実施ポイントといたしましては、資料5-1の2ぽつに書いてございますとおり、4点ほど掲げてございます。第4期科学技術基本計画を踏まえて、地球温暖化などの気候変動問題であるとか、地震・津波・火山のリスクに対応するための、課題解決型の地球観測を推進していこうというのが1点目。それから、2点目ですけれども、課題解決型の地球観測の実施ということを前提といたしますので、適当な道筋であるとかタイムテーブルを提示したアプローチというのが重要であろうということを指摘させていただいております。また、3点目としては、各分野間でデータ・情報の円滑な交換や加工への支援、データ統合・情報発信の推進というのが地球観測で得られたデータの利用促進に重要であろうということで、指摘をさせていただいております。また、最後になりますけれども、地球環境問題につきましては、観測対象の変化というのが、数時間のものもございますが、数十年単位のものもございますので、長期的な地球観測体制の維持というのが必要であろうということを明記させていただいております。
 それぞれは、3ぽつに書かせていただいたとおり、第1章から第4章までに分けて記述をさせていただいております。先ほどのポイントで御紹介をしなかったのは第3章の国際的な連携の強化でございますけれども、こちらでは、全球観測という観点ですと国際的な連携が非常に重要になりますので、国際的な連携を進めていくということ。また、途上国支援等をはじめとして、科学技術外交の推進というのが重要であるということを明記させていただいております。
 時間もございませんので、報告は以上です。

【大垣分科会長】  ありがとうございました。何か、今の報告に関しまして、御質問、御意見ございますでしょうか。
 よろしいですか。どうもありがとうございました。
 以上で本日の議題は終わりますが、そのほか何か、皆様から御意見等ございますか。
 特にないということで、それでは、事務局から、次回の予定について、お願いいたします。

【小山企画評価課長】  次回以降は、また改めて日程を調整いたしまして、御案内申し上げます。その節はよろしくお願いいたします。

【大垣分科会長】  それでは、以上で第47回の研究計画・評価分科会を終了いたします。本日は、3時間にわたり、どうもありがとうございました。おかげさまで、5分遅れで済みました。どうもありがとうございました。

── 了 ──

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科学技術・学術政策局企画評価課

(科学技術・学術政策局企画評価課)

-- 登録:平成26年01月 --