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宇宙開発利用部会 国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会(第13回) 議事録

1.日時

平成27年4月13日(月曜日)13時00分~14時30分

2.場所

文部科学省 3階1特別会議室

3.議題

  1. 今後の国際宇宙探査に関する取組について
  2. 国際宇宙探査に関する考え方について
  3. その他

4.出席者

委員

主査  藤崎 一郎
第一主査代理  牧島 一夫
第二主査代理  角南 篤
専門委員  古城 佳子
臨時委員  知野 恵子
専門委員  続橋 聡
臨時委員  西島 和三
専門委員  向井 千秋
臨時委員  米本 浩一

文部科学省

研究開発局長  田中 正朗
研究開発局開発企画課長  柳 孝
研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室長  谷 広太
研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室課長補佐  神部 匡毅

【説明者】
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
 理事  浜崎 敬
 理事  常田 佐久
 執行役  伊東 康之
 経営推進部長  寺田 弘慈

5.議事録

【神部補佐】本日は、今年の2月から始まりました第8期科学技術・学術審議会におきまして国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会が設置されてから最初の会合となります。委員の皆様方におかれましては、すべて第7期からの再任ということでお願いしておりますので、紹介は割愛させていただきたいと思います。
 本日の事務的な連絡でございますが、本小委員会に所属されております11名の委員の皆様のうち、本日は9名の先生方に御出席いただいております。よって、運営規則に定めております定員数を満たしておりますので、会議として成立していることを御報告いたします。
 続きまして、資料の確認をさせていただきたいと思います。お手元の議事次第をごらんいただければと思います。本日の資料としまて5種類の資料を用意させていただいております。過不足等ございましたら、事務局まで御連絡いただければと存じます。
 それでは、主査の指名の紹介をさせていただきます。宇宙開発利用部会の部会長より、本小委員会の主査を藤崎一郎委員にお願いするとの指名を頂いております。この後は、藤崎主査に議事進行をお願いしたいと思います。
 藤崎主査、どうぞよろしくお願いいたします。

【藤崎主査】わかりました。大変非力でございますが、引き続き主査を務めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 第一主査代理として牧島先生、第二主査代理として角南先生に、引き続きよろしくお願い申し上げます。
 議題が二つございまして、一つは今後の国際宇宙探査に関する取組、2番目が国際宇宙探査に関する考え方についてということでございます。
 まず第1議題についてJAXAよりお願いいたします。

(1)今後の国際宇宙探査に関する取組について

JAXA(寺田経営推進部長)より、JAXA新体制について資料13-2-1に基づき説明。

JAXA(伊東執行役)より、宇宙探査イノベーションハブについて資料13-2-2に基づき説明。

【藤崎主査】3.に「ハブの構築」という図がございますが、ハブというのは何人ぐらいいて、どういうことをやっているのかを大まかに御説明いただけますか。目的などは伊東執行役の今の御説明でよくわかったのですけれども、どういうことなのかということをこれで御説明いただいてから、主要課題の方に入っていただくということでよろしゅうございますか。

【JAXA(伊東執行役)】4ページ、「3.宇宙探査イノベーションハブの構築」の真ん中の大きな箱が、宇宙探査イノベーションハブとしてくくっております。この中の構成ですけれども、宇宙探査イノベーションハブのトップをハブ長としております。あるいは、その片腕ということで副ハブ長も今後考えていきたいと思っております。
 その上に「宇宙探査シナリオ」というのがありまして、そこから大きな目標が与えられます。その中で、真ん中のハブの部分で、宇宙探査のシナリオを実現するシステムの要件を検討する、あるいは、ここからシステムに対する高いレベルのチャレンジングな研究課題、目標を設定します。そのため、その下に課題ごとにマネージャーを置いて、それぞれの研究テーマについて進めていきます。また、これをフィードバックしていくということですが、今言われました規模感ですが、4月1日時点のJAXA組織内の発令では、専任で10名程度、併任が更に同程度というような規模であります。
 今後、箱の左側にありますJAXAのほかの部門からのテーマごとに必要な人間、それから、JAXAの外部、企業、大学、研究機関など国内外、あるいは宇宙・非宇宙を含めて人材を糾合して進めていきたい。結果として、宇宙探査シナリオに研究成果を反映していくことと、将来的なプロジェクトの立ち上げ、あるいは、民間あるいは地上に対する技術のスピンオフ、また、宇宙探査全体にかかわる参加プレイヤーの拡大というようなアウトプットに結びつけていくというような構造を考えております。

【藤崎主査】では、頂きましたJAXA新体制、イノベーションハブにつきまして、御質問、御提起があればよろしくお願いいたします。

【米本臨時委員】イノベーションハブについての質問ですが、ここでは月とか火星しかやらないのでしょうか。というのも、宇宙探査には、「あかつき」等の金星探査や木星探査もあれば、将来は他の重力天体の探査もあると思います。
 それから、宇宙探査といえば宇宙研が中心になってやってきた部分もあります。そことの関係が今後どうなっていくかということも教えていただけますでしょうか。

【西島臨時委員】最初のときに主査からも出ておりましたが、宇宙探査イノベーションハブという、ハブというからには単なる交流ではなくて人的交流を思っているのですが、全体構想はどのぐらいの大きさなのでしょうか。「イノベーションハブ」という言葉を最近あちこちで聞くのですが、結構小さいのもありまして、格好はいいのだけれども、中身は産学連携と余り変わらないのもあります。また、制度的な強化ということですが、これはクロスアポイントメント制度というものを強化していって、人的なものを刷新しようというか、交流しようと、そこまでお考えなのでしょうか。
 もう一つは、「探査技術から民生へ展開」ということですが、JAXAが中心であることは間違いないとしても、優れた企業の技術等をJAXAの中に取り込んでいくことは重要でしょう。例えば、JAXAでやっていることがJAXAの中では先端と思っても、民間企業からみると、民間の技術を使った方がいいというような部分については積極的に取り入れるという姿勢が、ここでの記載からはなかなか読みとれないのですが、その辺の意識改革みたいなのはどうなっているのでしょうか。

【牧島第一主査代理】まさに今、西島委員が言われたのと同じ場所なのですが、2ページ目の「探査技術から民生へ展開」というところは、私、非常に違和感がありまして、二つあります。
 一つは、これを読むと、JAXAが全ての技術を持っていて、それを大学や民間研究機関へ分けてやるというふうに読めます。これは正しくないと思います。
 もう一つは、「民生への展開」というところになぜ大学が出てくるのか理解できません。大学をベンチャーとして使うという発想だとすれば、これは間違っています。大学がベンチャーをやってもいいわけですが、大学の本来の機能はベンチャーではなくて、どこもやっていないことを新たにつくり出すことです。それをJAXAがこのハブを通じて積極的に取り込むという姿勢であればいいのですが、この文章は逆向きの印象を与え、私は非常に違和感を覚えます。是非御説明を頂きたいと思います。

【藤崎主査】以上3名の先生から御提起がございましたので、とりあえずお答えいただきまして、もしほかの委員からございましたら、またお願いいたします。

【JAXA(伊東執行役)】「月・火星探査に参加するプレイヤーを拡大・促進」と書いていますので、月・火星だけかという御質問ですが、現在の国際宇宙探査シナリオとして、月・火星探査からという流れがあるため、そこを考えております。それ以降のものを排除するということはございませんが、そこからスタートするという考えでございます。
 それから、二つ目で宇宙研との関係でございますけれども、4ページ目と、JAXAの新組織体制図にもありますように、宇宙探査にかかわる研究を行う組織は全部門にかかわるということで、理事長の直下、副理事長の直下に置くということで、こういう組織で研究を行っていきます。これまでは宇宙研でも探査の研究をしてきているわけですので、この中の具体的なテーマで、今後、宇宙研の研究者あるいは他の部門の研究者がここの枠組みでやっていったらいいというものについては、全社的な枠組みで横通しでやっていくということでございます。この拠点は相模原に置く予定でございます。
 それから、ハブの全体規模ですけれども、現時点の予算的な規模は約2億円です。現在応募中というところもありまして、そういう外部のファンディングも踏まえて規模が変わってくるわけですけれども、大きくしていきたいと考えています。
 それから、制度的なところですけれども、西島委員がおっしゃったように、クロスアポイントメント制度を人事制度として整えまして、これを活用していきたいと思っております。それから、このイノベーションハブに適用されるようなフェローの制度も整えております。
 それから、知財につきましても、これは別の質問とも関係するのですが、これまで一般的にJAXAが全部知財を持ってというような形であったのですが、そうではなくて、ここでは民間で持っている宇宙以外の優れた技術を宇宙の方に使うという意味で使わせていただくと。そこで共同研究することによって更に何か新しいものが出ないかという期待の下にということではあるのですが、使わせていただくということで、そこで共同で新たに発生したものはどういう持分であるかというものについても柔軟な制度、これはまだ出来上がってありませんが、それを設定するように検討中でございます。
 それから、2ページの2.ですね。ここは、非宇宙からの技術を取り込んで、共同でやることで何か新しいものを生み出して、更にそれがもう一度民間へという意味の、後段だけを少し2.のところに書いてしまいましたので、違和感があるとおっしゃいましたけれども、宇宙よりも先端の技術が地上にあると私ども十分認識していますので、JAXAが持っていて、それを民間にとか大学にとかという意味ではございません。

【西島臨時委員】もしそうだとすると2.は書きぶりが悪いですね。私がぱっと見て、イノベーションハブのコンセプト全体と、これから起ころうとする論点というのは違和感がある。いま牧島先生と私が同時に感じたことを、JAXA側が感じないのはちょっと問題との印象です。その辺は十分精査して資料を作っていただきたいと思います。

【JAXA(伊東執行役)】わかりました。

【牧島第一主査代理】私も同感です。これは書き換えていただけますか。

【向井専門委員】3点質問です。「宇宙探査イノベーションハブ」となっているのですが、3ページを見ると、丸文字の1も2も技術となっている。結局、これは科学的な話ではなく技術的な話、いわば宇宙探査技術イノベーションハブという読替えでもいいですかというのが一つ。
 二つ目、3ページの丸文字の1、2、3で出ているいろいろな例について、こんな研究をやりますと書いてあるのですが、大学や企業に研究費が出せる資金でしょうか。
 三つ目は2ページです。言葉の使い方なのですが、「宇宙探査」と「国際宇宙探査」というのが、例えば「国際宇宙探査」というと、この会合では暗に有人宇宙探査を意味していますね。この2ページの大きいタイトルは「宇宙探査イノベーションハブ」なのですが、アウトカムのところを見ると「国際宇宙探査において」と書いてあります。これは「宇宙探査」の中のさらに小さなサブグループの「国際宇宙探査」、つまり有人宇宙探査に対してという意味なのでしょうか。

【藤崎主査】他の方々、よろしゅうございますか。先ほどJAXAの方から追加的御説明があったのをちょっととめていただいているのは、全部一遍にお答えいただこうかなと思ったものですから。よろしゅうございますか。

【角南第二主査代理】イノベーションハブとして期待されるところだと思うのですが、産業界との連携は、今度、国立研究開発法人という仕組みにより契約の仕方とか、共同研究の在り方、それから人事交流も含めて、少しずつ柔軟性が増していくと思います。今回頂いた三つのテーマは、どのように選ばれたのでしょうか。ニーズとか産業への展開といういろいろな情報を集めるため、何か特別な委員会ができているのか、その辺について教えていただけますでしょうか。

【JAXA(伊東執行役)】まず、宇宙探査イノベーションハブが技術イノベーションかということですが、技術をイメージしております。
 それから、グラントが可能かという御質問だったと思いますが、今後契約の仕方を柔軟にという部分はまだちょっとありますけれども、共同研究というやり方の中で資金を出せるようにということを考えております。
 三つ目に関しては、国際宇宙探査という中において、日本から新しい技術に裏打ちされたシナリオ、日本発のミッション、あるいは、日本がこういう分担をしていきたいというようなミッション、シナリオを出していくと、そういう意味でここは使いました。
 それから、3ページで上げましたようなテーマ、ここは4ページの全体の流れとも関係するのですが、まず大きな宇宙探査シナリオというものがあって、そこから必要なものというトップダウンの部分と、それを実現するために我々の知らないどんな技術があるかということがありますので、大きなテーマとしては、私たちが今必要だと考えているテーマを上から三つ上げております。そこから更にどのようなテーマを選んでいくか、あるいは、委員会といいますか、フォーラムをどういうふうに組んでいくかというのは今後の話でございます。これで御質問をカバーしていましたでしょうか。

【JAXA(常田理事)】宇宙科学研究所長の常田と申します。先ほど委員の先生からハブと宇宙研の関係について御質問があったので、それについて補足コメントをさせていただきたいと思います。
 宇宙研は、従来金星ミッション「あかつき」、「はやぶさ」を実現して、「はやぶさ2」においても多くの成果を出しております。ただ、現在はイプシロンを使った月着陸ミッションSLIMをJAXA内で検討しております。こういう意味で、宇宙科学探査を無人で行うものについては、宇宙研がプロジェクトを実施するという考え方で、宇宙探査イノベーションハブはそれと相乗的に働いて探査をやっていくというふうに理解しております。
 無人科学探査についての取りまとめは、JSPECのような問題が起きないように、宇宙研が取りまとめるという理解を私はしております。

【藤崎主査】ありがとうございました。先ほどJAXAの組織について新旧対照を用いて御説明いただいたわけですけれども、既にいろいろな技術部門があり、研究所があり、その中で十分横の連携がとれていないところ、あるいは、外との連携がとれていなかったところを埋めるために、新しい組織としてこういう連携・交流のためのものをつくりましたということで、そこはこういう機能ですということであれば、理解がもう少し入りやすかったのかなと思います。
 そのときに、先ほど主要課題について、どういうふうにこれを選ばれたのかという御質問、これはボトムアップなのかトップダウンなのか、それぞれのほかの部門とはオーバーラップしないようになっているのかというあたりを御説明いただけますか。

【JAXA(伊東執行役)】3ページの主要課題がどのように選ばれたかと。どのようにお答えすれば…。

【藤崎主査】先ほど角南委員からも、どういうふうにこの課題が選ばれたのか、これはどういう形でプライオリティが与えられたのかという御質問がありまして、既にほかの研究所等でやっていない分野なのか、それともやっていてもこういう形でまとめることがいいのか。この三つの意義ということ。中を見るとかなり細かくいろいろなことがいっぱい入っている、自動運転技術とか、水素エネルギーとかいろいろなものが入っていますけれども、どうやってこの3本柱があり、これはJAXAのほかの研究所やほかの部門とどんな関係になるのでしょうかということを、一言で御説明いただければと思います。

【JAXA(伊東執行役)】まず3本の柱は、今後、月・火星を探査していくという意味で、トップダウンとして必要な技術であると考えて選びました。その中で、例えば「民間、大学等からの技術の取り込みで」というのは、こんなことが考えられるのではないかという例を書いたものでありまして、どこの部門でこういうことをやっているからという観点は考えておりません。今後こういうことを考えて細かいテーマを設定していきますということであります。

【知野臨時委員】2ページの最初の狙いのところで、「従来の発想や手法にとらわれない斬新な考え方を導入、非連続的な技術革新」とあるのですけれども、テーマはこのように設定されているとしたら、一体どのような形で従来の発想や手法にとらわれないというものを実現できるとお考えなのでしょうか。

【西島臨時委員】今回お話のあったイノベーションハブの考え方とかコンセプトのアウトカムというのは、JSTが進めている「イノベーションハブ構想」をかなり意識したものというふうに捉えてよろしいでしょうか。

【角南第二主査代理】加えてですけれども、このハブマネージャーという方は非常に重要な役割を担うと思いますが、実際にプロジェクトをやっていく上でプログラムマネージャー、ハブマネージャーの方々の役割というのは非常に重要で、どれぐらいの自由度が与えられていて、彼らがどれぐらい動いて、情報を集めたり、人をマネージする資質などが、すべての成功の8割、9割がここにかかっていると思います。このマネージャーの選び方とかトレーニングなどこれからどういうような運用をされるのかというのを教えていただければと思います。

【牧島第一主査代理】今の角南委員の御質問と関係するのですが、それを裏返しする形で、今まで制度的にできなかった、しかしこのハブができたことによってこれが可能になったという事例があるでしょうか。理念ではなくて具体的に幾つか教えていただけると実感が湧くかと思います。

【藤崎主査】それは大事なことでございますね。
 以上、よろしゅうございますか。では、これにお答えいただいて、まとめにさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【JAXA(伊東執行役)】ちょっと順序どおりではないかもしれませんが。
 ここに上げたテーマの中から幾つかをJSTの公募に対して応募しており、JSTが進めている「イノベーションハブ構想」のコンセプトの中で動いております。
 それから、ハブ長、ハブマネージャー、どのように運用するかというところですけれども、まず、ハブ長は、現時点で、「はやぶさ2」のプロジェクトマネージャーをしておりました國中を指名しております。組織規程等厳格なものは規定しておりません。やわらかくハブ長の裁量で、極力コンプライアンスの中でそれができるようにという規定を早々に制定するように今調整をしているところです。ですから、そういう意味でハブマネージャーはまだ任命されておりません。おっしゃるようにそこは非常に重要なところだと考えています。
 どのように非連続的にということ、それから、ビフォー・アフターということも、同じようなことかと思っておりますが、先ほど主査がまとめていただきましたように、これまで縦割りや、JAXAと宇宙関係企業の中で動いていたというところの壁を極力取り払っていきたい、そういう狙いで動かすようにしております。
 非連続的なというところの具体的な例はまだお示しはできないのですが、地上ではもう進んでいる新しい技術を組み合わせて、何らかそういうものを出していきたいと考えておりまして、幾つかアイデアとしてはないわけではないのですが、きょうはまだ申し上げられる状態にはないというところであります。
 進行途上ということで、現時点で御説明できるところは以上です。

【藤崎主査】よろしゅうございますか。大変大事な新しい取組だと思いますので、是非強力なものにしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 では、次に議題2、国際宇宙探査に関する考え方について、論点整理のペーパーがございますが、これをお願いいたします。

(2)国際宇宙探査に関する考え方について

谷室長より、国際宇宙探査に関する考え方について資料13-3に基づき説明。

【藤崎主査】これまでの先生方の議論でいくと、3ページの1、2は人類全体の話に結びつけられ、3.は、後ろの5ページの我が国における国際宇宙探査の重要性という第3章に移してもいいような、1、2は大きな姿なのかもしれませんね。
 今までいろいろ御説明いただいた諸点や議論に出た点をよくまとめていただいております。これからペーパーに作成いたします際には、余り行ったり来たりしないように、読みやすいようなものをつくらなければいけないので、例えば重要性という項目と考え方という項目が分かれていて、何か似たようなことが書いてあるというようなことは少し整理していく必要がございますが、ペーパー自体としては我々の今までの頭の整理になるだろうと思っております。
 委員の方々から、今御指摘いただきましたことを踏まえまして、第2次取りまとめへのインプットになっていけばいいかなと思いますので、よろしければ是非ここで委員の方々から御提起をお願いいたします。

【古城専門委員】議論を整理していただいたと思いますが、もうちょっと整理の枠組みをはっきりさせた方がわかりやすいのではないかと思います。宇宙探査の意義が、一つは人類にとってどうかということを言った上で、次に我が国にとっての意義ということもやっぱり言わなければいけないと思います。
 宇宙探査の意義を言った後で、宇宙探査に関する国際動向の分析の中で我が国のことも入っていますので、そこは国際動向の事実だけを述べた上で、次に我が国にとっての意義が何かというところを議論し、その意義に照らして何が重要であって、どこまで日本が進んでいて、現状を踏まえると何が重要であって、それに照らして取組はどうあるべきかというふうにまとめていった方がわかりやすいのではないかというのが一つあります。

【藤崎主査】おっしゃるとおり。ありがとうございます。

【古城専門委員】それからもう一つは、先ほど非常に苦慮されているという、3ページの国際的な優位性のところですが、これですと、「将来の脅威を抑制」というのはわかりにくい。漠然としていて、どのような脅威が起こってくるのかというのがわかりませんので、ここは、宇宙空間というのがグローバル・コモンズとして認識されるようになってきた。つまり、探査が進むことによって、宇宙はいろいろな科学的あるいは技術的な可能性が見いだせるような空間だという認識が非常に高まってきて、それを活用していくというところが、宇宙探査の意義の一つだと思います。ですから、それは意義として述べた上で、だけども、こういう探査が進むことによっての弊害も出てきて、そこでのガバナンスの欠如も問題になってきているというような形で書いた方がいいのではないかと思います。
 それから、「力の空白」というのも、何の力なのかというのがわかりにくい。多分、ガバナンスをする上での制度がまだないので、そのことだと思いますが、ここも説明の仕方を工夫した方がいいのではないかと思います。

【向井専門委員】計画のプライオリティ付けを議論する資料にするために、もう少し誰が読んでもわかりやすいものにした方がいいのではないかと思います。4点あります。
 一点目、「国際宇宙探査」という言葉と「宇宙探査」というのが、スコープが違うわけですから、言葉の区別を明確にして書くべきだと思います。例えば、3ページのところは「宇宙探査とは」という、非常に大きな人類の宇宙探査の話が出てきて、その後、古城委員がおっしゃるように「我が国の」と入ってきて、次、4ページの「2.の宇宙探査」と書いてあるところは、この下を見ると「月・火星、小惑星、低軌道」となっているので、ここは「宇宙探査」ではなくて、「国際宇宙探査」というタイトルの方がわかりやすいのではないかと思います。
 二つ目は、単なる書き方だけですが、6ページの上の四角いところが「次世代のロボット技術やエネルギー技術」と書いてあるのですが、これはこの下に書いてある1パラグラフの中で「ロボット・エネルギー」で、その下に「有人活動の技術」が入ってくる。よって、タイトルとしても、「ロボット・エネルギー・生活技術」あるいは、「生命維持技術」というように三つ入れないと、下のところがタイトルとして拾えていないと思います。
 三つ目は、7、8、9のページですが、7ページの書き方が今後行いたい計画の抜粋だけで、日本が既に行ってきた計画で培った技術力の全体像が出てないように思います。まず7ページが月と火星、これは方針だけを書きたいのであれば、これでいいのかもしれませんが、さっきJAXAが説明したハブ構想的に月に着陸していく技術と、天体自体を科学的に探査する技術、それから、そこに人が住むという有人宇宙技術があります。これらに関連する地上での研究開発は既にもう着手しています。谷室長の資料では、宇宙空間で実際に行わないとまだ着手していないような表現をしていますが、地上でそれらの技術を開発着手しているものは、既に宇宙計画の一歩を踏み出していることだと思います。したがって、地上開発中のものも入れ込んだ大きな絵図を示して、今後の計画のプライオリティ付けを議論するべきと思います。
 四点目ですが、9ページは冗長で、7ページが我が国の月・火星探査に言及している。さらに、9ページにくると「火星の場合には」と言っていて、また、次、「低軌道、月近傍」なので、この7、9ページは、国際宇宙探査としては月・火星、その近傍、小惑星辺りにターゲットが決まっているので、項目別のところに月の場合、火星の場合とまとめた方がすっきりするかなと。ISSはそのためのステッピング・ストーンで、技術要素を開発するために、地上だけではなくて、実際の軌道上の施設も使っていますよという考え方になるのかなと思います。
 8ページには月の詳細が書いてありますよね。これは、月の場合はこれなので、火星の場合はこれ、小惑星の場合はこれとこれに相当するというような、我々が今目指そうとしているところに、同じような表が出てきた方がいいと思います。そういう全体像が見える資料を使い、どこにプライオリティを置くかということを決めればいいと思います。

【続橋専門委員】2点ほど。一つは6ページで、向井委員の話と重複するのですが、技術と産業への波及というところで、ロボットとエネルギーと下のライフ系は一緒にした方がいいと思います。波及するこういった分野自体が、日本にとって重要な分野だということを強調したいと思います。
 ちなみに、経団連は「将来の基幹産業」を1月1日の経団連ビジョンで、ロボット、AI、バイオテクノロジー(ライフ)、航空宇宙、IOT(Internet of Things)(ICT)としています。ですから、こうした技術と産業が日本を引っ張って成長を導くものにつながるということを強調したい。
 もう1点は、細かいところですが、4ページの一番下の「低軌道のステークホルダー」という言葉の使い方です。ステークホルダーというのは、違う国ではなくて、例えば企業と国と従業員とNPOとか、属性が異なるというイメージです。国は同じ属性なので、低軌道にかかわる国が多様化するとか拡大しているとしても、「ステークホルダー」という言葉が気になりました。

【牧島第一主査代理】向井委員が言われた一般的な意味での宇宙探査と、狭い意味での括弧つきの「国際宇宙探査」は、きちんと書き分けた方が良いと思います。場合によっては「国際宇宙探査」という言葉は何を意味するのかという注釈ぐらいはあってもいいのかもしれないです。大きい一般的な方の視野から出発していって、最後に具体的にやりたいことは、括弧つきの方に落とし込むような階層構造にするといいという気がいたします。

【藤崎主査】ほかの委員の方々はよろしゅうございますか。これは今まで出た議論のまとめでございますが、先生方のおっしゃっている点は、大きな宇宙探査、宇宙の意義というのがあると。他方、今、国際間にはきちんとしたルールがないので、「草刈り場」という言葉が適当かどうかわかりませんが、若干自由競争になっていると。そこで、私どもの将来あるべき姿としては少なくとも現実的な、大きな宇宙探査ということとは別に、今ある宇宙探査としてはきちんとしたルールづくりをできるだけ投入していきたいと。日本は二つの意味でいい点がある。一つは技術で非常に優れているものを持っていることと、ISSに入っていることによって特別な地位を有しているということで、これを最大限利用して進めていくということを明確に意識として持っていなければいけない。今は非常に厳しい時代ですから、優先順位をつけるだけではいけないのですが、我々が今後物事を進めていく際に物差しになるものが、例えば安全保障、日本の国益であり、産業基盤であり、日本の科学技術へどういう影響があるかという物差しを持ってやっていくと。物差しを持ってやっていくと、さっき出ていたようにISSを今後どう活用していくか、小惑星をどういうふうに取り組んでいくか、そして、無人・有人という流れで、月を、更に火星といった流れをどういうふうに見ていくかということで、目標のロードマップというか、行動原理のようなものをどういうふうにそれにあてはめていくかということを分けませんと、ごちゃごちゃになるので、そこのところは整理しながら議論していくのかなという感じが、伺っていてしておりましたので、今までの先生方の御議論を踏まえて少し整理をしていっていただければと思います。
 それでは、ほかにございませんでしたら、本件につきまして、谷室長なり田中局長の方からございましたらお願いします。

【谷室長】様々御議論を頂きまして、御指摘の点は全くもっておっしゃるとおりだと思いますので、具体的な文章化の際にいろいろ工夫をしていきたいと思います。その際、頂いたコメントについては、十分それを踏まえた形で作業をしたいと思います。あとは、私自身ずっと「国際宇宙探査」を考えているものですから、ここは当たり前だと思ってしまいがちなのですが、国民の皆さんから見てわかりやすいようにという形の視点を常に忘れないようにして作業をしたいと思っております。個別具体的に頂いたコメントはきちんと反映したいと思いますし、今後、小委員会でのインプットの中にも生かしていきたいと思っております。

【藤崎主査】次回以降のことにつきまして、事務局から御説明いただけますでしょうか。

【神部補佐】事務局より御説明させていただきます。本日の会議でございますが、運営規則に基づきまして、会議の資料は公開となります。また、本日の会議の議事録につきましても、後日、先生方に確認を頂いた後、ホームページに掲載させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 また、次回の会合の日程でございますが、来週、4月20日月曜日、16時から、場所は文部科学省3階の2特別会議室を予定しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【藤崎主査】ありがとうございました。13回会議を了したいと思います。

お問合せ先

研究開発局宇宙開発利用課

-- 登録:平成27年05月 --