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宇宙開発利用部会 国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会(第17回) 議事録

1.日時

平成28年2月9日(火曜日)14時00分~15時00分

2.場所

文部科学省15階1会議室

3.議題

  1. ISS計画の運用延長への参加の決定について
  2. 平成28年度予算(案)について
  3. 最近のISS・宇宙探査動向について
  4. 当面の小委員会の進め方について

4.出席者

委員

主査  藤崎 一郎
第一主査代理  牧島 一夫
臨時委員  知野 恵子
専門委員  続橋 聡
臨時委員  西島 和三
専門委員  向井 千秋
臨時委員  米本 浩一

文部科学省

大臣官房審議官(研究開発局)  森 晃憲
研究開発局宇宙開発利用課長  堀内 義規
研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室長  鎌田 俊彦
研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室課長補佐  立松 慎也

【説明者】
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
 理事  山浦 雄一
 理事  浜崎 敬
 執行役  伊東 康之

5.議事録

【藤崎主査】 それでは,時間は少し早いのでございますが,西島委員は少し遅れられるということで,第17回国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会を始めたいと思います。
 半年ほど前に第2次取りまとめを行いまして,大々的に卒業式をやって,この方々はこれからしばらくお会いしないのかと思ったら,また皆様とお会いできて大変うれしゅうございます。
 最初に,立松補佐から,この会議の定足数について御報告願います。

【立松補佐】 まず初めに,本日,小委員会委員の変更がございました関係で10名で進めさせていただくこととなります。本日の会議でございますけれども,その10名の委員のうち7名の先生方に御出席いただいておりますので,定足を満たしております。よって会議は成立することを御報告申し上げます。

【藤崎主査】 10名というのは1名…。

【立松補佐】 人数の変更で10名と申し上げましたけれども,これまで11名で進めてまいりました本委員会でございますが,お手元資料の参考資料1に名簿がございますが,渡辺委員が事情により小委員会の委員を辞任されましたので,1名減りまして10名で進めさせていただきます。よろしくお願いいたします。

【藤崎主査】 ありがとうございました。
 では,今度,担当がお二人,新しく替わられましたので,まず,堀内宇宙開発利用課長から御挨拶をお願いいたしたいと思います。

【堀内課長】 まだ替わってそれほどたってはおりませんが,新しく千原の後任で宇宙開発利用課長になりました,堀内と申します。
 学生のとき航空関係で流体力学をやっておりまして,宇宙航空分野に関心が高かったということで,これまで余りこの分野を経験しておりませんでしたが,念願かなってやらせていただいております。よろしくお願いいたします。

【藤崎主査】 昔とった杵柄(きねづか)ですね。どうぞよろしくお願いいたします。
 では,担当の鎌田宇宙利用推進室長,御挨拶をお願いいたします。

【鎌田室長】 昨年の10月1日より,前任の谷の後任としてまいりました,鎌田でございます。
 私,堀内課長と違いまして,バックグラウンドは宇宙の関係はほとんどやったことはございませんので,日々勉強しながら進めております。どうぞよろしくお願いいたします。

【藤崎主査】 どうもありがとうございました。
 では,立松補佐,事務的な御連絡をお願いします。

【立松補佐】 続きまして,資料の確認をさせていただきます。
 お手元の議事次第をごらんいただきたいと思いますが,議事次第の4にございますとおり,資料を11点ほど用意しております。不足等ございましたら,事務局まで御連絡いただければと思います。

(1)ISS計画の運用延長への参加の決定について

【藤崎主査】 議題1から入りたいと思います。ISS計画の運用延長,大変重要な決定が行われたと承知していますが,これについて鎌田室長の方から御報告をお願いいたします。

鎌田室長より,ISS計画の運用延長への参加の決定について,資料17-1-1~資料17-1-5に基づき説明。

【藤崎主査】 先ほど御説明がございましたように,一昨年の7月に行った中間取りまとめの際に,この延長については小委員会としては提言したところでございますので,実現したことは非常に歓迎すべきだと思いますが,本件につきまして,何かご質疑があれば,いかがでございますか。

【米本臨時委員】 今,お話になった6ページの3番,ISSの新たな活用の推進のところの(a)で,日本の非機能物体捕捉技術実証の支援等とあるのですが,具体的にどのような内容なのか教えてください。

【鎌田室長】 この非機能物体というのは,少し表現がわかりづらいものでございますが,デブリのようなものを回収するというような意味で使われてございます。そういう技術の開発の実証の場としてISSを活用していく,というような中身でございます。

【知野臨時委員】 今の6ページのところですけれども,具体的,詳細についてはこれから日本と米国政府の間で引き続き審議されるとありますが,今は全部まだ抽象的,大枠の話のようですが,ここを文科省としてはどのような形で具体化していくのか,それとも文科省はかかわりなく宇宙政策委員会,内閣府で決めていくのか,そのあたりを教えてください。

【鎌田室長】 この具体的な中身につきましては,もちろん技術的なものにかかってくるものでございますので,まずはJAXAとNASAの間で具体的な中身について話し合われることと考えてございます。もちろんその過程で,文部科学省もしっかりとこの取り組みがなされているということを確認してまいりたいとに思っております。

【知野臨時委員】 それをまた内閣府の方に提案されていくという,流れとしてはそういうことでよろしいですか。

【鎌田室長】 はい,状況は報告をさせていただくということを考えてございます。

【牧島第一主査代理】 この延長が決定されたことは大変うれしく,特に日々,ISSを使って研究を行っている立場からしますと非常に有り難いものです。藤崎先生を始めこの委員会の皆様,文部科学省の関係の方々,そしてJAXAの皆様に,この場を借りて,研究仲間の一同になり替わり,お礼を申し上げます。

【向井専門委員】 6ページのオープン・プラットフォームの枠組みですが,JP-US OP3というのは,米国は,欧州,カナダ等の他の国ともこういったバイのものを結ぶ予定なのですか。

【鎌田室長】 こちらにつきましては,まさに日本と米国の2国間の枠組みということで,これがそのまま欧州とかロシアとか,そちらとの関係になるというふうには聞いて…

【藤崎主査】 今の向井先生の御質問は,これはそうですけれど,このような枠組みを米国は他の国とも結ぶのかという,そういうことですね。

【向井専門委員】 そうです。なぜかというと,ISSは,インターナショナル,マルチの協力が主軸なので,こういうバイの協力の枠組みというのがどういうふうに扱われるのかなというので,聞きました。

【森審議官】 私どもとしては,これと同じようなものを,米国がESAやロシアあるいはカナダと結ぶというのは聞いておりません。ただ,今回日本と米国の間でこのような合意をして,日本として延長を決定したということは,欧州等を含めてISSに参加している各国に対して説明をしております。ISSというのはおっしゃったように,ロシアと欧州等を含めた多国間の枠組みとして行われております。そこを活用するということが,より日米間にとっても重要だということをうたったのが今回の合意というふうに理解をしております。

【藤崎主査】 もしかしたら一種のこういうようなたぐいのものは,他の国との間でも結ばれるかもしれないけど,そこのところはまだ何も情報を得ていないと,こういうことでございますよね。

(2)平成28年度予算(案)について

【藤崎主査】 第2議題に入りたいと思います。
 平成28年度予算ということで,鎌田室長より御説明いただきたいと思います。

鎌田室長より,平成28年度予算(案)について,資料17-2-1~17-2-3に基づき説明。

【藤崎主査】 この予算は,HTV-Xがもう入っているわけですね。

【鎌田室長】 はい。

【藤崎主査】 なるほど。若干の増額であると。今後,この部分はもう少し伸びるわけでございますか。

【鎌田室長】 はい。今後,開発のフェーズが進みましたら増えるということは想定内でございます。

【藤崎主査】 なるほど,わかりました。新規が大分あるようでございますが,新規についてもう少し御説明いただけますか。この四つ御座いますね。今のHTV-Xの他に,先進レーダ衛星とか,月着陸実証機とか,宇宙ステーション補給機とか,どういうことをやっておられるかということを。

【鎌田室長】 それでは,資料17-2-2の3ページ目の真ん中でございます。次期技術試験衛星,これは新規のものでございます。こちらにつきましては,ここに書いてございますように,静止通信衛星市場の大容量化,それから多チャンネル化が進んでいるという状況を踏まえまして,我が国の国際競争力を強化するために,衛星重量の半減による打ち上げコストの大幅の低減や,オール電化というようなことの開発を目指しまして,次期の技術試験衛星として開発するものでございます。
 それから,その下の先進レーダ衛星でございますが,こちらにつきましても,これまで陸域観測技術衛星2号「だいち2号(ALOS-2)」というもので運用してきた技術を,更に広域・高分解能センサ技術を発展させたものとして開発を進めるというものでございます。1億円ということでございます。
 それから,5ページ目でございます。今説明申し上げましたHTV-Xの予算でございますが,こちらは現行の宇宙ステーションの補給機「こうのとり(HTV)」に改良を加えて,以前,小委員会でも説明させていただきましたけれども,輸送コストの大幅な削減を実現するとともに,様々な宇宙の基盤技術の獲得を目指して開発をするというものでございます。
 それから,小型月着陸実証機でございます。こちらにつきましても,小委員会の方で推進するということを昨年の2次取りまとめで記載いただきましたところですが,我が国初めての月面着陸機というところで,ピンポイント着陸ということに技術の焦点を当てて,月の着陸を目指すというものでございます。
 それから,先ほど説明を申し忘れてしまいましたが,昨年の小委員会の取りまとめの中で,火星の衛星サンプルリターン,こちらにつきましても調査研究ということで新規に1億円の予算が計上されてございます。
 以上でございます。

【藤崎主査】 今の新規のほかに,大分増額されている気候変動とかジオスペース探査衛星等がございます。これだけ増えたものや新規がありますが,どういうところを特に調整されたのですか。

【続橋専門委員】 今の藤崎主査の質問とちょっとダブるところがあるのですが,概算要求は20%以上の増額要求でしたが,結果的に前年並みとなりました。要するにプロジェクトはみんな入っているけど,少しずつカットされて何とか収まっているという,そのような理解でよろしいのでしょうか。

【藤崎主査】 まとめて御質問を伺った方がいいと思いますので,ほかにいらっしゃれば。

【牧島第一主査代理】 どこがマイナスになったかという主査の御質問ですが,多分, ASTRO-Hほか,今年度で終わる幾つかのプロジェクトがあり,それらの項目が落ちた分,新しいものが入ったのだろうと思います。確認ください。

【向井専門委員】 先ほどのパートナーシップ・プログラムの枠組みでは,日米協力とアジア地域の協力,そして新たな活用という三つなので,従来のISSを利用して科学研究という従来の目的から,目的が幾分シフトしているように思います。しかしながら,資料17-2-3を見てみても,2ページ目の事業イメージでは,ISSでは実験を行っているので,今後計画される実験準備,装置等の開発,あとは訓練等が説明されています。ISS成果として科学技術の成果が今後もどうしても求められると思うので,今回の目的のシフトに対して科学技術にはどのくらい力を入れようと思っているのかを伺いたいと思います。

【藤崎主査】 わかりました。他にもしなければ,まとめて回答いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【鎌田室長】 先ほど,御指摘いただきました予算の点につきましては,牧島先生も御指摘いただきましたとおり,終了するプロジェクト等がございますので,その分につきまして新しいプロジェクトを開始しているという部分がございます。
 それから,科学技術の成果,「きぼう」の利用につきましては,昨年,行政事業レビューもございましたけれど,やはり科学の成果としてのアウトプットをしっかり出していくということが国民からも期待されているところでございます。「きぼう」の運用の予算につきましては,基本的にやはりしっかりと出していくということで,これまでと同程度の予算を確保していくということで予算上では計上しているところでございます。

【堀内課長】 予算の関係で終了プロジェクトの分とかありますが,いろんなところで合理化などしてやりくりしておりますが,やらなければいけないプロジェクトがあって,そのために何か潰してということはしておりません。新規のものを要求するときにはしっかり,例えば先進レーダ等について要求するのですが,新規の予算については,最初の年ですので査定をしっかり受けます。
 政府全体とか科学技術関係全体とかそういう水準からすれば,その水準にほぼ合った形ぐらいのレベルの予算が確保できているということにはなってございます。

【JAXA(浜崎理事)】 向井委員の御質問にお答えしたいと思います。
 JEMは重要でございますけれども,米国と共同でというところの仕組みは主に科学でございます。JEMの中の半分は,協定上米国が使う権利があるわけですが,その中の設備が必ずしも現時点で有効に使われていない。特に日本だけが持っている機能等について,米国のユーザーについて,まだ認知度も必ずしも十分じゃないというところから,そこはJAXAとNASAでもって共同で米国のユーザーを更に掘り起こして使っていこうというのが,一つ目のアプローチです。
 二つ目は,日本の装置それから米国の装置,各々違うものがありまして特徴があるわけですが,これまでは自分で開発した装置を自分で使うということで,相互利用というのが限られておりましたけれども,これをもっと大々的に進めようというのが,二つ目のアプローチです。これによりまして,これまでも枠組みはあるんですけど,余り使われていなかったところを,日本のユーザーも米国の装置を相互に使い合おうということで,大きくコストは増やさずに科学成果を高めようというアプローチです。
 それから三つ目,アジアとの間の協力ですが,これは未知数でございまして,日本と米国の共同でアジアの諸国が興味あるところ。現時点では,特に超小型衛星の打ち上げ等に興味を持ってきた。ただ,ライフサイエンス実験等は余り大きな興味はアジア諸国から示されておりませんけれども,その国に対しても共同で啓蒙(けいもう)活動から始めて,徐々に増やしていこうというのが全体の考え方でございます。

【米本臨時委員】 先ほどのオープン・パートナーシップ・プログラムのところでもう一つ聞きたいことがあります。小型回収カプセルを使用する可能性について議論することを含むということになっていますが,そのことで日本のスタディが発生すると思います。この予算に組まれていて、既にスタディが始まっているのでしょうか。状況を教えていただけますか。

【JAXA(浜崎理事)】 小型回収カプセルにつきましては,既に研究開発を進めておりまして,HTVの7号機で最初の実験をする計画になっております。カプセルにしても,「こうのとり」の中に付加する,大きさが170キログラム程度の小型カプセルで,主に材料実験あるいはライフサイエンス実験,たんぱく質実験等の小さな試料を回収するためのものでございます。
 ということで,余り大きなものではないので,予算としても既についている範囲の中で実施が可能でございます。
 それについて,今回米国と協力をして,米国側でもそれが使えるだろうということで,米国と共同で利用の可能性を探ることと,場合によっては,米国の補給機の中にそれを入れて回収をするということで,回数を増やすことも含めてスタディをしようということでございます。

【米本臨時委員】 最初は,実験機としてスタートし,実用機の場合は,大型化する可能性もあるということでしょうか。

【JAXA(浜崎理事)】 今のところは,カプセルを今ある補給機の中に入れるということで,運ぶときにもラックの中に入るサイズということでサイズは決まっています。
 ですから,現時点で大型化するのは計画に入っておりませんけれども,昔,検討していたHTV-Rと言うHTV全体を回収するものの5分の1のスケールモデルに大体相当した大きさです。ということで,技術的に共通項目もありますので,将来,大型化するとなったときに必要な技術データはとるようなことは配慮しております。

(3)最近のISS・宇宙探査動向について

【藤崎主査】 第3議題の最近のISS・宇宙探査動向について,鎌田室長よりお願いいたします。

鎌田室長より,最近のISS・宇宙探査動向について資料17-3に基づき説明。

【藤崎主査】 今御説明いただいたASTRO-Hは,牧島先生がシニアアドバイザーでいらっしゃいましたよね。

【牧島第一主査代理】 ありがとうございます。おかげさまで,私の教え子や後輩を含め,多数が種子島に出張しており,またロケットが上がった後の人工衛星の受信を行うため,鹿児島県内之浦でも別部隊が現地に詰めています。そこからの情報では,今のところ順調に打ち上げ準備が進んでいるようで,皆様の御支援にお礼を申し上げます。
 あとは,天気がちょっと気になります。11日は良いのですが,12日の後半にかけて高気圧が去ってしまいます。13日はかなり悪天候が予想されるので,12日が駄目だと13日も駄目で,しばらく後になる可能性があります。

【藤崎主査】 今,鎌田室長の方から広範にわたりまして,油井飛行士から大西飛行士までのいろいろなプロジェクトについて御説明ございましたが,いずれでも結構でございます。

【西島臨時委員】 遅刻して申し訳ございません。
 秋のレビューについて2点質問です。まず2番目の,今後は投入予算に見合った科学的成果ということですが,この投入予算というのは,宇宙のこの部分の100億円だ200億円だというようなものに対する投入予算に見合った科学的成果ということではないと思う。例えば,東京大学の科学的成果というとき,東京大学の建物維持とか光熱費とか,それからそういう固定資産をもって科学的成果ということはうんぬんしないで,東京大学の教授が各々もらってきた科研費あるいは競争資金というものを合算して,それに見合った成果というもので,そういう切り分けをしっかりしないと。宇宙に関わる研究者がどれだけ頑張っても,これによる投入予算を100億円だ200億円だというような数字だけが一人歩きしているようでは,科学的成果というものを公平に判断しているとは言えない。投入予算の方の例えば8割は利用可能な宇宙環境場を形成するために必要であって,2割の部分が要するに科学的成果を生み出す直接的な予算ということをはっきりしておかなきゃいけない。それでも,8割の宇宙ステーションの維持を持つということは,いわゆる工学的見地とか重化学工業的意義とか,それから独自性とか最先端性とかの我が国の工業界,産業界全体にプラスになったということはもちろん言えるだろうし,それから教育的見地もあるだろうし,何よりも科学技術立国としての立ち位置,そういったシンボリックとかそういったものに影響する。この辺をしっかり明示しないと,国民もいつもこういう数字が新聞に出ると,それはそうだなと思ってしまう。そこははっきり,どこかで仕切り直さなきゃいけない。
 それから3番目ですけれども,「きぼう」を利用した研究の成果については,単なる論文数でなく,論文の被引用数,高被引用論文数などの研究の質を表すって,目標についてじゃなくてこれは成果じゃないですかね。研究の成果についてでしょう,これ。目標についてこんなことを言われる筋じゃないので。
 そして,もしこれを成果とするならば,「きぼう」だけではなくて,ほかの競争資金についても,単なる論文数を示すということにとどまってはいけない。文科省としては成果については,例えば「きぼう」だけじゃなくて,SPring-8であり,スパコン系であり,それについて研究の質を表す指標はかなりあるというものについて言い及ぼすべきでしょう。特別「きぼう」だけに対してこういうふうなことを言われるというのは,隙(すき)というか,論点を持たれるのはいかがなものかという気がします。

【藤崎主査】 他にございますか。今いろいろなことがございますが,この秋のレビューについてという,行政改革推進本部の単位に絞りまして,何か他にコメントがございますか。

【向井専門委員】 西島先生の御意見に賛同します。投入予算に見合った科学的成果と一くくりにされて,この見合った科学的成果を,私とか西島先生のような科学関係者が説明をする立場に立たされます。費用のほとんどは運用費用で,施設の維持や宇宙飛行士の訓練,機材開発に使用されます。それらの機材を使用して研究する研究資金は決して多くありません。
 例えば欧州等は,研究資金が宇宙ステーションでの研究のみならず,宇宙関連の地上研究に対しても, EU諸国から予算が出ます。論文数がすべてではありませんが,少なくとも論文の数は日本に比べると,3倍くらいの量で出ています。日本は滞在時間が世界3位ですが,1位の米国,2位のロシアが格段に多いから3位といっても差があるにしても,滞在時間3位の国が出すべき科学成果を出す努力に対しての支援をもっとするべきと思います。

【知野臨時委員】 今の関連ですが,「きぼう」の場合,かかる費用のかなりの部分がHTVとロケットの打ち上げに使っているとは思うのですが,ただ,やはり外から見ていると,その金額が研究成果に見合うのかというところに結びついてしまいます。必要なのは,ここでも指摘されていますけれども,その実験を「きぼう」で行う必然性があったのかどうかという,そこのところだと思います。必然性のないものまで「きぼう」でやっているのではないかとか,むしろ地上で実験した方が成果が出るものもあるかもしれない,そういう意味で費用対効果を言っていると思いますので,やはりここをもうちょっと明確にしていくことが必要なのではないかと思います。

【藤崎主査】 今御指摘の点もございますが,この同じパラグラフの冒頭に「きぼう」の研究については,内容は評価というより研究結果の広報であるという言い方をされていて,恐らくそれが行政改革推進本部の見方でありましょうから,こういう点をもう少しこうするようにという御議論が行政改革推進本部にあるんだろうと。だから,これは文科省の見方というよりは,行政改革推進本部がこういう御指示をされているということで,ちょっとコメントしにくいのかもしれませんが,もし御意見があれば御説明いただけますか。

【鎌田室長】 ありがとうございます。御指摘のとおりでございまして,この分析の方は行政改革推進本部の方でございますので,なかなか我々が思うような形で直せないというのはまず事実関係としてございます。
 他方,確かに投入予算に見合ったと,それをそのまま評価するというのは,実際非常に難しい部分がございますので,ここの文脈といたしましては,やはりその内容,プロセス,評価結果をしっかり評価して透明化をするということ,ここに力点が置かれているというふうに解しているところでございます。その観点の一つとして,やはり費用対効果というか,そういうのもちゃんと考えながらやっていくということで理解してございます。
 また,先ほど「きぼう」を利用した研究の目標のワードでございますけれども,こちらは毎年,行政事業レビューシートというものを作成してございまして,そこに「きぼう」の研究の目標を書く欄があって,そこに論文数というのを書いているという関係で,目標というワードになってしまっているということでございます。

【藤崎主査】 ありがとうございました。
 もしよろしければ,本件につきましてはいろんな過程でこれから御議論になる方針であろうと思いますが,次の議題の,当面の小委員会の進め方について入りたいと思います。

【向井専門委員】 3ページの国際有人宇宙探査に関して質問です。これまで,小委員会の名前を,国際宇宙ステーション・国際宇宙探査で,有人と明記されていませんでしたが,これは宇宙基本計画の改訂で有人を明記したという理解でいいですか。
 国際有人宇宙探査で工程表はできているし,ISEFの話も進んでいるので,この小委員会の名前も有人を入れた名前に変えてもいいのではないかと思います。
 また,ISEFは開催国が日本なので,もう少し自主的で主導性を持った書き方をするべきと思います。各国の動向を見ながらとりあえずやってみようというような意味合いにしかとれない書き方なので,もう少し強気に書いていただきたいなと思います。
 以上です。

【藤崎主査】 失礼いたしました。私も先ほど,この秋のレビューについてのところを議論して,他のところをちょっと議論いたしまして次の議題に移ろうとしましたが,他の点について,最近のISS・宇宙探査動向について御提起があれば,今の向井委員の御提起もありましたが,ほかの方々からも,この文書のほかの部分について何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは,今の向井委員の御提起の,有人というところについて御説明いただけますか。

【鎌田室長】 この宇宙基本計画におけるこの表現でございます,有人と使っている表現につきましては,この宇宙基本計画は昨年の1月にできましたが,当初からこういう国際有人宇宙探査という書き方にしておりまして,それがそのまま進んでいるというものでございます。ほかは宇宙基本計画全体のスコープの中で,有人がない宇宙探査だと科学も含む広い概念で,あえて内閣府の方では有人という形で書き分けようとしたということだろうと理解しております。
 本委員会につきましては,国際宇宙探査小委員会でございますが,これは基本的に有人だけではなく,国際宇宙探査,昨年お取りまとめいただいた2次取りまとめでも,有人でない部分につきましても御議論いただいたと承知しておりますので,名称につきましてはまた検討させていただいて…。

【藤崎主査】 今の御質問で,有人以外のものももちろんあるわけでございますが,有人については一応進めていくということについて,文科省だけでなく,内閣府全体として認められたのかどうかという点についての確認を今頂いているだろうと思いますが,その点はそういうことでよろしいわけですか。

【鎌田室長】 工程表にこういう書き方ではございますけれども,明記されているということでございます。

【向井専門委員】 ですから,そうであれば,内閣府の宇宙基本計画にも入っているのであれば,そのもとで仕事をする文科省は,もっと強気にここのところを出していいんじゃないでしょうか。一応,上のところの親委員会でオーソライズされているわけですから。

【藤崎主査】 今の文科省の御議論は,有人はもう内閣府で認められたけど,それ以外のものもあるので,こういうもっと幅広い形にしているので,決して強気でないわけではないという御説明でございますか。今の向井委員の御議論と…。

【森審議官】 宇宙基本計画でも,宇宙科学・探査,有人宇宙活動という項目があって,そういった検討をしているところでございますが,この下のところの成果目標のところにございますように,他国の動向も十分に勘案しながら,その方策や参加の在り方について慎重かつ総合的に検討を行うということになってございます。ある意味では,宇宙基本計画においても具体的な方向性が出ているわけでもないということはございます。
 私どもとしては,有人それから無人による探査を含めて,総合的に宇宙探査の在り方を検討していただく。そういう立場でこの小委員会をお願いしてございますので,有人は一つの大きな要素でもございますが,これまでも御議論いただいたように,幅広く議論をしていく。その中で有人の位置づけというのも含めて検討していただくというのが,この委員会ではないかと思っております。

【藤崎主査】 今の森審議官の御説明だと,この3ページの27のタイトルに「国際有人」と書いてありますが,むしろ中を見ると全然有人は書いていないと。中の方を見ると全体のことしか書いていないので,そこがどうも齟齬(そご)を来しているように見えるという御議論なのかもしれませんけど。

【向井専門委員】大学で学生と話をしていると,日本が有人探査に関してビジョンがないことを強く感じます。工程表は予算の裏付けが必要ですが,ビジョンは月や火星を含んだものを出すべきと思います。月や火星をターゲットとしたとき,周辺技術として日本がどのくらいのケイパビリティがあるのか,今の若い人たちに何が期待されているのかという夢を描くべきと思います。若い人たちからすると,今の宇宙政策は目的地のない漂流船みたいなもので,宇宙に夢を馳(は)せることができないのです。

【米本臨時委員】 今,向井委員がお話しいただいたことは,この委員会が始まったころに私も大分意見を言わせていただきました。日本が国際有人宇宙探査船に乗るのであれば,日本も有人宇宙探査計画のシナリオを定め,また明確な方向性を持って望まないといけないと思います。そのシナリオの中で,国際協力としてどのような立場を占めていくかというビジョンが必要です。このようなシナリオがないと,恐らくどのような会議に出て意見を述べても,諸外国から日本は本当に何をやりたいのかという雰囲気になってしまいます。したがって,もっとそのような方向の議論をしましょうという話しだったと思います。しかし,そのビジョンがなかなかわからないし,自ら有人という切り口で話を進められないという雰囲気になって,次第にトーンダウンしてしまいました。そして,今回の委員会の資料で,再び有人という言葉が出てきたので,さあどうしようかという状況ではないかと思います。
 将来本当に日本独自の有人宇宙輸送が実現できる,できないという議論はあるかもしれませんけが,やはり向井委員の言うように,どういう有人宇宙輸送のビジョンを持って日本は今後進むのかということを示していかないといけないと強く思います。

【森審議官】 そういうこともございまして,これまでもこの委員会では,昨年の取りまとめに向けても御議論を頂いたわけでございますけれども,次の議題のところにございます,当面の小委員会の進め方(案)でお示しをしてございますが,今後,我が国としても国際宇宙探査の方策や参加の在り方等について更に御議論を進めていただきたいというのが,私どものお願いでございます。

【藤崎主査】 では,本件について,今,向井委員,米本委員からも御提起がございましたが,本件は大事な点でございますので引き続き議論を続けることにいたしまして,当面,次の議題に移ってよろしゅうございますか。
 では,今,森審議官からございました,当面の小委員会の進め方というのについて,鎌田室長の方からお願いいたします。

(4)当面の小委員会の進め方について

鎌田室長より,当面の小委員会の進め方について資料17-4に基づき説明。

【藤崎主査】 どうもありがとうございます。これにつきましては,引き続きこの委員会でしっかりまた議論を進めてまいりたいと思いますので,これについては今ここで議論は控えまして,もし委員の方々の御同意が得られれば,実質的な議論はここで閉会といたしまして,事務的な報告につきまして,立松補佐の方からお願いいたします。

【立松補佐】 最後でございますけれども,会議資料と議事録の公開について御案内申し上げます。
 宇宙開発利用部会の運営規則に基づきまして,本日の会議資料は公開となりますので,後日,文部科学省のホームページに掲載させていただきます。また,議事録につきましても公開となりますので,委員の皆様に御確認いただいた後に,文部科学省のホームページに掲載させていただきますので,よろしくお願いいたします。
 また,次回の会合の日程でございますけれども,後ほど,事務局より調整させていただく予定にしておりますので,よろしくお願いいたします。
 以上です。

【藤崎主査】 ありがとうございました。
 もし委員の方々,御異存がなければ,以上で閉会といたします。
 どうもありがとうございました。

(了)

お問合せ先

文部科学省研究開発局宇宙開発利用課

(文部科学省研究開発局宇宙開発利用課)

-- 登録:平成28年03月 --