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資料5 研究開発計画(環境エネルギー分野)素案

研究開発計画(素案)(環境エネルギー分野)


(注:下線は前回からの追記部分)

1.基本的な考え方

第5期科学技術基本計画(平成28年閣議決定。以下「基本計画」という。)においては、10年程度を見通しつつ平成28年度からの5年間の科学技術イノベーション政策の姿が示された。この中では、目指すべき国の姿として「持続的な成長と地域社会の自律的な発展」「国及び国民の安全・安心の確保と豊かで質の高い生活の実現」「地球規模課題への対応と世界の発展への貢献」「知の資産の持続的創出」の4つを掲げている。その上で、これらの目指すべき国の姿の実現に向けて、「未来の産業創造と社会変革に向けた新たな価値創出の取組」として「世界に先駆けた「超スマート社会」の実現(Society 5.0)」、「経済・社会的課題への対応」として「エネルギー、資源、食料の安定的な確保」、「地球規模課題への対応と世界の発展への貢献」等を推進するとされている。
一方、2015年末に開催された気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)で採択されたパリ協定においては、世界共通の長期目標として、産業革命以前の水準と比べて世界全体の平均気温の上昇を2度より十分低く保つこと、加えて同気温上昇を1.5度に抑える努力を追求すること、可及的速やかな排出のピークアウト、今世紀後半における排出と吸収の均衡達成への取組に言及している。また、2015年9月に国連総会で採択された2030年までの国際社会の包括的な持続可能な開発目標(SDGs)においても、エネルギーや気候変動に関する目標が掲げられており、目標達成のために革新的な変革をもたらす研究開発やイノベーションが必要となっている。更に、エネルギー・環境イノベーション戦略(平成28年総合科学技術・イノベーション会議答申)においては、2度目標と整合的なシナリオに戻すため、2050年頃という長期的視点に立って、世界全体で温室効果ガスの抜本的な排出削減を実現するイノベーションを創出することをターゲットとし、中長期的なエネルギー・環境分野の研究開発を、産学官の英知を結集して強力に推進し、その成果を世界に展開していくとされている。
また、エネルギー基本計画(平成26年閣議決定)においても、エネルギー需給構造上の脆弱(ぜいじゃく)性への対応や、2050年には世界で温室効果ガスの排出量を半減し、先進国では80パーセント削減を目指すという目標の達成のため、革新的なエネルギー関係技術の開発と導入が不可欠とされている。さらに、地球温暖化対策計画(平成28年閣議決定。以下「温対計画」という。)においても、我が国は地球温暖化対策と経済成長を両立させながら、長期的目標として2050年までに80パーセントの温室効果ガスの排出削減を目指すこと、地球温暖化対策技術の開発・実証は、温室効果ガス削減量の拡大及び削減コストの低減を促し、それが社会に広く普及することにより、将来にわたる大きな温室効果ガスの削減を実現する取組であることから、再生可能エネルギーや省エネルギー等の技術開発・実証を進めることが明示されている。
同時に、温対計画においては、長期的かつ世界的な観点から地球温暖化対策を推進するためには、国内外の最新の科学的知見を継続的に集積していくことが不可欠であり、気候変動に関する研究、観測・監視は、これらの知見の基盤をなす極めて重要な施策であるとされている。また、地球温暖化に係る研究については、気候変動メカニズムの解明や地球温暖化の現状把握と予測及びそのために必要な技術開発の推進、地球温暖化が環境、社会・経済に与える影響の評価、温室効果ガスの削減及び地球温暖化への適応策などの研究を、国際協力を図りつつ、戦略的・集中的に推進するとされている。さらに、気候変動の影響への適応計画(平成27年閣議決定。以下「適応計画」という。)においても、「観測・監視、調査・研究等」、「気候リスク情報等の共有と提供」及び「地域での適応の推進」に関する基盤的施策並びに国際的施策を進めることとされている。
また、文部科学省においても、平成27年11月に設置した「今後の気候変動研究の在り方に関する検討会」において、「パリ協定」などに基づく国内における適応・緩和策への検討状況及び気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書(AR6)作成に向けた国際動向を踏まえ、文部科学省が今後取り組むべき気候変動研究の在り方について議論を行い、炭素循環の解明・予測、気候感度の不確実性低減、統合的予測・影響評価、基盤的モデル開発等に取り組む重要性について報告書をとりまとめている(平成28年3月まとめ。)研究開発計画(環境エネルギー分野)については、これらの計画等を踏まえ、2050年頃という長期的な視点を持ちつつ、概ね(おおむね)5年程度以内に文部科学省が取り組むべき事項を明らかにする。


2.重点的に推進すべき研究開発の取組

【創・蓄・省エネルギー等に係る革新的な技術の研究開発の推進】

<大目標(1)>(基本計画等において掲げられた目標)


○ 将来のエネルギー需給構造を見据えた最適なエネルギーミックスに向け、エネルギーの安定的な確保と効率的な利用を図る必要があり、現行技術の高度化と先進技術の導入の推進を図りつつ、革新的技術の創出にも取り組む。(基本計画)
○ ライフサイクルを踏まえ、資源生産性と循環利用率を向上させ最終処分量を抑制した持続的な循環型社会の実現を目指し、バイオマスからの燃料や化学品等の製造・利用技術の研究開発等にも取り組む。(基本計画)
○ 長期的視野に立って、CO2排出削減のイノベーションを実現するための中長期的なエネルギー・環境分野の研究開発を、産学官の英知を結集して強力に推進し、その成果を世界に展開していく。(エネルギー・環境イノベーション戦略)
○ 革命的なエネルギー関係技術の開発とそのような技術を社会全体で導入していく。(エネルギー基本計画)
○ 再生可能エネルギーや省エネルギー等の技術開発・実証を、早い段階から推進するとともに、そうした技術の社会実装を進める。(温対計画)

【大目標(1)達成のために必要な中目標】(文部科学省の役割)


エネルギーの安定的な確保と効率的な利用、温室効果ガスの抜本的な排出削減を実現するため、従来の延長線上ではない新発想に基づく低炭素化技術の研究開発を大学等の基礎研究に立脚して推進するとともに、温室効果ガスの抜本的な排出削減を実現するための革新的な技術の研究開発を推進する。

【中目標達成状況の評価のための指標】


■アウトプット指標

(1)低炭素化技術の研究開発、温室効果ガスの抜本的な排出削減のための明確な課題解決のための研究開発を実施するテーマ数等


■アウトカム指標
(1)低炭素化技術の研究開発、温室効果ガスの抜本的な排出削減のための明確な課題解決のための研究開発による特許出願累積件数
(2)低炭素化技術の研究開発、温室効果ガスの抜本的な排出削減のための明確な課題解決のための研究開発の実施等を通じた論文数
(3)低炭素化技術の研究開発、温室効果ガスの抜本的な排出削減のための明確な課題解決のための研究開発から実用化に向けた研究開発等への橋渡しテーマ数
(4)温室効果ガスの抜本的な削減に向けた研究開発成果の寄与状況(例:太陽電池の変換効率等)

●中目標達成のために重点的に推進すべき研究開発の取組

◆大学等の基礎研究に立脚した新発想に基づく低炭素化技術の研究開発


我が国の大学や国立研究開発法人における優れた基礎研究の力を活(い)かし、従来の延長線上ではないゲームチェンジングな研究者の発想に基づく低炭素化技術の研究開発を行い、CO2排出削減のイノベーションを実現する。
具体的には、ステージゲート評価による課題の選択と集中等を通じ、低炭素化社会の実現に貢献する革新的技術シーズに関する研究開発及びそれらを統合した実用化に向けた技術の研究開発を一体的に実施する。さらに、国立研究開発法人における物性物理学、分子化学、材料科学、エレクトロニクス等の分野間融合による超低消費電力デバイス等に関する研究開発や、植物科学、微生物化学、化学生物学、合成化学等の分野間融合による資源・エネルギー循環型の持続的社会に貢献する研究開発等を推進する。


◆温室効果ガスの抜本的な排出削減のための明確な課題解決のための研究開発


温室効果ガスの抜本的な排出削減に向け、明確なターゲットを示し、その解決を図るための革新的な技術の研究開発を推進し、2050年の温室効果ガスの大幅な削減に貢献する。
具体的には、2030年の社会実装を目指して取り組むべきテーマとして、文部科学省と経済産業省の合同検討会を経て設定した次世代蓄電池、ホワイトバイオテクノロジー分野等において、産学官の多様な関係者が参画した共同研究開発を推進する。また、電力損失を大幅に削減できる次世代半導体の実現に向けた青色LEDの研究開発に代表される窒化ガリウム(GaN)に関する我が国の強みを活かした研究開発等に取り組む。さらに、「エネルギー・環境イノベーション戦略」等を踏まえ、2050年の温室効果ガスの大幅削減というゴールからバックキャストした明確なターゲットを設定し、あらゆる手段を駆使してターゲット達成を目指す複数チームによる研究開発を関係省庁等との連携により実施する。


【論点例】

・従来の延長線上ではない新たな発想に基づく研究開発や、温室効果ガスの抜本的な排出削減に向けたターゲットの解決を図る革新的な研究開発に関して、どのような指標を設定することが適切か。
具体的には、2050年を目標とする(現在想定されない)研究成果の5年後の指標として、論文数や特許件数等既存の指標のほか、現時点で設定することが適切な指標は何か。


(参考)
・新たな発想に基づく非連続型の温室効果ガス排出削減技術を持続的に創出するため、大学や国立研究開発法人等における基礎研究・応用研究等を活性化する。(エネルギー・環境イノベーション戦略)
・新たな発想に基づく革新的な低炭素化技術シーズが絶えず創出されるよう、大学等において基礎研究を着実に実施していく。(温対計画)

【最先端の気候変動予測・対策技術の確立】

<大目標(2)>(基本計画等において掲げられた目標)


○ 地球規模での温室効果ガスの大幅な削減を目指すとともに、我が国のみならず世界における気候変動の影響への適応に貢献する。(基本計画)
○ 地球温暖化に係る研究については、従前からの取組を踏まえ、気候変動メカニズムの解明や地球温暖化の現状把握と予測及びそのために必要な技術開発の推進、地球温暖化が環境、社会・経済に与える影響の評価、温室効果ガスの削減及び地球温暖化への適応策などの研究を、国際協力を図りつつ、戦略的・集中的に推進する。(温対計画)
○ スーパーコンピュータ等を用いたモデル技術やシミュレーション技術の高度化を行い、時間・空間分解能を高めるとともに発生確率を含む気候変動予測情報を創出する。また、気候予測の高解像度化を検討する。(適応計画)
○ 最新の気候変動予測データや、全球気候モデルのダウンスケーリングを活用することで、洪水や高潮による将来の外力の変化を分析する。(適応計画)
○ 気候変動適応情報にかかるプラットフォーム等において、ダウンスケーリング等による高解像度のデータなど地域が必要とする様々なデータ・情報にもアクセス可能とするとともに、地方公共団体が活用しやすい形で情報を提供する。また、地方公共団体が影響評価や適応計画の立案を容易化する支援ツールの開発・運用や優良事例の収集・整理・提供を行う。(適応計画)

【大目標(2)達成のために必要な中目標】(文部科学省の役割)


国内外における気候変動対策に活用されるよう、地球観測データやスーパーコンピュータ等を活用し、気候変動メカニズムの解明、気候変動予測モデルの高度化を進め、より精確な将来予測に基づく温暖化対策目標・アプローチの策定に貢献する。また、より効率的・効果的な気候変動適応策の立案・推進のため、不確実性の低減、高分解能での気候変動予測や気候モデルのダウンスケーリング、気候変動影響評価、適応策の評価に関する技術の研究開発を推進する。

【中目標達成状況の評価のための指標】


■アウトプット指標
(1)気候変動メカニズムの解明や気候変動予測モデルの高度化、影響評価技術モデル等の開発数
(2)地球環境情報プラットフォームとして構築する「データ統合・解析システム」(DIAS)に新たに格納された地球環境情報の数(データセット数)
(3)気候変動影響評価・適応策評価技術の研究開発に参画した地方公共団体等の数


■アウトカム指標
(1)気候変動メカニズムの解明や気候変動予測モデルの高度化、影響評価技術等の研究開発成果を活用した国際共同研究等の海外連携実績
(2)開発した気候変動モデルや影響評価技術等を活用した累計論文発表数
(3)DIASを利用する研究課題数、利用者数、提供ソリューション数(開発されたアプリケーションの数等)
(4)気候変動影響評価・適応策評価技術の開発の成果を活用し、気候変動適応策の立案・検討を開始した地方公共団体等の数

●中目標達成のために重点的に推進すべき研究開発の取組

◆国内外における気候変動対策に活用するための気候変動予測・影響評価技術の開発


気候変動に関する政府間パネル(IPCC)等における議論をリードするとともに国内外における気候変動適応・緩和策の立案・推進に貢献するため、全ての気候変動対策の基盤となる気候モデル研究の高度化に必要な研究開発を進める。
具体的には、地球観測データやスーパーコンピュータ等を活用し、気候変動メカニズムの解明、高分解能での気候変動予測等の技術の研究開発を推進し、気温上昇の不確実性の低減、緩和策立案の科学的根拠となる炭素・窒素循環・気候感度等環境の不可逆変化、ティッピングエレメントのより確実な解明、我が国周辺における気候変動適応・緩和策の立案・推進に必要となる気候モデルの時空間解像度の向上、極端気象現象に関する高精度な確率的予測や脆弱(ぜいじゃく)性・暴露等も考慮した統合的影響評価を可能とする。

◆地球環境情報プラットフォームの構築


地球観測情報や気候変動予測情報等を用いて気候変動への適応・緩和等の国内外の社会課題に貢献するための社会基盤として、社会課題の解決を図ろうとする企業等の具体のユーザーニーズも踏まえた地球環境情報プラットフォームを構築する。
具体的には、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)、海洋研究開発機構(JAMSTEC)、防災科学技術研究所(NIED)や、気象庁、国土交通省等の政府が保有する地球観測データ等を集約する。また、多分野・多種類のデータをリアルタイムで統合・解析するための情報基盤を構築するとともに、企業等のユーザーが長期的・安定的に利用できるための運営体制の強化や、社会課題の解決等への一層の貢献を通じたユーザーの拡大のため水課題(ダム管理)等のテーマに関する共通基盤技術(アプリケーション)開発を行う。また、研究利用に加え、気候変動適応や再生可能エネルギーの導入等の公共・国際利用、産業利用も促進し、我が国の有する地球観測データ等によるイノベーションの創出を図る。

◆地域レベルでの気候変動適応に活用するための気候変動影響評価・適応策評価技術の開発


「気候変動への適応計画」の策定を踏まえ、今後本格化することが想定される地方公共団体における地域レベルでの気候変動適応策の立案・推進に貢献するため、国における気候変動研究の蓄積を活かし、地域を支える共通基盤的な気候変動影響評価・適応策評価技術を開発する。
具体的には、気候変動適応策の立案等に必要となる気候モデルのダウンスケーリング、地域レベルでの気候変動影響評価、適応策の評価、影響の可視化等を可能とするアプリケーションを、地球科学、社会科学等の研究者と地方公共団体関係者等の協働により開発し、地方公共団体のニーズがある分野(農業、防災等)における地域の実情に応じた効率的・効果的な適応策の立案・推進に貢献する。


【論点例】
・気候変動メカニズムの解明・気候変動予測モデルの高度化や効率的・効果的な気候変動適応策立案のための評価手法の開発について、どのような指標を設定することが適切か。気候モデルの「高度化」や「効果的・効率的」な適応策のための評価技術開発という観点から、上記以外に適切な指標はあるか。
・「地域での適応の推進」(適応計画)への貢献の観点から、適応策の検討・立案を開始した地方公共団体の数を指標としているが、上記以外に適切な指標はあるか。


【地球観測ビッグデータのプラットフォーム構築】

<大目標(3)>(基本計画等において掲げられた目標)


○ ICTを最大限に活用し、サイバー空間とフィジカル空間(現実世界)とを融合させた取組により、人々に豊かさをもたらす「超スマート社会」を未来社会の姿として共有し、その実現に向けた一連の取組を更に深化させつつ「Society 5.0」 として強力に推進し、世界に先駆けて超スマート社会を実現していく。(基本計画)
○ 地球環境の情報をビッグデータとして捉え、気候変動に起因する経済・社会的課題の解決のために地球環境情報プラットフォームを構築する。(基本計画)
○ 気候リスク情報等は、各主体が適応に取り組む上での基礎となるものであることを踏まえ、多種多様な気候リスク情報等の収集と体系的な整理を行うための気候変動適応情報にかかるプラットフォームについて関係府省庁において検討を行う。その際「科学技術イノベーション総合戦略2015」(平成27年6月19日閣議決定)において経済・社会的課題の解決に向けた重要な取組として位置づけられた地球環境情報プラットフォームの活用も含めて検討する。(適応計画)

【大目標(3)達成のために必要な中目標】(文部科学省の役割)


我が国の政府等が収集した地球観測データ等をビッグデータとして捉え、人工知能も活用しながら各種の大容量データを組み合わせて解析し、環境エネルギーをはじめとする様々な社会・経済的な課題の解決等を図るプラットフォームの構築を図る。

【中目標達成状況の評価のための指標】(達成すべき状況を定量的に明記可能な場合は、目標値も記載)


■アウトプット指標
(1)DIASに新たに格納された地球環境情報の数(データセット数)


■アウトカム指標
(1)DIASを利用する研究課題数、利用者数、提供ソリューション数(開発されたアプリケーションの数等)。


●中目標達成のために重点的に推進すべき研究開発の取組

◆地球環境情報プラットフォームの構築


地球観測情報や気候変動予測情報等を用いて気候変動への適応・緩和等の国内外の社会課題に貢献するための社会基盤として、社会課題の解決を図ろうとする企業等の具体のユーザーニーズも踏まえた地球環境情報プラットフォームを構築する。
具体的には、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)、海洋研究開発機構(JAMSTEC)、防災科学技術研究所(NIED)や、気象庁、国土交通省等の政府が保有する地球観測データ等を集約する。また、多分野・多種類のデータをリアルタイムで統合・解析するための情報基盤を構築するとともに、企業等のユーザーが長期的・安定的に利用できるための運営体制の強化や、社会課題の解決等への一層の貢献を通じたユーザーの拡大のため水課題(ダム管理)等のテーマに関する共通基盤技術(アプリケーション)開発を行う。また、研究利用に加え、気候変動適応や再生可能エネルギーの導入等の公共・国際利用、産業利用も促進し、我が国の有する地球観測データ等によるイノベーションの創出を図る。【再掲】


【論点例】
・環境エネルギーをはじめとする社会・経済問題の解決等を図るプラットフォームの構築について、どのような指標を設定することが適切か。


(参考)
・国は、産学官・関係府省連携の下で、超スマート社会の実現に向けてIoTを有効活用した共通のプラットフォーム(以下「超スマート社会サービスプラットフォーム」という。)の構築に必要となる取組を推進する。
具体的には、複数システム間のデータ利活用を促進するインターフェースやデータフォーマット等の標準化、全システムに共通するセキュリティ技術の高度化及び社会実装の推進、リスクマネジメントを適切に行う機能の構築を進める。
また、三次元地図・測位データや気象データのような「準天頂衛星システム」、「データ統合・解析システム(DIAS:Data Integration and Analysis System)」及び「公的認証基盤」等の我が国の共通的基盤システムから提供される情報を、システム間で広く活用できるようにする仕組みの整備及び関連技術開発を進める。(基本計画)


3.研究開発の推進方策

<オープンイノベーション(産学官連携)の推進、知的財産・標準化戦略>


研究開発プログラムの立案・実施に当たっては、その社会実装を担う産業界のニーズを常に把握し、研究開発成果が円滑に実用化されるよう留意するべきである。その際には、オープン・クローズ戦略をはじめとする知的財産戦略や、標準化戦略についても研究開発初期段階から検討する体制を整備するべきである。
地球観測データ等のビッグデータの活用に当たっては、データポリシーの整備、知的財産権に関する検討、課金制度の検討、システム間連携を行うための標準化戦略の検討等が不可欠であり、地球環境情報プラットフォームの構築に際して、関係府省とも連携を図りつつ、検討を推進することが必要である。

<国際連携>


気候変動問題に国際的に連携して対処していくため、文部科学省の行う気候変動に関する研究開発については、IPCCやUNFCCC等の国際的な枠組みにおける議論を十分に踏まえるとともに、その成果が広く発信され、2020年に公表予定のWG1のIPCC第6次評価報告書(AR6)等の国際的な気候変動対策に関する議論や我が国政府の取組に反映がなされるよう留意するべきである。
また、文部科学省の行う地球環境情報プラットフォームの構築に当たっては、地球観測に関する政府間会合(GEO)における取組も踏まえ、我が国の地球観測・予測データがGEOにおける各国の地球観測・予測データを共有する全球地球観測システム(GEOSS)を通じて国際的に有効に活用されるよう留意するべきである。

(参考)
・地球規模課題の解決に当たっては、国際連合(UN)、地球観測に関する政府間会合(GEO)等の国際機関等の活用も視野に入れつつ世界規模で協力関係を構築し、アジェンダ設定、研究開発、社会実装に向けた取組を戦略的に展開する。(基本計画)

<社会との関係深化(ステークホルダーとの対話・協働)>


基本計画等にも記載のあるとおり、温室効果ガスの抜本的な排出削減のための革新的な技術の研究開発の成果を社会に円滑に実装していくため、社会科学・人文学の知見も生かし、環境の持続性に加え、社会の持続性、経済の持続的な発展も一体的に考えた定量的な低炭素技術シナリオ、社会・経済シナリオの研究開発を行い、その成果が社会に広く活用されるよう取り組む必要がある。また、SDGsにおいても、再生可能エネルギーの導入割合の大幅増加やエネルギー効率の改善等に関する目標や気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する目標等が掲げられていることも考慮する必要がある。
文部科学省においては、以上のような社会のニーズを踏まえたシナリオ戦略のもと、国内の関係機関と連携しつつ、地球環境研究を国際的なステークホルダーと協働して進める「フューチャー・アース」構想の推進を図るとともに、気候変動予測技術や影響評価・適応策評価技術の研究開発に当たり、関係府省、地方公共団体、企業、市民等のマルチなステークホルダーとも研究開発初期段階から協働し、出口戦略としての成果の社会実装が確実に図られるよう取組を進めるべきである。


(参考)
・フューチャー・アース構想等、国内外のステークホルダーとの協働による研究を推進する。(基本計画)

<人材育成>


環境エネルギー分野の科学技術は、学際的な性質を有するとともに、社会との関係性が強く問われる性質を持っている。広い視野を持ちながら、社会との関係、技術の出口を常に意識しながら、従来の延長線上ではないゲームチェンジングな発想に基づく研究開発を遂行することができる人材の育成が重要である。
また、地球観測データ等のビッグデータの活用に当たっては、活用する分野毎(ごと)の問題意識とデータ活用の技術を併せ持った専門人材が不可欠であるが、現在の我が国ではそのような人材の層が薄いことから、充実を図ることが重要である。

<オープンサイエンスの推進>


地球観測・予測データをはじめとしたデータを戦略的に活用し、科学研究の発展を図ることは重要であり、オープン・アンド・クローズ戦略等に留意しつつ、対応をしていく必要がある。

<府省連携>


環境エネルギー分野の研究開発は、内閣府、外務省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省等、関係府省が多く、様々な取組が行われている。政府全体として取組が効率的・効果的に行われるよう、研究開発の推進に当たっては、関係府省間での役割分担や連携を図るための取組を進めることが重要である。

お問合せ先

研究開発局環境エネルギー課

メールアドレス:kankyou@mext.go.jp

(研究開発局環境エネルギー課)

-- 登録:平成28年09月 --