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宇宙開発利用部会 国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会(第9回) 議事録

1.日時

平成26年10月22日(金曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文化庁 2階第2会議室

3.議題

  1. 我が国の宇宙産業の現状と今後の方向性について
  2. ISS・国際宇宙探査の取り組み及び期待について
  3. その他

4.出席者

委員

主査  藤崎 一郎
第一主査代理  牧島 一夫
第二主査代理  角南 篤
専門委員  古城 佳子
臨時委員	知野 恵子
専門委員	続橋 聡
専門委員	西島 和三
専門委員	向井 千秋
臨時委員	米本 浩一
委員     渡辺 美代子

文部科学省

研究開発局長  田中 敏
大臣官房審議官(研究開発局)  磯谷 桂介
研究開発局開発企画課長     栁 孝
研究開発局宇宙開発利用課長  千原 由幸
研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室長  谷 広太

【説明者】
経済産業省 製造産業局 宇宙産業室長  恒藤 晃
三菱重工業(株) 防衛・宇宙ドメイン 宇宙事業部長  阿部 直彦
日本電気(株) パブリックビジネスユニット理事  高坂 資博
日本電気(株) 宇宙システム事業部長  安達 昌紀
独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)理事  長谷川 義幸

5.議事録

【藤崎主査】それでは、時間になりましたので、第9回の小委員会を開催したいと思います。前回、第8回につきましては、私、欠席のため、角南代理に議事を進行していただきまして、ありがとうございました。
 では、本日の議事進行につきまして、谷室長の方からお願いします。

【谷室長】ありがとうございます。今日はお忙しいところ、また足元の悪いところ、お集まりを頂きまして、ありがとうございます。
 本日、11名の委員の中で10名御出席を頂いておりますので、委員会として成立しているということを確認、御報告をさせていただきます。
 それから、資料でございますけれども、本日、議事次第をお配りしておりますとおりでございますが、資料を3種類、経済産業省さんからの資料9-1、宇宙産業振興の観点からISS・国際宇宙探査に期待されること。それから、資料9-2-1、三菱重工さんから、ISS・国際宇宙探査の取り組み及び期待について。それから、資料9-2-2として、NECさんから、衛星技術開発についてをお配りしております。過不足がございましたら、事務局の方にお申しつけください。
 以上でございます。

(1)我が国の宇宙産業の現状と今後の方向性について 

【藤崎主査】では、経済産業省の恒藤室長の方から、御説明を頂きます。よろしくお願いいたします。

経済産業省(恒藤室長)から、宇宙産業振興の観点からISS・国際宇宙探査に期待されることについて、資料9-1に基づき説明。

【藤崎主査】大変要領のいい御説明を頂きましてありがとうございました。まず、この御説明について簡単に議論させていただいて、それから、民間から来ていただいている2社からの御説明を承りたいと思います。
 まず、私からちょっと御質問したいのですが、2ページ目に、宇宙産業の需要構造の日欧比較というのがございました。これで見ますと日本は非常に官需が大きいと。欧州の方は民需がかなり大きいということでございます。この官需、民需のほかに、例えば、軍需産業を通じる間接的な官からの支援も欧州なんかではかなり大きいのではないかと思いますが、別に補助金ではなくても、いろいろな需要があって、それが宇宙産業にも届いているというよう形のものは、どんなものがございますか。
 それから、2番目は、さっきおっしゃった、この最後のページの大事な点でございますけれども、なかなか我が国の産業全体について、どういうふうに及んでいるかは把握するのは難しいのでございますが、例えば、どんな分野については、いわゆるスピンオーバーができていて、それが実はここら辺から出ているというようなトラックダウンするようなものというのは、余りないのでございますか。
 それから、3番目に、我が国の宇宙産業の現状を見ますと、三菱電機さんを除きますと、他の国の衛星が多いのですが、これは費用という問題が大きいのでございますか。

【経済産業省(恒藤室長)】まず、1点目でございますが、これは日本と欧州のグラフしか載せてございませんが、実は、当然ですけれども、宇宙産業が一番大きいのは米国でございます。米国の場合は、なかなか私どもとしても統計データを入手するのは難しいこともあって、これをグラフに載せてございませんが、米国は軍事用の需要がかなり大きいと。NASAがかなり有名ではございますけれども、実は、米国での宇宙開発利用のメインプレーヤーはNASAではなくて、むしろ安全保障関係だというのが実態でございまして、米国の需要のかなりの割合は研究開発も含めて、軍事あるいは安全保障関係が占めているというのはもう間違いない事実だというふうに認識をしてございます。それが1点目、すみません、お答えになっているかどうかあれですけれども。
 それから、効果につきまして、最後のスライドのところでございますが、直接的な効果につきましては、これから産業界の方々からのプレゼンもございますし、あるいは文部科学省からも、多分これまでも御説明があったと思いますので省略いたしますが、間接的な効果が具体的にどうかというのは、非常に難しい質問でございまして、ただ海外でも、例えば、子供たちが日本の宇宙旅行士の方々と触れ合う機会も当然あるでしょうし、また、いろんな形で報道もされると思います。そういうことを通じて認知度が高まるというのが、日本企業が海外で産業活動をする上で、環境づくりに貢献したのは間違いないと私どもは思っております。
 それから、三つ目の、人工衛星のマーケットに入っていけていないという原因がというのは、これは、買う方もトータルとして当然評価をいたしますので、総合力として、やはりまだまだ評価をされていないと。当然、飛び抜けて安いわけではない。どちらかというと、価格競争力は、そんなにないのではないかないかと思います。それから性能の面。性能というのは実績も含めてということに当然なりますので、幾ら地上で性能を言っても、宇宙環境で何年持つのかというところも含めてになりますので、性能、価格の総合的な面で、やはり海外と比べると、なかなか入っていけていない状況にあるというのが原因だというふうに考えております。

【藤崎主査】ありがとうございました。
 もう一回、民間の方々の御説明を受けた後にもお聞きしますが、ほかの委員から、今、恒藤室長に、この御説明について何かご提起があれば是非お願いいたします。

【渡辺委員】民間の方のお話を聞く前に、お聞きしておきたいと思います。国が主体的に進め資金的にも支援していく部分と、それから民間が主体的に独自の視点で進めていく部分というのがあると思いますが、これをどういうふうに、どういうような考え方ですみ分けをしていくのですか。
また、最初のところに、今は92%が官需ということになっていますが、この比率を何年後にどれぐらいに変えていきたいというようなお考えがあるのか、その点をお聞かせいただけますか。

【経済産業省(恒藤室長)】1点目の質問は、国として宇宙利用開発で何をやるのかということは、国全体として宇宙基本計画というのをつくっておりまして、それに基づいて進めていくと。基本的な考え方は、やっぱり社会インフラなり、それから科学技術の振興という観点で、大事なところは国が進めていこうということになってございます。
 他方、純粋なビジネスとして宇宙を利用するというものについては、これはもうビジネスでございますので、民間事業者は、自らの投資として実施しているというのが基本的考えだという認識をしてございます。
 具体的には、今、ビジネスとして民間事業者が投資をしているというのは、人工衛星の中では、ほぼ通信・放送衛星です。最近、若干、地球観測の分野で、例えば、ウエザーニュースという会社が小型の人工衛星を上げるというのも始まってございますが、そういった形で、ビジネスとして実際に投資するのが民間でやると、そういうことだというふうに認識をしてございます。
 それで、目標としてどれぐらいにしていくのかというのは、数字として今持っているわけではございません。できるだけ海外なり民間の需要を、日本の民間事業者がとれるように、政府としては環境整備なり、バックアップをできる限りやっていきたいと、こういう考えでございます。

【知野臨時委員】一つ質問なのですが、最後の9ページのところで、産業にとっての効果があるという期待をお書きになっています。今、ISS運用を2024年まで米国が延長したいと言っています。宇宙政策委員会はまだ検討中ですけれども、産業という面でも、経産省としては2024年まで続けた方がいい、あるいは望ましいというふうにお考えなのでしょうか。

【経済産業省(恒藤室長)】こういう形で効果があるのは間違いないと、私どもとしては思っておりますので、もし、続けないより続けた方がいいかどうかと問われたら、それはもう続けた方がいいと。ただ、当然、我が国としての負担を求められることでありましょうから、我が国のリソース配分として、どういうふうに優先順位をつけてやっていくのかというのは、そもそもISSというのは産業振興のためだけでもないでしょうし、いろんな観点を総合的に勘案して、優先順位はつけていく必要があるというふうには考えてございます。

【西島専門委員】先ほどの渡辺委員と同じようなのですが、1ページの92%という官需、この内訳が4ページの「政府による需要」という中で、社会インフラとか、科学技術、ロケット、基礎研究というふうに入っていると思うのですが、これはわかりやすく言うと、ロケットとか基礎研究なんかの、例えばプロジェクトをやるので、公募して、そこに産官学連携で入ってくるという、そういう枠組みなのですね。ここに、もちろん産業界がかんでくるのですよね。

【経済産業省(恒藤室長)】社会インフラの方でございますと、政府として、例えば情報収集衛星でありますとか、準天頂衛星というものを上げてございます。これを、政府が発注し、日本の民間企業はそれ受注をして、生産をしたり、打ち上げたりするというのが一つの形態です。
もう一つの形態は、JAXAが中心になると思いますが、いろんな研究開発をされて、JAXAとして、研究開発のために衛星を打ち上げられることもあるでしょうし、あるいは、次の新しいロケットの研究開発を進めるという場合もあります。そういう場合に、民間企業と一緒になって研究開発を進めるというのが、次のパターンと。
 あと、科学技術の観点では、探査などに向けてJAXAが衛星を打ち上げたりするという場合にも、日本の民間企業に注文なり共同研究をされて探査をされると、こういうような形態で、産業界から見ると注文が来るといいますか、需要が生まれているということです。

【西島専門委員】その三つが全部ごっちゃに入っているので、官が需要をしているというと、官が宇宙産業界の単なるお客さんみたいな形になっているようにみえてしまう。さっき言った我が国の技術の世界発信とか、革新技術の開発というのが、もともと注文されているから買ってもらっているという意識ではないというものを出さないといけない。国が買うと言わなかったら産業界は枯渇してしまうような、この92%という数字が余りにも極端なので。この後、私たちは各産業界の話を、たまたま聞けるからいいのですが、この官需92%、民需0.1%という、この数字だけがぽんと出ると、国が税金を使って宇宙産業界を潤わせているみたいな、そんなふうにとられないかという、その説明をうまく抱き合わせていかないといけないのではないかなと思います。

【向井専門委員】印象一つと、質問一つです。印象としては、経産省の宇宙産業室戦略としてはスコープが狭過ぎると思う。それはとても残念。宇宙先進国の一つである日本が、このレベルの技術を海外に売り込むことで日本の産業を振興するということですが、大学や欧州の民間企業、開発途上国の宇宙機関で行っている宇宙開発技術レベルでも十分できる内容のものと思う。例えば、この資料では通信衛星の部分だけですが、いつまでも官が主導権を握ろうとしているように見える。一方、民間も、官にいつまでも後ろ盾してもらっている。経産省が本来やるべきことは、官需で開発された技術を民需に移行させ、民間が主導的に商売を海外展開できるよう戦略を持って育成することと思う。既に民間利用されている通信衛星のような製品を、諸外国に販売していくのは民間に任せるべきと思う。
 次に、質問です。大型の人工衛星やそのインフラを海外に売り込んでいくのは政府の後ろ盾が必要とは思いますが、資料の8ページで、小型衛星に言及しています。「小型衛星による新たなビジネスの動きが見られつつある」と。このレベルが、どうして経産省の宇宙産業室戦略なのですか。開発が必要な大型衛星で、運用上も試験要素があるのであれば政府の後ろ盾の元に諸外国への売り込みをせざるを得ないかと思いますが、このレベルの小型衛星であれば民間や大学に任せればいい。民間の自主性に任せられる内容なのに、なぜいつまでも税金を使って経産省が後ろ盾しようとしているのか疑問です。また企業の代表者に伺いますが、これらの小型衛星は、政府が後ろ盾しないと売れないレベルのものなのですか。考えを伺いたいと思います。

【経済産業省(恒藤室長)】前半の頂いたコメントにつきましては、よく御指摘を踏まえて、これから考えていきたいと思います。
 それから、後半のところ、8ページのところの、先ほど御説明を端折(はしょ)ってしまいました。申し訳ございません。8ページの小型衛星の話につきましては、この趣旨は、こういった新しいビジネスが出つつあるので、何か政府がお金を使ってどうこうということではなくて、事業環境の整備をする必要があるだろうと。要するに、こういう新しいことをやろうという事業者が動きやすくするというか、ビジネスがしやすくなるような環境を日本でつくっていく必要があるだろうということを、本当は御説明をしたかったところでございまして、日本の場合、制度がまだはっきりしていないという御指摘も頂いておりますので、そういうことも、これからは考えていかなきゃいけないということで、御説明をさせていただきました。

【牧島第一主査代理】今日伺った話の中で三つ、よいキーワードがありました。部品と、機器と、サプライチェーンがそれです。軍需の非常に少ない中で、どうやって日本の宇宙産業が世界と競争していくかというとき、ただ単にマーケットを開発するだけではなくて、日本の宇宙産業をどうやって強くしていくかということがキーポイントだと思います。
 私はそのキーポイントが、このサプライチェーン、部品、機器といったあたりだと思います。実は今NECさん、MHIさん、両方ともに大変お世話になりながら、ASTRO-Hという衛星を作っています。その中で、東日本大震災が起きたときに、例えば東北のどこでつくられている特殊部品がないため、搭載装置が製造できないといった事態に遭遇し、緊密な産業界のサプライチェーンができているということを、そのとき初めて実感しました。是非、これを見える形にしていきたいものです。企業の技術者としては、自分の作ったものが宇宙に行くということは、大きな誇りであり、それを高めるということで、少ない投資でも産業を強くできる方策の一つであろうと思います。
 部品という点でも、よく冗談で言うのは、1個8000円で買ってきた高信頼性のICよりも、秋葉原にて30円で買ってきたICの方が信頼性が高いという場合があります。なので、私どもは高信頼性部品を必ずしも買わないで、国産の安いものをまとめ買いをし、それをスクリーニングして使うことがあります。そのように日本の部品は、非常に誇るべきものがあるわけで、直接自社が宇宙に行くものを作っているわけではないけれども、社会の基盤産業の全体が、部品などを通して宇宙を支えているという形が、日本の中で見えるようになると良いと思います。それが個々の産業の中でも、ある種の勲章になるというような、そういう形を是非つくっていただきたいと思います。

【米本臨時委員】この資料を全体的に見ていて、経済産業省としての宇宙産業に対する役割は、8ページの制度整備というところだけなのですか。ボーイングやMRJ等の民間機の新しい開発に対しては、経済産業省としてもかなり力を入れていて、いろいろ補助金を出したりしていると思いますが、これからの宇宙の技術発展に対しても、新しい開発に投資するというところがないのかと思いました。いかがでしょうか。

【経済産業省(恒藤室長)】すみません、私どもは実は開発もやっております。競争力のある小型の衛星の研究開発については、産業界と一緒になって、今進めてございます。その話は、すみません、今日は、あえていたしませんでしたが、そういう開発も、実はしてございます。ただ、開発については、JAXAが最先端の技術開発をやっている世界もありますので、どちらかというと、私どもは、競争力強化という観点で、民間企業の開発を支えることをメインに進めているというのが実情でございます。ただ、すみません、本日は資料をお出ししておりませんので、また時間があるときに御説明させていただきたいと思います。

【続橋専門委員】向井委員の話とも関係します。まず1ページのところで9割以上を政府に頼っているという話です。最初主査が言われたように、欧州の民需について議論していますが、本当に純粋な民需なのか、なかなか解明できていません。ただ、半分公的といえるようなものが含まれているところもあると思います。
 もう一つ、産業の話ですけれども、特に機器産業の技術開発が中心になっていますが、1ページ目の最初の市場構造を見ますと、機器産業と利用サービス産業とあります。一番の課題は、機器産業を強めることによって、いかに利用産業に波及させるかということです。この表には出ていないのですが、例えば、準天頂衛星が今1機ですけれども、これが完全に4機体制、さらには7機体制になって、フルに使えるようになると、利用の市場がどれぐらいになるかということです。SPAC(衛星測位利用推進センター)の分析によれば、将来的には国内だけでなく海外においても数兆円の経済効果が見込まれます。利用を広げていくことにより、産業的にはますます大きくなります。

【向井専門委員】ISSの存在に関して質問です。ISSが存在する、あるいは、大型衛星や研究開発の技術力を日本が保持しているということは、経産省が海外に日本製品を売り込んでいくときに、どのくらい役立つのか。例えば、自動車会社がF1で優勝するような技術力を持っていれば、その技術力で生産する自動車の性能は高いということになります。日本がISSの国際パートナーであり、それを建設して運用しているという事実は、技術的な話だけでなく、国際協調・協力、国際協定における安全保障という観点から日本製品の売り込みにどのくらい役立つのでしょうか。

【経済産業省(恒藤室長)】すみません、正直申し上げて定量的にお示しするのは難しいというのが、お答えにならざるを得ないかと思います。そのあたり、むしろ、実際の海外で営業されている産業界の声も聞いていただければというふうに思いますが。

【藤崎主査】ありがとうございました。
 それでは、恒藤室長からの御説明に対しての、とりあえずの質疑応答を了しまして、民間の方々、今日はお二方、三菱重工の阿部宇宙事業部長、それから日本電気の高坂理事に来ていただいておりますので、引き続きましてお二人の御説明を受けて、それで、もし恒藤室長もいていただいていれば、最終的にもう一回質疑応答をしたいと思います。

(2)ISS・国際宇宙探査の取り組み及び期待について

三菱重工業株式会社阿部宇宙事業部長から、ISS・国際宇宙探査の取り組み及び期待について、資料9-2-1に基づき説明。

【藤崎主査】大変包括的な御説明をありがとうございました。
 では、引き続きまして、日本電気高坂理事から御説明を頂いて、まとめの討議に入りたいと思います。よろしくお願いいたしします。

日本電気株式会社高坂理事及び安達宇宙システム事業部長から、衛星技術開発について、資料9-2-2に基づき説明。

【藤崎主査】ありがとうございました。では、今、両者から御説明がございましたので、皆様方から。

【牧島第一主査代理】今、両社から御説明があった中で、共通の問題として、ミッション間隔がだんだん長くなっているために、人材が枯渇してきているという指摘がありました。これは非常に大きな問題で、実は、大学の研究室でも同じことが起こっています。今、NECさんから御紹介があったような科学衛星は、実はこれまで全国の何十という大学の研究室が、JAXAやメーカーと一緒に作ってきました。従来はミッションの間隔が近かったので、上級生が下級生を鍛えながら、本格的なトレーニングができて、技術が伝承でき、その中で新しいチャレンジができました。ところが、間隔が長くなると、そういう伝統が崩れてしまいます。すると単に研究が進まないだけではなくて、宇宙実験の基本的な手法を知っていて宇宙産業で活躍したいというマインドを持つ人材も、供給できなくなってしまう。これは大きな問題ですので、国全体として取り組んでいかなければいけません。大型衛星、ISS、小型衛星まで含め、宇宙に出ていくチャンスを、ともかくたくさん確保することが必要と思います。

【西島専門委員】今日は二つの企業から聞かせてもらったのですが、大変包括的でわかりやすかったと思います。特に、三菱重工さんに私は何回かお話を聞く機会があって、例えば3ページにある「こうのとり」ですが、開発に際して技術をとるのに三菱重工さんが「きぼう」とか、そういう長い人材を引き継いでいるというのが、技術としてすごいと思います。「こうのとり」を成功させたものを、この下に新しい場を得られれば、そこにまた生かされるはずだと思いますが、そこの部分がないということで、これは、牧島委員がおっしゃったように、いろいろな所に響いてきます。例えば、X線自由電子レーザーXFEL、J-PARC中性子、スパコン京後継フラグシップ2020等、そういうプロジェクトの中で、日本が少子化などで人材育成に必要だという文章は1行書くのですが、そこに具体的なものがない。そういう意味では、今日のお話というのは、大変人材育成のところにつながっていくだろうなというふうに思います。
 確認ですが、先ほど、ここで学ばれた人たちが、グローバルな人材育成ということで、宇宙関係もいろんなところに広がっているとありましたが、これは三菱重工さんの中で、宇宙にかかわったという人が、全く違う世界に行くこともあるということですか。

【三菱重工業株式会社(阿部宇宙事業部長)】基本は航空宇宙分野に従事しています。同じ名古屋地区で、先ほどの民間航空機、それから防衛関係の機器の事業を行っていますのでそちらの分野に人材が行くことがあります。また、エンジニア以外にも、安全・品質保証といった分野からも非常にニーズが高く、その方面に進出している人間もおり、そういった人間も、技術者の一部と捉えております。

【西島専門委員】さっき言っていたのですが、やっぱりこの部門の人材は少なくなっているのですか。

【三菱重工業株式会社(阿部宇宙事業部長)】少なくなっています。退職する人もいますから自然減となります。また、新しいプロジェクトがない限りは、そこには採用しないことも要因です。

【古城専門委員】非常にわかりやすい御説明で、いろいろとためになりました。お伺いしたいのは、このISSを今後どういうふうに続けていくことができて、それがどういうメリットがあるかというのがここでの関心ですので、その点での御意見をお聞かせください。既に、「こうのとり」が開発されて、今はもう打ち上げをするだけだということでしたが、そうしますと、新しい技術開発は、余り関係なくなるということなのか。これ以降続けていくことにするのであれば、何らかの新しいものをつくらなきゃいけないというのはわかります。その要請は、ほかの技術に転化していくことになるのでしょうか。新しい技術的展開を含んだものを、打ち上げることは、もう今の時点でも想定できるのかどうかというのを、お伺いしたいと思います。

【三菱重工業株式会社(阿部宇宙事業部長)】ISSの意味合いとして、「近いところでの実需の面」と、それから、もっと長い100年を超えてというのはないですけれども、「長い長い目で見たときにどうするのか、何を日本はやっていくのか」という2点があります。
 近いところでの経済性ですね、何があるのかと、どうしていくべきかという観点から見ると、今あるISSを、やはりきちんとやって、利用していくというのはあると思います。利用するためには、弊社は実験装置を作ることでの支援もしていますし、実験の支援をさせていただいたりもしています。その範囲でも、一部の技術者は維持していけますが、それだけは規模が小さいです。
 そういった観点だけではなくて、この「こうのとり」というもの、効率のよい宇宙機と評価されているものについて、更に次の技術を入れていく。ある面で「こうのとり」というのは、できたときには、各国が持っていない技術力であった。しかしながら、先ほど申し上げたように、その技術を米国の民間で、今、PROXを採用してきておりますので、だんだん追いついてきて、もう米国にとって当たり前にあるものとなってしまう。そうなる前に、もう一歩先に進めるということを、やはり実施していくべきだろう。そうしないと、「こうのとり」の価値もそうですし、日本の価値、ポジショニングというものも下がっていくだろうと思っています。

【古城専門委員】すると、まだまだ開発すべき技術というのは、先にある程度はあると。

【三菱重工業株式会社(阿部宇宙事業部長)】あります。

【古城専門委員】NECさんにも一つ質問があります。衛星ビジネスからいくと、このISSの事業価値がどうなのかという観点からお伺いしていたのです。最後のところに出てきました、開発実証のためにISS等が利用できるのではないかというお話だったのでしょうか。そこのところを、もうちょっと詳しく説明していただけますか。要するに、衛星ビジネスの方から見ると、何かISSというのは重要な役割を果たすことができるのかどうかという点を、お伺いしたいと思います。

【日本電気株式会社(高坂理事)】いろんな衛星ビジネスに直接つながるかというと、連動しているわけではないというか、個々のいろんな技術を持った衛星があって、その機能がISSになるというふうに理解しております。

【角南第二主査代理】ここ何年か、私もデュアルユースに関して、研究をしていますが構造的に、抱えている課題が一緒です。
政策を考えるときに難しいのは、企業の中での技術移転です。米国のようにベンチャーなど、わかりやすい形で、スピンオフすると経済効果があって見えます。
 この構造をどうやって、政策としてきちっと取り込むかというところが重要だと思います。
 企業は競争していますから、自分たちの中でどうなっているか情報を提供できないのです。
 ですから、最後に皆さんがおっしゃっていたことで重要なのは、次に何をするのか早く決めることだと思います。

【藤崎主査】大変重要な御指摘ですね。

【米本臨時委員】三菱重工さんとNECさんから、久々に熱い思いを聞きました。今の日本の有人技術は、自立しているというふうには思っていません。ISSへの参画によって、かなり効率よく有人技術は獲得してきたとは認識しています。しかし、人を送れなければ、システム全体として他国に頼らないといけない部分が残ったままということです。これから、どのようにして将来その穴を埋めていくか、何らかの方針を示さないと、産業界としても不安が残ると思います。
 そのことについて、三菱重工さんの資料の12ページで、有人輸送に対する方針がよくわからないと書かれています。これから一体、我が国は将来どのようにしていくのかということを誰も議論しないままでしょうか。この小委員会の場で、私は何回も発言しました。そういうものが見えてこないと。今、日本は、輸送技術に関しては世界に伍(ご)して戦うだけの力があると思います。しかし、10年後どうなっていくのだろうと思うと、本当はよくわからない。もう少し有人輸送に対して、三菱重工さんには思いを付け加えていただきたい。
それから、三菱重工さんの資料13ページは、宇宙政策委員会の宇宙輸送システム部会が策定した長期ビジョンの絵です。これは遠い将来までの宇宙輸送の夢を語っています。今、我が国として、それに向かってどうしていったらいいのか、議論が始まっているにもかかわらず、新宇宙基本計画案の中には一切反映されていません。新宇宙基本計画が採りあげているのは、イプシロンと新型ロケットの二つだけです。このような長期的なロードマップを見据えた上で、日本は、5年後、10年後までに、やるべき技術開発が計画されていればよいと思いました。しかし、そのような計画は無視されています。そのことについても、強いコメントをMHIさんから頂きたい。
 衛星に関してですが、今まで枯れた技術だと思っていました。しかし、更なる技術開発が人材育成にも必要だということがよくわかりました。衛星もそれだけ高度な技術開発を必要としているのであれば、輸送もまだ固まった技術ではないので、遠い将来も見据えてどんどん技術革新していかなければいけないということを、改めて感じた次第です。どうもありがとうございました。今後の技術開発をそのような目で見届けていきたいと思います。

【向井専門委員】感想、質問、要望があります。まず感想としては、私も、委員の先生方がおっしゃるように、MHIさんとNECさんの経営・技術力・人材育成向上に対する熱い思いに感服です。「日本の技術力を維持・向上させてほしい」という願いを皆が共通して持っているからと思います。民間の思いの熱さに比べると、国策を立てて国を未来へ導くべき役所の人たちの考え方が萎縮してしまっていると思います。国策が萎縮した中でも民間企業の熱い思いを知れてとてもうれしかったです。また、「国として将来型の大型研究開発計画がないためISSで育成された人材を会社として維持できない」という現状は残念なのですが、その人材が別の計画で役立っている、例えば、日本が誇るMRJ(国産小型ジェット機)に貢献している事実は宇宙開発に従事している者としてはうれしいです。人材育成は大事なことと思います。本当にありがとうございました。
質問ですが、NECさんの御指摘で「作業工程や宇宙実証がメーカーであっても必要である」に関して。宇宙実証をするためには、新たな研究開発にメーカーさんが入れれば、その機会に技術実証できるという理解でいいのでしょうか。つまり新たな研究開発計画があればいいのかという質問です。
 最後に、経産省と文科省に対する要望です。経産省に対しての要望は、宇宙産業戦略のスコープをもっと広げていただきたい。角南委員がおっしゃるような、研究開発から販売までを官・民が一緒になって遂行できるような構造をつくっていただきたい。単にできた製品やインフラを海外に販売するだけではなく、販売に至るまでの総合的な構造を役所が構築してほしい。文科省に対しての要望ですが、長期的な人材育成と大型の研究開発は、文科省でないとできないことです。第4次科学技術基本計画は、振り子が極端に実用重視に触れていると思いますが、振り過ぎた振り子は必ず中道に戻ってきます。大型の研究開発や人材育成が長期的に技術を維持する上で必要であるという強い信念や姿勢を、文科省が国民や内閣府に対して示すべきと思います。これは文科省にしかできない仕事と思います。

【渡辺委員】両者のお話を伺って、お聞きしたいところがあり、特に、人材育成のところが非常に深刻で、長い時間がたって気がついたらもう手がつけられない状況になるのではないかと、非常に深刻に受けとめました。
 一つ確認したいのは、人材育成をしていく上で、人材育成プログラムをつくると、あるいは大学で人を取り上げるという御説明がありました。これはもちろん大事なのですが、両者のおっしゃりたいのは、基本的には国としてのプログラムですので具体的計画がなければ、基本的に企業としては事業計画を立てられないわけです。そうすると、もう人の手当ても育成もまずできないということになります。こういう状況にあるというのを確認させていただきたい。
 更に質問したいのは、従来型のような伝承型だけの人材育成だけでいいのかということです。時代が変わっているので、例えばプログラム、ネットワークですとか、グローバル、他産業も活用して、従来の人材育成のやり方と違う手法を入れながらやっていくということも必要なのではないかと思いますですが、そこをどういうふうに考えているのかをお聞きしたい。

【知野臨時委員】人材なのですが、今、いろんな分野で人材が、足りないとか不足しているとか、技術を継承できないと言われています。宇宙に限らず、原子力であるとか、航空であるとか、いろんなところでその問題を指摘されています。
それで、ある意味、この問題に関してどこか麻痺(まひ)しているところもあって、例えば今回、三菱重工さんから人材の図を見せていただきましたけれども、何か、H-ⅡAロケットの次をやらないと人材が不足すると言っていらしたときと似た図だなとか、そういう具合に見てしまいます。H-ⅡAの後の新型基幹ロケットをつくることが決まったので、もうこの問題は解決したのではないかというふうに思われがちです。
そうすると今、本当に困っているのなら、それをどうやって具体的に訴えていくかということが大事だと思います。そうすると、やはり、将来何をやるかというところ、さっきほかの先生方からも指摘がありましたけれども、何をやるかということをもう少し明確に伝えていく必要があるのではないかと思います。これは国の仕事かもしれませんが、HTVであるにせよ衛星バスであるにせよ、どちらも物でしかない。つまり、その物をつくって何をするのかというところが、今回のプレゼンからはよくわかりませんでした。多分、技術者の方たちはたくさんおいでになりますから、いろいろな、将来構想をお持ちだと思います。それをもうちょっと、今度やるなら探査はこういうものじゃないかというような提案をしていただく。あるいは、それをJAXAの方も含めて公開の場で議論していくとか、そういうことがないと、説得力を持つものにならないと思います。
三菱重工さんの資料ですと、1985年からJEMの設計が始まったとあります。この当時と比べると、宇宙開発に対する一般の人々の関心は、下がっているように感じます。ロケットが上がれば、「ああ、やっている」とは思うでしょうけれども、それ以上、そこから先のことが見えてこないので、国民の支援をなかなか得にくいと思います。ですので、やはり、私たちはこう考えているというようなことを出していく場、政策について議論する場を作って、新しい政策、次のプロジェクトのつくりかたみたいなものを検討できたらいいのではないかと思います。

【藤崎主査】ほかに、委員の方々からございませんか。もしなければ、それでは、まず民間2社の方からお答えいただいて、それから最後に経産省からお話を伺いたいと思います。

【三菱重工業株式会社(阿部宇宙事業部長)】私の方から。最初に、有人宇宙についての御質問がございました。私どもは、この有人宇宙そのものが、明日、明後日(あさって)、すぐ何かビジネスにつながっていくとか、お金になるというか、そういうものではないと考えています。ただ、御承知のように、同じような位置に輸送系というのがありまして、この中で、今の使い捨てのH-ⅡA、ⅡB、それから次の新型基幹ロケットがあり、その次は、多分、再使用型輸送機だろうと思っています。その再使用の頃になると、私どもは何をやっているかというと、また20年か30年先という話なのですが、有人が来るのではないか。今の航空機が飛んでいる領域がありますが、それがもう少し外へ出ると宇宙の領域になる。そうすると、米国と日本の間が1時間か2時間でつながってしまうような世界が出てくる。そこの世界というのは、ある意味でいうと有人宇宙との境界のところにある。今、分野が違っていますけれども、同じように、日本と米国が2時間、1時間でつながるようになる輸送手段が出てきたときに、我々はどうするのかと。そのために、何か、やっぱり蓄積しておかないと。米国がそれをやり始めてしまったら、もう一気に席巻(せっけん)されてしまいますから、やはり何か準備して積み上げていくことが重要ではないかと感じています。そうしないと、取り残されてしまうだろうというふうに思います。
 従いまして、有人というのは、探査というところだけではなくて、実利の世界でも出てくるだろうなというふうに見ています。それが1点です。
 それから、もう一つは、中長期の話を頂いたのですが、やはり、中長期のロードマップはどんなものがあって、中長期でこうしたいのだから短期では何をしなければいけないのか。ロードマップに織り込んでいくのは要素技術だったり、基礎的な研究だったりするのですが、そこからの戻しが見えにくいと感じます。したがって、そこできちんとひもつけをして、将来中長期でこういうことをしたいんだと。ならば、今後の10年はこういうことをしていかないといけないという、そういうつながった考え方などが明確に見えるような宇宙基本計画があってほしいなと期待しています。
 あと、知野委員から人材の話で、新型基幹と同じようだと御意見があったのですが、宇宙全体を見渡しても、今、新型基幹以外で、日本が現在大規模な開発をしているプログラムはありません。有人の技術は基本的な面もあるのですが、その新型基幹には有人がありません。無重力の中で空気対流や、空気をどう清浄するかなど何も出てこないので、そういう意味の技術というのは、やはり必要です。それがなくなると、今度はまた、「きぼう」とかが始まる前に戻ってしまって、またゼロからとは言えないのですが(多分、文書でありますから、それを見てくればいいのですが)、結局、経験がないという状況に入っていって、また米国に教えてもらったり、ロシアに聞くという、その中に中国もあるかもしれないですけれども、いわゆる人材の谷間というものを発生させて、本当にいいのかなと。
 今やっているのは、20年、30年前の先人の方々が投資していただいて培った上の技術であり、今の我々がつくったわけではないので、今度は我々が20年、30年先の人たちに何を残すのかというのを、考える必要があるのではないかと思う。一企業で考えられる話ではないが、やはり国としても大きな手を考えていただいて、次の世界の産業ニーズの期待に合うようにつないでいくことを、議論していかないといけない使命があると思います。

【日本電気株式会社(高坂理事)】まず、人材育成の問題については、経営資源としてですから、経営的に考えると、もうからないところ、屋根がないところに創業できないわけで、そういう意味では、宇宙というのは大変もうかっていない。以下、個人的な考え方ですけれども。今のうちの社長だったら、引き続きやってくれると思うんですけれども、日産のゴーン社長のような人が来たら、同じ優秀な人材でこれだけの売上げしかないのかと、これはやっぱり撤退しようという危機感も、私は個人的に非常に持っています。
 それから、人工衛星をつくるだけじゃなくて、それを使った利用のところに関してはいろいろ戦略を持っています。我々はITとかネットワークとか、いろいろ持っていますので、それを、いろいろグローバルに展開していきたい。それは、我々なりに計画を持って、ずっとやっていきます。ちょっと、皆様の前では御披露ができないのですが、企業秘密でございますのでちょっと。是非宇宙利用については頑張っていきたいというふうに思っております。それから、実証の方は、安達の方から。

【日本電気株式会社(安達宇宙システム事業部長)】実証の機会ということですけれども、今、三つのタイプをきちんと用意していただきたいというふうに希望がございます。
 向井委員がおっしゃっているのが、あるプロジェクトの中を通してこの技術、このことが実証できるのではないかというのが非常に重要な機会。ただ純然たる実証のためのスロットを用意しても、例えば、H-Ⅲのテストフライトのような、衛星を丸ごと評価できるような機会を、きちんと定期的に用意しておいて、次の衛星の商材の総合評価、これは一番説得力がある評価ですが、それをやらせていただくということ。
それから、打ち上げの機会そのものが貴重なものですから、先ほどのデュアルユースともちょっとつながりますが、ホステッドペイロードのような考え方。本体のミッションに影響を与えない範囲で横に置かせてもらって、この実証を兼ねさせてくれということで、一つの打ち上げの機会を有効に使う。
この三つのタイプの施策を入れていただけると、非常に適用した考え方があります。

【三菱重工業株式会社(阿部宇宙事業部長)】渡辺委員より頂いた、人材の育成に関して伝承だけでいいのかというのを、答えておりませんでしたので、付け加えさせていただきます。
 グローバル、要するに国際協調はこれから非常に重要で、私どもの企業ですと、半分以上が海外の方を交えた会議です。したがって、国内だけでというよりは、海外とやりとりしながら、海外と一緒に共同で行っていくそういう人材の育成が、非常に広い意味で価値が高いというふうに認識しています。

【磯谷審議官】様々な御指摘、それからNEC、三菱重工のプレゼンテーションありがとうございました。
 文部科学省としては、当然ですけれども、宇宙基本計画の改訂に向けて、この二手の議論をふまえて、できるだけすばらしい意見を反映できるようにしてまいりますが、ちょっとだけ御紹介させていただくと、宇宙に限らないのですが、先ほどから御指摘があるような研究開発のプロジェクト、特に研究開発を推進するという意味でのプロジェクト、かつ人材育成もちゃんとやらないといけないということを、我々も十分認識していまして、一つは科学技術全般ですけれども、第5期科学技術基本計画の議論が既に始まっておりますので、そういった中で、国として長期的に何を進めるべきか、どういうビジョンで進めるべきかについて、かつて国家基幹技術というような言い方をしていましたが、国として進めるべきコア技術、そしてどういうビジョンのもとで進めるかということの議論をしっかりやって、再来年度からの第5期計画には反映させていきたいと思っています。その中で魅力あるプロジェクトを精選して立ち上げて、そこで人材育成していくということを考えています。
 それからもう一つは、来年度の概算要求の中でイノベーションハブという構想を立ち上げていまして、これは、先ほど角南委員などからも御指摘があったような、産業構造を意識して、とにかく、様々な機関の壁を越えて、産学官連携で知恵を結集して、ビジョンを練り上げて、例えば宇宙であれば、宇宙ロボットとか、有人探査のコア技術ですとか、是非長期的に展開していく。それを研究開発法人、JAXAなりを中核として、大学や民間企業の知恵を入れて、長期的にチャレンジしていくということをやろうとしております。
 すみません、ちょっと紹介だけに終わりましたが、そういうことで、我々も十分そういうことを意識してやっておりますので、これからもよろしくお願いしたいと思います。

【藤崎主査】わかりました。今日伺って、大体皆様方から、いろいろ御説明を受けて、委員の方々からのお話がありましたので、私の方から今受けた印象を3点申し上げます。一つは、阿部さんがおっしゃいました、これから輸送の面においても決して探査だけでない、別な側面が新しく出てきていると。そういうことで、無人と有人では安全度において全く精度が違うものでありますから、日本がどういうふうに考えるかというのは、一つ考えないといけない視点なのだなと。探査という観点だけではなくて、そういうレベルの違う技術があるということだろうと思います。
2番目に、これは角南委員が指摘された点ですが、スピンオフについて、隠れスピンオフと申しますか、同じ企業の中でやっている場合、ほとんど見えないスピンオフがあると。そうすると、我々はスピンオフというと、率直に申しまして、何か非常に、宇宙産業から出てくるものですと、何だとか小さなものしか見えない。しかし、実は大きなものがあるいうところを、もうちょっと意識して、きちんと把握していかないといけないという点。
3番目に、これは、阿部さんの方の御資料で、ちょっと混ぜ返すわけではございませんが、ISSの建設について、F1やパリダカールへの参加、有名スポーツ選手に道具を提供するのと同じというふうな御議論がありましたけれども、私は率直に言って、これは危険と言うと大げさかもしれませんが、こういう宇宙でやるのは何かというと、例えば、LEDやなんかができれば、日本の電気製品に対する信頼が高まる、あるいはクオーツができて、セイコーが1964年のオリンピック以降採用されたとか、そういうことに近い。そのため、パリダカールを持ってまいりますと、その後、企業の調子が悪くなったからやめましたとか、そういう話になりだすので、ここら辺の比較というのは簡単ではございますけれども、ちょっと気をつけてやった方がいいのではないかなという印象を、失礼でございますが個人的に持ちました。
今日はこれで、皆様方から非常に有益なお話を伺わせていただいて、いい事業、大変新しい視野を開かせていただいたと思っています。ありがとうございました。NECさん、MHIさん、経産省様でしたが、今日はどうもありがとうございました。

【三菱重工業株式会社(阿部宇宙事業部長)】ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。

【藤崎主査】それでは、別の議題に移ります。
 今日は、本当にいろいろお忙しいところ、資料も御用意いただきましてありがとうございます。また引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 もうそろそろ終わりでございますが、第3議題がございまして、事務局から宇宙政策委員会の動向について報告があるということでございますので、よろしくお願いいたします。

【谷室長】時間も迫っておりますので、簡潔に申し上げますが、ちょっとその前に、この事務局に人事異動がございましたので補足させていただきます。
 柳前宇宙開発利用課長でございますが、20日付で研究開発局の筆頭課の開発企画課長に着任いたしまして、後任としまして、新たに千原宇宙開発利用課長が着任いたしました。

【千原課長】よろしくお願いします。

【谷室長】それから、度々出ております新しい宇宙基本計画の策定の関係でございますけれども、これも以前御紹介申し上げたとおりでございますが、ISS、それから国際宇宙探査、それから宇宙科学・探査の学術で行われるものでございますけれども、この3点につきましては、宇宙科学・探査部会で御議論されているということでございます。宇宙科学・探査部会につきましては、明日また開催が予定されていまして、宇宙科学・探査部会としての方向性を出す一つの山場を迎えるという状況でございます。来週、恐らく、そういったものも踏まえて、全体が組み上がっていくということになるのではないかなというふうに推測してございます。
 その議論の中でも国際宇宙探査、それと有人については、ビジョンあるいはそのコンセプトということについて、より明確にというような御発言もございまして、そうした方向について、今日の御議論も踏まえて、それを取りまとめていく作業を加速したいと思っておりますし、そういった面での御指摘を、引き続きよろしくお願いしたいというふうに考えてございます。
 3番目の議題につきまして報告いたしました。

【向井専門委員】内閣府の宇宙政策委員会は閉鎖空間の中で行われているので、どのような議論がなされているのか全くわかりません。新「宇宙基本計画」が制定される前に宇宙政策委員会委員と宇宙政策に関心を持つ者とがオープンディスカッションするような計画はあるのですか。

【谷室長】今、委員との間でということでは、現在承知しておりませんけれども、パブリックコメントはなされる予定であるというふうに聞いております。

【牧島第一主査代理】NECの安達さんがおっしゃった、今日、明日の御飯のことだけ考えていたのでは駄目で、10年、15年先の技術をどうやって育てるかという発想は、非常に大事な問題で、大学にも企業にも当てはまります。そこで、日本の宇宙産業が新しい技術にチャレンジし、あるいは技術を宇宙実証する際には、是非基礎科学の目的をもった科学衛星を試験の手段として用いていただきたい。つまり科学衛星は、基礎研究のためだけではなく、宇宙活動の先導役を担う重要性をもつということを、この委員会の方向として出せればいいと思っています。

【藤崎主査】よろしゅうございますか、ほかに。
 それでは、これで第9回委員会を了したいと思います。どうもありがとうございました。

【谷室長】それから、次の日程だけ御紹介させていただきます。11月12日、15時から予定をしておりますので、また別途御連絡申し上げますけれども、よろしくお願いします。

お問合せ先

研究開発局宇宙開発利用課

-- 登録:平成27年01月 --