参考資料3 「第4期科学技術基本計画」環境エネルギー関係部分等 概要

文部科学省研究開発局
環境エネルギー課
平成27年4月

「第4期科学技術基本計画」(平成23年8月19日閣議決定)のポイント

 科学技術基本計画は、科学技術基本法に基づき、科学技術の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な計画であり、今後10年程度を見通した5年間の科学技術政策を具体化するものとして、政府が策定。
平成23年8月19日に閣議決定された第4期科学技術基本計画は、平成23年度から27年度までの5年間を対象。

グリーンイノベーションの推進

(1)目指すべき成長の姿

  • エネルギーの安定確保と気候変動問題への対応
  • グリーンイノベーションを強力に推進
  • 社会システムや制度の改革
  • 長期的に安定的なエネルギー需給構造の構築
  • 世界最先端の低炭素社会の実現
  • 技術やシステムの国内外への普及、展開を強力に推進し、我が国の持続的な成長を実現
  • 世界に先駆けた環境・エネルギー先進国の実現
  • 持続可能な自然共生社会や循環型社会の実現
  • 豊かな国民生活の実現

(2)重要課題達成のための施策の推進

  • 国として、大学、公的研究機関、産業界との連携、協力の下、これに対応した研究開発等の関連施策を重点的に推進
  • 短期的には、既存技術の改良、導入を積極的に推進
  • 中長期的観点から、新たな革新的技術の創出に向けた研究開発等の取組を重点的に推進

 i)安定的なエネルギー供給と低炭素化の実現

  • 再生可能エネルギーの普及の大幅な拡大(太陽光発電、バイオマス利用、風力発電、小水力発電、地熱発電、潮力・波力発電等)、海外展開
  • 分散エネルギーシステムの革新(燃料電池、蓄電池等、製造・輸送・貯蔵にわたる水素供給システム、超電導送電、エネルギーマネジメント、自律分散エネルギーシステム等)、海外展開
  • 基幹エネルギー供給源の効率化と低炭素化(火力発電の高効率化、高効率石油精製、ゼロエミッション火力発電等)
  • 原子力

 ii)エネルギー利用の高効率化及びスマート化

  • 製造部門(革新的な製造プロセス、材料の高機能化、グリーンサステイナブルケミストリー、バイオリファイナリー、革新的触媒技術)
  • 民生(家庭、業務)及び運輸部門(住宅及び建築物の高断熱化、家電及び照明の高効率化、高効率給湯器、定置用燃料電池、パワー半導体、ナノカーボン材料、次世代自動車に用いられる蓄電池・燃料電池、パワーエレクトロニクス等)
  • 情報通信技術(次世代の情報通信ネットワークに関する研究開発、情報通信機器やシステム構成機器の一層の省エネルギー化、ネットワークシステム全体の最適制御)

 iii)社会インフラのグリーン化

  • 環境先進都市の構築(高効率な交通及び輸送システム)
  • 社会インフラと一体となった巨大ネットワークシステム
  • 高度水処理技術を含む総合水資源管理システム
  • 資源再生技術の革新、レアメタル、レアアース等の代替材料の創出
  • 地球観測、予測、統合解析

(3)グリーンイノベーション推進のためのシステム改革

  • 企業におけるイノベーションに向けた研究開発等の取組を促進する技術的、経済的合理性に立脚した新たな規制や制度
  • 次世代自動車、水素ステーション等の供給インフラ設備、再生可能エネルギー設備等の実用化、普及を促進するための関連法の点検、改革
  • スマートコミュニティ等の新しい社会システムの構築に向けて、研究開発から技術実証、普及、展開までを一体的に実施
  • 社会インフラの整備に関連した、官民が有する先進技術、管理ノウハウ、人材育成等をパッケージ化した総合システムとして海外展開
  • 途上国等への支援促進のため、気候変動対応に関する技術移転とシステム改革を政策と連動させて総合的に推進

(参考)「第4期科学技術基本計画」における国家安全保障・基幹技術の位置付け

国家存立の基盤の保持

○我が国が国際的な優位性を保持し、安全な国民生活を実現していくためには、国自らが長期的視点に立って、継続的に、広範囲かつ長期間にわたって研究開発を推進し、成果を蓄積していくべき研究開発課題が存在
○このような研究開発課題については、国として、国家存立の基盤に関わる研究開発と位置付けて強力に推進
○その際には、国家存立基盤を広く捉え、安全保障に加え、科学技術における新領域開拓に向けた独自の科学技術基盤構築のための研究開発の推進を含む

【国家安全保障・基幹技術の強化】

○以下の研究開発を推進

  • 有用資源の開発や確保に向けた海洋探査及び開発技術
  • 情報収集や通信をはじめ国の安全保障や安全な国民生活の実現等にもつながる宇宙輸送や衛星開発及び利用に関する技術
  • 地震や津波等の早期検知に向けた陸域、海域における稠密観測、監視、災害情報伝達に関する技術
  • 独自のエネルギー源確保のための新たなエネルギーに関する技術
  • 世界最高水準のハイパフォーマンスコンピューティング技術
  • 地理空間情報に関する技術、更に能動的で信頼性の高い(ディペンダブルな)情報セキュリティに関する技術

○原子力に係る安全、防災に関する技術、核不拡散及び核セキュリティに関する技術等の研究開発を大幅に強化
○高速増殖炉サイクル等の原子力に関する技術の研究開発については、我が国のエネルギー政策や原子力政策の方向性を見据えつつ、実施
○核融合の研究開発については、エネルギー政策や原子力政策と整合性を図りつつ、同時に、その技術の特性、研究開発の段階、国際約束等を踏まえ、これを推進
○海洋、宇宙、情報(サイバー)、原子力に関する技術など、極めて高度、かつ複雑な技術システムに事故あるいはトラブルが発生した場合の国としての対応や、人々の生活の安全に資する研究開発等を促進

お問合せ先

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メールアドレス:kankyou@mext.go.jp

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