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宇宙開発利用部会 国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会(第7回) 議事録

1.日時

平成26年9月26日(金曜日)15時00分~16時45分

2.場所

文部科学省 3階2特別会議室

3.議題

  1. 今後の進め方について
  2. 国際協力、外交、安全保障の観点からのISS・国際宇宙探査の意義について
  3. 国際宇宙探査に必要な技術について
  4. 平成27年度文部科学省宇宙関係予算概算要求について
  5. その他

4.出席者

委員

主査	藤崎 一郎
主査代理	牧島 一夫
専門委員	古城 佳子
臨時委員	角南 篤
臨時委員	知野 恵子
専門委員	続橋 聡
専門委員	西島 和三
臨時委員	米本 浩一

文部科学省

研究開発局長  田中 敏
大臣官房審議官(研究開発局)  磯谷 桂介
研究開発局開発企画課長     内丸 幸喜
研究開発局宇宙開発利用課長  柳 孝
研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室長	谷 広太

(説明者)
外務省総合外交政策局宇宙室長	今福 孝男
独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
 理事   長谷川 義幸
 執行役  田中 哲夫

5.議事録

【藤崎主査】それでは、時間になりましたので、第7回会合を開催いたしたいと思います。資料等はお配りしておりますが、むしろもう少し大きな姿について議論したいというふうに思います。そこで、まず、この今後の進め方、総理指示等もございまして、今、内閣全体でどういう姿にあるのかということを文部科学省の方から御説明いただき、外交の視点について外務省の方からお話しいただきたいと思います。

(1)今後の進め方について

【谷室長】それに先立ちまして、事務的な連絡を若干申し上げます。本日の委員会には、11名の委員のうち8名の委員の先生方に御出席を頂いておりますので、定足数を満たしておりまして、委員会として成立しているということを御報告申し上げます。
それから、資料の確認をさせていただきます。議事次第のとおり、資料7-1から7-4までお配りしておりますので、過不足等ございましたら、お申しつけいただければと思います。
それから、この後御紹介をさせていただきます資料として、机上配付の資料が2種類ございます。1点目は、第27回の宇宙政策委員会の資料でございます。それから、最近の火星探査動向というものを参考でお配りしておりますので、併せて過不足ございましたら、お申しつけください。
それでは、先ほど主査の方から御指示ございました宇宙政策委員会の方の動きについて、先ほど机上配付でと申し上げました宇宙政策委員会の資料に基づきまして、御説明をさせていただきます。
お配りしております資料は、9月18日の宇宙政策委員会の資料でございますけれども、後ろについております資料(資料1)は基本政策部会の中間取りまとめの概要です。この資料は9月12日、宇宙開発戦略本部で、総理を本部長として全閣僚が入った我が国の宇宙開発戦略を決める会合でございますけれども、この本部会合が開かれまして、そこで配られた資料でございます。
現状認識のところにございますけれども、平成20年の宇宙基本法の成立以降、我が国の宇宙政策というのは、科学技術(研究開発)主導というところから、科学技術、産業振興、安全保障の三本柱からなる利用・出口戦略重視と転換をしてきていると。それから、国家安全保障戦略策定などを受けて、宇宙政策をめぐる環境変化がありまして、そういった意味での宇宙政策の再構築が喫緊の課題であるという現状認識がございます。
我が国の宇宙政策が直面する変化として、安全保障の観点から、宇宙の重要性が著しく増大しておりますとか、宇宙産業の基盤について、衰退をしているというような現状があるのではないか、さらには、厳しい財政制約を踏まえて、メリハリのある宇宙政策の推進が必要不可欠になっているのではないかということから、現行の宇宙基本計画を改訂して、新しい基本計画を策定するという方向になってございます。
その際、検討すべき項目としては、横断的な観点、それから具体的施策に関する観点ということで、安全保障、日米同盟強化、国際宇宙協力体制の構築、産業基盤についてというような具体的な施策について、宇宙インフラ、宇宙利用ニーズ、それから体制、制度等について、議論をしていくということでございます。当小委員会で御議論いただいていますISS、それから国際宇宙探査という観点では、宇宙利用ニーズに関する施策の宇宙科学・探査分野及び有人宇宙活動分野というところで議論をするという形になってございます。
特に、その後ろに中間取りまとめの本文をつけていますけれども、10ページに宇宙利用ニーズに関する施策として、中ほどにb)宇宙科学・探査分野及び有人宇宙活動分野というところがございまして、三つに分けて、宇宙科学・探査、これは専ら科学探査と言われているところ、ISSを含む有人宇宙活動、それから有人宇宙探査ということで、国際宇宙探査についての記載がございます。こういったものを新しく宇宙基本計画を策定して、その中でどう規定していくかという議論がこれから精力的に行われるということでございます。
資料2に総理の指示がございますけれども、先ほど申し上げたような背景をもとに、新たな宇宙基本計画を策定すると。安倍政権の新たな安全保障政策を十分に反映するということと、投資の予見可能性を高め、宇宙産業基盤を強化するということが言われております。内容的には、10年の長期整備計画ということです。あわせて、厳しい財政制約を踏まえ、できる限り施策の優先順位を明らかにしたいと。こういう指示が出てございまして、年末をめどに新基本計画を策定するという大きな流れになってございます。
資料3のスケジュールについて、検討の進め方ということで、9月、10月と宇宙政策委員会、11月の初めまでに新宇宙基本計画に盛り込むべき内容を取りまとめていく。その上で、パブリックコメントを経て、これは未定となっておりますが、パブリックコメントも想定してということですけれども、11月の末から12月の初めに、宇宙政策委員会として新宇宙基本計画の案をつくるというようなスケジュール感で作業が進んでいくということでございます。
それから、ISS、国際宇宙探査につきましては、宇宙政策委員会での検討としては、宇宙科学・探査部会において行われるということが資料3には明記をされてございます。

【藤崎主査】宇宙科学・探査部会のところは、大事なので、紹介していただけますか。

【谷室長】はい。資料3の2ページでございますが、これは先ほどの基本政策部会の中間取りまとめをベースに、どういう検討をするかということについて書かれております。
宇宙科学・探査について、現時点で宇宙科学研究所として予算措置等が済んでいるプロジェクトを着実に進めつつ、今後とも一定規模の資金を確保し、世界最先端の成果を目指す方策について検討を行うということ、これが1点目でございます。
2点目につきましては、ISSを含む有人宇宙活動について、これは技術蓄積や民間利用拡大を戦略的に行うための方策について検討を行うとともに、ISS計画への平成28年以降の参加形態の在り方、及び平成32年以降の延長の是非等について、外交・安全保障、産業基盤の維持、産業競争力の強化、科学技術や費用対効果等の様々な側面から、コスト削減に努めつつ、総合的に検討を行うとされております。
また、有人宇宙探査については、その科学・学術的な意義、費用対効果、国家戦略として実施する意義等について、外交・安全保障、産業基盤の維持・強化、科学技術水準の向上等の様々な観点から、厳しい財政制約を踏まえつつ、厳格に評価を行った上で、その今後の在り方について検討を行うというふうにされているところでございます。
従いまして、年末の宇宙基本計画の改訂に向けて、当小委員会でこれまで御議論を頂きました内容、それから今後審議を頂く内容について、適時に宇宙政策委員会、また宇宙科学・探査部会での議論の中にインプットをして、然(しか)るべき新宇宙基本計画の中に適切に盛り込まれますように努力をしてまいりたいというふうに思っております。
資料4は、新宇宙基本計画に盛り込むべき事項ということで、項目立てを少しブレークダウンして書かれております。ISS、それから国際宇宙探査という意味では、3ページ目に、これは我が国宇宙政策に関する具体的アプローチという中に、これでは1行だけですけれども、上から3行目、宇宙科学・探査分野及び有人宇宙活動分野という形で書かれておりますので、新宇宙基本計画の中に項目としては必ず、当然のことではありますけれども、挙がるということでございまして、具体的な書きぶりについてしっかり当小委員会での御議論を反映していくべく、努力をさせていただきますと。

【藤崎主査】皆様方の御協力を得て、夏前にこの「中間とりまとめ」というのができましたので、今、谷室長が言われていましたように、これをベースに積み上げをしていくということでございますが、これまでとちょっと状況が変わって、年末までに新宇宙基本計画ができると。そうすると、そこにどういう形で反映されていくかということが大事で、それと全く関係ない議論を続けていても、何か立派なレポートが来年できても、全く意味がなくなりますので、そういうタイムスパンの中で考えなければならないという、新しい状況になっていると思います。
今後の進め方についての考え方でございますが、ちょうど田中局長が来られたので、何かちょっと補足していただくことはございませんか。

【田中局長】遅れて参りまして、申し訳ございませんでした。宇宙政策に関する議論というのが比較的急展開で動いておりますから、この小委員会でのおまとめを頂くスケジュールも、それに合わせて情報を発信していただくということも、我々としては大変重要なことだろうと思います。実際上、ISSあるいは宇宙探査をどのように進めていくのかについては、年末にかけて策定をされるという新宇宙基本計画にどういう位置づけがなされるのかということが、大変大きいものでございます。新宇宙基本計画の議論が今後1か月ぐらいで急展開すると思いますので、いろいろな方々からの御意見を聞いて、ISSあるいは宇宙探査についての今後の取り組み方をおまとめいただいて、一つの考え方を我々にいただければ有り難いと思います。当初の想定とは少しスケジューリングが違うかもしれませんが、いろいろな状況に合わせた対応ということでお許し願って、少し御提言いただければと思います。

【藤崎主査】ありがとうございます。今の新しい状況について御質問なり、委員の方から何か確認しておきたいという点がございましたら、お願いいたします。

【西島専門委員】こういうものはやっぱりやるべきときに一気にやった方がいいと思います。この新宇宙基本計画についてパブリックコメントという形になってくると、そこそこまとまったものが出てくるということを考えると、余り時間的猶予はないという印象です。こういう状況の中で、例えば宇宙政策委員会からこの「中間とりまとめ」について何らかのコメントというか、ここをもっと重点化すべきとか、ここのところは、今後このぐらいでいいというような、何かそういう濃淡なり注文とか、そういう方針についての要望というのは、間接的でも直接的でもあったのでしょうか。

【谷室長】宇宙科学・探査部会に機会を頂いて、説明をさせていただいておりますが、例えば費用対効果についてよく精査をする必要がある等幾つか意見がございました。新宇宙基本計画の改訂のため、宇宙政策委員会にて議論を深める流れになっておりまして、ISS・国際宇宙探査については宇宙科学・探査部会を中心に更に議論を深めていくという形になっております。

【西島専門委員】余り時間がない状況ですので、例えば…

【藤崎主査】いや、これは大事な話ですから、しっかり議論しますから、どうぞおっしゃってください。

【西島専門委員】新宇宙基本計画の原案、そしてパブリックコメントという大きな流れの中で、多分、優先順位があると思います。大体こういうのは網羅するのですが、特に重点化というのは必ず出ると思います。国民の期待もそういうところに出るし、その部分と、それから私たちが中間取りまとめて、これから後、一、二回は議論するという重点項目が、外れているというか、即していない状況は避けた方がいいと思っています。私たちの「中間とりまとめ」は、一つの流れの中で長いスパンの中で考えていましたけれども、やはり大きな流れの中で、ここでパブリックコメントをやるということは、何かが早くなったということです。そこには、いわゆる政治的背景とか外交戦略とかいろいろと理由はあると思いますが、そういうところで出てきた新宇宙基本計画の原案のパブリックコメントの内容が気になります。ここでの「中間とりまとめ」はいいのですが、中間取りまとめた後の議論が新宇宙基本計画とそのパブリックコメントと全く違う方向に行くと、ここでの議論が無駄にならないかというか、もったいないというか、その辺のところは少し十分に精査した方がいいのではないかと私は思います。

【藤崎主査】ほかに御意見はございますか。

【田中局長】よろしいですか。

【藤崎主査】どうぞ。

【田中局長】新宇宙基本計画は、総理からの指示があって、総理の指示は、今日の資料にも入っておりますが、安全保障政策を十分に反映するということ、投資の予見可能性を高めること、宇宙産業基盤を強化することになっているわけです。そういう観点からISS及び宇宙探査もしっかり見つめ直して、反映すべきところはこの宇宙基本計画に書いていただくことになると思います。
現宇宙基本計画は、2016年以降のISS運用延長、我が国の参加、費用対効果を十分評価した上で参加形態の在り方を検討するべきであるという記述になっているわけです。この現状の記述を、先ほど申し上げた総理からの指示である安全保障、予見可能性、宇宙産業基盤という観点から眺めてみたときに、ISS及び宇宙探査はどうなるのか。そこをしっかり書き込まないと、宇宙政策委員会及び宇宙開発戦略本部のニーズにはマッチングしないと思います。

【西島専門委員】そうなるとちょっと気になるのが、宇宙関連企業の事業撤退、人員減少。宇宙産業基盤については、我々は余り今まで議論してこなかったなという気があるので、この辺はお隣の経団連の方から経緯があるかもしれませんけれども。

【藤崎主査】途中ではありますけれども、今まさに言われるとおりなので、この秋のスケジュール感として私どもが考えているのは、今日、まさに外務省に来ていただいておりますけれども、外交・防衛という観点及び経済という観点、つまり経団連なり経済産業省なりという観点からの視点を聞いて強化するというのが1点でございます。ISSについてもそういう観点からもう1回見る。それから2番目は、これまではISSについてはかなり議論を重ねてきましたが、宇宙探査の方についてはそれほど議論のないままに中間とりまとめをしておりますので、これについて道筋を考える。ISSの方については、先ほど申しましたように、2021年以降の延長について、当面、それが合理的であろうという結論を出したわけで、それが変わるわけではございませんが、宇宙探査の方について、どういう目標を置きつつ、そのためのステップとしてどういう形があるのかということ、頭の中にあるのは、ISSを延長して、月が出てきて、それから火星というステップがある。その中で、有人と無人を組み合わせながらやっていくということでございます。
今議論しないといけないのは、それがステップとして合理的なのか、どうしてこれが経済合理性があるのか、そして、何が安全保障として役立っているのかということをわかりやすく議論するという観点。これらの点から、この議論を進めることに意味があります。まさにそれが今、田中局長の言われたことです。ちょっと気をつけないといけないのは、率直に言って、余りに細かい技術の話にこの時点で入ると、その大きな流れから外れてしまうので、ここで全体の流れをもう1回議論して、その上でお話をしようと思います。
2か月ぐらいの間でどこまでやってインプットができるのか、それがどれだけ反映されるかどうかは別として、やる以上は、そういうことがないと意味がやはりないだろうという観点だろうと思います。

【米本臨時委員】総理の発言でやはり大事なところは安全保障。宇宙探査と安全保障とは、なかなかイメージとして直結しない部分があります。そういう議論は、あんまり今までしてきませんでした。もう一度初心に戻ってやらないと、恐らく何も実のある議論はできないのではないかと心配します。

【藤崎主査】それが一つ、今日は外務省も来ていただいておりますけれども。

【米本臨時委員】宇宙探査は今後10年、20年、30年のシナリオの議論をして、そこまでのステップがある程度具体的にならないと、10年先を明らかにできないと思います。今までの議論はどちらかというと、これまで何をやってきたか、そして何をやってきたかという延長上でどう10年後、20年後を見据えたらいいかということでした。10年というタイムスパンで言うと、かなり具体的なことに踏み込まないといけないような気がします。したがって、長期的なビジョンを持ちながら、今後の10年に一体どういう具体的な道筋を考えていくかということをどうしても言わなければいけないという気がします。逆に、本当に短期間でそういうことが言えるのかどうか、かなり心配なところがあるという印象です。

【藤崎主査】わかりました。

【米本臨時委員】安全保障とは、探査というより、どう使うかということの意味合いが強いと思います。しかし、どう使うかの議論の中で、やはりどのような手段で我が国が宇宙空間を利用していくか、すなわち、輸送とか、そのようなものにもやはり踏み込んだ議論が必要と思います。輸送ということを何度も言って申し訳ないのですけれども、宇宙開発の自律性というのは、自国の人間が宇宙にどうやって自由に行ったり来たりできるかということにすごく関係していると思うからです。こういったときにこそ有人輸送の議論もしておかないと駄目なのではないかなという気がしました。

【藤崎主査】おっしゃるように、拙速になってはいけないけれども、同時にこの委員会で決めていないスケジュールも念頭に置いて作業しなきゃいけないという、その二つの要請があるわけですね。わかりました。
ほかの委員の方はいかがですか。よろしゅうございますか。
11月末から12月初めまで、宇宙政策委員会で新宇宙基本計画を作成するというタイミングで、この小委員会がそこにインプットすることを求められているわけではないのですが、これだけ集まって議論をする以上、反映されることも念頭に置きますと、もう少し日程のスピードアップを考えた方がいいのかもしれませんので、そこは事務局に考えていただくようにいたしましょう。
そして、今日は、まさに今、米本委員も言われましたけれども、安全保障の観点をこれまでそれほど議論してこなかったので、安全保障という観点も踏まえまして、外交・安全保障という観点から、外務省・今福総合政策局宇宙室長に外交的・安全保障の観点からのお話をしていただこうと思います。

(2)国際協力、外交、安全保障の観点からのISS・国際宇宙探査の意義について

外務省(今福室長)から、国際協力、外交・安全保障の観点からのISS・国際宇宙探査の意義について、資料7-2に基づき説明。

【藤崎主査】今福室長、ありがとうございました。
それでは、各委員から御質問、もしございましたら、初めて安全保障の議論にたどりつくことになってございます。是非お願いいたします。

【牧島主査代理】最後のISSに関連したところで、少しヨーロッパの状況を紹介いただきましたが、もう少し全体的な流れの中で、ヨーロッパの動向をどうのように見ておられるかをお伺いします。

【外務省(今福室長)】私が承知している範囲では、ヨーロッパ自体が、そこは一つは手続の問題があると思うんですね。それで、結局、今のところ2020年までの延長の話というのは、今年の12月に開かれるであろう閣僚会合、その場で彼らはテーブルされるという見込みと聞いております。

【牧島主査代理】ISSの延長ということよりもう少し広く、宇宙の安全保障という全体的な見通しの中で、ヨーロッパはどのように動こうとしていて、それに対して日本はどんなアクションを考えているか、その辺の見通しを伺いたい。

【外務省(今福室長)】申し訳ございませんでした。ヨーロッパとの関係で申しますと、基本的には、先ほどございました行動規範の話、これについては、日本とヨーロッパと米国、これは考え方自体は非常に近い考え方をしておりまして、まずは宇宙について実際に能力もあって、関与する度合いも多い国で、ルールをしっかり固めていこうという動き方をしようとしております。その観点から、まず今、10月の頭に、一度、日・EUの宇宙政策対話というものを開催しようということになっていて、それは今後の今申し上げました行動規範をつくっていくプロセスの事前のちょっと腹合わせというか、そういったものをやろうと。
その他の宇宙探査等については、正直、申し訳ございません、私もちょっと不勉強でまだよく承知しておりませんが、安全保障の世界について言いますと、やはり先ほど申し上げたような軍事的なリンケージの話というのは非常に強いものがございますので、特にNATOと米国でつながっていますので、そういった方向性は同じだと思います。

【藤崎主査】他はいかがですか。

【古城専門委員】今お話しくださったのは、このISSの意義についてということで、主として宇宙外交といいますか、要するに多国間の協力でやっていかないと、今のところ宇宙空間を規律するような規範もない中で、安全保障上のいろいろ厄介な問題が出てきて、各国が自分勝手にいろんなことをやるという、非常に危惧が高まっている状況だと思うんですね。そこにおいて、ISSについては外務省がこういうふうに考えるという観点からお話しくださったんですけれども、他の宇宙政策といいますか、国際協力のところで重要だという以外のところがどのぐらい重要な部分を占めていて、その中でこの国際協力という部分をどの程度評価されるといいますか、位置づけられているのかというようなことはお伺いできますでしょうか。

【外務省(今福室長)】一つは、先ほど他の委員の先生からもあったとおり、ISSイコール安全保障というつながり方をしないものですから、それでちょっと若干、どう御説明をするのがいいかなと思って切り分けてみたのが、国際協力というのが一つあるかなと。その意味でいうと、科学技術の分というのは、正直、外交の観点、安全保障の観点からは、どういった意義があるかというのは、正直私も余りよくわかりません。ただ、今日申し上げたとおり、発言力の源になっている話とか信頼醸成という観点から、このISSというのは非常に役に立っている、効果があるというふうに考えております。
あと、先ほど申し上げたとおり、ロシアも入れたフレームワークであるということ。一つ例として挙げますと、今、ロシアとの関係でクリミア情勢という状況がありますが、その中でもこの宇宙分野の協力というのは止まってないんですね。というようなことがあるのが一つ。また、これが止まった場合、何が起きるかというと、中国は自分で宇宙ステーションを今打ち上げようとしていて、西側がみんなロシアとの関係を切ってしまうと、ロシアと中国は更にこの分野でも接近することになるんじゃないかといったような観点からも、このISSというのはポリティカルにも非常に重要な要素になっているという評価だと思います。

【藤崎主査】今福室長が先ほど「2+2」の御説明を頂いたこの6ページでございますが、ここに共同発表のところで、ガイドラインの見直し、弾道ミサイル防衛の能力の拡大、宇宙及びサイバー空間といった新たな戦略的な領域における協力の向上とあります。この場合の宇宙における協力の向上ということは、具体的に言うと、ここではサイバーと弾道ミサイルは別ですから、一般的なミサイル及び情報衛星の分野、それから、先ほどお話になった紳士協定のような行動規範、これについて国際的に議論する際に、日米間で共通の理解のベースをつくっておくと。こういうことが中心なのでしょうか。この宇宙の具体的な協力強化というイメージというのは、どういうようなものをイメージしていけばよろしいのでしょうか。

【外務省(今福室長)】まさにおっしゃるとおりで、一つは、国際社会におけるルールメーキングに当たって、日米が歩調を合わせてやると。その観点から、日米包括対話という対話を立ち上げて、それだけではなく、安全保障に関する日米宇宙対話というのも立ち上げて、すり合わせは緊密にやるようにしているというのが一つでございます。もう一つは、具体的な物理的な宇宙における協力というのが、先ほど申し上げましたSSAという、宇宙状況監視の話があります。

【藤崎主査】デブリですね。

【外務省(今福室長)】はい、デブリです。あと、もう一つは、同じようにこの「2+2」のときに挙がっておりますのが、MDAという海洋状況監視というのがございまして、これは衛星から見た、画像や衛星でとったAIS情報という船が発信している信号、そういったものをベースに、今どういったところをどういった船が通っているかというのを、これは日米協力して、何かデータベースの共有とか、そういうことができないかというようなことの議論を今始めているところです。

【藤崎主査】なるほど。いかがですか。委員の方々、特に外務省に…

【牧島主査代理】国際協力という立場では、もちろん安全保障は重い課題ですが、それ以前に、基礎研究や科学技術の分野では、実は宇宙は非常に国際協力が進んでいることを強調させてください。現在稼働中あるいは計画中の科学衛星で、国際協力を使わないものはほとんど皆無です。日本の衛星にはほぼ必ず外国の装置が載り、お互いに得意なところを分担します。そのためには、民生産業の競争に比べれば緩いかもしれませんが、科学の世界でも熾烈(しれつ)な競争があって、外国の衛星にこちらの装置を載せようとすると、こちらが勝たなければいけません。強い競争があると同時に、協力が非常に進んでいますので、そのあたりのガイドラインをつくるときには、先行事例として是非参考にしていただければと思います。

【知野臨時委員】一つよろしいでしょうか。

【藤崎主査】はい、どうぞ、知野委員。

【知野臨時委員】今後、国際協力が重要であるというお話をされたと思います。これは机上資料ですけれども、最近の火星探査の動向を見ますと、非常にいろんな国が、例えば米国なんかがかなり熱心にやって、将来政策も決まっていますけれども、過去も含めて、こういう中で日本に対して何らかの協力の打診はあったのでしょうか、それともなかったのでしょうか。つまり、国際協力が重要だと言いながら、2020年以降とか15年以降とかの計画が既にあるものに関して、日本に対して何か言ってきているのでしょうか。

【外務省(今福室長)】一般的には、先ほど申し上げましたように、いろんな会議の場で米国が多数国間の会議において火星というようなことを言っているのはあると思いますけれども、少なくとも外交ルートで直接、火星について一緒にやってほしいといったことはないと思います、今のところは。

【知野臨時委員】JAXA側にも特にないわけですか。

【JAXA(長谷川理事)】研究者のレベルでは、当然、次の探査とか、いろんな国策的なものに日本も入ってくださいということは、よく言われている話です。ISSの延長については、当然、米国の方から、NASAの方から、日本は必ず入ってほしいというのは、しょっちゅう言われている話、かつ、国際宇宙探査についても、日本は米国等の同盟国というかパートナーとしてちゃんと入ってほしいというのは、いろんな会合で言われております。

【知野臨時委員】後の方の技術の検討の話とも関係してくるんですけれども、つまり、こういうふうに実際、火星探査に関していろんな計画が動いている中で、それぞれが構想、米国も構想している中で、途中から日本が参加することがあり得るのかどうか。ここまで決まっているものを後から入れてというのも、参加のし方としてよくないような気もするのですが。これからは国際協力とずっと言われ続けてきましたが、こういうふうに米国なりヨーロッパなりが独自に進めているものを、今まで日本はそのまま見過ごしてきたのかという、そういう感じもしますので、その辺の事情をお聞きしたかったのですけれども。

【JAXA(長谷川理事)】別に放棄してきたわけではなくて、いろんな科学機器、センサー等については、入ってほしいという話は当然来ているんですが、いろいろ政策の中でそれに入れ込んでやっていくことを、特に宇宙研が担当している。大体、火星の探査の話はしているので、多分、優先順位等により理工学委員会等で決めていったものだと思います。有人の火星探査については、今、ISECGというこのフォーラムの枠の中で、国際的な分業の中でやっていく作業として、月へ行って、次に火星のときに各国がどういうふうに入っていくのかということをやっていくということで、中に入ってないわけではありませんで、今後の政策的な中の位置づけで決まってくるものだと思います。

【知野臨時委員】それで、外務省の資料で、今後の議論というところが7ページ、ありますけれども、その中の(2)は、必要な枠組みの検討とありますけれども、これはどういうイメージで載せていらっしゃるんでしょうか。

【外務省(今福室長)】これはまさに先ほど申し上げたとおりに、宇宙探査をどういうふうに進めていくかというのは、これは外交の世界ではないものですから、どういう枠組みでやっていくのかというところが、科学技術、探査の方で決まった場合、それがこのISEFのアジェンダに持ち込まれるのかなというふうに考えております。なので、意味としてはそういった意味であって、外務省としてこういう枠組みがなきゃいけないというものは、今現時点で何かあるわけではございません。

【知野臨時委員】そちらの技術のベース、研究のベースということですね。

【外務省(今福室長)】はい。

【牧島主査代理】ちょっとよろしいですか。

【藤崎主査】はい、どうぞ。

【牧島主査代理】私から説明した方がよいと思います。今、室長が言われたとおりで、科学的探査では世界はオープン・コンペティションになっています。例えば2016年に水星に行くベピ・コロンボというミッションでは、世界でいろいろ競争が行われた結果、二つのモジュールが段重ねになってESAにより打ち上げられます。片方のモジュールを日本が担当しもう片一方のモジュールはESAが担当します。
火星に関しては、例えば今、2020年に火星に行くMars2020という大きなミッションが米国で計画されています。それに載せる装置や研究方法が国際公募されていて、それへ日本からも応募しています。
更にESAで木星に行くJUICEという大きなミッションがあり、これに対しては日本から四つか五つ、搭載装置が応募して、かなりの部分が採択され、大事な役割を担っています。以上の例はどれも、外交ルート主導のものではありません。サイエンスの分野ではこのように世界の垣根がかなり取り払われた状態で競争が行われています。

【知野臨時委員】そうすると、この宇宙探査が、外交というのは、つまり、数が多くて質もあればあるほど、結果として外交成果が出ると、そういうことになっていくわけですね。戦略的に仕掛けていくというのではなくて。今、先生から御説明があったように、オープン・コンペティションでいろいろあって、話を成立させて、それが実績として宇宙外交になっていくという、そういうお考えでよろしいのでしょうか。

【外務省(今福室長)】恐らく、そこは官主導で何でもかんでもという話ではなくて、多分、民の部分の創意工夫の部分、かなりあると思うんですね。外交当局としてはどうかと言われると、我々はまさに我々自身が技術を持っているわけではないので、ある意味、使わせていただいていると。だから、今日申し上げたとおりに、協力の道具にもなるし、そういう活動が活発化することによって、日本としての信用力、ブランド力というものが上がっていくと。それを我々としては、外交活動をする上で十二分に活用させていただくという、そういう図式だと思います。

【知野臨時委員】先ほど、これからの宇宙政策委員会の進め方の話がありましたけれども、そこで特に今回の見直しに限らずずっと言われてきていることは、そういう大きなプロジェクト、惑星探査なんかに関しては、まず国として戦略を決めて、それから取り組むんだという話を随分、宇宙政策委員会から聞いているものですから、ここで言われていることとはまた違うんだなという気がしましたものですから。

【外務省(今福室長)】恐らく、宇宙政策委員会の方は、まさに宇宙科学・探査部会で議論をまずされて、その後、宇宙政策委員会本体に上がるんだと思うんですけれども、あちらの部会で考えておられるのは、外交的切り口で物を見ておられるわけではなくて、探査のあるべき姿というのをまず議論されて。というのは、多分、視点が違うんだと思うんです。

【知野臨時委員】探査というよりも、国の戦略としてという視点で取り組みたいということで、つまり、研究者の方たちはいろいろやりたいことはおありでしょうけれども、ただ、それは国の戦略として、それこそ国のステータスであるとか発言権であるとか、そういうものにつながるものであるかということを考えて検討したいということで、またこことはちょっとニュアンスが違うのかなと。

【藤崎主査】恐らく、大きな目標というか戦略というのはどういうことに置くか。それは費用対効果もあるし、技術力もあるから、国として決めるけれども、その過程におけるいろんなものを全て国が決めていくということじゃなくて、そこは民の主導もあるし、いわば両立し、互換的なものであるのだろうと思います。

【米本臨時委員】いつもよくわからなくなってくるのですが、国際協力という輪の中に、中国だとかがどういう形で将来絡んでくるのか、それによって協力の在り方もやり方も変わってくるのではないでしょうか。中国は、最近ヨーロッパにすごく接近しているということをニュースで聞いています。しかし、米国とはまだ距離は遠いとも。でも、今後10年先を見たときに、中国はその国際協力の輪の中にしっかり入ってくるという想定の上で、日本の立ち位置としてはどのような作戦でいったらいいのか、その辺のシナリオがよくわかりません。安全保障というと、想定する相手がいてこその安全保障というふうに考えるからです。その相手って誰を想定したらよいのでしょうか。その辺、我々にわかりやすく言っていただきたいなというところもあります。外務省の方から説明いただけないでしょうか。

【外務省(今福室長)】例えば、宇宙というか安全保障一般ということで申しますと、まず、要するに、国の領土を守り、かつ国民生活を守って、これがまず大前提なのですけれども、もうちょっと具体的に、じゃあ何を想定しているかと、何が危険だと思っているかというと、我々、第一義的には、北朝鮮のミサイルです。これに対して日本をどう守るかというのが、まず一番、今、トップイシューとしてなっているものですね。
それプラス、今日申し上げましたような、宇宙空間にいろんな日常生活を支えているアセットがある中で、その宇宙空間をいかに平和的・安定的に運用するか、これも死活問題なわけですね。例えば、通信衛星とかそういったものが破壊された場合に、それは実際に攻撃されて破壊されるかもしれないし、事故で壊れるかもしれない。そういった場合に、国民生活というのをどうやって守っていくかと。といった観点から物を考えているというのが安全保障の基本的な考え方だと思うんです。
それ以外にじゃあ何か具体的な仮想敵があるかというと、そこの部分は、基本的には、今申し上げたように、どこの国から攻撃されるというのではなくて、我々が持っている社会基盤というものをどうやって守るかという発想でいっていますので、特定の国を名指しするのは、これまた外交上、非常によろしくないものですから。

【JAXA(長谷川理事)】確認のためにちょっとお話をさせてください。知野委員とそれから牧島委員がおっしゃった話をちょっと整理させてもらいたいのですが。
このミッションの中に、科学的な宇宙科学のミッションの世界とそれから国が政策的にやる世界と、二つ分かれています。牧島委員がおっしゃった宇宙科学の分野は、サイエンスのオープンの中で、お互いに知の探究としてレベルアップをするためにやっているという世界、これは確かにオープンで競争してやっていくという分野ですが、ISSとかあるいはポストISSみたいな国際的なものは、それぞれ国が思わくがあって政策的にやっていく分野、この分野はある面でオープンではありません。飽くまで国が自分の国益のためにやっていく。それが、米国はリーダーシップを持って当然やっていくわけで、そこに対して、米国の足らない分及びそれを凌駕(りょうが)する部分については外国から取り込んでというのがもともとの政策であります。この中で技術的に高いレベルを持っているものを、今の場合は米国ないしロシアなのですが、そことの関係の中で、それが向こうにとって価値があるかないかが大きな要素になるので、オープンでやっているわけではありません。ある面で、この宇宙の中の、外交とは言えませんけれども、一種の手段としてそれを使っていくということになります。
その中の一環がISECGという14機関が入っているフォーラムがありまして、その中でアイデアや技術を持ち寄ってはいるのですけれども、完全にオープンはしません。飽くまで自分たちが何をやりたいか、その中で将来日本はこれをやりたい、米国はこれをやりたい、当然あちこち合わないのですが、その中でせめぎ合いをしながら、最後に決めていくというパターンをとりますので、科学の世界と政策レベルの話は分けて考えていただきたいなと思います。

【知野臨時委員】そうですね。まさにその政策レベルというところが、先ほど申し上げた宇宙政策委員会がいろいろ言っているところだと思います。それで、先ほどの御説明だと、要は、研究者がオープンでやる分に関しては、成果を積めば積むだけ日本の実績であり、それが外交になる、結果として外交になっていくという、そういうものだと思うのですね。国の政策として、外交として、宇宙外交といったときに、じゃあ何なのだというところが今の政策で考えなくてはいけないところであるのだと思うのです。そして、その政策に関して、じゃ、ここの委員会はどれだけ力ある発言をしていけるか、説得力のあるものを出していけるかという、そこのところをここで審議しなきゃいけないのだと思います。それがどれだけ宇宙政策委員会が受け入れるかどうかはわかりませんが、やはりそういうものを出していけるような議論が必要なんじゃないかなと思います。

【藤崎主査】今福室長、今までISSについては、一応この委員会ではいろいろ検討して、2020年以降も延長することが適当であろうという結論を「中間とりまとめ」で出しているわけです。さらに、今度の「中間とりまとめ」から議論を重ねていくときには、宇宙探査についてどういう方向であるべきかという議論を深めるわけですけれども、二つの観点が特に重要だということで、一つは、外交・安全保障、一つは経済効果、費用対効果を含めた経済効果です。この二つが、総理指示もありますし、必ずしも十分まだ議論をしてないので、このところをこの秋の議論で我々は深めようとしています。
特に今回は、外務省がおられるので、外交・安全保障という観点で考えると、この宇宙探査はどういう意義があるのかというと、一つは、日米協力ということ、これは日本の安全保障の根幹は日米協力ですから、日米協力を踏まえること、イコール、日本の安全保障を強化するという側面があることが一つ。
二番目は、日本の科学技術力の向上に資するということで、これはいろんな側面の技術力があるわけですけれども、防衛技術、そこに直接なるかどうかは別として、技術力を向上していくということは、日本のイメージにおいて安全保障に益すると。
三番目に、これは少し消極的になりますけれども、中国、インド等はこれだけ探査をし、インドは火星まで今行こうというような議論をしているところで、アジアの中で一番これまで先進国であった日本が、この宇宙探査に加わらないということは、これまた総合的な意味での日本の国力ということの強化につながらないのではないかという観点。
四番目に、まさにTPPが経済のルール作りをしようとしているように、この今、紳士協定かもしれないけれども、国際的な規範づくりをしようというときに、そこに関与するためには、自ら関与していなければならない。それこそがまた安全保障の一番の根幹である。こういう幾つかに分けて考えると、さっきの御説明は、これにもっとつけ加えていただければいいのですが、そういう観点で、この宇宙探査ということは、外交・安全保障上のアセットになっているというような御説明だったと理解してよろしいでしょうか。

【外務省(今福室長)】はい、おっしゃるとおりです。

【藤崎主査】私は、この安全保障という観点は、特に今、宇宙政策委員会、総理指示でも大事だと言われているので、もしできれば、この今日の外務省に加えて、防衛省からももし先方が来ていただけるのであれば、1回お話を聞いてみたいと思いますけれども、コンタクトしていただけますか。

【谷室長】わかりました。

【藤崎主査】そういう観点で、外交・安全保障の議論をし、それから十分でないのは、宇宙探査の持つ経済的な意味で、実は率直に申しますと、この前の「中間とりまとめ」でも議論したのは、少し小さい成果みたいなもので、もっと大きな、こういうふうにつながっていくのだという議論ができるのか。できないのであれば、それは別にする必要はないのですが、日本の経済基盤にどういうふうにつながっているのだということを、少し経済関係との間で、どうですかね、続橋委員、議論できますかね。

【続橋専門委員】正直言って、あんまりやっていません。

【藤崎主査】そうですか。

【続橋専門委員】まず様々な宇宙探査のプログラムが国家戦略として決まり、それを支える基盤の一つとして宇宙産業があるというのが実態です。

【藤崎主査】どういうふうにしたかというのではなく、実際にこういう科学技術の成果を生み出した技術の研究をしていることが、日本の経済にどういうふうに意味を持つのかということですね。技術を通じてということと、雇用を通じてと、経済を通じてということで、いろんな形があるわけですけれども、そういう産業基盤に影響が、大事だという指示がある中で、こういう今の宇宙探査がどういう意味を持つのかという議論をする必要があるわけです。意味がないならば、余り議論をしたってしようがないわけで、そういう観点から1回、議論を整理しなきゃいけないのだろうと思います。

【西島専門委員】この宇宙関連企業というのは、本当に宇宙に関係している部門の事業が撤退してもその波及効果は永く残ると思っています。以前に三菱重工業の社長から聞いた話では、宇宙関連に関わった若い人たちが、次に地上での別プロジェクトに関わったときに非常に精度の高いものをつくっていくという経験を聞きました。実際に宇宙事業に関わったという成功体験は、波及効果が大きいという話だったと記憶しています。そういう意味では、宇宙関連企業の事業を撤退、人員減少なのだけれども、宇宙関連に関わった人たちが次の産業にどう発展し、どのような波及効果があったかを考えておかないといけません。宇宙事業への参加意義をちょっと狭く見ているという印象があるんですけれどもね。そこだけを狙って本当に参加している企業じゃ、私、ないと思うんですね。
つまり、例えばどのようなモーターでもいいけれども、地上で使っているモーターは、不具合があれば、電話して、すぐに交換できるけれども、宇宙で使用中のモーターはそう簡単に交換できないだろうと思います。宇宙で使用する部品では、これまでの摩耗実験の検証を越えたもっと創意工夫が必要であるだろうと察します。そういうものを生み出した波及効果、それが日本の企業にあるという事実が重要です。逆に、国民にもそういうものを示していかないといけないと思います、ロケットが飛んだ、それは日本の全製品が使われて、次のロケット、次もまたという、そういうような単純なものではないと思うんですね。

【藤崎主査】なるほどね。それはよくわかりますね。

【知野臨時委員】まさに波及効果も、大事だとは思いますが、ただ、今ここで総理大臣指示で言っていることは、予見可能性という非常に狭い10年のことなのだと思います。続橋委員にもお伺いしたいのですが、例えば、今ここで火星探査を、日本も無人探査をやることに決めたとしたときに、企業側はこれだけ産業規模があって、お金はどのぐらいとか、そういうことが予見可能性になっていくのでしょうか。投資予見性のための工程表をつくるかどうかが、今、焦点になっているのだと思いますが、例えば、このときに、2020年、火星に向けてといったような計画が入ってくることが望ましいのでしょうか、経済界にとっては。はるか遠くの波及効果より前に、例えば火星探査のためにロケット何機といったようなもので、そうすると、人員も維持しておきましょうとか、そういう話になってくるのでしょうか。

【続橋専門委員】今、知野委員が言ったようなイメージだと思います。今の宇宙基本計画の工程表では5年から10年の中でこんなことをやるというだけで、各年度に何を実施するかはわかりません。だから、各年に何基、幾らの予算が必要かが示されれば良いのです。防衛の中期防のようなものがあれば、このぐらい投資して、こんなものをつくれるというのがわかるということです。

【牧島主査代理】産業創出という立場で私の考えを紹介します。例えば、国際宇宙探査で有人の火星ミッションをやるとすると、これは非常に大変なことで、そこに様々な技術が必要になります。その中で、日本が得意な技術や日本の産業社会構造に合った部分、あるいは日本が外国と競争して勝てる見込みのある部分をよく見定め、それを伸ばすような宇宙プログラムをつくっていくことが重要です。先ほど長谷川理事がおっしゃったように、政策的なミッションとサイエンスのミッションとがありえますが、どちらもそれを考えるべきで、日本にとって不得意なことをやってもしようがない。例えば、核燃料は日本では非常に厳しく管理されていますので、原子力電池を日本でやろうとしたら、非常に難しく、そういう部分で競争しても勝てない。
一方、例えば無人探査で様々な遠隔操作をやるロボティックス技術は、日本が非常に得意な部分ですので、そのあたりを伸ばしていくことで、最終的には国際的な大きなゴールに対し、日本がすそ野をしっかり支える形にするべきだと思っています。そのためには、先ほど西島委員がおっしゃったように、産業基盤に対する波及効果まで見るべきであると思います。

【藤崎主査】わかりました。経済の話はまた改めて議論をすることにいたしまして、資料7-3の話には、ちょっと入らないことにいたしました。せっかく御用意いただきましたけれども、理由は、技術自体の議論を今ここでするよりも、大きな流れとして、例えば今度は2020年以降にISSを延長すると。それは例えば月探査へどういうふうに利用できるのか。月探査も無人、有人とあるわけですけれども、無人から有人に行くと。それから、今度はもし火星ということであれば、それにどういうステップでいくのか、そのステップにどれだけの意味があり、それぞれがどのように利用できるのかという絵姿が見え、だからここまでこういうふうにやるのだということがわかるような形での御説明を頂くことが大事で、一つ一つの技術についての比較とか説明ではなくて、今言ったようなロードマップを、それがいいのかどうかはわかりませんが、描けると。ああなるほど、それなら意味があるのだなというような話の御説明を頂くことが大事ではないかなと思って、それを改めて御説明いただいた方がいいだろうと。この御説明よりも、そういう形でちょっと整理をし直していただいた方がいいだろうと思ったので、これは次回にしたいですが。
一つちょっと今日お話を伺いたいのは、最近の火星探査動向というのがございます。これについてはインドの話なんかもございますし、それから、将来の目標との関係もございますから、これについては今日御説明いただきたいと思います。

【谷室長】それでは、机上配付の資料で恐縮でございますけれども、最近の火星探査動向について御紹介をさせていただきたいと思います。ちょうど今週22日、それから24日と、立て続けに火星探査機が火星の周回軌道に入ったという、そういうニュースがございました。それを含めてまとめております。
火星探査動向の1.は、Mars Science Laboratory、これは既に到着して、ちょうど宇宙博、今週23日に終わりましたけれども、そこでキュリオシティ、大型のローバー実物大モデルというものが展示をされておりました。現在も活動を続けておりますキュリオシティの関係でございます。詳細は割愛をさせていただきます。
今週、話がございました2.のまず米国のMAVENでございます。これは火星の大気について現在のような大気になった過程の解明というものを主な目的としたものでございます。昨年の11月に打ち上げられて、ちょうど9月22日に火星周回軌道に投入されました。火星から近いところで150キロ、遠いところでは6000キロという楕円(だえん)軌道に入ったということでございます。今後約1年間、周回しながら火星の大気についての探査を行います。
それから、3.がちょうどインドの話でございますけれども、マンガルヤーンという探査機でございます。これは火星の大気も含めて全般的にいろんな科学調査を行うというものでございまして、インドは月の次に初めて惑星探査ミッションということで取り組んだわけでございますけれども、成功したということで、非常にインドでも大きな喜びに沸いているという状況でございます。MAVENと比べますと、周回軌道ではございますけれども、少し遠めでございまして、近いところで365キロ、遠いところでは8万キロという、非常に楕円(だえん)形の軌道に入っているということでございます。
また、打ち上げとかは含まないのではないかと思いますが、予算としていろいろ出てきている数字は80億ということで、非常に低コストで実施できたというのもあると…。

【藤崎主査】そんな安い費用でできるのですか。

【谷室長】実際は、ミッションとしては、例えば地上での管制とか、そういうものも当然、普通はミッションの中には入るものですから、そういうものを含んだ数字ということではないのではないかと推測されます。詳しいところはちょっとわかりませんが、非常に低コストでやったということを売りにしております。
あとは、それぞれ米国あるいは欧州、ロシアが計画をしている火星探査機は今後もあるという資料でございます。

【藤崎主査】内訳費用というのを議論するときには、そのもの自体だけを言うのか、それとも全体のシステム、まさに管制などの全体のことを言っているのか、全く国によって発表のものが違う可能性があるわけですか。

【谷室長】そうだと思います。

【藤崎主査】だから、この費用一覧を出せというのは、何で日本はこんなに高いのかと。こんなに安くできるじゃないかと言われるような、こういうところにこの数字を書くと、ちょっと誤解があるかもしれないね。

【谷室長】わかっているものは、1.の米国のものが、例えば打ち上げ、運用を含めて総額25億ドル、宇宙機、科学機器の開発はそのうち18億ドルというような形で、詳細がわかっているものは、なるべくこういう形で出しているということでございます。若干、インドのものは、そういう詳細なものがありませんので、報道等で出ているものをちょっと紹介させていただいたということでございます。
また、資料には書いていないのですが、若干補足的に申し上げますと、日本としても、火星探査機というのは過去にトライをしたことがございます。平成10年に打ち上げた「のぞみ」という探査機でございますけれども、地球重力圏の離脱時に燃料供給系に不具合、その後も通信系、制御系に不具合ということで、最終的な火星周回軌道への投入というのは失敗をしたわけでありますけれども、かなり精力的・野心的に取り組んだという実績はございます。ただ、うまくいかなかったということがありまして、その後、なかなか立ち上がっていないということで、今、国際的に火星のいろんな探査機が計画されているあるいは飛んでいるという中になかなか食い込めていないというのは、当初のこういう取り組みが若干うまくいかなかったというところもあるということで、付言をさせていただきたいというふうに思います。
説明は以上でございます。

【藤崎主査】冒頭の議論に戻りまして、最初に御説明いただいたこの宇宙政策委員会での検討の進め方及び新宇宙基本計画の策定のタイミングを考えますと、この小委員会でも少し議論をスピードアップして、もしインプットができるならばインプットをすると。それは、もちろん宇宙政策委員会なり宇宙戦略室でそれをどう取り扱うかは別でございますけれども、全くそれと関係なく議論を進めていっても意味がないので、できるだけスピードアップをする。というのは、さっきまさにおっしゃったように、今度の宇宙政策委員会でもISSであるとか有人宇宙探査という、まさに本小委員会で検討することについて検討を行うと言われているわけですから、我々の検討結果はできるだけインプットすると。そのためには、二つの観点がこれまで十分議論されてないので、総理の言われている経済という観点と外交・安全保障という観点を踏まえて、それをどういうふうに加えた上で、この「中間とりまとめ」に、全くこれを別に書き直すわけではなくて、これにつけ加えるあるいは少し手直しをした形で、これを報告書という格好にまとめると。そのタイミングは、相当スピードアップする必要があると。
したがって、大体、もうJAXAからのいろんな技術の御説明は大分前半に伺ったところなので、後半においては、今日外務省から伺ったような形で、ほかのところからいろいろ伺いながら進めていきたいというふうに思うわけでございます。防衛省なり、あるいは経済関係なりから伺いつつ、この今既に出ているものを肉づけするなり手直しをしていくことだろうと思います。ちょっと今、委員の方々から頂いている御日程に加えて、場合によって委員会の会合の設定も必要になってくるかもしれません。それで、JAXAからの御説明につきましては、さっきお願いしたような形で、ISSの延長、月面、それから火星といったものがどういうふうに結びつくかという形での御説明を1回していただくということかなと思います。
今後の進め方等につきまして、出席の委員及び文部科学省から何かございますか。まず、出席の委員の方々、いかがでございますか。

【西島専門委員】産業界としては、ちょっともうタンパクがどうのこうのという話は飛びこして、話が大きいのですが、宇宙関連企業の事業の撤退、人員減少、相次ぐということなんですけれども、そういう宇宙関連企業を取り仕切るような、そういう何か業界なり、経団連もそうかもしれないが、総理大臣から指示を受けたというところの当事者として、「我が企業といいますか、我が業界はこう考える」というのは聞けないのですかね。私はちょっとこの辺のところが、全然業界が違うので、全くわからないのですけれども。全体、業界が厳しいというのはもちろんわかりますし、ロケットが飛んでいなかったら、そうかもしれませんが、こう言われた一言に対してどういうふうにレスポンスするのかということを考えたら…。

【藤崎主査】それも踏まえて、文部科学省から経団連及び経済産業省に適当な説明者を選んでいただいて、お話をするようにいたしましょう。

【米本臨時委員】ただ今の件で、なぜ宇宙産業基盤が弱体化しているかということについて、発言があります。
宇宙開発に協力している会社は、宇宙開発で儲(もう)けようと思っていません。ほとんどの会社は、なぜやっているかというと、一つには、会社のステータスみたいなところがあって、国を支えている会社でありたいということが理由です。宇宙開発をやったことで、大きな利益を得ようという会社は恐らく皆無です。
その状況の中で、なぜ会社はどんどん撤退していくのでしょうか。宇宙開発の一端を任されている時期は、技術者は育って、その関係の技術基盤も高くなります。でも、問題は、それが持続しないことにあります。国からある開発を任されたけれども、次が来ない、あるいは次がいつ来るか分からない状況では、例えば折角(せっかく)育った人材を「ほかの部門に行ってもらえない?」という形で失うことになり、技術者維持のサイクルができなくなることで、次に宇宙開発を引き受けるような決心がなかなかつかなくなります。こうした形で技術者が確保できなくなる、技術基盤が維持できなくなるということが、宇宙開発産業基盤の衰退、脆弱(ぜいじゃく)化の大きな原因だと思います。
したがって、産業界に宇宙開発を一生懸命やってもらいたいと思うのであれば、やはり継続的、計画的に新しい開発を任せていくことです。それができないと、みな撤退してしまいます。宇宙開発は、やはり国主導で、そして大きな山・谷をつくらずに、きちっとしたマイルストーンに乗っかって、会社に開発の機会を与えていくということが大切なことだろうと思います。
また、宇宙開発における「投資の予見可能性」は、何ですかと言ったら、もうけではないです。今言ったとおり、会社の実利の一つとして求めているのは、技術者の育成です。そういう国策がきちっとできますか、持続可能なものとして生かしていけますか。それが、投資の予見可能性だというふうに理解した方がよくて、アウトカムとして儲(もう)けることではないと思います。そのように理解しないとやっていけないのが宇宙開発ではないでしょうか。

【藤崎主査】産業基盤の維持・強化ということと、恐らく経済効率性、厳しい財政制約をふまえということは、別に矛盾はしませんけれども、必ず同じ方向に向いているわけではなくて、その二つの要請を同時に満たさなきゃいけないと。ここでの産業基盤が揺らぎつつあり、その回復・強化が喫緊の課題となっていますと言いつつ、投資の予見可能性を高める。この予見可能性というのは、産業の予見可能性というよりは、民間だけの予見可能性じゃなくて、国の投資の予見可能性もあるということだと思いますので、きっとその二つの要請をどこら辺で満たさなきゃいけないかという問題、米本委員がまさに言われる点は、そのとおりだろうと思いますので、そこら辺のバランスの問題も御説明いただくように、今後出てくる経済関係の方にちょっとお話を伺いたいと思います。
何かこの経済関係から伺う段取りというのは、もう決まっておりますか。これから、今調整中ですか。

【谷室長】経済産業省には既に話をしておりますし、それから、経済界という意味では、中核的な取り組みがされることを期待できる企業にお願いをしようかなということで、今調整をしておるところでございます。

【藤崎主査】次回会合は、今のタイミングでいくと、いつになっていましたっけ。

【谷室長】日程的には、10月22日の10~12時に先生方のお時間を頂いているところでございます。

【藤崎主査】宇宙政策委員会なんかも、大体それぐらいのタイミングで進んでいくのですか。

【谷室長】宇宙科学・探査部会の方は、来週9月30日にこの議論の初回がございます。その後、かなり精力的にやっていかれるということですので、10月22日よりも前に一部は開かれることだろうかと思います。

【藤崎主査】そうですか。だから、場合によってこの会合もその前にでも、もし皆様方の御日程が合うのであれば、ちょっと調整していただいて、今のその経済関係者のお話あるいは防衛省のお話を聞いたりするということは、やる必要があるかもしれませんね。余り一月一月でやっていると、あともう2か月か3か月しかないときに、間に合わなくなる。もちろん、この会合としては、別にそこにインプットすることが要請されているわけじゃないんですけれども、やる以上は、そこにある程度はやらなきゃ、意味がないでしょうから。

【角南臨時委員】先ほど、主査からの話で、JAXAに今度またプレゼンテーションを考えてもらいたいというのがあったと思うのですが、1点、今日用意していただいた中の技術のところで、明確にデュアルユースというコンセプトで選択をした場合、どういう技術が探査に関連するのかというのを入れていただくといいと思います。宇宙産業の話というのは、防衛産業とよく似ていて、防衛装備品の調達の問題とか、先ほど米本委員がおっしゃったような状況は、非常によく似た議論だと思います。

【藤崎主査】ほかに委員の先生方、何かございますか。
文科省の方から何かございますか。

【谷室長】議論を加速という観点から、先生方の日程についてはまた改めてちょっと調整をさせていただいて、22日の前に開けるかどうかについて、また御相談させていただきたいというように思います。

【藤崎主査】繰り返しになりますけれども、「中間とりまとめ」は皆様の御協力を得て、できておりますので、これをベースに、どういうふうにこれを修正、肉づけあるいはプラスアルファをつけていくかと。それをもう1回考えるのは、外交・安全保障という観点と経済という、総理指示のラインを踏まえながら、そして、特にまだ十分議論を尽くしませんでした探査の部分について、さっきのようなロードマップも考えながら、二つの観点を議論していくと、こういうことだろうと思います。ちょっと私も思っていたよりもタイミングが早くなったようでございますので、皆様方の御協力を得ながら進めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
JAXAの方におきましては、今日資料を御用意いただいていたのですけれども、この議論に入ってしまいますと、また詳しく細かい議論に入ってしまいますので、ちょっとその大きい姿を今日は議論したいと思いましたので、今回はちょっと割愛させていただきました。申し訳ございません。
どうもありがとうございました。

(了)

お問合せ先

研究開発局宇宙開発利用課

-- 登録:平成26年12月 --