ここからサイトの主なメニューです

宇宙開発利用部会 国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会(第8回) 議事録

1.日時

平成26年10月17日(金曜日)15時00分~16時10分

2.場所

文部科学省 3階2特別会議室

3.議題

  1. 防衛省における宇宙開発利用の取り組みについて
  2. その他

4.出席者

委員

第二主査代理   角南 篤
専門委員	   古城 佳子
専門委員	   続橋 聡
専門委員	   西島 和三
専門委員	   向井 千秋
臨時委員	   米本 浩一

文部科学省

大臣官房審議官(研究開発局)  磯谷 桂介
研究開発局開発企画課長     内丸 幸喜
研究開発局宇宙開発利用課長  柳 孝
研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室長	       谷 広太
研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室課長補佐  神部 匡毅

(説明者)
防衛省大臣官房企画官  礒﨑 恒明
独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
 理事   長谷川 義幸
 執行役  田中 哲夫

5.議事録

【谷室長】定刻になりましたので、ただいまより国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会の第8回会合を開催させていただきたいと思います。
まず、主査代理の指名の紹介をさせていただきます。本日は藤崎主査が御欠席でございますので、事務局に事前に連絡がありまして、第二主査代理を角南委員にお願いをするということで、あらかじめ指名を頂いております。したがいまして、このあとは角南主査代理に議事進行をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【角南第二主査代理】それでは、事務局より本日の会議に関しまして事務的な確認をお願いいたします。

【神部補佐】事務局より説明させていただきます。本日の司会でございますが、本会議に所属されております11名の委員のうち本日は6名の先生方に御出席を頂いております。よって運営規則に定めております定足数を満たしておりますので、会議として成立していることを御報告申し上げます。
続きまして、資料の確認をさせていただきます。お手元の議事次第を御覧ください。本日の議事次第でございますが、3.の議題のところで防衛省における宇宙開発利用の取組についてとなっております。その関連の資料としまして、資料8-1、防衛省における宇宙開発利用の取組についての資料を本日は配付しております。
また、参考資料としまして、机上配付資料として、ファイルにとじた資料を配付しておりますので、適宜会議の中で御参照いただければと思います。以上でございます。

【角南第二主査代理】それでは、本日の議題に入る前に前回の会合で御説明があったと思うんですが、宇宙政策委員会の方で年内に宇宙基本計画の改訂に向けて審議が行われたということで、まず事務局より最近の宇宙政策委員会の動向について御説明をお願いしたいと思います。

【谷室長】前回御紹介をさせていただきましたとおり年末に向けての新しい宇宙基本計画の議論が進んでおります。国際宇宙ステーション・国際宇宙探査につきましては、宇宙科学・探査部会に議論が授権されているといいますか、担当部会という整理になっておりまして、これまで議論が進められております。直近では9月30日に宇宙科学・探査部会がございまして、当小委員会での結論等の御紹介をさせていただいております。
それから、本日(10月17日)12時から続きの宇宙科学・探査部会がございまして、引き続いての議論が行われたところでございます。特に、非常に幅広い観点で議論していただいていると思っておりますけれども、なぜ有人でなければならないのかと、有人か無人かという議論がかなり集中的にございました。
また、来週、宇宙科学・探査部会が開催されると聞いておりますけれども、そこで大体の考え方をまとめていこうということのようでございまして、そこに向けて文部科学省としても必要なインプットを更にしていくというような形でございます。
簡単でございますけれども、以上でございます。

【角南第二主査代理】今の事務局の説明について、何か委員の先生方から御質問、御意見等がありましたらお願いしたいと思います。まず、なぜ有人でなければいけないのかというところに議論が集中したというお話だったんですが、具体的にどういう理由で有人をやるべき、あるいはどういう理由で有人をやるべきではない、という討論になっているのでしょうか。

【谷室長】宇宙探査という分野においては、有人でやる探査とそれから無人でやる探査があるというのが前提にございます。宇宙科学・探査部会の先生方は宇宙科学を専門にされている先生でありますとか、探査でも無人からやっていらっしゃる先生方が多いのも一つあるのではないかと思いますけれども、かなりの部分無人でできるのではないか、有人でやろうとするとどうしてもコストがかかる。というような議論もございまして、どうしても有人でやらなければならないのでなければ、無人でいいではないかという議論をされる局面がございます。
実際には、有人の宇宙探査ということを考えた場合に、当然有人の長期滞在技術とか、環境制御、生命維持とか、そういう非常にクリティカルな技術が有人に特有の技術があるわけですけれども、他方で物資輸送とか、無人でやる部分もかなりの部分があるわけです。さらに、有人宇宙探査の前段階として無人のミッションで技術の実証をするとか、あるいは有人探査のポイントを絞り込むために様々な環境調査をやるとか、相補的なものであると考えているんですけれども、ちょっと私の説明という観点でも力不足を感じているところはあるんですけれども、議論が、有人でなければならない理由は何なのかというところに傾いているかなという印象を受けております。

【米本臨時委員】探査を有人か無人にするかについて、今の議論というのは、一般論としてなのか、日本としてどう取り組むかの議論なのか、その辺はどうだったのでしょうか。

【谷室長】日本としてどう取り組んでいくかという議論をしておりますので、日本として有人でかかわっていくべきなのかどうか、という観点です。非常に端的に申し上げれば日本人の宇宙飛行士を出すのかということなんだというふうに理解しておりますけれども、無人の探査だけの貢献ということもあるのではないかという意見も出ております。日本としての貢献は無人の部分だけでいいのではないかという御意見です。

【米本臨時委員】無人探査だけの貢献でよいという意見は、国際有人宇宙探査という2020年以降の共同プログラムに手を挙げるか、手を挙げないかという絡みでの議論だったのですか。

【谷室長】もちろんです。まず参加をするということについて、まだ意思表示をするべきではないということをおっしゃる方がおられます。そもそも我々はまだ国際宇宙探査という中身、プログラムについては、参加するかどうかパートナーの人たちが議論してください、判断してくださいというところまで行ってなくて、国際宇宙探査という大きな概念、方向性があって、そこに取り組んでいくということについて我々は積極的にそこの議論に参画していきましょうというスタンスで小委員会でも議論していただいたと認識しています。国際宇宙探査の議論に参画すること自体が国際宇宙探査に参画することであって、しかもそれは有人であるのでコスト負担が非常に大きくなるのではないかという御懸念があって、その有人、無人という話に来ているというように私は理解しております。

【西島専門委員】私もそう思って、たまたまなのですが今横浜でバイオジャパン2014が行われていて、そこに行ったら、参加者全員に科学新聞の10月10日号が無料で配られており、そこに「有人宇宙活動を巡り、文科省評価との隔たり、宇宙政策委員会 宇宙科学・探査部会の検討」と記事になっています。その中の象徴的な部分が、費用対効果について、国際宇宙ステーションでの有人活動は小惑星探査機「はやぶさ」など他の宇宙開発分野と比べると費用対効果が悪い、と象徴的に出ているので、国民とするとこの1文は結構大きな印象となるかなと懸念しました。バイオジャパン2014にはいろいろな人が来ているんですけれども、ほとんど国際宇宙探査とか知らない人もいます。たまたま10月10日の最新号が配られていて、それから一番後ろの方に、文部科学省の小委員会で有人宇宙活動について意義を強調という記事が出ていて、これをちょうど今電車の中で読んできて、今、聞いて、状況がよくわかりました。

【米本臨時委員】宇宙ステーションの費用対効果に関する新聞論評についても何か言わなければいけないかなと思っています。その前に、質問があります。宇宙政策委員会の方で、有人宇宙探査参加の意義についての議論が先行し、日本として手を挙げるのは時期尚早という方向で固まってしまったら、もうそれが日本の方針になってしまうということなのでしょうか。ここの宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会でも同じ議論をしていますが、宇宙政策委員会の議論で固められたら、それがもう日本の方針だというふうに決まってしまうのでしょうか。

【谷室長】まだ宇宙基本計画の具体的な書きぶりが明らかになっているわけではありませんので、10月末ぐらいにパブリックコメントに向けて出てくるというようなスケジュール感で進めているというふうにも聞いておりますが、そこの書きぶりはまだはっきりしていないという段階で、ちょっと予断をもって申し上げられませんけれども、実際にはそういう方向性を確定させるような書きぶりにならないようにしっかり対応していくということだと思っております。
そういう意味では、宇宙科学・探査部会等での議論ではいろいろ御説明させていただいているところでありますけれども、確たる手応えを得るところまでまだ行っておりません。

【向井専門委員】今のお話を伺うと、宇宙科学・探査部会は無人か有人探査計画かという選択レベルの話をしているのですか。宇宙探査は、現状を踏まえて無人や有人のそれぞれの良さを生かして探査計画を遂行していくという考えが世界的な動向かと思いますが。

【谷室長】まさに、有人と無人は補完といいますか、互恵的に国際宇宙探査というものに向かって貢献していくというか、取り組んでいくというものだと思っておりまして、そういう御説明もさせていただいているんですが、結果的には二項対立的に有人なのか無人なのかというような議論に傾いているというかそんな感じがしております。

【向井専門委員】無人か有人探査計画かという選択レベルの議論は、10年以上前の論点かと思います。もう一歩進んで、探査の理念や、有人と無人探査の補完的な計画を議論すべきと思います。

【角南第二主査代理】宇宙政策委員会で、探査のことが議論されるときに、サイエンスコミュニティとしての総意はあるのでしょうか。

【谷室長】二項対立ではありませんけれども、立て分けて議論されているという印象を持っております。現行の宇宙基本計画でもいわゆる宇宙科学は一定枠の中でというような位置づけがされておりまして、宇宙科学コミュニティというふうに言ったときには、そこの一定枠の中で何をやるかということを議論していて、当然宇宙科学・探査部会での審議事項の対象になっているわけであります。
本来であれば、小委員会の中間とりまとめでまとめていただいた有人と無人の関係、あるいは宇宙科学との連携について、対立するとかいうようなことではなくてどう有機的につながっていい成果を生み出していくかという議論がしかるべきで、まさに当小委員会でも継続的に検討課題というふうになっている、例えば有人と無人とか、国際協力と自主技術開発とのバランスとか。新宇宙基本計画のスケジュールとは追いついてないところがありますが、本来そういう議論の積み重ねがあるべきで、宇宙科学、それから無人探査、有人探査という、立て分けてそれぞれにどう優先順位があるか、資源配分をどうするのかというようなことではないと思っておりますが、宇宙科学は宇宙科学の世界で一定枠の中で何をするのかという議論がされているという印象を受けております。

【米本臨時委員】向井委員と同じ意見になると思いますが、宇宙科学に対する様々な取り組みについて、有人でやった方が有効なのかとか、無人でコスト効果があるような成果が得られるのかという議論からやるべきです。何か具体的なイメージなしに、いきなり有人なのか無人なのかというレベルの低いところから話をするような委員会では、成果、実りが少ないと思います。
やはり遠くない将来、宇宙というフロンティアに人類はどんどん進出していくことを否定する人はいません。それをどういうステップで、いつごろというような議論が必要です。その中で、宇宙科学というコミュニティが目指すところ、サイエンスが目指すところに対して、それを現実的にどのような技術的ステップで手段を提供していくか、それが5年後なのか10年後なのかという議論がまずなければなりません。そこで、日本のスタンスとして、全体的なマイルストーンの中で日本はこの時点だったら国際協働に貢献できるだろうという流れになるのではないかと思います。だから、宇宙科学コミュニティが、いきなり有人か無人かという議論からスタートするのは、何か不思議な気がします。
西島委員からお話しいただいたことに関して私も一言あります。国際宇宙ステーションの意義付けはここの場で議論した通り、やはりお金には換算できない、いろいろな価値のフィードバックがあります。それに対して無駄だとかいう声を聞いたことがありません。むしろ国際宇宙ステーションを活用したことで、国民が宇宙に関する興味、親しみを一層強く感じるものにしてくれたと考えるべきでしょう。そういうものは、お金に換算できるものではありません。このような見識で日本が国際宇宙ステーションを活用し、将来的にも宇宙利用をもっと進めているのだという段階なのです。新聞に書いてあるような、あのような記事がさも国民の総意であるかのように書かれちゃうと無茶苦茶(むちゃくちゃ)に心外です。このことは皆さんも同様に思っておられることでしょうし、ここにいるメディアの方も、そのように理解していただけているのだろうなと思います。以上です。

【古城専門委員】以前に別のところでこういうのに関連して出させていただいたときは全く同じような枠組みで有人か無人かという話で、要するに有人はお金がかかるので無人の方でできるものは無人でやって、有人はなるべくお金がかかるのでやらない方向で、そういう話に必ず帰着してしまって。今はもっとその傾向が強いと思います。それですと、やはり他の先生がおっしゃったように、もう結論は見えているということになって、余り一生懸命話すこともないのかなというふうになってしまうので、もうちょっと議論を深めないといけないのではないかという気がいたします。私、文系ですけれども。

【角南第二主査代理】一応、宇宙政策委員会の方は、次回ある程度方向性を出すとおっしゃっていますけれども、かなり速いスピードで進むということでしょうか。

【谷室長】今、宇宙科学・探査部会が精力的に開催されておりますので、来週宇宙科学・探査部会としての意見を固める。そういうタイミングに来ているということだと理解しています。それを踏まえて宇宙政策委員会で組み上げていくという形になると思います。宇宙科学、ISS、国際宇宙探査というものについて、特に宇宙科学・探査部会の方に授権されておりますので、そこの書きぶり等はその宇宙科学・探査部会の方でまとめられるということかと理解しております。

【角南第二主査代理】ほかに何か宇宙政策委員会の議論について御質問等ございますでしょうか。

【谷室長】具体的には次が月かとか、火星をどうするかという話は、集中的にはされておりません。宇宙科学コミュニティの方からのインプットという意味では、惑星探査、重力天体への探査、これについては非常に時間がかかるので、長期的な視点から取り組んでいく必要があって、そのアイテムの一つとして月とか火星が想定されるというお話がございましたけれども、具体的なプロジェクトとして次に月にいきましょう、火星にいきましょうとかいうような方向が出ているというわけではありません。

【角南第二主査代理】それでは、前回外務省から外交安全保障国際協力という観点からお話を伺いましたけれども、本日は安全保障という観点を踏まえて防衛省の礒﨑大臣官房企画官においでいただいておりますので、防衛省の宇宙開発利用についてお話を頂きたいと思います。

(1)防衛省における宇宙開発利用の取り組みについて

【防衛省(礒﨑企画官)】防衛省の大臣官房企画官の礒﨑と申します。
今日はこのような説明の機会を頂きありがとうございます。
文部科学省からの依頼を受け、防衛省の宇宙開発利用の取組を紹介させていただきます。

防衛省(礒﨑企画官)から、防衛省における宇宙開発利用の取り組みについて、資料8-1に基づき説明。

【角南第二主査代理】礒﨑企画官、ありがとうございました。それでは、今の御説明について委員の先生方から質問、あるいはコメントがありましたら、お願いします。

【西島専門委員】最初の方で聞き落としたのかもしれませんけれども、1ページ目の性能向上のところで、World View-3、米国のこの部門はすごく進んでいるのですが、ASNAROというのがありましたが、そこが2015年で分解能が、World View-3の0.3より悪い、0.5ぐらいという、この分解能が悪くてもここでやるという予定、これはどういう意味なんでしょうか。分解能がすべてということではないんですか。

【防衛省(礒﨑企画官)】分解能が全てというわけではなく、費用対効果などの要素も重要です。御指摘のASNAROは経済産業省が打ち上げを予定している衛星と聞いています。

【西島専門委員】私たちなんかは計測の場合には費用対効果というのは、性能が優先するので、その下の写真の車種が識別できるのが0.4と考えると、このASNAROの意義というものは何なんだろうなと思って、費用対効果、その効果という面で分解能に勝るものは何があるのかとちょっと不思議だったんです。

【防衛省(礒﨑企画官)】海外の商用画像衛星画像についても引き続き購入していく予定ですが、用途に応じて多様な画像を重層的に取得していくことが必要と考えています。ASNAROについては、将来的に我が国の産業基盤を育てていくという観点もあると聞いています。

【西島専門委員】高度な情報が出てくると、情報を非常に短時間でデータ処理するというビッグデータの処理とか、そういうのになると思うのですが、その辺に関して日本はどうなのですか。

【防衛省(礒﨑企画官)】ビッグデータの処理について防衛省が先行しているかは分かりませんが、ビッグデータの処理といった分野に限らず、防衛省としては民間の優れた技術を活用していくことが重要であると考えています。

【西島専門委員】御存じのように、2020年にスパコン「京」の後継の「フラッグシップ2020」というプログラムが動いているのですが、その中の重点項目の中に安全とかが入っているので、そういう中にいわゆる防衛的な意味でのデータ処理という部分で、このレベルのものが必要だということが出てくると、必要度が増してくるのかなと思います。是非その辺の2020年の部分で「フラッグシップ2020」という言葉はすごくいいのですが、それが逆にスパコンだけではなくて、あらゆる先端計測と合わせてシミュレーションとか、その一連の中にうまく組み込まれてくるといいのかなと思います。

【防衛省(礒﨑企画官)】民間の研究開発の進展も踏まえながら宇宙開発利用を推進していきたいと考えています。

【向井専門委員】質問ですが、防衛省の宇宙開発利用は、民間やJAXAの開発した技術を利用しているのみで、開発はしていないということですか。

【防衛省(礒﨑企画官)】これまでは一般化理論の範囲で宇宙を利用してきましたが、宇宙基本法の成立を受け、必要な研究開発を行っていくこととしています。具体例としては、先ほど御説明した2波長赤外線センサの宇宙空間での実証研究があり、文部科学省・JAXAで計画中の先進光学衛星に相乗りさせていただくことにしています。そのほか、宇宙監視に関して申しますと、防衛省内に専従の組織を設置できるよう検討していくこととしています。

【向井専門委員】2点あります。初めに、防衛省の開発する技術の方が民生品の技術よりかははるかにレベルが高く、その技術が民生品に応用されていくという感が一般的にあります。例えば、GPSが民生品になってきた例に見るように。2波長赤外線センサもこれまでよりも精度が高いものを開発するものと思っていました。
2点目ですが、BMDの予算が大きいですね。このBMDは資料で見ると、「構想」と書いてありますが、この構想は新たな技術を開発しなくても現在ある技術を組み合わせて運用すればできる話ですか。特に、この資料にある「宇宙空間での、ミッドコース段階での迎撃」の部分です。新たな技術要素を追加しなくてもできるということですか。

【防衛省(礒﨑企画官)】BMDシステムにつきましては、現在整備を進めておりますが、更に能力を向上させていくため、米国と迎撃ミサイルの共同開発を行っています。これは宇宙空間で弾道ミサイルを迎撃するミサイルです。

【向井専門委員】現実的にはできるのですか。それとも、まだできないのですか。

【防衛省(礒﨑企画官)】射程1000 km級の弾道ミサイルに対処し得るシステムとして整備し、運用しているところです。

【続橋専門委員】赤外線センサの相乗りとかデュアルユースとかあります。予算の問題もあり難しいと思うので、独自の高性能のセンサ開発は、とりあえずは一緒に乗せてもらって開発しますということで、その先がそれを使った例えばマイカーというべき専用の衛星に行くのか、それともちょうど手頃の衛星があるのであれば、更にそのセンサを乗せてもらって、一緒に画像を撮るのか。最初に説明がございました「ひまわり」とか「だいち2号」のデータを使っていますが、引き続きデータだけ、例えば「だいち3号」とかで使っていくのか。それとも、センサを開発して、それを「だいち3号」につけて、一部データを独自にとっていくのか。あるいは自ら衛星を保有していくとか、その辺のところは今どんな感じですか。

【防衛省(礒﨑企画官)】厳しい財政事情を踏まえると、防衛省の宇宙開発利用を全て自らの人工衛星の開発・整備により行うのは困難ですので、相乗りやデュアルユースも進めることにより、費用対効果の最大化を図ることが重要と考えています。

【米本臨時委員】私は、防衛省さんに6年間お世話になって、固定翼しょう戒機P2の開発をやりました。その経験から、防衛省が民生品の衛星を利用する、また回線を利用すると、どのような情報を取得しているかがわかってしまい、情報の秘匿性が担保できないような気がします。どのようにしてそのような商用回線を利用しているのでしょうか。
例えば、民間の会社から衛星画像を買う、取り込むと、どういう画像を取り込んだということがわかってしまいます。そのような形で、秘匿性がブリーチされているわけです。商用回線を利用すればすぐに、防衛省が、どのような通信をしているのかがわかってしまうと思います。どのようにして秘匿性を守れているのかが、不思議な気がします。

【防衛省(礒﨑企画官)】契約の中で秘密保全の条項を設けて、秘密保全を担保することは可能です。先ほどのBMDシステムも製造は民間企業が行っています。
自己完結性が高いことが自衛隊の強みではありますが、100パーセントの自己完結は不可能で、例えば、東日本大震災の際には、民間のフェリーも部隊の輸送に利用しました。宇宙分野については特に省外に進んだ技術がありますので、必要な保全措置をとりつつ活用していく必要があると考えています。

【角南第二主査代理】防衛省さんから見て、ISSの利用は、検討されたことがあるのでしょうか。

【防衛省(礒﨑企画官)】防衛省がISSの利用を検討したことはありませんが、一般論として宇宙分野は民生と防衛の垣根が低いと思いますので、将来的には民生技術の防衛分野へのスピンオンは考えられると思います。

【角南第二主査代理】それについて、米国の状況をもしおわかりでしたら、長谷川理事、いかがでしょうか。

【JAXA(長谷川理事)】ISSの中で、米国でやっている実験の中で国防総省や海軍研究所が担当しているものがありますので、それを幾つか御紹介したいと思います。
基本的には船内の実験と船外、放出、三つの分野でやっています。ちょうどミサイルの話が出たので船外のところから。曝露(ばくろ)部には10ポートあるのですが、その内の半分の五つは米国が使う権利を有しています。その一つが、海軍、国防総省が装置を開発して、実際に研究を行っているものがあります。可視光と近赤外光を用いたハイパースペクトル海洋画像システムで沿岸の地域の特性、縁を定量的に観測して、宇宙から撮影しながらそれを探求するというのがテーマだそうでありまして、詳しいことを余り聞かされていないので、ホームページ経由しか情報が得られませんが。その中で付き合っている関係からそういうことが出てきました。
それは、2009年に日本の曝露(ばくろ)部が上った直後にHTVで打ち上げたものだと思いますが、2009年から6年間くらいずっとやっています。相当成果を上げたという話を言われるのですが、具体的な話は一切できないという、そこで終わっています。その装置を使って、もう一つ別にやっているのは大気圏の可視光と紫外光を用いて、遠隔で大気圏の電子密度、中性子の密度を測ることを連続でやっているそうです。それは大気の上層部等を人工衛星が降りていくときに、空気抵抗がありまして、この抵抗のモデルそのものは太陽が当たると電子密度が上がります。太陽の活動が下がると下がります。そのために地球の縁の大気モデルというのが機微技術になっています。うちの人工衛星の場合は、スミソニアンから出ているものを使ったりしているのですが、実際には米国の防衛関係はもっと細かいデータを持っているそうでありまして、それをモデルに入れながら最後に落下突入、ターゲット、ピンポイントでというための研究だそうであります。これを観測することによって、大気の密度の解析モデルを高めるという意味で、ずっと観測をするということになっているそうです。特に問題があって、不具合はありませんで、ずっと観測しているそうであります。
それと船外に飛び出す装置の研究をしているのですが、その目的は大気圏に再突入する際のデータ取得ということで、基本的には我が国と同じ目的でやっているのではないかと思いますが、これをHTV(こうのとり)の2、3号機や、欧州のATV2、3号機の計四つ搭載しています。HTVが再突入するときに、HTVはばらけますが、これは断熱材を持っていますので、そのまま降りていきます。このときの温度、加速度、角速度、それから断熱材の状況、当然GPS航行データ、どこの縁をどう通っていくか、さっきの航行データを上からではなくて、直接落ちていくものから取っていくそうで、これについて我々ももらわないとよくわからないんですが、そういうデータを国防総省が参画してやっているというのが船外の部分です。
船外はもう一つありまして、材料曝露(ばくろ)実験、我が国の曝露(ばくろ)部ではなくて、実際にはトラスという大きなISSの橋脚のところに設置場所を持っています。そこにサンプルを持っていって、材料曝露(ばくろ)実験をやっています。目的は長期間にわたって人工衛星が宇宙でいろいろ観測する必要があるけれども、実際には断熱材等の部分で、原子状酸素、放射線でやられてしまって寿命が短くなるので、それを曝露(ばくろ)環境下に曝(さら)した上で、熱サイクルとか微小隕石(いんせき)の影響がどうなっているかということを実際に観測し、それを持って帰るので、どういう状態の材料になったかがわかるということです。
それから、船内でやっているものを二つだけちょっと御紹介します。フォーメーションフライトで、大型衛星を1発上げるのではなくて、幾つかの衛星をフォーメーションフライト、編隊衛星飛行と呼んでいるもので、まだ実績があるわけではなくて、一個だと駄目だけれども何個も数十個並べてお互いの間隔、姿勢とか位置を同期させた上で、それでいろいろな観測をしたり、データのやり取りをするそうです。実際に二つの衛星を船内で浮かせた上で、姿勢・位置をこの中の制御装置でやり取りをするそうです。それでうまくいかなかった場合は、その場で直してまたやるということで、姿勢制御及び位置制御の頭脳をつくるコンピューターのソフトウェアを試しているということで、船内ですので浮かしておけばいいので、そこの段階で問題があったら直す、直してこうやってずっとこの姿勢等々ができるようなものの実験をしているというのが、国防総省が直接行っているものだそうです。
もう一つ、船内は衛星の実験のようですが、ISSの搭載装置から発生する振動をいろいろなセンサを使った上でリアクション、はずみ車で振動を除去したりする技術を米国、これは空軍の研究所が行っており、スペースシャトルから始まってISSでもやっています。
ピックアップしたものは以上です。

【角南第二主査代理】何か今のことも含めてコメントはございますか。
それでは、最後に次回の日程などを事務局からお願いしたいと思います。

【神部補佐】まず、本日の資料と議事録について補足させていただきます。運営規則に基づきまして、本日の会議資料は公開となりますので、後日文部科学省のホームページに掲載いたします。
また、議事録につきましても公開となりますので、後ほど委員の皆様に御確認を頂いた後、文部科学省のホームページにて掲載させていただきます。
次回の予定でございますが、次回は産業界の方々からお話を聞く予定になっておりまして、経済産業省及び三菱重工、NECの方に来ていただきましてヒアリングを行う予定となっております。
以上です。

【角南第二主査代理】ありがとうございました。以上で本日の議事は終了したことになります。
これをもちまして本日は閉会といたします。 

(了)

お問合せ先

研究開発局宇宙開発利用課

-- 登録:平成26年12月 --