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核融合科学技術委員会(第1回) 議事録

1.日時

平成27年3月26日(木曜日)16時~18時

2.場所

文部科学省13階 13F1会議室

3.議題

  1. 核融合科学技術委員会の議事運営等について(非公開)
  2. 第8期核融合科学技術委員会における審議事項について
  3. 核融合分野における国内の研究開発の進捗状況及び原型炉に向けたこれまでの検討状況について
  4. 原型炉開発総合戦略タスクフォース(仮称)の設置について(案)(非公開)
  5. 報告事項
  6. その他

4.出席者

委員

小川主査、五十嵐委員、海老塚委員、大野委員、岡野委員、尾崎委員、川岸委員、草間委員、佐藤委員、高梨委員、竹入委員、福山委員、堀池委員、村上委員

文部科学省

仙波研究開発戦略官、中塚核融合科学専門官、山田科学官

オブザーバー

藤岡大阪大学レーザーエネルギー学研究センター准教授

5.議事録

 ※ 今回の議事は、人事に関する案件があったため、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会核融合科学技術委員会運営規則(平成27年3月26日決定)第4条の規定に 基づき、議題1及び議題4は非公開。

【中塚専門官】 それでは、ただいまより第1回核融合科学技術委員会を開催させていただきます。
 本日は、第8期の科学技術・学術審議会における初回の会議ということで、冒頭、事務局の方で議事を進行させていただきます。私、研究開発戦略官付の中塚と申します。どうぞよろしくお願いいたします。本日、14名の委員のうち、14名全員に御出席いただいております。
 続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。お手元の議事次第の下部に、配付資料として記載がございます。読み上げは省略いたしますけれども、議事を進めていく上で落丁等ございましたらお申し付けください。
 続きまして、第8期の核融合科学技術委員会の委員に御就任いただいた方々を御紹介させていただきます。資料1-1に名簿がございますので、こちらの記載順に紹介させていただきたいと思います。
 主査の小川雄一先生でございます。
【小川主査】 お願いいたします。
【中塚専門官】 五十嵐委員でございます。
【五十嵐委員】 五十嵐でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【中塚専門官】 海老塚委員でございます。
【海老塚委員】 海老塚でございます。よろしくお願いします。
【中塚専門官】 大野委員でございます。
【大野委員】 大野です。よろしくお願いいたします。
【中塚専門官】 岡野委員でございます。
【岡野委員】 岡野です。よろしくお願いいたします。
【中塚専門官】 尾崎委員でございます。
【尾崎委員】 尾崎です。よろしくお願いします。
【中塚専門官】 川岸委員でございます。
【川岸委員】 川岸です。よろしくお願いいたします。
【中塚専門官】 草間委員でございます。
【草間委員】 草間でございます。よろしくお願いします。
【中塚専門官】 佐藤委員でございます。
【佐藤委員】 佐藤でございます。よろしくお願いします。
【中塚専門官】 高梨委員でございます。
【高梨委員】 高梨です。よろしくお願いいたします。
【中塚専門官】 竹入委員でございます。
【竹入委員】 竹入です。どうぞよろしくお願いします。
【中塚専門官】 福山委員でございます。
【福山委員】 福山です。よろしくお願いいたします。
【中塚専門官】 村上委員でございます。
【村上委員】 村上です。どうぞよろしくお願いします。
【中塚専門官】 堀池委員でございます。
【堀池委員】 よろしくお願いします。
【中塚専門官】 それから、科学官の山田先生でございます。
【山田科学官】 山田弘司です。よろしくお願いいたします。
【中塚専門官】 最後に、事務局の仙波でございます。
【仙波戦略官】 仙波です。よろしくお願いいたします。

【議題1「核融合科学技術委員会の議事運営等について」】
・科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会運営規則第4条第3項の規定に基づき、小川委員が主査に指名されており、同第7項の規定に基づき、堀池委員が主査代理に指名された。
・科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会核融合科学技術委員会運営規則(案)(資料1-2)については、承認された。

 【小川主査】 これより、本委員会の会議を公開といたします。傍聴の方がいらっしゃいましたら、入室を許可していただきたくお願いします。

(傍聴者入室)

【小川主査】 それでは、第8期科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会核融合科学技術委員会を始めるに当たり、仙波研究開発戦略官から一言御挨拶をお願いいたします。
 仙波さん、よろしくお願いいたします。
【仙波戦略官】 ありがとうございます。私、核融合と原子力国際協力を担当しております仙波と申します。第8期最初の開催に当たり、一言御挨拶させていただきます。
 このたびは、皆様には大変御多忙の中、当委員会の委員をお引き受けいただきましてありがとうございました。また、年度末という慌ただしいところ御出席を賜りまして、重ねて御礼申し上げます。
 核融合に関する審議会としましては、第7期までは原子力科学技術委員会の下で核融合研究作業部会として議論を続けてまいりましたが、今期からは核融合科学技術委員会としての設置となりました。
 当委員会の審議事項につきましては、後ほどの議題でも取り上げますが、特に核融合原型炉に向けた国内の研究開発を今まで以上に本格化させていく非常に重要な時期に差し掛かっていると認識しております。第6期の作業部会でまとめていただいた原型炉開発に向けた課題について、第7期には、コミュニティの専門家の方々で構成されました、通称合同コアチームの精力的な活動により、さらなる分析、検討がなされ、必要な取組が整理されました。今期は、それを具体的に動かすための方策について、引き続き議論を行っていただきたいと考えております。
 その際、現在、国際協力の下で行っておりますITER、国際熱核融合炉実験炉計画や、BA、ブローダーアプローチ、幅広いアプローチ活動についてはもちろん、核融合科学研究所の大型ヘリカル装置を用いた研究や、大阪大学のレーザー核融合研究といった学術研究の進捗状況も踏まえながら、我が国の核融合研究開発の在り方について御審議いただきますようお願い申し上げます。
 皆様御承知のとおり、昨今の厳しい財政状況下で、予算も従来以上にめりはりを付けた配分がなされているところでございます。核融合研究開発を推進するためには、その意義、それから必要性に関して国民の理解が不可欠で、国民が納得し得るロードマップを示す必要があると考えております。また、核融合エネルギーの実現には、新しい知見や技術が多く必要とされておりまして、その成果はほかの分野にも大きな派生効果をもたらすものとして期待しております。そういった様々な観点を含め、今後の核融合研究開発の展開について御審議いただくに当たり、是非皆様のそれぞれ御専門からの知見を生かして、遠慮のない意見、御助言等を頂戴できればと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
【小川主査】 仙波戦略官、どうもありがとうございました。
 それでは、主査を務めさせていただきます、私、小川の方から一言御挨拶させていただきます。この委員会の主査を務めさせていただきます小川と申します。よろしくお願いいたします。今、仙波戦略官からの御説明にもありましたように、核融合に関する委員会は今まで、原子力科学技術委員会の下に核融合研究作業部会として設置されておりました。その作業部会で議論してきましたけれども、今回から、原子力科学技術委員会から独立しまして、ある意味では格上げされたと我々は思っておりまして、独立の科学技術委員会としてスタートしました。これはひとえに、ある意味では国としても、又は社会からも核融合への期待が高いものだと思っておりますけれども、それは逆に言いますと、我々核融合研究者としてはその分だけ責任が重くなったと思っておりますので、この技術委員会が設置されたことを我々としては誠実に受け止めて、全力をもって対応していきたいと思っております。
 そして、核融合の問題を単に一つのエネルギー開発という視点ではなくて、国としての科学技術政策の一つとしてどう見ていくかという視点が重要ではないかと、私は個人的には思っております。本日も、この後少し議論していただきますが、前期では原型炉に向かっての技術基盤構築の科学技術的なベースを検討しておりましたけども、そのとき議論できなくて申し送り事項となった項目の一つとして、核融合エネルギーの社会科学的な検討があります。つまり、核融合を技術論として捉えるのではなくて、核融合エネルギーを社会科学的な観点から捉えたらどうなるのか、原型炉開発はどうあるべきか、というのを考えなければいけないというのが前回の宿題として残っております。
 前回までの作業部会では、主に核融合関連の研究者や産業界の方々に集まっていただいて委員会を組織し議論してきましたけれど、それだけでは不十分で、やはり幅広く社会科学的な観点から核融合を捉えて核融合開発を考えなければいけないというので、今回の委員会からは、核融合以外の分野の方、それから科学技術、社会科学的な視点という観点も含め幅広い分野の方々に委員として加わっていただきましたので、是非とも社会科学的な観点を持って核融合をどう進めていったらよいのかというのを本委員会で御議論していただければと思っております。
 以上、簡単ではございますが、私の挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 それでは、早速議事に入らせていただきます。「第8期核融合科学技術委員会における審議事項」に移ります。まず初めに、資料2について事務局より御説明願います。
【中塚専門官】 今期の審議事項につきましては、基本的には第7期まで核融合研究作業部会で審議してきたことを受けて、さらなる検討を進めることになりますが、具体的な審議事項の御説明の前に、まず、我が国の、核融合研究開発の状況を簡単に御紹介させていただきたいと思います。
 まず、資料2の2枚目を御覧ください。下側のポンチ絵になりますけれども、現在は、この真ん中にあります核融合エネルギーの科学的・技術的実現性を確かめる、いわゆる第3段階計画期にあります。現時点で一番進んでいるトカマク型の研究開発をITER計画等によって推進するとともに、ヘリカル型やレーザー型についても、核融合の選択肢を広げる観点から学術研究として推進しております。トカマク、ヘリカル、レーザーの特徴は、それぞれ裏側にポンチ絵をお示ししております。また後ほど、各機関からそれぞれ、現在の研究開発の状況について、御説明がございます。
 第7期の核融合研究作業部会では、ITERの次のステップに当たります原型炉開発に向けた技術課題の解決策等について審議をしてまいりましたので、第8期の本委員会においては、それを実現するための議論を進めていただくことになろうかと思います。
 具体的には、資料の1枚目に戻っていただきまして、原型炉開発に向けた技術基盤構築のための体制整備といたしまして、実効性のある推進体制、すなわち産学官の共創の場の構築、そのための人材、財源の確保に当たって留意すべき事項、それから、それらを推進するためのアクションプラン等について議論をしていただきたいと思っております。
 また、BA活動の一部でも、原型炉に向けた炉設計等の活動が行われていることからここのくくりに入れさせていただいておりますが、現行のBA協定期間が終了する平成29年以降の研究開発の進め方についても御議論いただきたく、必要に応じBAの進捗評価もお願いしたいと考えております。
 それから、トカマク方式以外の核融合研究の在り方についてということですけれども、トカマク型だけではなく、ヘリカル、それからレーザー方式の核融合研究の進展状況調査と、それを踏まえた今後の研究の在り方についても御審議をお願いしたいと思っております。特にレーザー方式については、平成28年度に、現在の科学的実現性を確認する段階から次の段階に進めるかどうかといった評価をお願いする予定でございます。
 そして最終的には、以上のような状況を踏まえまして、国としての原型炉開発ロードマップを策定いただきたいと考えております。その際、先ほど小川主査から御指摘ございました社会科学的観点からの検討という視点も加えた上でのロードマップを策定いただきたいと思っております。
 以上でございます。
【小川主査】 ありがとうございました。今期2年間ですけれども、この2年間において主に3つの事項、原型炉開発に向けて技術基盤構築のための体制整備、それからトカマク方式以外の核融合研究の在り方、そして原型炉開発ロードマップの策定、どれも非常に重要なテーマですけども、この3件を2年間でやっていきたいと思いますが、いかがでしょうか。どれも重大な課題ですけども、是非とも御協力いただきたいと思います。
 それでは、続きまして、議題3に移らせていただきます。先ほど申し上げましたように、本委員会は本日からですし、初めての委員の方もたくさんおられます。しかも核融合以外の分野の方も多いかと思いますので、最初に、我が国の核融合研究開発の現状について、先ほどありましたトカマク方式、ヘリカル方式、レーザー方式、その3つについて紹介させていただきたいと思います。トカマク方式に関しましては原子力機構の草間委員より、ヘリカル方式に関しましては核融合科学研究所の竹入委員より、レーザー方式に関しましては、藤岡先生にお願いすることになっております。
 それぞれ、説明10分、時間厳守でお願いします。そして質疑5分ということでお願いします。なお、各機関、ポンチ絵資料の他、机上資料として核融合分野における研究開発の進捗状況というタイトルの資料を配付しておりますので、参考にしていただければと思います。
 それでは、最初にまず資料3-1に基づいて、草間委員より10分でお願いします。
【草間委員】 それでは、日本原子力研究開発機構の草間から、ITER計画、BA活動などの活動状況と、今後の計画ということについてお話しさせていただきます。
 今、原子力機構では、3本柱と我々は呼んでおります。1つは、ここに示してありますITER計画、それから幅広いアプローチ計画、我々、BA計画と呼んでおりますが、これを進めております。そのほか、BA計画の中で超伝導改造しておりますJT-60SAを使ったプラズマ研究、それから六ヶ所村での炉工学研究というものを併せて、我々は、核融合研究を推進したいという構想を持っているわけでございます。
 ここに、現在のITER計画等について概要をまとめてございます。まず、ITER計画については、既に御存じの方も多いと思いますが、日本をはじめ、参加7極で、現在、フランスのカダラッシュで建設を進めてございます。計画全体としましては35年間でございまして、2020年頃に運転を開始する計画です。それから、核融合反応を起こさせます実際の運転については2027年頃を計画しております。機構長につきましては、3月5日に臨時ITER理事会が開催されまして、ベルナール・ビゴさんが新しい機構長に任命されております。
 BA計画につきましては、日本と欧州で進めている計画でありまして、青森県の六ヶ所村、それから茨城県の那珂市で進めております。これについては全体で10年間の計画でございまして、実施しているプロジェクトについては、ここに1、2、3と示している3つのプロジェクトを実施しているところでございます。
 さて、まずはITER計画ですが、これはつい2週間くらい前に写真撮影されましたITERサイトの状況でございます。この手前の四角で囲んだところにITERが建設されるトカマク建屋です。真ん中の丸くなっているところが、ITERの本体が設置されるところです。周りを見ていただくと、既にクライオスタット組立棟、ポロイダルコイル巻線棟については完成をしてございます。
 ここに、我が国がITER計画で担当しております機器についてまとめてございます。上の2つ、大きな図で描いてありますが、トロイダル磁場コイル、それから中心ソレノイドコイル、この2つについては、超伝導のコイルを担当している部分でございます。それから下に行きまして、高周波と中性粒子入射装置、この2つはプラズマの加熱装置。それから、ダイバータ、遠隔保守、これはロボットでございます。それから、トリチウムのプラント、それからプラズマ計測と、こういうものが日本の担当でございまして、一言で言いますと、先端技術を必要とする主要トカマク機器を担当しているということでございます。
 ここに、現在の計画のスケジュールを簡単に幾つかの機器について書いてございます。超伝導、遠隔保守ロボット、それからプラズマ加熱など、現在までのところ、日本が調達する全体の87.8%については調達取決めを結んで調達活動を実施しているところです。この87.8%というのは、貢献分を示すクレジットに対しての値でございます。ITER機構、それからほかの極等と協力しつつ、計画を進めています。特に大型コイルについては、これから御説明いたしますが、機器の製作が既に始まってございます。
 ここにトロイダル磁場コイル、これは超伝導コイルで、非常に大きな、巻線部だけで14メートルある装置なのですが、どうやって作るかということを示してございます。まず導体を作ります。これは日本担当分、33本ございますが、これについては全て完成しました。それから巻線部、ダブルパンケーキといいます2層のコイルを7つ集めて巻線1体を作って、トロイダルコイルのケースと言われているもの、あるいはその周りの構造体、これは構造物と呼んでいますが、これと一体化して、非常に大きなコイルを作ります。高さが16メートルぐらいあります。これにつきましては、既に9体のダブルパンケーキが完成をしておりまして、超伝導化するための熱処理についても、4体の熱処理が終わっています。
 それから、これはほかの機器ということで、代表的なものとして、プラズマ加熱装置で、ビームの加熱装置です。これは今、イタリアのパドバというところで実機の試験をするための装置を建設中で、その中で2つ紹介してございます。これは1メガボルトという非常に高いエネルギーのビームを作りますが、その装置の試験をするための電源が既に完成しております。それから、高圧の導入部、1メガボルトの導入をするのですが、ブッシングに使うセラミックのリングについても必要な5個全てが完成しております。
 次に、幅広いアプローチ活動、これを我々、BA活動と呼んでいます。これについては、青森県六ヶ所村で国際核融合エネルギー研究センター、我々、IFERCと呼んでいます、この中で原型炉設計、研究開発、それからITERの遠隔実験センターの整備、計算機シミュレーションを行っております。もう一つ、六ヶ所村で行っている今の活動としまして、国際核融合材料照射施設の工学実証、工学設計を進めておりまして、この中では、要素技術の工学実証ですとか、施設についてはIFMIFという頭文字を取って呼んでいますが、こういう工学設計。それから、茨城県の那珂市で進めていますサテライト・トカマク計画です。これについては、ITERの支援研究、あるいは原型炉のための挑戦的な研究を行うということで進めてございます。
 これは照射施設の進捗状況を示しております。この図が、いわゆる原型加速器と言われている部分でして、これについては、昨年欧州から機器が搬入されて、据付けですとか組立ての作業が進んでいるところで、昨年11月に初めて水素ビームの生成に成功しているところでございます。それから、右側の写真ですが、これは大洗研究所にリチウムの試験ループがありまして、1,300時間を超えます定格電流での運転を実証して、昨年10月に試験が終わっています。それから、IFMIFにつきましても設計が進んでおりまして、13年に工学設計報告書が完成したという状況でございます。
 次はIFERC、核融合エネルギー研究センターですが、計算機シミュレーションについては、ここに書いてありますような高性能なスパコンを使って80%から90%の利用率で運用されていまして、非常にたくさん論文も出ています。それから、ITERの遠隔実験センターにつきましては、14年度にはソフトの開発を始めまして、15年度からハードの整備にも着手します。原型炉の研究開発につきましても、赤で示していますような研究開発につきまして現在進めています。それから、イタリアのENEAから腐食試験装置が昨年、六ヶ所村に届きまして、SiC/SiCと書いてあります、これはある意味ではセラミック系の複合材料ですが、これとリチウム系の金属との、共存の試験をしているところです。また、世界で唯一ですが、トリチウム、ベリリウム、放射化物を両方とも扱えるということで、今、欧州のトカマク装置、JETの真空容器内のタイル及びダスト分析等を行っているという状況です。
 これはJT-60SAです。今、超伝導化改造をしております。2012年10月に解体が終わっていまして、現在、13年1月から組立てを始めております。まずはヨーロッパで製作されましたクライオスタットベースができ、その上に日本が作った平衡制御用のコイルを載せ、それから現在、真空容器の組立てを行っておりまして、当初予定した340度分の真空容器については全て載って、このセクターごとの溶接を今進めているところで、これからも欧州機器の作業、既に一部始まっておりますが、また別の作業が開始されるという状況でございます。
 これは、ヨーロッパの担当している機器について簡単にまとめてございますが、省略させていただきます。
 ここに、将来の展望ということで、現在、我々、ITER計画を進めておりまして、ITERの建設、運転、それからBA計画を進めております。BA計画につきましては、その後の炉工学の研究開発を通して、核融合フロンティアとしてやっていきたいと考えております。それから、先進プラズマについては、JT-60SA、新しい装置での研究を続けることによって、ITERで核融合出力50万キロワットを達成したときには次の段階である原型炉の建設段階に移って、原型炉の運転にいきたいというのを展望として持ってございます。
 これは最後ですが、原型炉の設計ということで、昨年、山田先生を中心にしまして原型炉の合同コアチームというものができて、炉の開発について必要な基盤構築の在り方が検討されました。核融合作業部会で報告された、この検討内容を受け、新しく原型炉設計合同特別チームというものが、今年の4月に六ヶ所研究所に設置されるということです。スケジュール的にはこういう右側の上に書いてあるスケジュール、それから、ここに体制が書いてございますが、これについては、第7期の研究作業部会で議論された体制というので、こういうものを紹介させていただいてございます。
 この後、まとめが書いてございますが、これについては省略させていただきます。以上です。
【小川主査】 ありがとうございました。
 それでは質疑に移りたいと思います。質問等がありましたら、お願いいたします。
【堀池主査代理】 阪大の堀池です。日本は大体分かりました。外国製の機器の、製造の進捗状況というのは、一言で言うとどういうふうになりますか。
【草間委員】 まず重要なのは、真空容器です。真空容器については若干、これはEUが担当している部分と韓国が担当している部分がございますが、EUの担当部分については遅れているということで、これからどうやって加速するべきか、ということが議論されております。
 そのほか、トカマク建屋と呼んでおりますが、先ほど建設の状況をお話ししましたが、建屋についても若干遅れております。
 あとはポロイダルコイル、これは制御用のコイルですが、EUの担当分なんですけど、若干遅れているということで、これについてはビゴ新機構長の下、工程については検討されているところでございます。よろしいでしょうか。
【小川主査】 はい、ありがとうございます。
 ほかに何か質問はあるでしょうか。14ページの図を見ていただくと、核融合というのが今、ITER国際プロジェクトとして7極、日、欧、ロシア、アメリカ、韓国、中国、インドで推進しており、ITERによって核融合炉心プラズマ相当ができることを我々は期待しております。またITERに引き続き、発電プラントを核融合としては作りたい、それが原型炉であります。それを2030年、40年というスケールで考え、研究開発を議論しているということです。その前段階の研究がBA活動として、これは日本と欧州の協力で動いているというものでございます。それらのいろいろな進捗状況を今、御説明いただいたということでございます。はい、どうぞ。
【岡野委員】 IFERCでの事業の成果というところには、原型炉の設計をやっていたということが一言も書かれていなくて、2015年4月に原型炉設計チームができますと言われると、これまで原型炉の設計はやっていなかったというふうに聞こえると思うので、誤解のないように、原型炉設計チームはIFERCにあって、ずっとトカマクの概念設計をやってきており、その結果、今、新たに原型炉設計チームが全国体制で開始されたということをコメントさせていただきたいと思います。
【小川主査】 そのとおりだと思います。
 よろしいでしょうか。またITER及びBAに関しましては、いろいろ今後審議していく上で出てくると思いますので、大体の位置付け等を理解していただければと思います。
 それでは、次に移りたいと思います。続きまして、竹入委員から大型ヘリカル装置、LHDについて御説明いただきたいと思います。
【竹入委員】 核融合科学研究所の竹入です。どうぞよろしくお願いします。
 ただいま、JAEAの方からは、トカマクを中心とした研究の進捗状況についての報告がありましたけれども、私ども核融合科学研究所は大学の研究機関として、学術研究としての定常ヘリカル型核融合炉の実現に向けた研究活動を進めているところです。
 私ども研究所は、定常ヘリカル型核融合炉、ヘリカル型というのは定常運転性能に優れていますので、定常ヘリカル型核融合炉に必要な理学、工学に関わる学理を探求して学術研究の体系化を図ることを目的に、大学共同利用機関として、大学等との共同研究を軸に学術研究、科学技術、人材育成・教育を引っ張っている、そういう活動を行っています。
 現在、大型ヘリカル装置という中核となる実験装置と数値実験炉研究、核融合工学研究の3つの柱を中心に研究のプロジェクト化で進めているところです。
 ここにありますように、大型ヘリカル装置による実験研究、核融合工学による要素技術、原型炉設計研究、数値実験炉による研究を相互に関連させながら研究活動を進めています。
 まず、大型ヘリカル装置による核融合科学研究の推進という形で、世界最大の超伝導核融合実験装置として17年間、13万回のプラズマ実験を行っています。核融合炉の実現には、核燃焼実験による研究とともに、定常運転性能を高める研究という2つの要素が必要になってきます。その中で、核燃焼実験はITERで行いますけれども、LHDではヘリカル型の特長を生かした超高性能なプラズマの定常運転の実証研究を大学等と共同して推進しているというのが特徴になっています。17年間の研究におきまして、このように温度に代表されるプラズマ性能、最近特に着実に性能が上がってきて、学術研究も含めて体系化が進んでいるところです。
 ここに、最近のプラズマ性能の進展をまとめました。LHD、大型ヘリカル装置の目標は、イオン温度1億2,000万度、核融合炉を見通すだけの高性能プラズマの性能を達成して、高性能プラズマの学術研究を推進するという形での目標を最終目標に定めています。現在、9,400万度までプラズマ性能は上がってきていまして、更にこの目標に向けた研究を現在、精力的に進めているところです。
 そのために、新たな目標に向かった、つまり最終目標、1億2,000万度という高性能プラズマの実現に向かったステージとして、重水素実験を計画しています。重水素実験は、ここにありますように、軽水素を用いたプラズマ実験を重水素ガスに切り替えるだけで1.4倍程度、プラズマ性能が向上するというのがトカマク等の実験で示されています。それによる閉じ込め改善による高性能化により、1億2,000万度に代表されるプラズマの高性能化を進め、核融合条件に近いプラズマの研究を促進させるというのがこのLHDの重水素実験計画になっています。それによって、学術研究としても世界的なインパクトを持つ研究を展開していこうという形になっています。
 重水素実験では、ごく微量の放射性物質が発生する等のことがありますので、地元との安全協定の締結を2年前に受けまして、実験の開始に向けた準備に着手、平成28年度末からの実験開始を目指し、現在、整備作業を進行しています。この重水素実験開始に向けて、通常の実験研究と並行しながら進めているところです。
 現在、重水素実験によりまして、LHDの目標パラメータを、高性能化を進めることにより、放電保持時間、つまり性能の高い状態での超高性能プラズマの定常運転性能を実証し、かつ、先ほど紹介ありましたJT-60SAによるトカマクの定常運転化の研究と併せて、ITERの核燃焼実験の結果を取り入れながら、原型炉に向けた戦略を立てていくというのが日本の核融合開発戦略になっています。
 大事なポイントは、JT-60SAの稼働が予定されている2019年までは、大型ヘリカル装置は日本における唯一の大型実験装置であるということで、これを活用した実験研究を進めて、特に大学院教育を通じた人材育成と供給についての責任を担っているというのは、大学共同利用機関としての役割になっています。
 そういう形で、将来の核融合炉建設に向けた見通しを立てるわけですけれども、将来的には、大学としての機能を十分に生かしまして、超高性能プラズマの学術研究を発展させ、かつヘリカル型核融合炉の実現に向けた開発組織の方向に持っていきたいと考えているわけです。
 次に、2つ目は核融合工学プロジェクトです。核融合工学プロジェクトの目的は、ヘリカル型核融合炉の概念設計活動と、マグネット、ブランケット、材料開発、ダイバータ、トリチウムに代表される主要5課題の工学研究課題に取り組んでいます。
 現在、ヘリカル型核融合炉の概念設計活動は順調に進んでいまして、1つのモデルが、LHDの3倍程度の大きさになりますけれども、FFHR-d1という概念設計活動が進んでいまして、建設工程、メンテナンスを含めた検討、具体的な第3ラウンドまで、この概念設計活動が進んでいます。
 それとともに、5つの工学課題に対する研究も、平成24年度の補正予算により様々な設備が整備されたことにより工学基盤の構築が加速されており、マグネット、高熱流プラズマ、ブランケット、材料開発、トリチウム管理といった工学課題の研究も進めています。
 こうしたものは、ヘリカルに特化したものではなくて、例えば核融合研究作業部会で原型炉に向けた技術課題が挙げられていますけれども、そうした、例えば超伝導コイル、ブランケットの開発について、それぞれ対応した研究を進めていまして、全日本的な原型炉に向けた共通課題について積極的に取り組んでいるところです。
 そうした各課題の遂行とともに、ヘリカル型核融合炉の設計研究も進めながら、LHDの重水素実験による超高性能化も含めて、ヘリカル型核融合炉の設計研究を進めていくというのが炉工学研究の推進計画になっています。
 3つ目の数値実験炉研究プロジェクトです。数値実験炉研究プロジェクト、計算機上での大型実験設備という言い方もできるかもしれませんが、例えばヘリカル型の将来の原型炉を考えたときに、ITERに代表されるような核燃焼のヘリカル炉を作ることなく、ITERで得られた実験結果を基にシミュレーションによりそれを実現するという大きな役割を担っています。プラズマの非常に時間スケールの短いスケールから長いスケール、それからミクロな現象からマクロな現象、そうした階層間結合、あるいはコア・周辺結合、複合物理結合といったものを統合した統合輸送コード、これを実験による比較・検証を入れながら数値実験炉として立ち上げて、ヘリカル型核融合炉の設計研究に生かしていこうというのが数値実験炉研究プロジェクトになっています。
 その中で、まずは物理機構解明と体系化という形で、数値実験炉構築に向けたシミュレーションコードの開発、更に高精度化を行っています。非線形MHDコード、あるいは乱流輸送のコード、こうしたコード開発とともに、統合輸送コードの開発等を進めているところになっています。
 こうした高度なコード開発と個別の物理機構解明と体系化を、こういう形で周辺プラズマ、あるいは乱流輸送、プラズマ壁相互作用といった事柄に対して個別の物理機構の体系化を進めていて、それを元にヘリカル型の数値実験炉の構築に向けた研究を進めているところです。
 このようなプロジェクト研究を、大学共同利用機関として、国内の大学等と共同研究をベースに進めています。例えばLHD計画共同研究という形で、大学等で育まれている研究・技術をLHDの研究に生かす、あるいは一般共同研究という形で、NIFSの設備を使って大学の研究の活性化、研究所の研究の活性化を行っている、更に双方向型共同研究で、研究だけではなく人材育成も行うという形で、大学共同利用機関としての研究活動を進めています。
 ここでは、双方向型共同研究を御紹介しますけれども、6つの大学の附置研究所、センターと双方向型共同研究を行っていまして、例えばプラズマ関連の京都大学、大阪大学、九州大学、筑波大学の4センター、炉工学関係では富山大学、東北大学の2センターと、6つの研究所・センターと双方向型共同研究を行い、研究の促進とともに人材の育成も行っているところです。
 最後、まとめですけれども、ヘリカル型核融合炉の実現に向けて、大型ヘリカル装置計画、数値実験炉研究、核融合工学研究の3つのプロジェクトで研究を推進しています。特に大学共同利用機関として、双方向型共同研究に代表されることを通じながら、人材育成、教育も含めて研究を進めているところです。
 以上です。
【小川主査】 ありがとうございました。それでは、質問をお願いいたします。はい、どうぞ。
【五十嵐委員】 大変初歩的で恐縮ですが、ヘリカル型の装置というのは海外だとほかにはどういったものがあるのでしょうか。
【竹入委員】 今、ドイツで大型ヘリカル装置とほぼ同規模の装置が完成に近い状況になっています。ちょうど今年の8月からファーストプラズマを点(つ)けるという計画になっていまして、そういう意味ではヨーロッパでかなりヘリカル型の研究も進められています。
 現在の核融合研究の主流はトカマク型装置であるのは事実ですけれども、ヘリカル型では、日本のヘリカル装置とドイツのヴェンデルシュタイン7Xという装置ですが、それが代表的な大型装置に今後なっていくと思います。
【五十嵐委員】 ありがとうございます。
【小川主査】 ライバルがいよいよ動き出すというところでございます。
 はい、ほかにあるでしょうか。はい、どうぞ。
【高梨委員】 立命館の高梨です。スライドの17ページ右下に「応用研究の推進、社会への還元」という緑の丸がありますが、ここの取組について、ちょっとお聞かせいただけますでしょうか。
【竹入委員】 こうした研究を展開することにより、応用研究として、核融合研究で培われた科学技術を民生応用に含めて行うという、例えば今、研究所の地元では、岐阜県にあり、美濃(みの)焼の産地なのですが、プラズマの加熱に使うマイクロ波を用いた焼き物の焼成に技術転用して、マイクロ波焼成窯といったものを地元との共同でやるとか、マイクロ波の焼成技術が更に製鉄の技術とか、アスベストの無害化とか、そういう方向に発展する派生技術が出てきます。
 また、超伝導磁石は世界最大の超伝導装置と言いましたけれども、超伝導技術により、SMESに代表されるような超伝導応用関係の技術に転用するという形、その他、核融合は非常に最先端の技術を使っていますので、そういう意味での応用展開が進められているということを意味しています。
【小川主査】 ありがとうございました。いろいろと応用研究に向けての視野も広げているというところだと思います。
 ほかに何かあるでしょうか。よろしいでしょうか。我が国独自の方式であるヘリカル型というので定常研究を目指して、新しいコンセプトの開発と同時に、全国共同利用機関として大学を含めた研究の活性化を図っていこうとしているところでございます。
 続きましてもう1つ、レーザー方式に関しまして、藤岡先生から御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。
【藤岡准教授】 センター長の疇地の代理で私が報告をさせていただきます。私、大阪大学レーザーエネルギー学研究センターの藤岡と申します。本日は、高速点火実証実験FIREXと米国立点火施設(NIF)の現状ということで簡単に報告させていただきます。
 まず、レーザー方式と磁場方式の違いですが、一番の違いは、核融合燃料の密度です。レーザー方式では、固体密度の1,000倍の核融合燃料を使います。固体燃料の1,000倍ということで、結果としてエネルギーを生み出すプラズマ自身がコンパクトであるという特色があります。また、この方式というのは、核融合燃料を供給して、それにレーザーを当てて核融合エネルギーを出すというパルス炉の特性を持っていますので、将来的には、この方式というのは負荷変動への対応を目指しています。実際、このレーザー方式をやっている研究所は、1つはアメリカのローレンスリバモア国立研究所、またフランスの原子力庁及び大阪大学が国内ではこの研究を主に行っております。
 レーザー核融合には2つの方式がございます。1つは中心点火と呼ばれるものでして、もう1つは高速点火と呼ばれるものです。中心点火方式というのは、球殻状の核融合燃料に四方八方からレーザーを当てます。このレーザーを当てることによって、球殻状の核融合燃料が小さく潰れていきます。まず核融合燃料が高密度になる。それと同時に、核融合燃料の中に入っている希薄なガスが、圧縮によって断熱加熱をされまして、核融合点火を起こす5,000万度にまで加熱されます。その結果として核融合点火が起こって、その核融合点火がトリガーとなって、周りの核融合燃料を燃やすと、結果として燃焼が起こるというのがこの中心点火方式です。
 一方、高速点火方式というのは、先ほど言いました断熱圧縮による点火というのは期待をしません。飽くまで、爆縮(ばくしゅく)というのは高密度な核融合燃料を作るためだけに使います。高密度な核融合燃料を作った後に、外から強制的にエネルギーを供給して、この高密度な核融合燃料を点火温度にまで加熱する。そして、点火させることによって燃焼を引き起こし、エネルギーを取り出すというのがこの方式です。この方式を説明しますと、ディーゼルエンジンとガソリンエンジンのような違いでして、ガソリンエンジンのように強制的にスパークプラグで点火させることによってディーゼルエンジンよりも小さいエネルギーで点火を起こすことができるというのがこの方式のメリットであります。
 我々は、もともとありました激光12号レーザー、ナノ秒のレーザーですが、このレーザーを使って、まず核融合燃料の高密度圧縮を行い、新しく開発したピコ秒の加熱用レーザー、我々、LFEXと呼んでいますが、このLFEXレーザーを使って加熱を行います。ちなみにこのLFEXレーザーというのは、現時点で世界最大のピコ秒レーザーであります。この2つのレーザーを、これは、人間の目ですが、人間の目のアイリスよりも小さい核融合燃料に照射して、FIREX-1のフェーズでは点火温度まで加熱をすると。FIREX-2のフェーズでは、点火温度ではなくて、点火によって核融合燃料エネルギーが取り出せるということの実証を目指しております。
 まずFIREX-1の点火温度へのアプローチですが、これが縦軸は核融合燃料の温度で、横軸が核融合燃料を加熱するためのレーザーのエネルギーであります。温度を上げようと思うと、まずはとにかく加熱用のレーザーのエネルギーを増やしていかないといけません。それと同時に、核融合の加熱のエネルギーを増やすだけではなくて、それをより多く核融合燃料の熱エネルギーに変換するという変換効率、加熱効率の向上というのが必要になってきます。我々は、1つはLFEXレーザーというのを完成させて、これはもともと4ビームで構成されているのですが、この4ビームを全て完成させることでエネルギーを増大させると同時に、プラズマを制御することによって加熱効率の向上を目指しています。
 具体的なステップとしては、まず今年度に関しましては加熱レーザーがやっと4ビーム完成しました。この4ビーム完成したレーザーを使って、今年度は加熱効率の向上に向けて高速電子の低温化というものを行いました。これは後で少し詳細をお話しいたします。この2つに関して非常によい結果が出ましたので、来年度に向けては、更に加熱効率を向上させるために高速電子のガイディングを行って、2016年度には燃料を実際に加熱して、チェック・アンド・レビューに備えようという計画でおります。
 これが先ほどから出ていますLFEXレーザーと呼ばれるものの内部になります。ここに女性の影がありますが、この横にありますのが、世界最大級のパルス圧縮用の回折格子です。これは2枚がペアになっていまして、それが対面にもあります。今までは1組だったものが2組になり、3組になり、今年やっと4組になったということです。
 実際、この4組がそろったLFEXレーザーを使って実験を今年度、行いました。このポンチ絵だけ見ると、何だか寂しいですが、実は、職員、技術職員、そして学生の、血は流れていませんが、汗と涙の結晶であります。
 これは何をしているかといいますと、高速電子の低温化を行っています。こういう加熱レーザーの非常に大きな問題として挙げられているのが、ペデスタルとかプレパルスと呼ばれるものが存在するという問題です。
 これは、レーザーパルスの横軸に時間、縦軸に強度をとった模式図ですけれども、このメインのパルスの周りに台地状のパルスが存在します。これを我々はペデスタルとかフットパルスと呼んでいます。いかにこの発生を抑えるかというのが、この数年の課題でした。これが存在する状態ですと、メインレーザーが来る1.5ナノ秒前から、ターゲット表面に少し膨らみが見えている、これがまさにフットパルス、ペデスタルが作ったプラズマですが、これがあると、なかなか加熱効率が上がらない。
 我々はこれを除去するのを1年半ぐらいかけてやりました。結果として、ほとんどきれいに消えました。これも世界最高レベルと我々は自信を持って言えるレベルです。
 150ピコ前ですけれども、ターゲット表面が十分きれいな状態を保っています。これをすると何が起こるかといいますと、加熱用の電子のエネルギースペクトルが大きく変わります。横軸が加熱電子のエネルギー、縦軸が数です。赤線が今までです。今までのものを見ますと、10、20、30、40メガエレクトロンボルト、一番上が100メガエレクトロンボルトにも達するような、非常に高エネルギーのエレクトロンが発生していました。
 このプレパルスを抑えることによって、そういう異常に高エネルギーの電子が発生しなくなって、加熱に寄与する低エネルギーの電子だけが増えるということが発見されました。まさに我々の期待どおりです。
 これが起こると何があるかといいますと、電子のエネルギーが高過ぎますと、核融合燃料でエネルギーを付与せずに、するっと抜けてしまいます。ところが、高速電子のエネルギーをずっと下げることによって核融合燃料に電子が当たると、この電子が持っていたエネルギーが核融合燃料に付与されることで、加熱の効率が上がるというわけです。こういうことがレーザーの高質化によって実現しました。
 次のステップとしては、この電子をいかに核融合燃料に導くかということになります。これが高速電子の収束です。
 どういうふうに収束しようとしているかといいますと、我々は今、磁場を使おうとしています。ただ、発生する電子が1とか2、10メガエレクトロンボルト級ですので、1キロテスラの磁場が必要になります。我々はこの1キロテスラの磁場を発生させるために、レーザードリブン・キャパシターコイルという新しい手法を導入しまして、実際に高速電子のガイディングに必要な1キロテスラの磁場の発生に成功しています。こうすることによって、核融合燃料に当たらずに飛び散っていた高速電子を、核融合燃料に向けてスムーズにガイディングしてやることができるわけです。
 実際にこの原理実証実験をフランスのレーザーを使って、行っています。これは昨年度行いました。磁場がないときには飛び散っていた電子が、磁場を加えることによって圧縮されるという現象が見つかっていまして、非常に期待が持てる成果であると考えております。来年度に関しましては、この実験を実際、我々の激光12号レーザー、LFEXを使って行い、統合実験に備えようと考えております。
 最後に、アメリカの現状ですが、アメリカに関しましては、NIFによって点火実証の実験が行われております。現時点では、この線まで来ています。この線というのは、横軸がイグニッション・パラメータというもので、我々がイグニッションに対してどれぐらい近付いているかというのを測る指標です。1になるとイグニッションが起こります。縦軸は核融合出力です。今のところ、イグニッション・パラメータで0.6ぐらいの値にいます。これを1に向けて現在行われている一つが、ダイヤモンドカプセルを使うとか、ラグビーホーラム、これはフランスが提案している手法なのですが、ラグビーホーラムを行うとか、アディアバート制御というのをすることによって流体不安定性の成長を抑えるという3つの手法を使って、今、この解が1になるように研究を行っている最中であります。
 最後にまとめますと、我が国が提案した新しい加熱方式である高速点火実証実験FIREX-1プロジェクトが進行しています。LFEXレーザー、これは加熱用のレーザーですが、これがフル稼働しまして、高速電子の低温化と収束が実際に見えてきました。この2つによって加熱効率の向上が期待されます。この2つを使って5,000万度を目指していく段階にあります。
 米国のNIFは、核融合出力の劇的な向上とダイヤモンドカプセル等による新しいアイデアの導入で、人類初の点火実証を目前としています。
 NIFによる点火実証とFIREX-1による点火温度の実現を目指して、FIREX-2に移行しようと我々は考えております。FIREX-2では、多数の実験により緻密に検証した統合シミュレーションを使って数値点火実証を行おうと考えております。
 以上です。
【小川主査】 ありがとうございました。それでは、質疑に移りたいと思います。質問等ありましたら、お願いいたします。どうぞ。
【大野委員】 レーザー自身の開発というのは、今後どういうふうに、ドライバー自身の開発はどういう方向に行くと考えられますか。
【藤岡准教授】 ドライバーの開発については、一つは、電気プラグから光への変換効率をいかに高めるかというのが重要です。理論上は20%狙えると期待しているのですが、それを実際に実証するようなレーザーの開発を進めることになります。
【大野委員】 それについて、阪大としてはどういうふうな立場で。それは民生の方で開発されたものを導入するという考えなのか、独自に開発されようとされているのかというのは。
【藤岡准教授】 そこに関しては、本来、私が答えるのはちょっと不適切かもしれないですが、基本的な路線としては、大阪大学と産学の連携で開発するというのが基本方針と理解しています。
【小川主査】 それ以外に質問あるでしょうか。どうぞ。
【佐藤委員】 原子力産業協会の佐藤でございます。
 今更ながらなんですけれども、この3つの方式の御説明を頂戴して、一番初めにトカマクの御説明をしていただいた14ページに、核融合研究開発の展望とありまして、原型炉の建設と書いてございますが、この3つの方式の中のどれかが、この原型炉の採用になるという理解でよろしいでしょうか。
 そうすると、もう一つ、この原型炉というのはどこに、これから地点を探されるのかどうか分かりませんけれども、大体目安が立っているのか、更地の状態なのか、分かる範囲で情報共有ができたらいいと思います。以上です。
【小川主査】 山田科学官の方から答えてください。
【山田科学官】 ありがとうございます。公式の立場から言うと、第三段階という、今、ITERを中心とした実験炉段階から、原型炉を中心とした発電を実証する第四段階という、段階を上がるための移行判断というのがございまして、その移行判断に合格した概念が移行するのであって、合格しなければ移行できないわけです。そういう観点で、今はトカマクが一番進んでいて、それをヘリカルとレーザーが追い掛けているという構図だと思います。
 立場によって、当然、主張される方はいろいろいらっしゃいますけれども、あくまでも移行判断によって核融合全体の進捗状況を見て、なおかつ原型炉ができるものが採用されることになります。移行判断に進めなければ進められないと。
 サイトについては、そのフェーズでいろいろ議論が出てくると思います。
【佐藤委員】 ありがとうございます。
【小川主査】 関連することで、多分、その次の、合同コアチームの報告の中にも出てくると思いますので、そのところでもう一度確認していただければと思います。
 ほかによろしいでしょうか。どうぞ。
【尾崎委員】 最後のレーザー核融合のところで、アメリカのイグニッション・パラメータですか、これが今、1に対して0.6までという指標だと。
【藤岡准教授】 はい。
【尾崎委員】 同じような観点で、今、日本の指標はどのくらいになっているか、そういう比較はできるのですか。
【藤岡准教授】 これは非常に難しい問題でして、NIFの場合は中心点火というのを使っていますので、基本的に流体現象です。流体現象なので、方程式を立てて、何か等価な量というイグニッション・パラメータみたいなものを定義できるのですが、高速点火の場合には、かなり非線形な現象を使っていますので、なかなかそういう指標は難しいのが実情です。
 ただ、1つ言えるのは、例えば加熱の効率という観点から言うと、10%ないと、そもそもFIREXは成功しない。その10%に対して、現時点でどこまで行っているかといいますと、3とか4とかそれぐらいのところかなと今思っております。
【小川主査】 5ページ目のグラフを見ていただいて。先ほど言いましたように、点火に至るには5キロエレクトロンボルトぐらいまでは必要だけれども、現在がこの黒丸の温度であるということかと思います。
 先ほど、平成28年度にチェック・アンド・レビューをまさにこの委員会で行うと言いましたけれども、4本のビームがようやく完成したので、今年から来年において、この矢印の方向に向かって、どうデータが延びてゆくかというのが実験で明らかになろうかと思います。
 ということで、その辺のデータが出てきた段階で、今の尾崎委員の質問にお答えできると思います。
 よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、ただいま、各機関の研究開発状況について発表いただきました。
 続きまして、原型炉に向けて前期の委員会におきましてまとまりました技術基盤構築の中核を担うチームの報告書がありますけれども、我々はそれを合同コアチームと称していますが、その合同コアチームの活動に関しましても、皆様で情報共有したいと思いますので、合同コアチームのリーダーでありました山田先生から御説明いただきたいと思います。
【山田科学官】 ありがとうございます。お手元の資料で説明させていただきます。資料3-4に沿って説明いたします。今スライドが出ている資料です。
 「核融合原型炉開発のための技術基盤構築の中核を担うチーム」という非常に長い名前ですけれども、通称、これからは合同コアチームと呼ばせていただきます。
 合同コアチームの特徴は2つございまして、1つは、このメンバーにありますように、大きなプロジェクトの実施主体である核融合科学研究所と日本原子力研究開発機構が中心となりつつ、原子力産業協会を通じて、産業界の方からも参画していただきまして、京都大学、慶應大学というふうに大学の方々にも参加いただき、いわば全日本的なチームで、合同でやったということと、私が入っているので、ちょっと言葉を選ばないといけないですけれども、比較的若い人、主に40代前半の方が中心となったチームでございます。心としては、原型炉計画を実際に担われる方々ということです。
 下の14分の2ページ目、合同コアチーム報告に至る経緯を簡単にまとめたものです。
 お手元に核融合科学技術委員会という大きなファイルがございますけれども、目次を見ていただきますと、平成17年以来の様々な検討状況の報告がまとめられておりまして、この委員会の前の段階だった核融合研究作業部会等でこういった議論を進めてまいりました。
 手元の資料、14分の2ページ目に戻っていただきまして、丸1にありますように、この2年間、作業部会では、原型炉開発のための技術基盤構築の中核となる存在として、統合的視座をもって検討する機能の構築について集中的に議論をしていただきました。その中、作業部会として、先ほど申し上げました合同コアチームの発足がコミュニティに対して要請されまして、そこで作業を進めました。
 検討内容は、検討の前提となる核融合原型炉概念及び実施すべき活動とその目標等です。
 この1年半、合同コアチームでは非常に集中的に議論を進めまして、コミュニティの方々とヒアリング等を熱心に一緒に行ってまとめをしました。26年2月に作業部会に対する中間報告、これは論点整理をしたものです。そして昨年6月には、「原型炉に求められる基本概念と技術課題の構造分析」という副題を持った報告をしまして、この1月には、「原型炉技術基盤構築チャート」という副題を持った報告を最終報告として提出いたしました。その2つの報告については、ファイルの8、9として添付してあります。
 めくっていただきまして、14分の3ページ目で、この活動の起点となった問題意識については、最初に挨拶されました仙波研究開発戦略官の前任者であった坂本前戦略官が非常に熱心に我々を御支援いただきまして、これについては、私との合名でプラズマ・核融合学会誌に論説記事を書かせていただいております。坂本前戦略官からの問題提起としましては、原型炉段階へ進むためには、核融合コミュニティが統合的視座で共通目標を持って、指向性を強化して進みなさいと。非常に簡単な言葉では、火の玉になれということをおっしゃっていました。
 それに対して、コミュニティとして、合同コアチームとしてはそれに応えていかないといけないということで、例えば21世紀半ばに核融合エネルギーを実現するという説明だけではなくて、それも必要なんですけれども、目標へどれだけ近付いたかを逐一見せることができる計画が必要である。なおかつ、携わる者のコミットメントが明らかになっていないといけない、更にそれを実行していかないといけないということを示したいという思いで作業を進めました。
 報告書につきましては、14分の4ページにございますように、ウェブから取れますし、また核融合科学研究所の冊子としても出版しておりますので、事務局に御連絡いただければお送りさせていただきたいと思います。
【小川主査】 これですよね。
【山田科学官】 ありがとうございます。英語のものについても、既に用意ができていまして、特に欧米、中国、韓国とのコミュニケーションに利用しております。
 めくっていただきまして、14分の5ページと14分の6ページが、この2つの報告書の目次になります。後で、かいつまんで御説明いたしますけれども、1番目の基本概念と技術課題の構造分析については、その2つ、まさに副題にあることをまとめたということ、そして原型炉基盤構築チャートについては、研究開発の時系列展開について整理をしたということでございます。そこで講じた作業から、今後、特に留意すべき点について指摘していただきまして、まさにこの委員会で論点として挙げていただいている次第です。
 めくっていただきまして、14分の7ページと8ページは、この2つの報告書の要点をまとめたもので、これが一番大事な点です。4点まとめてあります。
 まず1番目、核融合原型炉に求められる基本概念としては、その目的は、他のエネルギーと競合可能な経済・社会的合理性の達成見通しを得るということです。そのためには、目標として、数十万キロワットを超える定常かつ安定な電気出力、実用に供し得る稼働率、燃料の自己充足性を満足する総合的なトリチウム増殖を行うというものです。
 それに向かった2の進め方としましては、先ほど佐藤委員から御質問がありましたように、まず、最も開発の進んだトカマク方式において、第四段階への移行条件、これはすなわち原型炉段階ですが、これを満足させるための技術課題を共通目標として定め、全日本体制でその解決に当たる必要があるということ。
 また、加速と課題解決を促し、総合的な核融合全体の進捗状況を踏まえることができるよう、相補的・代替方式についても一定の多様性を持った形で戦略的につなげて進める必要があるということです。多様性とはいえ、指向性を絞らないといけないという指摘です。
 3つ目のポイント、原型炉技術基盤構築の時系列展開を可視化、いわゆる見える化をしまして、総覧チャートを作成したということです。これについては、時間のポイントを明らかにしないといけないので、まず、ITERのファーストプラズマが想定されています2020年頃に中間チェック・アンド・レビューを行い、ITERにおける、いわゆる核融合燃焼実証が行われる2027年頃に原型炉段階への移行判断を行うということを想定して整理をしました。
 4番目のポイント、技術基盤構築において、今後特に留意すべき点について4つ挙げさせていただきました。
 まず1つ目、ITER計画は、まさに時を刻む時計でございまして、明確なクリティカルパスであるということ。
 2つ目としまして、ITER以外で最も喫緊に取り組むべきこととして、炉設計活動の強化、次に、ダイバータ研究開発の戦略的加速、ちょっと専門用語が出てきて恐縮ですけれども、ダイバータというのは、プラズマの熱が一番直接来るところで、非常に技術的に難しいところです。
 3つ目、中期的なことを考えると、全体を律速するクリティカルパスになると考えられるものとして、テストブランケットモジュールと核融合中性子源があると。テストブランケットモジュールというのは、ITERを用いてトリチウムの増殖を検証するためのものです。
 4つ目としまして、こういった技術的なプロジェクトのプラットフォームという形になりますけれども、産学官の共創の場の構築、実効的なものとするための措置が必要であるということです。
 これらに合わせて、1年半の活動で残念ながらまとめるまでに至らなかった重要事項として申し送りさせていただいております。まず1つ目で、核融合エネルギーの社会科学的検討です。技術的なものはコミュニティが提出するわけですけれども、移行判断は飽くまでもステークホルダーが行うものですので、最初に小川主査が御指摘されましたし、戦略官につきましても、国民が納得できるロードマップを示さないといけないとおっしゃっていましたから、そういったことと合致するものです。
 その次に、いわゆる代替方式としてのヘリカル方式及びレーザー方式についての調査・検討。これは核融合コミュニティに関わる全体として大きな動きを作るために必要だと考えております。これらについては、手が及ばなかったという指摘です。
 14分の9ページが、段階のステップを表したもので、2020年の中間チェック・アンド・レビューを受けますと概念設計活動に入り、移行判断を終えると、いよいよ本番のものづくりという形の工学設計活動に入るということです。
 ここで2点指摘していただいているのは、繰り返しになりますが、ITER計画が時を刻む時計であるということと、大きな移行判断ということがあるのですが、こういったものに対して準備を着実に進めていくためには、中間チェック・アンド・レビューというものを受けて、相当規模の活動の増強が必要だと考えております。
 14分の10ページが、こういった先ほど申し上げました時系列展開の一例です。実際には350ぐらいの項目を挙げて、こういった整理をしております。
 14分の11ページがエグゼクティブサマリーといいますが、上の欄が実際今進んでいる主要なプロジェクト、その下の欄が今後必要となってくるプラットフォーム・施設について整理をしたものです。
 14分の12ページと14分の13ページは、繰り返しになりますので、割愛させていただきます。
 最後のまとめですけれども、合同コアチームはまず何をやったのかというのがこの2つです。原型炉に求める基本概念を再考したこと。2番目、トカマク方式によって原型炉建設に至る技術課題を特定し、課題解決に必要な技術基盤構築の時系列展開を可視化した総覧チャートを作成したこと。これについては、最初の問題提起にありますように、核融合はいつ実現するのですかという社会に対する問いに対して、どれだけ近付いているかということを随時見せるためのアカウンタビリティーを示すためのものとして用いていただきたいと考えております。
 もう一つ指摘しておかないといけないのは、このチャートはまだまだ雛型であるということです。ですので、核融合に関わる産学官のコミュニティが更にこれを吟味して、問題意識と指向性の共有を図り、いわゆる日本全体が一体となった取組につながることを期待しております。
 以上です。
【小川主査】 ありがとうございました。
 それでは、質疑に移りたいと思います。質問、コメント等ありましたらお願いします。ITERとの関係とか原型炉、トカマク、ヘリカル、その辺の現場サイドで動いている活動との関係というのは、大体これで御理解いただけたと思います。
 それで、合同コアチームは、これを前期の作業部会において、先ほど回覧したレポートにまとめました。それを受け取って、この委員会でどういう活動をしてどう発展させるかというのが、今後の本委員会の役目でもございます。どうぞ。
【堀池主査代理】 英文のレポートもできて議論されているということですが、外国との足並み合わせとか違う点というのは、ある程度レスポンスは返ってきているんでしょうか。
【山田科学官】 是非時間があれば、外国との比較というのをしなければいけなかったと思いますので、ありがとうございます。
 ITER以降の取組について、各極でまさに議論がこの2、3年で始まりました。ITERのビゴ機構長みずから、ITER is not just a research machineとおっしゃっており、発電実証をする原型炉があるからこそITERをやっているんだということも説明されています。このような各極の動きに対して歓迎の意をITERの機構長が表されています。
 特に欧州においては、2年前にEUのロードマップという大きなまとめをしまして、EU一体となって原型炉に取り組むという取組を、はっきりコミュニティとして示しました。それに応じて、欧州全体としてコンソーシアムを改組して、EUを構成する28か国が資金を出し合って、一緒に原型炉を造っていこうというロードマップを今始めまして、予算の割り付けなんかも、コンソーシアム、ヘッドクオーターが差配するという構造に変化しています。
 また、中国においては、非常にアグレッシブな計画を展開しておりまして、ITERの少し後を追い掛けるフェーズで発電をするという。これについては、我々が考えている発電所を目指したような大きな発電ではなく、大きさはITER程度だけれども、増殖ブランケットという発電できる機能を持って、いわゆる工学試験を行うというものを、当初の計画では2025年から動かすということをおっしゃっていました。中国はすごい勢いで追い掛けてきているのですが、ただ、トップに出るところで、工学試験炉を造るためには、本当に一番前に行かないといけないですから、それについてやっぱり難しいところがあって、今の時点で5年先送りになっています。
 それと、韓国については、核融合基本法という法律を制定しまして、その法律に基づいて粛々と今開発を進めている。ただ、自分のところだけでというよりも、キャスティングボートを握るような形で、うまい具合に国際協力を組み込みながら、韓国の中で原型炉を造っていきたいということを考えられています。
 アメリカについては、エネルギー源としての開発というフェーズにはまだ至っておらず、飽くまで、基礎研究の段階として位置付けています。ただ、予算規模としては、日本よりも大きいです。
【小川主査】 ありがとうございました。まさにITERは今建設中で、もちろんITER建設が非常に重要ではありますけれども、同時に、その次を見据えて世界的に動いておりまして、報告書の中でもレビューを一応してあります。ただし、ただいま山田先生が言われましたように、ダイナミックに動いていますので、最新の情報をこの委員会でできるだけ提供したいと思っております。
 ほかに何か質問あるでしょうか。
【山田科学官】 堀池先生の質問のうち、半分の答えしか言っていなくて。英語の報告書の方も、そういった方面に既に読んでいただいておりまして、国際会議であるとか、協会のストラテジーを議論するような場にインビテーションはいろいろ頂いています。
【小川主査】 このレポートを英語版にしまして、それを配布しているとのことです。やはり国内だけで議論していては不十分で、国際的に議論する必要があると思います。
 先ほど言いましたように、ITERは国際プロジェクトとして推進しており、原型炉に向けてのBA活動は日欧でやっております。将来的に原型炉をどういう形で国際的にやっていくのかというのは考えなければいけないという意味で、国内のみならず国際的な視野を持って、原型炉をどう進めていくかを考えなくてはいけないということでございます。
 ほかに何か質問等ありませんか。どうぞ。
【高梨委員】 スライドの7ページ、8ページのところですけれども、2の進め方の(1)で、「全日本体制で課題解決に当たる必要」、8ページでは、4の(4)で、「産学官の共創の場の構築」ということに留意すべきであるという御指摘があり、今の段階でこれは必要なことだと思うのですが、現時点でどういったことがこれまで議論されていて、何となくこの場で、あるいは実際動かれている人たちの中でアイデアが共有されてきているのかというのを教えていただけますでしょうか。
【山田科学官】 それがまさにこの後の議題だと思いますけれども、小川先生、どうしましょうか。
【小川主査】 今までの情報でしたらば。
【山田科学官】 今までは、どちらかというと、セクターごとに自分の考えでやってきたというところがあります。それから、まさにこれから我々が取り組もうとしている原型炉というのは、今まで以上の規模のことに取り組まないといけない。それについては、まず決定的に人がどうしても足りません。リソースという言い方をすると、せちがらい話ですけれども、人だけではなくて金も物も十分ではないという状態なので、これをいかに全体として最適化していくか、部分、部分ではなくて全体として最適化していかないと、我々の考えどおりには進まないし外国にも後れを取る形になるという問題意識があるということで、この数年来、そういった議論をしてきています。共同研究等を通じて協力は随分進んできています。それを更に一歩進めようというのが、今日これからの議論だと思います。
【小川主査】 山田先生の資料中、合同コアチームのメンバーを見ていただくと、産学官という意味で、日本原子力産業協会という窓口を通してですけれども、産業界からも入っていただいて、それからもちろん大学、大きな研究機関である日本原子力研究開発機構、核融合科学研究所が入っており、全体を統括するために官の方も関与していただいております。今後はこれをより有効なものとして発展させなければいけないのではないかというコメントだと思います。そういうフェーズに入ってきていると。
 具体的にそれを更に発展させる必要があるという指摘で、どうするかはこの後また議論させていただきたいと思います。
 ほかに何かあるでしょうか。合同コアチームのまとめは、今後の、我々委員会の活動と直結しますので、何かありましたらお願いいたします。
 よろしいでしょうか。また委員会を何度か重ねるに従って、だんだん御理解が進むでしょうから、適宜質問していただければと思います。
 それでは、草間委員、竹入委員、藤岡先生、山田先生、どうもありがとうございました。これで現状の理解、情報交換ということを終わらせていただきたいと思います。
 続きまして、議題4に移りたいのですが、議題4は非公開扱いとなっているため、議事の進行上、議題5を先にさせていただきたいと思います。
 それでは、議題5に関しまして、資料5に基づき、ITERの臨時理事会についての御報告を事務局よりお願いいたします。
【仙波戦略官】 それでは、資料5に基づいて、この3月5日に行われました臨時ITER理事会の結果について御報告をさせていただきます。
 基本的に、ITERは年に2回、6月と11月に理事会を開いて全体の方向性を決めているところではございますが、現在の目標では、2020年に予定されております建設終了に向けての現在の計画の進捗に伴いまして、フェーズが変わったということで新しい体制に刷新するため、今回、臨時理事会を開きました。結果から申しますと、めくりまして4ページ目ですが、機構長を新たに任命いたしました。
 今回、ビゴ博士、これはフランスの原子力・代替エネルギー庁長官をこの1月までされていた人です。この方が次期機構長候補としてふさわしいのではないかという推薦が昨年、選考委員会の方からございまして、それを踏まえて、候補者として挙げたところでございます。フランス原子力・代替エネルギー庁長官を退職し、時期も建設段階に入って、一刻の猶予もならんということで、新しい体制に一刻も早く刷新しようと、この3月5日に臨時理事会を開きまして、新機構長に就任していただいたところでございます。
 それで、これまで率いていただきました本島機構長に対しましては、ITERへのこれまで進めてきていただいたプロジェクトに対する多大な貢献に感謝の意が表されまして、ビゴ新機構長から名誉機構長の称号が授与されたところでございます。そういう臨時理事会が開かれましたことを御報告させていただきます。
【小川主査】 ありがとうございました。
 それでは、今の件に関して、何か御質問等ありましたらお願いいたします。
 ビゴ機構長に代わられたのが3月5日ということで、それから約1か月弱経過しております。分かる範囲で、また公開できる範囲で結構ですけれども、着任以降、どのようにビゴ機構長が動いていらっしゃるのでしょうか。
【仙波戦略官】 先ほどちょっと説明を省略させていただきました3ページ目になりますが、新機構長の方針が示されたところでございました。これはITER自身を進めるに当たって、現在はフランスのカダラッシュに置かれましたITER機構というフランスにある法人と、このITER に協力する全7極、国ではなくて欧州として入っておりますので、極という言い方をしていますが、7つのメンバーそれぞれの担当する機関、日本でいえば日本原子力研究開発機構さんにお願いしているところですが、こういったところとの一体的なチームを作り上げて、プロジェクトを効率的に推進していく体制を作り上げるということが提案されました。それが承認され、それに基づく新しい組織を現在、人選を含めて進めているところでございます。
 現在は、このITER機構と国内機関との一体的なチームの会議を、ユニークITERチームとか、エグゼクティブ・プロジェクトボードとか幾つかの組織を作り上げて、その会議を1回1回開いていき、そこの中で必要なプロジェクトを監視する体制だとか、そのプロジェクトが遅れを生じたときに緊急に対処できるようにというのが上から5つ目の丸に書かれております、リザーブファンドというものを設立するのに必要な手続になります。ITER機構自身が7極の協定で作られておりますので、協定の中で規定されている内容を踏まえながら、こういうリザーブファンドを立てるためにはどうしたらいいか、少し技術的な、法律的な検討が必要な部分も含め、検討を進めているような状況でございます。
 そういったことをやりながら、新しい人を雇っていく、今までいた人の異動に関しても、協定に触れない範囲でどういうふうにできるのか、雇用形態だとか人事異動の体制についても、ユニークITERチームなどを通じて検討しているような状況でございます。
 そういう意味では、この1か月ぐらいで検討結果を出すと新しい機構長はおっしゃったのですが、まだそれが具体的には出てきていない状況でございまして、当極からも、検討の場には日本原子力研究開発機構さんに行っていただいたりしながら進めていますが、これといった方向で紹介できるような成果までは至っていないのが現状でございます。
【小川主査】 ありがとうございました。
 今の資料の、一番下の丸のところに、本年6月の第16回ITER理事会でスケジュールに関する作業の進捗状況、それから11月の第17回ITER理事会で資源割当てスケジュールを策定することを目指す、この辺ではっきり見えてくると理解してよろしいわけですね。
【仙波戦略官】 はい。現在それぞれが担当しているところについての遅れなど、いろいろな場で発表もされておりますが、全体計画自体は順次組み上げていくという作業になりますので、それぞれの重なり部分というか、ゆう度の部分がございますし、手続の順番を変えることによっていろいろな形で吸収できるものもございます。そういうことを精いっぱいやったら、それぞれの若干の遅れというのが全体計画にどれだけのインパクトを与えるのかというのを、まずは6月の段階でどういうふうな形で考えて作っていくか。多分ここでは、どのくらい全体が遅れるかというのは出てこないと思われております。11月の段階で、実際にどのくらい遅れて、その遅れがどのくらいのコスト増とかを引き起こすことになるのか、それから、そういった計画の遅れが全体の実験スケジュール、先ほどITERが我々の原型炉に関しても時を刻む時計というお話がございましたけれども、時を刻むに当たっての様々な形での核融合反応実験が始まる時期がどうなるのかとか、そういったことに関しても、11月には粗削りのものが出てきてくれるのではないかと期待しておりまして、そういった作業を、我々は我々が担当している部分で報告しながら、全体の取りまとめにも協力しているというのが現状でございます。
【小川主査】 ありがとうございました。
 よろしいでしょうか。ITERに関しては非常に重要ですし、ダイナミックに動いていますので、逐次御報告させていただきたいと思います。
 これより議事を非公開とさせていただきますので、申し訳ありませんけれども、傍聴の方々は退席をお願いいたします。

(傍聴者退室)

【議題4:原型炉開発総合戦略タスクフォース(仮称)の設置について(案)】
・原型炉開発総合戦略タスクフォース(仮称)の設置について(案)(資料4-1)については、案のとおり承認され、核融合科学技術委員会から、岡野委員がタスクフォース主査として指名された。また、タスクフォースにおける検討に当たっては、核融合コミュニティ全体を俯瞰(ふかん)するとともに社会科学的側面も視野に入れて進める必要性が確認された。

【小川主査】 それでは、時間も過ぎましたので、本日はこれで終了させていただきたいと思います。ありがとうございました。
 事務局より、事務連絡をお願いいたします。
【中塚専門官】 次回の開催につきましては、改めて日程を調整させていただきます。
 それから、資料4-1のタスクフォースの構成メンバー、回収資料とさせていただいている資料は机上に残してお帰りください。
  時間をオーバーし、いろいろ不手際がございまして、申し訳ございませんでした。どうもありがとうございました。
【小川主査】 それでは、本日はこれで閉会といたしたいと思います。10分程度ですが、時間オーバーして申し訳ありませんでした。本日はどうもありがとうございました。

お問合せ先

研究開発戦略官付(核融合・原子力国際協力担当)

八木・松原
電話番号:03-6734-4163
ファクシミリ番号:03-6734-4164

(研究開発戦略官付(核融合・原子力国際協力担当))

-- 登録:平成27年05月 --