平成30年9月3日(月曜日) 16時00分~17時00分
文部科学省 3階2特別会議室
主査 藤崎 一郎 第一主査代理 牧島 一夫 第二主査代理 角南 篤 専門委員 金山 秀樹 専門委員 木村 真一 専門委員 倉本 圭 専門委員 古城 佳子 臨時委員 知野 恵子 専門委員 続橋 聡 専門委員 中村 昭子 臨時委員 西島 和三 専門委員 向井 千秋
研究開発局長 佐伯 浩治 研究開発局審議官 大山 真未 研究開発局宇宙開発利用課長 藤吉 尚之 研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室長 倉田 佳奈江 研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室課長補佐 原 真太郎 (国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)) 理事 若田 光一 ISSプログラムマネージャ 筒井 史哉 理事補佐 五味 淳 国際宇宙探査センター長 佐々木 宏
国際宇宙ステーション計画や国際宇宙探査を巡る国内外の動向について、倉田室長より資料25-1に基づき説明。
【藤崎主査】 ありがとうございました。
今,ゲートウェイについての御説明があって,7月にアメリカから協力要請があったというお話がございました。7ページと8ページのところでございますけれども,今後,宇宙政策委員会及び本委員会は中身は別として,大体どんなタイムフレームというか,どんな感じで議論を進めていくという点,おおよそのことで結構ですから,ちょっとお示しいただけますか。それを踏まえた上で,委員の方々に御意見をいただいたり,質問を受けます。
【倉田室長】 まずはNASAのほうでございますが, 2022年から電気推進エレメントの打ち上げということで,そう遠くはない,かなり近いところでゲートウェイの建設の推進を計画してございますので,NASAとしましては来年の秋ぐらいにはおよその国際的な分担を決めて,計画をどんどん前に進めていきたいと考えてございます。
他方,先ほども少し触れさせていただきましたが,例えば欧州でございますが,欧州は来年の末に閣僚級会合というものを予定しております。このように各国とも直ちに,やはりいろいろ国内での調整もございますので,各国とも来年の秋ぐらいまで,そういった最終的な予算調整,あるいは政策的な方針を検討というものが必要にはなってございます。アメリカとしましては,来年の秋ぐらいに方向性と決めていきたいというということでございます。
そのような状況を踏まえまして,日本側としましても,先週の金曜日に宇宙政策委員会のほうでも今後の方向性ということが議論されていますけれども,年末ぐらいまでに向けて我々,このゲートウェイの構想について参画の,参画するのかしないか,あるいは参画する場合はどういう内容になるのかといったところについてのことが検討されていくことになるんじゃないかと思ってございます。それに向けて,私どもとしましても今後どういった観点から参画をすることがあるのかといったところにつけまして,ぜひ御議論を進めていきたいというふうに思っております。
【藤崎主査】 ありがとうございました。
委員の方々,今の大きな動きのところについて御説明がございましたので,何かこの際,御質問なり,御意見なり,お願いいたします。
【西島委員】 ゲートウェイでなくてもよろしいですか。
【藤崎主査】 もちろんです,西島先生。
【西島委員】 2ページの国際宇宙ステーションの各国の動向で,欧州の中で,「コロンバス」内に欧州初の商業用研究装置を設置云々とあります。この商業用研究装置というのは,どういう商業化をやったのか,もしわかればということと,それから,この5万ユーロという金額は,JAXAが考えている,民間利用に対する費用の感覚からすると,これは妥当な金額というふうに考えるのか,その辺の感覚は。
【藤崎主査】 ちょっとお待ちください。
一つずつやっていくと時間があれなので,西島委員のほかに,どなたか今,ご意見がある方は札を挙げていただければ。知野委員,どうぞ。
【知野委員】 5ページのゲートウェイのイメージ図のところなんですけれども,色分けされて,アメリカとかインターナショナルとか割り振られていますけれども,その辺の理屈ですが、アメリカはどういうものを自分で行う,どういうものを国際協力でやりたいというように挙げているのか。残されているものの特徴はどういうものなのかを教えてください。
【藤崎主査】 古城委員。
【古城委員】 2ページのところ,国際宇宙ステーションのところですけれども,5極合同ということで,ISSのトランジションWGを組織して,今後のISSの運用,利用に関する議論を開始する予定となっていますけれども,実質的にはいつごろ,これは開始されるのか,おわかりでしたら教えてください。
【藤崎主査】 どうぞ。
【金山委員】 7ページの1番目にアメリカ側からゲートウェイの後に月面ミッションという言葉があるんですが,これは具体的に何を示しているのか,もし可能でしたら,教えていただきたい。
【藤崎主査】 月面ミッションですね。なるほど。向井委員。
【向井委員】 ページ7で質問ですが,アメリカが日本をインバイトしたとあるんですが,ほかの国はどこがインバイトされているんでしょうか。ISSの5極のフレームワークを考えているんでしょうか。それともそれとは違う国が入っているんでしょうか。
また、ページ9で質問ですが、来年の概算要求で,宇宙科学のフロンティアのところで火星は入っていますが,「はやぶさ」や「ASTRO-H」などのミッションの予算は,ここには入っていないように見えるので,それはどうなっていますか。
最後に,「こうのとり」は次世代補給機枠ではなくて,科学的なフロンティア枠に入っているのは,予算枠上のやりくりのための理由でしょうか。
【藤崎主査】 ありがとうございました。
委員。
【木村委員】 すみません,今の質問,向井先生の前半の質問と関連するのですが,お示しし頂いた予算資料の中に,MMXが記載されているんですが,この取り扱いというのは,これまでもこういう形で書かれていたものなんでしょうか。
今回特に,有人を含めた探査の枠組みの中に改めて位置づけられたのか,それとも,もともとそういうふうに位置づけられていたのかという点について教えていただきたいと思います。
もう1点,先ほどゲートウェイが4名で1年間というような話だったと思うんですけれども,その運用のイメージというか,どういう形で使われるのかというのが,もし今の段階でわかるものがありましたら教えていただければと思います
【藤崎主査】 他にもしなければ,それでは倉田さん,よろしいですか。
【倉田室長】 まず最初の御質問ですが,「コロンバス」での具体的な商業利用でございますが,こちらはすみません,今ちょっと私も手元に詳しい資料がないので,よろしければ。今日は持ち帰らせていただき,今後先生方に詳しい資料を送らせていただきたいと思いますが,もしJAXAのほうから何か補足等がございましたらお願いします。
【JAXA筒井プロマネ】 ESAがやっている商業利用というのは,ICECUBESという船内の小さなミッションと,もう一つはバルトロメオという,船外の,JAXAでいうと,JEM曝露部と同じようなタイプのものを考えているようです。使い方は日本と同じように有償で使っていただくと。
費用ですけれども,これは5万ユーロといいますと,おおむね500万,600万といったレベルですけれども,日本が1Uという10センチキューブの衛星放出1利用あたり300万ぐらいというのから考えると,おおむね同様のレベルというふうに考えています。
【藤崎主査】 倉田さん,お願いします。
【倉田室長】 また,ゲートウェイでございますけれども,御質問がありました各国の分担でございますが,NASAが主導で構想しておりますので,米国内の産業界含めた関心事項でございますとか,参加各国の強み,あるいは各国のこれまでの経験を踏まえて,ある程度技術的な検討が進められているというふうに理解をしております。
例えばでございますが,Fのロボットアームは国際宇宙ステーションでもカナダがロボットアームをやりましたけれども,そういった各国等の経験等もございますので,そういったところを生かしながら,この案が示されてきているのではないかと思ってございます。
また,ゲートウェイ関連に関しまして,先ほど7月の日米対話で日本に対して正式な要請があったことを御紹介させていただきましたけれども,こちらも例えばISEF2のときにもアメリカのほうからは,広く各国に対しては参加が呼びかけられたということにはなってございますので,こういう二国間のレベルで具体的にどうかというところまでは,まだこちらも十分には全参加国に確認はできておりませんが,繰り返しになりますが,ISEF2では広く呼びかけそのものは実施されていました。
また,ISSの関係に戻りまして,先ほど2025年以降の取り組みについて,5極間で今後検討ということで,まさに今後検討していくということになっております。まだ具体的なところについては示されていないという状況になりますので,またこちらも動きが出ましたら,こちらの委員会でも報告をさせていただきたいと思ってございます。
行ったり来たりして申しわけございません。あと,ゲートウェイの関係で三つ目のミッションでございますが,こちらの意図するところは,やはりゲートウェイは月を周回しているものでございますので,そことゲートウェイを活用した月面での探査ということの意味を含んでの月面ミッションということの意味合いで書かれているものと承知しています。
また,予算の関係でございますけれども,こちらの御説明が言葉足らずで恐縮でございますが,宇宙科学フロンティアの開拓,553億円のところには,従来のいわゆる宇宙科学,宇宙科学研究所を中心とした宇宙科学が含まれてございますので,ここに特出しはしてございませんけれども,「はやぶさ2」を初めとするサンプルリターンミッションですとか,小型・中規模ですとか,そういったものも全て含まれてございます。
また,こちらのほうは従来,国際宇宙ステーションと宇宙科学を合わせておりましたので,HTVもいろいろな側面があると思いますが,こちらの国際宇宙ステーションに関する取り組みということで,こちらに全て,便宜上計上させていただいておりますが,もちろん産業を含めていろいろな観点もあるかと思いますので,いろいろな観点からも説明していきたいというふうに思っています。
ゲートウェイでの具体的な宇宙飛行士の活動ということにつきましては,まだこちらの詳細については議論が進められていると認識をしておりますが,当面の間はまず組み立てていく必要もございますので,4名の宇宙飛行士が年間30日程度滞在をして組み立てのミッションを行っていくともに,また,月の周回軌道でもいろいろな実験等が行われるものと思います。もちろん規模は国際宇宙ステーションのものに比べて小さくはなりますが,やはりいろいろな実験等も含まれていくものと思われます。
以上になりますが。
【向井委員】 今インバイトされている国は何カ国なんでしょうか。
【倉田室長】 まずISEF2は45カ国参画しているところでございますけれども,また,そういう中で例えば6ページにも少しお示ししました欧州のほうでは,既に参画を念頭に実際に予算措置もしまして,いろいろな技術実証を始めておりますので,恐らくNASAとの間でもいろいろ具体的な話はもちろん進んでいるんではないかと思います。
【藤崎主査】 ISS参加5極というものが選定されているという感じでよろしいのですか。基本的には。
【倉田室長】 ISS参加5極は中心になるであろうというふうに思いますけれども,それ以外の国が現時点で排除されているわけではないという状況です。
【藤崎主査】 それを決めるのはアメリカとISS参加国。
【倉田室長】 そこもどういう形で今後決めていくかというところも含めてになりますけれども,ISSの参加国の枠組みもございますので,そういったところでも今後議論は進められていくものと承知しております。
【藤崎主査】 委員の方々,よろしゅうございますか。
では,以上で議事は終了いたしました。皆様,どうもありがとうございました。来ている記者の方々もぜひこの問題,日本にとって大事なことでございますので,次回会合等もよろしく。
どうもありがとうございました。
(了)
研究開発局宇宙開発利用課