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原子力科学技術委員会 核不拡散・核セキュリティ作業部会(第11回) 議事録

1.日時

平成29年1月31日(火曜日) 13時30分~15時30分

2.場所

文部科学省 18階 研究開発局 会議室1

3.議題

  1. アジア原子力協力フォーラム(FNCA)核セキュリティ・保障措置プロジェクトの取り組み
  2. 核不拡散・核セキュリティ作業部会における「今後の核不拡散・核セキュリティ研究開発の進め方について」(骨子)(非公開)

4.議事録

(上坂主査) それでは、ただいまから第11回核不拡散・核セキュリティ作業部会を開催いたします。
 本日はご多忙にかかわらずご出席賜りまして、まことにありがとうございます。
 本日の議題は、お手元の議事次第に書かれておりますように、(1)アジア原子力協力フォーラム(FNCA)核セキュリティ・保障措置プロジェクトの取組、(2)核不拡散・核セキュリティ作業部会における「今後の不拡散・核セキュリティ研究開発の進め方について」(骨子)となっております。
 なお、本日の議題のうち、(2)核不拡散・核セキュリティ作業部会における「今後の核不拡散・核セキュリティ研究開発の進め方について」(骨子)は、第9回の作業部会で検討しました参考資料3「技術開発俯瞰図の策定に向けた本作業部会の公開の在り方」に基づき、議論の過程で核セキュリティ等の観点で機微な情報を含む意見交換を実施する可能性がありますので、本議題を非公開とさせていただきますが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。議題(1)については一般の方は傍聴できますので、ご了承ください。
 次に、事務局より本日の出欠と配布資料の確認をお願いいたします。
(道川補佐) 本日は10名中10名の委員に出席いただいておりますので、定足数である過半数を満たしております。
 続きまして、本日の配布資料の確認をさせていただきます。資料1は、FNCA/核セキュリティ・保障措置プロジェクト(NSSP)の活動と今後の計画。
 そのほかに各委員から頂きましたコメントを取りまとめた前回の議事録案をメインテーブルにのみ参考配布しております。議事録案に対する追加コメントがありましたら2月13日月曜日までにお知らせいただきたいと思います。
 資料の欠落等がありましたら事務局までお知らせいただきたいと思います。議事の途中でもお気づきの点がございましたらお申し出ください。
 以上でございます。
(上坂主査) よろしいでしょうか。
 それでは、本日の議題に入りたいと思います。まず、議題1のFNCA、アジア原子力協力フォーラム/核セキュリティ・保障措置プロジェクトの取組です。FNCAにおいては我が国が主導で近隣アジア諸国とともに10個のプロジェクト活動を行っており、その中に核セキュリティ・保障措置というプロジェクトがございます。このプロジェクトの現プロジェクトリーダーであり、本作業部会の前委員でもありますISCN千崎シニアフェローにお越しいただいておりますので、ご説明をお願いいたします。
(千崎シニアフェロー) 紹介ありがとうございます。千崎です。
 私は実はこの作業部会の非常に最初の頃に参加させていただきまして、今後の技術開発あるいはこの分野の研究開発を含めた在り方について議論させていただいております。幸いにして文科省様でこの部会がずっと続いているので非常にありがたいと思います。
 今日は15分ほどお時間いただきまして、FNCA、アジア原子力協力フォーラムの核セキュリティ・保障措置プロジェクトの概要についてご報告させていただきます。
 このFNCAというプロジェクトはかなり前からやっています。最初のページにそれらの内容、現在の状況を書いております。もともとはアジア地域における放射線利用、試験研究炉、これらの分野の人材育成について、日本が主導して協力していくということで始まりました。当時のコーディネーターの町さんが精力的に活動をされておりました。それがここにある1990年頃の話であります。その後少し趣を変えて、新たな枠組みという現在の形になり、研究協力分野の形も少し変えて再出発という形になっています。現在FNCAは12か国が参加して、一番上の会合は、科学技術担当大臣あるいは大臣相当の方が参加して会合を年1回やるという大臣級会合があります。その下にコーディネーター会合、中間に上級行政官会合がありますが、メンバー国政府の上級行政官の方が集まって今後の進め方等について議論する場となっています。コーディネーター会合は、各参加国で選ばれたコーディネーターが集まり、このフォーラムの進め方、議論すべきこと、協力内容等について議論を行い、最終的には大臣級会合で共有するというような形になっています。現在日本のコーディネーターは和田さんが担当しています。
 右の方にパネルというのがありますけれども、最近アジアにおいて新たに原子力発電の開発を進める国が出てきたことから、原子力発電等についても基盤をどう進めていくかという議論のためのパネルを設けて議論されてきております。
 FNCAには、各プロジェクト、即ち放射線利用開発、原子力安全、研究炉利用開発、原子力基盤強化等の分野で、幾つかのプロジェクトがあります。今、私がリーダーを務めさせていただいているプロジェクトは原子力基盤強化の中にあります核セキュリティ・保障措置プロジェクトです。
 次のページに、このプロジェクトがなぜ設置されたかという背景を紹介しています。皆さんご案内のように、2009年4月オバマ大統領がプラハの演説で原子力開発及びテロ活動の活発化等で核テロの脅威が非常に高まっていると述べ、そして核兵器のない世界を目指すために核セキュリティサミットの開催を提唱しました。2010年4月に第1回核セキュリティサミットがオバマ大統領の公約通りアメリカで開催されましたが、本サミットでは、十分に管理されていない核物質あるいは放射性物質が色々あり、それを的確に管理することが非常に重要で、核セキュリティ強化の取組を国際的に進めようではないかという提案が行われました。我が国からは、国の核セキュリティ強化に向けた様々な取り組みとともに原子力機構に核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)を設置するとの提案が行われました。これに基づき、日本国内の技術開発、人材育成、それから主に東南アジアを中心にした国際的にこの分野の人材育成に貢献するということでISCNが設立されました。日本では福島第1原子力発電所の事故が2011年にありましたが、福島の事故の教訓からしても核セキュリティ対策が非常に大事だと認識されるようになりました。、当時アジア各国は幾つかの国で原子力発電所の新規導入を検討し、そのための契約なども行われていたことから、対象となる核物質の量がこれから飛躍的に増えるということもあり、FNCAの枠組みに核セキュリティ・保障措置の確保のためのプロジェクトを設置するということになったと理解しています。同じような時期に、先ほどご説明しました原子力パネルも設置され、原子力の基盤整備のためにアジアに対する協力としてどういうことができるだろうかという議論がなされてきたと思います。その前には、現在はなくなっていますが、広報活動のプロジェクトが行われていました。
 第11回大臣級会合で初めて核不拡散/保障措置、原子力安全、核セキュリティの3Sが非常に大事だということで、こういった基盤のための相互協力を強化することが必要であるということが決議されました。次の年の12月にその決議を踏まえて、このプロジェクトの活動を通じて、FNCAメンバー国の基盤整備、人材育成等に貢献していくことになりました。
 その後第14回大臣級会合で、国際的なベストプラクティスに沿った核セキュリティ文化の推進、即ち核セキュリティを進めるためにも核セキュリティ文化というのが非常に重要であるとの指摘がありました。これは原子力を規制する側と事業を推進する側の両方の核セキュリティ文化を確実に進めることがまずは非常に大事だと決議をされています。15回会合では、本分野の取組の重要性を認識し、日本のISCN、韓国のINSA(International Nuclear Security Academy)という組織が良好事例をお互いに共有して、メンバー国の人材養成や文化の醸成に努力しましょうというような決定がされています。 それから、2016年の第17回会合で、国際社会が核・放射線テロの脅威にさらされる中、核セキュリティの確保はFNCA参加国の共通利益にとって喫緊の課題であると認識しているという決議がなされております。
 これらのことを背景にしてこのプロジェクトを推進しております。第1回のワークショップを2012年2月に日本で開催するということになりまして、水戸と東海で開催しました。まず最初に、このプロジェクトの目的とか今後の活動計画等を提案し議論して決定しました。それから併せて、第1回核セキュリティサミットがありましたので、サミットの結果の報告、そして何が重要で、今後の課題は何か議論するとともに、今後どのように情報をシェアするかという議論も行いました。原則このプロジェクトのワークショップには、IAEAの専門家にも参加してもらい、IAEAの取り組み状況等を報告していただいています。
 ワークショップは年1回、各国持ち回りで、大体2日程度で情報共有なり意見交換を行っています。具体的に中身を詰めた議論は少し難しいところはあるのですが、できるだけお互いが関係する情報を持ち寄って共有し、お互いの国のこの分野の取り組みに反映していくという趣旨になっています。そのため目的は、核セキュリティ・保障措置を強化するために経験、知識、情報の共有、そして方針、戦略、枠組みについての意見交換を行うことを最初に決めております。それから、活動目標が4つあります。(1)核セキュリティ、保障措置の重要性について認識を高めること、(2)この分野の情報交換を円滑にしていくこと、(3)この分野での人材育成を中心としたキャパシティ・ビルディングを促進していくこと、(4)この分野に必要な技術的なツールや要件に関する情報を共有することで、その国の実施体制を強化すること。この4つの目標を設定してこれまで活動してきています。
 具体的な成果は、基本的に年1回開催されるワークショップがメインになりますので、このワークショップの開催を通じて、メンバー国の核セキュリティと保障措置の強化に貢献しております。これまで6回のワークショップを開催しました。日本で最初に開催し、その後ベトナム、中国、韓国、カザフスタン、昨年はインドネシアで開催しました。これまで、合計320名ほどが参加しています。ホスト国でワークショップを開催すると、どうしてもホスト国の関係者の参加者が多くなります。ワークショップには、ホスト国以外のメンバー国から一人ないし二人参加しますので二十数名、加えてホスト国からの参加となります。ワークショップには、これまでホスト国関係機関の積極的な協力を頂いており、非常に助かっております。
 具体的な内容ですけれども、どちらかというとこれまでの活動は核セキュリティ強化に関する議論が7割、それから保障措置関係が3割ぐらいです。というのは、核セキュリティについては、特にサミットプロセスが進められ世界のニーズが非常に高かったので、FNCAメンバー国のニーズも非常にが高かったということがあります。それから、保障措置関係は3割の中でも、保障措置の効果的・効率的な実施に関し具体的にどういう取り組みをすべきかに関したメンバー国間の情報共有に関心が高く、又メンバー国の中でも、まだ追加議定書を批准していない国もあり、追加議定書の批准に向けた取組や批准後の追加議定書による保障措置の実施等について議論をしてきております。特に追加議定書については、これまでの活動期間中にベトナムが批准しました。しかしまだタイとマレーシアは批准していません。要件として国内整備はほぼできているのですけれども、法律で位置付けなければならないところ、タイもマレーシアも政治的な問題などで、なかなか国会でそれを議論する順番が回ってこず、未だにタイとマレーシアは批准されていないと理解しています。担当者いわく、いつでも批准できる状況を整えているが、政治的な問題で今止まっているということのようです。
 その次に、原子力安全とともに本分野の文化の醸成が重要であるとしっかりワークショップの中で議論しており、各国の良好事例等の経験の共有をしております。特に日本、韓国、インドネシア、この3か国が特に核セキュリティ文化について非常に積極的に取り組んでおりますので、そういった国が主導して、ほかの国と一緒に取り組みの情報、グッドプラクティスを共有しているということです。
 また、2013年12月の第14回大臣級会合で、特別に円卓会議を開催し、核セキュリティ文化の醸成についてどう考えてどうすべきか、今後の課題は何か、意識向上のためには何をすべきか等について議論をしていただきました。説明資料の中でその概要を山本大臣が載った写真の横にまとめて書いています。本議論の中で、以下3点のイニシアティブが提案されました。まず1点目は原子力機構のISCNを通じて、IAEAとの共催によるアジア諸国を対象とした本分野の研修を日本で実施するということ。2点目は、FNCA各国における核セキュリティ文化を醸成する取り組みをISCNを通じて支援すること。3点目は、FNCAのウェブサイトを活用して文化に関する各国の取り組みやベストプラクティスを共有すること、こういったイニシアティブが提案されて了解されました。その後いずれもこれら3点について具体的な取り組みがなされております。
 さて、本プロジェクトの活動は、マルチの活動であり、また、ワークショップは年1回、2日間ということで、進め方が若干難しいところはあるのですけれども、幸いにして、サミットの中で各国がこういったことを推進するための中心的な組織(COE)を設置するとうコミットメントがありました。実際に日本、韓国、中国、インドネシア等で設置され、アジアのCOEの協力も得て本プロジェクトを進めています。アジアの中で一番最初に原子力機構がCOEとしてISCNを作りました。FNCAメンバー国のCOEは増えてきていますので、そういったところと本プロジェクトが十分に連携協力していくことが重要と考えます。それから、もう一つはやはりバイの協力としてメンバー国間で具体的な協力を進める、そういう点も目標に入れるということが大事ではないかと思っております。
 次に、このプロジェクトの活動と成果ですが、文部科学省のサイトの中にFNCAのWEBがありますので、そちらにこのワークショップを通じて集まった情報をアップし、誰でも見られるようにしております。これまでのワークショップのサマリーの英語版と日本語版、カントリーレポートのサマリー、3S(safety, security, safeguards)の規制当局に関する情報、核セキュリティ文化醸成活動の情報な等も見ることが出来ます。また、2015年7月にアメリカで開催された核物質管理学会(INMM)の年次大会で、私の方から本プロジェクトの活動状況や成果などについて報告をしました。当学会の人たちはほとんど、FNCAの活動を日本でやっているということを承知してませんでした。しかし、本学会の年次大会で本プロジェクトの活動等について発表したことで、FNCAというマルチの枠組みの中で、我が国が核セキュリティ、保障措置等についてアジア諸国に対して積極的な協力・支援活動をしていることについて、年次大会の参加者から評価をしていただけたのではないかと思っております。アメリカもDOEや国立研究所を中心にアジアや中近東等に対し、この分野ではしっかり支援しておりますが、本発表へのコメントとして、「アジア地域については、日本の一層の貢献、せっかくISCN(COE)という組織もあるわけだから、そこを中心に関係国と連携して、アジア諸国の本分野の取り組み強化のための一層の支援を期待する」等のコメントがありました。
 ワークショップと並行して、1日ないし半日オープンセミナーというのをやっております。これはオープンということですからメンバー限定ではなく、関係者であれば誰でも参加できるということで、特定のテーマに絞って説明、意見交換する場ということでやっております。これまで、ベトナム、カザフスタン、インドネシアで3回やっており、今まで合計140名程度の方々に参加いただいております。テーマとしては、保障措置実施の状況や課題、追加議定書の内容・取り組み、核セキュリティ文化の良好事例の共有等で、具体的なメンバー国の取組やIAEA等からのプレゼンテーションと討論がなされます。それから、この分野の能力構築、人材育成・教育や、日本、韓国、中国、インドネシア等にできておりますCOEの役割・活動・連携について、お互いどういうように協力して取り組んでいくか、そういったこともオープンセミナーで議論しています。
 次に、これまでの活動の評価と将来計画ですが、プロジェクトの今後の3か年計画を策定するため、今までの活動結果の評価を受けた上で、将来計画を策定していくというフェーズに入っております。将来計画に関してメンバー国に対しそのニーズ調査を行い、昨年ワークショップで議論を行いました。その結果がここにあるのですが、まず最初に、今までの活動はどうだったかという質問ですけれども、有意義、大変有益というのは4か国、それから有益が3か国、それほど有益ではないというのが1か国ありました。全く有益ではないという国はありませんでした。過去5年間の活動で特にどのトピックスが有益だったかというと、例えば追加議定書だとか、核セキュリティの文化等の議論はやはりそれなりに有意義だったということでした。核セキュリティ・保障措置の良好事例の共有について、これは非常に助かった等、9か国で良いと評価いただきました。これまでの具体的な活動や成果について、FNCAのWEBにアップし共有しています。メンバー国が出しているレポート等もワークショップで共有していますので、そういうテンプレートやレポートが非常に参考になった等の評価もございました。それから、IAEAから関連分野についてこれまでプレゼンを行ってもらって討論していますので、それが参考になったというような評価がございました。その他の良好な評価としては、ワークショップ結果のサマリーのウェブサイトへのアップ、オープンセミナーの開催、サイト訪問等でした。
 次に、将来どういうテーマを選んで欲しいかということでは、サイバーセキュリティ、核鑑識、核セキュリティ文化醸成、改正核物質防護条約(CPPNM)に関するテーマ、また、緊急時の核セキュリティ、核検知技術、ライセンスのためのPP査察と検証等もありました。保障措置については、やはり追加議定書とそれに関する人材育成というふうになっています。昨年のワークショップでも、今後、3年間のフェーズでどのようなトピックスや活動を期待するかという議論があり、、核鑑識、サイバーセキュリティ、核セキュリティ文化、放射線源のセキュリティ上の管理、追加議定書、COEの強化、人材育成等、こういうトピックスや活動があげられております。また、昨年の春に核セキュリティサミットのプロセスは終わったけれども、核セキュリティへの取り組みの重要性については、世界のテロ活動が大変活発化している中で、核テロの脅威が依然高まっており引き続き非常に重要な案件だということ、そしてFNCA大臣級会合の決議でも非常に大事だという指摘があるので、引き続き本プロジェクトを続けるべきであるということでありました。また、IAEAや数年前から活動しているアジア太平洋保障措ネットワーク(APSN)という、主に保障措置に関する取り組みを行っている組織(アジア地域の国、アメリカ、カナダ等が入って活動。去年までの2年間は日本の外務省が議長国で活動、来年から韓国が議長国)とも引き続き連携しながらやっていくことになりました。
 国内関係機関による協力・支援がないとこのプロジェクトは進みませんので、引き続き国内関係機関(特に規制庁)のご協力・っ支援をお願いしたいと思っております。
 最後になりますが、Regional Collaboration and Harmonizationということで、これは上坂先生が一生懸命やられているIAEAの国際核セキュリティ教育ネットワーク(INSEN)や核セキュリティ訓練・支援センターネットワーク(NSSC Network)というような活動が重要であること、またアジアでは日本のISCN、韓国のINSA等で、この分野のアジアの協力含めた国際的な取り組みや連携が重要だと思います。なお、韓国では、原子力に携わる人は、核セキュリティとか保障措置について、法律でそれらに関する訓練を受けなければいけないと決まっているとのことです。中国では、2015年の下期に国家核セキュリティ技術センター(SNSTC)という組織が北京の郊外にできています。そこでは技術開発と人材育成両方やっております。このSNSTCは、アメリカのDOEを中心とした資金や技術等の大がかりな支援で設置されました。また、ECのJRC(共同研究センター)の出店みたいなCOEが、フィリピンに設置されてフィリピン政府と協力して活動を展開しています。先ほど言ったAPSN、これは保障措置に特化した活動ですが、今後もこういった地域的ななマルチの組織とFNCAが連携しながら活動を進めていく必要があると思っております。
 なお、本プロジェクト活動で難しいのは、年1回、2日間程度開催しているワークショップの活動が、唯一のプロジェクト活動となっていることです。2つ目に難しいのは、FNCAの中でメンバー国のコーディネータの役割が非常に重要ですが、コーディネータは原子力開発の部門の人がなることが多く、開発側と規制側との組織が分かれた国は、本プロジェクトの推進にあたって、規制側との調整がスムーズになされないという面があります。また、FNCAは多国間の場で議論しているのですから、二国間の協力にも広めてやればより効果的である分野もあります。昔のFNCAの活動というのは、2国間協力のお金もあったようですけれども、文科省も大変苦労されていますが、そういう2国間協力の予算が、最近はほとんどなくなってきているような気がします。FNCAのような多国間と2国間協力をうまくシナジーさせながら推進出来ないかと考えるところでございます。私どもの原子力機構にせっかくISCNの組織がありますので、ISCNや大学等で色々な二国間の協力ができると思います。またFNCAの多国間の活動に加えて、二国間の協力と情報の共有や取組の連携を進めると、本分野のアジア等への協力に関し包括的・統合的かつ効果的な取り組みになるのではないかなと思っています。
 以上です。
(上坂主査) ありがとうございます。
 ただいまの説明につきましてご質問ご意見があればお願いいたします。
(千崎シニアフェロー) 参考資料で一部載せておりますけれども、各国の規制組織の状況についてまとめております。それから、本プロジェクに関連する条約とか協定はどういう状況かということ、キャパシティ・ビルディングについてのトレーニングセンター関係の情報も少し載せておりますのでご参照ください。
(上坂主査) 文科省、どうぞ。
(釜井室長) 千崎シニアフェロー、ありがとうございました。。
 文科省の方からも補足としてご説明させていただければと思います。現在、FNCAのプロジェクトは、和田コーディネータの下にホウニチ的にプレゼンスとかを高めて全体として国益の方に裨益するようにということで、今二人三脚の方でやっております。やはり我々文部科学省といたしましては、プレゼンスをできるだけ広報していくというふうな観点も含めてやっているところで、具体的には2月13日に東京大学の場所をお借りしましてシンポジウムを開催する予定でございます。
 それから、千崎シニアフェローからご指摘ありました二国間でも広報ということなのですが、我々としましては外務省にもよく協力はしていただいております。例えば対米関係で言いますとNSWGという核セキュリティの方に特化したような形の二国間の合同委員会がありますので、そういったところでもプレアップの方をしていきたいと考えています。
 また、別の観点として、やはり規制当局との連携(連携という言い方が適切かというのはあるが)、規制の方に実装のような形で連携していく上で、本作業部会における重要な課題の一つだと思いますので、後半のセッションでもご説明をさせていただきます。
 FNCAのプロジェクトの観点で言いましたら、今和田コーディネータとご相談の上、各国の規制側もどうやったらインボルブするかということを検討中でございまして、そういった取組等をやっていきたいと考えております。
 それから最後、やはりなかなかFNCAの予算が限られていて、バイの活動とISCNの活動とでどういうふうに連携していくかというのが非常に重要な課題だということは和田コーディネータも認識しておりますので、その部分について和田先生、千崎先生等とぜひ一緒になってやっていきたいと思っております。
 よろしければ、JAEAで何かございますか。
(直井副センター長) FNCAの枠組みにISCNとしてもかなり深く関与しております。プロジェクトリーダーの千崎もISCNの元センター長でございましたので、そういった意味でFNCAのワークショップにはISCNからも、我々のキャパシティを持ち込んで向こうで一緒に活動するというような形でやらせていただいていますし、また、ISCNがFNCAのワークショップのときにISCNと現地の機関とオープンセミナーを開催するというような形で協力をさせていただいていますので、今後ともそういうような形でやっていきたいというふうに考えています。
(五十嵐委員) ご説明ありがとうございました。
 これまでの活動についてサーベイ等をされていて、とても素晴らしいと思います。本資料中に国内でのシンポジウムついて書かれてありますが、具体的に今後のオープンセミナーであるとかワークショップのご計画で決まっているものがあれば、教えていただきたいのですが。
 あと、フォーラムの中に広報がもともとあったけれども、今はやっていないというお話がございまして、少し気になりましたので、そこを詳しくお聞かせ願えますでしょうか。
(千崎シニアフェロー) 二つ目の質問の広報の話は私もそちらの活動というのは全然入っていなかったものですから余り具体的にはわかりません。広報の活動は、原子力開発に関してアジアの国々の人たちの理解度をどう高めていくか、深めるかであって、日本の経験やメンバー国の経験から、失敗事例や良好事例等をお互いに交換し合い、メンバー国の原子力への理解活動に関する参考にしょうという活動であったのではないかと理解しています。活動を10年近くやって、また必要になればやりましょうという形で、たしか終わったかと思います。それは多分、新しいプロジェクトを起こすために、予算の枠とかありますので、幾つもプロジェクト残すわけにはいかない。そこで国際動向等も踏まえて、プロジェクトの成果を評価して、これはしばらくお休みにして、その代わり新らたな重要な課題への対応として、プロジェクトを新たにやりましょうということではないかと思う次第です。私は広報ついては、また将来にきっと必要になるだろうと思います。
 それから、ワークショップなのですけれども、ワークショップは先ほどご説明しましたように、毎年1回メンバー国のどこかでやるということになっています。今年は4月以降やらなければいけないのですけれども、まだどこでやるかは決まっていません。FNCAは幾つかのプロジェクトがあって、このプロジェクトが同時並行で動いていくものですから、この一つ一つのプロジェクトが一つのワークショップを必ず持っています。メンバー国の中から手を挙げる国があります。自分たちの国でこのプロジェクトのワークショップを是非やりたいと。その手を挙げた人たちの意向も勘案し、次年度の開催国が決まるということもあるように思います。いずれにしてもなるべく同じ国で開催とならないようにコーディネーターによって調整されます。
(五十嵐委員) ありがとうございました。
(上坂主査) ほかにございますでしょうか。どうぞ。
(中島委員) この活動のアウトプットをちょっと教えてください。集まって情報共有あるいは問題点抽出してやるということですけれども、例えばそれによって各国のセキュリティあるいは保障措置活動というのがより合理化していく等の成果はありますか。それから、例えばこの中で新しい技術としてこういう技術を導入したい等、何かアウトプットとして外に対する発信みたいな情報は出ているのでしょうか。
(千崎シニアフェロー) それは少しずつ出ています。ただ、このプロジェクト、他の放射線利用等の昔からずっとやっているプロジェクトと比べると少し違っています。メンバー国に対して本分野の基盤整備の支援が期待されるところもありますが、二国間ベースで最近なかなか関連技術の支援が、予算も厳しいこともあり難しい状況にあります。このプロジェクトの目的はこれまで本分野への取り組みの重要性の理解や情報共有等が中心ですが、例えばあるメンバー国にとってトレーニングは必要だということになれば、ISCNの方でIAEAの協力等を含めて検討してトレーニングを行ったりしています。残念ながら、このプロジェクト自身でそのトレーニングを計画して、実際に自分たちでやっていくということはできません。
(中島委員) では、FNCAで横のつながりをしっかり作って、その横のつながりを使って実際的なことは別にやっていくという理解でよろしいですか。
(千崎シニアフェロー) 例えば教育であれば大学にお願いして、その代わりFNCAの協力・支援はしっかりしていきますよという形でやっていただくとか、そういうことですね。
(中島委員) わかりました。ありがとうございます。
(上坂主査) ぜひ日本の情勢をこのFNCAのワークショップでも知っていただければなと思います。日本の状況を情報共有ですね。
 ほかによろしいですか。
(出町委員) 世界のこういう取組に関して組織としてIAEAがもちろんありますし、INSENとかNSSCsがあるのですけれども、アジアだけで集まることの特に大きなメリットというのは、どんなものがありましたでしょうか。
(千崎シニアフェロー) アジアの国々というのは原子力の開発、特に原子力について言えば、レベルがまちまちです。原子力発電をこれからやっていこうというバングラディッシュは、ロシアから2基導入するということで既に契約しており、またこれから推進するという国もあります。それから、研究炉を多く持って活発に原子力の活動を推進しているインドネシア、原子力の行政組織はあるのだけれども、原子力の研究開発はほとんど行っていないモンゴルといった国があります。なお、モンゴルはボーダーコントロールといった、ほかのところから放射性物質が入ってくるのをきちんと監視することが重要だとして色々手立てを行っています。国によってニーズだとか要望も違います。そういうことをこのFNCAというマルチの場でお互いの国の情報や経験を共有しながら、IAEA等国際組織から本分野の取り組みに関する最新情報等を得て、本分野について自分たちの能力で今後どういうふうに進めていけばいいか、国際協力や連携をどうのように進めるべきかという点では、かなり参考にはなっていると思います。
(出町委員) 私が思うに、IAEAに任せておくと多分アジアの方にそれほど目が向かないのかなと思うのですが、なので日本主導でアジアはアジアなりに我々でちゃんと重点的にやりましょうということかなと想像したのですけれども。
(千崎シニアフェロー) アジア協力や支援等について、これまで日本も含めてアメリカの支援を仰いでいろいろやってきましたが、最近アメリカの中では、もうアジアは日本とか韓国が中心となって本分野の協力をもっとしっかり進めたらどうかという意見も多いようです。もちろんアメリカも支援するのだけれども、日本が少し前面に出てアジアのためのいろいろな協力を積極的に展開していくようにしてはどうかという意見が、最近ちょっと強くなっていると思います。
(上坂主査) 特に大統領が代わりましてね、役割が強まるかもしれませんね。アジアはしっかり自立してやれということかもしれません。
 ほかに、よろしいでしょうか。
 千崎シニアフェロー、どうもありがとうございました。


【議事概要】
議題(2)核不拡散・核セキュリティ作業部会における「今後の核不拡散・核セキュリティ研究開発の進め方について」(骨子)について事務局より説明を行った。
以下非公開


お問合せ先

研究開発局開発企画課核不拡散科学技術推進室、研究開発局研究開発戦略官付(核融合・原子力国際協力担当)

(研究開発戦略官付(核融合・原子力国際協力担当))

-- 登録:平成29年06月 --