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研究計画・評価分科会(第28回) 議事録

1.日時

平成20年8月29日(金曜日)14時~17時

2.場所

東海大学校友会館 望星の間

3.出席者

(委員)

澤岡分科会長、土居分科会長代理、青木委員、石田委員、板生委員、井上委員、片山委員、唐木委員、北澤委員、國井委員、小池委員、笹月委員、笹之内委員、田中委員、谷口委員、中西友子委員、西岡委員、西山委員、原委員

(事務局)

(大臣官房)

坂田文部科学審議官、合田総括審議官、坂本会計課予算企画調整官

(科学技術・学術政策局)

泉局長、中原次長、戸渡政策課長、柿田計画官、西田安全・安心科学技術企画室長、渡邉計画官補佐

(研究振興局)

舟橋情報課長、菱山ライフサイエンス課長、高橋ナノテクノロジー・材料開発推進室長

(研究開発局)

増子地震・防災研究課長、信濃参事官(宇宙航空政策担当)、渡邊防災科学技術推進室長、中澤原子力計画課課長補佐、谷地球・環境科学技術推進室長

4.議事

【澤岡分科会長】

 ただいまから、科学技術・学術審議会第28回研究計画・評価分科会を開催いたします。本日の会議は分科会運営規則5条に基づきまして、公開とさせていただきます。まず審議に先立ちまして、文部科学省に人事異動がございましたので、事務局よりご紹介をお願いします。

【渡邉計画官補佐】

 ご紹介させていただきます。6月の第27回研究計画・評価分科会以降の人事異動についてご紹介させていただきます。前任の林にかわりまして、坂田文部科学審議官。

【坂田文部科学審議官】

 坂田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【渡邉計画官補佐】

 森口にかわりまして、泉科学技術・学術政策局長。

【泉局長】

 泉でございます。よろしくお願いいたします。

【渡邉計画官補佐】

 川原田にかわりまして、中原科学技術・学術政策局次長。

【中原次長】

 中原でございます。よろしくお願いいたします。

【渡邉計画官補佐】

 最後に事務局を担当する計画官付にも人事異動がございました。前任の千原にかわりまして、柿田科学技術・学術政策局計画官でございます。

【柿田計画官】

 事務局を務めさせていただきます、柿田でございます。よろしくお願いいたします。

【澤岡分科会長】

 どうぞよろしくお願いします。
 それでは、お手元の資料について事務局より確認をお願いします。

【渡邉計画官補佐】

 それでは、ご紹介させていただきます。配付資料、上のほうから議事次第、座席表、委員名簿となっております。その次からが資料になってございます。資料1-1ライフサイエンス分野の重点課題等の評価結果、同じく資料1-2情報科学技術分野、1-3地球環境科学分野、1-4ナノテクノロジー・材料分野、1-5防災分野、1-6航空科学技術分野、1-7原子力分野、1-8安全・安心科学技術分野、
 資料2になりまして、2-1ライフサイエンス分野の研究開発課題の事後評価結果、同じく2-2情報科学技術分野、2-3地球環境科学技術分野、2-4ナノテクノロジー・材料分野、2-5防災分野となっております。
 次の資料3、脳科学委員会関係の資料につきましては冊子となっております。資料番号は付されておりませんが、これが資料3ということになってございます。
 次が資料4-1「平成21年度の我が国における地球観測の実施方針(概要)」、4-2「平成21年度の我が国における地球観測の実施方針」の本体、資料5-1が「地球環境科学技術に関する研究開発の推進方策について(概要)」、5-2が「地球環境科学技術に関する研究開発の推進方策について」の本体(案)となっております。資料6が「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」の見直しについてということになってございます。
 その次が冊子になります。「平成21年度概算要求の概要(机上配付)」となってございます。こちらも資料番号は付されておりませんが、参考資料1ということになってございます。次が参考資料2「平成21年度の各研究開発について」、参考資料3「研究計画・評価分科会における評価の進め方」、参考資料4「平成21年度科学技術関係予算への資源配分方針の適用についての具体的進め方」、参考資料5「科学技術・学術審議会関係法令等」、参考資料6「研究計画・評価分科会(第4期)各部会・委員会のこれまでの開催状況」となっております。
 最後に「X線自由電子レーザー計画中間評価報告書(案)」というものがついておりますが、こちらはナノテクノロジー・材料委員会からの報告の追加資料となってございます。
 資料については以上でございます。不足、落丁等ございましたら、お手数ですが事務局までお知らせください。
 以上でございます。

【澤岡分科会長】

 本日の議事次第をご覧ください。議事がその他を含めて6件ございますが、このうち、1、2、5の3つが審議議題で、ほかは報告となっておりますので、よろしくお願いいたします。
 まず議題の1番であります。重点課題等の評価結果につきまして審議をいたします。本議題は、平成21年度に新規に概算要求する重要な研究開発課題についての事前評価、また3年程度経過しました継続課題についての中間評価に関するものでございます。
 まず報告をいただく前に、事務局より平成21年度概算要求の状況について、説明をいただきたいと思います。

【坂本予算企画調整官】

 官房会計課予算企画調整官をしております坂本です。私のほうから配付されております参考資料1、この分厚い冊子になりますが、平成21年度概算要求の概要に基づきまして、ご説明をさせていただきます。
 冊子を開いていただきますと、横長の1枚紙で「平成21年度概算要求における文部科学省科学技術関係予算」という紙をご覧いただけるかと思います。これが科学技術関係予算の全体を現すものでございますけれども、平成21年度要求の総計といたしましては、この下のほうにA足すBと書いておりますけれども、2兆6,283億円が科学技術関係予算として、今回の要求に盛り込まれております。そのうち、一般会計が2兆4,799億円で、エネルギー対策特別会計が1,485億円になっております。科学技術関係予算全体の2兆6,000億円というのは前年に比べますと、13.4パーセント増ということになっております。
 この2兆6,000億円の内訳でございますが、このうち約半分は国立大学の運営費交付金、あるいは私学助成などの教育予算が計上されています。これからご説明いたしますのは、その残り半分の部分として、科学技術振興費、上に数字が書いておりますけれども、21年度要求としては1兆570億円ございます。あるいはエネルギー対策費がございますので、この科学技術振興費、あるいはエネルギー対策費を中心に、私のほうでポイントだけご説明させていただきたいと思います。
 1ページ目を開いていただきますと、上に成長力の強化と、研究開発力強化法、革新的技術創造戦略等に基づく科学技術の振興というタイトルで、細かい内容が述べられています。
 この科学技術予算全体を3つの柱で我々は整理させていただいております。まず1ページからが将来の科学技術を担う人材育成の確保ということでございますけれども、2つ目の柱、3ページでございますけれども、多用な技術シーズを生み出す基礎研究の充実と国際競争力の強化ということでございます。さらに、3つ目の柱は8ページでございますが、国家基幹技術など、分野別研究開発の強化ということでございます。これらにつきまして、時間も少ないことですので、ポイントとなる施策に絞って簡単にご説明をさせていただきます。
 まず1ページに戻っていただきますと、「人材育成・確保のための投資の拡充」でございます。まず1つ目は理数教育の充実ということで、概要の括弧の中にございますけれども、特に21年度については1つ目の丸ポツにございますが、コア・サイエンス・ティーチャーということで、小中学校の理数教育指導において、中核的役割を果たす教員を養成するプログラムを大学、大学院と教育委員会が連携した形で実施するといった事業に対して国が支援をするということで、9億円を新規計上しております。
 次でございますが、大学における人材育成機能の強化、産学が協働した人材育成ということで、概要の中にございますが、大学における人材育成ということで、組織的な大学院教育改革支援推進プログラム、あるいはグローバルCOEプログラムといったものを着実に進めていくという予算が計上されております。
 次、2ページでございますが、(3)若手・女性研究者への支援ということでございますが、今後の科学技術の発展のために若手・女性の活躍が鍵となるということで、具体的には概要の中の若手研究者等の活躍促進ということで、特に丸ポツの2つ目にございますけれども、若手研究者養成システム改革プログラム、若手研究者の自立的研究環境整備促進、これはテニュアトラックの導入を支援するプログラムでございますが、そういったものを大幅に拡充していくということを要求しております。さらには、科学研究費補助金で若手向けの研究資金の拡充といったものも行っていくこととしております。
 さらに女性研究者の活躍促進ということでは、研究と出産、育児等の両立に取り組むようなプログラムを支援するということで、女性研究者支援システム改革プログラム、振興調整費のプログラムでございますが、そういったものの大幅拡充ということも要求していくということでございます。
 その下、科学技術に関する理解の増進につきましても、国立科学博物館、あるいは日本科学未来館を着実に運営し、活動を展開していくことに必要な経費を計上しております。
 次、3ページをおめくりいただければと思います。2つ目の柱でございます、多様な技術シーズを生み出す基礎研究の充実、国際競争力の強化ということでございますが、特にその苗床となります学術研究の振興ということでは、大学・大学共同利用機関における基礎研究ということで、「スーパーカミオカンデ」、あるいはアルマ計画、大強度陽子加速器(J-PARC)計画、そういったものを着実に進めていく経費を計上しております。
 科学研究費補助金の拡充ということが次に出ておりますけれども、特に挑戦的な研究の強化、あるいは新領域の開拓等々を盛り込んで増額の要求をしているところでございます。人文社会科学の振興につきましても、国公私立大学を通じた共同利用・共同研究拠点の整備などを着実に進めていくための予算を計上しております。
 次、4ページをおめくりいただければと思います。中ほどにございますが、ここから産学連携などによるイノベーションという予算が示されております。まず1つ目の基礎研究からの技術シーズの創出ということにつきましては、概要の中の1つ目のひし形でございますが、目的志向型の基礎研究ということで、戦略的創造研究推進事業というものも拡充を図ることとしております。さらにそういった基礎研究から出てきた成果に関連する複数の課題の研究開発を一体的に長期一貫して進めることによってイノベーションにつなげていこうというような事業も新たに立ち上げたいということで計上しております。
 次、5ページをご覧いただければと思います。2の産学連携の戦略的見解というところでございますが、1つ目のひし形にございますように、大学における戦略的な知的財産の管理、知財本部等の体制の整備のための支援も強化するということ。さらには地域イノベーションということで、地域におけるクラスター形成支援というものも進めてまいります。
 さらに、骨太2008におきまして、産学官連携拠点の形成ということがうたわれてございますので、産学官が有機的に連携して、人材育成、基礎研究から事業化、商業化までの活動を推進する、そういった経費についても拡充を図ることとしております。
 次の3はシステム改革ということで、科学技術振興調整費の予算を書かせていただいておりますけれども、特に21年度は骨太2008に基づきまして、世界レベルの革新的技術競争に即応し、迅速かつ機動的な研究開発投資を行うための新たな枠組みということで革新的技術推進費というものを、経済財政諮問会議において、政府全体の科学技術振興費が1兆4,000億円ございますが、その1パーセント程度の額と示されておりますので、その1パーセント程度である140億円を要求することとしております。
 次、6ページでございます。6ページは(4)、科学技術振興のための基盤の強化ということで、知的基盤の整備として、先端計測分析技術・機器開発事業、あるいはナショナルバイオリソースプロジェクトを着実に進めていくというための経費を計上しております。
 次の(5)、科学技術の国際活動、科学技術外交という関係でございますけれども、特にODAとの連携によりまして、途上国の環境エネルギー問題、災害の問題、あるいは感染症関係の課題に対応するための国際協力を支援する経費についても拡充を図ることとしております。
 次、7ページは飛ばさせていただきまして、8ページでございます。3つ目の柱でございますけれども、国家基幹技術など、分野別研究開発の強化ということで、さまざまな分野の重要政策課題に対応するためのプロジェクトの経費が計上されております。この中で、特に国家基幹技術につきましては、計画を着実に推進するということ。さらには国民生活の安心実現という観点から、社会的な注目・関心が高まっておりますが、医療・環境・防災といった分野に新規拡充の動きがございますので、そういったところを中心にご説明をさせていただきます。
 まずライフサイエンスでございますが、概要のところにございます、1つ目のひし形、革新的タンパク質・細胞解析研究イニシアティブにつきましては、画期的な遺伝子細胞治療につながるような、大容量かつ多面的なゲノム情報の統合的解析を行うといったプロジェクトを立ち上げることを目指しております。
 さらに2つ目の再生医療につきましては、脊髄損傷や糖尿病などの根本治療を可能とするということが期待されていまして、iPS細胞などを用いた再生医療技術の確立ということを目指して、引き続き拡充を図っていきたいと考えております。さらに、アルツハイマー、認知症などの治療法開発ということで、脳科学研究も進めていくと。さらには、4つ目のひし形でございますが、これは骨太2008でスーパー特区というものが規定されておりますけれども、そのスーパー特区での橋渡し研究の支援ということも含めまして、大幅な増要求を行っているところでございます。
 次、9ページをごらんいただければと思います。情報通信でございますが、次世代スーパーコンピュータの開発利用ということで、計画どおり着実に進めていくべく、経費を計上しております。
 次、3の環境でございますけれども、1つ目の地球環境変動予測研究の推進につきましては、地球シミュレータを用いまして、この地球温暖化が100年後、日本にどのような異常気象、最近見られるような集中豪雨とかそういった変化をもたらすかというふうな地域ごとの分析を含めまして予測を行うといったプログラムの経費を拡充することとしております。
 さらに同じ環境関係で、次の10ページをめくっていただきますと、ナノテクノロジー・材料のところの概要の2つ目のひし形に、ナノテクノロジーを活用した環境技術の研究開発というのがございますが、太陽光発電の世界一奪還を目指しまして、環境省などとも連携しながら、次世代太陽光発電の基盤技術を開発するというプロジェクトを新たに立ち上げることとしております。
 さらに同じくナノテクの関係では1つ上に戻っていただきますけれども、国家基幹技術でございますが、X線自由電子レーザーの開発利用についても計画を着実に進めていくための経費を計上しております。
 次、5、原子力につきましては、国家基幹技術として高速増殖炉サイクル技術ということで、来年の初めに運転再開を目指しております「もんじゅ」の性能評価試験等々の必要経費を計上しております。さらには、ITER(イーター)計画の経費についても計画どおり進めるべく要求をしているところでございます。
 次、6番目、宇宙・航空でございますけれども、これにつきましても概要に示されておりますが、衛星観測監視システム、宇宙輸送システム、宇宙科学研究というものを着実に進めていくための経費を計上しております。
 次、11ページでございますが、南極観測・海洋地球科学でございます。概要のところの1つ目、南極地球観測につきましては、「しらせ」の後継船、「新しらせ」が21年度に就航いたします。そういったことを含めて、21年度も着実に観測事業を進めていくための経費を計上しております。さらに、深海地球ドリーム計画につきましては、「ちきゅう」の国際運用、熊野灘沖の掘削というものを進めるための経費を計上しております。
 さらに8、下に行きますと、地震・防災でございますけれども、最近、地震で問題になっております活断層、特に未調査、あるいは十分に状況がわかっていない活断層の調査につきまして取り組むための経費を計上しておりますとともに、東海・東南海・南海地震については連動性という問題も最近注目されておりますので、そういった連動性を評価するための研究プロジェクトについては大幅な増額を目指して要求を行っているところでございます。
 以上、駆け足でしたが、私からの説明を終わります。

【澤岡分科会長】

 ありがとうございます。
 それでは具体的に各委員会で検討されております内容につきまして、それぞれの委員会の主査、またはご都合が悪い場合は、担当課室長によりご説明いただきたいと思います。件数が大変多く、今日は3時間の予定ですが、何とか3時間に収めたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それではライフサイエンス委員会より、ライフサイエンス委員会は菱山課長からお願いいたします。

【菱山ライフサイエンス課長】

 それでは資料1-1に基づきまして、ライフサイエンス分野の重点課題等の評価結果についてご説明申し上げます。
 ライフサイエンス委員会は7月30日と8月22日に開催されまして、評価をしているところでございます。また、ただいまご紹介がございましたように、予算については約861億円を要求するということになっております。
 本日は、まず新規拡充課題を1課題と、中間報告の課題を2課題、ご報告申し上げたいと思います。まず、資料1-1の3ページ目にポンチ絵がございます。これは革新的細胞研究プロジェクトというものでございまして、近年、大変次世代シーケンサー、大変高速で高性能なシーケンサーが出てきておりまして、そういったものを活用して、細胞等の解析をし、将来的には医療等にも難病の病因の解明といったことをしていきたいというものでございます。
 期間としては来年度、平成21年度から25年というものでございます。評価結果でございますけれども、5ページ目の5ポツのところに評価結果がありますように、こういった拠点を整備していくこと。特にシーケンサーと、そこから出てくる大量のデータをどう解析するかということがポイントでございますので、そういった拠点の整備をしていくということが重要であるということでございます。
 そして、その拠点が開かれたものにして、ネットワーク化を目指すということと、既存研究との有機的な連携も考慮して、強力に進めていくことが期待されるということでございます。
 それから、研究データについてルールをちゃんと決めた上で、できるだけ速やかに外部へ公開することが望ましいということが言われております。ただ、ライフサイエンス委員会においては、そのルールについて、特にヒトの細胞から出てきたデータを扱うことについて、きちんと慎重に検討する必要があるということもご指摘をいただいているというところでございます。
 それから、次に中間報告、中間評価を2件、ご説明したいと思います。まず6ページ目でございます。統合データベースプロジェクトというものでございまして、これは平成18年度に先行着手をされて、19年度以降、本格着手ということでございまして、今、3年度目を迎えたものでございます。ライフサイエンス研究がどんどん進められていて、その中でさまざまなデータベースが出てきているということでございまして、これらを統合的に使えるようにするということを目的としているものでございます。
 評価結果でございます。文書になっておりますが、7ページ目であります。全体につきましては、まず進捗・達成度については、順調以上に進んでいるということが言われておりますが、進め方として、全体の課題と、あと補完課題というのがございまして、補完課題について、実は半年しかまだたっていないということで、まだ成果は十分出ていないということも指摘がされているところでございます。総論といたしましては、幾つか見直しをするようにということが言われているということでございます。
 特に今後、バイオインフォマティクス推進センターというのがJSTにもございましたが、8ページ目の「終了後の今後のあり方」というところに、そういった既存のプロジェクトと統合することも考えて検討するべきだということが言われております。これはこのデータベース自体が、継続的に整備することが望ましいということが背景にあるということであります。
 それからさらに、2つ目の中間評価でございまして、これは14ページ目でございます。次世代生命統合シミュレーションソフトウエアの研究開発というものでございます。これは新しいスーパーコンピュータの開発に合わせて、それのソフトウエアを開発するというものであります。事業については分子スケール、細胞スケール等、それぞれのスケールに分割して研究を進めているというものであります。これも3年目に入りまして、中間評価をしたというものであります。
 全体の評価でございますが、15ページ目でございますが、評価結果のところの全体評価の総論にございますように、生命科学と情報科学のバランスに配慮した体制が構築できつつあると評価できるということが言われていますし、また、今度新たに脳神経系のスケールも入れようということでございますが、その際に、スクラップアンドビルドがなされたということが高く評価されているというところであります。
 今後の進捗・達成度でございますが、これについても今まで着実に、順調に進捗してきたというところがございます。ただ、幾つかご指摘事項があって、生命科学よりも専門家がきちんと入っていないところもあるのではないかということが、実施主体として今、理化学研究所が行っていますが、その中での内部評価でそのような指摘があって、そういった評価に応じて生命科学の研究者もしっかり入れて体制を構築してきたということが、また評価として指摘されているところでございます。
 以上でございます。

【澤岡分科会長】

 質問とご意見につきましては、全部のご報告が終わりましてから、いたしたいと思います。
 それでは2番目、情報科学技術委員会、土居主査よりお願いします。

【土居分科会長代理】

 情報科学技術委員会の主査の土居でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 情報科学技術委員会におきましては、今年度新規施策として、2件の事前評価を行ったところでございます。お手元の資料の1-2にその2件の施策の事前評価票をまとめておつけしておりますので、ご覧になっていただければと思います。
 1件目でございますが、これは表紙をめくっていただきますと、名簿が出ますが、その次のところにポンチ絵がございます。その後ろに評価票がございますが、「Web社会分析基盤ソフトウエアの研究開発」でございます。これはWeb上には実世界のさまざまな事象が反映された膨大な情報が蓄積され、貴重な文化資産が形成されています。それらWeb情報は学術文化及び社会活動におきまして、非常に有益なものでありまして、その収集・分析による高度利用が多様な分野で求められているわけでございます。
 そこで、Web上の情報を活用しまして、大学や研究機関等における科学技術・学術研究及び企業におけるマーケティング等の経済活動の基盤等になるアーカイブ基盤構築の実現に資するために、そのポンチ絵の左の下のほうに書いておきましたが、丸が3つございますが、テキストデータをはじめ、動画・画像及び音声データを含むWeb上の情報を効率よく収集するクローリング技術の開発、クローリング技術といいますのは、ソフトウエアのロボットで、各Webサイトの情報を集めるというようなことをする技術と理解していただければと思います。そのクローリング技術の開発ということがございます。
 集めてきた先の蓄積したWeb情報中のテキスト、動画、画像、音声等を科学技術・学術研究の基盤として利用するために必要な分析技術の開発。それから上記技術の開発のために必要なWeb情報の収集といった研究を行うものでございます。
 これにつきましては、情報科学技術委員会では、評価票の5ページから6ページにかけて評価結果がございますが、1番目として、当該事業はWeb上の情報を活用し、大学や研究機関等における科学技術・学術研究の基盤等となるアーカイブ基盤構築の実現に資する研究開発であり、その重要性は高い。
 そして2番目ですが、Webアーカイブにつきましては、国際的な動向を見ましても、Web情報の閲覧のための技術は存在するものの、高度な分析技術は実現されておらず、国として海外に先駆けて分析技術を開発することが、国際競争力の強化・維持につなげるために重要である。また、関連他の施策との連携による効率的な実施や、その成果の利活用が十分見込まれると。これらの事項に基づきまして、当該事業を早期に実施すべきであるという評価を行いました。
 続きまして、2件目でございますが、これは7ページ目のポンチ絵から始まり、評価票がついておりますが、「デジタル・ミュージーアムの実現に向けた研究開発の推進」でございます。既に失われている文化や、現在失われつつある文化をより現実に近い形で保存するとともに、人々が触れることを可能にすることは、文化的観点、教育的観点等から強く求められるようになってきております。
 また国際的にもこのような取り組みに関心が高まる中、日本は大型ディスプレイの開発やロボット開発等のものづくりの技術、あるいはコンピュータービジョンに代表されますような先進技術、あるいはインタラクティブ3D技術を含みますユーザーインターフェイス技術等に強みを持っておりますので、これらを生かしたシステムを構築するための技術開発は、国際競争力の観点からも重要になってきております。
 そこで、五感に訴えますリアルなコンテンツを3次元空間中に時系列で構築いたしまして、さらにユーザーの状況をリアルタイムにセンシングして、ユーザーの反応にその場で応答するようなシステムを構築するための研究開発を行うものでございます。
 これにつきましては、評価票の最後にございますけれども、要約いたしますと、情報科学技術が文化の発信等に貢献するための重要な施策であり早急に実施すべきである、という評価が、情報科学技術委員会においてなされたところでございます。
 以上でございます。

【澤岡分科会長】

 ありがとうございます。
 それでは地球環境科学技術委員会、小池主査、お願いします。

【小池委員】

 それでは、お手元の資料1-3に基づいてご説明いたします。
 地球環境科学技術委員会では、2件の中間評価を行いました。最初に資料の3ページ目から、実際には5ページ目からですけれども、ご覧ください。地球観測システム構築推進プランについて、これが18年から22年度で、3年目になっておりますので、中間評価を行っております。
 この地球観測システム構築プランにつきましては、全球地球観測システム「GEOSS」の10年実施計画、あるいは総合科学技術会議の地球観測の推進戦略に基づきまして、地球観測にかかわる研究開発、観測研究、国際観測ネットワークの形成を推進する計画として、この推進プラン自身は平成17年にスタートしております。そのうち今日、中間評価をご報告いたしますものは、18年度から5カ年計画で始められた、地球の温暖化予測の不確実性低減に必要な対流圏中の物質の観測技術の開発と、気候への影響のモニタリング等を行う、表題が「対流圏大気変化観測研究プロジェクト」についてでございます。これは、6ページ目に予算、それから研究実施機関が出ておりますけれども、研究実施機関代表者は千葉大学、それからJAMSTECということになっております。
 予算を見ていただきますと、これは1年で3,000万円から4,000万円で、かなり小さい額ですけれども、評価の結果は、観測機器の開発、あるいは観測網の展開は順調で、目標とする成果は得られつつあると。今後の成果を期待するということになっております。
 それで、指摘事項がございまして、これは基本的にはアジア域における観測網を推進するということなんですけれども、JICA(ジャイカ)、JSTの国際共同研究の枠組みの利用と、このプランが終了した後の観測網の維持について、その道筋をきちんと考える必要があるということと、それからアジアにおける地域全体での枠組みを進めるべきだという指摘事項がついてございます。
 もう一つ、中間評価を行いましたのは、平成18年度よりスタートし、今年が3年目となりますデータ統合・解析システムについてです。9ページから出ており、11ページから実際に始まっております。この施策は平成18年に閣議決定された第3期の科学技術基本計画の中で、国家基幹技術というのが決められましたけれども、その1つであります海洋地球観測探査システムの一部を形成しているものです。
 研究課題は多種多様な地球観測、気候変動予測、社会経済データなどを組み合わせて、水資源管理や農作物生産管理、気候変動・地球温暖化影響評価などに資する社会的、科学的に有用な情報にさまざまなオリジナルデータを変換し、幅広く利活用するシステムを開発するということでございます。
 12ページに予算、実施機関が出ておりまして、研究代表者は東京大学工学部の小池教授になっております。研究実施機関は東京大学、JAMSTEC、JAXA(ジャクサ)が入っております。
 中間評価の結果は、中間点、3年目としては、当初の計画に沿って、全体戦略マップがしっかり描かれており、順調に進展していると考えられるということ。それからデータ統合の理念、システムの構築及びその利用に関しても適切に発展させており、気候変動、地球温暖化、それから水循環、生態系の3つの分野でのそれぞれのケーススタディーからの成果から見て、今後の発展が期待できるということでございます。
 指摘事項がございまして、その1つは、これは基本的にはユーザーが使いやすいようなシステムを構築するということですので、将来の利用拡大に向けて、利用する可能性のあるユーザーコミュニティに対して、早目にここでの内容を公開することが必要であるということと、これは5年の研究ですけれども、この研究が終わった後、このシステムを恒常的に運用し、その開発が確保できるように、今の時点から後継システムの機能継続に責任を持つような検討が行われることが必要であるというような指摘事項がございました。
 以上です。

【澤岡分科会長】

 ありがとうございます。
 それでは次に移ります。ナノテクノロジー・材料委員会、高橋室長よりお願いします。

【高橋ナノテクノロジー・材料開発推進室長】

 それでは、ご説明申し上げます。資料1-4をご覧いただきたいと思います。ナノテクノロジー・材料分野の評価についての資料でございます。まず1ページをめくっていただきまして、2ページからでございますが、ナノテクノロジーを活用した環境技術開発というものでございます。こちらにつきましては、課題の概要については4ページのポンチ絵をご覧いただいたほうが早いかと思います。現在の非常に大きな社会的な問題となっております環境の問題につきまして、我が国の世界最高水準のナノテクノロジーの材料の技術を活用してこれに挑戦していこうということでございます。
 先ほど予算の全体像の中でのご説明がありましたけれども、環境に関する技術というのは太陽光発電のほかにも自動車の関係、また発電プラント等の高効率化など、さまざまな技術がございますが、我が国のナノテクノロジー・材料の研究のレベルを考えますと、このさまざまな要素について明確な回答を導き出せるのではないかと思っております。
 これは大学等研究機関におきまして、日本型ドリームチームといったような総合的な、統合的な問題解決型のチームを組織していただいて、課題の解決に当たっていただくというものでございます。
 こちらにつきましては、2ページの評価票をご覧いただきたいと思いますが、ご評価をいただきまして、特に下の有効性のところでございますが、(2)有効性としまして、我が国のナノテクノロジーの技術水準ということから、環境エネルギー技術について、非常に期待ができるという評価をいただいております。また、3ページの評価結果5番、取りまとめのところでございますが、ナノテクノロジーを社会貢献に結びつけることを国として強力に推進する前例のない挑戦的なプロジェクトであると判断するということで評価をいただいております。
 実はこれは研究機関の中で、このような統合的なチームを作るということが大きな課題でございますので、特にこの上の3番(3)の効率性のところでございますが、競争的資金で実施するわけですけれども、研究チームの編成、また課題の設定、それから定期的な評価、このようなことについて十分に注意をして進めるようにという評価をいただいているところでございます。
 続きまして、5ページをご覧いただきたいのでございますが、こちらは元素戦略でございます。これは平成19年から継続的に進めているテーマでございますけれども、平成21年度におきましては、レアメタルの回収技術ということに力を入れて進めてまいりたいと思います。これは7ページの模式図がございますので、こちらをご覧いただきたいと思いますが、7ページの横組みでございますが、左下の循環する図をご覧いただきたいと思いますが、材料が製品になる。この製品がスクラップになって、さらにそのスクラップから材料が取り出されていく。この循環をきちんと道筋をつけることがリサイクルという観点から非常に重要なわけでございますが、実際、このスクラップから、有用な材料、特に希少元素などを取り出していくということに非常に大きな技術的課題がございます。この辺を元素戦略として、基礎研究から取り組むことで、この循環を完成させていきたいと思います。これは当然、経済産業省、環境省などとの連携をして、しっかりとこの循環を完成させていきたいと考えているわけでございます。具体的な評価としましては、6ページをご覧いただきたいのでございますけれども、大いに推進するべきであるというようにサポートをいただいているところでございます。
 それから、8ページ以降は現在、ナノテクノロジー・材料分野で進められている各プロジェクトについての中間評価の結果でございます。時間の関係で個別的にご説明申し上げませんが、いずれの課題についても後半戦ということで、テーマを絞り込んで、具体的な数値目標を設定すること。そして、そのようなシェーブした形で最終的なゴールまで進めるようにというようなご示唆をいただいております。これにつきましては、今後PD、POの先生とも連携しながら、研究グループとよく調整して進めてまいりたいと思っております。
 そして、次にX線自由電子レーザーの計画につきまして、中間評価を行っているところでございます。これは資料番号がついていないのですが、資料の最後に「X線自由電子レーザー計画中間評価報告書(案)」ということでお配りさせていただいております。これの内容につきまして、簡単に申しますと、この国家基幹技術として進められているX線自由電子レーザーにつきまして、実施3年目、計画の3年目ということから、X線自由電子レーザー計画評価作業部会を設置して、計画の進捗状況、また事前評価における指摘事項への対応などを評価いたしました。
 この結果としましては、開発については順調に進んでいるので、この体制を維持してさらに進めるようにということでございます。さらに、利用を推進するという観点からは、推進体制を整備して進めているということについて一定のご評価をいただいております。さらに新たな研究分野の開拓、長期的な展望に立った研究の遂行ということを進めていくようにということでございます。
 計画についてのPR、情報発信についても積極的に行われているというご評価をいただいております。もちろん、さらに新たなユーザーを開拓していくという努力が必要なのは言うまでもないことでございます。
 最終的には運用等ということで、実際の運用につきましては、国における共用促進法が求める体制というものがございますので、これをどう構築していくかという検討を速やかに着手するようにという評価をいただいているところでございます。
 国家基幹技術でございますので、このような中間評価のご示唆を踏まえまして、さらに計画を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。

【澤岡分科会長】

 ありがとうございます。
 それでは次へ移ります。防災分野の研究開発に関する委員会、土岐主査よりお願いいたします。

【土岐委員】

 それでは資料1-5に基づきましてご報告申し上げます。
 防災分野につきましては、これまでも継続的にいろいろな研究が行われておりますが、ここではその中で重点課題1つを選びまして、評価結果を報告申し上げます。
 まず第1が資料の1ページ目に概要が、それから3ページ目にポンチ絵がございます。この研究では東海・東南海・南海地震につきまして、その連動性に注目した研究でありまして、昨年度から本格的に取り組んでいるところでございます。
 この研究では1ページ目のちょうど中ほどに1,2,3と番号を振っております、3つのサブプロジェクトがございまして、第1が、東海・東南海・南海地震の連動性評価のための調査観測・研究であり、第2が連動を考慮した地震動、津波予測及び地震・津波被害予測研究、それから3でございますが、東海・東南海・南海地震と連動した富士山の噴火可能性を評価するための調査研究、この3つのサブプロジェクトから成り立っております。
 この委員会では、この3つの地震が連動して発生した場合、非常に甚大な被害が生じるわけでありますが、これによる社会的、経済的な影響は非常に大きなものと予想されます。また、地震防災や減災対策の強化への活用ということも期待されるところでありまして、国を挙げて取り組むべき課題であろうと評価したところでございます。また火山噴火との連動性の可能性についても、妥当な研究であろうと評価したところでございます。
 2番目のテーマでございますが、これは4ページ目に概要、それからポンチ絵が6ページにございます。我が国におきましては、陸域に関しては世界にも類を見ないような高密度な、そして高精度な地震観測網が整備されているわけでございますが、海域においては十分な観測機器がまだ整備されていないというのが実情でございます。そこで本研究では、この海底リアルタイム地震観測ネットワークシステムというものについての技術開発を進め、そして東南海地震の想定震源域であります紀伊半島熊野灘沖にこのシステムを敷設しようというものでございます。その辺のところのことが6ページのポンチ絵に記してございます。
 こういうものによりまして、地震や津波の発生予測、あるいは早期検知が可能となりまして、海溝型の巨大地震、それと、これにより発生する津波に対する防災・減災対策を飛躍的に進展させるということが期待されますので、平成21年度までに現在の計画のシステム整備を終了させて、そしてさらにすぐ西隣になりますが、南海地震の海域を対象とします次世代システムをも早期に着手すべきと評価したところでございます。
 3つ目のテーマが、今度は概要が7ページに、ポンチ絵が9ページに示してございます。これは既にご承知のように新潟県の中越沖地震、あるいは先だっての岩手・宮城内陸地震など、こういう活断層があると認識されていないような場所、すなわち日本のどこででも地震が起こるという可能性があるということが改めて認識されたところでございます。それで、この研究では全国の活断層の位置や、あるいはその形状、さらには震源断層の三次元的形状の把握や、糸魚川・静岡構造線に沿う断層帯の研究結果を取りまとめるというようなこともいたしますが、さらにこれに加えまして、これまで調査観測や研究があまり行われていなかった沿岸海域の活断層調査を新たにスタートしようというものでございます。
 委員会では活断層に関する調査研究の成果というものが、地震調査委員会が行う地震の長期評価、あるいは強振動評価の高度化、さらには地方公共団体等が行います地震防災・減災対応といったところに大いに利用されるという可能性がありますので、早急に実施が必要であろうと評価したところでございます。
 最後の4つ目でございますが、これは概要が10ページ、それからポンチ絵が12ページに示してございます。この件につきましては、まずこの国や自治体、それぞれの地域、あるいは一般住民の方々が防災・減災対策を進めるという時に際して必要となる信頼度の高い災害情報を一元化しようと。そしてこれを発信・活用するということが求められるわけでございますが、この研究ではこういった事柄に関連して、散在しております地震の発生や、あるいは地面の揺れ、こういったようなハザード情報に関するもの、あるいは被害予測などのリスク情報といったものを一元化し、集約して、そしてこれを図化する。言うならば地図でありますが、地図の上で表現するというようなことで、利用者にとってわかりやすい形で情報提供をしようとするものでございます。
 それで、この委員会では災害情報を一元化し、国民にとって身近なリスクという形で届けるという社会的な成果を目標とする本プロジェクトの意義は大きいと。そして国や地方公共団体、あるいは一般住民など、それぞれの観点から有効活用されるであろうことから、国や地方公共団体の防災対策や、一般住民の防災力の向上ということが大いに期待されることでありますので、計画どおり着実に実施するべきものと評価をしたところでございます。
 以上で、防災分野からの報告を終わらせていただきます。

【澤岡分科会長】

 ありがとうございました。
 続きまして、航空科学技術委員会の報告を信濃参事官よりお願いします。

【信濃参事官】

 資料1-6であります。本日は主査の杉山武彦委員がおいでになりませんので、委員会の事務局からご説明をいたします。航空科学技術委員会では7月28日と8月19日、2回にわたりまして、委員会を開催いたしました。そこで戦略重点科学技術になっております4件の課題、これはいずれもJAXA(ジャクサ)、宇宙航空研究開発機構が実施しておりますけれども、これらについての評価を行いました。その4件の課題を簡単にご説明いたします。
 資料2ページを開いていただきたいと思います。2ページの下のほうに航空機の絵がございます。これはMRJという国産の旅客機でして、これを平成25年に市場に投入するということで、民間企業が事業化の決定をしております。この航空機の開発につきまして、社会からの要請を踏まえまして、例えば機体の低燃費化ですとか、低騒音化、こういうことにつながります先端技術の研究開発を、それから、将来、国が行うことになります航空機の安全審査に対する技術的な支援を行うという観点で進められている研究開発でございます。これが1件目。
 2件目は次、3ページにございます、クリーンエンジン技術の研究開発ということで、これも先ほどご説明したのと同様に、民間企業が将来、国産のエンジンを開発するということを目標としておりますプロジェクトに関しまして、例えば低NOx(窒素酸化物)化、低CO2(二酸化炭素)化、低騒音化といった環境技術の研究開発、それから将来行う安全審査に対する技術支援のための研究開発、こういったものを行っております。
 3件目の課題、これは4ページにございます。運航安全、環境保全技術の研究開発ということでございます。これは4ページの2ポツにございますとおり、一言で言いますと、事故を起こさない航空機、あるいは運航システムを開発するということ、それから高精度運航技術ということで、安全にしかも高密度に運航できるようなシステムを開発して、いろいろな無駄を省いていくということを目標とした研究開発でございます。これらにつきまして、例えば航空会社、それから国交省航空局、自衛隊、消防庁などと連携しまして、研究開発を行っているというものでございます。これは開発しましたソフト、ハードにわたる技術を、将来、国際標準の提案につなげたいということも念頭に置いて進められているものでございます。
 4件目、これは5ページになりますが、静粛超音速機技術の研究開発ということで、以前超音速機がございましたけれども、その将来型としまして、より静かな超音速機を開発するための技術の研究開発を行っているというものでございます。これは将来、国際協力によって開発しようという可能性があることを念頭に置きまして、環境の適合性とか、経済性の両立を図るために必要な技術の研究開発を行うというものでございます。
 これら4件につきまして、この委員会において評価を行いました。その評価の結果は、6ページから28ページまでございます。非常に長いので簡略に、一言で申し上げますけれども、まずその評価の視点としましては、このプロジェクトが始まりましたのが平成16年、あるいは18年でございますので、その後、社会情勢ですとか国際動向が変化をしているかもしれないということで、それらに着目をして評価が行われております。
 いずれにつきましても、例えば必要性、有効性、効率性、こういった面において、すべてこの4件とも妥当であると判断をされておりまして、今後も着実に実施していく必要があると確認をされております。
 結論は以上ですが、委員会を通じまして、何点か委員からご指摘があった点がございますので、2点だけご紹介をしておきたいと思います。1つは先ほどの民間航空機の開発、国産旅客機の高性能化技術の研究開発に関連しまして、このプロジェクトだけではありませんが、一般的にプロジェクトを成功させるためには、その技術を使うユーザーの考え方というのを研究開発にきちんと反映させることが必要であるというご指摘をいただいております。
 それから、3件目にご説明いたしました運航安全・環境保全技術につきましては、将来、国際標準の提案を目指すということで、そのためには国際機関などの検討の場において、国がそれをきちんと提案する、あるいは仮にJAXA(ジャクサ)がその提案をするのであれば、国を代表する専門機関という位置づけをきちんと持ってすることが大事だということで、そういう動きにつなげるための環境づくりを研究開発と並行してやっていくことが必要であるという指摘を受けました。
 以上でございます。

【澤岡分科会長】

 ありがとうございます。
 それでは次に原子力分野の研究開発に関する委員会のご報告を田中主査よりお願いいたします。

【田中委員】

 原子力分野の研究開発に関する委員会の主査を務めております田中でございます。原子力分野の重点課題等の評価について、評価結果を中心に資料1-7により簡潔に紹介させていただきます。
 まず2ページ目をご覧ください。評価結果一覧にありますとおり、事前評価1件、中間評価1件の評価を行いました。1つ目でございますが、新規課題である「研究開発段階炉等の廃止措置技術の研究開発」の事前評価結果についてであります。4ページにポンチ絵がございますが、この事業の概要は、廃止措置中の原子炉である「ふげん」等を用いて、「ふげん」の本格解体が開始される平成24年に先立つ、平成21年から23年の間に、高放射線汚染の建物構造物及び設備・機器を対象に、化学的除染技術の研究開発及び放射性物質の処理・処分のための測定技術の研究開発を行うものであります。
 我が国の原子力関連施設におきましては、廃止措置の導入段階にあり、発生する放射性廃棄物の合理的な処理・処分に当たって、放射性廃棄物の低減化、並びに掛かるコストの最小化に有効な放射性物質の除染技術及び測定技術の研究開発を行う必要があります。
 放射性廃棄物の低減化、並びに掛かるコストの最小化に必要な技術は、広く国民に還元される性質のものであることから、国としても適切に研究開発が実施されるよう促すとともに、その成果を広く公開することで、各事業者による合理的な廃止措置の推進を図る必要があります。
 評価結果でございますが、6ページをご覧いただけたらと思います。研究開発段階炉等の廃止措置に伴って発生する膨大な放射性廃棄物について、除染技術及び測定技術を用いて、適切に低減することは、我が国の原子力の研究、開発及び利用に関する一連の活動を進めるに当たって、極めて重要な課題であるとともに、本研究開発を廃止措置において汎用技術としても利用可能であり、開発意義が高いものであることから、本事業を実施することが妥当であるという評価結果が取りまとめられました。
 なお留意事項として、本事業の実施に当たってはその成果を第三者等による委員会にて妥当性を検証するとともに、事業者においては、その成果を踏まえ、適切に既存の廃止措置計画に反映し、放射性廃棄物低減計画に結びつけることが重要であることを指摘しております。
 2つ目でありますが、継続課題であります「原子力システム研究開発事業」の中間評価結果であります。この事業の評価結果は17ページの中間評価票にまとめてございます。この事業の概要は、革新的原子力システム、原子炉と再処理と燃料加工がありますが、その革新的原子力システムの実現に資するため、大学、研究機関、民間企業が競争し、場合によって、より良い連携性を加速させて実施することが適切と考えられる課題について、競争的資金を適用した公募事業の形態で、研究開発を実施するものであります。
 「特別推進分野」と「基盤研究開発分野」があり、「特別推進分野」では、国が評価した有望な革新的原子力システム候補に対して、実用化を目途とした技術体系の整備を見据えた枢要な研究開発を実施しております。「基盤研究開発分野」では、革新的な技術及びそれらの開発を支える共通基盤技術を創出する研究開発を実施しています。
 なお、平成20年度に実施しましたアンケート調査や本事業のプログラムディレクター及びプログラムオフィサーの意見等を踏まえて、平成21年度より事業の拡充を予定しており、「特別推進分野」におきましては、「もんじゅにおける高速増殖炉実用化のための技術開発課題」という公募分野を、また「基盤研究開発分野」におきましては、「発展型研究開発事業」、これは仮称でございますが、ということで、基盤研究開発分野の成果のうち、将来性のある革新的な芽や実用化に向けた有望な成果が見込まれるものを、次の段階の研究開発課題として加速するための公募分野を追加することとしています。
 評価結果でございますが、革新的な原子力システムの実現に係る技術開発は、長期的取組が必要で、投資リスクが大きい一方、エネルギー資源の乏しい我が国において、国の存立基盤に関わるものであり、国が行う必要があること、また大学、研究機関、民間企業等にある様々なアイデアの中から、実効性のある優れた提案を見出すことが重要であり、そのためには競争的資金制度を活用して、研究開発を実施することが極めて重要であること等から、引き続き実施することが妥当であるとの評価結果が取りまとめられました。
 また、平成21年度からの拡充部分の評価についてですが、「もんじゅ」における研究開発は、運転に責任を持つ日本原子力研究開発機構に加えて、大学、研究機関、産業界等からの革新的な提案と多くの人材の参加により実施することが効果的であること、また、民間企業等を含め、実用化に向けた研究開発の加速を期待できることから、2つの公募分野を追加して実施することが妥当であるという評価結果が取りまとめられました。
 なお、留意事項として、研究の実施者と「もんじゅ」の設置者たる日本原子力研究開発機構が一体となって研究開発を実施することが重要であること、研究開発の実施状況、社会的要請等を踏まえ、公募分野や対象を適切に見直しながら、効果的・効率的に事業を展開することが必要であることを指摘しております。
 以上でございます。

【澤岡分科会長】

 ありがとうございました。
 それでは、最後でございます安全・安心科学技術委員会、板生主査、お願いいたします。

【板生委員】

 板生でございます。
 3ページ目からご覧いただきたいと思いますが、この安全・安心科学技術プロジェクトの基本的な考え方は特に社会・国民に支持されて、成果を還元する科学技術ということであり、なおかつこれらの社会的価値の創出を目指してイノベーションを実現するというようなことでございます。
 従来の研究に対しまして、かなり社会との関係のある、どちらかといいますと、それをシステム化していくということが大きなここの研究プロジェクトのねらいになっております。その中でも、特に重要研究開発課題というものと、それから安全・安心にかかわる知・技術の共有化という2つの項目に分けて考えてみますと、最初の研究開発に関しましては、ここに3つ挙げておりますが、説明の順から行きますと、テロ対策等にかかわる研究開発というところを見ていただきますと、これは平成19年度より実施したわけでございますが、テロ対策危機管理等に関しての技術の評価が国家的なレベルで必要であるということで、大学のいろいろな知識並びに研究成果を活用しまして、そして社会のニーズと合わせた形で、この研究開発に取り組んでおります。
 さらには、右のほうに地域社会の安全・安心の確保にかかわる研究開発。これはやはり平成19年7月のこの委員会の提言に基づきまして、特に国のレベルの安全・安心にとどまらず、地域社会においての安全・安心というのが非常に重要になってきているということから鑑みまして、このような科学技術に関連しての研究開発を行うというようなことでございます。
 そして、さらにこの研究開発は大変国民生活と密接に関係しておりますので、非常に多くの提案が出てきておりまして、さらに医療だとかインフラのほうだとか、犯罪とか事故対策等の課題に対応するということが重要になってきております。そして、最後に3番目は、来年度、平成21年度からの実施を考えるものでございまして、国家の安全・安心、すなわち情報セキュリティーとか、国際的な核不拡散、こういうような問題について技術的な検討・研究をしていくということで、3つの項目からなっております。さらに、下のほうに書いております安全・安心にかかわる知・技術の共有化ということに関しましては、たくさんの人脈並びに知識、たくさんのものを研究拠点にフィードバックして、安全・安心科学技術推進の拠点をつくっていくというようなことでございます。
 以上、概要でございますが、それでは次のページの平成21年度の事前評価票というところを見ていただきますと、課題の概要は先ほど申しましたとおりで、3番目のところにある(1)の中で、テロ対策、それから2番目に地域の安全・安心、3番目に国家の安全・安心。この3番目のところは来年度から実施をしていきたいというような計画になっております。そして2番目の安全・安心にかかわる知・技術の共有化。
 こういうようなことで進んでおりますが、これらにつきまして評価をした結果につきまして、5ページの最後から6ページをあけていただければと思いますが、6ページにございますように、安全・安心科学技術委員会としては、これらの事業を推進すべきと判断しておりますが、しかし以下の点に留意して進めるべきであるというような結論に達しております。
 それを簡単に申し上げますと、まずテロ対策や国家の安全・安心にかかわる研究開発と、それから地域の安全・安心。要するに国のほうと生活のほうとの安全・安心の2つを我々は抱えて、ここの委員会では対応しておりますが、これにつきましては、両方ともどんどんやれれば一番いいのですが、リソースの制限もありますので、その中でバランスよくそれを推進することが必要であるというような表現にしております。
 それから、2番目にはユーザー並びに実施者が一体となった研究開発が求められ、国民生活に非常に関わりが深く、社会実装に最終的に進んでいくという研究姿勢が必要であります。
 地域社会のいろいろな安心・安全の課題は、国レベルで共通の課題でもあるということで、地域だから、地域で任せるというわけにはいかなくて、むしろ国のレベルでもそれら1つの事象を、ほかの地域にも当てはめるという形で、一般化をしていきながら、その研究を進めていくところが必要であるということでございます。
 さらには、単に革新的な技術開発というだけではなくて、システムとして社会実装ができて、そしてその有用性が実証されるというシステム研究をやって頂きたいということでございます。
 そういうことで、こういうことを留意事項として、今後の研究開発を取り組んでいただきたいというような結論に達しております。
 以上でございます。

【澤岡分科会長】

 ありがとうございます。
 多くの非常に重要なご報告をいただきました。まとめて申しわけございませんが、ただいまの各委員会からのご説明、ご報告に関しまして、ご質問、ご意見がございましたら、ご発言をよろしくお願いします。どうぞ片山委員、お願いいたします。

【片山委員】

 これは私、防災の分野のところでもお聞きしたんですけれども、今日の資料を見せていただくと、概算要求主要事項という言葉を使って説明してあるんですが、実際に私どもが検討したものはこのほかにも幾つもあるわけでございまして、ここで主要といっても、必ずしもここに載っているものだけが、これからもこの順番で主要に検討されていくという意味は持たないと確認させていただいてよろしいんでしょうか。

【柿田計画官】

 この研究計画・評価分科会におきます評価の対象といたしまして、特に今回、今のご議論のところでは事前評価が中心になりますけれども、総額が10億円以上要することが見込まれる研究開発課題でありますとか、総合科学技術会議のいわゆるS・A・B・Cと言われる優先順位付の対象となる研究開発課題であって、新規課題に該当するもの、こういったものについての分野別委員会での評価結果が本日ご議論いただく対象になっているということでございます。

【片山委員】

 わかりました。誠にしつこいんですけれども、前からちょっと気になっていたものですから、もう一度お聞きしました。

【澤岡分科会長】

 ほかによろしいでしょうか。石田委員、どうぞ。

【石田委員】

 今の片山委員のお話も確かにそんな感じもしますのは、実際、この時期において概算要求と、それから評価をうまく結びつけるという努力は、これまでもずっとやってきたわけですが、容易じゃないんですね。実際、それぞれの評価の結果を見ましても、かなり概算要求がぴしっと書いてあるところもあれば、そうではないところもあるということもありますし、それからここに出ております評価のプロジェクトがきちんと概算要求のこのひし形のところに書いてあるものもあれば、そうではないものもあったり、あるいは原子力の分野ですと、かなり非常に大きなグループというんですか、ITER(イーター)とか、それからJ-PARCとかいろいろありますけれども、それは必ずしも毎年ここで評価する対象にはなっていないけれども、航空の分野なんかですと、結構、それぞれの静粛超音速機とかなんかは毎年評価しているとか、必ずしもきちんと平仄が合っていないところがあると思います。
 これは本当はきちんと平仄が合ってほしいとは思うんですけれども、いろいろこの7月から8月にかけて、ばたばたと評価していくということにおいては、現実にはなかなか整合性のとれた活動って、非常に難しいというのも実態であろうかと思います。
 そういうことで、なかなかこの概算要求の概要でまとまったものと、それから評価の項目に若干の乖離があったり、どれが主要で、どれが主要じゃないかということになりますと、概算要求に書いてあるもののみが主要であって、それ以外全部非主要であるということでは、決して多分ないんだと思うんですけれども、その辺の全体のバランスのとり方については、ぜひこれから事務的にも、これまでも随分いろいろな問題があったわけですけれども、だんだんこの分科会の議論でよくなってきていると、私は認識します。これからもその辺の工夫はぜひしていただきたいというのは、1点でございます。
 それからいま一点は、これも毎年、私も同じようなことを申し上げておりますけれども、実際、この概算要求の数字を見ますと、要求・要望額というのはかなり対前年度で大きな額になっているんですね。非常に我々は希望に胸が膨らむといいますか、たくさん要求・要望してもらえるなということがあるんですが、この要望というのはなかなかいい言葉であり、微妙な言葉であって、本当に12月政府議案の決定、あるいはさらに本来は国会での議論があるのかもしれませんが、とりあえず政府議案の決定ということになりますときに、この要求・要望額のどの程度が満たされるかということになりますと、私どもの希望は最大限努力してほしいということに尽きると思うんですけれども、本当は年によって若干、今年はたくさん要求・要望ができたということとか、あるいはそうじゃない年もあったり、いろいろな予算の仕組みの変化によって違うことがあると思うんです。今年は一体どういう感じなのかということを本来会計課に聞くべきであろうかと思うんですけれども、事務方がおられますので、その辺の感触をむしろ委員方も私も知りたいという感じもいたします。
 以上です。

【澤岡分科会長】

 これは今、事務局側ではどういう感触を持っておられますか。

【戸渡政策課長】

 政策課長でございますが、本年度の要求の概要等でございますけれども、私ども政府研究開発投資の拡充という点につきましては、ご案内のとおり3期計画、25兆円を目指して、できるだけ確保していくというスタンスに立っております。本年度の概算要求におきましては、いわゆる要求・要望できる枠というのは基本的に科学技術振興費について申し上げれば、前年度額の20パーセント増まで要望していいということになっておりますが、それとは別に前年度の部分について約2パーセント、いろいろ見直しとか政策の棚卸ということで、ご理解を図りながら要求するようにと。それをやった上であれば、2パーセント減ったところから25パーセントまで要求をしていいということが大きな枠になっております。
 それで、先ほどの資料の中に1枚入っておりましたが、一般会計のうちの科学技術振興費、20年度予算で8,619億円ぐらいの部分につきまして、来年度要求・要望額ということで、1兆571億円、22.6パーセントとなってございますが、これは2パーセント棚卸等をやった中からで見ますと、約25パーセント増ということで、要求額目いっぱい使いながら、要求をさせていただいているというところが、要求の段階の現状でございます。
 ご指摘のとおり、これから予算編成に向けて、またいろいろ協議等を進めていくわけですが、平成21年度予算につきましては、重点要望課題推進枠というものが、昨年度はそういう政策棚卸がございませんでしたので、各省取り合う部分が500億円ぐらい用意されていたと。それが今年度につきましては、またこれから各省で取り合うような形になるかとは思いますが、3,300億円程度が用意されているということでございますので、私ども、しっかりと説明をいたしまして、この重要課題推進枠、3,300億円程度につきまして、できるだけ私どもが確保できるように努力をしていきたいと思っているところが1点でございます。
 それから、もう一点は緊急経済対策という中で、現在、補正予算という話も出てきているところでございます。したがいまして、補正予算の中で、私ども対応できる、獲得できるところにつきましては、その補正予算でのできるだけの確保というものをしながら、先ほど申し上げました重要課題枠についても、できるだけ確保していくと、そういった2つの努力によりまして、研究開発投資の拡充というものに本年度も最大限努力してまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。

【澤岡分科会長】

 ありがとうございました。ほかにいかがでございましょうか。
 それでは、ただいまいただきました意見などにつきましては、文部科学省より総合科学技術会議に、関連の会議に説明する際に十分ご留意いただくということで、本分科会としては承認したいと思いますが、よろしゅうございましょうか。

(「はい」の声あり)

【澤岡分科会長】

 ありがとうございます。それでは、分科会として評価結果を決定することとさせていただきたいと思います。
 それでは、2番目の議題に移りたいと思います。平成19年度で終了しました研究開発課題の事後評価結果について、まずはご説明いただき、質疑をいたしまして、この分科会としてどうするか決めたいと思います。5つございます。まずライフサイエンス委員会よりのご報告を菱山課長にお願いいたします。

【菱山ライフサイエンス課長】

 それでは資料の2-1に基づきましてご説明申し上げたいと思います。ライフサイエンス委員会で、3つの主要プロジェクトについてご評価をいただいたところでございます。まず1つ目が、2ページ目にございます、「再生医療の実現化プロジェクト(第1期)」でございます。このプロジェクトは、幹細胞を用いた再生医療の実現化を目指すということでございまして、期間は第1期が平成15年から19年度、昨年度まででございました。
 概要といたしましては、このポンチ絵の(1)(2)(3)にございますように、まず幹細胞のバンク、これは臍帯血の研究用のバンクを整備するというものでございます。2番目としては幹細胞操作技術の開発ということで、マウスあるいはサルなど動物の細胞で開発した技術をヒトの幹細胞を使って、さまざまな細胞をつくり、それから分化していくという技術を確立するものでございます。3番目が幹細胞による治療技術の開発ということで、脊髄損傷や、あるいはパーキンソン病等の神経難病、あるいは眼などの疾患、それから心筋梗塞や糖尿病等の生活習慣病について治療技術を確立していくものでございます。
 進捗・成果は下の四角にございますように、iPS細胞の山中先生もこの中に入っていらっしゃって、iPS細胞の樹立の研究にこのプロジェクトも貢献しているというものでございます。またES細胞からドーパミン神経細胞や大脳神経細胞などの分化誘導にも成功しておりますし、またヒトES細胞のさまざまな新しい培養法なども確立したというものでございます。
 事後評価の結果でございますけれども、3ページ目を見ていただきまして、一番下に評価委員会の主な意見、4ページ目に行きますけれども、成果の達成状況では、ここでは山中先生の成果が言及されているというところであります。「制度について」というところで、基礎研究から疾患モデル動物を用いて、前臨床研究のような実用化につながる応用研究を切り離しては進めることができないとなって、第2期では最後にも出てくるんですが、ヒトの幹細胞、この第1期ではだいぶん動物細胞を使っていたんですけれども、平成20年度から始まる第2期については、ヒト幹細胞を中心にということで、現在はヒトiPS細胞を中心としたプロジェクトとなって、つながっているところでございます。
 産学連携についても、ここで言及されておりまして、企業との共同研究も開始されているということと、幹細胞のバンクをつくって、それが企業にも使えるようになったということは特筆すべきだということが書いてあります。
 最後に5ページ目の「今後の展望」というところで、「今後の展望」の2段目のところに第2期においては、ヒト幹細胞を用いたものにすべきであるということが書かれております。最後の段落で、「ヒトiPS細胞研究拠点の活用を拡充し」というふうに書いてございますように、第2期にもここで書かれているような評価が生かされているところでございます。
 次に、2番目のプロジェクトでございます。6ページでございますが、「細胞・生体機能シミュレーションプロジェクト」というものでございまして、これは生きた細胞のデータを計算機上で実現して、さまざまなシミュレーションをしようというものでございます。7ページ目を見ていただきますと、2ポツの評価結果の下に全体評価とありますが、そこでの総評として、4つの点で評価できるということが書かれております。まずライフサイエンスの新しい方法論の確立。これは従来のさまざまな実際の細胞、あるいは動物を使った実験というのがありましたが、さらにここでは計算機上でシミュレーションをしていくという方法論が確立されたということが強調されております。
 また(2)創薬・医療技術開発の応用可能性の示唆ということで、かなりさまざまな、血が固まってしまう血栓ですが、血栓の形成シミュレーションなど、非常に実用化に近いものが出てきたというものでございます。
 (3)でございますが、ここは人材育成でございます。特にライフサイエンスと情報科学両方でキャッチボールができる拠点整備の人材育成という面で、かなり進んだということがございます。
 次に(4)拠点マネジメントの教訓ということでございますが、ここもリーダーは慶應大学の塾長の安西先生でございましたが、非常にトップダウン的なプロジェクトとしてすぐれたマネジメントができたというご評価をいただいているところでございます。
 それから9ページの今後の展望でありますが、こういったシミュレーションが非常に発展してきたということでございまして、以下の教訓ということで、4つほど挙げられたものでございます。
 次に、最後に3番目、「個人の遺伝情報に応じた医療の実現プロジェクト」、10ページでございます。これはさまざまな疾病の患者さんの血液をいただいて、SNPと言われる個人の遺伝子のさまざまな多型と言われるものを解析しようというものでございます。
 評価結果で、11ページを見ていただきますと、その実施状況ということで、大変多い66病院において、患者23万5,000人に対して、インフォームド・コンセントをしたわけでございますが、そのうち20万1,000人から同意を得て、DNA、血清試料及び臨床情報を収集してきたというところでございます。
 2)にありますように、SNPの解析の実施、それから疾患関連遺伝子の研究の実施を進めてきたというものでございます。
 また本件はヒトの細胞、ヒトのDNAを扱うものでございますので、倫理的、法的、社会的問題に対する検討もしてきたということでございまして、12ページに全体評価がございますけれども、オーダーメイド医療の実現に向けた基盤を構築したものと認められるというところであります。
 今後の展望が13ページ、最後のページでございますが、本プロジェクト、これは第2期が平成20年度に開始したところでございまして、ヒトゲノム関連研究は非常に研究の進展が著しい分野だということで、最新の科学的知見や必要性等を踏まえることが必要だということがありまして、その内容については適時評価して、改善していくことが必要であろうということでございます。
 47疾患が今指定されておりますが、さまざまな疾患から47疾患が選ばれているわけでございますが、今後どう進めていくかというのは、さらに議論が必要であるということでございます。
 最後の丸といたしまして、こういった資料や情報を共通化していくこと、それから解析情報や結果を統合的に集約することなどが必要であろうということが示されています。
 以上でございます。

【澤岡分科会長】

 ありがとうございます。
 それでは次に情報科学技術委員会、土居主査、お願いします。

【土居委員】

 情報科学技術委員会におきましては、次世代IT基盤構築のための研究開発の一領域でございます、「将来のスーパーコンピューティングのための要素技術の研究開発プロジェクト」の事後評価につきまして、資料2-2に基づきましてご報告させていただきたいと思います。
 まずは本プロジェクトの概要についてご説明させていただきます。資料の3ページ目にポンチ絵がございますので、ご覧になっていただければと思います。本プロジェクトはペタフロップス超級のスーパーコンピューティングを実現する上での高速化の限界の壁を打ち破るために、公募により採択されました4つの課題につきまして、平成17年度から3年間研究開発が行われたものでございます。
 ペタフロップスと申しますのは、1,000兆に相当するものでして、小数点以下の数を持つ計算を1秒間に1,000兆回やろうというのがペタフロップスと言ったりいたしますが、今、開発中の次世代スーパーコンピュータといいますのは、10ペタということで、1,000テラが1ペタになりますので、兆の1つ上がりまして、京といいますので、あだ名が京速コンピューティング、コンピュータと呼んでいるのが、そういうことでございますが、1秒間に1京の小数点以下の数を持つ計算をしようというのを今開発中だということで、お考えになっていただければよろしいかと思います。
 それで、1つ目は九州大学を中心といたしました、ペタスケール・システムインターコネクト技術の開発、2つ目が東京大学を中心といたしました、並列コンピュータ内相互結合網IP化に実行効率化方法の開発、3つ目が日立製作所を中心といたしました、低電力高速デバイス・回路技術・論理方式の研究開発、そして4つ目がNECを中心といたしました超高速コンピュータ用光インターコネクションの研究開発でございます。
 評価結果につきましては、その後に評価票がついておりますが、時間も限られておりますので、4ページ以降に書いておりますプロジェクト全体及び各課題の評価結果をかいつまんでご報告させていただきたいと思います。
 プロジェクト全体といたしましては、当初設定した目標を達成しており、ペタフロップス超級のスーパーコンピューティングの実現に向けて、有用な要素技術が開発されたと評価しております。各課題の成果につきましては、研究実施者から次のような結果の報告がございました。これは幾つもあるわけですが、その中の1つずつ、主立ったものをご紹介させていただきたいと思います。
 まずペタスケール・システムインターコネクト技術の開発につきましては、数十万規模の高速計算ノードを結合するための波長多重伝送方式を用いた光パケットスイッチング技術等が開発されております。
 それから並列コンピュータ内総合結合網IP化による実行効率化方法の開発におきましては、人手によります最適化に近いコンピュータ、今までいろいろと研究開発されておりますけれども、最適化を図るといいますか、言葉は最適というような言葉が英語でも最適になるんですが、本来的には最適とは必ずしも言えない極大みたいなものになってくるんですが、それに近い速度を実現するグレープDRというあだ名のコンピュータを東京大学で開発しておりますが、その適用型のコンパイラ、高水準言語を機械の上で走ります機械語に落とす。その翻訳するためのものが開発されております。
 低電力高速デバイス、回路技術、論理方式の研究開発におきましては、低消費電力化を実現する新型のトランジスタ構造が開発されました。それから超高速コンピュータ用光インターコネクションの研究開発におきましては、長期信頼性を有します25ギガBPS(ビットパーセカンド)のビットパーセコンドですが、高速の光素子の開発が行われております。これらをもとに、さきに申し上げましたような全体評価とさせていただきましたわけでございます。
 また成果の利活用につきましては、ペタスケール・システムインターコネクト技術の開発において開発されました、ペタスケール・システムの性能予測技術だとか、あるいは超高速コンピュータ用光インターコネクションの研究開発において開発されました、光インターコネクト技術などが、具体的には、現在開発中の次世代スーパーコンピュータプロジェクトへ活用される予定となっております。
 といったようなことから適切なプロジェクト間の連携が図られております。その他の要素技術につきましても、信頼性の向上など、実用化に向けた開発が引き続き行われることにより、将来のスーパーコンピュータに活用されることが期待できます。
 研究体制や人材育成につきましても、産学連携体制のもと、多くの人材育成が適切に行われたと評価しております。ただ、特許出願だとか論文発表などの情報発信につきましては、具体的にものづくりをやってもらっているというようなこともございますので、十分な取り組みが行われている研究開発課題がある一方、必ずしも十分とは言えない研究開発課題もあるために、それらにつきましては、研究期間終了後も継続的な取り組みが行われることを期待するものでございます。
 以上でございます。

【澤岡分科会長】

 ありがとうございます。
 続きまして、地球環境科学技術委員会、小池主査、お願いいたします。

【小池委員】

 それでは資料2-3に基づいて、2件の事後評価についてご報告いたします。
 初めの事後評価はお手元の資料の5ページ目から8ページ目に出てございます、「一般産業廃棄物・バイオマスの複合処理・再資源化プロジェクト」でございます。これは平成15年から19年の5年間で行われております。この研究開発の概要は、持続的経済社会の実現に向けて、都市あるいは地方から排出される一般産業廃棄物やバイオマス等を無害化処理するだけでなく、原料化・燃料化するための複合処理、あるいは再資源化に関する技術開発を行うとともに、その実用化と普及を目指して、影響・安全性評価や経済・社会システムの一環として成立させるための社会システム設計に関する研究開発を産学連携で行うということになっております。
 実際に7ページの個別評価のところに、これの4つの課題が出てございます。1つが廃棄物・バイオマス情報プラットフォームの構築、2つ目が廃棄物・バイオマスの物流システムの開発、3つ目が廃棄物から高効率にエネルギー及び資源を回収するプロセス技術開発、最後が固体・ガス試料の安全性評価システムの開発といった、いわゆる廃棄物を資源原料化・燃料化するためのさまざまな取り組みを行うという形で始められました。
 この評価ですけれども、全体の評価は、研究開発面では、原料化・燃料化のエネルギー変換効率を従来の2倍に上げることができたなど、当初の目的をそれぞれのところでは達成していると考えられますけれども、これ全体のシステムとしてみると、少し物足りないのではないかという評価でございました。
 それで、もう一つ指摘事項ですけれども、これを社会実装、実際には幾つかの地方で、例えば廃棄物の物流等の試みを行ったんですけれども、その地方の自治体との連携がうまくいかずに、実際にそこになかなか根づくことができなかったということで、使い勝手や費用対効果などの問題点がいろいろあったのではないかと。実用化のためには、今後さらに努力が必要であろうというような指摘事項がございました。
 次が9ページ目から出てございます地球観測システム構築推進プランのうち、平成17年度から、先ほどのテーマは5年計画の3年目でしたけれども、3年間計画で行ったテーマがございまして、その事後評価についてご報告いたします。9ページ目に出ておりますけれども、テーマの1-2、2-2がそれに当たります。テーマの1-2は「海洋等の炭素循環のメカニズムに関する観測研究又は技術開発」、これは海洋や大気の二酸化炭素等の循環メカニズムの解明のための機器開発や観測研究を実施するというものです。
 それから、テーマ2-2は「アジアモンスーン域での水循環・気候変動に関する観測研究又は技術開発」で、これはアジアモンスーン地域における水循環・気候変動のメカニズムの解析や、効果的な水資源管理のための観測研究又は技術開発を実施するということになっております。
 これも事後評価票の13ページを見ていただくとわかるのですけれども、中身は幾つかに分かれておりまして、例えばテーマの1-2は全部で4つのテーマに分かれてございます。例えば西太平洋の海洋大気間の二酸化炭素・酸素の収支観測ですとか、二酸化炭素鉛直分布観測ライダーの技術開発、それから生物駆動による海洋炭素循環の連続観測手法の開発、海洋中二酸化炭素の次世代分析装置の開発等、どちらかというと技術開発の側面が強い。それを使って観測も試みるというものでございました。
 評価の結果ですけれども、そのテーマの1-2、2-2のどちらのテーマにおいても、観測機器の開発や観測システムの構築、技術の開発はおおむね完了し、その面では目的は達成されたと。これらの成果、観測機器の開発が行われたので、それを用いて先ほどご説明申し上げました、GEOSS等のプログラム、あるいはアジア太平洋域での観測技術向上への貢献が期待されるというのが評価になっております。
 ただ、指摘事項として、開発した測器による観測データの集積あるいはその測器の普及、一般利用化、あるいは製品化を今後どうしていくかということに関しては、まだ問題が残るであろうというような指摘がございました。
 以上です。

【澤岡分科会長】

 ありがとうございます。
 それではナノテクノロジー・材料委員会につきまして、高橋室長よりお願いいたします。

【高橋ナノテクノロジー・材料開発推進室長】

 それでは、ご説明申し上げます。資料につきましては、資料2-4をお願いいたします。
 こちらでは今回、リーディング・プロジェクトとして進められてきた研究開発プロジェクトについての事後評価が取りまとめられておりますので、ご報告いたします。
 まず1ページめくっていただきまして、2ページでございますが、こちらはナノテクノロジーを活用した新しい原理のデバイスの開発ということで、松下電器の山下先生を中心としたプロジェクトでございます。全体評価としましては、半導体プロセスに世界に先駆けてバイオプロセスを取り入れたことは十分評価できるということでございますけれども、新しいデバイスの提案については、ある程度の原理確立を行った点は評価できるけれども、デバイスとしては完成度が不十分であったという評価になってございます。
 こちらの概要につきましては、4ページにまとめてございますけれども、このバイオプロセスを使ってデバイスをつくっていくという、非常に挑戦的なテーマでございまして、原理確立という一定の成果を上げたということでございます。
 次は5ページをご覧いただきたいと思います。こちらはナノテクノロジーを活用した人工臓器の開発ということでございます。こちらは物質・材料研究機構の立石先生を中心としたプロジェクトでございます。全体評価としましては、ナノテクノロジーを活用した主要な人工臓器の開発の基盤となる材料の開発。この材料の開発について、十分な成果を上げたという評価を得ております。
 こちらは次の概要については、7ページをご覧いただきたいと思いますけれども、このナノテクノロジーの技術を使いまして、人工骨、または人体等の生体適合性の材料を開発すること。また細胞、それから血管化誘導材料の開発を行うことなどがテーマとなっておりまして、このようなさまざまな材料の開発を行ったわけでございますけれども、材料の開発という点で成果を上げたということでございます。
 それでは、続きまして8ページをご覧いただきたいと思います。こちらは次世代燃料電池プロジェクトということでございまして、これは山梨大学の渡辺先生のプロジェクトでございます。これは燃料電池についての開発プロジェクトでございますけれども、全体評価としましては、ここに書いてございますとおり、このプロジェクトをステップにしまして、現在、渡辺先生を中心にしたNEDOのプロジェクトがスタートしてございます。このように文部科学省のプロジェクトからNEDOのプロジェクトに発展していったということで、技術基盤の形成という意味では、十分に評価できるものであるということであると思います。
 続きましては11ページをご覧いただきたいと思います。こちらは超高感度NMRの開発ということでございます。これは物質・材料研究機構におきまして進められたプロジェクトでございますけれども、全体評価としましては、有意義な研究であると。科学的な十分な成果がありましたと。ただ、科学的成果はあったわけでございますけれども、実際の製品化というところには至っていないと。研究としては十分な効果はあったけれども、製品化までは至っていないものであると。そういった意味では、今後これは日立との協力のもとで進められている研究でございますけれども、成果をもとにして製品化というところに頑張って行くようにということでございます。
 続きまして、14ページをご覧いただきたいと思います。こちらは極端紫外(EUV)光源開発等の先進半導体製造技術の実用化ということで、大阪大学を中心にして行われた研究テーマでございます。こちらも先ほどの山梨大学の渡辺先生の燃料プロジェクトと同様にこのプロジェクトをステップにしまして、現在、経産省のプロジェクトに成果が引き継がれて、さらに研究開発が進められております。そういった意味では、技術基盤の形成という意味で成果を上げていると評価できるものでございます。
 以上でございます。

【澤岡分科会長】

 ありがとうございます。
 最後に防災分野の研究開発に関する研究委員会の土岐主査よりお願いします。

【土岐委員】

 それでは資料の2-5に基づきましてご報告申し上げます。まず1ページ目の第1行目にゴシックで書いてございますが、このプロジェクトはいわゆる即時地震情報伝達システムにかかわるものでございまして、中身は大きく2つに分かれております。1つは第2行目にありますように、地震波形処理云々と申しますが、こういうデータの発信・受信にかかわるものでございまして、いま一つが10ページ目の第2行目に、ローマ数字の2としてリアルタイム云々とありますように、今度はそういうものの利活用にかかわるものでございます。
 こういったプロジェクトの事業評価結果についてご報告申し上げます。このプロジェクトは地震によって地面が大きく揺れ出す前に、人や社会が地震の発生情報を知ることができる、防災・減災効果を高めるための緊急地震速報に関する技術開発、及びその利活用に関する調査研究を実施したものでございます。そして、このプロジェクトの成果は既に昨年の10月から一般に情報提供が行われておりまして、いわゆる緊急地震速報として知られているところでございます。
 先ほど2つと申しましたが、その第1番目の事柄でありますが、すなわち「地震波形処理等の提供、及び受信側基礎データ等に関する研究」、これにつきましては評価結果が8ページに、それからそれにかかわるポンチ絵が9ページに示されております。
 最初に申しました発信・受信にかかわるところにつきましては、このプロジェクトは緊急地震速報として既に実用化されているということをただいま申し上げましたが、これはまた近い将来に発生のおそれのある巨大地震に際しましても、防災・減災上大きな効果が期待されるものでございます。なお、今後も引き続き、さらにこの精度の検証をするというようなことで改良を進め、さらにシステム全体の信頼度を高めていくことが重要であろうという評価をいたしました。
 今度は利活用に関するところでございますが、これは資料の19ページに評価結果を、それから20ページ、最後のページでございますが、そこにポンチ絵が用意されております。このところにつきましては、先ほどの発信あるいは受信といったようなところの、いわゆる緊急地震速報の利活用の分野を広めるということに既に大いに成功していると評価をいたしました。今後は、これをさらにこういった地震にかかわる情報を国民に直接的に伝達するということで、一人一人が自分の防災あるいは減災というものに直結できるような利活用システムを開発することが大切であろうという評価をしたところでございます。
 以上、2つのサブテーマでございましたが、いずれの研究におきましても、実用化や、あるいは商品化のレベルに達しているわけでありまして、所期の目的はおおむね達成されていると判断をいたしました。
 なお、今後の展望といたしましては、緊急地震速報に対する信頼度をさらに向上させるとともに、国民の一人一人のニーズをとらえた研究開発を進めていくことで、この利活用がさらに推進されることが期待されるというところでございます。
 以上で報告を終わらせていただきます。

【澤岡分科会長】

 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの5件のご報告について、ご質問、ご意見がございましたら、お願いいたします。

【田中委員】

 内容的には5件とも結構かと思うんですけれども、ちょっとだけ形式的なことですが、事後評価票に今後の展望が書いているのと書いていないのとがあるんですが、その辺、何か意味があるんでしょうか。

【土岐委員】

 最後に防災の問題についてご報告いたしましたが、私どもはあるレベルまで達しているという判断をいたしましたが、それでもまだ100パーセントではないというところが、いかなる分野でもあろうと思いますので、そういうところはどういうところが問題になるかなということをつけ加えたと思っております。

【田中委員】

 今、見させていただいたら、全く形式的なことですけれども、事後評価票の中に、ほかの分野のところで「今後の展望」という項目があるのもあるし、ないのもあるんですが、これは何か意味があるのかなと思って、事務局にお聞きしたかったんですが。

【澤岡分科会長】

 これについては何か統一的なものがございますか。フォーマットとしては、今後の展望を書かなくてはいけないというものではないですね。

【柿田計画官】

 今年の2月5日にこの分科会におきまして、評価の進め方というものを定めさせていただいております。参考資料3が後ろについておりますが、この中で、この分科会の下にございます各分野別の委員会におきまして、毎年研究評価の計画を策定するということになっておりまして、この計画の策定の中において、評価票の様式を各分野別委員会ごとに定めるというルールとさせていただいております。
 結果、「今後の展望」が入っているものと入っていないものと、委員会ごとにばらつきがあるという現状にございます。

【澤岡分科会長】

 それは委員会ごとに決めればいいという。

【柿田計画官】

 そのようなルールで、今年の2月5日にこの分科会で定めさせていただいております。

【澤岡分科会長】

 今後のご参考に、あるにこしたことはないですが、どういたしましょうか。土居委員、いかがでしょうか。

【土居分科会長代理】

 分野に応じて多少バリエーションがあってもいいとは思うのですが、基本的なところはそろっているほうがいいかもしれませんね。

【澤岡分科会長】

 それでは、これは来年どうするか決めるときの宿題にしておくということで、統一見解を出しましょうということで、事前にご検討いただきたいと思います。
 ほかにいかがでしょうか。どうぞ、小池委員。

【小池委員】

 ナノテクノロジー・材料分野の報告の時に、文部科学省でのプロジェクトの後、NEDOのほうに引き継がれたものが2件ほどあって、うまく実用化のほうに向かっているというご説明がございましたけれども、これは研究者のほうが競争的資金の格好で、それぞれ次のステップに進んでいるのか、それとも文部科学省と経産省のほうが連携して、そういうふうに進めているのか、どちらのステップなのか教えていただければと思います。

【高橋ナノテクノロジー・材料開発推進室長】

 こちらでご紹介した2件についてはいずれも研究グループのほうで応募して、採択に至っているということでございまして、私どものほうでアレンジをしたというようなものではございません。

【小池委員】

 それで、こういう文部科学省の行うプロジェクトはどちらかというとかなり基礎的なところが多くて、なかなか実用化まで持っていけないものが多いんですけれども、せっかくいい技術が開発されても、それがなかなか実用化されない、そこで消えてしまうともったいないので、ぜひ文部科学省のほうと、例えば経産省でもどこでもいいんですけれども、実用化のほうを担当しているほうと連携して、それをうまく進めるような施策をやっていただけると、随分こういうものが生きてくると思うんですけれども、ぜひそういう方向でご検討をお願いしたいです。

【高橋ナノテクノロジー・材料開発推進室長】

 ありがとうございます。そのようなご指摘を実はさまざまな先生方からもいただいておりまして、現在、我々のほうで進めております元素戦略でございますとか、また今度やろうとしております環境のお話ですとかは、当初から経産省等とも制度設計の段階から相談して進めていくというようなことでやっております。これからもそういうことでやってまいりたいと思っております。

【澤岡分科会長】

 ありがとうございました。笹月委員、どうぞ。

【笹月委員】

 ナノテクのプロジェクトのところに、太陽電池というのが出てきているんですが、要するに太陽の光をエネルギー変換をしようということで、私、全く素人ですので、ちょっと違っているかもしれませんけれども、こういう研究はもうプラトーに達していて、これ以上は何もできないのか、あるいはこれだけある太陽エネルギーを利用したソーラーカーが作られていますけれども、もっともっと基盤研究を推進すれば、そういう技術開発などができて、本当にこれだけある太陽エネルギーをもっと有効に使えるのか、そのあたりのところをちょっと教えていただきたいんですけど。もし、まだ研究開発段階、研究の余地があるとすれば、私は日本は世界のリーダーになって、資金を十分つぎ込んでこういう分野を推進すべきじゃないかと思っております。

【澤岡分科会長】

 今の点につきまして、北澤委員、お願いします。

【北澤委員】

 文科省のナノテクノロジー・材料委員会に委員の1人として出ている立場からちょっとお答えしたいと思うんですけれども、もう既にかなり実用レベルで使われているシリコンの結晶を用いた太陽電池といったようなものは、今年あたりは原子力発電所1基分というようなスケールで使われるようになってきているんですね。ですから、その意味ではその発電効率というのは、かなり技術的には飽和してきているという面があります。ですから、その意味ではそういうものはどうやったら、材料をもっとはるかに10分の1で済むようにできるかとか、むしろ効率よりはそういうことで、コストあるいは原料の使うエネルギーを下げる技術というほうに重点がシフトして、それからもう一つは全然違った原理で発電するような、今、色素増感型太陽電池と言われていますけれども、そういうシリコンとはまた別の原理のものが、今、日本の大学研究者の主たる興味で、そういうところが太陽電池としては、今効率が数パーセントぐらいで、シリコンの結晶が20パーセントに近い効率を出しているんですけれども、それが上がっていけばという期待に基づいての研究が文科省の研究では一番大きいと。
 それからさらに、もうちょっと例えばシリコンやなんかも全然違った構造をシリコンの中に持ち込むと、非常に効率が高くなるのではないかとか、そういうその次のブレークスルーを生み出すような研究があればということで、アプローチをかけている人たちがいるんですが、これはまだ表面にはあまり見えてきていないという状況かと思います。

【笹月委員】

 例えば応用のゴールとしては、とにかくソーラーカーがすべて、車はそれで行きますというようなことをゴールと設定して、そこへ向けての基盤研究といいますか、そういうことは可能なのかどうか、もし可能だとすれば、そういうところに日本はぜひ金を注ぐのがいいんじゃないかと思うんですが。

【北澤委員】

 わかりました。ちょっと簡単にしますけれども、これはほとんど政策マターにもなってきていて、特にドイツと日本、あるいは中国、アメリカといったようなところは、今まで日本は技術でリードして、太陽電池が世界一だったんですが、政策的な後押しという観点ではちょっと弱くて、それでドイツや今中国にも追い抜かれて、アメリカにも抜かれるというような状況になりつつあるんですが、今度の環境大臣は日本が世界トップを取り戻すと宣言されましたので、また経産省の応援のようなものが非常に強くなって、太陽電池そのものを使うという観点からまず導入してということは、政策的にかなり決まりそうな状況です。それで技術そのものは、今日本がトップを走っていると、みんな研究をやっている人たちは思っているという状況だと思います。

【澤岡分科会長】

 ほかにいかがでございましょうか。どうぞ。

【中西(友)委員】

 やはりナノテクノロジーのところなのですが、ナノテクノロジーという言葉が使われてから、かなり久しいと思います。ただ、その概念といいますか、理解が人によってまだ異なるのではないかと思います。その評価についてではないのですが、課題としては、重点のところを見ますと、元素戦略があり、燃料電池もあり、X線自由電子レーザーもある。今年からは半導体から人工臓器、燃料電池、NMR、EUVと、かなり幅が広くなっております。そこで、例えば今笹月委員がおっしゃった、太陽光発電や燃料電池などの重要課題は、単独課題として出しても十分成り立つと思われます。一つ一つは十分に重要な課題だと思われるので、ナノテクノロジーの中で重点分野であることはわかるのですが、素朴な質問ですが、これらを一くくりにしなければならない理由は何かあるのでしょうか。

【高橋ナノテクノロジー・材料開発推進室長】

 ナノテクノロジー・材料分野につきましては、さまざまな可能性というものがあるということで、今、確かにご指摘のようないろいろな、非常にバイオ寄りなところから、かなり柔らかいところから硬いところまで、いろいろな施策があったかと思います。その中で、例えば人工臓器の材料みたいな施策もあり、半導体みたいな施策もありということで進んできたかと思うんですが、やはり今、振り返ってみると、それは一体どういう方向を向いていたのかというと、例えばものすごくエネルギーを使わないプロセスだとか、原料をものすごく節約できるだとか、要は環境とかエネルギーとか、そういった面で従来の技術よりもかなり大きなアドバンテージがあるんじゃないかというようなことが浮かび上がってきております。
 そういった観点から、例えば元素戦略にしろ、また環境技術にしろ、ナノテクノロジーの今後の行き方としては、そういったことが大きなテーマとして、課題の解決としてはそういったことを追求していくのが、ナノテクノロジーにとっては一番適合的なのかなというようなことを今、何となく考えているところでございます。
 もちろん、その中で先ほどの山下先生がやられたようなバイオプロセスというようなものも、エネルギーを使わないプロセスということで、非常に大きな可能性がありますので、またこういうバイオをナノテクの中に取り入れてくるということも出てくるかと思うんですけれども、そういった面が他の分野と比べて、今までの技術と比べると非常に有利であると。
 また太陽電池みたいなものにつきましても、従来のものよりもナノテクノロジーを使うことによって、大きなブレークスルーが考えられるのではないかというようなことで、だんだんそちらに集約というか、シフトしつつあるのかなという感じを持っております。

【澤岡分科会長】

 七、八年前のナノテクの定義とは随分時代とともに変わってきて、アメリカも随分変わってきているようですが、特にバイオとの融合あたりを見ますと。
 ただいまの室長の回答が公式見解でございますので、余計なことを言いますとまた混乱いたしますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、事後報告をいただきました、それぞれ委員会が相当ご苦労されて評価されたものでございます。特にご異議がなければ、本分科会として、委員会の案を承認させていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。

(承認)

【澤岡分科会長】

 ありがとうございます。それでは定刻より10分遅れていますが、4時20分から再開したいと思います。8分休憩をとらせていただきます。

(休憩)

【澤岡分科会長】

 そろそろ再開したいと思いますので、どうぞご着席のほど、お願いいたします。
 それでは3番目の議題は、報告でございます。長期的展望に立つ脳科学研究の基本的構想及び推進方策につきまして、脳科学委員会の報告をお願いいたします。ライフサイエンス課長からでございます。

【菱山ライフサイエンス課長】

 資料3、「長期的展望に立つ脳科学研究の基本的構想及び推進方策について(審議経過報告)」に基づいてご説明申し上げます。
 この報告でございますが、昨年の10月18日に科学技術・学術審議会の総会におきまして、渡海大臣から野依会長にむけて、諮問がなされたわけでございます。この冊子の60ページを見ていただけますでしょうか。そこに審議経過が書いてございまして、その後、昨年の11月29日に第1回の脳科学委員会を開催いたしまして、今年の8月19日までの間に4回、委員会が開催されております。また、その下に調査検討作業部会を設けまして、作業部会は本年の2月12日から今年の7月15日まで、これも4回の作業部会を開催しております。
 それから脳科学委員会の委員の構成でございますけれども、この資料の50ページを見ていただきますと、脳科学委員会の委員の名簿がございます。日本学術会議の会長の金澤一郎先生に主査をお願いしているところでございまして、脳科学をご専門にしている方から、教育学や心理学、またプレスの方、倫理学をご専攻されている方、さまざまな分野の方に委員を務めていただいております。
 また53ページには調査検討作業部会の委員の名簿がございます。ここは第一線で研究グループを率いて研究をされている方が主な構成となっているわけでございます。また、今後の予定でございますけれども、これは58ページでございます。今後、本日ご報告いたしまして、今後、科学技術・学術審議会総会でもご報告をさせていただきたいと考えております。また、来年の1月ぐらいにパブリック・コメントをいたしまして、来年6月ぐらいに第1次答申ということで取りまとめていきたいということが今後の予定でございます。
 また今までの審議について、何が行われたかにつきましては、この報告書本文で詳しく書いておりますが、62ページにサマリーが書いてございます。62ページをごらんいただけますでしょうか。この本文は、全部で5章にわたってございます。ローマ数字の1は1章でございまして、「国内外における脳科学研究の現状と問題点について」ということでございます。
 最初に1ポツでございますが、ここでは科学的意義と、少子高齢化社会の我が国において、医療や福祉の向上にも貢献するだろうということで、社会的意義が触れられております。2ポツで、これまでの脳科学研究の主な成果ということで、それぞれどのような成果が上がったかということがかなり詳しく書かれております。これは本文に書かれているものでございます。3ポツでございますが、「国内外における脳科学研究政策の現状」ということで、政策の紹介がされております。そして、4ポツで「今後の脳科学研究推進の在り方」ということでございまして、学際的・融合的な研究領域である脳科学がきちんと確立できるような研究体制・研究組織を構築していくべきだということが書かれております。
 次、第2章でございますが、ここでは大学や大学共同利用機関、独立行政法人等における脳科学研究の推進体制と、効果的な連携のあり方ということでございます。
 1ポツで現状が述べてありまして、2ポツでそのあり方ということで、基本理念が書いてございます。最初の窓にありますように、ここでは総論で、それぞれの特徴を生かしつつ、相互に連携していくことが必要だということで、それぞれの大学、大学共同利用機関、研究開発独立行政法人の役割をちゃんとそれぞれが果たすべきだということが書かれております。また大学につきまして、分野融合型研究教育の拠点となる組織を構築して、共同利用機関や独立行政法人と連携していくべきだということが書かれております。
 また、2番目の丸でございますが、大学共同利用機関は大学あるいは大学共同利用機関を結ぶような有機的なネットワーク構築の中心になるべきだということが書かれております。また、研究開発独立行政法人につきましては、それぞれ個々の研究では実現不可能なクリティカル・マスを超えた集約型・戦略的研究の役割を担うということと、国際的な研究拠点としての役割を担うように強化すべきだということが書かれているわけでございます。
 また、グローバル化への対応ということで、非常にこれは脳科学研究に限らずではあると思いますが、国際的な発展を考えて、組織をつくっていくべきだということが書かれているわけであります。
 また64ページでございますが、人材についてはまた後述されますけれども、人材の流動化を促進していくべきであるということが書かれております。
 それから、5ポツで「社会還元を目指した取組」ということで、社会に向けて研究の組織の中に閉じこもるのではなくて、社会の還元を目指した取り組みをすべきであるということを提言しているわけでございます。
 第3章で、脳科学研究人材の育成のあり方ということでありまして、学際性・融合性を特徴としている脳科学の人材育成について、どうすべきかということが書かれているわけでございます。2ポツで脳科学の大学院教育ということで、段階的に脳科学の大学院をつくっていったらどうだろうかということが書かれております。また3ポツで若手の人材育成とキャリアパスの多様化ということで、特に博士課程、あるいはポスドクで、多様なキャリアパスを示して、またそれが可能になるような体制を考えるべきだということが書かれております。
 第4章では研究開発ロードマップということでございまして、1ポツでロードマップの基本的考え方ということで、基礎研究、基盤技術開発、それから社会への応用と、3つの軸プラス人材育成などのあり方を同時に考えていくことが必要だということが書かれております。
 2ポツでは具体的に、重点的に推進するべき研究領域、研究課題というのがありまして、これは本文に詳しく書かれておりますが、基礎研究や基盤技術開発と、それから社会へ貢献するような研究開発をバランスよく進めていくことが必要であるということが書かれております。特に社会からの期待に応えるために、重点的に推進すべき研究領域、研究課題を設定していくべきであろうということで、3番目の丸にありますが、脳と社会教育、それから脳と心身の健康、脳と情報産業といった3つの分野を設定するとともに、基盤技術開発ということで、4番目の分野を設定しております。これらの中身につきましては、本文で書かれているわけでございます。また、こういった方向で、今年度の予算要求も進めているというところであります。
 最後の章では今後の審議予定ということで、ここで今ご紹介した議論は、諮問にすべてを答えたわけではなくて、例えば人文社会科学との融合や、あるいは社会との調和、そういった重要な点が、今後、この秋に検討をしていくということでございますし、またそういった検討を踏まえて、今までのご議論にフィードバックしていこうというものでございます。
 簡単でございますが、以上でございます。

【澤岡分科会長】

 それでは、ただいまの点につきまして、質問やご意見がございませんでしょうか。

【片山委員】

 簡単な質問なんですけれども、この中のどこかに臨床系の方との協力が非常に大切だということが確か書いてありましたが、この委員の中で臨床系の方というのはどなたなんですか。

【菱山ライフサイエンス課長】

 50ページで、まず金澤先生が神経内科の教授でございます。臨床を実際にやられているのは、ここでは金澤先生だけですね。MDはほかにもかなりいらっしゃいますけれども、実際に患者さんを診ているのは金澤先生。それから作業部会、53ページのほうでは高橋先生が臨床もやっていらっしゃると思います。そのくらいです。

【片山委員】

 わかりました。あまり連携は大きいとは思えないですね。

【菱山ライフサイエンス課長】

 それはどういう観点で。

【片山委員】

 臨床系研究者との連携が非常に大切ということを書かれている以上は、私はもっと委員に臨床系の方が入っておられてもおかしくはないのかなという気がしたから、ちょっとご質問したんです。

【澤岡分科会長】

 そのようなご意見があったということを金澤主査にもお伝えください。

【菱山ライフサイエンス課長】

 お伝えいたします。ただ、ご説明申し上げますが、ここの今の50ページを見ていただきますと、さまざまな分野からいらっしゃっていまして、あと臨床をやっていらっしゃるという意味では、赤林先生が心療内科の東大の教授と、医療倫理学の教授両方を務めていらっしゃいます。それぞれご専門を申し上げると、一専門にお一人ぐらいしかいらっしゃらなくて、例えば青野さんはここにありますようにプレスでございますし、安彦先生は教育とか、甘利先生は神経なんですが、理学部面からの方とか、一人一人を挙げていくと、それぞれの分野でございまして、そういった観点で、実際に患者さんを診ているのが金澤先生になってしまうというところでありまして、そういうように非常に幅広く委員をお願いしたというのが現状でございます。

【澤岡分科会長】

 ほかにいかがですか。どうぞ。

【北澤委員】

 これは特にこれという意見ではないんですけれども、こういう形で、例えば脳科学の研究というのが、その分野の人たちにまとめられて、主張されていったときに、それとほかの分野というのは重みをどこでどうつけていくかというのは、結構大事なことになってきているかなという感じがするわけです。
 どういう意味でそういうことを申し上げているかといいますと、例えばiPS細胞のようなものが出てきたときに、今、日本でやっていけるかというようなことが問題になっているわけですけれども、そういうときに、私はライフサイエンスの関係は専門じゃないからよくわからないんですけれども、日本ではまず絶対無理だろうというようなことが言われているわけですね。
 それでその時に、まあ、文科省も脳科学にすごいお金を使っているし、iPSに乗り出すのはちょっと無理でしょうとか、そういう具合に、ほかの分野がいろいろある時に、その中で脳科学をどの程度やるのが日本として得策なのかという、そこの判断というのはどうしても専門分野の人だけで決めるわけにはいかない。それで、その時にそれを見比べながら、いろいろディスカスするような場は、ぜひどこかでちゃんとやっていただきたいというのが私の印象なんです。

【澤岡分科会長】

 笹月委員、どうぞ。

【笹月委員】

 今の北澤委員のご意見と関連するんですけれども、いわゆる特定領域、脳特定、それからがん特定、ゲノム特定と、この3つがなぜほかと比べて特定として長期にわたって高額のお金でサポートされたかというので、これをなくしましょうということが出てきたわけですね。実際にはもうなくして、あとどうするかを今議論しているところですが、そうすると、なくなるから、脳がこういう形で出てきたのなら、ゲノム特定領域の人も何かこういう形で提言したいとか、あるいはがん特の人もそういうことだというようなことで、まさに今北澤委員がおっしゃったように、脳はこういう形を認めます、じゃ、がんもそういう形でプロポーズすれば認められるのかみたいな、何かちょっとセンシティブなところもあるし、難しいところもあると思うんですが、その点はいかがでしょうか。

【菱山ライフサイエンス課長】

 今、たまたま例が挙がったのはライフサイエンス分野なので、一応私のほうからご説明を申し上げたいと思いますが、もっと広くとると、もっと他の分野との比較というのがあるかもしれません。ただ、ライフサイエンス関係で申し上げれば、今お二人の委員からご指摘があったように、どこにプライオリティーをつけるのかというのは、ご議論があるところだと思います。それはライフサイエンス委員会なり、脳科学委員会、あるいはこういった研究計画・評価分科会や、学術分科会、そういったところでもご議論いただく必要があるだろうと考えております。
 また脳科学委員会を設置する際にもまさに今ご指摘のあったようなことを考えなければいけないだろうということもありまして、先ほど委員の構成で申し上げましたが、実は脳科学のことをやっている人だけでご議論をしていただいてしまうと、脳は重要だというだけの結論になってしまって、それが他の分野の方に受け入れてくれないような議論になってしまうと、それは困るじゃないかということがございました。
 そこで、委員の構成としてはかなり幅広く、脳科学以外の方も半分ぐらい入っていただいて、議論をしていただいているところでありまして、この議論の内容は、ほかの分野の方々から見たら、この脳科学の分野の先生たちのエゴとかそういうふうにとらえたりしないように、議論も進めていっていただきたいと考えています。

【石田委員】

 今の菱山課長のご説明はそういうことだと思うのですが、はっきり我々が認識していなければいけないのは、脳については、この科学技術・学術審議会は文部科学大臣による諮問に応じたのであって、文部科学大臣は脳について長期的展望に立つ脳科学研究の基本的構想と推進方策は何ですかということを審議会に諮問したから、審議会はこういうグループをつくって検討しているということなのであって、これは明らかに文科大臣がこの分野について大事だという判断をしているんですね。したがって、文科大臣にそう思ってもらうためには、もしほかの分野があるとするならば、ここでもいろいろ議論して、でき得れば諮問してくださいという議論がここでできるかどうかということなのであって、明らかに諮問という行政行為があることを我々は認識しておかなければならないということを指摘したいと思います。

【澤岡分科会長】

 この脳科学委員会は、この分科会だけではなくて、学術分科会と共同で後押しするという性質のもので、ほかの例とかなり変わったものでございます。今後どうあるべきかという基本の問題に触れる非常に重要なこととは思いますが、議論はこの程度にしたいと思います。機会あるごとにいろいろ優先順位をどうするか、そしてどういうふうに、逆に言うと、俗な言葉でいくと仕掛けていくかということになるかと思います。
 それでは次の地球観測の実施方針の報告をさせていただきたいと思います。この地球観測推進部会の部会長は私が担当しております。資料が2つございます。資料4-1と4-2とありますが、4-1の1枚もので説明させていただきたいと思います。
 毎年報告書が出ておりますが、今年度は少し従来と毛色の違った書きぶりになっております。資料4-1、まず背景が書かれておりますが、平成16年、4年前に発足したものでありますということで、総合科学技術会議で、日本全体の地球観測の推進について取りまとめる場所をつくるという議論の中で、文科省の本分科会の中に部会をつくって、そこが推進の役割を果たしなさいということが決定されまして、それを受けて4年前に地球観測推進部会が設置されました。当初は地球観測につきましては地震、火山を含めて、津波も含まれております。それから地球内部の観測まで含まれておりまして、非常に幅の広い、分厚い実施方針を毎年つくり、各府省からの意見もヒアリングして、まとめていたわけです。
 今年度は、非常にスリムになりまして、4-2のような薄いものになりました。特に国の方針を受けて、政治的な決定が多くなされておりましたので、それに従って重点化したということで、今後、このような形で行くかどうかわかりませんが、過去3年間とは違ったスタイルの実施方針の報告になっております。これについて、背景、そして平成21年の実施方針ポイントとして、第1章、第2章でこのようなことが書かれております。その背景といたしまして、実施方針のポイント2の上の部分に書いてございますが、北海道洞爺湖サミットにおいて、気候変動問題が主要議題とされたことから、「気候変動とその影響を監視・予測するための観測体制の在り方」を第1章として新たに設けて、気候変動問題に対する観測の役割をこの中で明確化しております。
 そして、科学技術外交を強化するという国の方針、これは平成20年の総合科学技術会議で決定しておりますが、これまでのアジア・オセアニア地域に加えて、アフリカ等の開発途上国への貢献も強化するという提言がございました。それを受けた内容になっております。
 今年5月に第4回アフリカ開発会議が開催され、それから総合科学技術会議で取りまとめられたことをベースに書かれて、このような実施方針を決めたわけでございます。
 具体的には、第1章の「気候変動とその影響を監視・予測するための観測体制の在り方」として、継続的な観測体制の整備・発展、気候変動の適応に役立つ情報の提供に向けたデータの収集・統合・解析、観測データの標準化と流通の促進、ODA等を活用した開発途上国の能力開発、それからエアロゾルやCO2(二酸化炭素)濃度等の気候変動への対応のために、特に求められる観測の実施などを提言しております。
 第2章では地球観測の推進戦略において言及されております利用ニーズ主導、この実施方針は本年だけではなく、数年前より利用ニーズ主導で統合された地球観測システムの構築をするということが非常に重要であるということを主張してきております。国際的な場における我が国のリーダーシップの発揮、それから科学技術外交の強化による地球観測体制の確立のそれぞれについて、現在の進捗と、今後の課題をまとめたものになっております。
 3つ目の2章の一番下の丸でありますが、「科学技術外交の強化による地球観測体制の確立」については、地球観測の推進戦略においては、アジア・オセアニア地域における地球観測体制の確立とされているところでありますが、先ほど申し上げましたように、最近の動きを受けて、アフリカ諸国まで含んだものとしております。
 今後の予定といたしましては、本実施方針に基づき、各省において、来年度概算要求を行っていただき、来年度の各省の地球観測施策を「平成21年度の地球観測実施計画」として、本年度末に作成する予定となっております。
 以上、簡単でございますが、報告させていただきます。ご質問がありましたら、今日は地球・環境科学技術推進室長からもお答えいただけるかと思います。よろしくお願いします。
 ご質問、ご意見などございませんでしょうか。

【板生委員】

 板生でございます。ご質問を1つだけさせていただきます。
 地球全体の気候というか、そういう壮大なスケールで考える研究と、それからもう一つは割合身近な問題として、私は安全・安心というようなことをやっておりますが、どうしても身近なところで最近は特に微気象といいますか、どこかでどーんと雨が降ったり何かする、いろいろな洪水が起こる。非常にそういう点で、もうミクロに見ていかないといけないところが相当あるんですけど、この部会ではそこは扱わずに地球全体の動向を扱うというところに重点を置いておられるということで理解してよろしいんでしょうか。

【澤岡分科会長】

 通常は地球全体のことを見るということですが、それだけではいけないので、都市の中におけるヒートアイランドの問題とか、高層ビルが建ってきた時の問題とか、それから今ご指摘の集中豪雨の問題も重要であるということで、一部取り上げているんですが、あまりにも手が広がり過ぎまして、政治的には今年はサミットがありましたので、どうもここに話が行ってしまったというのが実態でございます。

【板生委員】

 わかりました。そういう意味ではこの地域の安全・安心というあたりのところで扱っていることもありますので、その辺はぜひご指導いただいてやっていければと思います。

【小池委員】

 例えば今の地域の安全・安心の件ですと、いわゆる極端現象で起こるいろいろな自然災害がありますね。例えば集中豪雨みたいなのもそうですけれども、それに関してはやはりこの中で大学、気象庁、それからあと環境省、それぞれのところの研究者がかなりしっかりした研究を今進めておりますので、国内的には日本の中の安心・安全というのは温暖化したときにどうなるかということが非常に大きな問題ですので、それに関しては、非常に皆さん関心を持って研究を進められていますので、多分いろいろな形でそちらの方とジョイントしたようなことができてくると思っております。

【板生委員】

 ありがとうございました。よろしくお願いします。

【原委員】

 大変大きなスケールでの地球観測ということで、あまりにも範囲が膨大過ぎてというお話で、身近なところでは突発的な水害のような形のところも気になるのですが、逆に大変大きなところで、海についての観測というのはどういうことになるのかなと思っておりまして、一応水分野というのは入ってはいますけれども、どうしても地球観測というと、今は大気の中のCO2(二酸化炭素)の話ですとか、気候変動が大きなテーマではありますけれども、海自体も相当例えば水温ですとか、海流ですとか、地球の7割は海水面なわけですから、このあたりの観測というのも視野には入っているということになりますか。

【谷地球・環境科学技術推進室長】

 ご指摘のとおり、海洋についても非常に重要なデータでございますので、これはしっかり観測をしていく必要がございます。海洋につきましては、いろいろなデータをとっておりまして、具体的には船舶によるモニタリングでありますとか、あとアルゴ計画といって、水深2,000メートルまで自動的に潜って、データをとってくるブイで、水温であるとか、塩分の濃度であるとか、溶存酸素であるとか、そういったデータをとって送ってくる。これは全世界で3,000基ぐらいありますけれども、こういったものでデータをしっかりとっていく必要があるということで、具体的にこの実施方針を踏まえて、各省がつくる実施計画、この中にはそういったものがきちんと盛り込まれると考えております。
 冒頭、部会長からご紹介いただいたとおりでございますけれども、非常に幅広い観測という切り口で切ってみても、とにかく幅広いところがございますので、その全体像がきちんと明らかになって、どこの役所、どこの研究機関がこういうことをやっていますということを単に束ねただけではなくて、きちんと分野ごとに整理をして、俯瞰をして、その上でどこが足りないのか。どこを重点的にやっていく必要があるのかといったものが見えるような形のものにつくり変えたいということで、今回、こういう整理をさせていただいたということでございます。

【澤岡分科会長】

 次に関連の審議議題がございますので、また関連のご質問がありましたら、そこでお願いしたいと思います。よろしいですか。

【土居分科会長代理】

 ここで取り上げられておりますいろいろな計画等々がありますが、例えばWCRPなんていうのが出てきたので、気がついたのですが、15ページ最後のところにグロッサリーみたいなのがついていて、15ページを見ますと、いろいろなものが並んでおりますが、ここの中で、そのスポンサーにICSUというのがあるものがあるんですが、WCRPをはじめとして、こういうものの受け皿が、ICSUの加盟団体が日本学術会議でして、これに対応する受け皿が学術会議の中に分科会が、あるいは委員会が設置されているんですが、そういう受け皿との関連というのはどういうことになっているんでしょう。

【小池委員】

 私、WCRPとIGBPの学術会議の分科会もやっておりまして、今一番問題になっているのは、例えばこういう国際的なプロジェクトの場合、やはり分担金を払っております。分担金を今払うのがなかなか大変になってきて、それをどういうふうにするかということがこういう国際プロジェクトをやっていくときの国内としては大きな問題の1つなんですね。ですから、そこを学術会議のほうと、それから関連する各府省できちんと議論していただいて、やはり日本の貢献というのはそういう国際的な組織をきちんと支えるということも非常に大きな貢献ですので、ぜひよろしくお願いしたいというのが、私のほうのお願いです。

【土居分科会長代理】

 いわゆる分担金という話になりますと、これ、大変難しい話でして、国際協力事業に関します分担金というのは日本学術会議が払えないというのが大原則でございまして、要するにICSUを通してというようなことだとしますと、例外的にWCRPは支払っておりますが、IGBPなどは勧告を2度出したんだと思うんですが、文部省時代から、文部省及び文部科学省が1,000万円ぐらい払っていらっしゃるんだと思うんです。
 ですから、そういうようなことで、各関係省庁に分担金に関してはお願いをすると同時に、受け皿としての組織体は科学者の集まりとしての日本学術会議が担当するというような形をとっております。したがいまして、何かが起きたときには、今、小池委員がおっしゃられましたように、日本学術会議としても、各関係省庁といろいろな点におきまして、今申し上げましたIGBPのようなことで勧告を2度出してまでお願いするというようなことを含めて、ご相談させていただきながら進めているというのが現状かと思いますが、なかなか難しい面がございますので、ぜひ協力させていただければと思います。

【澤岡分科会長】

 いろいろ飛び火しておりますが、事務局でおっしゃりたいことがございますか。

【谷地球・環境科学技術推進室長】

 分担金といいますか、拠出金の関係でございますけれども、1点だけ、平成21年度の要求にもきちんと所要の経費を計上させていただいておりますので、これはしっかり確保していきたいと思っております。

【澤岡分科会長】

 それでは、今度は関連の審議事項でございます。地球環境科学技術に関する研究開発の推進方策の見直しにつきまして、地球環境科学技術委員会の主査よりご提案をお願いします。

【小池委員】

 それでは資料5-1、5-2に基づいてご説明したいと思います。主に資料の5-1の1枚紙でご説明いたします。
 これは「地球環境科学技術に関する研究開発の推進方策」ということですけれども、第3期の科学技術基本計画の分野別の推進戦略というのを受けまして、平成18年7月に、この見直す前の地球環境科学技術に関する研究開発の推進方策というのが策定されております。策定から2年たちまして、この後ご説明申し上げます、環境分野において大きな社会情勢の変化があったということを踏まえて、地球環境科学技術委員会において推進方策の見直しの審議を行いました。
 あと第3期の科学技術基本計画が平成22年までですので、この見直し、ちょうど中間的な見直しですけれども、この見直しの案をもって、第3期はこれで地球環境科学技術の研究開発を推進していきたいと考えております。
 お手元の1枚紙の「地球環境科学技術を取り巻く最近の主な社会情勢」です。今、この地球観測のほうでも全く類似した話が出てまいりましたけれども、IPCC、気候変動に関する政府間パネルが昨年、第4次の評価報告書を出しまして、これがノーベル平和賞をとったということで、社会的にも非常に大きな話題になりましたけれども、それによりますと、気候システムの温暖化というのは非常に確実的なものであって、その原因のほとんどが人為起源の温室効果ガスの増加によってもたらされた可能性が非常に高いという評価が科学的な根拠を伴って提示されたわけです。
 それで、今年の7月にありました北海道の洞爺湖サミットでも、やはり環境・気候変動の問題というのが主要テーマとして議論され、先ほど分科会長のほうからご説明がありましたGEOSSのもとでの観測、予測、データ共有の強化や、地球観測における途上国のキャパシティ・ビルディングの支援などが首脳の宣言にも盛り込まれました。このような国際的な背景、それから国内においては総合科学技術会議が世界の温室効果ガスの排出を2050年までに半減するということを目指すための環境エネルギー技術革新計画を出しました。それから、これも先ほどお話に出ましたけれども、科学技術と外交との連携、相互発展を目指すための科学技術外交の強化に向けてというのを取りまとめております。
 そのほか2050年までに国内の温室効果ガスを現状から60から80パーセントを削減することを目指します福田ビジョンを具体化するための低炭素社会行動計画が今年の7月に閣議決定されています。したがいまして、このようなここ2年ぐらいにおける非常に大きな動きを受けて、この推進戦略の見直しを行ったわけです。
 2の赤字で書かれたところが大きく変えたところでございます。それで、第1章に関しましては、地球環境問題を取り巻く国内外の動向や文部科学省の施策の概要についてまとめてありますが、この章には平成18年以降の国内外の動向について、加筆・修正を行っております。
 第2章は地球環境科学技術を推進していく上での基本的な考え方をまとめたものですが、特にこの章では文部科学省はその中においてどういう役割を果たすべきかということに関して、これまで重点的に推進してきました地球観測、気候変動予測研究、及びそれらの成果の共有、あるいは普及に加えて、今後は温暖化に対する対策技術の開発、あるいは先ほど出ました科学技術外交の視点に立脚した取り組みをより強化していくべきであろうということを加筆しております。
 それから、第3章はそこの1枚紙の「推進すべき研究開発領域」ということに関して、それぞれの領域でどういうことをやっていくべきかということが書かれておりますけれども、1の気候変動研究領域、2の水・物質循環と流域圏研究領域、3の生態系管理研究領域、4の化学物質リスク・安全管理研究領域、5の3R技術研究領域、6のバイオマス利活用研究領域、これは総合科学技術会議がまとめた分野別の推進戦略の項目と対応されておりますけれども、それに今回加えまして、7番目として自然科学と人文社会科学の融合領域ということに関して追加しております。これは地球環境問題の解決のためには、単に各現象を解決する技術を確立するだけでは足りなくて、社会の構造を包含するような、より大きな社会、経済的な観点からの取り組みを行わなければならないという考えから、こういうものを追加しております。
 主な変更点は以上ですけれども、これをもちまして、あと平成22年までのこの分野での研究開発を進めていきたいと考えております。
 以上です。

【澤岡分科会長】

 ただいまの点についてご意見、ご質問がございましたら、お願いします。どうぞ、北澤委員。

【北澤委員】

 これは質問なんですが、再生可能エネルギーのうち、バイオマスだけが取り上げられたのはどういう事情があるのでしょうか。

【小池委員】

 この場合、エネルギー分野とそれから環境分野で、バイオマスというのはどちらかというと例えば森林の資源の有効利用とか、そういう環境とかなりつながっているんですけれども、どちらかというとそういうものだけは一応環境のほうに取り込もうと。それ以外はエネルギーのほうで扱っていただこうという、初めはそういう棲み分けを考えておりました。

【澤岡分科会長】

 ほかにございませんか。どうぞ、土岐委員。

【土岐委員】

 今の資料5-1についてちょっとお尋ねしたいんですが、左下の隅の箱の一番下に赤字でもって、環境対策技術の開発云々とありまして、科学技術外交の視点に立脚したというのがありますが、この科学技術外交というのは、先ほどの地球観測実施方針というご説明がございましたが、ここのところでは、これまでのアジアあるいはオセアニアに加えてアフリカというところに目を向けるんだというお話がございました。
 多分、これは連動していると思うんですが、そうしますと、アフリカというところはアジアとかオセアニアと決定的に違うところは特に地球規模で起こる問題では、災害の問題になりますと砂漠化だとか、あるいは干ばつだとか、そういうふうにこれまでのものとは随分違うと思うんですね。そういうところが、これの今の資料5-1、あるいは地球観測というようなところにどういうふうに反映されているのか、あるいはされようとしているのか、お聞かせいただければと思います。
 以上です。

【谷地球・環境科学技術推進室長】

 アフリカということにつきましては、推進方策のご議論をしていただいた委員会の場でもご議論がございました。つまり、アジアということならともかく、アフリカにまで手を伸ばして、本当にできるのかというようなご議論でございまして、ただ具体的にはそのときに私、申し上げたんですけれども、基本的にはプライオリティーから言うと、まず日本への影響が大きいアジア、それからオセアニアといったところできちっと観測をする。あるいはそこでの影響評価というのを見積もっていくということがまずプライオリティーとしてあるということだというのが前提にございます。
 その上で、科学技術外交の視点に立脚した取り組みの強化ということで、アフリカについても考えていくべしというのが政府の大きな方針でございますので、アフリカについても何かしらできることをやっていこうということでございます。具体的に、何ができるのかということでございますけれども、今日、JSTの北澤理事長がおいででございますけれども、JICA(ジャイカ)-JSTの国際協力の事業を新たに今年度から始めておられます。そういった中でアジア・オセアニアに加えてアフリカも視野に入れた取り組みということがなされるということを期待させていただいているところでございまして、ほかには環境室のほうで持っている予算ではございませんけれども、そういったファンドを活用しながら、アフリカに対する目配りもしていくということかと思っております。

【澤岡分科会長】

 ほかにいかがでしょうか。板生委員、どうぞ。

【板生委員】

 1つだけご質問させていただきますが、基本的な考え方の中で、3番の「文部科学省の役割」と書いてあって、そこで「研究開発・人材育成を推進」と書いてありますが、人材育成というのはいろいろな意味があると思いますが、ここで言う研究開発の人材育成をするというのは、この詳しい資料によると、環境保全とか修復とか管理に至るまで実行に移すことのできる人材の確保と書いてありますので、多分、間違いなくそういう環境を保全すると言いますか、環境をよくする人材を育成するということだろうと思いますが、この辺のところが実際に具体的な施策といいますか、実際にどうやっていくのかということに関して、ご意見をもしいただければありがたいと思います。

【谷地球・環境科学技術推進室長】

 まず1点は大学におけるこういった環境技術開発の研究を通じてそういった人材が育成されるというのが1点ございます。それはどちらかというと、もともとの技術開発なり研究開発というのが主目的で、それに対する副次的な産物という側面がございますので、副次的なところを狙っていくというよりは、もう少し直接的に環境人材というような観点で、そういった人材を育成するという取り組みは平成21年度からでございますけれども、高等局のほうで今お考えいただいておりますけれども、特にIT人材でありますとか、そういった分野別の人材育成をやっていく中で、環境についても新たにプロジェクトを立ち上げようというような動きがございまして、そういったところの取り組みを期待しているというところでございます。

【板生委員】

 わかりました。よろしくお願いします。

【小池委員】

 環境分野の人材育成に関しましては、今、文部科学省のほうで大学に対して21世紀COE、それからグローバルCOEというのをやっておりますけれども、そのグローバルCOEのほうでも学際新領域に環境というのが入っておりまして、今までに環境分野で7課題が採択されて動いております。大学院教育を環境というところでやっているということは、今実際に動いている施策だと思います。

【板生委員】

 ありがとうございました。

【澤岡分科会長】

 どうぞ。

【北澤委員】

 地球環境につきましては、私は去年も発言させていただいたことを覚えているんですけれども、文部科学省で地球環境ということを考える課をつくってくださいと申し上げたんですが、その意味ではそういうふうに今回は1冊にまとまったものをつくっていただけているということで、大変うれしく思っているんですけれども、しかし、2050年までに50パーセント削減するという、これが国の基本方針になったときに、文部科学省はそれにどうやって取り組んでいくのかということから考えますと、今まではグローバルウォーミングというのが大きな問題であると、それを観測するということは非常に大きな問題であったかと思いますけれども、今度はどうやって半減するのかというのが、半分の大きなテーマになっていかなければならない。それで大学においても、このことは今、急速に地球の温暖化をどうやって阻止するのかという観点からの研究が始まっておりまして、私たちJSTでも研究領域をつくって、それで地球の低炭素化社会実現のためのというようなプロジェクトをつくっていますと、たくさんの応募があるわけですけれども、その中の多くは実は新エネルギーに関するものが多いという状況です。
 つまり、エネルギー問題を何とかしなかったら、それはとても半減なんかできないという気持ちが結構多くの人にあるということと、それから今現在から半減だと、省エネルギーの効果が一番大きいわけですけれども、省エネルギーのプロセス、それから新エネルギーで画期的なことを何かやりたいという国民の夢を私たちが実現していくんだという感じの大学の取り組みというのが非常に多いかと思うんですが、実は残念ながら、環境のテーマのときに、そういう2つの省エネルギーだとか、それから新エネルギーのテーマって、数はものすごく多く出てきそうなんですけれども、現在、そういうことに対する文部科学省のお金があまりないという状況になっています。
 その点で、やはりこの間のG8を境にそういうことに対する大学の取り組みというのは、大学は先にどんどんそういうふうに今変わりつつありますので、文科省の取り組みとしてももっと大胆に変わっていってほしい、先ほど新エネルギーはここに基本的には入れないんだというふうに言われたので、そうすると、私の確認は、文科省の環境政策では新エネルギーは入っていないと理解したいと思うんです。
 そうすると新エネルギーはどこかで考えなければならないということになるんですが、今のままですと、ここに新エネルギーは抜いていますとは書いてありませんので、ここで考慮済みであるということになってしまうということを私はちょっと恐れております。その点は大丈夫なんでしょうか。

【谷地球・環境科学技術推進室長】

 地球環境問題の地球環境科学技術全体で申し上げれば、新エネルギーはアプリオリに除いているということではございません。

【北澤委員】

 ですから、聞いているんです。先ほど私は何でバイオマスだけなんですかと、こちらの報告書はバイオマスのことしか書かれていないんですね。つまり新エネルギーという項目が立てられずに、いきなりバイオマスが重点分野として出てくるわけですけれども、そうすると新エネルギーはここでは考えていないんだと捉えたいと思うんですが。

【谷地球・環境科学技術推進室長】

 失礼いたしました。そうですね。新エネルギーとか、具体的に2050年までに半減するためにどのように手を打っていくかということについて、しっかり予算も含めて、大胆に取り組めというご指摘で、それについてはそのご指摘も含めて、我々もしっかりやらせていただきたいと思います。
 事実関係から、ちょっと修正させていただきたいと思いますけれども、この中に入ってないとおっしゃられましたけれども、18ページになりますが、これは3.1の気候変動研究領域の中に、18ページの最初のところ、中長期的対策、2030年以降に必要な革新的環境対策技術の開発ということで、一応省エネ・新エネに関する研究開発など積極的に推進すると書かせていただいております。
 今回、もともとこの推進方策、これは各分野別にございますので、ライフサイエンスでありますとか、ナノテクでありますとか、委員ご存じのとおり情報であるとか、各分野にあるわけでございます。5年間ということを見据えてつくったということでございますが、特に地球環境科学技術に関しては、ここ最近、非常に大きな動きがあったということで、それを踏まえて見直しましょうということで、特にポイントは小池委員からご紹介いただきましたけど、環境対策技術あるいは科学技術外交といった観点を新たにつけ加えております。これもご紹介がございましたけれども、まず従来やっていた観測・予測、それからデータの共有・普及といったところに軸足が非常にあって、それに比べて具体的な技術開発といったところがやはり弱いのではないかという問題意識がございまして、今回、それをきっちりと表に出したということでございます。
 そういう意味では、我々役所としてもその問題意識は十分共通的に持たせていただいているということでございます。では具体的に何ができるのかということにつきましては、なかなか一足飛びに大きな取り組みをやっていくということはちょっと難しいところがございますけれども、先ほど北澤理事長からご指摘もございましたJSTの戦略的創造研究推進事業とかともコラボレーションをさせていただいて、具体的には技術開発というところにもしっかり目配りをさせていただきたいということでございます。
 2050年50パーセント減ということにつきましては、これは世界中でということですし、我が国で言えば各省、それぞれの役割分担に応じて総力を上げてやるということでございますので、非常に野心的な目標ではございますけれども、これに向けてしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

【澤岡分科会長】

 よく見たら、よく書いてあったということでお許しを願いたいと思います。

【北澤委員】

 これはやはり私としては文科省は考え始めたんですかという時、もう2050年までにこうするんだというようなことに対して、国民は文科省は取り組み始めたと思うと思うんです。それが地球観測のほうは何十億、何百億というお金を考えておられると思います。今回のご発表で。それに対して、地球環境の対策のほうはJSTさん、よろしくと言われても、JSTの予算というのは年間に地球環境は7億円ぐらいなんです。
 それで、これはちゃんと書き込んでありますと、よろしくお願いしますと言われても、それは国民に対して文科省が取り組み始めたなどと言えるかどうかという問題だと思いますので、私は引き続きこの件は、やはり地球環境に文科省はどうするのかというのは、ぜひ考えていっていただきたいと思います。つまり、サイズの問題で、どこかに1行書き込まれているという問題ではないということなんですが。

【澤岡分科会長】

 これは地球環境科学技術委員会の1つのミッションでありますので、委員長の小池主査にもお願いしまして、こんなことではだめだと、もっとしっかりやれというエールをいただいたということで、常にそういう方向に向かって軌道修正をしていくという努力をするしかないと思います。

【小池委員】

 ありがとうございます。

【石田委員】

 一言、二言よろしいでしょうか。まず委員方のご議論のとおりだと思うんですけれども、基本的に新エネルギーということになりますと、当然ながら従来、かつて古くは工業技術院、あるいはNEDO等々が開発していて、基本的に文科省は確かにサイズの大きな開発についてはそれほど手を出さなくてもやっていけるということがあったんだと思うんです。確かにアメリカの場合なんかですと、旧原子力委員会がエルダになり、エネルギー省になるというプロセスを経て、比較的エネルギー分野はかなり大きなものを満遍なくやってきたということがあるわけですけど、日本の場合ですと、比較的それぞれの所掌分野にこだわらざるを得なかったという面があって、結構基本的に新再生エネルギーの大きなものというのは経産省の仕事じゃないかということがあったと思うんです。
 そういうことで、なかなか基本的に特にその場合、直接NEDOと大学が協力すればいいのか、あるいは文科省、JSTが何ができるのかということがいろいろあると思うんですが、その辺のバランスのとり方が必ずしもこれまで日本でスムーズにやってきて、うまくできていたかどうかというと、非常に難しいし、まして今の北澤委員の言われたようなことで、これからやっていこうとしますと、全体一生懸命頑張りますよと。実際に言うと文科省で予算を財務省に持っていっても、いや、これはもうNEDOの話ですよと言われる可能性も大いにあるわけです。その辺の制度のあり方って非常に難しいところなのであって、それはぜひ確かに地球環境という切り口もありますので、その辺はこれからいろいろ苦心していただくということをお願いせざるを得ないということだと思います。決して従来の経緯にあまり、それほどとらわれることはないのではないかというのが私の感じです。

【澤岡分科会長】

 今日の推進方策の見直しのポイントは、やはり今の点、それから科学技術外交のこの2つでありますので、何か1行2行、もうちょっと記述できないものでしょうか。

【小池委員】

 先ほどから議論が出ていますように、やはりこれは各省庁の各所掌範囲の話が多少あって、いろいろ書くのが難しかったところがあると思うんですけれども、私もやはりこの地球環境という観点から、エネルギー問題をきちんとここでもやはり書き込んだほうがいいと思いますので、先ほど1行、これ本当に1行ですね。1行ではなくて、10ワードぐらいですけれども、少しここのところをきちんと補強するという形でお認めいただければと思います。それでよろしければ、これでお認めいただいて、こちらで補強いたします。

【片山委員】

 一言だけよろしいでしょうか。
 今、皆さんのご意見にあったことにちょっと関連するんですけど、今日、評価をずっとやりましたけれども、そのとき費用ということを実は全く考えずに評価だけを全部やってきまして、ものによっては200億円、300億円かかったものと、それから十数億円のものと、もちろん課題によって必要な費用というのは違うんだと思うんですけれども、その辺はやはりある程度考えた評価が今後必要だと、私はつくづく思いましたので、今後よろしくお願いしたいと思います。

【澤岡分科会長】

 ちょっと話がほかの前のも一緒になっているんですが、評価については幾ら以上、その幾ら以上のものについては評価するという基準があって、その上限については、その基準をちょっと超えたものと、10倍、100倍のものがみんな一緒になっているというあたり、それでいいのかというご指摘があったということで、それについてはいろいろ今後工夫したほうがいいと思いますので、この意見についてはよく踏まえていきたいと思います。
 それから、先ほどの環境問題に関連して文部科学省として、いかに50パーセント削減を目指して、具体的に何をやるかということについては、1つはこの環境科学技術という委員会の専門家の集まりに、今まで考えていたのと違う方向に行っていますので、範囲が膨らんでいますので、なかなか議論がなじまないというか、追いつかない部分があって、来年の1月で委員が大幅に変わります。この分科会も来年1月で終わりで、任期が来ますので、その後の委員会構成は今のようなことを意識した委員構成になる必要があると思いますし、ただいまの報告書については、このままで「はい」と言うわけにいかないなという気がいたしますので、北澤委員、私は良心的に事務局とよく話し合って、また小池委員と話し合って、何らかの工夫はさせていただきたいと思いますが、お任せいただいて進めさせていただきたいと思いますが、よろしいですか。
 高橋室長、どうぞ。

【高橋ナノテクノロジー・材料開発推進室長】

 今、谷室長は非常に遠慮深くて、答えませんでしたけれども、この計画を改定するに当たりましては、私どもと合同の検討会を局をまたいで設置しまして、環境技術についてどうするのかということをあらかじめ議論させていただきまして、それに基づいて、今回この計画も修正するに至っているという経緯がございます。
 また、予算につきましては、私どものほうでナノテクを活用したということになっていますけれども、環境技術開発の予算を新たに要求すると。また来年度以降のJSTの戦略事業なんかにもそういったものを入れていこうということで、環境室と私どもで相談の上で進めておりますので、これを一歩として、これから引き続きやっていくというようなことは、確実にその一歩は踏み出されたということで、まだ規模の問題等はこれから先いろいろやっていかなければならないと思いますけれども、そういったことでご認識いただければと思います。

【澤岡分科会長】

 来年度のナノテク・材料の主なというか、重要課題として環境技術開発を取り上げているわけですので、何かその辺ちょっとつけ加えて、わかりやすく外から見えるように報告書をちょっと工夫させていただきたいと思います。
 それでは分科会長にお任せいただきまして、委員、主査ともご相談の上、若干修正させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 それでは、相当時間がオーバーいたしましたが、計画官のほうからご説明がございますので、報告を1件お願いいたします。

【柿田計画官】

 時間が超過しておりますので、簡潔にご報告いたします。資料6でございます。「文部科学省における研究開発に関する評価指針」の見直しでございます。
 文科省の評価指針は、内閣総理大臣決定の「国の研究開発評価に関する大綱的指針」を受けて定められておりまして、これに基づいて文科省における研究及び開発に関する評価が行われております。
 2番のところでございますが、総合科学技術会議で、大綱的指針の改定に向けた検討が今年の3月から始まっておりまして、早ければ9月、あるいは9月以降になるかもしれませんが、総合科学技術会議本会議において改定案が審議され、決定される予定になっております。これを受ける形で文科省における評価指針も必要な見直しを図るということになります。
 大綱的指針の見直しの方向でございますけれども、ここに掲げております3点が大きな項目になってございます。1つは次の段階の研究開発に切れ目なく連続してつなげるということで、効果的な評価の実施時期を設定するとか、あるいは追跡評価をやるとかいう内容になります。
 それから2つ目が、過重な評価作業負担を回避するための評価のやり方、3つ目が国際的な視点での評価をやるということで、国際的なベンチマークを取り入れた評価項目、あるいは評価基準の設定といったことが内容になる模様でございます。
 今後の予定でございますが、研究評価部会におきまして文科省の評価指針の改定に向けた検討を10月以降始めたいと思っております。そうしまして、できれば年内にこの研究計画・評価分科会におきまして、その案をご審議いただきまして、年明け1月には指針の改定というように作業を進めてまいりたいと考えております。
 以上、簡単でございますけれども、評価に関する動きについてのご報告でございます。

【澤岡分科会長】

 ありがとうございました。
 それでは、用意いたしました議事につきましてはこれで終わりといたしたいと思いますが、事務局よりお知らせがありましたら、お願いします。

【渡邉計画官補佐】

 次回分科会の開催につきましては、日程等、後日ご連絡させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 また、本日の議事録は後ほど事務局よりメールで委員の皆様にお送りさせていただきます。加筆・修正等あれば、ご指摘いただきまして、澤岡分科会長のご了承の上、文部科学省Webページに掲載させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 最後になりますが、本日の資料につきましては、お帰りの際に封筒にお名前をご記入の上、机上に置いておいていただければ、事務局より後ほど郵送させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

【澤岡分科会長】

 3時間半にわたりまして、長丁場、大変ありがとうございました。これをもちまして、閉会とさせていただきます。

(科学技術・学術政策局計画官付)