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宇宙開発利用部会 国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会(第11回) 議事録

1.日時

平成26年12月12日(月曜日)10時00分~11時30分

2.場所

文部科学省 15階特別会議室

3.議題

  1. 我が国としての国際宇宙探査の進め方について
  2. その他

4.出席者

委員

主査  藤崎 一郎
第一主査代理  牧島 一夫
第二主査代理  角南 篤
専門委員  古城 佳子
臨時委員  知野 恵子
専門委員  続橋 聡
専門委員  西島 和三
専門委員  向井 千秋
臨時委員  米本 浩一

文部科学省

研究開発局長  田中 敏
大臣官房審議官(研究開発局)  磯谷 桂介
研究開発局開発企画課長  柳 孝
研究開発局宇宙開発利用課長  千原 由幸
研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室長  谷 広太
研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室補佐  神部 匡毅

【説明者】
独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
 理事  長谷川 義幸
 執行役  田中 哲夫

5.議事録

【藤崎主査】おはようございます。それでは定刻になりましたので、第11回会合を開催させていただきたいと思います。
事務局より、本日の会議に関しまして、確認をお願いいたします。

【神部補佐】事務局より確認をさせていただきます。本日の会議でございますが、11名の委員の皆様のうち9名の先生方に御出席いただいております。運営規則に定める定足数を満たしておりますので、会議として成立している旨を御報告申し上げます。
 続きまして、資料の確認をさせていただきます。お手元の議事次第をごらんください。議事次第の4にございますとおり、本日、4種類の資料を配付させていただいております。過不足等ありましたら事務局にお伝えください。また、本日は机上用資料としまして、緑色のファイルに参考資料を用意しております。適宜、会議の中で御覧いただければと思います。

【藤崎主査】ありがとうございます。議題1は、国際宇宙探査の進め方で、JAXA田中執行役に資料に基づいて御説明を頂きますが、その前に、新宇宙基本計画その他につきまして、田中局長あるいは谷室長等から何かご発言がもしあれば、今ちょっと選挙なんかもございますけれども、何か私どもとして承知しておくべきことがあれば、お願いいたします。

【谷室長】新宇宙基本計画、及びそれに添付されております工程表でございますけれども、机上用資料の中にとじ込みさせていただいております。これはパブリックコメントに付されたいずれも素案でございます。パブリックコメント期間は終了いたしましたので、計画、それから工程表に対するパブリックコメントに対する回答を今整理されているものと理解をしております。当初、年末までに決定という予定でございましたけれども、選挙の結果、現在25日組閣というような報道でございまして、決定は年明けにずれ込むということになるのかなというふうに理解をしてございます。

【藤崎主査】この新宇宙基本計画素案は谷室長からお話がございましたように、まだ今、パブリックコメントに付されていたものでございますが、この中で私どもが議論をしているところを御説明いただけますか。

【谷室長】特にISS、宇宙探査といったところで申し上げますと、20ページ、21ページ、このあたりが該当箇所になろうかと思います。これは以前、当小委員会でも御紹介申し上げたとおりでございますけれども、宇宙科学・探査及び有人宇宙活動ということで、全体、宇宙科学・探査、有人宇宙活動の意義、あるいは重要性といったものが冒頭に書かれておりまして、そのあと宇宙科学・探査、学術として行われるもの、それからISS、国際有人宇宙探査についてそれぞれ記載がございます。現在並行して27年度の政府原案編成中でございまして、調整中と書かれているところを含めて、予算の方が固まりましたらそこも併せてセットされるという運びになってございます。

【田中局長】少し補足をさせていただきますと、今、谷の方から御説明を申し上げました、特に20ページ、21ページの表現と、現行の宇宙基本計画、25年の1月にできているのですが、そことの微妙な違いというところをお見取りいただければというふうに思います。ISS及び有人というところについての表現の書き分けということも、よくよく見てみないとわからないぐらいの微妙さかもしれませんが、ここは思いをもって異なる表現をしてあるということでございます。特に国際有人探査については、厳しい財政制約を踏まえつつ厳格に評価を行った上でというような文言が入っております。上のISSのことについては、総合的な検討を行い、云々(うんぬん)と、そういうような書き分けになっております。ここで御議論いただいているようなことも、この中の評価とか意義づけであるとか、そういうことに、我々としては、大きな方向性みたいなものをインプットとしてお与えいただけるのではないだろうかというふうに思っております。

【藤崎主査】この点につきまして何か委員の方から御指摘はございますか。御質問がなければ、第1議題に入りたいと思います。
 それでは第1議題について田中執行役、お願いいたします。

(1)我が国としての国際宇宙探査の進め方について

JAXA(田中執行役)より資料11-1に基づき、我が国としての国際宇宙探査の進め方について説明。

【藤崎主査】長期・短期というのはどのぐらいのことを言っていらっしゃいますか。

【JAXA(田中執行役)】長期というのは、月は2週間で昼と夜が交代いたしますので、夜も含めて滞在できるようなところまでが本当の意味での長期滞在と考えています。これは究極ですけれども、そういう認識でおります。短期というのは、月で日照が出ている2週間以内ぐらいを短期滞在というふうに定義しております。
 そういうことでフェーズ3の活動への方向性を決めるための活動としてフェーズ2を今回御提案している次第でございます。

【藤崎主査】今御説明いただいたのはこの資料でいくと11ページまでなのですね。

【JAXA(田中執行役)】はい、そうです。

【藤崎主査】そのあとのものは参考資料であると。今の御説明でございますと、月面探査につきましては、月利用・月探査自体が目的の部分と、火星へのステップという両方の側面があるわけでございますけれども、その後者の方については今回の説明には含まれていないということでよろしいですか。

【JAXA(田中執行役)】それにつきましては9ページにございます「有人探査に必要となる共通基盤技術の獲得」ということで、重力天体への着陸、その中での滞在探査の技術を月面で実証していくことが、火星探査に向けた技術蓄積というふうに考えております。

【藤崎主査】今のようなステップを踏んでいくことが一般的には、他の国も大体やるやり方であって、これをやっているうちに他の国が先にいっちゃうというようなことはなくて、こういうステップバイステップ方式が適当であると。各国ともそういうふうな形で進めているという理解でよろしゅうございますか。

【JAXA(田中執行役)】はい、その通りでございます。

【藤崎主査】わかりました。皆様方、いかがでございますか。

【西島専門委員】先ほど田中局長から言及のあった、新宇宙基本計画において厳しい部分が盛り込まれているということを踏まえると、7ページ、効果の向上と費用の効率化というところが、私どものようにこれまでISSとか宇宙利用に関わってきて多少中身のわかっている人間は総論としては是非進めるべきとなるのですが、ここの書きぶりは、より具体性に書くことがこれから必要なんじゃないかなと思います。例えばこれから5年、10年、あるいは20年という時間スケジュールをまず決めておいて、その中において、例えば外交・安全保障上の効果とか、それから宇宙飛行士による青少年の育成への波及効果というのは、これはどちらかというと余り直接的に投資、費用対効果を議論するべきところではないと思います。そういう部分と、それから産業基盤維持の産業というのはどういう産業界を具体的に示しているのか、また、産業ごとに直接的に効果がある部分と波及的に効果がある部分とを具体的に示すことが必要だろうと思います。それから可能性が高い技術というのは具体的に何なのか、それから我が国ならではの宇宙技術のキー技術とは具体的に何を考えているのかということも、これまでのISSの実績を踏まえて、より具体的に示す必要があると思います。例えば私どもの関係しているライフサイエンスの分野で考えるならば、ISSの有効利用については、例えばタンパク質の結晶化ということについて、業界の中で新しい薬のドラッグデザインのためにヒト由来の病気に絡んだタンパク質の構造解析をきれいに決めることが次の新しい創薬に結びつくということについては、これはもう異論がなくてかなり確実です。あるいは宇宙医学として、宇宙飛行士の健康状態を維持する問題であるとか、宇宙環境の中での発生学が宇宙の生命科学の根源に結びつくというようなこともわかっている。それから具体的な部分と波及効果という部分については、各産業界へのアンケートとかそれからヒアリングを通じてより具体的に詰めることを、今からやっておく必要があるという印象を持ちました。

【米本臨時委員】まず、月の計画にフォーカスしての資料だったと思います。田中執行役からの御説明で、重力天体の月や火星等と書いてあるので、月探査を一生懸命やれば火星探査の技術が備わるのかというようにも聞こえたのですが、そうではないようです。月の計画も考えながら、火星探査等にどうつなげていくかが見えないので、今考えられることを取りあえず考えているだけの計画にしか見えません。
 次の点は、この資料の11ページについて、月面を探査し、無人着陸をするという技術を獲得したときに、国際的な協力で日本がどういう立ち位置を得るのかという見通しが欲しいと思います。つまり、日本が技術獲得したけれども、他の国では既存技術になっていて、結局日本が参入できないとかでは困ります。やはり国際協力で日本の立ち位置が明確になるように、どのような技術分野の獲得を目指すのかというシナリオが絶対必要だと思います。そのシナリオがよく分かりません。
 三つ目は、月の本格的利用を2030年頃に行うことをもって国際宇宙探査に参加することについてです。最初のシナリオ通り進めば、2030年以降は、有人火星探査の時代に突入していくわけです。ということは2020年代に日本としていろいろと準備していかないといけないと思います。そういう時系列的な工程が全く抜けているように思います。このような意味で、今回月にフォーカスしていろいろ説明していただいた資料が、本当に月や火星等を見据えた国際宇宙探査全体を見て検討された計画なのかというところが、心配です。

【知野臨時委員】先ほどの藤崎主査の質問とも共通しているのですけれども、宇宙探査シナリオは、国際的に合意して進めているものなのでしょうか。断片的に聞こえてくる米国で予定されている例えば2030年代以降の有人火星探査や小惑星探査等について、各国がいろんなこと考えているようなのですが、このシナリオに統合されたらそのままいけるのかというのがちょっとよく分からないです。
 それから2番目は今、米本委員がおっしゃったように、月と火星との距離感がものすごくある。技術的にも費用的にも、ものすごい距離があってですね、月のことを言っていてこれで将来的に火星というのがどうしても結びつかない。
 それから3番目ですが、8ページのところで、日本の力で難易度の高い課題を克服する技術、優位性の高い技術を開発し参画するとありますが、これは具体的にどういうことを思っていらっしゃるのでしょうか。というのは難易度の高い技術にたとえ取り組んだとしても、それが果たしてどのような貢献になるのか、要するに日本はこのような技術を持っているということだけでいいのか、具体的に何を考えておいでなのかをお伺いしたいと思います。

【藤崎主査】他にもいろいろ御意見あると思いますが、とりあえずここで切りまして、田中執行役、御説明いただけますか。

【JAXA(田中執行役)】産業界への産業競争力に関しての具体的な内容については、御指摘のとおりで、今後、産業界と十分ヒアリングして、具体化を図っていく必要があるという認識でおります。さらに、今回方向性としてまとめさせていただきましたので、少し具体性に欠けているかと思いますけど、今後お示しさせていただければというふうに思っております。それから、今回月にフォーカスしていて、火星にどうつながっていくのかわからないというような御質問だったと思いますけれども、これについては5ページに示させていただいておりますように、今回この月探査で実施される技術開発だけでは火星への探査が可能となるというわけではございません。例えば、火星に行くとなりますと更に遠距離になりますので、無重力下での長期滞在の問題、それからある程度薄い空気がある中での効率的な着陸、それから離陸の問題等、火星に向けた大きい課題がまだまだあるという認識でございます。今回御説明いたしましたのはその段階の中でまず共通的に取り組むべき月探査を通じて獲得できる技術を獲得すべきということで、その部分について御説明させていただいております。全体像という意味では、今後、示していく部分の一部と御理解ください。それから、国際的な大きい流れとしましては、5ページに示しておりますように、現在月近傍での有人活動というもので技術立証していくということがISECG等での世界各国宇宙機関での議論でございまして、その段階で我が国でもちゃんとした役割を果たすということで、十分、将来に向けた存在感、役割というものが発揮できるというふうに認識しております。有人火星探査という意味ではもっと時間がかかっていくというふうな認識をしておりますので、まずは月面への着陸、有人月面探査に向けた技術開発、国際協力を推進することで火星、将来に向けた役割発揮というものも可能になるというふうに認識しています。
 11ページに示させていただいていますフェーズ2の無人月面着陸探査による月利用の可能性の調査実証ということについては、前にも御報告いたしましたように米国等との協力による極域探査活動として現在検討を進めておりまして、国際協力としてここは実施していきたいということでございます。

【知野臨時委員】質問したのは、フェーズ3も含めてこのへんまで全て国際的に合意がなされているものなのかという点が一つと、それから8ページであげられている難易度の高い課題を克服する技術とか優位性の高い技術というのは具体的にどういうイメージをお持ちなのでしょうかということです。

【JAXA(田中執行役)】フェーズ3の、月の本格的な利用についてはISECGのロードマップでも示されていますように月近傍での火星に向けた技術実証のアプローチ、どんな順番でどういうことをやっていくかについて現在国際的に議論をしております。その中の一つとして月面有人探査が提案されておりまして、具体的な国際協力の内容について検討、議論が進められているということでございます。そういう意味では、国際的に検討中という認識でおります。それから8ページの難易度の高い課題を克服する技術、優位性の高い技術を開発し国際的活動に参画するということでございますが、やはり日本独自若しくは日本が優れている技術で国際宇宙探査に参加することが必要でございまして、具体的には今、検討を進めておりますが、例えば具体的には「こうのとり」のような月等への無人輸送や着陸、宇宙医学、ECLSS関係の要素のところで、我々優れた技術を獲得して活用していきたいというふうに考えております。この具体的な技術内容については、前に少しまとめさせていただいた資料を用意させていただいておりますが、今後具体的に選定していくべきものと思っています。当然着陸技術も入っております。

【牧島第一主査代理】少し違う観点から、7ページに質問させていただきます。赤字で書かれたように、国際的に分業して効率化を図ろうという方針は結構だと思うのですが、その場合に輸出入規制、あるいは通商条約のようなものが常に問題になります。外国の製品を輸入しようとすると、すぐにそれは輸入規制にひっかかるし、逆に日本の企業が外国に参加しようとしてもスーパー301条のようなもので阻まれてしまう。そのようなことは現在、足かせになっているのかどうか、またもしそうであるとすれば将来どうやってそれを乗り越えていくか、そのあたりをお聞かせください。

【角南第二主査代理】西島委員が最初に御指摘されたと思いますが、私ももう少しきちっと整理をしないといけないと思うのが、時間軸が入っていないところです。また、外交・安全保障で一番大切なことは相対的な関係で、日本だけの問題ではなくて、例えば、30年後にはインドが宇宙大国になることでどう世界情勢が変わるかということを描く必要があると思います。
 それから、ランデブー技術の標準化という話をされていましたが、将来の産業競争力の重要なポイントに、30年後だったらなるのではないかと思います。この時間軸を考えると、標準を取るということこそが最先端なフロンティアの戦略です。そこに調達の話があり、国際協力によってスタンダードをつくっていくことです。それから西島委員がまさにおっしゃったように、分野が全然具体的でないので、医療にしてもそこはもう少し丁寧にやっていただければと思います。

【向井専門委員】この資料は情報提供の流れを省略しすぎていると思います。時間スケール、国際の役割と日本国内の役割、日本が提供できる技術の可能性等の全体像をまず提示するべきと思います。予算制限が強く出た資料のため、委員の意見を伺うというよりか、予算上これしかできないという書き方になっています。本来するべきことと、予算上これしかできないということの内容が混然としているため、何となく漠然とした資料になっているように思いました。
 これまでと幾分違うことは、4ページで、「国際宇宙探査とは火星の有人探査を目指す」と明記していることです。この遂行のためには様々な組合せがありますが、まだ国際的にも役割分担などは全くわかっていない話です。5ページの国際宇宙探査の全体像を見てみると、無人火星探査を行っている。この情報は、JAXAの方針というよりかはISECGが現在考えている全体像をイメージするものかと思います。国際宇宙探査に興味がある国々が国際認識を共有するという意味では有用な情報と思います。この中に日本の戦略を重ねて表示すると、日本の戦略の国際的な位置づけがわかりやすくなるかと思います。
 このページのすぐあとがJAXA案となっています。日本の方向性として効果と費用を見た上での方針が書かれています。 8ページ以降の方針部分を膨らませる形で書くと、日本の方針がより明解になるかと思います。このあたりが省略されたまま、突然「月探査」という方針になっているので、唐突感があるのではないでしょうか。
 8ページの技術的視点は、月探査を行う場合の技術的な詳細情報で、参考情報的に考えてもいいかと思います。この委員会の役割は、技術論よりかは、費用対効果、国際的な役割、有人・無人を組み合わせてどういうふうに進めていくか等の方針を議論することなので、JAXAはこのための情報提供をすることが重要かと思います。

【JAXA(田中執行役)】輸出入規制の問題でございますが、当然、各国競い合う技術というのはございますので、全てが単一でやれるとか共通化できるとかではないと思っています。輸出入のITAR等の指定で非常に不自由している部分等について、今後どんどん改善を図っていくというような動きは米国でもございますので、大きな支障というわけではないというふうに認識しております。
 それから、産業関係について時間軸での分析だとか、それから整理というのは不十分であるというのは重要な御指摘だと思っておりますので今後十分検討していきたいと思います。

【角南第二主査代理】国際宇宙探査の進め方としては、国際協力というのは手段であって目的ではないということではないでしょうか。向井委員も多分そういう趣旨の御発言だと思います。

【JAXA(長谷川理事)】その補足になるかどうかわかりませんが、ISECGでやっているプロセスを少し御紹介させていただきます。ISSのようなきちっとしたアグリーメントや政府間でやっているものとは異なり、一種のフォーラムになっています。要するにノンバインディングで、責任がありません。14の宇宙機関という限定の中で進めておりますが、その中では、各国が日本を含めて自分がやりたいことをそこに出していきます。国際的な米国とかロシアの動きの中でやりたいことをできるだけ出そうとするために、各国は慎重に出しています。あるロードマップ・マイルストーンで方向性・シナリオを主に米国が出しながら、ヨーロッパや日本がそれに補完をするという流れで、14機関で大体の方向性についてコンセンサスを得るという役割をしています。それが一種のロードマップと称する大まかなものです。シナリオが決まり、どういう手段でそこに持っていくのかを議論しますが、各国、自分たちがやることによってそれを世界の中の立ち位置を出したいし、キー技術として売りたいし、更にプレゼンスを出したいというのがあり、慎重にやっています。そのシナリオの中でどういう技術がいるのかというマッピングをつくりましょうということで、10ほどの技術カテゴリをつくって、その中で各国がどういうところに貢献し、やりたいのかということをマッピングしています。当然ダブりますが、ダブった投資をしても意味がないので、ダブったところを一体どこの国が取れるのか、それは技術的にできるのか、予算的にできるのか、いろんなことを考慮した上で調整するなど、一種のマルチの中で大枠をつくりながら探っていくプロセスをISECGという枠の中でやっています。その中で交渉云々(うんぬん)というのは当然やりません。その中で米国がやろうとしていることに対して日本が貢献できたり、米国の中の一部を獲得できたりすることが日本の中で出てくると、2国間において別枠で協議することにしています。日本とドイツ・DLRとか、あるいは日本とESA、カナダとか、別枠で話をしながら、コンセンサスを持ったら次にISECGのワーキンググループの中に出しています。
 今年10月ぐらいからは、中国がその中に入ってきました。やっぱり自分たちが国際的な立ち位置の中でやろうとしているきらいがあって、彼らも同じようなことをやろうとしているのですが、自分たちがここをやりたい、でもそこが世界の中でどうかという空気を見ながらやっており、まだまだフォーメーションとかアグリーメントとか国際的に当然ありませんし、今はどちらかというとサウンディングで探りながら自分たちのやろうとしている方向に持っていくというフェーズでやっています。

【続橋専門委員】角南委員の話とも関係するのですが、7ページのところで、効果が四つ書いてあります。その中の一つに外交・安全保障上の効果とあります。安全保障が入っている理由がよくわからなかったのですが、上を見ると、外交としか書いていません。だから、安全保障と書いてはいますが、余り意識はしていなかったのかなと思いました。安全保障には二つ意味があり、一つは多国間がやることによってどんな意義があるのか、もう一つは、先端技術の面でどういう意義があるのかということです。一番下の科学技術等に与える効果というのが、余り安全保障上の非常に高度な技術というイメージではありません。無人技術は防衛の分野でも一番重要で、超高度な無人技術、制御技術、あるいは、この前の「はやぶさ2」のように、秒単位で正確に打ち上げられる技術等、どう表記するかは別として、安全保障等も含めた非常に高度な技術によるミッションを実施するというような含みを、入れていただければと思います。

【古城専門委員】私も他の委員の方がおっしゃったように、全体像がわかりづらくて、特に私、この中で余りよく知らない方の部類だと思うのですが、これだとこの分野に精通していない方々には多分よくわからないと思います。それはなぜかというと、やはり4ページで国際宇宙探査というのはこうだって書いてあって、国際協力の在り方も多国間もあれば2国間もありますというふうに、それを様々に組み合わせて考えられるというふうに言っている割には、そのあとで、日本がその中でどういう、なぜこの方向性をとったのかというところがよく説明されていない。先ほどいろいろ指摘があったように、世界各国でこういう方向性を探究しているのかなって、いうことはわかります。しかし、火星までの有人探査というのは大体世界各国が目指しているけど、その道筋はそれぞれ違うということだと思うんですよね。その中で日本がなぜこの方向性を出さなければいけないのかという点についての説明がすごく不足していると思うんですね。それで、先ほどから話題になっている7ページの費用と効果の問題ですけれども、国際的な役割分担というのは非常に聞こえがいいのですが、これは現実的にはすごく熾烈(しれつ)な競争の中に出てきて、必ずしも役割分担に合意したからといって、自分の国にとって効率化が図れるとは限らないと思います。無理やりお付き合いで出させられるということもありますので。ですので、日本がやりたいことに対して、どういう枠組みを使って費用の効率化を図るというところまでやっぱり言っていただかないと、これだけだと国際協力の点からは本当に何も言っていないような感じがするのではないかというふうに思います。
それからもう一つよくわからなかったのが、8ページのところの書き方ですが、「次の段階として、国際的な競争環境下において我が国としての自立性を確保するため、月面でのロボティクス探査を早期に進める。」これは、短期的なことを言っておられると思うんですけれども、次の文には、「長期的には、…」と書いてあります。この短期と長期というものの差がどういうふうになっているのかと、先ほど説明された具体性ですと、「こうのとり」のような輸送技術とおっしゃっていましたけど、それは既に着手されているような気もするので、この、短期と長期というのはどういうことが念頭に置かれている時間軸なのかちょっと説明していただければと思います。

【JAXA(田中執行役)】最後の方の8ページの短期・長期のことですが、ここで申し上げると、最後の表でございますが、最後のステップということで次の段階と言っているものは、11ページの月探査のステップとして次の段階としてはフェーズ2での活動を我々意識しております。それから長期的にはと言いますのは、それ以降、フェーズ3として月の本格的利用が国際宇宙探査の活動として実施されていくという想定のもとで、そこにちゃんと入っていくということをにらみながら、フェーズ2を実施するという趣旨で書かせていただいております。
 それから安全保障の観点という形で、確かにこの表現では御指摘の通り、余り明確でないというのでありますので、これから御指摘の方向で追加、加えていきたいと思います。

【藤崎主査】文部科学省の方から何かこの全体についてありますか。

【田中局長】全体というか、前回も何となくその趣旨みたいなことを申し上げたような気もするんですけれども、先生方からの御指摘は、それぞれ本当にそうだなと思っているんです。逆に事務局としてこういう資料をお出しして御議論いただくということについて少し申し訳ないという気がしています。最初に新宇宙基本計画の文章を少し紹介をさせていただきましたが、有人宇宙探査についての国際的状況を踏まえると、有人宇宙探査に日本がこう全く関与しないなんていうことはあり得なくて、きちんと関与をしていく、あるいは関与というどころかむしろ自分たちが主体的に進めていく、火星に人を送り、月に人を送る。これをどういうタイムスケールでやっていくのか、それを実現するにはどういう配慮をしていく必要があるのか、どういう戦略をとるのかというところについての議論がなされていなくて、いきなりこう技術論っぽい、表面的な議論に終始してしまっていると思うんです。今日頂いた先生方からの思いというか、御指摘ということについて、次回なのか次々回なのかということはこれからよく相談をしてみますけれど、JAXAも本当に自分たちが有人で月を探査するんだ、有人で火星を探査するんだという強い責任感を持って、そのためにどうしたらいいんだという資料をつくらないと、これ、どう出したって評価にも耐えられないなという気がします。したがって、これから少しお時間頂いて、つくり込んでいきたいと思います。

【米本臨時委員】委員会に参加して、今日初めて前向きなうれしい話をお伺いしたと思います。当初から、日本は有人宇宙輸送をやるのかやらないのかというのを避けては、有人国際宇宙探査参画の議論というのができないと主張してきました。
 安全保障について先ほど議論がありました。視点が少し変わるかもしれませんが、防衛装備を自ら持っていることで防衛力が自立していると考えます。防衛装備を持っていることによって、さらには安全保障という役割を果たすということではないかということです。宇宙技術で自立性を確保するということは、他国が日本を友達にしてくれなくても自分たちは一人でもできるぞということだと理解すべきです。月探査であれ、火星の有人探査であれ、日本をはじき飛ばそうとしても、自力で行ける技術獲得をやるのか、やらないかという議論が求められていると思います。したがって、安全保障における宇宙技術の自立性確保を私なりに正しく理解しているとしたら、自分たちでも行けるよう計画しているという環境の中で、国際協力に対してどのような姿勢で臨むのかを主張することにあるのではないでしょうか。
 有人宇宙輸送に関して、具体的に強化しなければならない技術分野を洗い出し、正面から取り組むことこそ、国際プレゼンスの向上であり、日本がその宇宙技術において世界をリードする国になれるのだろうと思います。
 御説明いただいた資料では、あとでお叱りを受けるかもしれませんが、日本が将来、2020年、2030年以降にも世界の宇宙開発のリーダーとして活躍できるようなシナリオには、全く読めないというのが正直な感想です。

【角南第二主査代理】米本委員のおっしゃったのと全く同感です。もう一つ安全保障という意味では、自立性に加えて脅威の存在とがあって、先ほど続橋委員がおっしゃったような技術の獲得がまさに重要だという観点です。その二つの側面を考えてこの30年後の世界でどういう国々がどういうことをやろうとしているのか、ISECGなどでいろんな議論がされているわけですから、情報を得る格好の場としても活用することができるはずです。

【藤崎主査】ありがとうございました。恐らく、この議論を聞いてJAXAの方々は、JAXAは実施機関であり、場合によっては日本政府自体がもっとはっきりした方向性を示すべきではないかと、それがここに書いてあるようにかなり苦しい議論をしているので、という、ニワトリと卵という考え方もあると思いますが、こういう段階であればさっき局長が言われたように、できるだけ実施機関からも明確な方向性というのが出てくると、それは逆に引っ張っていく形になるのかもしれないというのは、言われるとおりだろうと思います。
 長期的に恐らく有人宇宙飛行をしていくという目的があり、しかし当面は1. 費用対効果という観点、2. 資源利用可能性、滞在可能性、3. 火星へのステップと、この三つの理由によって当面は月面無人探査、それから月面有人探査というステップを踏んでいくことが合理的であるというのがこの趣旨であって、あと国際協力については1. 日本が強い分野、2. 波及効果ができるだけ大きい側面、3. 他とダブらない、人からもらえるものは自分でやらないというような側面、こういうものを勘案しながら、どれだけ最も国益に即するような国際協力を進めていくということが重要ではないかと思います。
 今回いろんな議論がございましたが、特に大きく皆様方の意見でございましたのは、月面探査はこういうこととして、そこから火星探査へのつながりが見えないということが非常に大きくございました。もう一つは、ISECGの御説明が長谷川理事その他からあって、なるほどという話がございましたけれども、そのISECGでどういうふうに各国との間で議論がされ、マッピングというのがどういうふうにやられているのかというようなところは実は皆さんも私もまだよくわからない。けれども、さっき田中局長が言われたように、次回でなくても、もう一回おいてでも、全体像をお示しいただくときに、そういう、その月から火星へのつながりとか、今の各国とのどういう議論をされているかというところ、かなり焦点もあてながら議論していただきますと皆様わかりやすいかと思いますので、一つよろしくお願いいたします。
 この第1の議題につきまして、もしよろしければ、ここまでとして、先ほど局長が言ったとおりもう一回改めて議論をさせていただきたいと思います。
 最近の動向につきまして、第2の議題でございますが、谷室長、お願いいたします。

(2)その他

【谷室長】資料11-2-1、2、3と用意をさせていただいております。資料としてお配りはしていないんですけれども、11月17日にNASAボールデン長官が訪日をしておりますので、そのときの様子をちょっと資料の御説明の前に御紹介をさせていただきたいというふうに思います。
 11月17日朝にNASAボールデン長官が、下村大臣に表敬に来られました。NASAとしては、日本を最重要なパートナーであるというふうに認識しているということからスタートいたしまして、ISS、それから国際宇宙探査について長期的に安定的なコミットメントが必要であって、日本からしっかり支援をしてほしいという期待の表明をされたところでございます。とりわけISSにつきましては、2024年までの延長に関して、是非引き続き参加をしてほしいということも言及されました。詳細は割愛させていただきますが、下村大臣の方からは、特に運用延長の関係で申し上げれば前向きに対応したいというふうに考えているけれども、今後政府全体として判断をしていきたいというお話がございました。それから日本への期待という意味では、ボールデン長官の方からISSの関係で、「きぼう」、HTVが非常に大きな貢献をしているということが改めて表明されまして、とりわけシグナスの失敗があった直後でございましたので、改めてというか、よりHTVの重要性が認識されたと、非常に重要な資産であるというようなことが言われました。また他方、新しい宇宙基本計画の議論が進んで、その最終版であったということもありますけれども、新しい日本の宇宙政策から見ると安全保障ということに非常に、民政分野での協力というのをしっかりやっていきたいということが改めて述べられました。また、中国が非常に伸びてきているということについても言及があり、そういう状況ではあるものの日米の強い基軸関係を続けていきたいというお話がボールデン長官からあったところです。この日一日かけて、他に山口宇宙政策担当大臣、あるいは葛西宇宙政策委員会委員長、JAXA奥村理事長等日本の宇宙関係者に表敬をされたところでございます。これ一点目でございます。

谷室長より、資料11-2-1に基づきはやぶさ2の打ち上げ結果について、資料11-2-2に基づきOrion試験機の打ち上げ結果について、資料11-2-3に基づきESAすい星探査機ロゼッタのすい星着陸結果について説明。

【藤崎主査】ありがとうございました。先ほど御紹介があったボールデン長官は私のところにもまいりましたので、私からこの委員会でこの前皆様方に議論していただいてまとめた考え方を一応説明させていただきました。それから先ほどもう一回宇宙探査の進め方について、局長も言われまして議論される場合に、これは財政当局等との関係もあって極めて難しいことだと思いますが、率直に言って今後、例えば月の無人探査にはどのぐらいかかり、有人にどれぐらいかかり、火星に向けてどんな技術が必要なのかという、およその姿がわかりませんと、恐らく委員会で議論してもなかなか。JAXAの推計というか、政府の予算といったような考え方ではなくて、何らかの形で御説明いただくとなると、それぐらいならばこれはこれでいいんじゃないかとかいう議論が出てくるんじゃないかと思いますので、ちょっとその点も御検討いただければと思います。

【谷室長】先ほど御説明した件について御質問がなければ、一点だけ、机上配付させていただいております資料の中に、小委員会の視察候補の資料を入れさせていただいております。現在、国際宇宙探査あるいはその中での月の探査といったような御議論を頂いておりますので、もしその参考になればということでございますが、相模原キャンパス、あるいは調布航空宇宙センターの方に関係の施設がございますので、もしよろしければ先生方にこういうところを見ていただくような機会を準備させていただきたいというふうに思っております。

【藤崎主査】実はこれは夏につくばに訪問させていただいて、非常に勉強になりましたものですから、この1月か2月に、もう一つ何かないだろうかということを谷室長の方にお願いいたしまして、この二つの候補を挙げていただきました。もしよろしければこれを一遍に半日か一日かけて回るということで、委員の方々でもう既に何度も行っていてこれはいいとおっしゃる方は除きまして、どなたか御参加いただける方がおりましたら、これから事務局の方から日程の調整をさせていただきますので、御参加いただければというお願いでございます。
 谷室長、日程は適宜調整していただきますか。

【谷室長】はい、よろしいということでありましたら先生方の日程の調整をさせていただきます。

【藤崎主査】次回の日程をお願いできますか。

【神部補佐】それでは最後に次回の日程などにつきまして事務局より御報告させていただきます。本日の会議資料及び議事録についてでございますが、運営規則に基づきまして本日の資料につきましては後日文部科学省のホームページにて掲載させていただきます。また議事録につきましても公開となりますので、また後日、皆様、委員の先生方に確認を頂いたのち、ホームページで公開をさせていただきます。
 また次回の日程でございますが、1月26日月曜日の16時から、文部科学省3階の第2特別会議室を予定しております。当初、15時からという御連絡をしておりましたが、一時間繰り下げて16時からというふうにさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【藤崎主査】この11回小委員会はこれで閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。

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-- 登録:平成27年03月 --