航空科学技術委員会 研究開発ビジョン検討作業部会(第4回) 議事録

1.日時

令和元年10月1日(火曜日) 15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省 18階 研究開発局会議室1

3.議題

  1. 研究開発ビジョンの検討について
  2. その他

4.出席者

委員

科学技術・学術審議会臨時委員  李家 賢一【主査】
科学技術・学術審議会専門委員  佐藤 哲也
科学技術・学術審議会専門委員  武市 昇
科学技術・学術審議会専門委員  戸井 康弘
科学技術・学術審議会専門委員  和田 雅子

文部科学省

研究開発局宇宙開発利用課長  藤吉 尚之
研究開発局宇宙開発利用課宇宙連携協力推進室長  平田 容章
研究開発局宇宙開発利用課課長補佐  宮川 毅也

オブザーバー

国土交通省
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)

5.議事録

1.開会

【宮川課長補佐】  では、すみません、ちょっと定刻より早いですけれども、委員の皆様方お揃いでございますので、ただいまから科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 航空科学技術委員会 研究開発ビジョン検討作業部会(第4回)を開会いたします。
 本日は、お忙しい中お集まりいただきありがとうございます。私は、事務局を務めさせていただく宇宙開発利用課の宮川と申します。
 作業部会開始に当たり、本日は、研究開発ビジョン検討作業部会の委員5名全員にご出席いただいており、定足数である過半数を満たしていることをご報告いたします。
 続いて、本日の出席者でございますが、個別のご紹介はお手持ちの座席表をもって代えさせていただきます。
 続いて、資料の確認でございます。今回もペーパーレスで行わせていただきます。
 配付資料については、紙でもお配りしている議事次第に記載の配付資料一覧のとおりでございます。これらの全ての資料はタブレットPCでごらんいただけるようになっております。タブレットPCに不具合が生じた場合や操作方法が不明な場合は、事務局に適宜お申しつけいただければと思います。
 ただし、議事次第、資料4-1-3及び4-1-4については紙でもお配りしております。また、資料4-1-3につきましては比較のため第3回作業部会での資料についても右上にそれがわかるようにしてつけさせていただいております。
 また、机上配付資料として、座席表、紙ファイルの参考資料集を配付させていただいております。資料の不足等がございましたら事務局までお知らせください。
 それでは、以後の議事に関しましては李家主査にお願いいたします。

2.議事

(1)研究開発ビジョンの検討について
【李家主査】  季節外れの暑い中にお集まりいただきまして、ありがとうございます。では、第4回の作業部会を始めさせていただきます。
 まず、議題(1)研究開発ビジョンの検討についてということで始めたいと思います。
 本日は中間とりまとめ案をまとめるまでの最後の作業部会の予定となっておりますが、事務局では前回の作業部会での議論を踏まえて研究開発ビジョン中間とりまとめの概要(素案)それから本文の案を修正していただいております。
 それではまず、事務局から資料の説明をしていただいて、その後に議論に移りたいと思います。
 では、ご説明をお願いいたします。

【宮川課長補佐】  資料4-1-1から4-1-4に基づきご説明したいと思います。
 最初にスケジュールの復習でございます。資料4-1-1をご覧ください。
 一番左の研究開発ビジョン検討作業部会の黄色の大きな矢印でございますが、第1回作業部会から第62回の委員会を経て、第2回、第3回と議論を進めてまいりまして、本日は第4回の作業部会となっております。今回につきましては先ほど李家主査からもございましたとおりこれまでの議論を踏まえ、10月24日の第63回委員会に提出する中間とりまとめの最終案を改めてご議論いただこうということを考えております。
 また、前回ご説明した内容と重なるところでございますが、この航空科学技術委員会において研究開発ビジョンの中間とりまとめを作成したら、文部科学省全体として基本計画の検討を行っている真ん中の矢印の科学技術・学術審議会の総合政策特別委員会のほうにご報告させていただく段取りとさせていただこうと思っております。
 続きまして、資料4-1-2でございます。本資料はこれまで第3回の作業部会までにお出しさせていただいた形式と同様に、前回、第3回までに出された各委員からのご意見の整理ということで記載しております。
 毎度のことでございますが、直近の作業部会、今回で言いますと第3回作業部会でのご意見を赤字で印しております。1ページに1カ所、2ページ目に2カ所、4ページ目に1カ所ということで記載しております。これにつきましては、後ほど資料の修正とあわせてご説明させていただきたいと思います。
 続いて、資料4-1-3でございます。よろしければお手元の資料と右肩に前回資料ということで書かせていただいたところも適宜参照しながら聞いていただければと思います。
 前回の作業部会ではさまざまなご意見をいただいたところでございますが、これに基づいて資料の修正をしております。大きなところを申し上げますと、まず資料の一番下のデザイン・シナリオの実現方策を支えるシステム改革というところにつきましては、記載内容を絞るとともに量を圧縮して上を強調すべきというご意見を踏まえて修正をさせていただいております。なので、内容としましては基本的には前回のものから引き算をしたものとなっています。1カ所、研究環境の改革のところで「飛行実証用航空機」の文言は前回のご議論を踏まえて入れさせていただいているところでございます。
 そして、上の二つの階層、未来社会デザイン・シナリオとデザイン・シナリオを実現する研究開発基盤技術整備の方向性につきましては、まずはフォントを大きくして見やすくしています。
 それと、一番上の未来社会デザイン・シナリオについては、「持続可能性と利便性を両立」や「人間中心の交通ネットワークの実現」というキーワードを盛り込ませていただくとともに、左側の既存形態のほうでは「航空機電動化」あるいは「超音速旅客機」、右側の次世代モビリティ・システムによる更なる空の利用につきましては「ドローン」あるいは「空飛ぶクルマ」といった具体的な航空機の形態について盛り込んでいます。その分、多少文言として例示の部分については削らせていただく部分もございます。
 真ん中のデザイン・シナリオを実現する研究開発基盤技術整備の方向性につきましては、基本的には字を大きくしてキーワードを入れたところでございます。
 優位技術を考慮した研究開発戦略につきましては、一つの目の項目では「次世代の航空機・運航技術・基盤技術」という具体的な項目と、その施策への対応ということで「関係行政」という文言を入れております。
 また、二つ目の項目については「関係機関との連携」という文言を入れております。真ん中の革新技術創出に向けた異分野連携については、一番上の項目のほうで「航空機電動化」、「空飛ぶクルマ」というキーワードを追加しております。
 また、右側の出口を見据えた産業界との連携というところは、技術移転先の中の例示の中に「施策」ということで国交省をはじめとする関係行政の施策を読めるようにしたというところでございます。
 最後に、現状のところは基本的には内容は変えておりませんが、三つ目の丸のところに「リスクの高い」というところが単独で出てくるところは、ご意見を前回の作業部会で頂いた民間企業等にはリスクが高いということであろうというご意見を踏まえ、そこの文言の変更だけさせていただいています。
 といった概要のもと、本文もこれと同様の観点で修正をしております。
 資料4-1-4に移らせていただきます。
 前回と形式は同じでございまして、前回の第3回作業部会から追加している部分については赤字、削除している部分についてはグレーの取り消し線となっております。このうち具体的な大きな内容に関するものについては黄色のマーカーを引いております。逆に言いますと、黄色のマーカーが引かれていないものは単純な文言の修正といったものとなっております。
 最初から追って説明させていただきますと、まず、目次につきましては「4.4大学改革」とされていたところは、これは大学に限らないというご指摘に基づいて「研究開発実施組織の改革」と修正しております。
 めくっていただきまして、1.はじめについては、修正はございません。
 2ポツに移っていただきますとめくっていただいた3ページ目についてはシステムインテグレーションの記述がございますが、文言を適切なものにすべきというご意見を踏まえ「実績を重ねる機会が少ないと言える」という文言とさせていただいております。また、以下同様のところが出てきます。
 3ページの下の「また」のところについても同様の観点で修正をしています。
 4ページの部分でございますが、これは3ページの一番下から航空科学技術行政に役割が期待されている部分で四つ挙げているところでございますが、丸1のタイトルは先ほどの1枚目の概要と同様に「リスクの高い」のところは具体的に「民間企業が取り組むには」という文言を追加しています。
 丸3の産学官の連携や国際連携におけるリーダーシップの項目においても「実績を積み重ねる機会が少なかった」という文言に修正しています。
 続いて、3.航空科学技術分野における未来社会デザイン・シナリオの実現方策でございますが、まずは5ページの3.1未来社会デザインとシナリオでございます。5ページの最初の「地球温暖化に伴う気候変動による」という段落は、もともと六、七行上のところにあった内容で、全体に係る内容でございます。一段落目がどちらかというと既存形態の航空機を念頭に置いた記載、2段落目は次世代モビリティ・システムを念頭に置いた記載でございますので、両方に係るこの位置に変えたほうがいいということだと思われます。表現上の問題でございますが修正しております。
 続いて、その下の「さらには」のパラグラフにおける「持続可能な人間中心の交通ネットワークの実現が求められる」は、パワーポイントの資料の記載に合わせてキーワードを挿入したものでございます。
 5ページ目の丸1既存形態での航空輸送・航空機利用の発展の項目でございますが、下ほどの「しかしながら」の文章については、地球課題の問題ということでキーワード絡みの記述を追加しています。
 続いて、6ページでございますが、6ページの中ほどに「航空機の電動化技術をはじめとする省エネ(脱炭素化)」というキーワードを挿入させていただいたものでございます。
 続いて、丸2次世代モビリティ・システムによる更なる空の利用でございますが、こちらについても黄色で書いている「空の産業革命に向けたロードマップにおいて」あるいは「空の移動革命に向けたロードマップにおいて」ということで国の施策とも絡むというところを追加させていただいています。
 また、「こうしたシステムが」の次でございますが、「持続可能な人間中心の交通ネットワークの実現とともに」というキーワードを挿入しております。
 一番下でございますが、「電機産業・自動車産業をはじめとする」という文言を、前回の作業部会でいただいた具体的な連携する分野を記載すべきというご意見に基づいて追加しているところでございます。
 7ページの3.2デザイン・シナリオを実現する研究開発、基盤技術整備の方向性でございます。「航空以外の分野の技術やデジタル技術とデータ活用に関する技術等とも積極的に融合を図りながら」ということで、全体のここの内容はもともと「必要に応じて」というような形で書いておりましたが、文章全体での整合を図る形で表現を統一させていただいたところでございます。
 また、その下の「システムインテグレーション技術」についてはこれまでご説明した修正点と同じ観点で修正しています。
 その下の丸1我が国の優位技術を考慮した研究開発戦略でございますが、そこの下ほどの「さらに」から始まる2文を追加させていただいているのは、先日の日本航空宇宙学会の発表等を基に、航空の運航に関する技術の記載というのが少ないところでございましたので追加させていただいています。
 続いて、8ページでございますが、丸2革新技術の創出に向けた異分野連携の修正点は、7ページの一番上の黄色のマーカーの部分と同様の観点で修正したところでございます。
 続いて、9ページ、丸3出口を見据えた産業界との連携の項目になりますが、一番上のマーカーの部分はパワーポイントの資料でもあったように「国の施策への貢献」を追加させていただいたところと、あとはその下の「これまで」というところはシステムインテグレーションに関する表現の見直しの記述でございます。
 9ページの中ほど以降が4.実現方策を支えるシステム改革の内容になります。4.1研究人材の改革でございますが、マーカーを引いた部分の修正は、前回の作業部会で理系以外のバックグラウンドの持つ人材にも目を向けるというか、マーケティングとかいった観点も読めるようにというようなご指摘を反映したものでございます。これによって完全な技術者のど真ん中ではなく、もうちょっと幅広く取り扱えるようにということを念頭に置いて書かせていただきました。
 また、10ページでございますが、「具体的」の記載についてそれ以降の記載内容が全てではないのではないかというご尤もなご指摘を頂きましたので、あくまで一例としてという意味となるよう、「具体例として」という書き出しにするとともに、「大学進学前の学生や文系を含む航空関係の専攻でない学生等」ということで対象を少し広く読めるような記載の追加をさせていただきました。
 続いて、4.2研究資金の改革でございますが、こちらはパワーポイントの資料等でも出させていただいた「ハイリスク」の明確化をさせていただいたところと、これも前回の作業部会で指摘いただいたところでございますが「研究開発の初期段階からの民間企業など技術移転先となりうる相手方との密接なコミュニケーションを図り、研究開発課題の取捨選択を含む出口を見据えた研究開発戦略を立て」という文言を追加しております。
 また、その下は「具体的には」を「具体例」としたという4.1の修正と同様の観点でございます。
 10ページの一番下の4.3研究環境の改革については、11ページの一番上の修正についてはシステムインテグレーションに関する表現の見直しです。
 あとはその下が「今後の我が国の航空機産業における旅客機事業を含む産業界や学術界の多様なニーズに対応できるよう」ということで、前回ご指摘をいただいた大型の旅客機の観点も含めJAXAあるいはその他で日本国として必要な施設整備をしていくということを意図して追加させていただいたところでございます。
 4.4につきまして、タイトルは冒頭にご説明したとおりでございます。
 一番下の「加えて」の部分は4.3の一番下のパラグラフを移動させたものでございまして、これは前回のご指摘に基づいて場所としては施設を中心とした環境よりは、こちらのほうがよろしいのではないかというご意見に基づいて修正させていただいたものでございます。
 最後、5.おわりにでございますが、めくっていただいて最後のページの12ページになります。もともとの記載が目次を並べることを基本とした記載でしたが、その前に背景的な内容を、キーワードを盛り込んだ形で修正するようご意見がございましたところ、この5行ほどを追加させていただくとともに「超音速旅客機や電動航空機」、「無人航空機やいわゆる空飛ぶクルマ」という文言をその下の文章に追加したところでございます。
 最後は4.4のタイトルの見直しも踏まえて「大学改革」を「研究開発実施組織の改革」と修正させていただいたところでございます。
 以上の内容について前回の第3回作業部会から修正させていたただきました。
 事務局からの説明は以上でございます。

【李家主査】  どうもありがとうございます。
 今後の日程を今日の参考資料とかを使ってコメントをいただくようなことはないですか。総政特での流れとかは。

【宮川課長補佐】  わかりました。総合政策特別委員会については、参考資料の1と2をご覧いただけますでしょうか。参考資料1が総合政策特別委員会の中間とりまとめの現時点案、参考資料2がその概要となっております。
 総合政策特別委員会につきましては、我々の検討の内容でいきますとデザイン・シナリオの実現方策を支えるシステム改革に相当する、文部科学省としてシステム改革をどう全体で推し進めていくかというところを中心に議論をしているところでございます。中間とりまとめはこの段階ではそこを取りまとめたものとなっています。資料4-1-1に戻っていただきたいのですが、10月に各分野別の部会や委員会からの報告をもとに各内容の更なる記載を考えているところでございます。具体的な内容は参考資料の2ご覧頂くのがよろしいかと思います。現状認識としてはデジタル革命による知識集約型の社会への大転換(モノからコトへ)が加速して、そういった社会全体がパラダイムシフトしていくこと。それによって競争力の源泉が「資本」から「知」や「情報・データ」に移行していくだろうというのと、そういった社会を実現するために知識集約型の価値創造システムの構築をしていこうというふうに考えられるということで、それを成していくためには「society5.0の実現に向けて」の四角の中の下の二つの大きな項目で「我が国の社会課題の解決と社会の持続的発展への貢献」というものと「人間中心のインクルーシブ社会の実現」という二つを大きな柱として打ち立てるということです。これらの柱は、資料4-1-3をこれまで修正してくるに当たって念頭に置いてきた内容でございます。それに応じてシステム改革の観点からは矢印の下の「早急に求められる科学技術イノベーションへの集中投資とシステム改革」であったり、あるいはその下の「科学技術イノベーションシステムの目指すべき方向性」ということで各課題をブレイクダウンして書いているところでございます。「「知」の創造大国ニッポンへ」、「大学・国研は新たな価値創造の原動力に」、「多様な「知」を育み、出る杭を伸ばす社会へ」、「データ・AI駆動の研究革命」、最後に「挑戦する行政へ」という今の5項目をそれぞれ章立てして文章として書いているのがこの参考資料1となっています。
 それで、下のアスタリスクで「我が国の強みを生かした研究開発戦略の構築、科学技術と社会の関係性の在り方等について引き続き議論」とありますが、それが先ほど私が申し上げた各分野別の委員会や部会の結果をもとにさらに年度末に向けて総合政策特別委員会において検討する内容というのがまさにこれに該当するというところでございます。事務局としましても本日あるいは10月24日の航空科学技術委員会においてまとめた内容をもって、総合政策特別委員会の事務局とも調整を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

【李家主査】  どうもありがとうございました。
 今のご説明にあったようにモノからコトへの転換とか、パラダイムシフトとか、価値の創造とかいったものが上位の委員会で与えられて、それに対して航空科学技術分野でどう対応できるかということで今まで議論させていただいたと理解しております。
 その結果として資料4-1-3の真ん中あたりに赤字で書いていただいた二つのキーワードを、これも先ほどの総政特の資料と対照させていただくと、航空としてどういったことができるのかというそのような観点で整理できたのかなと思います。
 では、今までの3回の委員会後、いろいろと修正をいただきましたので、今日は残りの時間これらの資料に関して中間とりまとめの概要と本文の素案についてご意見をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず私から、細かいことですけども、資料4-1-3の概要にピラミッドの絵があって、上の方の赤いところのさらに頂点のところに「共存」と書いていただいているのですが、これはぱっと見ると気づかないようです。多分二つの赤い左右のものが共存するということを指しており、ここの矢印は結構重要な矢印かもしれないので、何か良い示し方はありませんかね。ほんとうにスペースがないところで作成していただくのは大変なのですが。

【宮川課長補佐】  パワーポイントに関する見せ方の作業になるかと思います。まさにこれまでの作業でもこれらが独立して起こるのではなく、共存してお互いに影響しながら進めていくのではないかというご意見も頂戴し、重要な観点というところは事務局も承知しておりますので、そこがはっきり見えるように検討させていただきたいと思います。

【李家主査】  お願いいたします。
 ほか……。

【和田委員】  先生と同じで、概要というか、この図の部分で先ほど少しお話しさせていただいたんですが、下のこのデザインシナリオ、このピラミッドの色が三つに分かれているんですけれども、この一番下がほとんど色が見えないので、ぱっと見るとピラミッドという意識がわからないので、ちょっとここは直していただいきたいなと思いました。

【李家主査】  はい、ありがとうございました。

【武市委員】  同じ資料でその流れでお伝えしますけど、ピラミッドの赤いところの左側です。「既存形態の航空機による」というところなんですけれども、前回の資料との差分でいくと「より正確に」とか「より安く」というわりと重要なキーワードが削られています。航空機の運航とかを考えると「より正確に」とか、「より安く」というより「より無駄なく」という表現をするんですけど、「より正確に」とか「より無駄なく」というキーワードはわりと重要なので残していただきたいと思います。
 逆に、この資料自体はビジョンを示す、例えば「脱炭素化」とか「低環境負荷」といったビジョンを示すところなので、具体例は後回しでもいいという感じもするので、「航空機電動化」とか「超音速」とかは絵が出ているので、そちらの言葉を削ってでも「より正確に」とか、「より無駄なく」とかいうキーフレーズはぜひ残していただきたいです。

【宮川課長補佐】  わかりました。

【武市委員】  あと、たしか前の資料では2ポツ目が社会要求で、下がユーザーニーズという区分けでしたよね。上の社会要求は残っていますけど、下がユーザーの乗客側のニーズとエアライン側のニーズと両方を含めてユーザーニーズですよという言葉もあったほうが、残っていたほうが読み手にとってはわかりやすいと思います。また、「より安く」という表現が本文のどこかにありましたよね。

【宮川課長補佐】  本文には四つです。「正確に」と「速く・快適に」を等というふうにまとめさせていただいたところだと思います。

【武市委員】  6ページの一番上に「より安く」というのがありますけど、ここも「より無駄なく」という表現のほうがしっくりくると思います。

【宮川課長補佐】  わかりました。

【佐藤委員】  すみません。2回休んでしまい、ここをあまり見ていなくて大変恐縮なんですけど。質問としましては4-1-3の左上のピラミッドの一番上側ですが、1番目に対して2番目と3番目というのは、1番目の内容を二つに分けているようなイメージに見えます。それぞれ並列で三つ項目が並んでいますが、1番目がその下二つを含んでいると考えてよろしいんですかね。

【宮川課長補佐】  1番目はどちらかというと背景事情というか、こういう環境になっているであろうということを書かせていただいて、そういう環境のもと先ほど武市先生からもあったように一般論の社会要求とユーザーのニーズにどう対応していくのかというのを下の二つで書かせていただいたという意図でございます。

【佐藤委員】  そのときに、一番目も「・・・への対応」と書かれていて、3つとも全て「・・・への対応」となっているので、私は初めて見たときに、何か三つの切り口があるように感じました。
 それからあと、個別ニーズというところで、「より速く」とか「より快適に」というのが本当に個別ニーズなのか、と思いました。ユーザーニーズと個別ニーズで何が違うのかというのもあるのですが。さらに、全体的に空飛ぶクルマとか、電動化とかのキーワードがかなり強く見えていて、それ以外の何か新しいところを創出するような話とか基盤的な話とかがどこに見えるのか、ここには入れないでいいのかというところがちょっと疑問だったんですけど。その次を考えるようなことを、この中に入れる必要はないのか、というのをちょっと感じました。

【宮川課長補佐】  3点ご指摘をいただいたと思いますが、1点目のところは前回の資料だと「深刻化」というところで止めていたので、もとに戻すような形にしたほうが趣旨に合うのかなと思いました。修正しておいてあれなんですけれども。
 次に、個別のニーズのところでございますが、例えば「より速く」の例として超音速が挙げられると思います。仮に実現をすると今のビジネスクラスの料金やそれより高いような料金になりますが、一方でリーズナブルに今までと変わらなくてもいい速さで行けばいいという考えの方もいらっしゃるということです。ユーザーニーズと個別ニーズはもともとあまり区別をせず、文字数の関係で個別と書いてしまったところです。必ずしも全員が速くを望んでいないとかいう意味で個別と書かせていただきました。上の安全性、環境適合性というのは、安全は墜落してもいいという方は多分一人もいらっしゃらないのと環境問題は世界全体の問題になってきているので、そこは社会全体の問題という意味で社会要求と書かせていただいたところでございます。
 最後にキーワードで、電動化や空飛ぶクルマやらというところ以外については、まさに先生がおっしゃるとおりこれで終わるというわけではなく、今後も新たなものを創出していくべきだとは考えております。ただ一方でこれから考えていくところで、まだ出てきてないところなので、例えば黄色のところの革新技術創出に向けた異分野連携のところでは「電動化や空飛ぶクルマ等」ということで、今後出てくるものはそこの「等」のところで読むとともにそうする装置のために電機産業や情報産業等との協働やさらなる産学官の連携体制を構築するということで、今まだ見えていないものをつくる体制をつくっていきましょうということで表現させていただいていると認識しています。

【佐藤委員】  ありがとうございます。
 最後の点なんですけれども、黒い太い文字のところが結構目立つのかなと思いました。そうすると、「今ある優位技術を考慮して、異分野連携をして、出口を見据えたものをやります」というように見えてしまって。「新しいもので、優位技術でないものはあまりやらなくていいんですよ」とは書いてないですけど。書いてきていないのが少し気になっているところです。この中に……。

【宮川課長補佐】  おっしゃるとおり、これに書いていないから重要でありません、あるいはやらなくてもいいですということに直ちになるとは思いませんけれども、全体を見渡して航空科学技術行政としてどこにスポットを当てていくかということを考えたときに、まず現状を認識して、優位技術については世界で戦えるところを認識しましょうということです。それと、将来に向けて優位技術もそうじゃない部分も異分野連携などを通じて日本の強みをつくっていけるところあればつくっていきましょうということです。最後に三つ目はそれを進めていくプロセスというのは常に出口を見据えて、産業界などとも連携してやっていきましょうということで、特に注力すべきところを書かせていただいたというところなので、ほかが全く不要ですというつもりで書いたわけではないということでございます。

【佐藤委員】  今の話で、2番目の項目が私が考えていたところに少し関連しているのかなと思いました。「異分野連携」という言葉が最後に書いてあるので、何となく異分野連携がメインに見えてしまって...「革新技術創出」という方がメインに見えるようになっていれば非常によいかなと思いました。「異分野連携を何とかした革新技術の創出」みたいにしていただけると何となくイメージしたことが入ってくるのかなと思いました。
 済みません、ありがとうございます。

【宮川課長補佐】  そうしましたら、まさに先生がおっしゃったように少し表現上は前と後ろの順番が入れかわる感じなのかもしれませんが。

【佐藤委員】  入れかえるだけでも大分イメージが変わるかなと思います。

【李家主査】  そうすると本文の8ページもタイトルのところも同じですかね。

【宮川課長補佐】  そうですね。おそらくそうすると最後が革新技術の創出になるので、多少文章をいじることが必要で、例えば最後の部分は「異分野連携、糾合を更に積極的に進めていくべきである。それで、革新技術を創出する」というような表現になろうかと思います。文言の入れかえに近い形になるかと思うのですが、ちょっとそこは少し工夫して文言を調整させていただきたいと思います。

【李家主査】  ほかはいかがでしょうか。はい、どうぞ。

【戸井委員】  一番上の現状の二つ目の丸ですが、「産業界が」から始まって途中で「JAXA」が入って「他産業の分野が」というところはちょっと流れが悪いような気がしました。
 一つは「JAXAが」という説明は一番最後でまとめてもいいのかなという感じがしました。
 それと「産業界が」という最初の出だしで、何か先進材料分野だけのような捉え方を何かしがちなので、もう少し表現を工夫したいところです。「産業界が」という最初の切り出しが要らないか。

【李家主査】  今おっしゃっているのは、最後の他産業分野が有する電動化云々というのと一番最初の産業界が有するというのが何か一緒になってもいいという感じでしょうか。

【戸井委員】  似たような話が間をおいて出てくる点がやや不自然かと感じました。

【李家主査】  最後のほうの電動化技術とか云々を前のほうに一緒に持ってきて、先進材料分野と並べて書くというような感じでしょうか。

【又吉計画マネージャー】  もともとは、航空宇宙分野と他産業という形で今の並びになっているということですよね。

【宮川課長補佐】  そうですね、もともとはそれで本文の記載と合わせて書いただけで、戸井委員もおっしゃったように先進材料分野だけが産業の強みというように見えてしまう表現は修正の必要があるとして、もともとの文章としては国の産業界とJAXA、それに加えて他産業もという形でこういう内容になっているのですが、そこは書き方の問題なのかもしれません。概要でございますので、本文の修正は置いておいて、こちらのほうがパワーポイントの上では見やすいということであれば内容は大きくは変わらないかと思います。

【李家主査】  そうすると書き出しのところを航空機産業界が国際的な優位技術を有する分野というのが明確になるということですかね。

【宮川課長補佐】  そうですね。その方向で、航空機産業界が国際的な優位技術を有する、先進材料分野等というような話で、先進材料だけではないことを明確にしながら書かせていただくと……。

【李家主査】  よろしいですか。

【宮川課長補佐】  はい。

【李家主査】  ちょっと細かいことで恐縮ですが、本文の6ページのほうで二つのロードマップの記述を追記していただいたのですが、どこがつくったとか何とかそういうのは必要ですね。

【宮川課長補佐】  はい、わかりました。

【李家主査】  その4行上に「フォローアップ」と書いてあるところに「(閣議決定)」とか書いてあるので。

【宮川課長補佐】  出典ですね。

【李家主査】  お願いします。

【宮川課長補佐】  これらのロードマップについては毎年1回更新をしています。現在はロードマップ2019というのがそれで走っているような状況で、また来年になるとロードマップ2020となってしまうので、一般の名称で書かせていただくようにさせていただきたいと思います。

【武市委員】  ちょっといいですか。

【宮川課長補佐】  はい。

【武市委員】  若干本文のほうで10ページの上半分のところです。修正していただいた文章にけちをつけるのはちょっと申しわけないですけど、黄色いところの「航空を専攻した学生に対しては」というところで始まるところの読み方にもよるんですけど、「研究開発職に限らず広く航空関係の職業に就くこと」というと何か研究開発職じゃない職業につくことを推奨するかのような表現に読み取れるので、「航空を専攻した学生に対しては、広く航空関係の研究開発職など」みたいな書き方にしていただけたらいいなと思います。

【宮川課長補佐】  はい。

【武市委員】  「航空関係の研究開発職等に就くことを志すこととなるよう教育内容の充実が図られる」と書いてあるんですけど、これは何を意図として書いたのですか。

【宮川課長補佐】  これは一般に航空関係の職業につくというと何か進路指導のようなものにも捉えられてしまうので、科学技術行政としては今やっている取組である例えばCFDのプログラムを教育用に提供したりとか、あとはJAXAの職員が大学に講義に出たりとかいうツールを今後も活用していくことが中心になろうかと考えに基づくものです。進路指導的な観点というよりはしっかりと航空を魅力に感じられるように文部科学行政が何をできるか、航空は魅力があるということがわかるような教育の内容にするということが一義的なものではないかと考えて、このような記載にさせていただいたところでございます。

【武市委員】  社会に出た後のことの啓蒙の取り組みですよね。「教育内容」と書かれちゃうと大学での教育にも見えちゃいますね。今おっしゃったような意図でいいと思うんですよ。例えば学生がJAXAでインターンをやっていただいていますけど、あとはエアラインとか重工ですね。そういったところでインターンをする経験を増やすという取り組みでもいいと思うんですけど、それを一言で「教育内容」と書くのは意味合いが広すぎますので、ここだけは、具体的な取り組みを書く様に変えていただけませんか。

【宮川課長補佐】  はい、具体的にその下に「航空科学技術行政としても」というのが、今まさにこちらが例示したところがあるので、等々の取り組みとして、そこは少し「教育内容の充実」という文言を使わずに……。

【武市委員】  今のこの文章だと「教育内容の充実」と書いてあって、さらにその下に別の文言として「航空科学行政としても大学に対する教育支援ツールの提供や」と書いてあるので、余計に別のものに見えてしまうんですよね。

【宮川課長補佐】  はい、わかりました。そこは表現を見直します。

【武市委員】  ほんとうにすみません。ただその書きぶりでお願いします。

【宮川課長補佐】  はい。

【武市委員】  そのついでにもう1個、今度は若手研究者に対して下線で示されているところなんですけど、「研究開発の分野における安定したポストの確保やキャリアパスの多様化といった待遇面の改善が挙げられ」というところです。ここは若手研究者が航空分野に来るように誘導するような内容であるべきと思うんですが、大学でできなくてJAXAでできることというと、実用につながる研究開発の段階を担えることですよね。大学だとどうしても基礎研究ばかりになっちゃって、TRLで言うと低めのところばっかりやるんですけど、JAXAのようなところだからこそ、TRLが低いところから実用を目指して上げていく段階ができる。そこに魅力を感じる若手の人がJAXAみたいなところを志望するはずなので、実用につながる研究開発の機会、あるいは研究開発に携わる機会があるといったことを書いていただけるともうちょっと現実に近いような感じがします。

【宮川課長補佐】  わかりました。

【又吉計画マネージャー】  すみません、よろしいですか。まさに今ご指摘いただいたところで、当然JAXAも入るとは思うんですが、今一般的なポスドクの受け入れ先とかいうところは大学の航空宇宙学が非常に増えていて、学生さんは増えていると思うんですけど、一方で産業の伸びとか、JAXAの定員を考えるとそんなにそれに見合って増えているわけではないので、そこの受け口がなかなか難しいというのはあると思います。そういう意味ではJAXAも一つの受け口ではあるんですけれども、例えば企業さんとか、ちょっと広い意味で受けていただくような書き方をしていただけるとありがたいかなと思います。JAXAだけでは実行上受けられないだろうというのはあるので、そういったちょっと広く考える、広い大きな問題だという形で受けていただけるとどうかなと思いますけどね。

【武市委員】  この文書自体は行政に対しての文書になるんですよね。

【宮川課長補佐】  文部科学技術行政なので、おそらく「等」とかをつけるような表現で。例えばJAXAと民間企業が連携するとかは、今JAXAでもコンソーシアム活動とかをやっているんですけど、そういった連携の中で学生さんを受け入れるじゃないですけど……。

【武市委員】  だとしたら、学生の教育のほうで民間の企業にも目を向けるような、さっきの取り組みですよね。取り組み内容を書いていただければ民間の企業にも目が向くように取り組みをするといった感じの書き方になるかと思います。学生のほうの視野を広くするという点です。

【宮川課長補佐】  わかりました。これらの観点を踏まえて、一度に全部だと議論がなかなかだと思うので、また文章を作成して次回に案を提出させていただきたいと思います。

【李家主査】  次回はもうないからどうしましょう。

【武市委員】  24日ですか。

【李家主査】  航空委の席で確認ですか。

【宮川課長補佐】  そうですね。
実用につながる研究開発の機会という観点を入れるというのとそれを達成するに当たってはJAXA単独というよりは民間も含めてそれが受け皿になるようなことも読めるようにという二つを満たすような表現にさせていただくという形で修正案を考えたいと思います。

【武市委員】  もう1点いいですか。本文の11ページの4.4、最初の段落の一番最後に「さらに若手研究者の流動性が確保されるような」という文章があるんですけど、これは具体的にはどういう内容のものを意図していたんでしょうか。

【宮川課長補佐】  これはここが黒字になっているので前々回以前だと思うんですけど、武市先生からご指摘をいただいたような組織的な膠着に巻き込まれて動けなくなってしまうというジレンマですよね。飛び出すことが100%得策じゃない場合という……。

【武市委員】  この書き方だと若手研究者を流動させましょうという、要するに雇用者側の視点に立った表現になっていますよね。逆に本来ここで言うべきことだったのは、きっと若手研究者の自主性とか自由度が担保されるような研究環境ですよね。
 今の表現だと、若手研究者の雇用者側から書いてあるので、ある組織の若手研究者がいろんなキャリアパスを経て、その研究組織のリーダーになっていくような成長を促すような取り組みというような表現になっていますよね。この文章はこれはこれでいいと思います。若手研究者の成長を後押しする取り組みとは書けると思うんですけど、これとは別にポスドクとか任期つきで雇用されているような段階の若手研究者が自由度あるいは自主性を持って取り組める、という趣旨で別途、一文をお願いします。

【李家主査】  「流動性を確保」というところはカットして、今おっしゃられたところを残して……。

【武市委員】  流動性はやっぱりあっても良いと思います。組織間を流動してもいいし、組織内でも流動してもいいと思うんですけど。それはそれで若手がリーダーになっていく段階で成長するには必要だと、貢献するとは思います。それと同時に、入った組織の中で自由に研究ができない、そもそも研究の環境自体が得られないといったような状況にならないように、ある程度自主性というか自由度は担保するようなことが必要かなと。

【又吉計画マネージャー】  そういった意味では、外部資金を取ってくる。どういう取り組みですかね。そこら辺がこう……。これは結構インパクトがあることがこの4.4で書かれているかなと思っていまして、具体的にこれを受けてやっていくことを考えると、ここには現状に改善すべき点がありますよという明確なご指摘なのかとは思っていて、それで受けてどう改革していくかということを考えていくとちょっと今どういうふうな形なのかなというのが少し……。その趣旨はわかるんですけれども。

【武市委員】  いっそのこと、この文書自体はこうあるべきということを書く文書で、こうやりましょうということを書く文書ではないので、とりあえず問題点とあるべき姿といったちょっと理想的なことだけ書ければ。例えば若手の人があるグループに入って、どうしても能力を発揮できるような環境にない場合は、例えばですけどお隣のグループに入ったら自由にできるとかいうときに、今だと異動したくても異動できないところが例えばそういったときだけ若手の自由意思で隣のグループに移れるとかいうことがあってもいいかなと。

【又吉計画マネージャー】  これをこの航空科学技術分野で書く意図は、多分4.4の最初の1行目で航空の研究というのは一般的に長い期間がかかってしまうので、個人のキャリパスのタイムスパンと必ずしも一致しませんというのが背景としてあってというので、ここに書かれているという立てつけにはなっていると思うんですが、おそらく武市先生が持っていらっしゃる問題意識は必ずしもスパンとかという話でもなくて、わりと一般的などの分野でも共通する事項なのかなという気がしますので、その辺をうまく、ある程度広く一般論的な話なのか、航空に特化した話なのかというのは、少し区別したほうがいいとは思うんです。今のやり方でいくと航空特有の問題だと読めるので、多額の資金で長い期間を要することでハンディキャップになっているので、それに対応して何か若手がもっと短期間で成果が出せるような枠組みを考えるべきではないかというふうに読めるのかなと思っているんですけれども、もうちょっと一般論的なものですよというのを例えばそういう意図であれば明確にしたほうがいいのかなとは思います。済みません、オブザーバーの立場で、申しわけないですけれども……。

【李家主査】  ここの記述のもともとの発端は6月の航空委に出していただいた視点のところに載っていたのでしょうか。

【宮川課長補佐】  6月の視点には載っていないです。6月の視点では今年の1月31日に総政特で取りまとめられたものをベースにして大学改革となっていました。航空科学技術行政としては主にJAXAということもあり、6月にお出しした資料では大学改革の部分については特段具体の記載はしていませんでした。その後の航空委あるいは作業部会での議論に対応して書かせていただいた内容になります。

【李家主査】  そうすると今の又吉さんの指摘もあるので、書き方をうまく整理してもいいかもしれませんね。

【又吉計画マネージャー】  航空分野を含む広く一般的な問題としてこういうふうなのがありますよというようなニュアンスのほうが正確かなと思いました。

【李家主査】  そうすると、上から5行目ぐらいに「航空分野に限ることではないが」といった一言を入れていただくとそれ以降の記述にかかってくるかなと思うのですけれど、文章全体で確認いただかないといけません。その上で先ほどの武市先生のご指摘のように文章を直していくという方向でよろしいでしょうか。

【武市委員】  ちょっとご面倒で済みませんがよろしくお願いします。

【宮川課長補佐】  そうですね、はい。

【武市委員】  航空の場合だと実用化というゴールがあって、いろんな分野の知識を踏まえてそれにインテグレーションしていくので、この最後のところですよね、若手研究者の成長を後押しする取り組みのところというのは、やっぱり航空特有かもしれません。航空だからこそ生きる内容かもしれないですね。

【又吉計画マネージャー】  黄色いこの部分ですかね。

【武市委員】  黄色の上ですね。

【又吉計画マネージャー】  黄色の上ですか。

【武市委員】  「さらに若手研究者の流動性が」というところですね。

【李家主査】  その辺、区別がわかるように……。

【宮川課長補佐】  そうですね、そういう意味では航空特有のものを少し上目に持っていき、「さらに一般論ではあるが」というようなニュアンスで下にということで、ちょっと順番は整理させていただくようにと。はい、わかりました。

【李家主査】  ほかはいかがでしょうか。

【戸井委員】  前からくどいことを言ってるインテグレーションに関連するところでは、ほぼきちんと取込んでいただいているんですけれども、本文7ページの3.2デザイン・シナリオを実現するところの表現で、途中の赤字で「これらの優位技術は、実用化・製品化という視点から」とまとめていただいているんですが、この「実用化・製品化という視点から」というと何か当たり前のことのような気がいたします。言いたかったのは単品の技術ではなくて、「価値が航空機全体で設計を問うというものを合わせて取り組むべき」ということなので、「これらの優位技術は、航空機全体で価値創造を求める本質から航空機システム全体の安全性・信頼性を確保する」ぐらいの言い方にしていただくほうが良いかと思います。最後の「システムインテグレーション技術を伴って」の間に「設計を含めて確立されるよう取り組むべきである」とか「設計」という言葉を入れると言いたいことが言える感じなんです。

【李家主査】  はい、ありがとうございます。ではそのように修正していただくということで。
 ほかの部分に関してはこの設計とかシステムはこれでよろしいでしょうか。

【戸井委員】  その他はこれで十分です。

【李家主査】  ほかはいかがでしょうか。
 では私から。今日の最初のご説明でもありましたけども、モノからコトへの転換とかいうことで、今までものづくりとか、飛行機を飛ばすこととかを目指していたようなところがあるけれども、そうではなくて、航空機が存在することによって社会がどう変わるかとか、そんな観点から我々のこのビジョンを出していくといったことで議論をしてきたのだと思いますし、4.1.3の概要のほうもそういうことがわかるようにうまくまとめていただいたと思っています。
 本文の12ページの最後のまとめのところですけど、今見返していたら、話としてはSociety5.0を実現するとか、そういった情勢を踏まえて、結局、こういった期待を含む航空機利用の発展と空の利用の二つを想定し、この二つの未来像を実現する方策は云々というふうに書かれています。これで良いのですけども、もう少しモノではなくてコトということをここで強調していただくと、総政特の考えと同じ方向性を持つと思ったのですが、いかがでしょうか。

【宮川課長補佐】  こうした情勢を踏まえて、そういった先生がおっしゃったような未来の航空像が具体的にどうなるかという、多分「踏まえ」の後ろの「、」のところが一足飛びであるということだと思いますので、間を埋めるような作業をさせていただきます。

【李家主査】  はい、お願いします。そういったことを考えるとこの本文とは違いますけども、文部科学行政でこういうことをしなさいとなっていくとJAXAのほうでも単に超音速旅客機につながる実験機をつくればおしまいというのではなくて、その後のサービス全体も見なきゃいけないという感じにプロジェクトも提案していかなければいけないと思えますが、このような理解でよろしいですかね。

【又吉計画マネージャー】  おそらく、超音速機の運航いわゆるサービスにつながるところも含めた、今までは機体をつくる話がどうしてもメーンになっていたので、機体をつくった後、これがほんとうに空にフィットするのか、ほんとうに飛べるのかというところも含めた形というのは、今回のビジョンも踏まえて考えていきたいと思っています。

【宮川課長補佐】  現状JAXAのほうで行っている研究開発は、航空委の中でも審議させていただいている超音速の統合設計技術ですけど、あれが実現する場合、現時点であれば例えばアジア圏を日帰り旅行できるというのが一つのうたい文句になっています。今は航続距離の関係で太平洋横断というところよりはむしろアジアを日帰りというところがターゲットになっていますが、まさにそれが未来像の一つになるんじゃないかと思います。これができたらどうなるんだというような視点を常に考えながら研究開発の課題を考えてくるのだろうかなというのは思っていますので、JAXAとともに文部科学省としてもそういった視点を常に持っているようにしたいと思っております。

【又吉計画マネージャー】  お願いいたします。

【武市委員】  そこで超音速を具体例に出すのはちょっとよくない気がしますけど。私の視点からすれば、ものづくりは先にマーケットなり経済性があって、超音速を例にすると今までそういうことを検討しないでものづくりを追及してきたということをみずから認めてしまっているようなことになるので……。

【又吉計画マネージャー】  そういう意味では超音速も別にマーケットを見ていないわけではないと考えていますので。

【宮川課長補佐】  ある程度、鶏と卵というか、技術的に可能性があるから、その可能性に応じた未来像が……。今までアジアを日帰りしようと思ってもそれを実現する手段がなかったからという考え方もあって。

【武市委員】  個別のことを書かずに、未来社会をどうこうする、という書きっぷりにすれば良いと思います。

【宮川課長補佐】  はい。

【李家主査】  ほかはいかがでしょうか。

【又吉計画マネージャー】  済みません、オブザーバーですけど、非常に細かい表現のところだけ1点お願いがあるんですけど、10ページ目の4.2の研究資金改革のところの真ん中あたりの「具体例として」黄色がついてる直前の部分です。「研究開発としての意義を最大化するよう取り組む必要がある」と書いていただいているんですけれども、この辺を「取り組むことが重要である」というぐらいのニュアンスにさせていただくというのはいかがですか。「取り組む必要がある」と書かれてしまうと今までやっていなかったかのようなニュアンスも感じてしまうので、その後ろで具体例としてというので今までの取り組みを挙げていただいているところですので、もちろん我々としてもこういったユーザーとのコミュニケーションを図っていく重要性というのはもちろん認識していて、この前、ご紹介したコアエンジンのプログラムでも既にそういったことをやっておりますので、今後も引き続きこういったことが重要だという意味で、取り組むことが重要だという感じで書いていただくのはいかがかなと思います。

【李家主査】  そうすると、「意義を最大化するようにこれまで同様に取り組む必要がある」とかはおかしいですかね。どうしましょう。「ほか取り組むことが重要である」とだけにしますかね。

【又吉計画マネージャー】  どうですかね。

【宮川課長補佐】  事務局としては、もともとJAXAがどうかというよりは一般論としてこういうことが必要ですよねということで書いたので、そういう意味で言えば、今、又吉さんのご発言を否定するものでもないですし、そこは捉え方の面で……。

【又吉計画マネージャー】  ちょっとこれは前の文で「JAXAの研究開発成果を活用する」というのが文章にもうばっちり入っていますので、我々は完全にターゲットになっている文章には正直なっていますので、ちょっとそれで言葉尻を捉えたようなお願いで申しわけないですけども。

【李家主査】  では「取り組むことが重要である」にすればよろしいですかね。

【宮川課長補佐】  わかりました。

【李家主査】  そういたしますと大体ご意見はもう出尽くしましたかね。ほかに特にお気づきの点がありましたらご発言いただければと思うのですが。

【佐藤委員】  4.1のところの最後のほうと4.4というのがどういう関係にあるのかなとちょっと思ったんですけど。人材の改革のために必要な組織の考え方が、ここに書かれているのと4.4で書かれているのが重なっているような感じがしました。何か2回強調しているような感じでいいですかね。最後のほうに書いてあることが……。

【李家主査】  もともと大学と特出しで議論されていたところですが……。そう言われてしまうと確かにそのようにも思えてきてしまいますが。

【宮川課長補佐】  そうですね、この「加えて」のパラグラフより前は直接的な育成みたいなところですが、それ以降はキャリアパスの多様化など組織に関係することですので、佐藤委員がおっしゃるように4.4の中での表現するのも方策としてあるのではないかとも……。

【武市委員】  4.1はどういう人材を育成すべきかということを書いていて、4.4は研究開発実施組織としてどうすべきかということですよね。

【佐藤委員】  大学に関するところは4.1ということ。さっきの航空学科はこういうふうにするようにというような……。

【李家主査】  4.1では大学関係の話、大学での人材育成の話があって、4.4では組織としての大学も入っているということで、ただし4.4では文章がいつの間にか、組織の話が見えにくくなっているので、そこは強調していただければよろしいでしょうか。一番最後の3行の「加えて」というのは組織に関することだという今のご説明でもありましたし……。文言の修正をできますかね。

【宮川課長補佐】  そうするとここは4.4に移動というか……。

【李家主査】  いえ、4.4の記述が組織の改革のことを言っているということが念頭に置けるようにしたいです。

【宮川課長補佐】  はい。こっちは個人というか人と組織というか……。

【李家主査】  4.1のほうは完全に大学を含む人材の話です。そのように整理すればよろしいですかね。

【宮川課長補佐】  はい、わかりました。

【武市委員】  4.1のほうがこういう人を育てましょうと言いながら具体的な対策などを書いているからわかりづらくなっている。

【佐藤委員】  環境仕組みづくりというところが、組織論っぽくなっていて。具体例が書かれているから。

【又吉計画マネージャー】  9ページぐらいでとめるほうがいいかもしれないですね。

【佐藤委員】  何か大学はこうで、研究組織はこうでみたいな4.4でまとめられるといいかなと。ちょっと勝手に言って申しわけないですけど。

【李家主査】  では10ページのもともと4.1にあったところを4.4に持ってくると、そこでは大学がどうであるかということを言っています。もともとあった11ページの4.4の記述は研究組織の話ですから、そのようにして話が明確になるように大学や研究組織といった文言をつけ加えていただいて並べればいいかと思います。そのようなことで修正をお願いいたします。

【宮川課長補佐】  はい、わかりました。

【戸井委員】  今のに関連しまして、参考資料4の出だしの、このサマリーページの4.4のタイトルが大学改革のままなので要修正かと思います。

【宮川課長補佐】  そうですね、ただ、そこは7月の時点でまとめた骨子ということですので……。

【戸井委員】  7月の資料としての提示ですね。

【宮川課長補佐】  はい、修正するのも一案でしたが。

【李家主査】  よろしいでしょうか。これでよろしいようでしたら議論はここまでということにさせていただきたいと思います。
 今日いただいたさまざまな指摘事項を踏まえて中間とりまとめの概要と本文の素案についてはまずは事務局のほうで修正案をつくっていただいて、私のほうに一任とさせていただいて、その上で次回の航空委のほうで審議したいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
 先ほど1点、どこでしたか、もう一度確認しましょうかいう点がありました。武市先生のご指摘のところで修正箇所がいくつかの箇所に係るような修正がありました。ひとまず私のほうで確認させていただいて、航空委の中でまた先生方に確認していただくということにさせていただきたいと思います。
 はい、どうもありがとうございました。

【武市委員】  ちょっとすみません1個だけなんですけど、4.1.3で「共存」という言葉があるんですけど、どうしてもこれだけしっくりこないです。表現したいのは単に両方やりますよというより、お互いに助け合いながら両方やりますという意味合いですよね。

【宮川課長補佐】  はい。

【武市委員】  それを一言であらわすのは共存という言葉でいいのかというところだけです。もうちょいうまい表現を見つけていただければいいなと思います。

【李家主査】  総政特の参考資料2で矢印が行ったり来たりしているのが資料の中央部に大きく書いてあるものと同じような意味ですね。ぐるりと回ってまた戻ってくると。

【武市委員】  こっちは循環でやっていますね。

【李家主査】  循環……。

【武市委員】  それで今一生懸命考えたんですけど、いい表現を思いつかなかったので、何となくちょっとやっぱり違和感があるんですよね。両方とも取り組んでお互いを助けながら両方ともやりますというニュアンスの言葉があればいいけど、なければこれでいいと思います。

【宮川課長補佐】  もともとこの共存を入れたのは、資料の4.1.2の2ページ丸5の総論の2ポツ目、松島先生からもともといただいたご意見でございまして、まとめると旅客機の市場の成長と空の移動革命は違うものと捉えるべきではあるものの社会の中ではこれらが組み合わさって利活用されていくのではないかというご意見をいただいたところを何とか先ほどの李家先生からの話で小さいスペースでどう表現しようかというところあって、そこは共存という文言にさせていただいてはいたんですが。

【又吉計画マネージャー】  この二つが何か一つの目標につながっているみたいなのが出ると一番きれいなんですが。

【武市委員】  矢印の向きがもう1個上にあって、そこに何とかいう社会の実現みたいな……。

【又吉計画マネージャー】  のがあると一番きれいですけどね。

【武市委員】  決して共存ではない。単に両方やりますではなくて、両方やりながら一つの目標を実現します、なので、矢印の向きは左右ではなくて両方から上に向いている矢印で、その先にもう1個、この未来社会デザインか何かに対応する言葉の図のほうがしっくりきます。

【宮川課長補佐】  わかりました。まさにいただいたご意見がこの李家先生も先ほどおっしゃったモノからコトへのことであって、この参考資料の2で言うところのSociety5.0の実現に向けてという四角の中のキーワードになろうかとも思います。

【李家主査】  何か良い言葉がないですね。

【宮川課長補佐】  気持ち的にきついところでございますが、何とか調整を試みたいと思います。

【李家主査】  それではよろしいでしょうか。ではどうもありがとうございました。そのような感じでまとめさせていただきたいと思います。

(2)その他
【李家主査】  では、最後に議題(2)その他ですが、特にこちらで用意したものはないと思いますが、先生方のほうで特にお気づきの点等ありますでしょうか。よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
 では、4回にわたる作業部会で活発なご議論を大変ありがとうございました。ひとまずこれで案ということで航空委に出せる資料ができあがりましたので、作業部会の作業はこれで終了ということになるかと思います。ちょうど課長がいらっしゃったところですが、今議論が終わりまして、事務局にお返ししようと思っていたところです。本日はどうもありがとうございました。

3.閉会

【宮川課長補佐】  最後に事務連絡をさせていただきます。今、李家主査からもございましたとおりこの1、2カ月にわたる4回の作業部会を経過しまして、今回でひと段落とさせていただきたいと思っております。今回の研究開発ビジョン検討作業部会の開催についてはまた改めご連絡をさしあげたいと考えております。
 本日の作業部会の議事録につきましては事務局にて案を作成し、委員の皆様にご確認いただいた上で文部科学省ホームページに掲載させていただきます。
 それでは、これで科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 航空科学技術委員会 研究開発ビジョン検討作業部会第4回を閉会いたします。本日はどうもありがとうございました。

(了)

お問合せ先

研究開発局宇宙開発利用課