量子科学技術委員会 量子ビーム利用推進小委員会(第9期~)(第14回) 議事録

1.日時

平成30年1月18日(木曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省15階 科学技術・学術政策局1会議室

3.議題

  1. 軟X線向け高輝度放射光源やその利用について
  2. その他

4.出席者

委員

雨宮委員、内海委員、金子委員、岸本委員、小杉委員、近藤委員、高原委員、山田委員

文部科学省

佐野科学技術・学術政策局長、村上研究開発基盤課長、西山量子研究推進室長、大榊量子研究推進室専門職

5.議事録

【雨宮主査】  それでは、定刻になりましたので、第14回の量子ビーム利用推進小委員会(小委員会)を開催いたします。
 本日はお忙しい中、御出席いただきまして、どうもありがとうございます。
 本日は8名の委員に御出席いただいております。御欠席の委員は、石坂委員、尾嶋委員、高橋委員、田中委員です。
 本日の会議ですが、委員会の運営規則に基づいて、公開という形で進めさせていただきたいと思います。
 なお、傍聴者より事前に委員会の撮影について申請があったため、会議の公開に関する手続に基づき、委員会冒頭の撮影を許可しております。
 それでは、事務局より配付資料の確認など、お願いいたします。
【大榊専門職】  おはようございます。よろしくお願いいたします。
 配付資料の確認をさせていただきます。お手元の資料を御確認ください。
 議事次第のとおり、資料1から資料4-2を配付してございます。また、前回までの資料はドッジファイルに入っております。資料に不備等ございましたら、事務局までお知らせください。よろしくお願いいたします。
【雨宮主査】  はい。ありがとうございました。
 まず西山室長より、本日の小委員会の議論のポイント等について御説明を頂きたいと思います。よろしくお願いします。
【西山室長】  量子研究推進室長、西山でございます。おはようございます。
 本日、量子ビーム利用推進小委員会は第14回になるわけですが、これまで13回の議論を経て、小委員会の議論は最終的な段階に入っているかと思っております。
 本日は、大きく分けて4つのトピックスがございます。1つ目は、資料1にもございますとおり、平成30年度の政府予算案、次世代放射光の推進の関連の予算案がまとまっておりますので、これについて事務局から御報告をさせていただきます。
 2つ目は、これまで小委員会の方で御議論を頂いておりました整備運用関係ですが、次世代放射光施設の整備運用経費について、量子科学技術研究開発機構(量研)から御報告を頂くのが2つ目でございます。
 3つ目の議論として、同じくその整備運用関係でございますが、小委員会でこれまで御議論をお願いしておりました量研の整備運用計画案、これについて、これまでの小委員会の御議論を経て、量研の方で取りまとめたということで、量研から御報告をお願いしたいというのが3つ目でございます。
 4つ目でございますが、これらの議論等を踏まえまして、小委員会としての最終報告書案の御審議をお願いしたいと思ってございます。本日の資料4-1、4-2でございますが、これらを事前に委員の先生方に御確認をお願いしており、できる限り事務局の方で反映したものを本日配付してございます。これについての御審議をお願いしたいと思ってございます。
 以上です。
【雨宮主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、本日の議題に移りたいと思います。まず昨年の12月22日に閣議決定された平成30年度政府予算案のうち、次世代放射光施設に関する予算について、事務局から御説明をお願いいたします。
【大榊専門職】  それでは、御説明させていただきます。資料1を御覧ください。官民地域パートナーシップによる次世代放射光施設の推進といたしまして、平成30年度予算案として、2億3,400万円の新規予算が政府予算案として決定されてございます。これにつきましては、軟X線に強みを持つ高輝度3GeV級放射光源、すなわち次世代放射光施設の早期整備が小委員会にて求められているということを踏まえ、財源負担も含めた官民地域パートナーシップにより整備を推進することが重要という見解を基に、我が国の研究力強化と生産性向上に貢献する次世代放射光施設について、官民地域パートナーシップによる施設の具体化等を推進する予算を計上させていただいたものでございます。
 事業概要につきまして、真ん中の黄色い部分を御覧いただければと思いますが、官民地域パートナーシップによる次世代放射光施設の具体化等といたしまして、まず施設の調査費の3,400万円でございますが、これは官民地域パートナーシップのパートナーの具体化や調整等に必要な経費を計上してございます。
 また、加速器技術開発の2億円でございますが、こちらは蓄積リングの周長を短縮化、合理化するために、実際に磁石セル等の試作・研究開発をする経費でございまして、いずれの予算についても補助金で国から量研に支出をするという形を考えてございます。
 その他の内容につきましては、報告書等にも記載がございますので、割愛させていただきます。
 簡単ですが、以上でございます。
【雨宮主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、今の説明していただいた資料1について、御質問や御意見がありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
 それでは、次の議題に進んでいきます。後ほど資料3の整備運用計画案でも御説明があるかと思いますが、軟X線向け高輝度3GeV級放射光源の整備及び運営に係る経費の見積りについて、量研の内海委員より御説明をいただければと思います。
 それでは、内海委員、御説明をお願いいたします。
【内海委員】  それでは、2組の資料に基づいて、まず整備に係る方の費用の見積り、それから、運用経費の見積りについて試算という形ではございますけれども、ここで御報告させていただきます。
 資料2-1でございます。軟X線向け高輝度3GeV級放射光源の整備に係る費用の見積りについて。これは現時点における試算ということでございまして、今後、パートナー決定後に建設地を含めて検討が行われることになりますので、その中で増減はあり得るという前提であると御理解ください。
 5つの項目に分けて、金額を書かせていただいております。まず加速器部分、これはライナック及び蓄積リングでございますが、これは総額で約170億円が整備にかかるであろうという試算でございます。この内訳については、整備運用計画の方の一番後のページにもう少し詳しくブレークダウンして書いてございますが、ここで口頭で言わせていただくと、約170億円のうち、ライナックに関わるところが約60億円。蓄積リングが約85億円。それから、ライナックから蓄積リングを結ぶ輸送系のところが約5億円。それから、制御・安全系そのほかに約20億円と見積もっております。これで総額約170億円が加速器に係る整備費用になります。
 それから、2番目、基本建屋でございますが、これは加速器及びビームライン等々が全部入るところでございますが、これの総額として、約80億円から85億円。これは場所や設計等々によって変わってくると思いますので多少幅を持たせてございます。
 それから、ビームラインでございますが、この小委員会での議論の中で、当初10本程度を整備しましょうということになっておりますので、ビームラインによって多少金額は前後するかと思いますが、押しなべて平均をとると1本あたり約6億円、10本全体で、約60億円という額を見積もっております。
 それから、4番目、研究準備交流棟でございます。これは研究者が集まるところ、ユーザーズオフィスになるところ、それから、実験準備室等々を整備するところでございますが、大体、地上4階建ての4,000平米程度の研究準備交流棟を建てるとして、全体として約25億円。その内訳としましては、建物の基本建屋として約20億円、それから、実験室などの附帯設備に約5億円を見積もって、合計、約25億円程度というのが適正な価格ではないかというふうに考えている次第です。
 整備用地でございますが、これはパートナーが決まらないと立地も決まりませんし、それの用地状況によって異なりますので、ここでは費用は書いてございません。
 次に、これらの費用の分担でございますが、これまでの小委員会での議論を踏襲する形で、1番の加速器に関しては、国費において整備するのが妥当であり、2番の基本建屋においては、パートナー側で国費以外の財源で整備していただくのが妥当であろうということでございます。
 3番のビームラインでございますが、量研が国費で整備するとともに、パートナーが国費以外の財源で整備する。10本の内訳については、パートナーが決まってから、国が何本を財源負担し、パートナーが何本負担するかを協議していくことになろうかと考える次第です。
 それから、研究準備交流棟及び整備用地に関しても、これはパートナー側に御負担をお願いしたいということで考えている次第でございます。
 これらを全部併せますと、上の方に概算総額という形で書いておりますが、約340億円程度というのがこの整備に係る経費の大まかな見積りということになります。これには用地取得及び土地造成に係る経費というのは、別途計上ということで入っておりません。
 国とパートナー側でそれぞれ足し算いたしますと、国側の分担額が約190億円から約200億円程度、それから、パートナー側の分担が約135億円から150億円程度プラス用地の取得代と土地造成費ということになります。官民地域パートナーシップにおいて、それぞれ分担していただくお金が、国側とパートナー側で約半々程度になっているということになります。
 次の資料でございますが、今度は運営経費の試算でございます。多少、これは複雑な説明図になってございまして申し訳ございませんが、まずこの左下のところの運営経費の内訳(推計)を御覧ください。ここに運転が始まって以降の運転経費の内訳及び総額がまとめてございます。この総額として約29億円/年と書いてございます。これが合計金額で、年間で、運転に係る見積金額でございます。
 その内訳でございますが、4つの丸で分かれて記載しておりますが、一番上の加速器の維持管理費に約19億円の費用が掛かるというふうに見積もっております。その内訳として人件費を含んだ運転経費が約14億円。光熱費だけをちょっと特出しで分けて書いておりますが、これが約5億円です。今度の新しい3GeVリングは、非常に小さな電力消費ですむ省エネ設計をしようとしておりまして、光熱費を約5億円弱に抑えることができるのではないかと考えております。
 それから、2番目と3番目がいわゆるビームラインに係る経費で、ビームラインの維持管理と利用支援に係るコストを分けて書いてございます。
 ビームラインの維持管理費としては、10本分で約5億円です。その中の人件費約1億円は、ビームラインの維持管理に関わる研究者としてビームライン当たり1人強という人数でカウントしております。一方、いわゆる利用支援の方でございますが、こちらはほとんどが人件費になろうかと思いますが、利用者選定や支援業務で、合計約3億円という形で掛かるだろうと。
 それから、その他の事務運営管理費、その他もろもろ全部あわせて、その他約2億円必要ということで、合計で約29億円というのが、運営が始まってからの見積りの総額ということでございます。
 この約29億円を国とパートナーでどう分担するのかについては、これからパートナーが決まってからの協議ということになりますが、それについての一つの試算をさせていただいているのが残りの部分に書かれていることでございます。
 非常に分かりにくくて恐縮ですが、ざっと説明させていただきますと、今、仮に当初作る10本のビームラインのうち、国が3本作り、パートナー側が7本作る場合、国が5本作って、パートナーが5本整備するという場合に分けて、いろいろ検討を重ねています。パートナーにお作りいただいた専用ビームラインについても、その50%のビームタイムについては共用ビームタイム枠を入れましょうというのが今回の委員会での議論だったと思います。そこで、例えばパートナーが整備していただいたビームラインにおいて、50%はパートナーが自主運営をなさる。残りの50%は特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律(共用促進法)の下で国が運営するというような仮定を置いて、その場合にどのような負担の割合になるかを計算したのがそこに書かれている内容でございます。
 利用料金については、成果専有利用に対しては、コスト回収型で頂きましょうということになっておりますので、パートナーが自主運営をされるビームタイムの中で、どのぐらいが成果専有利用になり、どのくらいが成果非専有利用になるかということでも全体の金額が変わってきます。
 このあたりを加味して、少し面倒な計算をさせていただいていますが、結果として、その結果は右下に書かれているとおりでございます。2本の赤線と青線で書いてありますが、下の赤線が、国が5本、パートナーが5本を作る場合。青線が、国が3本、パートナーが7本作る場合。それぞれにおいてパートナーが使われるビームタイムのうち、何%をいわゆる成果専有利用でお使いになるかということによってもコストが変わってまいります。
 ちなみに、パートナーが7本のビームラインを整備し、50%のビームタイムを自主運営され、その中での成果専有利用の割合が50%であった場合、パートナー側に御負担いただく経費は、「614百万円」、約6億円の御負担をしていただくということになるのかなというのが、ここでの一つの試算でございます。
 もちろんこれはパートナー側が何本のビームラインを自前でお作りになるか、そのうちの何%を自主運営なさるか、更にその何%を成果専有利用なさるかによっても、大きく変わってまいりますので、これはこの一つの試算として、今はお考えいただければいいかと思います。 以上、少し長くなりましたが、これが整備と運用に係る試算結果でございます。
【雨宮主査】  どうもありがとうございました。
 今、内海委員から説明いただいた内容について、御質問、御意見ありましたらお願いいたします。
【金子委員】  運営経費の試算で、前提条件として運転日数がどれぐらいかということと、もしどれぐらい日数が違うと、この運用経費が変わってくるかというところを教えていただけますでしょうか。
【内海委員】  この計算は、今、放射光利用が年間5,000時間で、10本のビームラインが全部きちっと動くという前提で行っています。今、御質問いただいたように、もちろん運転時間の上限によっても変わってまいりますし、それから、将来、ビームラインがどんどん増えると、いわゆる単価というのも変わってまいります。10本が順調に整備されて、5,000時間動いたときの当初経費という前提の計算でございます。
【金子委員】  はい。
【雨宮主査】  ほかにいかがでしょうか。
 では、私から。資料2-1で、ビームライン、約60億円とありますが、インサーションデバイスはビームラインというふうにカウントするわけですね。
【内海委員】  はい、ビームライン側として整理しております。
【雨宮主査】  あと、下にコメ印で、「その他建設期間の業務実施費として2億円/年程度が必要。」とありますが、これは特に説明がありませんでした。
【内海委員】  すみません。説明が抜けました。ありがとうございます。上の方に書かせていただいている金額は、ハードウェアの整備ということで掛かるお金でして、こういう大きなプロジェクトをやるときには、いわゆる附帯事務費というような形で、管理費等と人件費分を付けていただくというのが一般的なプロジェクトの進め方であると考えております。そのような附帯事務費という形のコストはこのぐらい掛かるでしょうということで、一番下にコメ印で書かせていただいているということです。
【雨宮主査】  はい。ほかにいかがでしょう。山田委員、どうぞ。
【山田委員】  ビームラインのスクラップ・アンド・ビルドという議論があったと思うのですが、この資料2-2の右下の話というのは、そのビームラインの寿命は考慮はされていない計算でしょうか。
【内海委員】  後で整備運用計画の方でも出てまいりますし、この小委員会でもかなり議論があったと思いますが、ビームラインの高度化や、スクラップ・アンド・ビルドの費用をどのように捻出していくかというのは最大の問題の一つです。利用料収入を上げて、そこの中でポジティブサイクルを回していきなさいというような議論がここであったかと思います。
 もちろんこの毎年の運営経費の中で少しずつためていってうんぬんとか、いろいろなことを考えていかないといけないだろうというふうに思いますが、現時点での、この今日お出しした運営経費の試算は、最初運転を始めて数年間はこのぐらい掛かるだろうというイメージでお出ししているものですので、この約29億円の中にはそのスクラップ・アンド・ビルドとハードウェアの更新というところは、入っていないというふうにお考えいただければと思います。
【山田委員】  はい。
【内海委員】  ただ、それは極めて重要な話で、考えていかないといけないお話です。
【雨宮主査】  ほかにいかがでしょうか。
【近藤委員】  研究準備交流棟の整備に約25億円ということで、その中の内訳で、実験室に5億円ぐらいという。この5億円というのは多いような、少ないような、ちょっと微妙な数字なんですけど、これは実験室に入れ物を作るということでしょうか。
【内海委員】  全体の約25億円の中で多少建屋コストを減らしてでも、実験室の方、中身も含めて充実させないといけないのではないかという議論はこれから出てくるかと思います。今、とりあえずここでは箱物として約20億円、中身の整備に約5億円という形で、記載しているということでございます。ビームラインの詳細と合わせて、今後、産業界、大学関係、学術界の方々、全部を入れた中で、そういった議論をしていくことになろうかと思います。
【雨宮主査】  ほかにいかがでしょうか。
 光熱料費が年間約5億円となっていますが、これは省エネ設計であるからこそ成り立っているわけですね。
【内海委員】  はい。おっしゃるとおりです。
【雨宮主査】  ちなみに、従来のやり方だとどのぐらい掛かるものがこのぐらいに抑えられているんですか。
【内海委員】  すみません。その御質問に対する詳細なデータを持ってこないといけなかったのですが。ちなみにSPring-8の光熱費、電気代というのはこれの倍では利かずに、数十億円だというふうにお聞きしています。それに比べると、今回のリングに関しては、最大限省エネ設計するというところが一番の課題となっており、そこを何とか克服できそうということでこの金額になっています。また、この整備費そのものも、これは世界の同じ3GeV級の施設に比べると、非常にエコノミーになっています。運転経費をいかにしてコストダウンしていくかは、非常に重要であり、その主要部分を占める電気代の圧縮が大きな課題であり、そのめどが付きつつあるということだと思います。
【雨宮主査】  さっき運転時間の質問がありましたけれども、省エネ運転だと、ビームタイムが圧迫される要因が少なくなるわけですよね。
【内海委員】  はい。
【雨宮主査】  重要なところだとは思います。
 ほかにいかがでしょうか。
【岸本委員】  資料2-2ですけれども、成果専有利用の割合をあらかじめ協議して決定するということなんですけれども、これはいろいろなケースで設置していくパターンがあると思うんですけど、その専有ビームラインごとにその成果専有利用の割合が変動するような可能性も含められている、考えられているということでしょうか。
【内海委員】  はい。これはパートナーが決まらないと、細かい議論はできませんが、例えば仮にパートナー側が7本整備されるとして、そのうちの何%を国側の共用に使い、何%を自主運営されるか。今、一律にこれは50%と仮定して計算をしていますが、それについても、例えば産業利用の割合が強いビームラインだと、パートナー側は自主運用をもっと大きな割合でしたいとかとおっしゃる可能性もありますし、その辺のところは一律に今、決めるのではなくて、ビームラインごとという可能性は大きいかなと。
 更にその中で、自主運営をされる分に関しての成果専有利用の部分と、成果非専有利用の割合というのも、一律に決まるものではなくて、それぞれのビームラインの状況に合わせることになるだろうというふうに想定しています。
【雨宮主査】  ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。はい。それでは、次の議題に進みたいと思います。
 これまでこの小委員会では、軟X線向け高輝度3GeV級の放射光源の整備運用や、本格的な産学共創の進め方などについて議論をしていただきましたが、これらの議論を踏まえて、量研にて作成した整備運用計画案について、内海委員より御説明いただければと思います。
 それでは、よろしくお願いします。
【内海委員】  お手元の資料、高輝度放射光源とその利用に係る整備運用計画案を御覧ください。この整備運用計画案については、昨年度の12月22日に文部科学省の方に提出させていただいております。今日、ここでの位置付けはその御報告という形になるかと思います。内容の大部分につきましては、前回のこの小委員会で紹介させていただいて、いろいろなコメントを頂いたところでございます。今日ここでは、そのコメントを受けて修正した部分やあらたに追記した部分を中心に説明させていただきます。
 表紙がございまして、平成29年12月22日付でこの計画案が提出されております。1ページ開いていただいて、目次でございますが、第1章のはじめにから第2章基本方針、第3章整備する主要施設、第4章運用、第5章官民地域パートナーシップ、最後第6章に経費・スケジュールという章立てになっています。
 順番にページをめくっていただきまして、1ページ、2ページのところは、前回御説明させていただきましたので、飛ばせていただきまして、5ページでございます。5ページの上の方、3.2のビームライン、3.2.1の挿入光源のところでございますが、前回、雨宮主査から、硬X線という書き方について非常に有益なコメントを頂きました。それを踏まえてこのような記載にさせていただきました。「本施設では挿入光源からのビーム利用を基本とし、軟X線領域(200eV~5keV)において高い輝度を得られることを特長とする。なお、よりエネルギーの高いX線領域(5~20keV程度)もカバーできるよう、必要とする波長領域や偏光特性等に最適化したアンジュレータ又はウィグラーを採用する。」でございます。
  それから、前回の小委員会で、運用に関して、少し議論がございましたので、そこを膨らませる形にしてございます。9ページから運用の記載が始まります。10ページ、4.3の利用制度でございますが、ここの中のa)ビームライン横断的な共用ビームタイム制度の導入、b)課題審査、成果公開/占有ルールの見直し、という部分はこの委員会でも多く議論され、前回もこの内容について説明させていただき、そのままの記載にしてあります。
 少し加筆した部分は、c)の産業利用・産学連携の促進に向けた取り組み、10ページから11ページに掛けてのところでございます。ここのところを整理し、1丸、2丸という形で追記してあります。
 少しだけ説明をさせていただきますと、10ページの一番下、産業利用支援制度の充実。ここはコンシェルジュやコーディネーター等の配備、それから、個別企業の求めに応じて、大学等の研究パートナーを紹介するマッチングサポートを組織的に実施すると。それから、メールインサービスについてもここで記載しています。
 それから、2丸は、知財管理の徹底、データベース・ネットワーク等利用環境の整備。これも前回も掲げているとおりでございます。
 それから、3丸、これは前回、パワーポイント資料で説明させていただいたところでございますが、本格的な産学共創による「課題解決型」の共同研究制度というのを、「組織」対「組織」で作っていきましょうという内容を特出しで記載させていただいています。これは、個別のビーム利用の充実は当然として更に一歩踏み込んで、いわゆる施設の運営主体と個別企業がいわゆる「組織」対「組織」で、最近の言葉で言うところのアライアンスを結んで、重要課題の解決に向けて、大学等の研究者も加わって、一体となって協働することができるようなものを構築することを目指すということでございます。
 それから、ベンチャー企業などの、新たな利用者の開拓というところ。これも特出しで書いています。トライアルユースのような利用料金の減免措置を設けることもありますが、一方で、今、国において研究開発力強化法の観点から、大学や研究開発法人におけるベンチャー企業からの新株予約権の取得方法の拡充についての検討が進められているとお聞きしていますので、その動向を踏まえて、この新しい3GeV光源においては、単にベンチャー企業を支援しますよというだけではなくて、ギブ・アンド・テイクが成り立つようないろいろな仕組みを考えていく、ということでございます。
 利用料金の考え方については、前回御報告したとおりでございます。成果公開の場合には原則としてビーム利用に係る利用料金は、消耗品以外は原則無料。一方、産業利用や成果専有利用に関しては、運転費回収方式を原則とし、特に実験準備やデータ解析や解釈など、ビームタイム以外における手厚い支援に対して、更に別途応分の費用負担を求めていきたいということでございます。そういった内容をこの部分に追記させていただきました。
 それから、13ページの官民地域パートナーシップは、これは前回の小委員会で御説明した記載から変更ありません。
 最後の章、15ページ、16ページでございます。経費・スケジュールですが、6.1の整備経費につきましては、先ほど資料2-1で御説明させていただいたとおり、6.2の運用経費につきましても、大枠を先ほど資料2-2で御説明させていただいたとおりでございます。6.3整備スケジュールでございます。これからパートナーが決まり、それを基にして計画案を作っていくということになりますので、まだ流動的なところはございますけれども、整備着手の予算が計上された年度を初年度とした場合に想定されるスケジュールは以下の通りでございます。加速器、基本建屋、ビームライン、研究準備交流棟という項目ごとに大体どういうスケジュール感で物事が進むかということを書いております。
 ここで言う初年度とは、整備着手の予算が付いた年度でございますので、早くて2019年度になるかと思いますが、もちろんその前から準備は十分しておくという前提でございますが、加速器については2年間掛けて、要素コンポーネントを製作し、3年目、4年目に据付けをするというイメージでございます。
 並行して、基本建屋の方の土地の造成と建設というのを2年半程度でやっていただくとして、2年度目の終わりぐらいには大部分の基本建屋というのが完成しているという前提で、そこに製作した加速器のコンポーネントを持ち込んで、3年目から据付けに入るというイメージでございます。
 ファーストビームですが、一番後ろのところ、4~5年度目というふうに多少ぼかして書いてございます。ここも種々の状況で、どうなるか分からないですが、我々量研としましては、できるだけ早期にファーストビームを出したいと考えている次第でございます。
 今日の一番初めにお話がございましたけれども、2018年度に関しましては、官民地域パートナーシップによる次世代放射光施設の具体化等を推進しなさいという形で予算内示を頂きましたので、施設の調査及び汎用性の高い加速器の技術開発を実施することになっております。
 以上でございます。
【雨宮主査】  どうもありがとうございました。今説明いただいた資料3のこの整備運用計画案について、御意見、御質問、よろしくお願いいたします。
【高原委員】  よろしいですか。
【雨宮主査】  はい、どうぞ。
【高原委員】  今回、産業利用のところをかなり中心に御説明されましたけれども、これは今回、知財関係の部署もこの中に設けるということでしょうか。
【内海委員】  はい。そういう形になろうかと思います。知財管理は極めて重要な柱でございますので、量研にも既に関連する組織もございますので、もちろんパートナーと一緒になって考えていかないといけないですけれど、しっかりやっていくつもりでございます。
【高原委員】  あと、大学。
【内海委員】  おっしゃるとおりです。
【高原委員】  その関連が結構また難しいところがありますね。
【内海委員】  おっしゃるとおりでございます。やろうとしていることはどれも大変重要で、皆さんがそういう方向で進めばいいなと思ってくださっていることばかりですけれど、それを具現化するためにはいろいろなしかけを作らないといけない。また、利害関係とまでは申しませんけれど、様々な関係者・関係機関との調整等々も必要になってきますので、そのあたりは空中分解しないように相当しっかりやっていかないといけないと思っています。
【雨宮主査】  はい、どうぞ。
【岸本委員】  よろしいですか。同じところでのコメントになるんですけれども、最終的には使っていきながら、共同研究みたいな形に発展していくのが一番望ましいのではないかなと思うんですけど、最初のステップのところでは、機密情報とか、やはり問題解決をしていくために企業からもいろいろと課題点だとか秘密情報というのを開示していかないと進まないと思うんですね。
 そのときに共同研究みたいな契約をしていたら遅くなるので、例えば最初から利用に当たっての秘密保持条項とかがある程度決まっていると、もう課題申請のときから安心して利用相談とかできると思うので、その辺を整備していただけると非常にいいんじゃないかなと思いました。
【内海委員】  分かりました。ありがとうございます。
【雨宮主査】  ほかにいかがでしょうか。
 この整備スケジュールですけれど、これは早ければ4年度目にファーストビームというスピードですか?
【内海委員】  はい。
【雨宮主査】  これは、例えばSPring-8のときはどのぐらいのタイムスケジュールで進んでいたのでしょうか。これを見たときに、早いのか、普通なのか、その辺の感覚が余り頭にぴんとこなかったので。
【内海委員】  SPring-8は、整地開始からファーストビームまで5年ではできず、もっと掛かっているはずです。
【雨宮主査】  はい、どうぞ。
【西山室長】  事務局から少し補足をしますと、SPring-8については、整備期間は平成3年から平成9年で約7年掛かっています。今回のこの整備スケジュールにつきましては、当然ながら国とパートナーとの間で役割分担、すなわち資金の負担もしながらやっていくということで、当然ながら、その国費についても我々文部科学省としてどういうような資金措置が計画的にできるのかということも、かなり詰めた議論をしてきております。また、他方でパートナーをこれから決めていくということになりますので、それによっては、当然ながら早まる場合もあれば、なかなか資金の準備状況が整わないということで、遅くなることもあるかとは思います。
 さらには場所をどこにするかによっても、造成の期間がどうなるということも変わってきますので、そういう意味では、後年度についてはまだ完全に何年度かというふうに言いにくいところもあるのは事実だと思っています。
 国側の方の、先ほど申し上げた資金負担等を考えると、5年間で整備をするというのが現実的ではないかと我々は思っているのですが、他方で、国際的な今の放射光施設の整備をめぐる状況ですとか、国内の学術研究、さらには産業界の要請等を踏まえると、可能な限り、早く整備をしていくことが大事だと思っていまして、そういう意味では、パートナーが決まればパートナーと一緒に、その資金の現状の状況を踏まえて、可能な限り、前倒しをしていくと。これは国で言うと補正予算等の機会もあるわけでございまして、そういったものも最大限活用しながら、我々としては早期に整備をしてくるということで考えていきたいと思っております。
【雨宮主査】  どうもありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。はい、どうぞ。
【金子委員】  じゃ、すみません。利用料金に関してですけれども、今、考え方を出されていて、こういうものはどういうタイミングまでに議論が進めばいいのかを教えていただきたく。その運営費回収方式というものが、今あるという認識ではないんですけれども、そういうやり方が本当にちゃんと認められるということになるためにはどれぐらい要るのか。J-PARCのときにやはり成果専有利用の予算がなかなか決まらなくて、利用ができなかったということもあったものですから、そのためにはどれぐらいの準備期間がいるのか、お考えかをお聞かせください。
【雨宮主査】  いかがですかね。我々としては、アズ・スーン・アズ・ポッシブルで決めたいんですけれど、パートナーが決まれば1年間以内で大枠は決めたいと思っていますが、一方で、これを共用促進法の施設にするとかいう話とはまた別の議論で必要ですよね。ですから、今おっしゃったような本当の料金を幾らですと決められるのは、どういうタイミングになりますかね。
【西山室長】  事務局の方でお答えしますと、結論から申し上げて、今そこまでのスケジュールを引けている段階ではないというのがお答えかと思います。
 これからパートナーを決めていって、施設の具体化、整備運用の詳細を決めていくことになりますので、その過程の中で、よくその利用者のニーズも踏まえて、その辺のスケジュールを検討していきたいと思っています。
【雨宮主査】  はい。ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。はい。どうもありがとうございます。
 それでは、次の議題に進みたいと思います。次の議題は、資料4-1と4-2になるわけですが、これまで本小委員会の議論を踏まえて、前回の小委員会の際にお示ししました骨子案に沿って作成した、新たな軟X線向け高輝度3GeV級放射光源の整備等について(報告)案について、事務局より御説明をお願いいたします。
【大榊専門職】  では、事務局から説明させていただきます。まず資料の構成でございますが、資料4-1は、資料4-2本文の中身を、ポイントと概要という形で起こしたものでございます。
 この資料のうち、1枚目、2枚目につきましては、概要を、3ページ目以降につきましては参考資料という形で、SPring-8との比較でございますとか、国内外の放射光施設の動向、国際動向につきまして記載をさせていただいているものでございます。
 まず資料4-1の概要について簡単に御説明させていただいた上で、本文の中身を少しかいつまんで御説明させていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず資料4-1を御覧ください。報告書の概要でございます。まず報告書の大きなポイントでございますけれども、まず、我が国において、新たな軟X線向け高輝度3GeV級放射光源、すなわち次世代放射光施設の早期整備が必要ということで、これは高輝度放射光源とその利用に関する中間的整理(中間的整理)でもお示しいただいたものでございますけれども、早期整備が必要ということを記載してございます。
 それから、国の整備・運用主体でございますが、これを昨年4月から6月頃に掛けて御議論いただきましたが、量研が適切であるとしております。また、整備・運用に積極的に関わる地域、産業界とともに、財源負担も含め、官民地域パートナーシップにより計画を推進することが適当であるとしております。
 また、施設の整備運用に当たっての基本的考え方やマネジメント方策としまして、「組織」対「組織」で共同研究を行うといった本格的産学連携を実践していくべき、といった内容が盛り込まれているところでございます。
 報告書の概要でございますが、(1)科学技術イノベーション政策上の意義といたしまして、高輝度の軟X線利用環境の整備が重要である理由としまして、2ページ目のところに次世代放射光施設で拓かれる学術・産業の例について幾つか例示してございます。
 中間的整理の中でも御議論いただいてございましたけれども、触媒化学、磁性・スピントロニクス材料、創薬、高分子材料という、主に4点を例示いただきまして、その学術的な例、産業利用の例というのを、幾つか参考として御紹介させていただいております。
 触媒化学における軟X線の強みとしましては、例えば触媒表面の電子状態を解析できること。それから、高い時間分解能により化学反応を動的に解析できるといったメリットがございまして、その学術利用としましては、触媒機能の学理解明。産業利用としましては、触媒の理論的な設計による新しい触媒開発であるとか、高効率で長寿命な化学プラントの設計といった、高い生産性を持った製造プロセスが実現できると期待されてございます。
 同様の例としまして、磁性・スピントロニクス材料でいえば、学術利用としてスピントロニクスのダイナミクスの解明、産業利用でいいますと、新しい省資源・省エネルギー産業の創出が挙げられます。
 創薬の例で申しますと、学術的な分野では新たな生体機能の解明。産業利用でいいますと、効率的な医薬品開発の実現というのが挙げられるかと思います。
 それから、右下の高分子材料でございますけれども、学理解明といたしまして、高分子材料の新たなダイナミクス、生体分子やポリマーのダイナミクスを解析できるという強みがございます。産業利用としましては、高分子材料の理論的な設計の実現というのが挙げられるかと思います。
 簡単でございますが、この概要につきましては以上でございまして、1ページお戻りいただきまして、報告書の概要の方をもう少し説明させていただきます。
 (1)の2つ目の丸でございますが、ここも従前、御議論いただいてございましたように、2010年代に入ってから、米国、台湾、スウェーデン等におきまして、高性能の軟X線向けの高輝度放射光源が稼働を開始してございます。我が国には、諸外国と互角に競争するための環境がいまだ整っていない状況でございまして、学術研究のみならず、高い産業利用ニーズが見込まれている次世代放射光施設につきまして、研究力、産業競争力に大きな影響を与えることから、学術、産業の各界から高い期待が寄せられているということでございます。その早期整備により、科学技術イノベーション創出に向けた基盤強化を図ることが必要であると結論付けてございます。
 (2)でございますけれども、次世代放射光施設の規模と書かせていただきましたが、ここも加速器の仕様等につきましていろいろ御議論いただいてございまして、高輝度な放射光を出せる1nm・radの先端性と、運転時にビーム性能を維持できる安定性を両立した、コンパクトな、周長325から425m程度でございますけれども、諸外国と比べてもコンパクトな施設を目指すということでございます。
 それから、(3)でございますが、国の整備・運用主体としまして、大型プロジェクトの整備・運用経験があり、量子ビームの相補的・相乗的利用の推進であるとか、産学官連携活動を積極的に進める将来ビジョンを持っているという観点で、量研が適切であると位置付けてございます。
 (4)でございます。整備・運用に当たっての基本的考え方とマネジメント方策でございますが、先ほどもポイントの方で御説明いたしましたように、官民地域パートナーシップにより計画を推進することが適当であること。それから、整備・運用計画のところで内海委員からも少しお話ありましたように、最先端の研究成果の持続的な創出という観点で、ビームラインの整備計画や改廃の方針について、定期的に策定・改訂をすることが重要であるとしております。
 それから、利用料収入の一部につきまして、施設の設備投資ですとかサポートの充実・強化に充てるということで、ビームラインの開発や高度化を量研自らが計画的に行える体制を整備していくということが挙げられるかと思います。
 それから、ポイントにもございましたように、本格的産学連携によるイノベーション創出ということで、次世代放射光施設をプラットフォームとした「組織」対「組織」の共同研究など、本格的な産学連携を実践するとしてございます。
 最後でございますが、リサーチコンプレックスの形成加速といたしまして、次世代放射光施設を中心として、産・学・官・金が地域に更に集積して、リサーチコンプレックスの形成を加速することで、オープンイノベーションを推進するということを記載してございます。また、研究開発や人材育成、事業化といったものについて、リサーチコンプレックスの中で好循環を生み出すイノベーション・エコシステムの構築が重要であるとしてございます。
 (5)の整備・運用経費につきましては、整備費用の総額を約340億円程度。運用経費を年間約29億円程度。それから、先ほどスケジュールについて説明がございましたが、整備期間は、整備着手から5年間という形としております。
 3ページ以降は、SPring-8との比較など、参考資料のため、ここでは説明は割愛させていただきます。
 では、資料4-2の本文の方を少しかいつまんで御説明をさせていただければと思います。
 まずページをおめくりいただきまして、3ページ目のところ、「はじめに」とございますが、こちらに報告書全体の概要を書かせていただいております。
 初めに、我が国の放射光の研究、利用につきましては、諸外国にも高い評価がされておりまして、世界中の研究者等から注目を集める存在となっているということでございます。
 材料科学、触媒、それから生命科学など、多岐にわたる分野の研究開発分野の研究力や競争力に大きな影響を与え得る次世代放射光施設の早期整備が重要であるとの期待が寄せられているということは、先ほど概要の方にも書かせていただいているところでございます。
 また、それを官民地域パートナーシップにより早期整備をしていくことが必要であり、量研を国の整備・運用主体として計画を進めていくことが適当であるとの判断に至り、報告を取りまとめております。
 1ページおめくりいただきまして、4ページでございます。ここは中間的整理の方で整理をさせていただいてございますが、放射光施設の動向と諸外国の放射光施設の整備状況でございます。
 放射光研究の動向でございますけれども、硬X線が物質の構造を見るのに対して、軟X線については、物質の機能に直接関わる電子状態を測定することができるという強みがございまして、次世代放射光施設については、国内の今までの軟X線向けの施設と比べまして、低エミッタンスで、既存施設の100倍から1,000倍の輝度の放射光が得られること、それから、局所領域を様々な測定手法で鮮明に測定できる、観察できるということが利点でございます。
 また、輝度が高いため、既存施設と比べ、100分の1程度の時間でも鮮明なデータが得られること、それから、軟X線領域で高いコヒーレンスが得られること、といった特徴がございまして、不均一、複雑な系を持った材料等の解析、それから、機能性材料の解析等が進むと期待されてございます。
 こういった観点もございますので、学術利用に関しては、「学術研究の大型プロジェクトの推進に関する基本構想ロードマップの策定」を科学技術・学術審議会の方で示してございまして、その中で特に一定の優先度が認められた研究計画の一つとして取り上げられてございます。また産業利用に関しましても、次世代放射光施設を製品開発に積極的に活用することが期待されていると示してございます。
 それから、諸外国の整備状況でございますけれども、先ほども少しポイントの方で触れさせていただきましたが、2000年代に数nm・radの高輝度な施設が相次いで諸外国で建設されてございまして、2010年代には更に低エミッタンスのNSLS-Ⅱですとか、TPS、それから、MAX Ⅳといったものが稼働を開始しているということは、有識者の先生からも御説明いただいたとおりでございます。
 諸外国でもエミッタンスを下げた、次世代の放射光施設の整備が進んでいることを踏まえまして、光子エネルギーが比較的低い軟X線の領域での学術的ニーズ、産業利用ニーズが高まっているということでございますが、一方、我が国には諸外国で整備が進められているそうした高輝度の放射光施設が存在しておらず、これを活用する分野で諸外国と互角に競争していくための環境が整っていないという課題がございます。
 1ページおめくりいただきまして(6ページ)、ここは先ほど概要の方で説明させていただきましたけれども、3ポツの次世代放射光施設の科学技術イノベーション政策上の意義といたしまして、まず軟X線の特徴として、これまでは硬X線では回折による構造解析が中心でございましたけれども、軟X線では分光等により、電子状態の解析が中心となってございまして、軟X線光吸収分光ですとか軟X線光電子分光、それから、軟X線発光分光といったものが技術として挙げられるかと思います。
 個別分野における具体的な意義につきましては、先ほど概要のところで簡単に示させていただいたものの詳細を書かせていただいておりますので、ページを飛ばせていただきまして、13ページに移らせていただければと思います。13ページの4ポツでございますが、求められる性能の技術的事項でございますが、諸外国の例を見るに、設計どおりの実効性能を実現するというのは、これはなかなか容易なことではないということが挙げられてございます。
 このため、エミッタンスの最小化を重視した目標ということではなく、実効的な総合性能の最適化を図る必要があるということを小委員会で御議論いただいてございます。目標のエミッタンスにつきましては、実効性能の発揮とコスト低減の両観点から、効率的な目標値を定めてございまして、主波長である軟X線領域において高いコヒーレンスを得られるよう1nm・rad程度の目標値が適切ではないかという御議論を頂いてございます。
 それから、現実的な設計が可能であって、更にコンパクトな周長が見込まれるマルチベンドアクロマットラティス(MBAラティス)を使った設計が適切ではないかと小委員会の方で御議論いただいているところでございます。
 まとめますと、蓄積リングにはMBAラティスを採用いたしまして、諸外国と同レベルの先端性、すなわちエミッタンス1nm・rad前後と、実効性能で安定した定常運転ができる安定性を両立して、かつ、コンパクトな3GeV級放射光源を整備することが適切であると小委員会で御報告いただいたところでございます。
 15ページに参ります。国の整備・運用主体につきましては、概要のポイントのところで少し御説明させていただいておりますが、次世代放射光施設につきましては、学術研究のみならず、高い産業利用ニーズが見込まれてございます。科学技術の広範な分野の研究に利用され、質の高い研究成果の創出に貢献すると見込まれている次世代放射光施設につきましては、共用促進法の下での施設の共用を促進することも想定いたしまして、国の整備・運用主体を判断する必要があるとしてございます。
 特に学術・産業の双方に対して適切な利用環境を提供することができる機関である必要がございまして、その要件を考えますと、国の整備・運用主体は国立研究開発法人とすることが適当であると御審議を頂きました。
 特に、量研につきましては、法人の目的であるとか、大型プロジェクトの整備・運用の実績を有している点であるとか、それから、法人の果たすべき役割、将来ビジョンにつきましても、産学共創の「場」の中核となることが期待される次世代放射光施設の整備・運用を行う法人として適切であると御議論いただきました。また、量研からも、組織として積極的に次世代放射光施設の整備・運用を進めるという意思を小委員会の方で確認させていただいてございますので、量研が整備・運用を担う国の主体として適切であると判断しているところでございます。
 それから、17ページに移らせていただきます。整備・運用にあたっての基本的考え方、マネジメント方策等につきまして、直近の小委員会の方で御議論いただいてございました。早期整備の必要性につきましては、中間的整理でもお示しいただいてございますけれども、我が国で軟X線の利用環境、高輝度の軟X線を利用できる環境が存在しておらず、諸外国と互角に競争するための研究環境が整っていないという状況を踏まえて、研究力、競争力に大きな影響を与える次世代放射光施設の早期整備が必要であるとしていただきました。
 それから、官・民・地域の連携による推進といたしまして、これは17ページ、一番下でございますけれども、財源負担も含めて、整備・運用に積極的に関わる地域、産業界とともに、官民地域パートナーシップにより計画を推進することが適当であるとしてございます。
 それから、18ページに移らせていただきますが、リサーチコンプレックスにつきましては、小委員会において、有識者の先生から諸外国のリサーチコンプレックスの状況についても御紹介いただいたことございますけれども最先端の研究基盤としての放射光施設を中心としたリサーチコンプレックスが形成されているという諸外国の状況も踏まえまして、次世代放射光施設の整備についても、これを中核としたリサーチコンプレックスの形成が加速されるよう、地域全体の産学集積とその発展のビジョンを持って具体的な計画を進める必要があると結論付けてございます。
 また、これによりまして、産・学・官・金の連携によるオープンイノベーションの促進を促していくことが重要である、としてございます。
 それから、18ページ途中の最先端の研究成果の持続的な創出というところでございます。ここもビームラインについて様々な御議論を頂いてございましたけれども、ビームラインについては10年程度経過しますと、どうしても研究対象の更なる複雑化ですとか多様化によりまして、既設の装置では対応が困難となることが見込まれます。その時々の学術利用であるとか、産業利用のニーズ、それから、研究動向・技術動向を踏まえまして、新しい測定技術や手法の開発など、ビームラインや装置を高度化していくことが必要になるとしてございます。
 このために運用段階当初から研究成果の最大化が図られるよう、1にありますように、ビームライン整備の仕組み、2にありますように本格的な産学連携につながっていくビームラインの運用を行うこと。3にありますように、整備、運用、改廃を含むビームライン全体のマネジメント。それから、4にありますように、ビームラインに応じた技術的なサポート体制といったものの取組を具体化していくことが重要であるとしてございます。
 それから、ビームラインの活用によって得られた利用料収入の一部につきましては、これは装置の高度化等の設備投資や、サポートの充実・強化に充てることによりまして、学術研究のみならず、産業利用においても最先端の魅力的な研究利用環境というのを維持し、これを発展させて、更なる利用料収入の拡大を図るという、いわゆる「正のスパイラル」を構築していくことが重要であるとしてございます。
 それから、19ページの上の方でございますけれども、本格的産学連携によるイノベーション創出としてございますが、先ほどから何度か申し上げておりますけれども、次世代放射光施設は、学術、産業ともに高い利用ニーズが見込まれて、学術研究の成果によるシーズが創出されると同時に、民間企業の抱える様々な課題が持ち込まれる場としても活用されるということが期待されておりまして、産業界が抱える課題解決に向けて、研究者や技術者が最先端のビームラインや装置のリソースを横断的に提供して、共同研究を「組織」対「組織」で行う、いわゆる「ソリューション導出型共同研究」といったものを実現するといったことなど、本格的産学連携を実践していくべきであるとしてございます。
 (2)からは、具体的なマネジメント方策といたしまして、一部そのビームラインの整備・改廃についてですとか、ビームタイムの運用方式の導入といったことについて書いておりますので、ここもかいつまんで御説明させていただきます。
 ビームラインの整備・改廃につきましては、次世代放射光施設が担うべき研究開発の分野や方向性について、あらかじめ十分に検討いたしまして、ビームラインの整備・改廃の全体方針を策定することが重要であると小委員会で御議論いただいてございます。
 それから、ビームタイムによる運用方式の導入でございますが、従来のビームライン別に運用する方式ではなく、全てのビームラインにつきまして、必要に応じてビームタイムで分けて運用する方式、いわゆるビームタイム制というものを新しく導入するということが新たなポイントでございます。
 ビームタイムを共用枠と専用枠に分けることにより、ビームライン設置者が自ら利用するビームタイム以外の部分につきましても、産学で広く共用に供することができ、ビームラインの有効活用につながるのではないかということが期待されております。こうした実現につきましては、共用促進法の改正も視野に入れて、更なる検討を行う必要があると思ってございます。
 それから、20ページ、共用枠の一元的マネジメントでございますけれども、これもこれまで御指摘ありましたように、ビームラインによってサポートの質にばらつきがあるといった利用者からの指摘もございました。これについては、複数の研究者や技術者がチームとなって複数のビームラインをサポートする体制を構築することにより、ビームラインのサポートの充実・強化につながっていくことが期待されるとしてございます。
 それから、21ページを御覧いただければと思います。本格的産学連携の費用分担の適正化というところでございまして、先ほども整備・運用の基本的方針で触れましたけれども、次世代放射光施設につきましては、研究規模の大型化ですとか、企画に関わるスタッフの増加等により大型の共同研究が見込まれますので、本格的な産学連携の実践に当たりまして、共同研究に関わる研究者の人件費相当額ですとか、それに附帯するような経費として、いわゆる戦略的産学連携経費といったものも含めた共同研究の契約を結んで、費用負担を適正化していくことが重要であるといった議論もしていただいたところでございます。
 それから、上段でございますけれども、民間企業の利用ニーズを踏まえたサービスの提供ということで元来、成果専有利用の場合は、運営費回収方式に基づく利用料の徴収が見込まれてございますが、支援サービスですとか附帯設備利用といったものにつきまして、ビームラインの利用料とは別に経費が掛かると見込まれるサービス等につきましては、適正な利用料金を定める必要があるとしてございます。
 長くなって申し訳ありません。ベンチャー企業の利用促進ですが、新たな技術シーズが市場の開拓につながるということが期待されますので、例えば利用料金の低廉化等の優遇措置を設けるなど、積極的な利用開拓と支援の検討が必要であるとしてございます。
 総合科学技術・イノベーション会議の有識者議員の意見等を踏まえまして、例えば、「ベンチャー企業から国立大学や国研が対価として株式・新株予約権等を取得できるケースを拡大すべき」といったような提言がなされていることも踏まえ、所要の法改正も見据えて、次世代放射光施設につきましては、ベンチャー企業からの株式ですとか新株予約権等の長期保有等も視野に入れ、こうした寄附の拡充についてもあらかじめ検討を進めるということも示させていただいてございます。
 それから、次世代放射光施設を活用した人材育成というところを非常に活発に御議論を頂きましたけれども、次世代放射光施設の整備・運用に当たりまして、人材育成の観点をしっかり取り入れていくことが重要であるとしてございます。
 22ページにございますように、若手研究者とか学生、そういった方が最先端のビームラインや装置の開発に整備段階から関わっていただくなど、次世代放射光施設を人材育成の場として活用するということが期待されてございます。
 それから、効果的に人材育成が行われるよう、若手研究者や学生が自ら試行錯誤しながら研究に取り組むことが重要であるということで、効果的に人材育成が行われるよう十分なビームタイムを確保することも重要であるとしてございます。
 最後に、国内外の放射光施設との連携・協力という点でございます。我が国の放射光の研究、利用に関する中核的な拠点として、次世代放射光施設が機能することを考えますと、他施設との協力によりまして、我が国として通年的な放射光利用環境の実現ですとか、国内の既設の放射光施設とも連携強化を図っていくとともに、諸外国の放射光施設との連携・協力を進めることが期待されていると書かせていただいてございます。
 また、運用に当たりましても、高い技術力を持った研究者、技術者がオールジャパン体制で協力して、利用技術の開拓を進めることも重要であるとしてございます。
 23ページを御覧ください。整備費用・運用経費について、でございます。上段に書かせていただいておりますように、スケジュール、運用経費について御議論を先ほどさせていただきまして、今後、パートナーの募集を行って、施設の建設地も含め、官民地域パートナーシップの具体化を図っていく必要があると結論付けてございます。
 整備費用等につきましては、先ほど量研の方から御説明いただいたものと同様でございますけれども、概算総額は約340億円程度、それから想定される国の分担を約190億円から約200億円程度としてございます。
 それから、想定されるパートナーの分担としましては、約135億円から約150億円程度に加え、用地取得や土地造成の経費が入って、およそ半々程度になるような形としております。
 それから、運用経費でございますけれども、これも先ほど量研の方から説明いただきましたように、約29億円/年という形になってございます。
 パートナーとの経費分担につきましては、ビームラインの成果専有利用との割合について、協議の上、決定することとさせていただいております。
 24ページでございます。可能な限り、整備スケジュールの前倒しを検討するということが望ましいとさせていただいておりますが、スケジュールとしましては、4、5年目にファーストビームが出るという形で書かせていただいてございます。
 最後、25ページでございます。これまでの議論をまとめて記載させていただいておりますけれども、最後にございますように、整備・運用に当たりまして、オールジャパンでの協力体制の下、最先端の技術の粋を結集して、数十年後も世界の最先端の研究開発・人材育成の拠点であり続けられるように、関係者は進取の気概を持って取り組んでいただきたいと結論付けております。
 長くなりました。以上でございます。
【雨宮主査】  どうもありがとうございました。
 今、御説明いただいた資料の4-1と資料4-2、詳しくは資料4-2ですが、御質問、御意見、何かお気付きのところがあったらよろしくお願いします。いかがでしょうか。
 内容ではなく、フォーマットに関してですが、20ページの図1と表1は2つに分けて、横でもいいので、大きくした方が良いと思います。これは重要な情報を含んでいるので。
【大榊専門職】  はい。一つ、1ページを使って。
【雨宮主査】  ええ。フォーマットを検討してください。
【大榊専門職】  承知しました。
【雨宮主査】  14ページの求められる主な施設性能で、エネルギー広がりが「初期値×1.1」よりも小さい、とありますが、これはどういう意味なのか不明確です。今日、加速器専門の田中委員がいらっしゃらないのですが、ここを御検討ください。
【大榊専門職】  すみません。中間的整理でも記載させていただいたところですが、分かりやすい書き方にします。
【雨宮主査】  皆さん、何か御意見ありますでしょうか。
【高原委員】  物すごく細かいことでいいですか。
【雨宮主査】  ええ。細かいこともここで。
【高原委員】  私、ちょっと見落としていたところなんですけど、12ページの高分子のところなんですが、「ポリマー分子」というのは、ポリマーが分子なので、「ポリマー」の方がいい。「分子」は取った方がいいと思います。
【雨宮主査】  そうですね。ポリマーは高分子ですよね。高分子分子になっちゃいますね。
【大榊専門職】  はい。
【高原委員】  はい。それから、その前の「生体」も、ここ、「生体分子」とした方がいいのかもしれません。
【雨宮主査】  そうですね。「生体分子や高分子」。
【高原委員】  もう高分子で統一した方が。
【雨宮主査】  ええ。これ、最初のところが「高分子材料」と書いてありますね。だから、「高分子」で行くのか、「ポリマー」で行くのか。
【高原委員】  「高分子」の方がいいと思います。
【雨宮主査】  「産・学・官・金」とあるんですが、「金」というのは?
【西山室長】  金融ですね。
【雨宮主査】  金融ですか。
【西山室長】  はい。今、産学連携の議論では一般的というか。
【雨宮主査】  ああ、そうですか。
【西山室長】  これまで「産・学・官」だったんですけれども、やはりイノベーションを加速する上では、金融のプレーヤー、ベンチャーキャピタルですとか、いわゆる銀行等含めですけれども、そういった機関の果たすべき役割は非常に大きいということで、最近、産・学・官・金としています。
【雨宮主査】  これは行政で使い始められているタームですね。
【西山室長】  はい。
【雨宮主査】  そうですか。「産」から「金」を出しているわけですね。産の中に入らないわけですね。
【西山室長】  はい。
【雨宮主査】  分かりました。
 いかがでしょうか。はい、どうぞ。
【近藤委員】  よろしいでしょうか。25ページの「おわりに」というところの、これまで強調しておきたいというところの(1)の一番後のところ。いろいろ高度化とか様々なことに対応して、発展的に運用していくときに、「国の整備・運用主体自らが計画的に行うことができる」ということが強調されているんですけれども、官民地域パートナーシップということで、この国の整備・運用主体というのは、今ですと、量研のことを指しているのかと思うのですけれども、このパートナーシップを強くうたっているということを考えると、この将来のことをいろいろ考えていく上でも量研というか、国の整備・運用主体だけではなくて、パートナーシップをとっているほかの民、地域の人たちとも協働していろいろ策定していく必要があるかと思います。そういう点で、細かいところなんですけれども、このところはこのままでももちろん特に大きな問題はないかと思うんですけれども、その辺のニュアンスを入れるというのはどうかと思ったんですが。
【雨宮主査】  例えば具体的にどの辺に。
【近藤委員】  25ページの(1)の一番後から2行目のところに、「国の整備・運用主体自らが」というふうになっておりますよね。
【雨宮主査】  はい。
【近藤委員】  だから、これからのことをいろいろ考えていくときに、リーダーシップをとってやっていこうというときに、この国の整備・運用主体がリーダーシップをとっていくということ自身は、それは悪くないと思うんですが、そのパートナーシップという観点を盛り込むということはできないのかなという。
【雨宮主査】  パートナーを広く募集して、パートナーとやっていくわけですよね。
【近藤委員】  はい。
【雨宮主査】  どちらが主体かといった場合、国が主体という意味での主体ということですか。
【西山室長】  御指摘ありがとうございます。パートナーと国の整備・運用主体。すなわち、この小委員会の報告書で言うところの量研との関係については、今後そのパートナーの募集を行って、具体的な役割分担の詳細を詰めてから、どのような整備、さらには、運用の役割分担を整理していくことになるかと思っております。
 そういう意味で、まだこのパートナーの具体的な役割の詳細化、具体化というのがこれからの段階なので、ここには少し記載をしていないんですが、他方で、おっしゃるとおり、今回の次世代放射光施設の整備は、官民地域パートナーシップで整備・運用を進めていくということをうたっておりますので、そういう基本趣旨からすると、御指摘のとおり、国の整備・運用主体及びパートナーが協働して、協力して、共に働いて、計画的に整備を行うような経営的基盤を持っていくべきだということは御指摘のとおりかと思いますので、そのように修正をしたらどうかとは思います。
【雨宮主査】  はい。(1)は近藤委員からの指摘をそのような形でよろしくお願いします。
 近藤委員、趣旨としてそういうことですね。
【近藤委員】  はい。
【雨宮主査】  ほかにいかがでしょうか。
 今日、1月18日付で、案となっていますが案が取れるということにファイナライズしていく必要があるわけですが、ここでお気付きの点があれば、いろいろと御意見いただくとして、細かいところの文言に後で気が付いた場合は、事務局の方に集めていただいて、基本的なところでオーケーであれば、最後は、主査の私が事務局とキャッチボールして取りまとめるということにしたいと思うのですが、何か御意見ありますでしょうか。
 何かがすっぽり抜けているとか、追記する必要があるとか、大きな修正のある場合は、書面審議になるとは思いますが。
 昨年から大分時間を掛けて、いろいろな意見を出していただき、それを順次文言化してきているので、かなり完成度が高く充実した、ここで議論したことが的確に反映される形になっていると思いますが、いかがでしょうか。
  これは最終的には色刷りになるんですか。さっきコメントした20ページのところだけ色刷りになっていますよね。ここだけ色刷りにすると、どんな感じになるんですか。
【大榊専門職】  よろしいですか。こういった報告書によくありますように、概要は前に付けて色刷りとして、このカラーの図表はそのままカラーでまとめる形になるかと思います。概要が付いて、本文が付いて、一番後ろに整備運用計画案が付いて、という構成になるかと思います。
【雨宮主査】  はい。この資料4-1の参考資料の1から3までも最初にこれが載るわけですね。
【大榊専門職】  はい。最初に載る形です。
【雨宮主査】  特にないようですので、今日頂いた御意見については最終版に適切に反映し、バージョンアップしたバージョンについては、主査一任とさせていただければと思いますが、よろしいでしょうか。はい。それでは、そのようにさせていただきます。
 それでは、全体を通して、何か御意見とか御質問とかありますでしょうか。以上が今日予定していた議題全てですが、特にございませんでしょうか。
 それでは、特になければ、事務局の方から何かあれば。
【西山室長】  これまで計14回にわたりまして御審議いただきまして、まことにありがとうございます。これで報告書として、今回の御議論も踏まえて、主査一任ということで、適切に主査と御相談をして、修正をしたいと思います。
 平成30年度の政府予算案にもございますとおり、今後、官民地域パートナーシップの具体化ということを国と量研の方で進めていくということになるかと思っておりますので、この報告書を踏まえて、国側の対応も検討していくということでやっていきたいと思います。
 以上です。
【雨宮主査】  はい。それでは、最後、事務局から何か連絡事項を。
【大榊専門職】  連絡事項を申し上げます。不要な資料ですとかドッジファイルにつきましては、そのまま机上に置いたままにしていただければと思います。
 以上でございます。
【雨宮主査】  では、以上をもちまして、第14回の量子ビーム利用推進小委員会を閉会いたします。本日はどうもありがとうございました。

―― 了 ――


お問合せ先

科学技術・学術政策局 研究開発基盤課 量子研究推進室

(科学技術・学術政策局 研究開発基盤課 量子研究推進室)