ここからサイトの主なメニューです

原子力科学技術委員会 核不拡散・核セキュリティ作業部会(第4回) 議事録

1.日時

平成27年5月13日(水曜日) 10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省 18階 研究開発局 会議室1

3.議題

  1. 核不拡散・核セキュリティ作業部会について
  2. 核不拡散・核セキュリティに関する国際動向及び技術開発,人材育成の取組状況について
  3. 今後の審議予定(案)
  4. その他

4.議事録

【岡部室長補佐】
では,少し早いですが,皆様お集まりいただきましたので,ただいまから第4回核不拡散・核セキュリティ作業部会を開催したいと思います。
本日はお忙しいところお集まりいただきまして,ありがとうございます。私,事務局を担当しております室長補佐の岡部でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
本作業部会は平成23年以来,久しぶりの開催となりますが,今回より,当作業部会の親委員会に当たります原子力科学技術委員会の主査から指名を受け,上坂委員に主査を務めていただくことになりましたので,どうぞよろしくお願いいたします。
それでは,ここからの進行は上坂主査にお願いしたく存じます。よろしくお願いいたします。

【上坂主査】
今ご紹介に預かりました東京大学原子力専攻,上坂でございます。今期から本作業部会の主査を拝命することになりましたので,委員の先生方のご協力を得ながら進めたいと思いますので,どうかよろしくお願いいたします。
本日は本当に,ご出席いただきまして,ありがとうございます。第8期,最初の作業部会になります。少し私のほうからご挨拶させていただきたいと思いますが,久しぶり,3年ぶりの作業部会ということで,本日からの作業は,きょう資料が出ておりますように,核不拡散・核セキュリティに関する国際動向,技術開発,人材育成のこの3年の取り組みの審議と,それから,今後の方向の議論というふうに認識しております。
これに関することについて,昨今ニュースを見ていると,ドローンの問題がありまして,あれが非常に話題があって,特に最近,公園等での使用を禁止するとかいう自治体の方針が報道されています。一方,都内の公園で,ラジウムですかね,放射性同位元素が埋まった容器が見つかっています。あれらを組み合わせると一体どういうことになるのかなと考えながら,ニュースを見ております。この作業部会でのセキュリティという問題が,安全に加えて,今の日本社会において,原子力分野のみならず重要な課題であるということを改めて,そのニュースを見て認識する次第です。
また,もちろん原子力界では,福島の廃炉の問題とか,あるいは原子力の発電所の再稼働,それから商用の廃炉ですね,これらにおいては,安全のみならず,核セキュリティという問題が非常に重要な課題ということは間違いないことだと思います。
しかしながら,厳しい規制ばかり言っていますと,研究開発がやりにくく,人材育成にて若い方を取り込みにくくなることもありますので,バランスも必要かなというふうに考えております。委員の先生方のご協力を得ながら,この作業部会をうまく運営していきたいと思います。
それでは,本日の出欠と配付資料の確認を事務局のほうで。

【岡部室長補佐】
本日は,委員10人全員の方々にご出席いただきました。ありがとうございます。
続いて,配付資料を確認させていただきます。お手元の議事次第をご覧ください。4.で配付資料を記載させていただいております。
資料1-1が第8期科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会原子力科学技術委員会核不拡散・核セキュリティ作業部会委員名簿でございます。資料1-2が核不拡散・核セキュリティ作業部会の概要。資料1-3が当作業部会の公開の手続について(案),資料2-1が核不拡散・核セキュリティに関する国際動向についてというプレゼン資料です。資料2-2が日本原子力研究開発機構核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)における活動についてというプレゼン資料でございます。資料3が核不拡散・核セキュリティ作業部会の今後の進め方について(案)です。
そして,参考資料が3点ございまして,参考資料1が親委員会でございます原子力科学技術委員会運営規則,参考資料2が原子力科学技術委員会における作業部会について,参考資料3が平成27年度原子力科学技術委員会における研究評価計画についてでございます。
資料の欠落等がありましたら事務局までお申しつけください。議事の途中でも,お気づきの点がありましたら,お申し出いただければと思います。
続きまして,研究開発戦略官の仙波よりご挨拶させていただきたいと思います。

【仙波研究開発戦略官】
研究開発戦略官の仙波でございます。昨年10月に研究開発戦略官に就任し,核融合,それから原子力国際協力,それから核不拡散・核セキュリティを担当しております。
本日はご多忙のところ,核不拡散・核セキュリティ作業部会にご出席いただきまして,まことにありがとうございます。
ご挨拶させていただきますが,もう皆様ご承知のとおり,2000年代以降,核不拡散,核テロに関する懸念が国際的に高まってきたのを受けて,核不拡散・核セキュリティを強化するためのさまざまなイニシアチブが開始されております。とりわけ核セキュリティに関しましては,2010年から米国のオバマ大統領の提唱によって核セキュリティ・サミットが開催されて,第1回の核セキュリティ・サミットにおいて,当時の日本の,鳩山総理のほうから,アジア諸国をはじめとする各国の核セキュリティ強化に貢献するためのセンターを日本原子力研究開発機構に設置するというふうに表明していただきまして,これを受けて,平成23年度から,当省の補助金事業として,日本原子力研究開発機構の中に核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN),本日もプレゼン資料が入っておりますが,こちらのほうで本分野における人材育成支援及び基礎基盤研究開発を進めてまいっておるところでございます。
本作業部会は,こうした作業を受けて,当省が核不拡散・核セキュリティにかかわる施策を効果的に実施すべく,有識者の皆様の専門的な知見を活用させていただくことを目的として,平成22年8月に設置されました。その後,平成23年度まで計3回,会合を開催して,この分野,核不拡散・核セキュリティ分野における人材育成支援とか基礎基盤研究開発事業に関して,その開始に向けてご議論をいただいたところでございます。
その事業を立ち上げてからもう3年,約4年が経過し,期間の長い事業については中間評価をする時期,それから,短い事業については事後評価をする,そういった時期が来たところでございます。それで,この中間評価とか事後評価をこの作業部会で実施していただくとともに,今後の方向性についてもご議論いただければというふうなことで,約4年ぶり,3年ぶりに作業部会を開催させていただくことになりました。
文部科学省といたしましては,この作業部会でいただいた意見を踏まえて,本分野における人材育成支援だとか基礎基盤技術開発に引き続きしっかり取り組んでまいりたいという所存でございます。上坂主査をはじめとして,委員の皆様におかれましては,活発なご意見をいただければ幸いでございます。
簡単ではございますが,以上をもちまして私の冒頭の挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

【岡部室長補佐】
続きまして,資料1-1をご覧ください。第8期核不拡散・核セキュリティ作業部会の委員名簿でございます。
上坂主査をはじめとする丸印がついていない委員の方々は,前期から引き続きお願いをする委員でございます。また,丸印がついております五十嵐道子委員,礒章子委員,小松崎常夫委員,出町和之委員,中島健委員,布目礼子委員におかれましては,今期から新たにお願いする方々でございます。
委員の皆様方におかれましては,2年間,どうぞよろしくお願いいたします。
なお,これまでお世話になりました小川順子先生,菊地昌廣先生,杉井清昌先生,千崎雅生先生,東嶋和子先生,山名元先生におかれましては,第7期をもってご退任となりましたので,お知らせいたします。
以上でございます。

【上坂主査】
それでは,議論に入る前に,初めて参加される委員の方もいらっしゃいますので,皆様方から一言ずつ簡単にご挨拶いただきたいと思います。この名簿の順番で,まず,五十嵐さん。

【五十嵐委員】
五十嵐でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
以前,朝日新聞に勤めておりまして,科学分野を中心に生活や社会保障などの取材をしてまいりました。今回,お声をかけていただきましてこの部会に参加いたしますが,社会の目という立場から意見申し上げられればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

【礒委員】
おはようございます。核物質管理センターの礒と申します。
私どもの核物質管理センター,保障措置,核物質防護等の実務のほうをやらせていただいております。実務をやっております観点から,今言われました人材育成とか開発のところに何か貢献できればと思っております。よろしくお願いいたします。

【尾野委員】
電気事業連合会の尾野でございます。丸印はついておらないんですけれども,前任から人事異動がありまして,この会は事実上初めてということで,出させていただいております。
これから,事業者の立場ということで,現場を持っておりますと,やはり机上で考える理想というのがなかなかそのとおり行かない,だけれども,その制約の中でどうしていくかということを常に考えていかなければいけない立場になってくるかと思いますので,実際に現場で役立つということが意味があることだというふうにも思いますので,ぜひそんな観点で貢献できればというふうに思ってございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【喜多委員】
日本原子力産業協会の喜多と申します。
30年位前からどちらかというと個人的な興味から,ずっと核不拡散を手がけておりまして,核物質管理学会にも入って現在,理事をさせていただき,最近は核セキュリティの分野も勉強させていただいております。どうぞよろしくお願いいたします。

【小松崎委員】
はじめまして。セコムの小松崎でございます。よろしくお願いいたします。
今は研究所の所長をやっておるんですが,私は創業者のスタッフとして新しいサービスづくりということが専らの担当でございました。私たちセコムは,警備会社ということでは大分知られるようになったんですが,実はこれはあまり正確ではなくて,豊かで安心な生活ができるようなお手伝いを総合的にして行こうというのが経営理念でございます。例えば医療事業では,今約20の病院を提携という形で運営しております。あるいはカーナビで使っている地理情報を活用して非常に高度な情報システムを作っています。意外と知られていない面でもおもしろい仕事を行っております。私はそれらの新規事業を多く担当してきまして,横串を刺して物を見ることができるであろうと,こういうことで研究所長を拝命しまして,新しい技術を新しいサービスに適用することをミッションにしております。
先ほど上坂先生がおっしゃったことには,非常に同感なんですが,世の中がより豊かに前に勢いよく進んでいくためには新しい技術は欠かせないと思うんですね。ただ,ブレーキのない車に乗る気は起こりませんので,やはりスピードを出すということと,いざというときには瞬時に止まれるという,この両面が必要だと思っています。今回,この委員会の主題は,いいブレーキということだと思いますが,一方ではいいエンジンだとかいいアクセルということを意識しながら,ブレーキのことを考えないといけないのかなと思います。
私たちは,核の分野では,大手電力会社さんと連携をしまして合弁会社をつくって運営しております。この会社は多くの原子力発電所のセキュリティの実務を担当しております。そんな関係もございますので,現場ベースの具体的な話から,新技術も含めた少し広い範囲でお話をさせていただきます。実は,ドローン型の飛行ロボットを開発しておりまして,今話題でございますが,2年半前に皆様に発表しました。さまざまな技術を新しい生活に結びつけるということが私たちの役割だと思っておりますので,そういう観点から少しでもお役に立てればというふうに思っております。ぜひよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

【津山委員】
電機工業会の津山と申します。
電機工業会はメーカーの団体でございまして,メーカーの立場から,実は第7期からこの作業部会に入っておりますが,ほとんど貢献はできていません。この作業部会,非常に難しいと思っておりまして,単に原子力,核物質だけではなく,もしかしたら公安ですとかサイバーですとか,そんなことも関係してくるのではと考えております。非常に幅広い議論をやっていく作業部会かなというふうに認識しております。どうぞよろしくお願いいたします。

【出町委員】
東京大学原子力専攻の出町と申します。
以前,私,上坂先生の研究室の准教授をやっておりまして,3年前,4年前ですかね,東京のほうに異動いたしました。いろんなことの研究をあちこちやっておりまして,ドクター論文は超伝導だったんですね。その後,保全をやって,上坂先生のもとで医療に興味を持って,医療物理をやりまして,東京に来てからは原子力安全とか,また保全もやったりとかして,いろんなことに手を出しております。
特に,福島事故以降,核セキュリティに大変興味を持ちまして,2年,3年前から内部脅威者の画像による検知という研究開発をしておりまして,皆様,お世話になっておりまして,ISCNさんも大変お世話になっております。また,つい3月なんですけれども,原子力学会の原子力安全部会でしたっけ,の下のSS分科会ですね,セーフティ・セキュリティ分科会の主査をやらせていただいておりまして,そっちのほうでも核セキュリティに取り組んでおります。まだまだ新参者でございますけれども,どうぞご指導,よろしくお願いいたします。

【中島委員】
京都大学原子炉実験所の中島と申します。よろしくお願いいたします。
私どもは原子炉実験所の名前のとおり,小さいんですけれども,研究用原子炉を2つ持っておりまして,私はそこの2つの原子炉の管理のほうの責任者というのをやらせていただいております。研究用原子炉の,一つは高濃縮ウランをいまだに使っておりまして,これを,先ほどもちょっと核セキュリティ・サミットの話もございましたけれども,そろそろ使うのをやめたらという大きなプレッシャーがかかってきておりまして,あとは当然ながら,そういうのを持っていると,毎月のように査察に来られまして,我々は使いたい側なほうですから,ちょっと面倒くさいなと思いながら対応しているという立場でございます。
ということで,あまりセキュリティ自体には,私どもの部署には別の部門というか,やっている者がおりまして,そちらが専門ですけれども,核燃料を使う立場でコメントできればと思いますし,あとは研究のほうでは最近ちょっと中性子を使って非破壊分析というようなこともやっておりまして,それでも少し,そういう技術的なことでも何かコメントできればいいかなと,貢献できればいいかなと思っております。よろしくお願いいたします。

【布目委員】
WiN-Japan会長の布目礼子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
WiN-Japanと申しますのは,ウーマン・イン・ニュークリアという世界組織でございまして,原子力分野で仕事をする女性のネットワーク組織でございます。いろいろな立場で原子力に携わっている女性たちと,いろいろな活動を世界各国,その国に合わせた形で行っております。私たちWiN-Japanは,今の日本の原子力の状況の中で,特に事故後は,人材育成,若い人たちにどのように原子力を理解してもらうかというところを主眼に活動しておりますことから,今回のこの部会におきましても,そういう観点,それともう一つは,女性の理解ということを中心にやっておりますので,女性のそういう視点からも少し考えを述べさせていただければなというふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

【上坂主査】
それでは,本日の議題ですけれども,お手元にありますけれども,第8期核不拡散・核セキュリティ作業部会設置について,核不拡散・核セキュリティに関する国際動向及び技術開発,人材育成の取り組み状況について,今後の作業部会の進め方について(案),その他となっております。
それでは,本日の議題に入ります。
事務局で資料を用意していただいておりますので,各資料に基づき説明をいただいた後,質疑,議論を行いたいと思います。また,議題ごとに質疑応答の時間を設けて進めたいと思います。
それでは,議題1の核不拡散・核セキュリティ作業部会の設置について,事務局より説明をお願いします。

【岡部室長補佐】
それでは,説明させていただきます。
お手元の資料1-1をご覧ください。先ほどご説明させていただきましたが,当作業部会の今期の委員名簿でございます。
続きまして,資料1-2をご覧ください。当作業部会の概要でございます。こちらの資料1-2とともに,参考資料1を並行してご覧いただければと思っております。参考資料1は,親委員会でございます原子力科学技術委員会の運営規則となっております。
では,まず参考資料2の2ページ目,1枚おめくりいただきまして,別図をご覧いただけますでしょうか。本作業部会は,科学技術・学術審議会の下にあります研究計画・評価分科会という分科会の下にあります原子力科学技術委員会の下にある作業部会となっております。
参考資料2の1ページ目に戻っていただけますでしょうか。こちらに,平成27年4月22日に親委員会の原子力科学技術委員会で決定いたしました当作業部会の調査検討事項について記載しております。核不拡散・核セキュリティ作業部会につきましては,この表の上から2項目にございまして,核セキュリティ体制強化に向けた世界的な流れが加速していく中で,我が国における核不拡散・核セキュリティ体制強化に必要な研究開発課題や人材育成手法,その他諸課題について調査検討を行うということとなっております。
続きまして,資料1-2をご覧ください。設置目的のほうは,先ほど参考資料1でご説明したものと重複しますので,割愛させていただきます。主な検討事項につきましては,核不拡散・核セキュリティ体制強化に向けた研究課題についてと,核不拡散・核セキュリティ体制強化に必要な人材育成手法について,そして,その他,核不拡散・核セキュリティに関する諸課題について,を検討事項としております。
委員の構成につきましては,親委員会の運営規則第2条2項に記載しておりますが,作業部会に属すべき委員は,原子力科学技術委員会主査が指名するということとなっておりまして,第8期は原子力平和利用,核不拡散・核セキュリティ分野の専門家及び有識者等からなる10名から構成されております。
そして,4.の委員会の成立条件でございますが,こちらは親委員会の運営規則3条に基づいておりまして,当作業部会は,当該作業部会に属する委員の過半数が出席しなければ会議を開くことができないとなっております。当作業部会は10名で構成されておりますので,過半数,6名以上ということになります。
また,後ほどご審議いただこうと思っておりますが,委員会の今年度の開催は年3回程度を考えているところでございます。
続きまして,資料1-3及び参考資料1をご覧ください。公開の手続についてご説明させていただきます。
まず,参考資料1の第4条,第5条をご覧ください。親委員会の運営規則のほうで,会議の公開と議事録の公開について記載をしております。本作業部会は,人事に係る案件,行政処分に係る案件,またその他,個別利害に直結する事項の案件又は審議の円滑な実施に支障が生じるものとして,作業部会において非公開にすることが適当であると認められた案件以外につきましては,全て公開となっております。また,議事録につきましても原則公表するものとなっておりますので,どうぞよろしくお願いいたします。
それでは,資料1-3をご覧ください。親委員会の運営規則の第6条の雑則に基づきまして,作業部会の公開手続の案について,一案を作成しております。
会議の日時・場所・議事を開催の原則1週間前の日までにインターネットに掲載するものとし,文部科学省大臣官房広報室に掲示いたします。
傍聴につきましては,一般傍聴者については開催前日12時までに核不拡散・核セキュリティ作業部会の庶務担当部局に登録,先着順で傍聴者を決定いたします。報道関係傍聴者につきましては,原則1社につき1名といたしまして,開催前日12時までに核不拡散・核セキュリティ作業部会の庶務担当部局に登録するということとしたいと思います。また,委員関係者,各府省関係者におかれましては,開催前日12時までに核不拡散・核セキュリティ作業部会の庶務担当部局に登録していただきたいと思っております。
また,会議の撮影,録画,録音につきましては,傍聴者は主査が禁止することが適当であると認める場合を除きまして,会議の撮影,録画,録音をできることといたします。希望する場合には,傍聴登録時に登録することとしたいと思っております。
また,4.のその他でございます。(1)でございますが,傍聴者が会議の進行を妨げていると主査が判断した場合には退席を求めることができるとしております。また,主査が許可した場合を除き,会議の開始後に入場することを禁止したいと思っております。また,傍聴者数につきましては,会議の都合上,人数制限をする場合がございまして,詳細は主査の指示に従うこととしたいと思っております。
以上でございます。

【上坂主査】
ありがとうございます。ただいま事務局から説明があった議題1の1-1から1-3に関しまして,ご質問がありましたらお願いいたします。また,公開の手続について,今,事務局から公開された案で了解ということもご確認いただければと思いますが,よろしいでしょうか。
それでは,了承されたということで,資料に沿って進めさせていただきたいと思います。また,本委員会は特定事項を機能的に調査検討するためのものですので,緊急に生じた議題,課題について対応を要する場合には,事務局の支援を得ながらメール等の手段によって各委員の先生方のご意見をいただくこともございますので,よろしくお願いいたします。
よろしければ,次の議題に移りたいと思います。
それでは,議題2の核不拡散・核セキュリティに関する国際動向及び技術開発,人材育成の取り組みの状況について,事務局より説明をお願いいたします。

【岡部室長補佐】
では,議題2について,最初に,文部科学省核不拡散科学技術推進室長の山村より,資料2-1にて核不拡散・核セキュリティに関する国際動向についてご説明いたします。その後,原子力研究開発機構核不拡散・核セキュリティ総合支援センターの直井副センター長より,資料2-2にて核不拡散・核セキュリティに関する研究開発及び人材育成の取り組み状況として,日本原子力研究開発機構核不拡散・核セキュリティ総合支援センターにおける活動についてご説明いただきます。よろしくお願いいたします。

【山村室長】
ありがとうございます。今紹介がありましたように,文部科学省の核不拡散科学技術推進室長をしております山村と申します。よろしくお願いいたします。
まず,ここで議論いただく前提として,今,核不拡散とか核セキュリティに関する国際動向というものがどうなっているのかということを,簡単に資料2-1に基づいて説明させていただきたいと思います。皆さん,先生方,専門家の方が多いと思いますので,ちょっと釈迦に説法的なところになってしまうかもしれませんけれども,よろしくお願いいたします。
まず最初に,核セキュリティと核不拡散という,この違いなんですけれども,最大の違いというのは,対象を核セキュリティのほうは非国家主体,英語でいうとノンステート・アクターとかノンステート・エンティティとかいっていますけれども,そういったものですね。それから,核不拡散については国家を対象とするというところが最大の違いでございます。
核セキュリティについては,ここに書いてあるようにIAEAの文書で定義が定められていまして,ここに書いてあるとおりなんですが,具体的にどういったことがあるかというと,下のほうの図で書かせていただいておりますけれども,まずは核爆弾とか核兵器そのものを盗むという行為,それから,高濃縮ウランとかプルトニウムというのがそのまま核兵器の材料になりますので,こうしたセンシティブな核物質を盗んで核爆発装置を製造するという行為,それから,最近よく,特に2001年以降ですね,言われているように,核物質だけじゃなくて放射性物質,RIとかですね,そういったものをまき散らすような,いわゆるダーティ・ボムといわれているようなもの,それから,4番のところで,原子力施設とか,あとは核物質の輸送ですね,こういったものに対する妨害破壊行為であるとか攻撃,こういったものが例として挙げられます。
それから,核不拡散というのは,NPT上,核兵器国として合法的に核兵器を所有することが認められている国が5カ国ありますけれども,それ以外の新たな国に核兵器の拡散を防止するということを意味します。核不拡散を担保するための手段として,法的な手段,これは例えばNPT,まさに今,NPTの運用検討会議が行われていますけれども,NPTとか非核兵器地帯条約,それから制度的な措置として,保障措置とか,それから輸出管理,それから技術的な措置として,核拡散抵抗性技術というふうに呼ばれている,いわば,例えば純粋なプルトニウムをそのまま取り出せないとかですね,技術的な措置によって核物質,核兵器そのものに使えるような核物質を取り出すようなことを難しくするような,そういった技術が挙げられます。
2ページ目にいきまして,2000年以降,原子力平和利用と核不拡散・核セキュリティとして,どんな動きになっているのかということをまとめております。
左側が原子力平和利用の観点,それから右側が核不拡散・核セキュリティの観点なんですけれども,原子力平和利用については,特にエネルギー安全保障,それから地球温暖化への対応,こういった観点から原子力エネルギーが再評価,原子力ルネサンスというふうにいわれていましたけれども,そういった動きが2000年代の初頭にありました。例えば,アメリカとかドイツとかそういった国における原子力の復活の動き,それから,中国とかロシアとかインドとかこういったところは経済成長というのが非常に求められていまして,それに伴って原子力発電の急速な拡大の計画というのがありました。それから,新たな地域,中東とか東南アジアとかですね,今までそういった地域においては原子力発電炉というのはないんですけれども,そういったところに新たな原子力発電炉を建設すると,そういった検討がなされてきたということが挙げられます。
それに対して,その後,シェールガス革命というふうにいわれている,これはアメリカとか北米なんですけれども,そこで安価なガスが採掘できるようになったということで,相対的に原子力の経済性が低下しているということが挙げられます。それから,言うまでもないことですけれども,2011年に福島第一原子力発電所事故が起きたということで,それがどういうふうに変わってきたのかということですけれども,原子力先進国,特にアメリカとかヨーロッパの一部ですね,イタリアとかドイツとかそういったところでは,新規原子力の建設が停滞したり,脱原発の動きというのが見られております。一方,中国とかロシアとかインド,それから中東,東南アジア,こういったところについては,原子力発電導入に向けた速度というのは遅くなっている部分はあるんですけれども,基本的に原子力発電の拡大とか導入の潮流というのはそれほど変わっていないのではないかというふうに思います。
それから,核不拡散ですけれども,2000年代に入って,イランとか北朝鮮,北朝鮮は90年代からですけれども,核開発の疑惑というものが発覚して,いろいろ制裁とか多国間の協議というのが行われていますけれども,基本的には解決に向けた協議というのは停滞していると。ただ,イランに関しては,2013年以降,政権が変わったということもあって,解決に向けた動きがあります。それから,中東の不安定化による核拡散懸念の高まりということで,アラブの春とかそういった,政情が2010年以降,非常に不安定になってきているということで,イランの核開発の動きとも関連して,中東における核拡散懸念が高まっているということがいえると思います。
それから,核セキュリティについても,後でまた詳しく説明しますけれども,2001年のアメリカの同時多発テロ以降,核とテロの結びつきですね,要はテロリストが核を使うということに対する懸念が高まっているということです。
これに対する国際社会の反応として,保障措置と核セキュリティの観点から書いていますけれども,保障措置の強化,それから効率化ということが挙げられます。それから,核セキュリティについても,その枠組み,条約とかガイドラインとかそういったものが強化されてきたということと,あと技術開発,核鑑識等ですね,それから人材育成,そういったものの重要性が高まっているということがいえると思います。
4ページに移らせていただきます。保障措置の強化,効率化の経緯ということを書いていますけれども,今述べたような原子力発電導入国の増加,それから追加議定書によってIAEAの査察活動が増加すると,それからイランの核問題等の対応もあるということで,IAEAにかかる負荷というものは非常に増大しているんですけれども,それに見合ったIAEAの予算とかスタッフ,そういったリソースの確保というのが必ずしも十分ではないということが課題と思われます。
そういったことに対する動きとして,IAEAによる保障措置の強化,効率化ということで,保障措置の強化のほうは,追加議定書の採択,1997年にモデル追加議定書というものが採択されまして,それを批准する国が現状で124カ国と,これは旧来の保障措置に比べてIAEAの権限を飛躍的に拡大したものであるという位置づけになろうかと思います。
一方,効率化のほうですけれども,統合保障措置というふうにいわれている,そういうシステムの下で,要は国レベルですね,国全体として見て,より効率的に査察の資源,IAEAの保障措置の資源を使うという目的で,国レベルの保障措置アプローチというのが導入されてきておりまして,さらに最近また,この保障措置アプローチの改定とか,新たな国にそれを拡大させていく,そういった動きがございます。
それから,NGSIといわれているネクスト・ジェネレーション・セーフガーズ・イニシアチブというもので,アメリカのイニシアチブなんですけれども,IAEAの保障措置というのはアメリカがかなり支援をしてきて,そのシステムとか技術というものが確立されてきたようなところがありますけれども,アメリカにおいてもそういった,だんだん人材がリタイヤしていくとかそういったことによって,保障措置のケーパビリティというのが落ちていくと,そういったことを懸念して,2009年から始まったものでございます。主な内容としては,ここに書いてあるとおりでありまして,政策的なものから技術開発,人材育成,それから,新たに原子力発電を導入する国に対するインフラ開発,こういったことが内容として挙げられております。
一方,核セキュリティのほうですけれども,先ほども申し上げたように,2001年,アメリカで同時多発テロが発生しまして,それを受けて核セキュリティ強化の必要性に対する認識が高まったということで,いろんなイニシアチブがですね,ここに書いてあるようなG8グローバル・パートナーシップ,それからGTRIと呼ばれるもの,それから条約に関しても,核テロ防止条約というものが新たに採択されたり,核物質防護条約が改正されたりしていると,それから,GICNTといった,こういった国際的なイニシアチブが,特にアメリカとかロシアを中心として出てきているんですけれども,それの集大成といいますか,2009年にオバマ大統領の有名な核なき世界を目指すプラハ演説がありまして,そこで首脳レベルの核セキュリティを議題にした会議を開催したいと,そういうことを提唱しまして,これに基づいて2年ごとに,2010年,2012年,2014年と核セキュリティ・サミットが開催されてきております。
6ページ目ですけれども,今申し上げたようにワシントン,ソウル,ハーグという形で開催していまして,後で説明があると思いますけれども,第1回サミットでこの原子力機構に核不拡散・核セキュリティ総合支援センターというものを設置するということを鳩山総理が当時,表明しております。
去年の3月に行われましたハーグでの核セキュリティ・サミットにおけるコミュニケとかステートメントですけれども,主なものを挙げさせていただいていますけれども,要は核セキュリティの中核拠点,これはいわゆる核不拡散・核セキュリティ総合支援センターも含めてですね,そういったセンターというものが各国に設置をされていると,そういった国際拠点を通じた国際協力をなお一層進めていくべきであるということとか,IAEAの役割の重要性,それから,高濃縮ウランとかプルトニウムの低減と,これは各国の要求を考慮した上でということではありますけれども,そういったことが述べられております。
それに対する総理ステートメントとして,日本国内の取り組み強化に関しては,IPPASというIAEAの核物質防護諮問サービスというミッションを受け入れると,これは実際に今年2月に受け入れがなされております。それから,核物質防護条約の改正に批准をするということを述べています。これも去年の6月に批准をしているということになっております。あとは,国際貢献の強化ということで,これも原子力機構の取り組みに関連しますけれども,核鑑識や核検知等の研究開発,それから人材育成の取り組みに貢献していくということが述べられております。
その次のページは,そういったマルチの場での協力と並行して,日米の間で核不拡散・核セキュリティについての協力が最近,より緊密なものになってきております。アメリカは特に,これまでもそうなんですけれども,核不拡散・核セキュリティということについて非常に熱心な取り組みをしているということで,2009年11月の日米共同声明で,核不拡散,保障措置,それから核セキュリティに関する協力を拡大するということで合意がなされていまして,その後,日米核セキュリティ作業グループというものが設置をされて,過去4回,その会合が開かれております。
それは,両国で関係する省庁がそれぞれありまして,ゴールという,要は協力の項目ですけれども,それを10項目,現状で定めておりまして,それぞれについて各担当省庁がカウンターパートとの間で協議をしていくと,それで,その結果をその会合の場で発表するというような形になっていまして,当省関係としては4つのゴールを担当していまして,1番,2番目はまさにISCNがやっている人材育成,それから核鑑識,検知,測定に関する技術開発でございます。それから,ゴール3もISCNの活動に関係していますけれども,保障措置の実施に関する協力,それから,ゴール6として高濃縮ウランの利用の低減とか原子炉の燃料の低濃縮化ということがございます。
以上が国際的な主な動きですけれども,最後に国内の動きとして,昨年の4月に閣議決定されましたエネルギー基本計画の中でも,この核不拡散・核セキュリティの重要性というのは述べられております。政策の方向性のところで総論として,核不拡散や核セキュリティ強化に必要となる措置やそのための技術開発を進めるということが述べられておりまして,さらに各論のところで,世界の原子力平和利用と核不拡散への貢献ということで,核不拡散分野において,核拡散抵抗性の向上,それから保障措置,核鑑識,検知の強化等の分野における研究開発において国際協力を進め,核不拡散の取り組みを強化していくと,それに当たっては米仏等の関係国との協力の下進めていくと,こういったことが述べられております。
以上,簡単ではございますけれども,国際動向について説明させていただきました。
続きまして,直井さんのほうから。

【直井ISCN副センター長】
それでは,引き続きまして,核不拡散・核セキュリティにかかわる取り組みの状況ということで,核不拡散・核セキュリティ総合支援センター,略してISCNと呼んでおりますけれども,ISCNにおける活動について説明をさせていただきます。
目次にございますとおり,核セキュリティ・サミットにおけるコミットメントとこのセンターの設置,それから2番目として,サミット関連の主要事業と国内外組織と連携体制,それから3番目,4番目が事業,活動の内容でございまして,3番目として人材育成,4番目として核不拡散・核セキュリティ技術開発ということで説明をさせていただきます。
ページをめくっていただきますと,一番最初にサミットにおけるコミットメントとセンターの設置という項目でございますけれども,山村室長のほうからもご説明がありましたので,ここは割愛をさせていただきます。
その下に,核セキュリティ・サミット関連の主要事業と国内外組織との連携というふうにございます。大きな活動の柱が2つございまして,一つが人材育成,それからもう一つが技術開発になっております。
人材育成につきましては,3つのコース,核セキュリティのコース,保障措置・計量管理制度のコース,それから3番目に核不拡散に関する国際枠組みコース,これは二国間協力をベースに,我々が向こうに乗り込んでいって対象国でセミナーを開催するというような形で進めるコースでございますけれども,こういう3つのコースをやっております。
また,1番目の核セキュリティ,それから保障措置のコースも,東海村の我々の施設にマルチでいろんな国から来てもらってトレーニングをするというやり方と,我々が対象国に出ていってその国で核セキュリティのセミナーをやる,保障措置関係のセミナーをやるという,いろんなやり方がございますが,そういうようないろんなやり方を通じて人材育成に貢献をしてきてございます。
それから,その下に国内外の組織との連携体制を書いてございますけれども,一番協力をしていただいておりますといいますか,政策的に我々を支えていただいておりますのが文部科学省でございまして,補助金事業としてこの予算をいただいて,総合支援センターでもってこういう人材育成,それから技術開発を進めているところでございます。それから,国内におきましては,人材育成をするときには核物質管理センターさんにもご協力をいただいておりますし,また,関係府省さん,内閣府,外務省,経産省,規制委員会,警察庁とも,政策的なニーズを把握するために,ヒアリングを通じていろいろなお話を聞いて,そのご意見を我々の事業に反映するというような形をとらせていただいております。
それから,国際的な協力ですけれども,山村室長のほうからもございました,アメリカとは非常に緊密な協力関係にございまして,特に核セキュリティのトレーニングにつきましては,最初に我々,トレーニングをするキャパシティというものを持っていなかったので,まずはアメリカからいろんなことを学ぶというところからスタートをしております。それから,あとはEC(JRC)とも非常に強力な連携体制を敷いております。また,国際原子力機関(IAEA)とも技術的な協力,連携協力をしております。
我々のターゲットは,アジアを中心としておりますけれども,アジアの中で取り組まれております他のさまざまなイニシアチブがございます。例えば,アジア原子力協力フォーラム(FNCA)というようなフォーラム,それから,オーストラリアのイニシアチブで進められておりますアジア太平洋保障措置ネットワーク,APSNという,イニシアチブ,こういったイニシアチブとも連携をしながら進めておりますし,また,2010年の核セキュリティ・サミットのときに,韓国と中国も同じような核セキュリティ・核不拡散にかかわりますセンター・オブ・エクセレンスを設立するというコミットメントをしておりまして,そういうセンターとも連携をするというようなことをやってございます。
その次のページでございますけれども,これはキャパシティ・ビルディング支援の実績をまとめたものでございまして,2010年12月に設置をしまして,約4年半経過しておりますけれども,2015年3月末までの実績で,3つのコース,日本人も含めまして合計2,217名が49カ国,3国際機関から参加をしてございます。それで,個別のコース別のコースの回数と参加人数もまとめてございますけれども,核セキュリティコースが一番多くて,49コースで1,000人を超えているというような状況にございます。
それから,核不拡散に関する国際枠組みコースというのは,2番目のところで書いてございます二国間協力の実績というところでございますけれども,我々が,例えばベトナムですとかマレーシア,カザフスタン,モンゴル,こういった国に出かけていきまして,向こうでセミナーをやるというような形が中心になりますけれども,これまで13カ国,1国際機関を対象に,先方のニーズに沿った派遣セミナー等を実施しております。1国際機関というのはASEANの,センター・フォー・エナジーというエネルギー部局がASEANにございまして,そのエネルギー部局と合同でセミナーをやるというような形で進めてきております。
それで,我々の支援対象国選定の考え方をそこの下に書いてございますけれども,アジアを中心とした国のうち,アジア原子力協力フォーラム(FNCA)に参加している国,それからASEANの参加国,並びに我が国と原子力協力協定を締結している国,若しくは交渉がスタートしている国,こういう国を中心にしておりますけれども,特段の理由がある国として,例えば一昨年ですが,ウクライナ政府からこういうセミナーで協力してほしいというようなお話がございまして,外交ルートを通じてそういうお話がございまして,ウクライナでセミナーをやるというようなこともやってきてございます。
その下に,核セキュリティ・サミットとISCNの貢献という形で書いてございますけれども,第1回の核セキュリティ・サミット,2010年4月に,こういうセンターを設立するというコミットをしまして,2010年12月に設置しておりまして,8カ月でこのセンターを設置してございます。
それから,第2回サミットではこういうISCNを通じた人材育成や研修を拡充するというコミットをしまして,2011年の実績としては14コースであったものを2012年には19コースに拡大をして実施をしていると。それから,日米の政府間のNSWGという協力関係を通じて推進をしながらやっているということと,それから,IAEAとも実施取り決めを結びまして,IAEAがISCNでやるコースで協力をするというような形で進めてきております。
それから,第3回のサミットのときにISCNの活動の拡充,それからCOEのネットワーク強化推進というようなコミットをしておりまして,2013年,14年とまたコースの回数を拡大してやってきてございます。
同様のセンター・オブ・エクセレンスを設置しております韓国,中国とも連携協力を先頭に立って推進しておりまして,韓国につきましては2014年2月にこういうセンターが設置されまして,それから中国については今,まだ建設中でございまして,今年の12月ないしは来年のサミット前にはオープンするという状況を聞いてございますが,中国はまだできておりません。こういったセンターと同じようなセンターが同じアジアの地域にできますので,同じようなコースを同じような時期にやらないように,重複しないようにするとか,相互に講師を派遣し合うとか,それから,お互いにオブザーバーを各国のトレーニングコースに派遣をしてお互い学び合うというような協力を進めてきてございます。
それから,IAEAは各国にニュークリア・セキュリティ・トレーニング・アンド・サポートセンターという,そういう拠点をつくって,そこが中心となって各国のキャパシティを上げていきなさいというようなことを提案しておりまして,ネットワークをつくっておりますけれども,そのネットワークにも参加をしまして,総合支援センターの経験を踏まえてネットワークに貢献をしてきてございます。
また,G8のグローバル・パートナーシップの中にもCBRNのセンター・オブ・エクセレンスのワーキンググループというものがございまして,そういった会合にも参加をして,議論にも参加をして,貢献をしてきてございます。
それから,世界核セキュリティ協会(WINS),ワールド・インスティテュート・フォー・ニュークリア・セキュリティというNGOですけれども,ここと共催のワークショップを毎年1回,開催してきてございます。
こういった活動を通じまして,例えば,ベトナムが2012年に追加議定書に批准する,また,改正核物質防護条約を批准するといったところに貢献してまいりましたし,また,インドネシアの核テロ防止条約の批准にも貢献してきているというふうに考えてございます。
それでは,次のページ以降に総合支援センターが実施してきました良好事例についてご紹介をさせていただきたいと思います。
最初がISCN-WINSのワークショップでございます。2010年4月のサミットのときにも,首相のコミットの中にWINSと連携をしてワークショップをやりますというコミットがございまして,2010年は経済産業省の会議室で,政府主導でこういうワークショップが執り行われたわけですけれども,2011年以降はWINSとのワークショップは総合支援センターの方と共催というような形で進めてきております。
それで,このワークショップなんですけれども,非常にユニークな演劇型セッションと呼ばれます演劇を用いたディスカッション形式を取り入れていまして,下の写真の真ん中にございますように,舞台で役者さんが来て,例えばこのシチュエーションですと,発電所長と警察署長が,どうもテロリストがおたくの原子力発電所を狙っているという情報が入っているぞというような会話が芝居でやられて,いろんなその会話を通じて,演劇が終わったらその演劇の内容について議論をするというような形でワークショップを進めていくというような形で,各年度ごとにテーマを変えてやってきてございまして,これは対象は国内の規制当局事業者さん,それから警備当局の方,その他関係機関の方が参加をしてきていただいて,日本の核セキュリティ文化の向上ですとか核セキュリティ強化ということを目的にやってきているものでございます。
それから,その下,良好事例の2番目でございますけれども,核物質防護実習フィールドというものを建設しまして,実際にトレーニングに参加する方がハンズオンでトレーニングできるようにしてきてございます。核物質防護につきましては,情報の管理が厳しくて,実際の原子力発電所の核物質防護施設を使ったトレーニングというのはもうできない,不可能になっておりますので,我々はトレーニングのためだけに核物質防護のさまざまな,侵入検知センサーですとか,さまざまなカメラですとかそういったものを導入しまして,研修でそこのフィールドに入ってきてもらって,ハンズオンでトレーニングができるようにするというようなことをやっております。
また,国内の原子力発電所で,センサーですとか,それからカメラも日進月歩でございまして,国内の発電所で新たにこういう,例えばレーザーセンサーなんかが導入されている,サーマルカメラが非常に多数導入されているというようなことを聞きますと,そういったものを新たに導入して,トレーニングに反映するというような形で進めてきてございます。
それから,次のページの良好事例の3でございますが,これはバーチャル・リアリティ・システムです。2番目のPPフィールドは実際のものを設置していて,3番目はバーチャルなので,実際にはないんですけれども,アジアの研修生をメインのターゲットにしてございまして,アジアの国というのはまだ原子力発電所を持っていないということで,サイバースペースに原子力発電所を作ってしまって,大型のスクリーンで三次元でそういう原子力発電所を見せられるような形にして,研修生はその大型スクリーンのフロアスクリーン,サイドスクリーン,正面スクリーンの中に入っていって,体感しながら実習ができるというようなものでございます。
バーチャル・リアリティの利点としましては,例えば天気なんかを,晴れている日,雪が降っている,霧が出ている,曇っている,そういうようなものを非常に短時間に再現して,そういう気候の違いが監視カメラの画像にどういうふうに影響を及ぼすとか,また,それぞれの侵入検知センサーの検知範囲を簡単に映像で見せてしまうというようなことが可能になりますので,PPフィールドと連動させながら,研修の効果を上げるためにこういうバーチャル・リアリティシステムを使ってございます。
以上が人材育成のほうの説明でございます。
それから,ISCNにおける活動の2番目の柱の技術開発の方ですけれども,まずは核鑑識の技術開発でございます。
核鑑識につきましては,捜査当局によって押収,採取されました核物質につきまして,核物質ですとか放射性物質及び関連する物質の組成,物理・化学的な形態なんかを分析しまして,その物品がどこから出てきたのか,どういう履歴のものなのか,どういう輸送経路をたどってきたのか,どういう目的のものなのかというようなものを分析・解析する技術的な手段でございます。
これまで既に基礎的な分析の技術開発は終了しておりまして,核物質の同位体分析法ですとか,核物質に含まれます不純物の組成分析法,ウランの年代測定法,それから電子顕微鏡によります微細粒子形状の分析法,それからプロトタイプの核鑑識ライブラリなんかの設置を終えておるところでございます。
それから,技術開発の成果といたしまして,日米共同研究によります基本的な核鑑識分析技術を確立しているということ,それから,米国研究所との年代測定の比較試験ということで,同じ試料を一緒に分析して分析能力を確認し合うというようなことと,それから,プロトタイプの核鑑識ライブラリを構築しまして,原子力機構が所有します核燃料のさまざまなデータベス化を今,進めているところでございます。また,国際的なITWGという核鑑識の枠組みがございますけれども,そこが主催しますラウンドロビン試験,同じウランの試料をみんなで分析し合って比較試験をするというようなところにも参加をいたしまして,結果を報告して,非常に良好な結果を得ているところでございます。
その次のページが,ISCNにおける活動,核不拡散・核セキュリティ技術開発の2番目の核物質の測定・検知でございます。核物質の測定・検知につきましては,4つの技術開発を進めておりました。
1番目が,使用済燃料中のプルトニウムの非破壊測定実証試験でございまして,これは,先ほど山村室長の方からご説明がありましたアメリカのNGSIというプロジェクトの中で技術開発をされました,使用済燃料の中のプルトニウムを非破壊で測定するための試験でございます。実際にはロスアラモス国立研究所が開発しました2つの装置を組み合わせて,使用済燃料中のプルトニウムをNDAで測るというものでございますが,実際にふげんの使用済燃料を,測定装置をふげんに持ち込んで,そこで測定するというようなことをやりました。
それから,2番目がレーザー・コンプトン散乱非破壊検知装置技術開発でございますけれども,これもアメリカとの共同研究,それからKEKとの共同研究で進めております。これは,加速器で加速しました電子にレーザーを衝突させまして,レーザー・コンプトン散乱という現象を使ってガンマ線を発生させる,そのガンマ線を核物質に当てて,原子核に当てて,そのガンマ線で励起をさせて,励起状態から戻ってくるときに同じようなガンマ線が出るという核共鳴蛍光という現象を使って,核物質を定量するというような原理の技術開発でございます。
それで,我々が取り組みましたのは,この電子加速器でもって加速をして,レーザー銃でもってレーザーと衝突させてガンマ線を発生させると,それも大強度のガンマ線を単色で発生させるという技術開発を進めてまいりまして,今年の3月にKEKとの共同研究で,そこに書いてございますように,光子のエネルギーとしては約7キロエレクトロンボルトという低いエックス線領域ですけれども,そこの単色のガンマ線の発生に成功しております。
それから,その下の段の3番目の技術開発でございますけれども,ヘリウム3の代替中性子検出器技術開発というものをやってございまして,ヘリウム3というのは電離箱の中に入れて,そこで核物質を測定するための電離箱に使われる希ガスになるわけですけれども,核セキュリティの強化に伴いましてヘリウム3が供給不足になってしまって,2011年ごろにIAEAが,ヘリウム3がなくなってしまうので,代替検出器の開発をやってくれというようなことを2011年ぐらいに世界に呼びかけまして,当時JAEAはJ-PARCで使っておりました,開発しておりましたセラミックのシンチレーター(JRC)というのを持ってございましたので,これを使ってNDAの装置を組み上げるという実証試験をやっております。
実際に今年の3月に再処理工場の実際のMOXの粉末を使って,組み上げました,開発しましたNDAの試験装置を使った実証試験というものをやりました。これはIAEAやアメリカのDOEを呼び,さらにはEUのJRCからも専門家を呼んで,三者に合同で評価をしてもらうというような形で実証評価をやったところでございます。非常にいい結果が出まして,幾つか改善点は指摘をされましたけれども,技術としては非常にいいものだと,継続的な開発をやったらいいのではないか,みたいな話も出ておりました。
それから,4番目が中性子共鳴濃度分析技術開発ということで,これはEURATOMのJRCとの共同で進めてきたものでございまして,中島先生にもご参加いただきましたけれども,今年の3月に実はベルギーのヘールというところにございますジェリーナという中性子発生試験装置がございますけれども,そこで実際に開発してきました技術の実証試験を,皆さんに参加していただきながらやったという実績がございます。
これは,中性子を核物質に照射しまして,核物質によって吸収されてしまった中性子のエネルギー分布を定量することによって,どういう同位体がその核物質,照射された核物質の中に入っているかというのを定量する技術でございまして,基礎的な技術実証は終了しまして,かなり高い精度で測定できるということが分かったということでございます。
簡単でございますけれども,以上,核物質の検知技術と,それから人材育成についての取り組みの状況を説明させていただきました。ありがとうございました。

【上坂主査】 山村さん,直井さん,どうもありがとうございました。
それでは,どこからでも結構ですので,今の2件のご説明につき,ご質問を受けたいと思いますので,どうぞよろしくお願いします。

【喜多委員】
原産協会の喜多です。
文科省の資料の2ページ目のそもそもの概観のところなんですが,2つほどコメントがございます。核セキュリティのところですが,対象が非国家主体,ノンステート・アクターというふうに書かれているんですが,必ずしもそれだけではないのではないかなと。主たる対象は非国家主体を想定していることは確かだと思いますが,それだけとは限らないのではないかなと。ちょっと具体的には申し上げませんけれども。
その隣の核不拡散ですが,核不拡散とは法的,制度的,技術的措置による核兵器の取得防止ということで,それ自体は間違ってはいないんですが,そもそもなぜ核拡散が起こるかといいますと,当該国が国家安全保障に非常に不安を抱いているということが動機ですので,その動機を減らさないことには,幾らほかのいろんな手段で頑張ってみても,核拡散をなくすことは難しいと思います。
そういう意味から,最近進められているアメリカとイランとの融和外交というのは,核不拡散上,非常に大きい意味を持っておりまして,これによってイランの国家安全保障上の不安を減らしていくという,こういった大きい考えが核不拡散の根本的な解決につながっていくのではないかということを,コメントしたいと思います。

【山村室長】
ありがとうございます。2点目については,おっしゃるとおりで,核不拡散というものはサプライサイドアプローチというふうにいわれているものと,ディマンドサイドアプローチというふうにいわれているものがあって,ここに書いてあるのはサプライサイドアプローチ,要は,供給国が規制をかけるみたいな,輸出管理もそうですけれども,今核兵器を保有している国とか,原子力技術とか機材を持っている国が規制をかけると,そういうアプローチ,それから,おっしゃったようなディマンドサイドアプローチというのは,受け取る側というか,核兵器を求める側の動機みたいなもの,安全保障上の懸念とか,あるいは国家の威信を高めたいというような国内的なものもあるかもしれませんけれども,そういったディマンドサイドの動機に働きかけて,それを解決するようなものというのがあると思います。その点についてはおっしゃるとおりで,ありがとうございます。

【小松崎委員】
よろしいですか。

【上坂主査】
はい,どうぞ。

【小松崎委員】
今の核セキュリティに関するご質問なんですが,この資料を見ると,プリベンション,ディテクション,レスポンスというふうに構成要素を書いてあるんですが,先ほどのご説明ですと,ディテクションのご説明は一部あったと思うんですが,レスポンスについてはほとんど具体的な記述がないですね。
例えば福島の事故で,津波に対してどう対処するかというのは,新しい側面で真剣に考え始めたなといっても間違いではないと思うんですね。それから,アメリカにおいては航空機によるあのテロ,あれも想定外だったと思うんですが,今は原子力発電所が対象だったらどういうことになるんだと,多分具体的に考えているだろうと思います。おそらく,軍事用の武器の配備を含めて。つまり,非国家主体なんていうことではなくて,軍事レベルでも何とかするんだというふうな動きが具体的に見えていると思うんです。
我が国では,ちょっと前まではディテクションで大体何とかなるなという感じを持っていたと思うんですが,センサーなどで感知しても,具体的な対応策がなければ意味がないんだと。特に,テロに対してはどうやってレスポンスするのかということは大事な課題だと思うんですね。ですから,今後はそういう具体的なレスポンスについて,どうやって具体的な策を講じて豊かな体制にしていくのかというのが重要ですが,どうも,今まで伺った話だと,ちょっと弱いかなという感じがしました。特に,テロに対しては,検知だけではなく具体的にどう阻止するかというところに速やかにつなげないと,守ることは難しくなりますので。
参考ですけれども,サイバーセキュリティの世界ではかなり具体的な国際的活動が進んでいまして,日本が中心になって,昨今,シンガポールにインターポールの拠点を設置して活動を始めました。我々のメンバーも参加しているんですが,今回課題になっているこの分野でも,国際協調ですとか,あるいはフィジカル・ディフェンスだとかそういうふうなことで,少し視点を広げたり,守るということの要素ももう少し加味したほうがいいような感じを,今現在伺った話の中では感じました。
以上でございます。

【上坂主査】
どうぞ。

【山村室長】
ありがとうございます。おっしゃるとおり,対応の部分については,我が国としても今まで,体制の整備みたいなものがなかなか進んでこなかったという面があります。ISCNの活動は,まずは研究開発とか検知の部分とか,核鑑識は一部対応という部分も入っていますけれども,そういった研究開発とか人材育成にまずは絞って,活動をこれまでしてきているということでございます。
先ほど申し上げたように,例えば,日米のワーキンググループ,NSWGというものがありますけれども,その中にも,今までは核鑑識という研究開発の協力をやっていたんですけれども,それを踏まえて,実際に核テロとか不法物資の押収が,核物質の不法移転の押収がなされた場合に具体的にどういう対応をしていくのかと,そういうことも含めて話を進めていくような,もう一段進んだ段階に入ってきているということはいえると思います。

【直井ISCN副センター長】
トレーニングの観点から申し上げますと,おっしゃられるとおり,レスポンスも含めたトレーニングをやらなければいけなくて,まず,我々が今,取り組んでいますのは,いわゆる警備当局,それから実際の発電所で守る人たち,それから実際の発電所で核物質管理をやっている人たち,そういう人たちを入れたテーブルトップ・エクササイズのキャパシティを今,我々自身がつけておりまして,今,そういうテーブルトップ・エクササイズを,例えばトルコのような新しい原子力発電所を建設しているような国に,警備当局,警察も含めて,トレーニングをやるというようなことは,今考えているところでございます。

【小松崎委員】
一般建物の警備の場合,例えば強力な武器を持った人間が乱入してきたら,一体何ができるだろうと思うと,大変残念な状況です。実際に我が国では,このようなことは無かったので,架空の話で良かったわけです。例えば銃器ですが,日本では銃器が非常に厳しくコントロールされています。これは非常に素晴らしい制度だとは思うんですが,原子力施設に対しては特例でこの制度から除外するとかですね,多分そのレベルまで行かないと,テロ対策においていろんなことができないと思うんです。テロリストから守るというのは尋常の対策ではできない話でございますので,核セキュリティというのをテロ対策まで拡大して考えるのであれば,具体的なフィジカル・プロテクションというところまで範囲を広げないと,実効性があまり期待できないことになってしまうかなと。もちろん,テロ以外のいろいろ守るべきリスクはありますので,それはそれで今までのことは非常に僕は機能していると思うんですが,特にテロというふうに考えたときには,考え方を全く変える必要があるのではないかなという感じがしております。
以上でございます。

【上坂主査】
非常に重要なご指摘だと思うんですが,いかがでしょうか。委員の先生方からは。

【津山委員】
公開ということで,答えることができなかったら,そういう答えで結構ですが,ディテクションのところで,電源が必要なセンサー類がたくさんあると思います。電源の多様性だとかルートの多様性だとか,そういうところは当然,研究として,あるいは技術開発として,加味されているという認識でよろしいでしょうか。

【直井ISCN副センター長】
基本的には新しい規制の中ではそういう対応をしなければいけないようになっております。我々のフィジカル・プロテクションのトレーニングフィールドは,実際には守るものは何もない施設なので,割と自由にいろんなことを学べるようになっております。

【津山委員】
ありがとうございました。

【上坂主査】
他にいかがでしょうか。

【出町委員】
文科省のほうの資料について質問なんですが,7ページの日米協力のページのところで,10ゴールのうち4ゴールを対象にされているというお話をされたんですけれども,見ると,この4ゴールと,後半ご説明されたISCNさんの活動が結構ぴったり合っていて,特に1,2ゴールですね。もし勘違いだったら教えてほしいんですが,文科省としては,この1,2,3,6ゴールのみを所掌としている。IAEAの国際基準にINFCIRC/225/Rev.5がありますけれども,あそこで提唱した16項目については対象としていないんですか。

【山村室長】
これを書いているのは,当省がメインで担当しているゴールを書いておりまして,おっしゃるようなINFCIRC/225/Rev.5というのは,基本的には規制庁さんがメインで担当されています。ただ,その会合には当然,我々としても参加したりはしていますけれども,あくまでもメインのところはどこかという整理で書かせていただいています。

【上坂主査】
関連ですが,我々の東大の東海キャンパスも原子炉核物質使用施設なので,PPの訓練をやっております。文科省,規制庁と,それから警察署が来られて,ブラインドでやらされます。そのときに,原子力発電所に原子炉主任技術者がいるように,今後,セキュリティ技術者が必要という考え方もあるということを規制側から伺いました。そのときに,新たな資格をつくるよりは,技術士にセキュリティも教育して,できるようにすることを検討されていることも伺いました。そこはいかがでしょうか。各施設にセキュリティ責任者を置くべきかの議論かと思うんですけれども。

【山村室長】
ちょっとその情報はあまり存じ上げてはいないんですけれども,核セキュリティも含めて,人材育成というのは,国際的にもそうですし国内的にも非常に重要だというふうに思っていますので,そういった何がしかの資格みたいなものを,そういう制度をつくることによってインセンティブを上げていくということは,非常に重要なことなのではないかというふうに思っています。

【出町委員】
ISCNのほうで,セキュリティ文化ですね,の取り組みについても取り組んでいらっしゃると思うんですけれども,それはこの中でいうとどこの枠組みの中に入るんですか。

【直井ISCN副センター長】
特にその記載はしていないんですけれども,核セキュリティ文化についても,トレーニングの,要はトピックスを選ぶときに,基本的な核物質防護の手法を学ぶ2週間のコースをベースにして,それから新しいIAEAのガイドライン,それから核セキュリティ文化というふうに,あるトピックスについてはストレスを置きながら教育をするというふうにしていて,核セキュリティ文化については非常にストレスを置いている項目になります。
それで,IAEAの核セキュリティ文化の基本文書みたいなやつがあるんですけれども,ガイダンスみたいなものがあるんですけれども,それを学ぶワークショップですとか,それから,今,国内向けには,原子力発電所のほうからいろいろ要請があって,我々が出向いて,核セキュリティ文化の講演会というのをやっておりまして,どういうものかといいますと,いろんな国で実際に核物質の盗取とかが起こっている実例を紹介しつつ,核セキュリティ文化を構成する要素とか,各発電所を構成する従業員の役割みたいなことをその講演で話をするというようなことでやってきていまして,既に国内の原子力発電所では15拠点ぐらい回っております。

【出町委員】
ISCNさんでやっているトレーニングのほうですと,多分,参加者は若い方々ですよね。技術者の方が多いと思うんですけれども,そこでのセキュリティ文化の教育だと,本来,セキュリティ文化というのは,例えば会社の場合だと,上から下まで全部教育しなければいけないんですよね,トップから下まで。なので,トレーニングだと不十分かなと思ったんですが,講演会の場合は結構,会社さんの場合も上から下までたくさん来られているわけですか。

【直井ISCN副センター長】
そうですね,例えば今年,去年だったかな,関電の高浜に行かせていただいたときは,130人ぐらいの方が同時に集まられて,それで,そこに来られている下請業者さんも一緒に,安全推進協議会主催というような形でやっていただいて,各メーカーさんも参加をされておられました。

【中島委員】
よろしいですか。
私もあまりまだセキュリティのことは分からなくて,ただ,今いろいろお話を聞いていると,ISCNのことについてちょっと尋ねたいんですけれども,いろいろ活動をたくさんやられているというのは,これを見てよく分かります。ただ,今までの話を聞いていると,まだこれからもうちょっと手を広げていろいろなことをやっていかなくてはいけないということなんですけれども,まず現状として,ISCNという組織が,全然イメージがないんですけれども,何人ぐらいいるとか,どういうセクションがあるとか,予算をどのぐらい使っているというのがあって,今これだけのことをやって,それに対して,例えば,現状でもう人手は足りているのか,お金は足りているのかと,もしちょっとそういうところを運営している立場としてあれば,教えていただきたいと思います。

【直井ISCN副センター長】
総合支援センターの設置をされたときに,人が全然初めはいなかったんですけれども,最終的には26名とか27名くらいの人員でやっておりまして,ほぼ大半がインストラクターも含めて,人材育成事業に関与する人たちで,技術開発を担当するのは2名とか3名とか,要は調整業務と,それから企画立案するチームなので,企画立案したものを実際の研究開発部門に持っていって,議論をしながら研究開発計画を決めて,実施をするというようなやり方でやってきております。
それで,実は昨年の4月にJAEAの中の組織の改編がございまして,もともとJAEAの中に,JAEAが設立されたときに核不拡散科学技術センターというものができまして,そのセンターを母体に2010年12月に枝分かれしまして総合支援センターができたんですが,昨年の4月にもう一度,その旧核不拡散科学技術センターがもう一度合体をした形になりまして,現在は,例えばCTBTの支援業務ですとか,それから,我々自身の核燃料サイクルに必要な核物質測定技術ですとか,そういった技術開発もやっていますし,あとは政策研究というようなのもやっていまして,今はトータルで80名ぐらいの部隊になっております。ただ,人材育成部隊は基本的には同じです。
それで,先ほど,核セキュリティ・サミットのたびごとに,回数をできるだけ多くというような形で頑張ってきているんですけれども,もうほぼ限界に達しておりまして,この分野はなかなか専門家がいないので,育てるのも大変でということで,人材をいかに,特にインストラクターをいかに維持するか,重要になっております。それから,サイバーセキュリティなんかでも絶えず進化している,インストラクターも絶えず,脅威の変化に対して,学んでいかなければいけないですし,それをどういうふうにカリキュラムに反映するべきかなど,絶えず考えていなければいけないので,インストラクターをいかに維持するかというのが我々の大きな課題になっております。
その面では,中国と韓国にも同じようなセンターができているので,そういうキャパシティのビルディングで一緒に協力しようというようなことは共通の認識を持っていまして,IAEAもそれに対しては支援をするというようなことを言ってくれております。

【中島委員】
ありがとうございます。

【五十嵐委員】
すみません,よろしいでしょうか。今,お話に出たインストラクターの方たちは,具体的にはどういう資格を持った方なのでしょうか。人材育成といいますと,受け入れられる研究機関なり,処遇とかが今後重要になってくると思うんですけれども,今現在,インストラクターの方たちはどんな教育,研修を受けられた方で,例えば認定証のようなものがもらえて,仕事で活用できるというようなシステムはもうでき上がっているのでしょうか。また,今,中国,韓国のご説明がございましたけれども,欧米などではこういった分野の人材育成に進んでいる部分があるんでしょうか。分かれば教えていただきたいです。

【直井ISCN副センター長】
ありがとうございます。インストラクターにつきましては,もともと大学院で安全保障だとか核テロ防止の研究をやっていたような人たちが集まってきています。そういう人たちがインストラクターになっていますが,特にそのインストラクターの資格制度というものはなくて,最初に核セキュリティのトレーニングを開始するときに,アメリカのDOEと協力をしまして,サンディア国立研究所というところにいろいろ教えてもらったんですが,まず,先生になるために講義のドライランというのをやらされまして,その中で合格基準に達した人がインストラクターとして次の国際コースに先生として登場するというようにしています。基本はアメリカのサンディアの人たちに選ばれた人たちがインストラクターになっているというような形で,大体どのコースをやるときにも必ずドライランみたいなやつをやって,それで確認をするというような形で進めてきています。ということで,あまり資格認定制度みたいなものはないです。
核セキュリティ・サミットに提言をしていくNGOのいろんな団体で議論をしてきているんですけれども,やっぱりそういうインストラクターの認証制度なり,それから,先ほども出ましたけれども,核物質防護管理者にある資格を持たせるとかいうような話は,絶えず議論の対象になっております。
それで,やはりアメリカはかなり進んでおりまして,アメリカがどういう認定制度を持っているかと,そんなインストラクターのための認定試験みたいなものはないと思いますが,例えばサンディアの中では,我々が今,ドライランをやって選別されてきたような選定みたいなものはなされて,インストラクターが育っているのではないかなと思います。

【五十嵐委員】
ありがとうございます。

【小松崎委員】
よろしいですか。そんなに少ない人数でやってらっしゃるのはちょっとびっくりしたんですけれども,大変ご苦労さまでございます。
それで,今の日本の状態を考えると,すごくいい時期だと思います。2020年オリンピック開催です。オリンピックに向けてテロ対策や安全管理手法などを多くの会社が非常に熱心に取り組んでいるんですね。例えば,我々の会社では,画像認識でもレベルの高い研究をやっているんですが,人の顔を認識するとか,人がどこにいるとかですね。オリンピックに関係なく,もともとこれらの研究をやっていたんですが,2020年に向けて大きく加速しているんですよ。そういうところで適用される技術は,核施設の安全対策に非常に有効に使われるはずなんですね。
ですから,そういういいムーブメントに乗って,国を挙げて安全に対して非常に強い関心と具体的なアクティビティが起こっておりますので,そこをよくウォッチして,使えるものは全部この方面にも使うんだというふうな視点で見ると,難しい技術が短い期間で適用可能になるまたとない機会だなというふうに私たちは思っておりまして,そういう視点でも,ぜひそれを活用したいなと,そう思っているわけでございます。
嫌なことがあったときに予算を措置するとかそういうパターンが多いんですが,今回は全く違って,全ての人がポジティブな気持ちで心を一つに,力を一つにと。僕はこの機会にこういう方面も,省庁をまたがってまたいろいろなことをやれる非常に重要な節目だと思います。
以上でございます。

【山村室長】
ありがとうございます。

【上坂主査】
人材育成の問題もこの作業部会の重要な課題なんですけれども,やはり人材をどうやって確保していくかなんですよね。それで,トレーニングインストラクターが少ないということです。大学の立場から苦しい事情を申し上げさせていただくと,セキュリティですので,全ての情報とか成果が公開できない面が当然あるのです。情報管理しなければいけないということがある。そうすると,我々研究者とか,あるいは教育者とか,立場から言いますと,学生さんがこの仕事をすると,他の分野に比べて論文が出しにくいことがあります。一方,欧米の方は特別の措置をとっているんです。独自のソサエティの中で奨学金制度をつくるとか評価制度があるとか,あるのです。日本の場合,まだそこまで行っていないということになると,他の分野に比べて,成果を出して評価する仕組みが少ないんですよ。
セコムさんに,どういうふうに若い方を集めていらっしゃるかなとご質問しようかなと思います。非常に元気のいい分野と連携していくことができないかと。技術的に言えば,バーチャル・リアリティ等は絶対共通だと思いますから,協力していくことが非常に重要だと思います。
ほかにいかがでしょうか。

【小松崎委員】
そういう意味で,先ほど情報公開のご説明もありましたが,ここでの課題というのは相当慎重にやっておかなければいけないなと改めて先生のお話で感じました。あと,先生ご指摘のとおり,実際の研究開発の場の視点で申し上げますと,一つの分野で何かができるような時代というのはもう終わったなという感じなんですね。ありとあらゆる技術領域がうまく連携できるかどうかということが非常に重要でして,この分野でも,知恵を集めていろんな技術を結集して非常にいいサービスに仕立て上げるという点では,僕はやっぱり日本は世界一の国だと思っていますので,核のセキュリティというのは核にしか使えない話ではないんですよね。ですから,一般化して重要施設のセキュリティと考え,それを核にも適用するというふうに考えることが有効だと思います。
核施設専用の担当というと,再稼働するかしないかよく分かっていないときに,時間とお金をかけてポジティブに選ぶ人がいるのだろうか,ということが心配になります。ところが,例えば国家施策で重要拠点のセキュリティオフィサーというような資格を取れば,重要施設のセキュリティオフィサーにもなれる。もちろん核施設のセキュリティも担当できる。そういう汎用性を持った人材育成であれば,全然姿が違ってくると思うんですね。対象施設の一つに核に関係する施設も入っているんだと。
核施設専門となると,今はご家族の賛成を得にくい,就職が不安だというような話になるととてもつらいところがあります。社会の安全のためには,人が何と言おうが使命感や責任感を持って仕事に当たる,そういう人をきちんと確保して教育をし続けなければいけないのですが,今は大変難しい状況だと思います。そういう意味でも,核施設に限定せず非常に広い中での適用というふうに拡大すると,いろんなものの組み立てが良くなる,しかも広範な教育という点で文科省らしさがより鮮明に出やすいのではないかなと思います。すみません,長くなりまして。

【山村室長】
ありがとうございます。おっしゃるとおり,他の分野とのですね,核以外のセキュリティとかですね,そういった連携,それから,上坂先生がおっしゃったように,この分野の人材育成をどうしていくのかと,学生さんたちがこの分野を学ぶインセンティブを持ってもらうためにどうしていくのかというのは非常に重要な視点だと思いますので,いずれにしろ,なかなか,特に前者の部分については文科省だけでできるということでもないと思いますので,他の省庁とかも含めてですね,検討が必要だと思います。ありがとうございます。

【上坂主査】
ほかにいかがでしょうか。

【出町委員】
ちょっと話がずれるかもしれないんですけれども,科研費の項目で,セキュリティ関連のものがないんですよね。とても困ったんですけれども,ちょっと気になったので,一言申し上げました。

【仙波研究開発戦略官】
確かに,いろんな形で使える中で,分野を立ち上げるに当たって,デュアルユース分野とか,議論の必要な分野については慎重にというふうな形もあるので,なかなか,直接使えるものは多分あまりないのではないかなというふうな形で記憶はしておるんですけれども,ここ数年の間に状況が変わっていなければですね,そういうふうな形になっておるので,間接的に,先ほど言われたように,幅広い分野で,これにも貢献し得るような形で,例えば,さまざまな探知技術であればセンサー技術としてとっていただいて,中性子非破壊検査みたいな形でやっている先生方はいらっしゃるとは思いますが,直接はないと思います。

【上坂主査】
そうですね,センサー開発とか,センター計測とか,原子力関連の人材育成も絡んだ技術開発が対象かと思います。
技術に関してなんですが,このヘリウム3,非常に重要だと思うんですけれども,IAEAも非常に重要と認識しているということですね。当初のとおりの検出器ができたんでしょうか,使えるものが。

【直井ISCN副センター長】
それぞれのセラミックの経時変化がちょっとまだ出たりしていまして,必ずしも性能,検出効率が一定のものを焼けないというところがまだ残っていまして,それとあとは,IAEAから言われたのは,運搬,こういう測定系をIAEAが持ち込んだりするときに,飛行機の中に積んでですね,いろんな振動を与えられて,またサイトに持っていったときにまた同じように再現できるかという,そういう長期的な安定性みたいなところも確認をしなければいけないとか,幾つか宿題はいただいていますが,性能としては,INVSというものと同じ形状のサンプルを使って測定をしたんですけれども,ほぼ同じ結果は得られていて,なかなかいいものができ上がったと思っています。

【上坂主査】
では,性能は達成したけれども,今後は安定性というか……

【直井ISCN副センター長】
そうですね,長期的な安定性とかそういうものを,時間をかけて見ていかなければいけないということです。

【上坂主査】
それから,レーザー・コンプトン,中性子のほうですけれども,これらはトップデータが出ているということで,非常にいい成果が出たかなと思います。先ほど,ベルギーでの中島先生がご出席もされた国際会議でも,皆の場でIAEAの査察官が目隠しでサンプルを容器に入れて,中性子で照射して,ワークショップの最後に開けて,ちゃんと中身を判定したということで,すばらしいと思います。しかしながら,IAEAの査察官は,これは装置が大きいねと,これをモバイルでやれと言ったというんですね。据え置きではなくて。小型化も今後,課題としてあるかもしれません。その辺はいかがでしょうか。

【直井ISCN副センター長】
確かにこのワークショップのときに,IAEAのザイコフさんというSG局の科学技術の担当の人は,金がかかり過ぎるという話を指摘されまして,あと,装置がでか過ぎて,こんなもん使えないみたいな話をされたんですが,そのときに我々が反論したのは,例えば,セーフガーズ・バイ・デザインという概念があり,例えば核燃料サイクルを考えていったときには,もう今までのパッシブの測定系が使えなくなってしまって,やっぱり何らかのこういうアクティブな方法を使ってやるということになった場合には,セーフガーズ・バイ・デザインとして,施設にそういったものを設置するという必要性はやっぱりあるんではないかというような反論をこちら側からはさせていただきました。そういった問題は確かにございます。今回の研究で使いましたヘールのジェリーナというファシリティは,巨大なファシリティでございますので,これを,例えばもう少し小さなものでできるようにするとかですね,そういったところが必要な技術開発かなと思っております。

【上坂主査】
ほかには。どうぞ。

【五十嵐委員】
では,今の関連で,お金がかかり過ぎるということと大き過ぎるというお話が出たんですが,具体的にはどれぐらいの費用,大きさなのか教えていただけますか。

【直井ISCN副センター長】
例えば,中性子共鳴濃度分析法で今我々が想定している装置は,11ページ目の下に書いてあるんですけれども,減速系として5メートルぐらいの長さのものが必要で,それに加速器を加えますと,10メートル掛ける20メートルぐらいの建屋が必要になるというような感じですかね,今現状で。それで,大体お金としては,建屋以外で6億円から8億円ぐらい,加速器から減速系も含めて,ぐらいのお金がかかる,プラスその建屋ぐらいになってしまうかなと思います。

【五十嵐委員】
ありがとうございます。

【礒委員】
今の測定に関しまして,2点ほど質問させていただきたいんですが,アメリカのほうでもこのヘリウム3の代替ということで,積極的にいろんな実験をしているというふうに聞いておりますけれども,そちらの結果と比較したりとかそういったことをなさっているのかということと,今これを見ておりますと,ほとんど核物質の量の測定ということを考えて,やっていらっしゃるようなんですが,特段,保障措置を中心にやられているみたいなんですけれども,例えば,セキュリティという観点であれば,量は関係ないけれども,少量でも出てしまえばセキュリティ上問題であるというのであれば,量を諦めて,核物質であるかどうかということを,何というんでしょう,同じ技術なんですけれども,そちらの精度を上げるよりも,今,例えばセキュリティのところで,いろんなところで必要になっているものを,そちらを最初に使うとか,そういった観点で,今やっていらっしゃるものをもう一度見直すというのも必要なのではないでしょうか。
私は保障措置をやっているので,保障措置に求められるある一定程度の精度というものは,やはりある程度のものをパスしないとIAEAも使えないというようなものがありますので,そちらのほうをインプルーブするよりも,逆に,考え方として,例えばヘリウム3というのはもう安定的に核物質の量を量れるということで,IAEAも査察用の機器として保障措置では認定されておるので,逆に言えば,ヘリウムをそちらのほうに回して,セキュリティのように,量はともかくとして,その施設から出るかどうかというものを見つけるのに,今ある適当なこちらの技術を逆に,あまりインプルーブしなくても適用することによって,すぐに適用できるというのであれば,保障措置の要件で今あるヘリウム3を使い,それ以外のところに今の新しい技術を使うというような観点も持ちながらやられると,ちょうど,これが特に核不拡散・核セキュリティ技術開発ということであれば,そういう観点も持ってみられてはいかがかなと思いまして,そういう観点をお持ちかどうかということを質問させていただきます。

【直井ISCNN副センター長】
ありがとうございます。まず,1点目のヘリウム3代替技術開発で,アメリカもやっているという話がございましたけれども,これはIAEAが2011年に,こういうヘリウム3が足りなくなっているので代替の検出器を開発してくれという提唱をしたときに,各国の専門家が集まってワークショップが開催されまして,その後,2回,3回とそのワークショップが開催されまして,実は去年の10月にイタリアのジョイントリサーチセンターの研究所のイスプラというところで,ジョイントの,要は実証試験コンペティションみたいなものが実際にございまして,そこに我々の装置がちょっと間に合わなかったもので,出せなかったんですけれども,そこではアメリカのボロン10チューブ,細い細系のチューブの内側にボロン10を塗布したチューブを束ね合わせた検出器が非常によい性能を出していて,それがコンペティションでは第1番になって,EUが開発していた液体シンチレーションカウンターベースのものと,幾つか,もう一点出たんですけれども,3つの開発した装置に対して,いろいろ共同の実証試験があって,アメリカが優位に立って,1番がアメリカだったと。それで,2番,3番がそのEUが開発したもので,遅れてしまったんですけれども,今年の3月に同じ専門家のEUと,それからIAEAとアメリカから専門家に来ていただいて,我々が開発しました固体シンチレーターを使ったNDAを開発したものを試験をした結果,結果としては,イスプラでやったものの中でも結構順位としてはよかったのではないかなと思いますが,そういうような形で一応,開発は終えております。
それから,核セキュリティの視点での開発というのは当初から考えておりまして,この2番目の,特にレーザー・コンプトン散乱の非破壊検知装置は,重遮蔽をされたコンテナ,港湾等で持ち込まれるコンテナの中に重遮蔽された核物質が出てくると,こういったものを検知しなければいけないなというようなことで,開発をスタートさせたものです。それから,下の中性子の共鳴濃度分析技術につきましても,これも同じように,中性子インテロゲーションというような形でできるもので,核セキュリティにも当然使えますが,ただ,最近,核セキュリティも,核テロリストもですね,例えば,要はパラフィンみたいなもので遮蔽してしまって,その外側を鉄で遮蔽するというような形にすると,中性子のインテロゲーションもなかなかうまくいかないとか,そういうのは当然出てきてしまうので,例えば,2番のガンマ線を使えばオールマイティで検知できるとかですね,そういうような観点では開発を進めております。そういう開発を進めつつも,それが,例えば保障措置にも使えるのであれば,双方を目指して開発するというようなところでやってきてございます。

【礒委員】
逆に,セキュリティで開発し始めて,それが保障措置に使えないかということで,この10ページ,11ページものは考えていたということですか。

【直井ISCN副センター長】
はい,そうです。

【礒委員】
分かりました。

【上坂主査】
ちょっと時間が押しておりますが,もう一点,別の観点で。
私も時々セキュリティの国際会議に出るんですけれども,それで非常に思うのは,国際的には女性の参加者が多いですね。それで,今,日本の原子力において,男女共同参画も重要な課題なのです。布目さん,いかがでしょうか。

【布目委員】
人材育成という観点ですが,私たちの活動の中でもやはり,この分野はなかなか女性が,特に日本においてはまだ少ないというのは現実的にあります。こういう分野に関しては,原子力の基本的なことを学んでいなくても,先ほど先生方がおっしゃるように,さまざまな分野で仕事をされてきた方が本当は活躍されているんだと。この分野だけですと,とても狭い分野に外からは見えますよね。先ほどおっしゃられたように,論文もなかなか出せなくて,先生も少ない,しかし,本当はよく考えれば,さまざまな分野のいろいろな経験が生きることで,もっと幅広い知見が生まれてくると思うんです。そういう意味では,女性にもっと門戸を開くことができると思うので,技術的なものは難しいかと思いますけれども,特に,インストラクターなどはコミュニケーション能力が一番重要でございますから,そういうのはやっぱり女性の活用ということをもっと全面に出して,活動をされるべきと思います。

【上坂主査】
ですから,言い訳になるかもしれないけれども,すべて大学に押し付けるのではなく,そこの教育体制も広く協力が必要かと思います。セキュリティは女性の興味が非常に強い分野だと思うんです。

【直井ISCN副センター長】
ありがとうございます。我々のインストラクターはほとんどが女性です。英語が上手な方でコミュニケーションが上手な方って女性の方が非常に多いので,優秀なインストラクターは皆さん女性になってしまうという。それから,我々の,まだ統計はとっていないですけれども,女性の参加者は非常に多いですね。海外から来られる,2割から3割ぐらいは女性かと思います。

【上坂主査】
どうもありがとうございました。非常に活発な議論をありがとうございます。
時間が押していますので,次の,それでは,議題3の今後の作業部会の進め方,2について事務局より説明をお願いいたします。

【岡部室長補佐】
それでは議題3,今後の作業部会の進め方について説明をさせていただきます。お手元の資料3と参考資料3をご覧ください。
資料3は,核不拡散・核セキュリティ作業部会の今後の進め方の案でございます。参考資料3は,4月22日の原子力科学技術委員会で審議されました,今年度の原子力科学技術委員会における研究評価計画についてでございます。
まずは参考資料3から説明をさせていただきます。当作業部会関係は,2.の中間評価の(2)の核不拡散・核セキュリティ関連業務というのが今年度の中間評価の課題となっております。
また,1枚おめくりいただきまして,2ページ目の一番上の3.事後評価のところに溶融燃料中の核物質測定技術の開発というのがございまして,こちらが今年度の事後評価の課題となっております。
参考資料3の一番最後のページをご覧ください。別紙になっておりまして,赤いところが今年度,親委員会の原子力開発委員会で中間評価,事後評価を行うものになっておりまして,当作業部会関係ですと,上から2つ目の赤い矢印の核不拡散・核セキュリティ関連業務の中間評価と,一番下が溶融燃料中の核物質測定の技術開発の事後評価というような形になっております。
では,資料3をご覧ください。平成22年に行われました第1回核セキュリティ・サミットを踏まえまして,親委員会でございます原子力分野の研究開発に関する委員会,現在の原子力科学技術委員会等にて事前評価を実施しております。4年間にわたりまして核不拡散・核セキュリティ分野における基礎研究,人材育成を核不拡散・核セキュリティ総合支援センターで実施をしてきております。また,平成23年には福島第一原子力発電所の事故を踏まえた核不拡散強化の取り組みといたしまして,溶融燃料中の核物質測定技術の開発の事前評価を行いまして,当該技術開発事業は昨年度終了したところでございます。
そこで,センターが発足いたしまして核不拡散・核セキュリティ分野の基礎研究,人材育成の取り組みを始めて一定期間を経ていることを踏まえ,中間評価,事後評価を行いまして,ご審議いただきました結果を今後のセンターの活動に反映していきたいと思っております。
具体的に検討していきたい事項は,審議事項の5行目からございますとおり,現在までに実施してきた当該センターの取り組みに関する評価,そして,平成28年の核セキュリティ・サミットに向けて加速化して取り組むべき事項の抽出,また平成28年の核セキュリティ・サミット後に当該センターが主体的に取り組むべき事項の抽出をしたいと思っております。
スケジュールは3.に記載をさせていただいておりまして,次回第5回は,5月27日に中間評価,事後評価といたしまして,まず,事務局から達成状況,成果,今後の展望等についてご報告をさせていただきまして,それに基づきまして作業部会で評価をしていただきたいと思います。委員の先生方からご意見を踏まえまして,修正をいたしまして,第6回の6月25日にもう一度ご審議いただきまして,作業部会としての評価案を取りまとめたいと思っております。その後,6月から8月ごろに原子力科学技術委員会における評価案の審議を行いまして,その後,さらにその上の委員会でございます研究計画・評価分科会における評価案の審議を7月から8月ごろ行いまして,その結果を概算要求に反映していきたいと思っております。
以上でございます。

【上坂主査】
ありがとうございます。いかがでしょうか,ご質問ございますか。

【喜多委員】
よろしいでしょうか。

【上坂主査】
どうぞ。

【喜多委員】
2の審議事項の,当該センターが主体的に取り組むべき事項というのがあるのですが,これは,ほかのものとどういうふうに違うのですか。2の3番目のところに,当該センターが主体的に取り組むべき事項の抽出というのが,ちょっと具体的なイメージがわかないんですが,どういうことでしょうか。

【山村室長】
ちょっとご質問の趣旨の確認ですけれども,2番目と3番目の違いが分からないということでしょうか。

【喜多委員】
そうですね,主体的に取り組まないものと主体的に取り組むものと,どのように違うのか。

【山村室長】
主体的にというのはちょっと表現が必ずしも適切ではないかもしれませんけれども,2番と3番の違いというのは,2番目は,核セキュリティ・サミットに向けて,短期的な観点から取り組むべき課題ですね,それから,核セキュリティ・サミット,これは最後だというふうに,2016年といわれていますけれども,それ以降も何らかの形でモーメンタムを継続していかないといけないということを踏まえて,より長期的な観点から,センターとして何をすべきかということをご議論いただきたいというふうに思います。

【喜多委員】
分かりました。

【上坂主査】
よろしいでしょうか。
この別紙の参考資料の最後のページにカラーの年次計画がありますが,今ご説明がありました赤い部分ですね,それから,矢印に中間評価,事後評価がございますが,今,平成27年ですので,平成27年の三角のところですね,資料3の日程でお願いしたいということでございます。それで,その評価の結果は,今後の施策のほうに反映させていくというような流れだと思います。
ほかにご質問はございますでしょうか。

【中島委員】
ちょっとだけよろしいですか。個人的な都合で申しわけないんですが,私は次回ちょっと出られないんですが,その場合に,例えばこの内容,当然,資料は送っていただけると思うんですけれども,何かありましたら説明していただくとか,そういうことは機会を設けていただくことは可能でしょうか。

【岡部室長補佐】
はい,もちろんです。なお,次回27日の作業部会の場でもご議論いただくんですが,その後にご意見がある可能性もあると思いますので,その場合には,27日にご欠席の委員のみならず,ご出席の委員におかれましても,メールで意見を承らせていただきたいと思っております。また,ご欠席の委員につきましては,ご希望がございましたら説明をさせていただきたいと思っておりますので,よろしくお願いいたします。

【中島委員】
ありがとうございます。

【五十嵐委員】
すみません。取り違えていたら申しわけないのですけれども,核不拡散・核セキュリティ総合支援センターについては,今回が中間評価,溶融燃料中の核物質測定技術のほうは事後評価ということですので,それぞれ事前評価票というのと中間評価票があるわけですよね。それは次回,お示しいただけるということなんでしょうか。

【岡部室長補佐】
中間評価を行います事業につきましては,平成22年度に評価を行っておりまして,今度事後評価を行う溶融燃料の方は,平成23年に事前評価を行っておりますので,そのときの事前評価票を次回の参考資料として添付させていただきたいと思います。

【五十嵐委員】
はい,分かりました。

【上坂主査】
それでは,よろしいでしょうか。
それでは,以上で本日予定しました議題は終了となりますが,そのほかにご意見や連絡事項はございますでしょうか。

【岡部室長補佐】
次回の作業部会は5月27日の13時半から15時半,場所は本日と同じこの会議室,研究開発局会議室1でございます。また,本日の作業部会の議事録案につきましては,でき次第,メールにて確認依頼をさせていただきたいと思っておりますので,よろしくお願いいたします。

【五十嵐委員】
すみません。前に室長と岡部さんとお目にかかったときにお願いしたんですけれども,センターの視察というか,サイトビジットみたいなものができればと思っておりまして,実際にどういう研修をやられているのかなど,見る機会を与えていただけるとうれしいと思います。

【上坂主査】
事務局,いかがでしょうか。

【岡部室長補佐】
はい,分かりました。メールにて日程調整をさせていただきまして,ご希望の方にそのような機会をつくりたいと思います。

【五十嵐委員】
よろしくお願いいたします。

【上坂主査】
それでは,以上で第4回の核不拡散・核セキュリティ作業部会を終了いたします。どうもありがとうございました。


お問合せ先

研究開発局開発企画課核不拡散科学技術推進室,研究開発局研究開発戦略官付(核融合・原子力国際協力担当)

(研究開発局研究開発戦略官付(核融合・原子力国際協力担当))

-- 登録:平成27年07月 --