資料2-2 前回までにいただいた主な意見

【目標の設定】
・環境エネルギー分野の動きや速度、規模感は明らかに変わっている。社会ニーズも変化している。
・分野の規模が縮小していることに対する危機感を。
・何のために環境エネルギー分野の研究をするのかという究極の目標を定めるべき。
・日本は欧州等と比べ、問題が生じてから対応するまでに時間がかかる。「Climate Emergency」という命題を掲げ、政府が機動的に取り組んでいく必要。
・日本の研究開発予算が限られる中、圧倒的な予算を研究開発に投資している中国をはじめ、世界とどう戦っていくか。
・大きな危機に対し社会が追いついていないという状況下において、革新的な科学技術はどのように貢献できるかが課題。
・5年後、10年後に必要とされうる環境エネルギー研究を基礎研究の段階から見出し、育てていくことが重要。
・社会課題はどこにあるのか、また、これに対応するため何を目標に掲げるべきか、しっかりと見定める必要。
・不確実性の中で技術の特定は困難だが、あるべき社会の姿を見すえつつ、長期的に技術開発に取り組むことが重要。

【文科省として取り組む方向性】
・将来的な投資効果の不確実性が高い中、研究資源の分散投資をすることも政策としての役割。
・文科省は多様な分野のシーズを薄く広く支援し基礎を育てていく役割や、2050年を担う若手人材を雇用して育てていく役割を担うことができるのではないか。
・基礎研究に長期的に取り組み、他省に成果をつなげていくことが重要。政策が需要を作り、技術が作られ、フィードバックし改良されていくというサイクルを生み出す必要。
・持続可能な社会に真に寄与するかという観点から、CO2フリーの水素とそうでない水素とを分けて捉える必要。
・長期的なビジョンが、パリ協定長期戦略の中に書かれたことは重要だが、今後、具体的な政策手段を示していくべき。

【イノベーション】
・本分野の動向変化に対応するためには、1.5℃目標達成とのトレードオフ等、多角的に事象を捉えて対応策を考える必要がある。人文社会科学と科学技術の連携や5E(3E+Ethics+Empathy)等、学術分野を超えた連携が重要。
・今起きているイノベーションは従来モデルを超えて起きている。従来とは違う、という発想が重要。その中で要素技術はどのように還元しているのかという視点。
・イノベーションには急進的(radical)なイノベーションと破壊的(disruptive)イノベーションの二つの側面があるが、後者を視野に入れられているか。
・日本では、イノベーションが、技術面でのブレークスルーとして使われるが、海外では、仕組みや制度、社会の中のイノベーションとして使われる。非連続のイノベーションと、今あるものを普及させるアイディアや仕組み、規制といったイノベーションとを車の両輪で取り組む必要があるのではないか。
・実直に基礎研究に取り組むとともに、技術が導入された後のインパクトを適切に評価することも重要。
・科学技術的なブレークスルーも大切だが、本当に社会実装されるかどうかの視点も重要。科学的合理性だけでなく、社会的な合理性にも目を配って、社会システムやコスト、規制等を含めた社会実装に向けた分析や研究があってもよい。
・エネルギーインフラは、社会の在り方と密接に結びついていて、社会や技術を規定してしまう可能性もある。個別技術の開発と同様、インフラがどうあるべきかの議論があってもよい。
・「技術の改良」も研究開発成果の一環であり、「社会実装」の取り組み対象に包含してもらいたい。
・金融界と議論を行う金融庁や規制を扱う国交省等とも連携して、オールジャパンで取り組んでほしい。

【基盤となる科学的知見の重要性】
・地球観測、予測、リスク評価等は重要な知的基盤。気候変動モデルや自治体の適応策等の様々なニーズに対応した基盤としての役割の重要性や、気候変動モデルの更なる高度化等の必要性を打ち出すべき。
・基盤としての地球観測データを継続的に運用していくためにも人材育成は重要。
・社会実装には地方公共団体への働き掛けも重要だが、現場には文科省の取組が認識されていないのが実情。各自治体が適応計画や都市計画を策定するに当たり、どこに権限があり、どのような情報が必要となるのか考慮する必要。
・自治体等にも適応計画を作ることが求められている一方、自治体等には担い手が少ない。広い意味での人材育成が課題。
・地方自治体には適応計画策定や気候変動対策等に取り組むための知見不足している。文科省からの情報提供を活用できる仕組みがあると良い。
・適応策を広げるには、普及啓発だけでは限界。ナッジ等を通して、人の行動を変える必要。

【資金の在り方、LCA、人材】
・文科省が長期的、安定的に基礎研究を支援することが重要。現行の5年間予算事業等では研究者が研究に専念しづらい。企業も応募できる資金があるとよい。
・LCAについては、企業にが自身の責任範囲(バウンダリー)を越えて取り組むことは困難だが、バリューチェーン全体の中での最適化を図って取り組んでは。
・複数の専門分野に深い知見を持つフレキシビリティな人材の育成が重要。必要な分野に必要な人が集まって新しい視点から研究開発が進むような予算配分の在り方がよいのではないか。
・人材が不足する分野については、将来の人材育成を考えるだけでは時間がかかるので人材のネットワーク化による研究者層の形成が必要。
・地方大学でも優秀な人材がいるが、与えられた研究環境が有力大学に比べて劣り、力を発揮できていない。地方大学の支援も視野に入れるべき。



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