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宇宙開発利用部会 国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会(第15回) 議事録

1.日時

平成27年5月20日(月曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省 3階2特別会議室

3.議題

  1. 今後の「きぼう」利用について
  2. 共通システム運用経費(CSOC)について
  3. 第2次取りまとめ(骨子案)について
  4. その他

4.出席者

委員

主査  藤崎 一郎
第一主査代理  牧島 一夫
第二主査代理  角南 篤
専門委員  古城 佳子
臨時委員  知野 恵子
専門委員  続橋 聡
臨時委員  西島 和三
専門委員  向井 千秋
臨時委員  米本 浩一

文部科学省

研究開発局長  田中 正朗
大臣官房審議官(研究開発局)  森 晃憲
研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室長  谷 広太
研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室課長補佐  神部 匡毅

【説明者】
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
 理事  浜崎 敬
 理事  常田 佐久

5.議事録

【藤崎主査】 それでは、時間になりましたので、第15回会合を開催いたします。では、神部補佐、よろしくお願いします。

【神部補佐】 事務局より御連絡をさせていただきます。
 まず、本日の小委員会でございますが、本日は9名の先生方に御出席いただいておりますので、運用規則に定める定足数を満たしております。よって、会議として成立していることを御報告いたします。
 続きまして、資料の確認をさせていただきます。お手元の議事次第をごらんいただきたいと思いますが、議事次第の4にございますとおり、資料を5点ほど用意しております。不足等ございましたら、事務局まで御連絡いただければと思います。
 また、参照用としまして、ファイルにとじております資料を机上用配付資料として用意しておりますので、こちらも会議の途中で適宜御参照いただければと思います。

【藤崎主査】ありがとうございました。
 それでは、最初の議題に入ります前に、最近の動向、プログレス補給ミッションの問題、あるいは、ISS計画への影響等について、JAXAの方からお願いいたします。

JAXA(浜崎理事)より、プログレス(59P)補給ミッション失敗と国際宇宙ステーション(ISS)計画への影響について参考資料1に基づき説明。

【藤崎主査】 ありがとうございました。今御説明いただいた2ページの(2)の今後の補給計画、交代計画への影響というのは、基本的には22日の最終報告を見た上で調整され得るとりあえずのものであると、こういう理解でよろしゅうございますか。

【JAXA(浜崎理事)】 はい、おっしゃるとおりでございます。22日の判断によってこれは変更されます。

【藤崎主査】 委員の方々、何かご質問等はございますか。

【牧島第一主査代理】 プログレスの打ち上げ実績は、57回成功というのがありますけれども、これはプログレスの方であって、今回の問題はむしろロケットのソユーズ2.1aの方にあったのだと思います。ソユーズ2.1aの打ち上げ回数と、成功・失敗の実績はどうなっていますか。

【JAXA(浜崎理事)】 まだ原因が確定されておりませんので、ロケットなのかプログレスなのか最終確定はまだ出ておりません。それがまず事実として1点。

【牧島第一主査代理】 回数はわかりますか。

【JAXA(浜崎理事)】 すみません、ちょっと調べて後ほど御報告します。

【米本臨時委員】 第3エンジンというと、ロケット側のエンジンではないでしょうか。したがって、プログレス補給船システムのフェイラーではないと思います。

【JAXA(浜崎理事)】 プロトンMの打ち上げ失敗は3段が原因なのですが、プログレスを打ち上げたソユーズについてはまだそこまで確定されておりません。もちろんエンジンの可能性もございますが。最初の事象としてはタンクの燃焼終了後と。これは事象でございますので、もしかすると元の原因がプログレスにあったということも、直接はまだ出ておりませんけれども、可能性としては完全に否定はできないということで申し上げました。

【米本臨時委員】 ロケット側の問題だとして、今後の有人飛行においてこのようなフェイラーモードが生じた場合、宇宙飛行士は救えるのでしょうか。

【JAXA(浜崎理事)】 まだ事象とフェイラーモードが確定されておりませんので、短絡的なことは申し上げられないと思いますが、このままだと対応するには難しいかなと思います。

【藤崎主査】 ありがとうございました。22日に最終報告が出された後、改善についてとか今後こういう問題がないようにするための方策についての検討が行われ、その発表もあった上での判断ということでございますか。

【JAXA(浜崎理事)】 基本的な考え方は、22日に原因究明結果とそれに対する対応策、それも含めて確定して、それの処置が完了する時期を含めて発表されるということになります。その場で極力出るはずですが、これは想像ですけれども、場合によると一部分についてはもう少し時間かかかって、2段階になる可能性もあると思います。

【知野臨時委員】 ISSの物資補給の打ち上げですけれども、去年の秋に米国のベンチャー企業が失敗しています。今度はロシア側がまた失敗ということで、今、影響はないというお話ですが、前回の失敗のときもそういうふうにうかがいました。物資補給船は年に何回打ち上げられて、何回ぐらい失敗しても大丈夫というか、どのぐらい余裕があるものなのでしょうか。

【JAXA(浜崎理事)】 物資の補給計画はデイリーにかなり入れ替えております。例えば、種子島でも「こうのとり」の物資を積んでおりますけれども、大きなものは先に積んでいますが、まだ積んでいないもの、レイトアクセスと言いますが、なるべく最後まで積まないように余裕を残しております。そういうところの吸収代が各宇宙船にありますので、そういうところをなるべく確保しながら、かなり柔軟に入れ替えているのが現状です。
 打ち上げ計画自体も米国の打ち上げを含め柔軟に入れ替えて対応している。ISSへの補給回数は、年度の打ち上げ機数とか間隔もかなりバラエティがありますが、大体年間で10機ぐらいです。

(1)今後の「きぼう」利用について

【藤崎主査】 それでは、第1議題に入りたいと思います。議題は、今後の「きぼう」利用ということです。実は前回の会合では、時間の配分の関係上、資料の説明ということだけで、質疑応答に入れませんでしたので、質疑応答をメインにお願いしたいと思います。
 まず、前回の小委員会において実施した有識者ヒアリングのサマリーについて、谷室長よりお願いします。

谷室長より、前回行われた有識者ヒアリングのサマリーについて参考資料2に基づき説明。

【藤崎主査】 本件については先般も質疑応答はしたところでございますので、引き続きまして、JAXAの方から、「きぼう」の利用について、浜崎理事、お願いいたします。

JAXA(浜崎理事)より、今後の「きぼう」利用について資料14-1-4に基づき説明。

【藤崎主査】 どうも改めてありがとうございました。それでは、委員の方々から御質問あるいは御意見の提示をお願いいたします。

【西島臨時委員】 創薬の部分についてオールジャパンで取り組むという意思での、「きぼう」の立ち位置を御説明されて、全体として大変わかりやすくなっていてよろしかったのではないかと思います。参考資料2を受けまして、この分野に少しかかわる人間として誤解がないように少しお話したいと思います。
 膜タンパク質の結晶構造解析がブレークスルーに重要だということは間違いないです。国も民間企業も、ヒト由来の疾患関連膜タンパク質の構造解析を実施すれば、従来にない、いわゆる酵素等にターゲットを絞っていたような疾患の薬が、より本質的な治療につながる膜タンパクという部分についての疾患対策になっていて、薬剤の標的が変わるということで、治療効果も抜群に違うことが期待されます。これは高血圧治療の方で既に実証されていることでして、これは揺るぎないと思います。膜タンパク質の結晶構造解析は確かにある程度の大きさが必要ですが、例えば参考資料2で言っている膜タンパク質も大型のものが欲しいというのと、中性子線の大型結晶というのは全く次元が違います。書きぶりですけれども、どちらが優先するかは、小さくても高品質な結晶を得るという膜タンパク質の技術が優先して、大型というものについての経験を積んで、中性子線に耐えるような大型結晶の生成に取り組むことが重要だと思います。
 というのは、私の知る限りでは、国のプロジェクトあるいは製薬会社が中性子線の構造解析のために膜タンパク質の大型化を目指すということはまだ少し早過ぎると思います。例えば、膜タンパク質のX線構造解析の場合は立方体結晶の1辺が0.1 mm前後でいいのですが、中性子線の場合は1 mm前後です。立方体の1辺が十倍違うということは、体積レベルでいうと千倍違います。ということは、発現レベルは数千倍違うということです。
 ということは、金額で言えば100万のものが1000万、2000万、3000万ぐらいかかってもおかしくない世界ですから、そういう意味ではなかなかそこにいけない。その辺のところが、膜タンパク質の結晶構造にも大型化が必要という書きぶりがちょっと見受けられるのがいかがかなという気がしました。それから、どちらが優先するのか、まず膜タンパク質の高品質結晶取得によるX線構造解析が優先して、中性子線用の結晶構造解析は進めるのだけれども、優先度はその次であるというポジショニングが必要なのではないかというふうな印象を私は持ちました。
 それから、3ページ目のところです。細かい点なのですが、上から2番目、「加齢や老化に伴うメカニズム」ですが、加齢と老化はどう違うのかなと。普通は老化か加齢かどちらかですよね。エピジェネックスということを考えるのであれば、加齢に伴う老化とともに、環境変化や生活習慣に伴う変化というものが重要なのかなと思います。というのは、宇宙環境でのエピジェネックス、エピゲノム変化というものを追うときには、宇宙環境の中で加齢化現象が加速されることも重要ですが、宇宙環境という特殊な状況の中でのストレスというような環境変化というもの、その両方を取り込んでいく。それが後天遺伝と言われているエピゲノムの解明に重要であるということを強調すべきだと思います。
 更に強調すべきなのは、前回の山本先生のお話の中でもありましたけれども、まず疾患モデルマウスを宇宙で使えるような状況を整えるということです。例えば10ページの疾患モデルマウスの実験を開始することが重要であって、既に採取されている、あるいは、これから採取可能な宇宙飛行士の飛行前・中・後の血液などを採取することで、動物と人から採取することにより、地上でも新薬の必要、いわゆる試験管から、動物実験を必ず伴って、その成果をもってヒト疾患の方に持っていく。このプロセスに乗せられるということが重要です。そういうプロセスをここですることを強調することも重要かと思いました。

【藤崎主査】 この点について浜崎理事の方からございますか。

【JAXA(浜崎理事)】 御指摘ありがとうございます。特に膜タンパクのところにつきましては、確かに記述が入れ子になっておりますが、御指摘の点を踏まえて再整理をさせていただきます。
 それから、加齢と老化、私どもは余り区別せずに一般用語として並べて使っておりますので、そこも少し整理を考えたいと思います。
 それから、御紹介がありました生活習慣、ストレスにつきましても取り組んでおります。この資料にはスポッと抜けておりましたので、そういう点も含めて今後の資料等で明確化していきたいと考えます。
 ありがとうございました。

【牧島第一主査代理】 ここに書かれていないことでコメントします。「きぼう」利用で一つ大きなネックになっているのは、利用者から見て、自分たちは一体いつ乗れるのか見えないことです。これは、「きぼう」を使おうとしているいろいろな人から聞きましたし、私自身も理研とJAXAの間に締結された「きぼう」利用に関する協定が、遅々として進まないという苦い経験をしています。
 例えて言うと、街角に宇宙に行く特殊なバス停があるとします。普通のバスと違って、このバスはまず時刻表がないので、いつ乗れるかわからない。どこで切符を買えばいいか、運賃が幾らかもわからない。自分は大きな荷物を持っているが、それが許されるのかどうかもわからないし、定員がどのぐらいになるかわからない。自分は都合で一つ後のバスにしたいが、ここで一台を見送ったら次は乗れるのか乗れないかもわからない。そういう状態です。
 JAXAの方は気づいておられないかもしれないのですが、ユーザーからすると、この点が非常にネックになっています。そういうユーザーフレンドリーな視点を強化するよう、公募や採択の仕方を根底から見直していただかないと、「きぼう」は続かないと思います。
 今まで船外プラットフォームと船内利用の公募がいつ、どのような形でなされ、何件中からどういうプロセスで何件が選ばれたのでしょうか。またそのときに、今回ではなくて、その次の公募がどうなるという見通しが、どのぐらい利用者に伝わっていたでしょうか。今日でなくて結構ですけれども、そのあたりの情報を整理し、見直していただきたい。これは研究者に対しても民間に対しても、当てはまります。その辺のやり方を根底から見直すということが絶対不可欠だと思います。

【藤崎主査】 大変わかりやすい説明をありがとうございました。何かJAXAの方からございますか。

【JAXA(浜崎理事)】 私どももそれは気づいているかと言われたら気づいておりまして、御指摘の点について最大の努力を図りたいと思います。
幾つか事情という面で申し上げると、特に実験の場合にクルータイム、クルーの時間がどれだけ、いつ確保できるかというのが読めない。それから、1回実験をしてみないと、そのクルータイムが10分で終わるのか20分かかるのかわからない。しかも、例えばISSの機器が何か一つ故障してしまうとそちらに全てとられてしまって、クルータイムが回ってこないという状況もあって、私どもとしても先が見えづらかったということもあって、これまである頻度でと申し上げてもそれが達成できないケース等が非常に多くて、かなりヘジテイトしていた部分があろうかとも思います。
 ただ、使う側(がわ)の環境は基本的に整いましたし、安定的な運用も達成できました。それから、クルータイムについてもそれなりの見通しが立つような実績データが積み上がっておりますので、高頻度で実験ができるようにするとともに、提示化というか見える化について積極的に取り組んでいきたいと考えます。

【知野臨時委員】 今の御説明、資料の4ページ、5ページなのですが、一般の私のような者からすると、現在から2020年の開発実証フェーズと、2021年からの深化・拡大フェーズの違いがよくわかりません。つまり、深化・拡大フェーズにしても実験が続くというイメージに見えます。深化・拡大フェーズの成果を社会に還元とありますけれども、これは一般の人たちにとってどんな成果が還元されるとお考えなのでしょうかというのが一つ。
それと関連して、9ページ以降に「探索・選択」とか「開発・実証」とか横で書いていますけれども、深化・拡大というのが、単なる研究開発が10年後まで続きますよというのではなくて、成果を還元するというのであれば、地上のいろいろな装置を使うことばかりではなくて、それを実際に一般の人の例えば薬として完成させるとか、何かもっと違うつながり、地上でのいろいろな組織とのつながりとかいろいろな仕組みが必要になってくると思います。その辺どうお考えなのでしょうか。というのは、このままですと、研究がつながるというふうにしか見えないのですが。

【JAXA(浜崎理事)】 深化・拡大フェーズの書き方も含めて反省すべきところがあろうかと思います。まず、一例でタンパク質のところで申し上げますと、非常にたくさんの種類のタンパク質が候補になっています。特に標的として病気の原因を知るためにたくさんのものがあって、その中には手前のものから先のものまで、実用までの期間が非常にかかるものと比較的近いものというのがあります。
 一言申し上げると、現時点で少数のものについて国の創薬につながりそうな成果が出てきています。幾つかは実際に「きぼう」での利用の段階を終えて、製薬会社等が実際にそれをつくって、人間への投与実験をするところまで至っているものもあります。こういうものは今後実用化になっていくだろうと期待できるわけですが、拡大と申し上げたのは、このようなタンパク質、薬の種類をどんどん増やしていくこと、具体的に幾つかターゲットがあるのですが、現時点でまだ最終的なお約束ができないので具体名が書けなかったわけです。このように、拡大というのは薬の種類を増やしていくイメージです。それから、深化というのは、先ほど申し上げたように、水溶性タンパク質しかできなかったところ、膜タンパク質のような新しい、これまで取り組めなかったことを取り組んでいくというところをイメージしております。具体的な名称と事例が書きにくいので非常にわかりにくくなっているというところは反省事項でございますが、イメージとしてはそのようなところです。
 それから、国の枠組みということですが、一番手っ取り早い方法として、薬を創っている創薬企業さんとのダイレクトないろいろなチャンネルを増やしております。その中で、研究だけでなく具体的に有償等での枠組みも今いろいろ整備しています。それから、有償の中でも、成果が出てからお金を頂くような形も含めて、少しでも敷居を下げて、実際に製薬企業等が使っていただけるような仕組みに制度をどんどん改善していきたいと思います。
 それから、知野委員がおっしゃいました、更にいろいろな種類の研究所とか新たな枠組みもつくるべきだというのは、まさにそのとおりだと考えております。まだ具体的にはイメージできていないところがございますが、今回、国立研究開発法人になったところの一番がそこだと思っております。これまで狭い世界で生きていたのを、我が国の企業や研究所が持つ総力を結集して研究開発成果を最大化するというのが研究開発法人化の一番の目的であると私も認識しておりますので、そのような形で更にいろいろな研究所あるいは企業等とのネットワークづくり、あるいは、仕組みづくりを考えていきたいと考えます。

【知野臨時委員】 この線の中で、どこかで有望そうなものを選んでそれをつないでいく、医療関連組織と折衝するとか、何かそういうのがないと実現性が薄いと感じます。これはISS計画の当初からこういうことできますよと言っているのと同じような気がします。

【JAXA(浜崎理事)】 私どもとして大きく違っていると認識しているのは、これまではどれが有望かはっきりわからない中で公募して、その中でピックアップしていった。いわば探索型のやり方をしていたわけですが、現在は既に国等で候補になっている、要するに薬等で有望かどうかについて既にある程度その道の専門家の間でセレクションされているものから選ぶというところで、ターゲットのつくり方は大きく違っていると私どもは認識しております。

【米本臨時委員】 本当は、最後に言うべきことなのかもしれませんが、ISS計画への参画は、「きぼう」だけではなくて、「こうのとり」とのセットだと思っています。「こうのとり」をこれまでどう活用してきたのか、今後どうしていくかという説明を加えて、ワンセットで説明資料をつくっていただけないでしょうか。
 具体的に「こうのとり」は、2012年、13年に、i-Ballを用いて回収のための再突入のデータを取得しました。それから、HTV-Rという回収システムの計画もJAXAの中で進んでいると思います。その手前で、HTV-Rの小型回収カプセル計画も既に実行段階に入っていて、実際に九工大に試験に来られています。そのような「こうのとり」を利用した実績や今後の計画の記載がどこにもありません。
 また、次のトピックである共通システム運用経費においても、新しい宇宙船をつくるという記載があります。これは、まさにHTV-Xのことです。ISSのもう一つの要である輸送系について、これまでの実績とか今後の利用の方向をどうしてまとめていかないのか疑問が残ります。是非、そういう方向でも資料をつくっていただけないでしょうか。

【谷室長】 今のお話につきましては、今回ここの議題は「きぼう」利用ということでフォーカスした資料で、そこについて御議論いただきたいということで用意をさせていただきました。先ほど米本先生からお話のありましたHTVの関係につきましては、次の議題の中でも御議論いただけるところかと思いますので、そちらの方で御議論いただければと思います。

【藤崎主査】 今の御議論はそのときにこれまでの成果などもまとめた形で、次のだけでなく、少し説明があるべきだという御議論なので、そこも含めてよろしくお願いします。

【角南第二主査代理】 アジアのゲートウェイの話が、「これまでの取組」のところでは記述があるのですが、「今後の具体的な取組」になると落ちています。APRSAFだけではなく、もっと積極的に特に「きぼう」の利用については宣伝していくことが重要だと思います。日本国内だけではなく、もう少し海外にもサポーターを戦略的に増やしていくという取組を入れてください。外務省の科学技術外交という文脈にそって進めていくこともできると思います。

【JAXA(浜崎理事)】 ありがとうございました。APRSAFへのアナウンスを最初にやった後で、おっしゃったようなバイラテラルでの関係、特に地球観測の関係等を通じていろいろな国とバイラテラルの深い関係を持っておりますので、そういうチャンネルを通じてバイラテラルの枠組みの中で広めること。それから、外務省関係では、JICAさんとJAXAの間で包括協力協定が結ばれておりますので、そういう枠組みをつくってお知恵あるいはお力もお借りしながら広めていきたいと考えます。

【藤崎主査】 文科省の方はどうですか。

【谷室長】 御指摘の方向で。重要性については重々理解をしておりますし、今、角南先生御指摘のようにAPRSAFはもちろんのこと、ほかの機会にもしっかり、特に外務省とも連携をしてしっかり打ち出していくということについては、機会をとらえてやっていきたいと思います。

【向井専門委員】 この資料は以前よりもかなり整理されたと思います。基本的には、2ページ、2番目の黒ポツにある「米国はISSをNational Labとして位置づけ、NASA以外の米国内の国立機関や民間等に利用機会を解放して」という文章のところが、それ以降で説明している「『きぼう』」利用」というところに匹敵するように整理されていると思います。「一方、NASAは探査に係る研究開発に重点化」と言っている文章が、次の3ページの探査技術・有人技術の別枠に匹敵していると考えられますね。

【JAXA(浜崎理事)】 はい。その意図です。

【向井専門委員】 その整理で見ると、次の4、5ページの2.「「きぼう」利用の現状と今後の展望」は、プログラムとして民間や研究施設に開放する「きぼう」利用計画の現状と今後の展望で整理されています。次の6ページの3.のところは探査に関して本来宇宙機関がやるべきことをまとめたものと思います。ここまでは、この資料はよくまとまっていると思います。
 しかし、7ページから突然まとまりがなくなっています。「今後の具体的な取組」を見ると、例えば目的のところで1、2、3とあるのは、「国の政策、宇宙利用技術獲得、民間」。ここの一番下に「本来はスペースエージェンシーがやるべき将来の探査技術・有人技術」という項目が項目4.として入らないといけないと思います。
 7ページの左側の目的が三つしか今はないですね。これらの目的が、このページで突然出てきた背景が不明です。一応1、2、3とあるので、その次に、3ページの一番下にある有人技術・探査技術の項目も入らないと、情報として完成しない。
 ところが、その次の具体的な施策のところでは、ブルーの丸文字の4のところで(施策丸文字の4)が入っているのですが、この「施策」というのは、この資料の4ページにある科学技術イノベーション総合戦略の中の施策の丸文字の1、2、3、4に匹敵する施策なのですか。それとも、JAXAが考えた施策なのかよくわからない。

【JAXA(浜崎理事)】 ここの施策というのはJAXAの対応策です。ですから、ちょっと言葉遣いが不適切でしたので、「計画」に見直します。

【向井専門委員】 この丸文字の1、2、3、4はJAXAが考えた施策で、国が主に対応している施策ではないということですね。

【JAXA(浜崎理事)】 そうではありません。

【向井専門委員】 ですよね。そうすると、ここの色分けで、グリーン、ブルー、紫でグラディエションをかけていますが、この色の違いは目的のところの混ざった色違いというふうに読むのですか。

【JAXA(浜崎理事)】 この色は無意味です。デザイン上の色です。線で見ていただくと緑に大体対応しているという、余り厳密でない使い方をしています。

【向井専門委員】 なぜかというと、例えば1.の「国の科学技術戦略・施策に貢献」と言った後、ここで施策というので、それは国の施策であり、JAXAの施策ではないと思うのですが…。

【藤崎主査】 でも、この色は意味づけがあるんじゃないですか。

【JAXA(浜崎理事)】 あります、ある程度。

【藤崎主査】 無意味ではないように見えますけど。

【JAXA(浜崎理事)】 無意味というと言い過ぎでしたけれども、厳密でないという意味で申し上げました。

【向井専門委員】 NASAは、National LabとしてISSの半分をNASA以外で使ってもらうが、半分はNASAが将来の探査技術のために宇宙予算を投入して将来の探査、特にヒューマンリサーチプログラムを施行するという位置づけで整理しています。JAXAは大枠はこの方針に沿った整理をしていますが、この位置づけが7ページの4.「今後の具体的な取組」のところでうまく書かれていないように思います。

【JAXA(浜崎理事)】 特に7ページの左側のところと前とのところで一貫性がちょっとずれていますので、再整理いたします。

【向井専門委員】 それから、言葉の使い方ですが、参考の9ページを見ると、例えば(施策丸文字の1)(a)で「「きぼう」利用:「健康医療技術研究タンパク質構造に基づく薬剤設計」とありますね。ここで言う「「きぼう」利用」というのは、JAXA以外で「きぼう」を利用する計画案のことです。初めの2ページにある「NASAは半分をNational Labとして使っている」、それは「必ずしも宇宙予算ではない」に相当します。一方、左側のところに「「きぼう」利用の位置づけ」とありますね。ここで使っている「「きぼう」利用」という意味は、「きぼう」を利用している状況なので、つまり、宇宙予算以外と宇宙予算で使う利用の両方の計画が混在しています。したがって、「「きぼう」利用」という言葉が不明瞭に使われているので混乱を招きます。

【JAXA(浜崎理事)】 3ページに合うような形で整理をするというのが意図だったんですけれども、ちょっと中途半端になっています。

【向井専門委員】 3ページのような整理のままいくのであると、最後の(施策丸文字の4)のところで、これは宇宙探査、有人宇宙技術の研究計画になるので、さっきの3ページの一番下の枠の有人技術・探査技術というところが、この左のところに入らなければならないのに、15ページを見ると「「きぼう」利用の位置づけ」として述べられているので、これはすごくわかりにくい。JAXAの場合、「「きぼう」利用」という言葉に、宇宙予算を使うものと、そうでないものを混在させているのでわかりにくいのです。

【JAXA(浜崎理事)】 整理が不完全で不十分ですね。

【向井専門委員】 でも、以前の資料に比べると、考え方としてはかなり整理されてきたと思います。 

【古城専門委員】 私も先ほどの角南委員の御意見と同じようなことを思いましたので、そこのところを考えておられるということですけれども、研究していただけるとすごくいいのではないかと思います。

【藤崎主査】 アジアゲートウェイ…。

【古城専門委員】 そうですね。科学的なことだけではなくて、科学的なことでアジア諸国との協力ができると、そういう道筋もあるんですよということは前から「きぼう」の方でも指摘をされていたと思いますので。
 もう一つは、今の書き方の御指摘ですが、私も前よりすごくよくなったと思いますが、今までやってきていることを踏まえて次にどういうふうになっているかというところの書き方をもうちょっとはっきりしていただけると。今までのが無駄ではなくて、こうこうこうだったので、次のことができるというところをもうちょっとはっきり書いていただくと。今まで行ってきたこととは別に、次に行うことは、という感じに聞き取れるところもあるので。
 具体例として、タンパク質のところを説明いただいたんですけれども、それは非常によくわかって、有機的に結合するようにとらえられていて、今までの実験、あるいは、成功も失敗も次に生かされているということがわかるような形で書かれていると思いました。他の部分は説明を聞いていないのでわからないのですが、他の部分もそういう形でこれまでの経験が生かされるということがわかるような具体例を出していただくと、今までのことが次にどういうふうにつながるのかというのがわかっていいのではないかと思います。そこのところをもうちょっと工夫していただけると、より一般的にわかりやすくなるのではないかと思いました。

【JAXA(浜崎理事)】 御指摘ありがとうございます。変更、更に改善に努力します。

【藤崎主査】 他の委員の方々、何かございますか。もしなければ、浜崎理事、どうもありがとうございました。次の議題に移りたいと思います。

(2)共通システム運用経費(CSOC)について

谷室長より、2016年~2020年のISS共通システム運用経費(次期CSOC)の我が国の負担方法の在り方について資料15-1に基づき説明。

【藤崎主査】 ありがとうございました。最後に御説明いただいたコスト低減で、半減というのはすごい大きな目標だろうと思いますが、民生部品の採用拡大というのは、それをやることによって全体の何割ぐらい汎用的なものを使うことができるのか、ある程度の試算はあるのですか。
 第2点は、「こうのとり」というか新しい宇宙機については、この考え方は政府部内でもかなり共有され始めていますか。

【谷室長】 まず1点目でございますけれども、民生部品の活用ということで、全体としてコスト低減にどのぐらい効いてくるのかということについては、見積りと言いますか、粗い試算をやっている段階でございますけれども、全体のコスト低減に効いてくる部分は、サービスモジュールをつくることによって全体の重量を大幅に低減できます。あるいは、現行「こうのとり」は、太陽電池パネルが全面に張ってあるとか、姿勢制御用スラスタが前、後ろ、真ん中と、いろいろなところに全体的に配置されているということから、配線・配管が非常に複雑なシステムになっております。
 こういったものを見直すところのコスト低減効果が非常にクリティカルというか、大半を占めていると考えております。ただ、今回の新たな宇宙機に限らず、ロケット、衛星の開発、宇宙の世界では全体としては民生部品の活用というのは大きな流れとしてございますので、コスト低減をする工夫の一つとして取り入れていきたいというものでございます。
 2点目につきましては、JAXAの検討チームの様々な技術的な検討も踏まえて、文部科学省としてアルファ部分として適当ではないかということで、こういう方向で考えているというものでございます。関係省庁との交渉と言いますか、文部科学省としてこういう方向で考えたいということについては、同時並行的に調整をしていきたいと思っております。

【藤崎主査】 わかりました。ありがとうございました。委員の先生方、いかがでいらっしゃいますか。

【知野臨時委員】 技術実証機で3機目相当分ということですけれども、技術実証機というのは初めて飛ばすものであって、何かトラブルがあるかもしれないなどの心配がいろいろあり得るわけですけれども、NASAはこういうやり方でものを運ぶことで良いと受け止めているのでしょうか。それから、初号機の打ち上げ時期はいつというふうに想定されているのでしょうか。

【谷室長】 1点目につきましては、これでやるということについて、必ずしも日本政府として決めたという状況にまだなっていないものですから、選択肢の一つということで議論をしております。その中で、まずは輸送についてNASAから求められているものには応えることができるということで理解が得られると考えております。
 また、技術実証機の1号機でやることについて懸念はないのかという御指摘につきましては、現行の「こうのとり」もそうでしたけれども、最初の開発をしたときに造った技術実証の1号機で物資輸送をしておりますので、それでCSOCとしてカウントされておりますので、今回も同じ考え方で大丈夫だろうと考えております。
 それから、初号機の打ち上げという意味では、開発の期間につきましては、現在検討中でございまして、今後なるべく早いタイミングで具体化してまいりたいと考えております。

【知野臨時委員】 お尋ねしたいのは、先ほど事務局から今回のロシアの失敗について御説明がありましたけれども、失敗が続いているということもあって、NASA側が交渉された時期とはまた違って慎重になったりしないか、その辺の見通しはいかがでしょうか。

【谷室長】 ロシアの失敗というのもありますけれども、先ほど知野委員から御指摘ありましたように、昨年米国のシグナス補給船のトラブル、これはロケットの問題ですけれども、また、今回プログレス補給船がトラブルということで、ISSへの物資輸送という観点では、複数の独立したシステムによるある種の冗長系が含まれているような形になっております。さらに、物資についてはあらかじめ軌道上に必要なものはある程度備蓄させるという形で信頼性を確保しているわけでございます。
 特に事故が複数のシステムで、かつ、あちこちで続いているということもございまして、特に「こうのとり」は、これまで天候での遅延はありますけれども、技術的なトラブルで遅延したことはなくて、基本的には定時出発・定時到着を実現しておりまして、そこに対する信頼性は非常に高い。したがって、日本の物資輸送に対する期待は高いということ、また、我が国もそれにきちっと応えていくことが求められているのかなと考えております。
全体のスケジュールについては、他にもドラゴン、それから、先ほどの事故への対応ということでロシアが打ち出しておりますプログレスの前倒しとかいろいろな手段を活用して、全体として問題のないようにしていく中で、「こうのとり」もしっかりその役割を果たしていくことが必要であろうと思っております。

【西島臨時委員】 今の安全性ですが、「こうのとり」は、私たちは分野が違うのですが、大変優れているものなのだろうなという印象を持っています。ここで大幅なコスト削減というのが余りにも強調されているように感じます。普通考えると、機能が追加されるとコストは思ったよりも高くなるが、先ほど主査からありましたけれども、大幅な削減とか半減というのを余り先に言ってしまうと、それが大きくなって、あそこで大幅削減と言ったのが問題だったということがないようにしないといけない。
 宇宙にかかるようなものについては、コスト削減となったらきりがないので、国として一定の金は割くべきだろうなと。民間企業ができないようなことを国がやることに関しては、コスト削減が本当に重要なことなのかと私自身は思っています。国家事業というのはむしろかけていくべきで、民間企業がそれによって結果として加速する。大幅なコスト削減が、気がついたら一緒に製造をやっている民間企業に安くしろと、何とかしろというように逆になってしまう。個人的な感想ですが、結果としてはむしろシンプルで、ずんぐりむっくりの「こうのとり」の方が良くて、高度化された次世代機では電気系モジュールの故障が常につきまとっているとならないことを祈ります。
 一般家電でもそうであるように、シンプルなものは故障が少なくて、故障しても直しが簡単だけれども、高付加価値な附属品を伴うと、自分が使わないような機能のところが壊れて、下手したらパネル全体を取り替えた方がいいとか、そのうち「新しく買った方がよりお得ですよ」とかいって、結果的には非常にコストが上がるということがあります。一時的な国民への理解を求めるということで、大幅コスト削減を余り前面に出すということは、こんな大きな国家事業に対しては賛成という方向ではない。機能を追加した結果としてコストが下がるのは構わないと思うが、大幅なコスト削減が大前提であるという書き方は少し注意した方がいいかなという印象を持っています。

【牧島第一主査代理】 今の西島委員の意見に賛成です。それとは別に二つ質問があります。その一つは、「こうのとり」は水や電池というISS共通物資を運ぶと同時に、日本の実験設備も運ぶと思いますが、日本の実験装置を乗せた場合、それはCSOCの中にカウントされるのでしょうか。
 もう1点、2020年までに「こうのとり」が3機上がるとすると、日本が実験装置をISSに上げる機会はこの3回に限定されるのか、他の道があるのかということを教えていただきたい。

【米本臨時委員】 冒頭で谷室長から「こうのとり」の実績の御説明がありました。私が申し上げたいこととは、少し違っています。「きぼう」は、作ったときに獲得した新技術があって、その後利用してきたことで発展させてきました。「こうのとり」も、作ったときに得られた新技術でいろいろ貢献したということは、ここの資料に書かれています。しかし、「こうのとり」を利用して技術開発をしてきたというストーリーに触れていません。やはり、その事実もまとめるべきだろうと考えます。
 なぜそのまとめが絶対大事かというと、資料の7ページ目を見ていただけないでしょうか。「こうのとり」の発展型が、新しい輸送機として、いろいろな新技術ととともに、結果としてコスト低減という形で誕生していくわけです。しかも将来の探査ミッションにも対応できるようなシナリオを考えてのことです。その輸送機が、2020年までに実現する。その次を見ると、そこにカプセルも描かれています。そういう道筋を何も考えずに、単にイメージだけで開発しているのではないということを、やはりきちんと説明すべきだろうと考えます。
 これまでの資料では、「きぼう」の利用について、非常に細かく、また長い時間をかけてまとめてきました。それと同じように「こうのとり」についても、作ったときの技術だけではなく、利用してきたことで得られたもの、次に新輸送機という新しい形で進むときに、それをどういう形で活用し、機体開発と並行して行う基礎的な研究を含めながら、全体の輸送系開発のストーリー、シナリオが示されるべきだろうと考えます。造りたい一辺倒で、このような資料が出てくると、一体何なのかといろいろな議論を呼ぶだけです。したがって、全体のシナリオ、必ず将来に向けてのシナリオを見せながら、次の新しい宇宙機の開発をどう考えていくべきなのかという議論を展開すべきだと思います。そのような資料のまとめ方が欲しいところです。

【谷室長】 まず、「コスト半減」と余り声高に言わない方がいいんじゃないかという御指摘がございました。その点に関して幾つか申し上げますと、「こうのとり」については、これまでのお話にあったとおり、非常に優れたシステムであるというのは国際的にも認められております。他方で、これは日本が初めてつくった有人施設にドッキングする無人の補給機ということで、開発も非常に苦労して、初めての取組ということでかなりコストもかけ、また期間もかかってやったものでございます。
 NASAも、当初は日本の技術について必ずしも十分わかっていないということがありまして、有人施設にドッキングするということから由来するものですけれども、非常に厳しい設計要求がなされております。そういう意味で、冗長系であるとか、設計の内容についても、現行のレベルで考えれば、結果的にですが、過大な形になっているというのが実態でございます。
 ただ、その開発の過程で様々苦労した結果が海外に展開されるという効果を呼んでおりますので、そういったところは大事にしつつも、今回新しい宇宙機を開発するということで考えた場合には、例えば設計要求もかなりリーズナブルなものとさせるというようなことを考えて、半減というのは思い切ったところかもしれませんけれども、目標としてそこを掲げていくと、方向としてはそういう方向ではないかと考えております。
 特に、この小委員会でも御議論があったところでありますけれども、ISSの予算が高いということはずっと言われていることでございます。これについては、輸送の経費が3分の2ぐらいを占めているということで、実際には「こうのとり」の製造、打ち上げといったコストがISS予算の大きなところを占めておりますので、長期的なことを考えれば、そこを大きく減らしていくということで、費用対効果という意味では費用を下げていくことによって、全体のコストパフォーマンスを上げていくという中では、そういったところも大胆に取り組んでいく必要があるであろうと。
 半減ということは全く見通しなく申し上げているわけではなくて、粗い見積り、あるいは、技術検討ということでありますけれども、現段階でも何とかできるのではないかという見通しがあるものですから、申し上げさせていただいております。
 それから、牧島委員からの、共通物資の輸送以外に、日本独自の例えば実験装置等はCSOCの中に含まれるのかという御質問ですけれども、これは含まれません。共通経費で含むものは国際的に共通で使うものということでございまして、その他に日本が独自に必要なものは別途運ぶということでございます。
 それから、2020年まで3機ということで、装置はその3回に限られるのかということでございますけれども、これは全体の輸送計画の中で実際にはバーターをしているところがございます。例えば、米国の輸送機に頼むというものがございますが、代わりに米国で運ぶものを「こうのとり」で運ぶということは、物資の輸送計画の中で柔軟に対応しているところでございます。日本の装置で必要なものがあって、「こうのとり」にフィットしなければ、別の輸送機で上げることを考えることはあり得るということは申し上げさせていただきたいと思います。
 それから、米本委員の御指摘でございますけれども、「こうのとり」を造った後、具体的に利用していく中でいろいろな技術開発をしてきただろうということについての説明は、申し訳ありません、今日はコンセプトの基本的な方向ということだけでお作りしておりませんので、何らかの形でまとめさせていただきたいと思います。将来のミッションということで、事例だけを申し上げましたが、地球回収システム、これは小型の回収カプセルの技術開発は進めておりますし、軌道上のサービス機で言えばテザーの技術開発もやっております。そういったものを整理させていただくということかなと思っております。

【古城専門委員】 もう御質問がなければ、ちょっとよろしいですか。時間がない中申し訳ないのですが、他にお伺いする機会が余りないと思われますので、前回説明のありました宇宙科学・探査ロードマップについて質問させてください。
 月・火星までというのがある程度視野に入っていたと思うのですが、火星について余り説明がない中で、ロードマップの中で火星からのサンプルリターンのプロジェクトの話が出ていたと思うのですが、それについて進捗具合がどういうものかをお聞かせいただきたいと思います。もしできましたら、これは他の国との関係でどういうような競争状況になっているのかという点で、その位置づけがもしわかれば教えていただきたいです。

【藤崎主査】 これはJAXAですか。

【JAXA(常田理事)】 JAXA宇宙科学研究所(ISAS)の常田と申します。今の質問にお答えをさせていただきます。
 新宇宙基本計画の我々にとってのキーワードというのは、重力天体着陸、それから、プログラム化ということであります。前回御説明したと思いますが、新宇宙基本計画のガイドラインに沿って宇宙科学のプログラムをプログラム的に進めていくということで、イプシロンで打ち上げる3号機としてSLIM、月着陸ミッションをISASとして決定いたしまして、現在JAXAで種々の検討中であります。
 これは技術実証ミッションでありますので、その後に、今、先生から御指摘のあったような重力天体の着陸をして、科学ミッションを行うということがあって初めて位置づけがはっきりするものであります。そういう意味で、これは月ないし火星に着陸する将来のJAXAミッションの技術的な開発の主要な部分を担っているわけであります。
 そういう観点の中で、先生御指摘になりましたように、火星に着陸するということがNASAとかESAで行われているわけですが、JAXAあるいはISASとしてどういう取組をしていくかというのを、前回の御報告前後からISASの中において集中的に検討しております。その中で我々が一つ結論を得つつあるわけですが、火星に着陸するという最終的なターゲットを2020年代の新宇宙基本計画の工程表にとって実現するのはかなりチャレンジングであるということで、その中間段階と位置づけまして、火星の衛星フォボスないしダイモスに着陸し、その衛星の物質をサンプル収集し、地球に帰還するというミッションを検討しております。
 これは学術的な意義が非常に高くないといけないわけでありますが、ISASの中に所長決定のチームを公式につくりまして、宇宙研の精鋭の先生方、それから、学術コミュニティの先生方の代表に集まっていただいて検討しておりまして、科学的な意義については申し分ないという一次結論を得ております。技術的な面でありますが、「はやぶさ」の帰還技術、サンプル収集技術等を組み合わせて、技術的にも一次検討としては可能な方向であるという結論を得ております。
 これは、SLIMによる重力天体着陸を基に惑星に着陸していくという、中間ステップとして位置づけるという意味で非常に大事ですし、「はやぶさ」で培ったサンプル収集・帰還技術を生かすという意味においても非常に大事ですし、今申し上げたように学術的観点においても非常に大事だということで、工程表にあります次の戦略的中型ミッションの候補として極めて真剣に検討している段階であります。
 外国の状況でありますが、米国においてはディスカバリーというシリーズが惑星探査でありまして、そこにフォボス、ダイモスを探査するミッションが米国の三つのグループから提案されています。そのほかにもたくさん惑星に行くプログラムがありますが、フォボス、ダイモスに限って言うと三つ提案されていまして、いずれも接近観測あるいは着陸のみで、帰還するプログラムは現在我々が検討しているものだけであります。それから、ESA(欧州宇宙機関)におきましても、ロシアとの共同で検討が行われてきたと承知しておりますが、最近の国際情勢等を反映して進んでいないということで、NASA、ESAとも学術的探査の対象としての興味は極めて高いのですが、我々が一歩先を行くように検討したいと思って現在進めている次第でございます。

【古城専門委員】 火星についての言及が余りなかったものですから、状況をお伺いしたいと思いました。日本が技術的にそこが優れているのであれば、独自の技術ということで是非進めていただきたいと、個人的には思っております。

【JAXA(常田理事)】 ありがとうございます。

【藤崎主査】 協力できるところは協力をしながらということはあるわけですね。

【JAXA(常田理事)】 そうですね。

【藤崎主査】 では、そろそろ時間に近づいてまいりましたが、第2次とりまとめについての論点整理について、谷室長からお願いいたします。

(3)第2次取りまとめ(骨子案)について

谷室長より、第2次取りまとめ(骨子案)について資料15-2に基づき説明。

【藤崎主査】 ありがとうございました。それでは、これからいろいろな形で御連絡をしながらこのレポートをまとめていくわけでございます。
 今日の会合は、時間の関係もございますので、ここまでといたしますが、ここに緑のファイルがあって、「次回も使用のため、お持ち帰りにならないでください」と書いてございますが、これから連絡を受けていろいろ見たりしなければいけないこともございますので、もしよろしければ、重いのですが、お持ち帰りいただいて結構でございます。

【JAXA(浜崎理事)】 一点、先ほど宿題になっておりましたソユーズの失敗実績でございますが、口頭で申し上げます。
 ソユーズにはいろいろなバージョンがございますが、今回失敗したソユーズ2.1aというロケットの打ち上げ実績は計19回でございます。今回の失敗を含めて失敗は合計で2回ございまして、前回は2009年5月に人工衛星打ち上げのときに失敗しているという事例がございます。

【藤崎主査】 ありがとうございました。それでは、先ほど火星について、その点は確かに大事な点だったので、古城先生、御指摘ありがとうございました。
 それでは、今日の第15回会合はこれで了したいと思います。
 事務局から御連絡がございますか。

【神部補佐】 簡単な連絡をさせていただきます。本日の会議は公開となりますので、資料及び議事録は公開とさせていただきます。議事録につきましては、後日、委員の皆様に御確認を頂いた後、ホームページに掲載いたします。
 また、次回の会合でございますが、6月25日木曜日15時から、場所は今回と同じ3階2特別会議室となりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【藤崎主査】ありがとうございました。これで閉会といたします。

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研究開発局宇宙開発利用課

-- 登録:平成27年07月 --