原子力科学技術委員会 原子力バックエンド作業部会(第1回) 議事録

1.日時

令和元年8月19日(月曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省 18階 研究開発局 会議室1

3.議題

  1. 第10期原子力バックエンド作業部会について
  2. 原子力機構における最近の動向について
  3. 埋設処分業務の実施状況及び計画の変更について
  4. 原子力バックエンド作業部会で今後議論すべき事項
  5. その他

4.出席者

委員

出光主査、岡本主査代理、渥美委員、井口委員、葛西委員、鬼沢委員、児玉委員、佐藤委員、澁谷委員、古川委員、柳原委員

文部科学省

清浦原子力課長、有林放射性廃棄物企画室長、小林原子力人材・研究基盤室長、廣瀬原子力課課長補佐

オブザーバー

伊藤日本原子力研究開発機構副理事長、藤田日本原子力研究開発機構バックエンド統括本部企画部次長、北嶋日本原子力研究開発機構バックエンド統括本部埋設事業センター長、坂本日本原子力研究開発機構バックエンド統括本部埋設事業センター副センター長

5.議事録

【廣瀬原子力課長補佐】  定刻になりましたので、第1回原子力バックエンド作業部会を開催いたします。本日はご多忙にもかかわらず、ご出席いただきましてまことにありがとうございます。本日は、第10期科学技術・学術審議会が設置されてから、最初の原子力バックエンド作業部会の開催となりますので、冒頭は、便宜上、事務局のほうで議事を進めさせていただきたいと思っております。原子力課の廣瀬と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 では、まず初めに、原子力課長、清浦よりご挨拶をさせていただきます。清浦課長、どうぞよろしくお願いします。
【清浦原子力課長】  皆さん、原子力課長の清浦です。よろしくお願いします。座って失礼させていただきます。
 今回、初回となります原子力バックエンド作業部会の開催に先立ちまして、一言ご挨拶させていただきたいと思います。
 原子力の研究開発を取り巻く状況については、昨今さまざまな状況の変化が起きていると考えております。福島第一原子力発電所の事故から8年以上経過する中で、昨年7月に策定されたエネルギー基本計画では、初めて原子力イノベーションの重要性が明記されております。新規制基準対応ですとか、高経年化等に適切に対応しつつ、限られたリソースの中で我が国全体の原子力分野の研究開発力をどう維持発展させるか、そのためにも原子力研究についてのどのような施設を残すか、その厳選を図った上で、廃止措置を着実に進めていくこと、この重要性が従来にも増して非常に喫緊の課題になってきていると認識しております。
 このように、原子力研究開発の施策を考える上でも転換点に差しかかっていると考えておりまして、関係する審議会の進め方についても、より骨太で総合的な議論ができるような見直し、大括り化というものをしていきたいと考えております。具体的には、これまで原子力科学委員会の下には七つの作業部会がございましたけれども、これを三つの作業部会に大括り化することです。これを本年6月の原子力科学技術委員会でお認めいただいておるところでございます。この一環といたしまして、従来の原子力施設廃止措置等作業部会と研究施設等廃棄物作業部会を統合いたしまして、この原子力バックエンド作業部会としてご審議いただきたいと考えておるところございます。
 ちなみに、三つと申し上げましたけれども、もう一つ新たに設けた作業部会といたしまして原子力研究開発・基盤・人材作業部会、これも発足することとしております。こちらのほうも、文字どおり研究開発のあり方、これを支える供用施設の基盤のあり方、それから人材のあり方を一体的に議論する作業部会でございます。
 これまでは、この作業部会の前身になります原子力施設廃止措置等作業部会におきましては、特に原子力機構の廃止措置のマネジメントに関する議論をいただきまして、昨年、中間まとめをいただいております。一方、研究施設等廃棄物作業部会におきましては、埋設事業の進め方についてご議論をいただいております。いずれも重要な審議事項でございますけれども、お互いに密接に連関する事項もありますところを、今後は一つの作業部会として、より総合的、一体的にご議論いただきたいと考えているところでございます。
 委員の先生方には、忌憚のないご意見をいただきますようお願いするとともに、よりよいバックエンドに係る施策を展開していきたいと考えておりますので、よろしくご審議いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【廣瀬原子力課長補佐】  ありがとうございました。
 続いて、本日の配付資料の確認をさせていただきます。本日ですが、議事次第にありますとおり、資料は1-1から資料の5までで9種類、参考資料は参考資料1から参考資料4までの5種類を配付させていただいております。資料に欠落等ございましたら、議事の途中でも問題ございませんので、遠慮なく事務局までお知らせいただければと思います。
 なお、本作業部会ですが、参考資料の1にあります科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会原子力科学技術委員会運営規則にのっとり運営しております。
 具体的には、参考資料1をごらんください。両面2ページの資料になってございます。表のページは趣旨と作業部会を設置できることについて記載しておりまして、裏のページの第3条から第6条が議事等々の運営に関することになっております。
 第3条においては、作業部会は「委員等の過半数が出席しなければ、会議を開くことができない」となっております。また、第9期からの変更点としまして、書面による審議について運営規則でしっかりと定められたということがございます。
 また、第5条におきまして、会議の公開、基本的に会議というのは公開であるということを規則としてつくるとともに、議事録を作成して公表するということになってございます。
 簡単ですが、以上となっております。
 では、続きまして、原子力バックエンド作業部会の委員の先生としてご就任いただきました皆様について、あいうえお順にご紹介させていただきます。
 まず初めに、電気事業連合会原子力部長、渥美法雄委員。
【渥美委員】  よろしくお願いします。
【廣瀬原子力課長補佐】  名古屋大学院工学研究科エネルギー理工学専攻教授、井口哲夫委員。
【井口委員】  よろしくお願いいたします。
【廣瀬原子力課長補佐】  九州大学大学院工学研究院教授、出光一哉委員。
【出光委員】  よろしくお願いいたします。
【廣瀬原子力課長補佐】  東京大学大学院工学系研究科原子力専攻教授、岡本孝司委員。
【岡本委員】  岡本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【廣瀬原子力課長補佐】  そして、本日ご欠席の上智大学地球環境学研究科教授、織朱實委員。
 そして、フリージャーナリスト、葛西賀子委員。
【葛西委員】  葛西でございます。よろしくお願いいたします。
【廣瀬原子力課長補佐】  持続可能な社会をつくる元気ネット事務局長、鬼沢良子委員。
【鬼沢委員】  鬼沢です。よろしくお願いします。
【廣瀬原子力課長補佐】  経営共創基盤パートナーマネージングディレクター、児玉尚剛委員。
【児玉委員】  児玉です。よろしくお願いします。
【廣瀬原子力課長補佐】  科学技術振興機構研究開発戦略センター上席フェロー、佐藤順一委員。
【佐藤委員】  佐藤でございます。よろしくお願いします。
【廣瀬原子力課長補佐】  原子力バックエンド推進センターフェロー、澁谷進委員。
【澁谷委員】  澁谷です。よろしくお願いいたします。
【廣瀬原子力課長補佐】  日本アイソトープ協会専任理事、古川修委員。
【古川委員】  古川です。よろしくお願いします。
【廣瀬原子力課長補佐】  福井大学附属国際原子力工学研究所特命教授、柳原敏委員。
【柳原委員】  柳原です。よろしくお願いします。
【廣瀬原子力課長補佐】  どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、委員12名中11名の委員に出席していただいておりますので、運営規則第3条に規定されております定足数である過半数を満たしております。
 また、運営規則第2条第3項に基づきまして、出光委員には当作業部会の親委員会に当たります原子力科学技術委員会の主査から指名を受け主査を務めていただくことになっておりますのでご報告いたします。また、第2条第7項に基づきまして、出光主査より岡本委員が主査代理に指名されております。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、出光主査より一言ご挨拶をいただきたいと思います。
【出光主査】  主査になりました出光でございます。本日はよろしくお願いいたします。
 本部会ですけれども、先ほど説明がございましたが、原子力施設廃止措置等の作業部会と研究施設等廃棄物作業委員会、そちらを統合してということになります。これが新しい部会の作業部会の最初の会合ということでございます。ということで、両者ほんとうに密接に関係しておりますので、両者を統合して、より効率のいい議論をしていこうということでございます。ということで、本日、第1回ということで、全体の意識共有という形も含めまして、今会合を開かせていただくということになります。岡本代理につきましては、補佐のほうよろしくお願いいたします。
 それでは、顔見知りの方も多いかとは思いますが、第1回、両方を統合ということでございますので、各委員の方から簡単に自己紹介をしていただければと思います。
 私は九州大学の出光と申します。もともとはバックエンド関係といいますか、廃棄物の処理・処分、それから核燃料のほうを研究しておりました。今後ともよろしくお願いいたします。
 では、岡本先生から。
【岡本委員】  東京大学の岡本でございます。東京大学の弥生炉の管理をしてございまして、今、弥生炉は廃止措置中でございますけれども、それを踏まえて、もう20年以上前から廃止措置に関する原子力学会標準などのアクティビティに絡んできております。
 前回の原子力施設の廃止措置等作業部会のほうでは、昨年、中間報告を取りまとめさせていただきまして、その中でも、マネジメントのあり方ですが、特に廃棄物が極めて重要であるという共通認識がありまして、今回このバックエンド部会という形で廃棄物のほうと一緒になってしっかり廃止措置を進めていくということは極めて有効なやり方だと思っておりますので、それも踏まえてしっかり前に進んでいきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
【渥美委員】  電気事業連合会から参りました渥美と申します。電力会社の視点から何かお役に立てればと思って参加しております。よろしくお願いいたします。
【井口委員】  名古屋大学の井口と申します。この会合自体は初参加ということで、よろしくお願いいたします。私自身の専門は、ほんとうは放射線理工学だと書いているんですけれども、学内ではそういう顔をしているんですが、学外ではほとんど今バックエンドとか廃止措置の部会のほうにほとんど出ておりますので、一応この会合については、素地はあるということでよろしくお願いしたいと思います。
【葛西委員】  葛西賀子と申します。私は、局アナ、ニュースキャスターが一番最初で、今日も青森から参りましたが、青森の地元の放送局がスタートでございます。地方ですので、人が足りないので、記者も兼務してニュースキャスターをしておりまして、そのときに青森でエネルギーですとか原子力バックエンド、そういったものの取材をして、そこからスタートして、かれこれ30年ぐらいになります。青森放送の後は大阪の朝日放送に参りまして、その後フリーになりまして、エネルギー関係の番組ですとか、司会ですとか、そういったものの取材とかをやらせていただいております。
 こちらには研究施設等廃棄物作業部会からのスライドということになります。どうぞよろしくお願いいたします。
【鬼沢委員】  持続可能な社会をつくる元気ネットというNPOで事務局長をしております鬼沢です。もともと、家庭から出るごみに取り組み始めまして、ずっとごみをテーマに活動を続けてまいりまして、今年で25年になるんですけれども、数年前まで、約9年間、高レベル放射性廃棄物の地層処分にかかわる住民の対話というところで、全国でワークショップを通算100回開かせていただきまして、いかに住民の方に正しく理解していただくというのがすごく難しいのかというのも実感しました。よろしくお願いいたします。
【児玉委員】  経営共創基盤の児玉と申します。私のバックグラウンドは公認会計士で、もともと事業再生を専門にしております。2011年から、原子力損害賠償支援機構の一時期は常勤として、今は参与としてかかわっておりまして、東京電力の再生に取り組んでおります。事業再生が専門ですので、官民組織の組織変革などにもかかわらせていただいておりまして、何らかお役に立てると思っております。よろしくお願いいたします。
【佐藤委員】  科学技術振興機構の佐藤でございます。私の専門は燃焼・火災・爆発、そういうものでございまして、原子炉でも発電所でも火災・爆発が起きると私が出ていくということになります。もともとはIHIの技術開発本部長をしていまして、原子力全般、エネルギー含めて見ておりました。その後、原子力の発電所の検査をする検査会社の社長もしておりました。それでまた深くかかわりました。その後、いろんな学会の会長もしておりまして、今年の6月まで日本工学会の会長をしておりました。
 この関係では、私は実は、もんじゅの廃止措置の技術部会の座長も務めておりまして、非常に関係ありますので、全体的にいろんな技術について議論していければと思っております。よろしくお願いいたします。
【澁谷委員】  原子力バックエンド推進センターの澁谷と申します。この会合は、統合されて原子力バックエンド作業部会となりまして、我が社が事務局をやらなくちゃいけないんじゃないかと思ったりもしたんですけれども、まあ、そういうわけでもございません。
 私は、動燃事業団に勤めまして、すぐ、新型転換炉ふげん発電所に勤務いたしまして、ふげん発電所は25年間運転した後、平成15年から運転を停止しまして、平成19年から、日本で2番目ですかね、東海のガス炉に次いで廃止措置に入った原子力発電所でございます。そういうちょっと実績を買われてこういう委員を務めさせていただいています。微力ですけど、お役に立てればと思います。よろしくお願いいたします。
【古川委員】  アイソトープ協会の古川でございます。私はこの分野では結構古くて、実は30年以上前に当時の原研さんに5年ほどお世話になりまして、そこで廃棄物の処理施設の設計だとか廃棄物の管理などを勉強させていただきました。その後、協会に戻りまして、非常にそのときの勉強が、今の原科研ですね、昔の原研東海、そこで先輩方にお尻をたたかれて勉強させていただきまして、その後、協会は二つの処理施設を持っておりまして、北の滝沢市の滝沢研究所、あと、市原市のほうにあります廃棄物の処理施設、二つの施設を無事建設はしたんですけれども、なかなかトラブルも多くて、今ちょっと苦労しています。
 そんなようなことで、今回は逆に機構さんのお尻でもたたこうかなと思っていますけれども、よろしくお願いいたします。
【柳原委員】  福井大学の柳原と申します。もともと私も日本原子力研究所にいまして、今JAEAですね。福井大学に移りましたのが8年か9年くらい前です。日本原子力研究所では原子炉の安全性の研究をしていたんですけども、1986年に、JPDR、日本で初めて発電をした動力炉なんですけれども、その廃止措置が始まるということでそちらに移りまして、それからずっと廃止措置ですとか放射性廃棄物の処理の、まあ、低レベルですけれども、その仕事をずっとしてきました。
 その間、JAEAは結構外国との交流がありまして、フランスですとか、アメリカとか、ヨーロッパ、それから近場ですと韓国といろいろ協力してきました。もちろんバックエンド関係の協力です。それを見てみますと、日本は技術的には非常にすぐれているんですけれども、物を進めるという、バックエンドを進めるという、そこが非常にまだ欠けているような気がしました。バックエンドって単なる後片づけではなくて、次へどう展開していくかという話ですから、この委員会で物を進めるわけにはいきませんが、ぜひ進めるための、ほんとうに実施を進めるためのいろんな議論をしていただけるといいんじゃないかなと思っています。私も経験もそんなにたくさんあるわけではないんですけれども、ぜひ協力したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【出光主査】  皆さん、どうもありがとうございました。
【廣瀬原子力課長補佐】  それでは、ここからは出光主査のほうに議事の進行をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【出光主査】  それでは、これから議事に入らせていただきます。
 運営規則の第5条に基づきまして、本会議は公開とさせていただきます。また、6条に基づきまして、本日の議事録につきましても、後ほどホームページのほうに掲載させていただきます。
 本日の議題については、お手元の1枚目のほうの議事次第に書かれておりますが、議題1から5、プラスその他ということで6となっております。会議は17時までを予定しておりますが、議論がスムーズに進みますようにご協力のほうよろしくお願いいたします。
 それでは、議題の1、第10期原子力バックエンド作業部会についてに入ります。
 まず、事務局のほうから資料の説明のほうをお願いいたします。
【有林放射性廃棄物企画室長】  放射性廃棄物企画室長の有林と申します。本日はよろしくお願いします。
 それでは、資料の1-1から1-4に基づきまして、バックエンド作業部会についてご説明をさせていただきたいと思います。
 冒頭、課長の挨拶にありましたけれども、本作業部を含め、もともと原子力科学技術委員会の下には全部で七つの作業部会がございました。資料の1-4をごらんいただきたいんですけれども、左にございますように、もともと原子力研究開発基盤作業部会から核不拡散・核セキュリティ作業部会まで七つございましたけれども、それを今回三つの作業部会に大括り化をしてございます。
 その中でも、特に下から三つ目、二つ目のところにつきましては、廃止措置と廃棄物の問題をそれぞれ取り扱っていたところを、総合的、また、俯瞰的にご議論をいただくということで、今回、原子力バックエンド作業部会ということで改組させていただいたところでございます。
 こちらの作業部会ですけれども、資料1-1のほうに戻っていただきまして、資料1-1の裏面をごらんください。もともと二つの作業部会がございましたけれども、それぞれの役割は、研究施設等廃棄物作業部会のほうにつきましては、今日のメインの議題でもございますけれども、こちらは原子力機構以外に、大学や全国の病院等からさまざまなRI廃棄物等、放射性廃棄物が出てきますけれども、そこにつきましては、平成20年度に機構法が改正されまして、機構が受託を受けて処分をすることができるという形になってございます。その関係で、平成20年度に始まりましてから、埋設処分にかかわります基本方針であったり、国の方針であったり、また、その国の方針を受けた機構における計画というところにつきまして、策定や認可等にかかわる作業をこちらの作業部会のほうでご検討いただいたところでございます。
 また、その後、5年に1回、機構のほうが全国の大学や病院等の原子力事業者に対しまして、廃棄物の量の全量調査、総量調査を行いますので、5年前の調査ですけれども、ここにございます平成26年に、第11回のときに、見直し等を行っていただいております。その後に、27年、29年と、新たな計画の変更ということで、立地基準の手順の記載であったり、また、事業費用の展開の見直しなどをこの作業部会の中において議論させていただきました。
 また、もう一つのほうの廃止措置のほうの作業部会のほうでございますけれども、こちらのほうは、一昨年に原子力機構のほうが施設中長期計画を定めることになりまして、この中で、当面10年において原子力機構の施設の約半分を廃止措置するというような方針が示されたところでございますけれども、その方針のもと、効果的、効率的に廃止措置を行うためにはどのような点に留意しなければいけないかというさまざまな課題について、第三者の外部の有識者の方にいろいろとご意見をいただくという形で立ち上げさせていただきまして、昨年4月に中間取りまとめの案という形で取りまとめさせていただいたところでございます。
 今後この統合された作業部会の取り扱いにつきましては、この二つの作業部会がもともとやっていた役割もそうですし、また、それ以外の役割等につきましても、本日最後の議題等において先生方からいろいろとご意見をいただければと思っておりますので、またその際には自由闊達なご意見をいただければと思っております。
 以上、資料1についてのご説明でございます。
【出光主査】  ありがとうございました。それでは、ただいまご説明いただきました第1号議案につきまして、何かコメントあるいは質問等ございますでしょうか。それぞれの部会がやってきたことと、今後それを合わせていくということの流れといいますか、そのいきさつについてまとめられていると思ってください。よろしいでしょうか。
 それでは、二つ目の議題のほうに移りたいと思います。二つ目は、原子力機構における最近の動向についてということで、原子力機構のほうから説明者が来てございますので、説明をお願いしたいと思います。
【伊藤副理事長】  説明に先立ちまして少しご挨拶させていただければと思います。副理事長でバックエンド統括本部長をしております原子力機構の伊藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。着座で失礼いたします。
 本日は、ご多忙の中、原子力機構を含めまして、研究施設のバックエンド対策をご協議いただく機会を設けていただきまして、改めて感謝申し上げる次第でございます。
 原子力機構では、再処理施設、それからもんじゅなど廃止措置に向かう施設が年々増加してきておりまして、安全性、経済性の両面からバックエンド対策の重要性が高まっていると認識しております。
 このような状況の中で、原子力機構におきます施設の集約・重点化、施設の安全確保、さらにはバックエンド対策、その三位一体で整合性のある形で総合的に進める観点から、平成29年の4月に施設中長期計画を取りまとめたところでございます。これは、今後、令和10年度までの計画を具体化したものでございます。これに加えまして、さらに、より長期の、約70年間にわたりますバックエンド対策に関する長期の方針といたしまして、昨年の12月にバックエンドロードマップというものを取りまとめたところでございます。本日はその概要についてご説明させていただきながら、委員の皆様方の貴重なご意見をいただきたいと考えてございます。
 また、研究施設等廃棄物の埋設事業、こちらにつきましては、昨年策定いたしましたバックエンドロードマップにおきます廃棄物量の見直しにあわせて、機構以外の廃棄物の発生者である大学、研究機関等に対しまして調査を行い、その結果に基づきまして、本日は事業対象とすべき廃棄物量の見直しと、それに伴います埋設事業費用の見直し、これを検討してございますので、後ほどご審議をいただければと考えてございます。
 それでは、引き続きまして、当機構の藤田より原子力機構のバックエンド対策に係る最近の動向について説明させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
【藤田バックエンド統括本部企画部次長】  原子力機構の藤田でございます。それでは、資料2に基づきましてご説明させていただきたいと思います。着座させていただきます。
 原子力機構における最近の動向についてということで、1枚めくっていただきまして、1ページ、バックエンド対策に関する最近の動向ということで、主要なものを列挙してございます。
 今、副理事長からありましたように、平成29年4月1日に、「施設の集約化・重点化」「施設の安全確保」「バックエンド対策」の三位一体の整合性ある総合的な計画ということで施設中長期計画を策定しております。
 本計画は、計画の進捗や予算等を考慮いたしまして、年に1度見直すということを実施しておりまして、第1回目の見直しを平成30年4月1日に実施しております。
 平成30年12月26日には、原子力機構の保有する施設全体についてのバックエンド対策に関する長期にわたる見通しと方針であるバックエンドロードマップを策定するとともに、原子炉等規制法に基づく各施設の廃止措置実施方針を公表してございます。
 そして、この4月、平成31年4月1日に施設中長期計画の改定を実施しております。そして、バックエンド統括機能を強化するため、バックエンド対策にかかわる全体計画、総合調整を行うバックエンド統括部を、廃棄体化処理、埋設のマネジメントを行う部署などと一体化したバックエンド統括本部に改組してございます。
 本日は、今申しました施設中長期計画、バックエンドロードマップ、バックエンド統括本部、この3点についてご説明したいと思います。
 まず、組織についてご説明したいと思います。資料の2ページ目をお願いいたします。
 左側の図をご覧ください。これまで、バックエンド統括部が施設中長期計画やバックエンドロードマップなどの機構の原子力施設にかかわる全体の計画、総合調整を行ってまいりました。そして、核燃料・バックエンド研究開発部門の下に廃止措置、クリアランスなどの研究調査を行っております廃止措置技術開発室と埋設事業の立地や技術的検討を行う埋設事業センターがありました。
 右側の図に4月1日以降の新体制を示します。新たに副理事長を本部長とする本部組織としてバックエンド統括本部を立ち上げました。その下に、企画部、埋設事業センターがあり、企画部におきましては、総合調整の他、廃止措置・クリアランス、廃棄体化に係る技術的検討等を行い、埋設センターにつきましては、事業計画、埋設事業の推進等を行います。
 これ以外にも、機構では、廃止措置の本格化に向かって組織を見直してございます。昨年4月に、ふげん、もんじゅ、このような大きい施設の廃止措置に特化した、この右の下にございます敦賀廃止措置実証部門を立ち上げてございます。あと、ここには書かれておりませんが、核燃料・バックエンド研究開発部門、その下に東海再処理施設がございましたが、それが昨年の7月以降、再処理廃止措置技術開発センターに変えて廃止措置に取り組む体制にしております。
 続きまして、3ページにまいりたいと思います。ここに施設中長期計画とバックエンドロードマップの関係を示してございます。左側には、施設中長期計画を示しており、これは、施設の集約化・重点化、安全確保、バックエンド対策の三位一体で整合性ある総合的な令和10年までの10年間の計画です。
 下の図がこの三つの関係でございまして、まず集約化・重点化ということで、継続利用する施設と廃止措置する施設を選定いたしまして、継続利用する施設に関しましてはきちんと安全確保を行っていくこととしており、高経年化対策、新規制基準対応、耐震化対策を行っていきます。廃止措置を決めた施設に関しましては、バックエンド対策ということで、廃止措置、廃棄物の処理・処分を行っていくこととしております。このような詳細な計画を施設中長期計画としてまとめてございます。
 そのうち、東海の再処理施設に関しまして、約70年と非常に長期にわたるということで、バックエンドに特化した長期にわたる見通しと方針として約70年間のバックエンドロードマップを策定、公表しております。
 右に示しますように3期に分けて、その中でどのようにバックエンド対策を行っていくかというものを示しています。第1期は当面の施設の安全確保を優先しつつ、バックエンド対策を進める期間、第2期は約20年と定めまして、処分の本格化及び廃棄物処理施設の整備により本格的なバックエンド対策に移行する期間、そして、その後の約40年は、本格的なバックエンド対策を進め完了させる期間ということで示したものでございます。
 バックエンドロードマップには、廃止措置、処理・処分、核燃料物質の管理、バックエンド対策に関する費用、効率化・最適化に向けた取り組みが示してございます。
 次に、施設中長期計画、バックエンドロードマップの中身をもう少し詳細にご説明したいと思います。お手元の参考資料の2-1、2-2に、施設中長期計画とバックエンドロードマップもございますので、後ほどご確認いただければと思います。
 この資料の4~6ページで施設中長期計画についてご説明したいと思います。
 問題点、背景といたしまして、機構の原子力施設というものが老朽化したこと、震災以降見直された規制基準などの対応、廃止措置を含むバックエンド対策も実施しなければいけないということで、先ほどから何回も申し上げていますが、この三位一体の計画ということで施設中長期計画を策定しております。スリム化した施設の強靭化、バックエンド対策の着実な実施により、研究開発機能の維持発展を目指すということで、平成29年に作成いたしまして、毎年、見直してございます。
 5ページにまいりたいと思います。施設の集約化・重点化ということで、国として最低限持つべき原子力研究開発機能の維持に必要な施設は、次のことを考慮した上で可能な限り継続利用することとしており、試験機能は可能な限り集約化し、安全対策費等の観点から継続利用が困難な施設は廃止とする等の考え方で、継続利用施設というものを46、廃止措置施設を43に分けてございます。
 6ページに、具体的に、今回、機構の施設89について、継続利用施設46と、廃止措置施設43に分けてございます。
 このように選別されたものについて、施設中長期計画の抜粋を7ページに示してございます。この別表2というものが施設中長期計画になってございます。一番左に拠点名、そして施設名があり、本文を見ていただくと黄色と白に分けてあって、白いものが継続利用施設、黄色が廃止措置を実施する施設です。そして、事業展開ということで、約10年間、2028年までの計画になっておりまして、ここの縦の項目に運転維持、廃止措置、そして、その中で、例えば核燃料物質がどこに行くのかというような流れや、高経年化対策等を示しています。
 続きまして、8ページにバックエンドロードマップの概要を示しております。施設中長期計画は今示したように2028年度までの計画になってございまして、バックエンド対策は東海再処理施設のように約70年を要するなど、長期にわたるということですので、原子炉等規制法の改正によって、昨年末までに廃止措置実施方針を作成、公表することとなっており、その公表のタイミングで機構全体のバックエンド対策がわかるものとしてバックエンドロードマップを作成し公表してございます。
 9ページにその中身が載せてあります。対象施設は現存する原子炉等規制法の許可施設79施設となってございます。
 バックエンド対策の推進は、3期に区分して実施することとしており、第1期が安全確保を優先してバックエンド対策を進める期間、次の期間がバックエンド対策に移行する期間、そして最後がバックエンド対策を進め完了させる期間でございます。
 バックエンド対策に要する費用として、施設の廃止措置、廃棄物の処理処分を試算いたしまして、全体で約1.9兆円となってございます。
 また、効率化・最適化に向けた取り組みとしまして、このようにバックエンド対策は長期間となり、多額の費用を要するということですので、効率化・最適化に向けた技術開発、マネジメント体制などに係る取り組み方針というものを記載してございます。
 10ページは、バックエンドロードマップに示しました対象施設ということで、79施設を示してございます。
 次の11ページは、バックエンドロードマップの概要ということで、中の別表2というところに、原子力施設のバックエンド対象に係るロードマップの抜粋ということでございます。これは施設中長期計画とは違いまして、期間を1期、2期、3期という3つの期間に分けました。その期間の中で、廃止措置を行うのか、核燃料物質はどう移動するのか、放射性物質がどのように移動していって保管され集約されていくのかの流れを示したものでございます。このように、この期間、赤い矢印が放射性廃棄物の流れでございまして、青い矢印が廃棄物処理、緑の矢印が核燃料物質の流れになっておりまして、下に、処理の保管施設ですとか、新規の核燃料物質集約施設と、そのような流れが示されております。
 これ以外にも、廃棄物の処理の詳細というものをバックエンドロードマップにも示してございます。
 以上でございます。
【出光主査】  ご説明ありがとうございました。それでは、ただいまのご説明に対しまして、ご質問あるいはコメント等ございましたらお願いいたします。
【井口委員】  よろしいでしょうか。
【出光主査】  どうぞ。
【井口委員】  新参なので、ちょっと最初の体制のことについてお伺いしたいと思います。
 2ページ目、新体制では、旧体制の場合の埋設事業センターというのが格上げになって、いわば統括本部直轄になるわけですよね。このときに、体制的には、これから立地等のところに力を入れるという感じはわかるんですけれども、内容的にはどういう充実が図られたかというのをちょっと教えてほしいです。
 もう一つは、上の企画部というのは、下のほうに、今回、原子力機構が持っていらっしゃるいろんな施設の特性が異なる現場の対応というので四つの部門があって、それを企画部というのは共通部分というものを取り出して仕切るというイメージなんでしょうか。ちょっとこの図のとり方がよくわからないので、そこの内容をちょっと追加説明していただけるとありがたいと思います。
【藤田バックエンド統括本部企画部次長】  ありがとうございます。
 バックエンド統括本部ということになりまして、今まで、全体の計画をつくるところ、実際に技術的な検討を行うところ、片や、埋設事業を推進しているところがばらばらでありました。それを一つにして、全体の総合調整や技術的な部分、廃止措置、処理・処分全体を含めて一つの本部の中で意思決定され、強化されるというようなところが今回変えたところでございます。
【伊藤副理事長】  すみません、多分、井口先生のご質問は、埋設センターの具体的な充実が図られたかということについては、私の理解では、陣容などには特段変更はございません。それから、企画部と部門との関係というのは、まさに原子力機構全体としての方針とか、共通の技術課題については、企画部を中心とした廃止措置の推進室、廃棄体化推進室で行いまして、実際の作業に伴う契約や現場での安全管理は、例えばもんじゅ、ふげんであれば敦賀廃止措置実証本部で行うという、そういう関係だとご理解いただければと思います。
【井口委員】  ありがとうございます。ただ、この図から見ると、縦割り感がまだ見え見えという感じもあるので、もうちょっと何か、せっかくこういう新体制をつくって統括本部ができたとするならば、全体的に取りまとめをやるというようなことがわかるような絵にしたほうがよろしいんじゃないかと、そういう印象を持ちましたというコメントです。
 もう1点よろしいですか。
【出光主査】  はい。
【井口委員】  原子力の場合の廃止措置というのは、70年というのは東海の再処理施設も含めて一応存じ上げているんですけども、途中で最適化とか効率化を図りますと言ってらっしゃる以上は、この年数というのはある意味では可変であると考えてよろしいんですか。本来、70年というのはどう考えても長い気がするので、技術進展によってはこの年数を縮めていくという努力が見えるようにできないかなと思ったんですけど、そのあたりいかがでしょうか。
【藤田バックエンド統括本部企画部次長】  ありがとうございます。
 おっしゃるとおりでございまして、バックエンド対策に長い時間がかかり、資金も1.9兆円ということで、効率化・最適化に向けた取り組みという章を、バックエンドロードマップの中に設けさせていただきまして、技術開発、廃止措置にかかわる契約ですとか、それ進めるということを書かせていただきました。全体的に、期間が短くなればなるほど費用が下がっていくということでございますので、その辺の努力もしていくということを書かせていただいております。
【井口委員】  はい、ありがとうございました。
【出光主査】  よろしいでしょうか。
【鬼沢委員】  よろしいでしょうか。5ページ目のところで、施設が、継続利用が46、廃止が43となっているんですが、毎年計画を見直していくということで、この数は変わっていく可能性はあるということですか。
【藤田バックエンド統括本部企画部次長】  ありがとうございます。
 変わっていく可能性はございます。廃止措置等が進み、その施設の役割をまた直していくということもございます。具体的に去年からも1つ役割が変わっているということがございます。
【出光主査】  よろしいでしょうか。ほかございますでしょうか。
 施設によっては、物によっては、最初の10年で廃止まで行ってしまうものと、そうでないものと分けてあると思うんですけど、このあたりのスケジューリングもわりとフレキシブルだと考えたほうがよろしいですか。
【藤田バックエンド統括本部企画部次長】  はい、もちろん。最初の10年間につきましては、施設中長期計画の中で、具体的に実施する計画になっております。それは、進捗と予算等の関係等もございますので、フレキシブルに変えていく、見直していくというものでございます。
【出光主査】  ほかございますでしょうか。
【古川委員】  協会の古川です。先ほどの井口先生のお話ではないですけど、かなり長期にわたるバックエンド対策ということです。これには物とか施設の廃止だけ書かれているんですけれども、やっぱり廃止していくときには人が一番大事なので、人の育成、または技術継承、あとは記録、エビデンスの継続性、その辺というのは別に何かそういうマップみたいなのがあって、こういう人材を募集していこうとか、重点的に採っていこうとか、かなり考えないと、今ある人材だけで足りるということにはならないので。
 その辺はどういう絵を描かれているんですかね。そこがやっぱり結構大事な話だと思うんですけれども。その辺をちょっとお伺いしたいんですけれども。
【藤田バックエンド統括本部企画部次長】  ありがとうございます。
 バックエンドロードマップには、今ご指摘の知識を継続していくこと、人を育てていくことや確保していくことが重要であるということを示しています。
 別途、廃止措置のマネジメントにつきましては検討してまいっておりまして、まず、最初にバックエンドロードマップという形で全体像を去年お示ししたということでございます。人材の話・技術継承の話は引き続き検討しているところでございます。
【出光主査】  よろしいでしょうか。70年ですので、70年後の人はまだ生まれていないということですから、当然育てていかなきゃいけないと思います。
 これと、最初の議題のほうにもありましたけど、人材作業部会というのがございますが、こちらでもそれは議論されるんでしょうか。これは文科省さんのほうに聞いたほうがいいかもしれませんけど。
【清浦原子力課長】  人材作業部会は広く原子力全体の話をカバーしておりますので、そのトピックスも入り得ると考えております。
【出光主査】  ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。
【佐藤委員】  JAEAさんの場合、廃止措置と言っても、一部、継続使用しながら廃止措置に向かったり、いろんなケースがあるかと思うんですが、その辺の調整は、今度バックエンド統括本部をこのような形でつくられましたけれども、それが全部統括して行っていくということですか。多分、研究部門とのかなりのいろんなせめぎ合いがあって、調整が非常に難しいかと思うんですが。そういう意味で副理事長の伊藤さんが就かれたのだとは思うんですけど、その辺はどのように管理していくんでしょうか。特に費用等については非常に難しいですね、切り分けが。いかがでございましょう。
【伊藤副理事長】  十分なお答えになるかわかりませんけれども、おっしゃるとおり、どういう施設を今後研究として使っていくのか、あるいは、それを安全に使っていく、あるいは安全に廃止していくのかという意味から申し上げますと、この施設中長期計画、あるいはバックエンドロードマップにかかわる原子力機構の中の部署として、予算をつかさどる事業計画統括部と、それから安全・核セキュリティ統括本部、それからバックエンド統括本部、三つございまして、まさにこの三つの責任者が膝を突き合わせてつくり上げてきたのが今の計画であります。これをローリングするために、施設のマネジメント推進委員会というものを私が主宰いたしまして、今申し上げたような予算、それから研究計画の観点、それから安全の観点、それからバックエンドの着実な観点という形で、計画のPDCAを回しているというのが現状でございます。
【出光主査】  よろしいでしょうか。
【岡本委員】  第2期に処分の本格化というキーワードがあります。処分の本格化に関しては、このロードマップをいろいろ読ませていただいたんですが、5ページにちょこちょこっと書かれているだけで、10年後ですので、10年後に処分の本格化をするとなると、ここがおそらく全てのボトルネックになると思っておりまして、このあたりは今から始めてももう遅いぐらいだと思うんですけれども、L3、L2がメーンになろうと思いますので、L3は今、東海炉のほうでは東海村で処分場をつくっていたりしますけれども、そういう見通しがかなり、全てこの70年を決めるんだと私は思っております。アメリカなんかが、最近、遅延解体しているものを全部即時解体に変えちゃっているのは、処分場があるからなんですね。だから70年かからないんだと思うんですね、処分場さえあれば。
 ですので、このあたりのところがちょっとロードマップでは、「本格化を目指す」という精神的なものにまだとどまっているんですけれども、ここら辺をぜひ具体化をしていかないと、先ほどの井口先生のお話で、埋設のほうのチームとも関連するんだと思うんですけれども、これ、少なくともL3に関しては何らかのアクティビティを今から動かさないと間に合わないのではないかなという気がするんですが、そのあたりをもう少し書き込めないものなんですか。
【藤田バックエンド統括本部企画部次長】  ありがとうございます。
 今のところ、このような形になっておりまして、実際の立地ですとか、事業が進めば、次の改定、見直す時期にはその辺を挙げていきたいと思っております。
【岡本委員】  まあ、しようがないですが、一番ボトルネックであることは確かですね。
【出光主査】  はい、どうぞ。
【澁谷委員】  ランデックの澁谷です。まさに、今、岡本先生がおっしゃったことが一番重要かと思いまして、この作業部会二つを統合したのも、そこの意気込みを私は感じておるんですけれども。廃止措置側、デコミ側はやはり廃棄物の処理処分場がないと進まないというのが日本の例でございまして、諸外国では、いろいろオプションがあって、廃止措置を進めて、廃棄物は処分場がなければ保管という形もオプションとしてとれるところもありますが、日本は今そこまで行っていませんので、まさに廃止措置側も進めるためには処分場の立地を一刻も早く決めていくというのが重要かと思います。そこは統合された意味合いが非常に大きいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
【出光主査】  コメントありがとうございました。
 私のほうから1点質問です。この計画を立てるに当たって、おそらく規制庁の考え方によっては計画が大分変わってくると思いますけれども、私の大学でも、今、廃止措置、まさしくオンゴーイングで間もなく終わろうとしているんですが、なかなか終わらないという実態がございます。
 その中で今、クリアランスとL3の区別の部分であるとか、そのあたりが議論されていると思いますけど、これによっては、今後、廃棄物の発生量も変わるし、部分見直しとか、測定技術、そういったものも変わってくるかと思います。今後この計画をまたブラッシュアップしていくと思いますけども、それらについての何か具体的な計画とかはお持ちでしょうか。
【藤田バックエンド統括本部企画部次長】  まさしく、おっしゃるように、現在、規制庁のほうで議論をしているというところでございまして、様々なパブコメ等の対応ですとか、その辺を進めているところでございます。ですので、もちろん改定した時点で何らかかかわれば、その辺を反映していきたいと考えております。
【出光主査】  ありがとうございます。
 なかなかJAEA単独で答えが出せる問題でないことは承知しておりますけれども、一応意気込みということでお伺いさせていただきました。
 ほかございますでしょうか。じゃあ、どうぞ。
【柳原委員】  確かに処分の問題は非常に大切な問題で、進めなきゃいけないと思うんですけれども、それはちょっと置いておいて、やっぱりJAEAがこういう形でロードマップをつくって進めているんだということを世の中にわかりやすく説明するということも大切ではないかと思うんですよ。進めているんだということがわかるようにと。
 例えば、先ほど説明していただいた7ページの施設中長期計画の概要というところに、建設費だとかの費用は入っているんですが、それで、じゃあこれの廃止措置をして1.9兆円のどの部分が適用されてこれだけなったか、そういう少しわかりやすい説明をなるべくしていく形で、この計画がほんとうに、ロードマップが進められているんだということをわかりやすく説明するようなことをもうちょっと具体的にしてもいいかなと思いました。
【藤田バックエンド統括本部企画部次長】  ここに書かせていただいているのは、建設したときの費用でございまして、バックエンドロードマップでは解体ですとか処理・処分の費用を示しています。
【柳原委員】  ここにあるのは建設費なので、建設費があっても、中身がよくわからないから、これに加えて、じゃあ廃止措置って幾らかかるんだ、あるいは、廃止措置をすることによって維持費が幾らだけ低減できるのかとか、進捗がわかるような説明の資料があってもいいんじゃないかなと思います。
【藤田バックエンド統括本部企画部次長】  ありがとうございます。説明する際には、その辺がわかるような形のものを今後検討していきたいと思います。
【出光主査】  ありがとうございました。よろしいでしょうか。ほかにもし何かあれば。もしなければ、次の議題のほうに進みたいと思います。
 議題の3番目になりますが、議題の3番目が、先ほどの原子力機構のバックエンドロードマップのIAEAピアレビューについてということでお願いいたします。
【小林室長(人材・研究基盤担当)】  原子力課の小林と申します。議題3について説明させていただきます。着座して失礼します。
 資料3と参考資料2-2のバックエンドロードマップの本体をお手元においていただけますと幸いです。
 ただいまご説明いただいたバックエンドロードマップは、70年間でJAEA全体の廃止措置にかかる見通しとして1.9兆円という試算額をお示ししております。参考資料2-2のバックエンドロードマップ本体の6ページ目をごらんいただきますと、バックエンド対策に要する費用の内訳が書いてございます。こちら、6ページ目の最後のほうに記載しているんですけれども、バックエンドロードマップで対象としている79施設は、原子炉施設以外にも、核燃料使用施設等々さまざまな施設を含んでいることなどがございまして、それぞれの施設の解体実績が十分でないことを大きな理由として、不確定要素を含んでございます。このため、継続的、客観的にこの1.9兆円という試算額の妥当性を精査する必要があると考えておりまして、文部科学省及び原子力機構で、ここにも記載してございますが、海外機関を含む外部組織のレビューの実施を検討していたところです。
 IAEA(国際原子力機関)では、さまざまなレビューサービスを実施しているんですけれども、2014年から開始した放射性廃棄物や廃炉、使用済核燃料の管理等に関する総合レビューサービスとしてARTEMISというものを実施しています。正式名称はAn integrated review service for radioactive waste and spent fuel management, decommissioning and remediation programmesという名前なんですけれども、ARTEMISと略されておりまして、こちらはIAEAの加盟国の要請に基づいて、どういった対象をレビューするかといった内容を調整した上で、専門家――これは世界から専門家をレビューの対象範囲や内容に応じて招集いたしまして、ピアレビューチームを結成してレビューサービスを実施するというものです。
 2014年から実施しておりますが、既に9回レビューミッションを実施しておりまして、フランス、ポーランド、あとはイタリア――イタリアは既に原子力施設を全て廃止しておりますが、その廃止措置を取りまとめる公社としてSOGINというところがございまして、そういったところも含めて9回レビューミッションを実施しているほか、今後、2023年までに17回実施の契約を加盟国と結んでおります。
 バックエンドロードマップの試算額の試算の手法を精査することや、今後の原子力機関におけるバックエンド対策の向上につながる国際的な助言を受けることを目的といたしまして、文部科学省において、このたびARTEMISレビューの実施を決定いたしましたところです。
 手続きといたしましては、本年4月に文部科学省からIAEAに対してARTEMISレビューの正式な要請文書を発出いたしまして、6月にIAEAからレビューを実施しますという返信文書を受領したところです。
 今後の手続きといたしましては、文部科学省、原子力機構、IAEAの三者で来月9月に準備会合を実施いたしまして、具体的なレビューミッションの実施時期ですとか、バックエンドロードマップの試算の精査を中心として具体的なレビュー内容について事務的に調整をする予定でございます。
 報告は以上でございます。
【出光主査】  ありがとうございました。それでは、ただいまのご説明に対しましてご質問、コメントはございますでしょうか。
 じゃあ、ちょっと私のほうから。これ、IAEAのほうから一応返信文書が来たということですが、これから詳細は決まっていくんだと思いますけれども、おおむねどのぐらいの期間がかかるものかというのはわかりますか。
【小林室長(人材・研究基盤担当)】  このARTEMISのガイドラインで、準備会合から、事前の資料の準備等がございますので、準備会合から半年はレビューのミッションの実施まで準備期間を置くことが望ましいと推奨されておりまして、そこから逆算いたしますと、9月に準備会合でございますので、ミッションの実施自体は年明け、場合によっては年度明け以降になるかと想定しております。
【出光主査】  終了時間のほうは、どのぐらいの期間をかけて検討されますか。
【小林室長(人材・研究基盤担当)】  ミッションの実施時期でよろしいですか。ほかの加盟国の事例を参照いたしますと、通例1週間から10日程度です。IAEAが招集いたしましたピアレビューメンバーが1週間から10日程度、加盟国に滞在いたしましてレビューミッションを実施いたします。
【出光主査】  そのぐらい短い期間で終わるものですか。いや、1.9兆円の積算なので、結構な資料かなと思ったんですが。
【小林室長(人材・研究基盤担当)】  それまでの間、手続上は、事前にレビューチームメンバーに対して準備した資料を、全て英語になるんですけれども、提出いたしまして、書面上での確認は事前に全て、約半年以上かけてお願いさせていただくという流れになっております。
【出光主査】  わかりました。じゃあ、始まってから説明じゃなくて、もう事前に説明とかそういうものをやっていて、それが半年間あってと。
【小林室長(人材・研究基盤担当)】  はい。
【出光主査】  それで、最終的にコメントを出してレビューにするのが1週間ぐらいだと。
【小林室長(人材・研究基盤担当)】  はい、そうですね。ほかの加盟国の事例を拝見しますと、レビューミッションでは、サイトビジット等、現地を確認すること等を中心に行われているようです。
【出光主査】  わかりました。ただ、サイトビジットでも、40施設ぐらいありますから、1週間で見て回るのも結構大変だなと思いますけど。はい、概況はわかりました。ありがとうございました。あ、どうぞ。
【柳原委員】  国際機関にこういうのをお願いするのは、いろんな視点から見ていいとは思うんですけれども、ただ、これは日本の中でも十分に議論する必要があるんじゃないかと思うんですね。JAEAがつくったその1.9兆円というのが、ほんとうに中身がどうかという議論が国内でほんとうになされているかどうかって少し疑問に思うところがあります。
 それから、昔、JPDRのときには、きちんとデータをとりまして、それが今いろんなところで使われているんです。外国でも使われている。そういったことを十分に踏まえた上で、国内のこういったことを評価する技術ももっと僕はいろいろと検討してもいいんじゃないかと思います。もちろんIAEA、外国からの視点で見ることは大切ですけれども、やっぱり日本は外国に対しておくれているわけではないですから、日本のいろんな技術者がいますので、そういった人達を集めて、ほんとうにこれは1.9兆円でいいかどうかという議論をもう一回やってもいいのではないかなと思いました。
【出光主査】  コメントありがとうございます。何かそのような計画等はございますでしょうか。
【藤田バックエンド統括本部企画部次長】  よろしいですか。バックエンドロードマップをつくる際には、外部の専門家にも入っていただきましてご審議いただいてと、そういう経緯がございます。
 あと、過去に廃止措置を行ったJPDRですとか、そういう実績がございますので、我々が今回試算に使ったコードですとかに関しては、JPDRですとか、ほかのものの検証データを使って一応は確認させていただいているというようなところでございまして、その辺も含めて、今度、IAEAのレビューの中で、我々のやってきた算出ですとか、方法ですとか、その辺をレビューしてもらうということを考えております。
【出光主査】  柳原委員、何か具体的にこうしたらというような、もし提案がありましたら。
【柳原委員】  いや、私もいろいろ国際的機関の仕事でこういう感じの仕事をしてきているんですけれども、必ずしも外国の評価がきちんとしているかというと、そうでないことも結構あります。いろんな委員が指定されてレビューするわけですけれども、それをうのみにするのは結構危ないような気がしているところもあります。むしろ自分たちで、きちんと、この1.9兆円がはじかれているのか、どれだけの幅を持って評価しているのかということを考えるということも必要かなと思いました。
【出光主査】  ありがとうございます。
【澁谷委員】  このDECOSTという計算コードがありますけど、これ、コスマードも入っているんですかね、中に。コスマード、JPDRのときに開発された。
【藤田バックエンド統括本部企画部次長】  はい、入っています。
【澁谷委員】  あれがベースと、あと、もう一つ、原子力機構でしたっけ、どこかがつくったやつと合体させて統合的な評価コードにしたんですよね。
【柳原委員】  はい、実は僕もその辺のところはちょっといろいろと相談というか、話はしています。コスマードという計算コードをJPDRの廃止措置のときにつくりまして、非常に細かく評価できるようにしているんですね。実はさっき言ったのは、それを外国も倣って使っているようなところがあります。
 それとはちょっと別に、そのDECOSTというのは、もうちょっと粗く、いっぱいいろんな施設がありますから、それを非常に細かくやるのがほんとうはいいんですけれども、それは結構大変なんですね。それで、施設ごとにざっと物量だとか、そういうものを中心にして計算できるようなシステムになっています。
 第1段階はそれでいいんですが、もうちょっとそこのところを細かく、どれだけの不確実性をもってどういうふうに評価したらという、そこのところをもうちょっと、それは国内は国内できちんと議論をしていく必要があるんじゃないかなと思っています。
【出光主査】  ありがとうございました。よろしいでしょうか。JAEAのほうは。ほかにコメント、あるいはご質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、次の議題のほうに移りたいと思います。四つ目になります。埋設処分業務の実施状況及び計画の変更についてということで、説明のほうをお願いいたします。
【廣瀬原子力課長補佐】  JAEAからの説明に際しまして、まず事務局より議題の趣旨について説明をさせていただきたいと思います。
 原子力機構ですが、原子力機構法に基づきまして国が定めた埋設処分業務の実施に関する基本方針に即して埋設処分業務の実施に関する計画を作成し、文科省及び経産省の認可を受けなければならないということになっております。
 議題4では、原子力機構が埋設処分業務の実施に関する計画の変更案を作成し、文科省及び経産省の変更認可を受けることに先立ちまして、委員の皆様にその内容についてご審議いただきたいと考えております。
【出光主査】  ありがとうございました。それでは、JAEAのほうから説明をお願いいたします。
【北嶋センター長】  バックエンド統括本部埋設事業センターでセンター長をしております北嶋でございます。どうぞ今日はご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
 それでは、早速でございますけれども、説明を副センター長の坂本のほうからよろしくお願いします。
【坂本副センター長】  原子力機構埋設事業センターの坂本と申します。資料4-1に基づきまして埋設処分の実施状況についてということでご説明させていただきます。
 この資料の最初の1ページから6ページまでに関しましては、今回初めての方もいらっしゃるということで、これまでの経緯を記載させていただいております。
 あと、7ページ以降に関しましては、今回の主題でございます、先ほどからございます物量と総事業費を見直しました結果を記載した内容でございます。
 あと、23ページ以降は、参考資料としておりますが、これに関しまして、種々の技術的な検討事項とか、安全規制への対応とか、こういったことも検討しておりますので、それにつきましてまとめたものでございます。本日のご説明は22ページまでとさせていただきまして、時間の関係もございますので、参考資料につきましては、お手元でごらんいただきまして、何かご質問があれば後でいただければと思います。
 それでは、1ページに戻りまして説明をさせていただきます。
 まず、埋設事業に係るこれまでの経緯でございます。研究施設等廃棄物といいますのは、原子力発電所以外の研究開発ですとか、放射線利用に伴い発生いたします廃棄物の総称でございます。ここに写真を示しておりますけども、研究炉とか、核燃料試験施設とか、あと、例えば病院での利用とか、こういったものがございます。
 主な発生事業者、大体2,400と言われておりますが、この大半が実は放射線同位元素の使用施設、医療関係も含めまして、ということでございまして、原子力、核燃料物資を使うところは百数十社程度に限られているところでございます。
 現状といたしましては、右のほうに書いておりますけれども、大半が廃棄体化処理もされないまま、現在までで59万本程度保管されているといったところでございます。原子力機構は大体35万本と、そのかなりの部分を占めているといったところでございます。
 こういった状況を反映いたしまして、これをきちんと処分をしなければいけないということで、処分場整備が必要だろうということで、次の2ページでございます、約10年前、平成20年度に当時の原子力機構法を改正いたしまして、原子力機構を研究施設等廃棄物埋設処分の実施主体と位置づけたものでございます。
 2ページにちょっと堅苦しい内容で業務の範囲とか記載しておりますが、原子力機構法の実際の内容の概要を書いてあるものでございます。業務範囲といたしまして、機構の業務に伴って発生する廃棄物、あと、機構以外の者から処分委託を受けた廃棄物、この両者を合わせて処分を行うといったことを記載しております。
 次の丸でございますが、この業務の実施に当たりまして、国が第18条に基づきまして基本方針を策定するということと、この基本方針に即しまして原子力機構のほうが埋設処分業務の実施に関する計画を作成して国の認可を得るという形をとっております。小さな字で記載内容としてこういう事項ということで、量の見込みとか、処分計画とかはこういったことを記載すると定められているものでございます。
 また、次の第20条、第21条というところに関しましては、費用的なものでございまして、埋設処分業務に関しましては、他の研究開発業務、いわゆる一般会計と特別会計とまた切り離しまして、別の区分経理を行うということを法律事項で記載されております。
 こういった規定がもろもろなされておりまして、次の3ページに関しましては、先ほどございました、基本方針と実施計画の概要としてお伝えしたものでございます。このお手元の参考資料の3のところには実際の基本方針が添付されているようでございますが、実際のものはこちらをごらんいただければと思います。
 基本方針の主な内容でございますけども、処分対象廃棄物の種類はここに記載があるとおりでございます。また、ピンク色の部分に関しましては、国は原子力機構と一体となった立地活動に取り組むなど積極的に機構を支援するということと、処分地の選定ということで、公正な選定等を行うという記載がございます。また、資金計画の策定と適正な管理といったことが記載がございます。
 これに対しまして、機構が策定いたします実施計画に関しましては、具体的な種類と量ということで、現行では、施設規模で約60万本、機構分が約39万本ということで、ピット処分分とトレンチ処分分の物量の記載がございます。また、立地基準と手順ということで、これは平成28年の変更認可を受けまして、立地基準手順を策定いたしまして実施計画に記載したものでございます。
 具体的な実施計画につきましては、資料の4-2に新旧という形で今回示させていただいておりますが、現状のほうは左側に記載がございますので、こちらを参照いただければと思います。戻っていただきまして、3ページ目に資金計画ということで、総事業費の記載がございます。
 次の4ページでございます。簡単に経緯的なものを記載しております。平成20年度の原子力機構法の改正以降、基本方針の策定とか、埋設事業の計画策定等を行いまして、さらに、埋設施設の概念設計、さらに黄色のところで矢印を書いていますけども、最初に立地基準、手順を策定いたしまして、この実施計画の中に記載をするといったことを行ってきております。さらに、その下以降に関しましては、必要な技術的な検討、安全規制への対応も含めて、埋設施設の設計について、かなり具体的な検討をしてきたところでございます。
 あと、5ページでございますけども、費用的なところが主要でございます。まず、上の黒の表に記載しておりますのが現行の実施計画を記載したものでございます。原子力機構として、ピット埋設で大体19万本、トレンチ埋設で約20万本、合計約39万本を処分するという形になっております。原子力機構以外に関しましては、大学・民間と書いてありますが、これはいわゆる炉規法――RI協会さんが集めている以外の廃棄物の廃棄体の数量でございまして、これが11万本程度、RI協会さんが5万本程度、原子力機構以外で16万5,000本程度、合計で55万6,000本ぐらいが集計値としてございます。埋設施設の規模といたしまして、ある程度余裕を見まして、ピットとトレンチを合わせ60万本を処分するという計画にしております。
 これに係る費用といたしましては、建設費とか人件費、こういったことを合計いたしまして、全体で2,029億円というふうにして実施計画のほうに記載をさせていただいたものでございます。
 めくっていただきまして6ページでございます。施設のイメージということでここに記載したものでございます。真ん中に施設の全体のイメージを記載しております。100ヘクタール程度で、1キロ四方ぐらいの広さでございますけど、この中にコンクリートピット施設が18基とトレンチ施設を18基ということで、60万本ちょうどおさまるといったところで設計したものでございます。
 また、まず外部から受け入れました後、廃棄物を一時的に置きます受入検査施設とか、下に管理棟・受変電設備と書いておりますが、何もないところにつくるということを想定しておりますので、職員の事務用の建屋だとか、そういったものを想定しているものでございます。
 次のページでございます。以上が経緯でございます。次からが実施状況でございます。まず、埋設事業の全体計画の検討ということで、対象の廃棄体物量及び総事業費の見直しということで、これが今回の主題でございます。廃止措置実施方針等の公表とか、廃棄体物量の再調査の結果、また、今年の10月1日で消費税率も変わりますので、結構大きく影響してきますので、こういったものもありまして、物量と事業費の見直しを行ったものでございます。
 その下はその他の技術検討ということで、23ページ以降に参考資料として記載させていただいておりますが、環境調査手法の検討とか、施設の合理的な検討を進めているとか、埋設事業が実際に始まった際に必要なことを検討するというものでございます。
 では、具体的な話のほうに入らせていただきます。対象廃棄体物量及び総事業費の見直しでございます。
 9ページ以降でございまして、埋設処分の対象とする見込みの量の調査ということでございます。背景的な部分がございますが、原子炉等規制法におきまして、各事業者に対しまして、廃止措置実施方針を作成して、今年の1月1日までに公表ということの義務づけが行われております。
 こういった各社、これは機構以外も当然含めておりますので、の廃止措置実施方針の整合を図るといったことと、これまでの処分の実績とか、関係法令の進捗等を踏まえまして、各社、各廃棄物の発生者の廃棄体物量を把握するために、機構と機構以外の廃棄物の調査を行ったといったところでございます。
 原子力機構におきましては、バックエンドロードマップを昨年の末に公表させていただいたものでございますが、これに基づきまして見込みの量を整理いたしたものでございます。また、機構以外の発生者の方に関しましては、当方よりアンケート調査を行いまして、その結果を集計いたしまして整理したものでございます。全対象者145社、協会さんを含めて146社のうち125社の方から回答をいただきまして整理したものでございます。
 10ページ、これも参考までに、こういった右のほうにイメージ的な資料をつけておりますが、各社に依頼書を出しまして、下の調査票(例)と書いておりますが、こういったところに数値を記載していただきまして返信をいただいたものを集計したものといった状況でございます。
 いただいた結果が11ページでございます。上の表に関しましては、先ほどと同じものでございます。それに対しまして、下が30年度調査結果ということでございます。原子力機構におきましては、ピット埋設が大体19万本程度と変わらないんですけども、トレンチ埋設におきましては30万9,000本ということで、約10万本程度増加になっているというところでございます。合計でも50万2,000本ということで、ほぼトレンチの増加分を反映した結果といったところでございます。
 また、機構以外のところでございますけども、大学・民間等に関しましては、若干減る、まあ、1万本弱減るという結果になっております。また、RI協会さんにおきましては、5万2,000本が大体6万本程度といったところございますが、内訳といたしましては、ピット分が、1万5,900本が4,250本ということで、約1万本減少いたしまして、トレンチ埋設が大体3万本から約4万9,000本と約2万本弱増加するという結果になっております。
 下に大きく変化があったところを①と②という形でつけさせていただいております。
①、これは原子力機構のトレンチ分ですけども、まず一つの大きな要因といたしましては、まだ規制基準がまだ明確に決まっているわけではないですが、ウラン廃棄物に関しましては、この前、原子力学会、あと、まだ報告書はまだ明確にまとまっていないところでございますが、保健物理学会等、こういったところで、ウラン廃棄物に関しての議論、処分のあり方につきまして種々議論が進んでまいりましたので、こういった最新の知見を反映いたしまして、これまでかなり保守的な物量を見ていたんですけれども、もう少し浅地中処分もできるだろうということで、処分区分等の見直しを行って、物量見直しを行ったものでございます。それを反映しております。
 あともう一つでございますけども、バックエンドロードマップとか施設中長期計画の策定におきまして、25年度調査以降に原子力施設の廃止措置の対象施設や廃棄の処理方法等、特に主に解体廃棄物の処理方法につきまして、より合理的に、見直しを行いまして、廃棄体物量をさらに算定した結果というものを反映したものでございます。
 あと、②につきましては、これはRI協会さんですけども、もともと廃棄体のトレンチ処分相当のものではあるがということで、ピット処分のほうに主に計上しておりましたけども、最近の規制庁の審議におきまして、廃棄体をトレンチ処分できるだろうということが出てまいりましたので、これをトレンチ処分に計上したと聞いております。また、仮焼処理施設等の運転実績を反映いたしまして、減容率等を見直した結果ということで、こういった形になったということでございます。
 まとめますと、合計のところで、ピット・トレンチ合わせまして、原子力機構、機構以外で合計67万1,500本という集計値になったものでございます。
 次の12ページでございます。こういった集計結果をさらに、その性状等で集計いたしたものが12ページでございます。左がピット処分、右がトレンチ処分でございまして、それぞれ色分けしておりまして、機構と機構以外の量、さらにそれらの性状とか容器の区分という形で、それぞれ三重円、ちょっと複雑でございますけども、それぞれ仕分けをいたしまして集計したものでございます。
 丸い円グラフの真ん中に、ピット処分22万本、トレンチ処分53万本と書いておりますが、先ほどの11ページの集計値に対しまして10%程度の施設規模として余裕を見まして、ピットは22万本、トレンチは53万本ということで、合計75万本の埋設施設の規模と今回させていただいたものでございます。
 13ページは、12ページにありますような廃棄物の性状に対しまして埋設施設を区分分けしたということで、ピットは全量ピットでございますけども、トレンチに関しましては、安定5品と言われるコンクリート、金属に関しましては、安定型の埋設施設、さらに、ドラム缶に詰めたような廃棄体につきましては、付加機能型と呼んでおりますけれども、遮水機能を持たせたトレンチ施設に処分をするということを想定したものでございます。
 14ページ、15ページでございます。先ほど言いましたように、大体埋設施設、機構で実は15万本ほど増加になりましたので、それの反映が必要だということになっております。14ページは現行の埋設施設のイメージでございまして、ピットが18基ということで、トレンチは18基、基数自体は先ほど言ったとおりでございます。この中で、付加機能型と安定型を配置したというものでございます。
 これに対しまして、15ページでございます。ピット施設に関しましては、現行の計画と同じ基数でおさまるという結果になっておりますが、トレンチがかなり増えましたので、付加機能型トレンチのところに書いておりますように、付加機能型というところが結構量が増えましたので、トレンチの長さ方向をさらに再検討いたしまして、ある程度大きさを変えたといったところと、なるべくきっちり、もともとの施設の敷地内におさまるということを想定いたしまして、さらにこれまでの技術的な検討を踏まえまして、従来3段積みだったんですが、耐埋設荷重等検討いたしましたら、十分可能ということで4段積みに変更いたしまして、施設の基数は変更せずに、全体の敷地面積も現状の計画でおさまるという検討結果を踏まえまして、ここの15ページにあるような施設の配置に見直したものでございます。
 次でございます。16ページでございます。規制制度の進展に伴う事業計画の変更ということで、第二種廃棄物埋設事業規則におきましては、覆土終了後のいわゆる閉鎖後の管理に関しまして規制の変更があったものでございます。トレンチとピットと記載ございますけども、閉鎖後におきまして、従来は掘削等の制約という、茶色の線で書いておりますけども、いわゆる埋設して掘らなければいいという規制だけだったんですが、下のほうに記載がございますように、閉鎖後管理期間中も地下水位とか地下水中の放射性物質の濃度の監視を行うということで、これは管理期間のいわゆる300年間ずっと継続が必要になってくるということと、あと、10年ごとの定期安全レビューが義務づけられましたので、こういったことに関しましても事業計画に反映するといったことを想定したものでございます。
 次の17ページでございますけど、従来の廃棄体物量と埋設施設規模の変更、さらにこういった規制への対応ということで、総事業費用を見直したものでございます。付加機能型トレンチ埋設施設の建設費とか、操業費とか、当然大きさも物量も変わりましたので、こういったものが反映するということで、さっきございました閉鎖後管理の関係する費用といったことで、人件費とかを含めて見直しを図ったものでございます。あとは消費税とかも変更したものでございます。
 18ページでございます。これはご参考程度になんですけども、あと、ピットとトレンチと同一の敷地内に配置いたしますので、一部共通施設がございます。こういったことに対しましては、ピット分、トレンチ分に、物量とか、それぞれ埋設施設の面積とか、こういった種々いろんな要因を考慮いたしまして、そういった配分比率を見直したものでございます。
 こういったことを踏まえまして、19ページでございますけども、全体費用をさらに見直したものでございます。建設費、操業費とか人件費、こういった費用に分かれております。
 現行の実施計画、トータルでいいますと2,029億円でございますが、今回の見直した結果ですと、214億円、大体1割程度の増になっておりまして、合計で2,243億円といったところでございます。ちょっと記載ございませんが、廃棄体物量、施設の規模の変更に伴いまして59億円ほど、あと、閉鎖後管理に伴いまして約133億円、あと、消費税率の変更に伴いまして約23億円増加になっておりまして、先ほど言いました214億円の増加という結果になっております。これは、下のほうにちょっと注釈入れておりますけども、埋設処分事業費自体は200億ぐらい増えた結果になっておりますが、先ほど、この議題の前にありましたロードマップ等におきましては、トレンチ処分対象の廃棄物の処理に関する費用といたしまして、今回の処理方法の見直しにおきまして、少なくとも1,000億円程度の処理費の減額を見越しておりまして、機構といたしましては全体のバックエンド費用の低減に努めているといったところでございます。
 20ページでございます。こういったことを踏まえまして、埋設事業費の年度展開等を記載したものでございます。ちょっともう時間が大分過ぎておりますので、細かいところは省略させていただきまして、下の黒字と青字のところで、こういった費用から単価を出しております。左側が現行の単価でございまして、ピットで63.6万円、トレンチで16.9万円で、遮水工をつけました付加機能型で21.4万円というところなんですが、今回、物量とか処理の費用の見直しを行った結果といたしまして、ピット処分で9,000円ほど上がった64.5万円と、トレンチ処分につきましては、これは下がる傾向にございまして15.3万円、あと、遮水シートを敷きました付加機能型で17.4万円と、4万円ほど低下するという結果になってございます。ただ、これは現行の見積もり結果でございまして、当然ながら今後も変わっていくということはございます。
 あと、21ページ、22ページでございます。こういったもろもろの調査とかで実際費用の積算結果を埋設の実施計画に反映するといったところでございます。具体的な反映内容につきましては、次の資料4-2のほうで説明させていただきたいと思います。
 お手元の4-2、左側が現実施計画で、右が変更案でございます。表は飛ばしまして、4ページ以降が修正箇所でございます。
 4ページの赤字で記載しているところ、左側ですけど、これまでは「余裕深度処分」という言い方をしていたんですが、二種埋規則のほうが「中深度処分」と変更になりましたので、こういった規制の名称の変更を反映したものとか、下のほうで、済いません、「平成」から元号がかわりましたので、そういったものを反映したものでございます。
 あと、5ページでございますけども、ここが先ほどございました廃棄体物量の見直しがございましたので、当該箇所の変更をしたといったところでございます。あと、5ページ、ちょっと下のほうで、なお書きのところ、赤字で右のほうになお書きで記載しています。「なお、基本方針策定時において令和30年度までに発生が見込まれていない放射性廃棄物に対しても確実な埋設処分に向けた措置が必要なる」ということで、廃棄体物量に関しましては、当時、平成60年度まで発生が見込まれるものということの基本方針で、正確には基本方針策定時において平成60年度までに発生が見込まれているものということが対象ということになっておりますけども、当然ながらそれ以降にも発生するような廃棄物が出てくることが確実でございますので、そういったことも今後さらに検討が必要だろうということで記載を追加させていただいたものでございます。
 あとは、10ページ、11ページでございます。10ページにつきましては、総費用、先ほどございました約214億円の変更ということと、それの大本の区間収支計画、資金計画を策定しておりましたので、ちょっと細かい話でございますが、こういった収支計画、資金計画も実際計算いたしまして反映させたといったところでございます。
 ご説明は、ちょっと長くなりましたが、以上でございます。
【出光主査】  ありがとうございました。それでは、ただいまの説明に対しまして、ご質問、あるいはコメント等ございましたら。
【葛西委員】  時間のない時に細かいことを伺って申し訳ないんですが、こちらの横の21ページのところなんですけれども、調査検討結果の実施計画への反映について、トレンチ処分の年間が8,000本から1万1,000本になっているのは、これは3段積みから4段積みになったからということでよろしいんでしょうか。
【坂本副センター長】  はい、基本的に絶対量はトレンチが増えておりますので。ちょっと説明を省かせていただきましたけれども、事業期間は50年間を想定しておりまして、その中でおさまる数量ということで年間受入数量を増やしております。ただ、先ほどもございましたように、施設自体の規模を増やして全部受け入れ可能だということを確認したものでございます。
【葛西委員】  施設の面積は増やさずに、3段積みから4段積みにすることで解消するという形になっていますが、トレンチの安全面は大丈夫なんでしょうか。
【坂本副センター長】  はい、その点も確認しております。説明は時間もありませんので省かせていただきましたけれども、25ページに、これまで3段積みを想定しておりましたけれども、ちょっと細かくて恐縮ですが、左側に耐埋設荷重の試験を、実際に試験を行いまして、そういったもっと大きく荷重がかかっても変形等がないということも確認しております。さらに、例えば覆土に対してどこまで耐えられるかといったシミュレーションとかも行っておりまして、安全性が大丈夫であると。放射能量自体はそう大きく変わっているわけではないので、そういった安全策も踏まえまして、大丈夫ということを確認しております。
【葛西委員】  ありがとうございます。
【出光主査】  よろしいでしょうか。じゃあ、井口先生。
【井口委員】  よろしいですか。井口です。二つ質問させてください。
 一つは、さっきの放射性廃棄物の量の、トレンチが増えてピット処分が減ったという、ページ数でいくと11ページですね。その①のところのトレンチ処分の量が増えるということで、基本的には、これ、ウラン廃棄物等の処分濃度の範囲というものを10㏃/gから100㏃/gにしたという、これは私もかねてから知っているんですけど、これ自体は規制側とのやりとりでまだ先行き不透明ですよね。そのときに、ざっと見ると、これ、1万本ぐらいがウランの見直しによる増減になるんでしょうか。
 要するに言いたいことは、まだ不確定なものをとり入れて本数を計算しちゃったときに、万が一というかね、何を言ってくるかわからないというところがあるので、万が一そこがうまくいかなかったときに、この見積もりがしくじるというか、当初から間違ってしまうということが起こらないかなという、ちょっとそういう懸念があるので、そのあたりはどのようにお考えかというのをちょっと確認したいと思います。
【坂本副センター長】  ウラン廃棄物は、ご存じのようになかなかまだ実際規制委員会でまだ議論されていないということでございます。ただ、一方、先ごろありました原子力学会とか、そういったところで、実際どういうふうにできるんだと、いろんなアイデアは議論させていただいたところでございます。そういった検討を踏まえまして、ウランに関しましては5万本ぐらい実は機構の中で、人形とか東海でも発生いたしますので、そういったことを踏まえますと、それぐらいトレンチのほうが増えているという結果になっております。
 規制のほうは確かにまだ議論されていないところではございますけども、例えばこれがどの程度ほんとうに実際決まるかわからないんですけども、埋設事業を今後進めるという観点から、かなり幅広くきっちりカバーできるところをしっかり見ておきたいなと。今までかなり保守的に抑えていたところもございますので、そういった観点で、なるべく積み残しがないようなところでカバーできるようにしたいと思っております。
 ご存じのように、学会とかでまとめたときの、これぐらいは濃度でだいたい97%ぐらいまでは十分カバーできるということで、あとは処理のやり方の関係とかできっちり処分できる、特に浅地中できるものはなるべくトレンチ処分できるようにという方針で今回まとめたものでございます。
【井口委員】  ですから余裕があるという、一応この数字は出ているけれども、その中に余裕が含まれているという考え方ですね。はい、わかりました。
 もう1点は、先ほどもご質問があったんですけど、今回、付加機能型のトレンチ処分施設というのが出てきたわけですが、これはあれですか、実際に埋設期間はトレンチは50年ですよね。そのときに、新規制基準だと、ずっといわば漏れ水というか、そういうものをモニターするということがあるわけですけど、従来の安定型のトレンチ処分に対して、この付加機能型というのをもっと増やしたほうが効率的になると思うんですが、そのあたりすみ分けているのは値段の問題ですか。ちょっと何か、多段積みが可能であるとおっしゃるんだったら、そのほうがはるかに合理的な処分施設になるんじゃないかと思ったんです。ちょっと考え方がよくわからなかったので、そのあたりについてもし何か追加説明があればお願いしたいと思います。
【坂本副センター長】  付加機能型につきましては、20ページに単価を書いておりますけども、当然ながらそういった遮水工を設置するかしないかでかなりのコスト的な違いが出てきます。そういった意味で、なるべく、やるほうとしては安定型で処分できれば、ほんとうはそちらのほうが全体が安くなるとは思っています。そうはいっても、廃棄体の性状等を勘案いたしまして、付加機能型も当然同時に必要だろうということでこういったものを設定したものでございます。
 あと、物量に関しましては、なるべく確かにたくさん段積みをどんどんすればいい、できれば確かに効率的ではございますけども、とはいっても、当然段数が高くなれば、安定性とか、覆土の安定性とかいうこともございますので、特に今のところ、トレンチですのでなるべく地下水位より上に設定して、と思いますと、段数を増やせば増やすほど、非常に高さが高いトレンチになってしまいますので、そういった意味ではあまりよろしくない面もございます。ですので、今のところ、安全性が確認できている4段積みで今回設計したといったものでございます。
【井口委員】  ということは、付加機能型というのは、地下水の層まで掘り下げて、そこに積み上げるという発想になっているんですか。何となく、どうせ50年間、地下水のそういう汚染状況をモニターしないといけないんだったら同じことじゃないかなと思ったんですけども、もともとそういう考え方、深さが違うということで区別されているということでしょうか。
【坂本副センター長】  15ページの右のほうに、小さくて恐縮なんですが、付加機能型の絵も描いてあります。水色で下のほうにちょっと線が1本下に引いてあるんですが、これが地下水位を想定しておりまして、地下水よりは上に設置いたしまして、処分場の中に地下水の侵入の条件はないと。水が入っていくのは、上から雨水、実際は側面の排水も出てきますので、浸透水という形で入ってくるものなので、なるべく抑えた部分ということで設置しているものでございます。
【井口委員】  ありがとうございます。
【出光主査】  ありがとうございます。ウラン廃棄物については、うちの大学からも出ておりますけど、九州大学が前例にならないことを願っておりますが。調査をされたときから随分廃棄物量が増えておりますので、汚染が検出されないものもウラン廃棄物に入っているという実態もございますから、そのあたりが前例にならなければいいなと思っております。
 ただ、うちの大学で出る量というのは、100本単位の増分なので、この全体の計画には大きくはかかわらないと思いますが、これが全体に同じように基準がかかってしまいますととんでもない量になってきますので、そのあたりはちょっと今後、何といいますか、闘うと言ってはあれですけども、議論して調整をしていく必要があるかと思います。合理的な処分をしていく必要があるかと思います。
 はい、どうぞ。
【古川委員】  協会の古川です。書きっぷりだけだと思うんですけれども、12ページと13ページなんですけども、この廃棄物の埋設する量をピットとトレンチと分けて、容器と材質と、まあ、機構さん以外ということで、雑固体とか、可燃物、難燃物ですか、という数字が出てきますよね。これって一体何なんですかというのと、その13ページと結びつかないんですよね。例えば雑固体という言葉を使っているんだけれども、こちらでは使っているところと使ってないところがあって、じゃあどういう廃棄物がこの円グラフの中の雑固体なんですかというのが次のページではわからない。
 これはビジュアルで非常に大事なところなので。やっぱり雑固体といったらみんな雑固体ですよと言えばそれまでなんだけど、ちょっとその辺を明確に、一般の方が見るときには、どういうものをどれだけの量入れるんだ、具体的にはどういう絵姿なんだというのを見せないと、やっぱりわかりにくくて。私が見ても、これ、両方にマッチするようなものもあるのかもしれないし。ちょっとその辺は違う視点でね、わかりやすくつくり直したほうがよろしいんじゃないかなと思いますけど。
【坂本副センター長】  ご意見ありがとうございます。12ページにございます金属とかコンクリートは、明確に発生時点ではっきりわかるものとか、解体とか、そういったもので明確に区別できているのは金属・コンクリートという形で記載しております。あと、それ以外の正直そういったところが分かれてないものとか、過去の廃棄物と一緒にされているものとかは、実は同じような性状でも雑固体に入っていたりと、そういったものもございます。以後なるべくわかりやすいような説明資料に変えていきたいと思います。
【出光主査】  よろしいでしょうか。はい、岡本委員。
【岡本委員】  ありがとうございます。出光主査が言われた、やっぱりウラン廃棄物は気になります。そういう意味では、このバックエンドロードマップのほうの積算のほうにはウラン廃棄物は積算しないと明記されていたりしまして、右に行ったり左に行ったりしている量はわかるんですけれども、全体の量が、まあ、再処理施設なんかはなかなかわからないというところがあるんですけれども、大変だと思うんですが、やはりある程度概算がないと、そのウラン廃棄物が10が100になったからということになっては、残りの100以上のやつはどのくらいあるんでしょうかということが見えてこない。
 あとは、L1については、減っているのは、まあ、いいと思うんですけれども、書かれているんですが、そういう意味では、やはり全体の廃棄物物量が、細かい数字は要らないですけれども、大体どの程度のものであって、その中で、今回はそのL2とL3についてしっかりまとめているんだと。何かそういう全体像がざくっとわかるようなものはやっぱりどこかにないのかなという気がいたしました。
【坂本副センター長】  本日の資料の参考資料にロードマップがついております。この中の23ページのほうに、処分区分ごとの埋設対象物量、これは機構のロードマップですので機構だけですけども、この中で、トレンチから地層処分対象まで一通り各拠点別の推移の記載がございます。今、岡本先生が言われた、全体的といますとこういった形のご提示かなと思います。
 今回、処分受け入れに反映していますのは、このトレンチとピット、物量だけは余裕深度も反映しておりますけども、こういった形で全体を見ていくといったところでございます。当然ながらトレンチ、ピットがかなりのところを占めておりまして、濃度が高いのはごく一部という形になっております。
【岡本委員】  確認ですけれども、そういう意味では、先ほど、ウランの部分がトレンチ側に動いてきたというのは、この中の地層処分対象、まあ、TRUと言っていたところの中の、ここに字が見えないんですが、極めて濃度の低い部分が動いてきた、そういう理解ということでよろしいのでしょうか。
【坂本副センター長】  主には、人形峠のところ、あそこはほとんどウランですので、そこの処分区分を変えますと、特に今のところ、ウランの廃棄処分ではピット処分はみておりませんので、そこはトレンチのほうにかなり回っていると。ただ、その際に対しまして、処理方法とかの見直しも行いまして、物量を再度評価したという結果でございます。
【岡本委員】  ありがとうございます。
 あとついでに。先ほど質問したところが、処分場を令和3年に用地取得と書いてあります。これがちょっとすごいなと思って。20ページですけれども。ここはまだあくまで予定ですか。
【坂本副センター長】  はい、これはもとになりましたのは、先ほど説明した4-1の資料の一番最後に、34ページに事業工程ということで全体の工事を示させていただいております。これは、前回の研廃作業部会でこの工程を出させていただいたものでございます。この中で、一応令和3年度までに用地を取得して、それ以降、具体的な事業に入るということで工程を引かさせていただいておりまして、一応これに基づいて費用の展開をつくっているものでございます。これが実現できるように、種々、立地も含めて対応を今進めていこうとしているところでございます。
【岡本委員】  ありがとうございます。期待しております。
【出光主査】  ありがとうございました。ほかございますでしょうか。
 なければ次に進みたいと思いますが、これ、今後のスケジュールにつきまして、事務局のほうからお願いします。
【廣瀬原子力課長補佐】  ありがとうございます。
 実施計画案につきましては、本作業部会の本日のご議論を踏まえまして、原子力機構から国に対しまして変更申請が行われる予定でございます。申請後につきましては、文科省及び経産省で手続をさせていただいた後、認可を行う予定となっております。
 以上です。
【出光主査】  ありがとうございます。
 それでは、かなり時間を押しておりますが、5番目の議題のほうに移ります。原子力バックエンド作業部会における今後の議題と考えられる事項についてということで、事務局のほうからご説明をお願いいたします。
【有林放射性廃棄物企画室長】  すみません、時間がかなり押しておりますので、簡単にご説明させていただきたいと思います。冒頭申し上げさせていただきましたように、この二つの作業部会を統合させていただきまして、基本的にはおのおの行っていた作業部会の議論を引き継ぐ形と考えておりますけれども、それ以外に考慮すべき要件としまして幾つか考えられるのではないかということで、ちょっと事務局からの提案でございます。
 一つは、廃止措置の作業部会のほうで昨年4月におまとめいただきました中間取りまとめ、ここではこちらにございますようなさまざまな事業管理・マネジメントの観点や、また、財務管理の観点から、短期的・長期的な視点でさまざまなご提案をさせていただいておりますので、これにつきまして追々機構のほうから、どのような対応をしてきたのか、まさに今日ございましたバックエンドロードマップや統括本部などはこのうちの対応の一つでございますけれども、それ以外の点も含めまして、どのようなこれまで検討をしてきたのかというところを今後機構のほうから随時ご説明をさせていただき、また、先生方にご議論をいただければと考えております。
 また、それ以外に、合理的な処理・処分に向けたJAEAの取組方針でございますが、こちらは規制庁との関係で、先ほど廃棄物自体をどのように合理的に処分するかというところで、年末に向けましてさまざまな議論を行っているところですけれども、そのような議論も原子力機構と規制庁だけではなく、まさに第三者の有識者の方々のご意見も含めながらの対応をしていきたいと考えておりますので、こちらのほうにつきましても、規制庁との進捗を見ながら、先生方のほうに原子力機構の考え方をご説明させていただきながら、適宜ご意見をいただければと思っております。
 また、それ以外に、最後、本日事務局からご説明させていただきましたIAEAのレビューにつきまして、今後約半年ぐらいでいうような話がございましたけれども、その結果を踏まえまして、今日も委員のほうから、国内の議論と海外の議論ということがございましたけれども、こういった海外のレビューが出てきた後も、それで終わりではなくて、やはり国内の考え方と国際的な考え方をいかにすり合わせていくのかというところも重要だと思いますので、そういったところにつきましても、国内、国際両方を含めまして、この場においていろいろとご検討いただければと考えております。
 また、今日いろいろ議論をいただきました中で、何人かの先生方からご意見をいただきました処分地のほうにつきまして、先ほども資料の中で令和3年というようなご指摘もございましたけれども、これはちょっと過去の前提に立ってございますので、最新の、機構の中におきましてどのような取り組みをこれまで行ってきているのか、また、今後どのように行うのかというところにつきましても、今日いただきました種々のコメント等も含めまして、今後の作業部会のほうで議論をさせていただくというような方向で事務局としても検討させていただきたいと思っております。
 また詳細につきましては、先生方からのこの後の議論、意見交換も踏まえまして対応させていただきたいと思っておりますけれども、取り急ぎ事務局からの説明は以上でございます。
【出光主査】  ありがとうございました。ということで、資料5に一応案という形で書いてございますが、それ以外に、これは考えなきゃいけない、議論しなきゃいけないということがございましたらお願いいたします。
【児玉委員】  すみません、今後議題と考えられる事項ということで、本件、廃止措置ということを事業観点から見た場合、まさに今ある施設を廃止していくという意味では、わりと予測可能性が高い、そこだけを見れば予測可能性は高いんですけれども、一方で、その処分地も含めたリスクといいますか、予測不可能、不能なところとか、我々がコントロールできないところというのはかなりあると思います。そこら辺が私ども民間人にとって、処分地以外にどういった要素があるのか、技術的にどうとか、そういったところをちょっと明らかにした上で本件を議論したほうがいいのかなと思っております。
【出光主査】  児玉委員ありがとうございました。具体的にはどのような形をとればいいかというのは何かアイデアはございますか。
【児玉委員】  そうですね、民間企業ですと、リスクマップ、どういったことがリスクとして考えられるのかということを、事業計画をつくるに当たっては当然洗い出した上で、それの発現可能性とか重要度とかをプロットした上で、それを事業計画に反映する反映しないみたいなことを考えるわけですけれども、本件においてもそのような手法がとれるのかなと思っています。
【出光主査】  1Fの廃炉にあるようなリスクマップのような、ああいうイメージということですか。そこまではいかない?あれはほんとうのリスクですよね。財務上のリスク?
【児玉委員】  まあ、財務なのか、要するに何か例えばこれを、今収支計画なるものを一応つくられていると思うんですけれども、それに大きく、何ですか、変えなければならないような要素というのは何なのかというので、今議論になっている処分地の問題以外にどういったことがあるのかということは、ちょっと皆さんと私ども原子力の外の人間にとっては、ちょっと前提がひょっとしたら違うかもしれないと思っていまして、そこら辺の共通理解をしたいなと思っているんですけど。
【出光主査】  そういう意味で、技術的なリスクもありますけれども、経済的リスク、社会リスク、そういったものも含めて、どういったものがありそうだと、そういったものをまとめたほうがいいんじゃないかということですか。
【児玉委員】  はい。
【出光主査】  はい、ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。はい、どうぞ。
【渥美委員】  いただいた資料の中の財務管理の観点というところの項目の中に入っているんですけれども、柔軟なファイナンスとか予算の弾力性確保のあり方というのが長期的視点というところに入っているんですけれども、これってやっぱり国の予算の単年度でやっていることによる非常に非合理的なところがあるというのはわかっているというところもあるので、国のルールを変えるというのは難しいので、実際にやるのは長期的な視点になるのかもしれないんですけれども、やはり悪さ加減として、こんなに財務的に悪い影響があるんだというのは短期的な視点で検討したほうが、早い段階で改正できていいんじゃないかなと思います。
【有林放射性廃棄物企画室長】  ご指摘ありがとうございます。確かに、こちらの中間取りまとめをいただく際に、単年度会計によってさまざまな幾つかの弊害が出ていますというようなご指摘をいただいておりますので、そこにつきましては機構のほうでも今まさに複数年契約などの取り組みも中で行っておりますので、そこのあたりの機構における、中間取りまとめが出た後の対応状況というところであわせて、まさに長期的というのではなく、長期的な中でも短期的に取り組んでいるものということで今後ご説明をさせていただく機会を設けさせていただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
【渥美委員】  よろしくお願いします。
【出光主査】  渥美委員ありがとうございました。
 ほかございますでしょうか。よろしいでしょうか。また何かありましたら、事務局のほうに連絡いただければ、検討に加えさせていただきたいと思います。
 それでは、時間を超過しておりますので、これで5番目の議題については終わらせていただきたいと思います。今後、今回の議論も踏まえまして、今後の計画についてまとめていきたいと思います。
 本日予定していた議事としては以上でございますが、その他何かございますでしょうか。なければ事務局のほうにお返しいたします。長時間ありがとうございました。
【廣瀬原子力課長補佐】  ありがとうございます。そうしましたら、事務局からの連絡事項についてお知らせします。次回の部会の日程等につきましては、日程調整の上、また改めて事務局よりご連絡をさせていただきたいと思います。また、本日の議事録につきましては、でき上がり次第、メールにてご確認いただき、ホームページに掲載させていただきたいと考えてございます。
 以上でございます。
【出光主査】  本日はありがとうございました。


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研究開発局原子力課放射性廃棄物企画室

(研究開発局原子力課放射性廃棄物企画室)