資料2-3-6 気候変動研究に関する国際動向について

 平成26年度末までに、下記の通り、気候変動関連の様々な国際会議が開催され、地域・準地域レベルの気候変動の影響や適応、分野間連携・研究者とステークホルダーの協働に注目が集まっている。他方、予測計算の実施や、報告書の執筆・取りまとめに係る膨大な作業量など、増加する研究者の負荷への対応といった課題も浮き彫りになっている。

UNFCCC:COP21(※1)に向けた交渉の継続

COP20(2014年12月1~12日) (※2)

  • 全ての国が参加する公平かつ実行的な新たな合意のCOP21での採択に向け、各国による約束草案(INDC)の範囲や情報、提出後の作業について決定。
  • 適応(ロス&ダメージ)も交渉の主な論点となっている。
  • 国、都市、民間セクターの行動をより活性化させるための「リマ・パリ行動アジェンダ」の立ち上げ。今後、主要なグローバル、国家レベル、地域レベルのリーダーの取組促進や、国以外のアクターのパートナーシップ、行動促進のショーケース化への貢献に期待。

IPBES(※3):地域・準地域アセスメント等の作業計画の前進

第3回総会(2015年1月12~17日)(※4)

  • 地球規模、地域/準地域アセスメントの作業計画の見直しの継続や、地域/準地域アセスメントの対象となる地域を決定し、各地域のスコーピング文書を採択。
  • 先住民・地域住民の知識体系の取り込みを重視。

IPCC(気候変動に関する政府間パネル):第6次報告書策定の決定

第41回総会(2015年2月25~28日)(※5)

  • AR6(第6次評価報告書)は、AR5(第5次評価報告書)と同様、5~7年かけて作成する。(遅くとも平成33年(2021年)までに全ての報告書が承認される見込み。)
  • 地域レベルの情報や地域の優先課題、作業部会(WG)間連携を重要視。
  • 各WGの成果を他のWG評価報告書や統合報告書に十分に反映するために、各報告書間に期間をおくが、全体は約1年(最大18か月)の間に公表する。
  • 執筆者の支援強化のため、リサーチ・アシスタントやチャプター・サイエンティストの活用をメンバー国に奨励。作業量の増加を踏まえ、技術や管理面の支援の強化を模索。

WCDRR(国連防災世界会議):防災と気候変動との関連性・科学への期待

第3回国連防災会議(2015年3月14~18日)(※6)

  • ポスト2015年開発アジェンダ、開発資金、気候変動及び防災に関するポスト2015年政府間プロセスは、国際社会が政策等の一貫性を向上する機会と認識。
  • 災害リスクの理解(関連データの収集、分析、管理、活用;災害リスク評価;地理空間情報の活用等)を優先行動とする。
  • メンバー国に対し、学術界及び科学技術機関との連携(リスク要因・シナリオ分析,政策決定者との連携)促進を奨励。

以上

 

(※1)UNFCCC COP21:国連気候変動枠組条約 第21回締約国会合

(※2)参照:外務省ホームページ(http://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ch/page3_001047.html)、環境省地球環境局国際地球温暖化対策室による講演資料(http://www.iges.or.jp/files/climate/pdf/cop20/20150203/3_MOEJ.pdf)

(※3)IPBES:生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(Intergovernmental Science-Policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services)

(※4)参照:環境省報道発表資料(https://www.env.go.jp/press/100228.html)

(※5)参照IPCC第41回総会決議Decision IPCC/XLI-4(https://www.ipcc.ch/meetings/session41/p41_decisions.pdf)

(※6)参照:仙台防災枠組2015-2030(骨子)(http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000071588.pdf)

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