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宇宙開発利用部会 国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会(第4回) 議事録

1.日時

平成26年6月13日(金曜日)10時~12時

2.場所

文部科学省 3階2特別会議室

3.議題

  1. 我が国のISS計画への今後の参加の在り方について
  2. 我が国の国際宇宙探査への取り組み方について
  3. その他

4.出席者

委員

主査 藤崎 一郎
主査代理 牧島 一夫
臨時委員 古城 佳子
臨時委員 知野 恵子
専門委員 続橋 聡
専門委員 西島 和三
専門委員 向井 千秋
臨時委員 米本 浩一

文部科学省

研究開発局長 田中 敏
大臣官房審議官(研究開発局) 磯谷 桂介
研究開発局開発企画課長	 内丸 幸喜
研究開発局宇宙開発利用課長 柳 孝
研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室長 谷 広太

【説明者】
独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
 理事 山浦 雄一
 理事 長谷川 義幸
 執行役 田中 哲夫

5.議事録

【藤崎主査】それでは、時間になりましたので、第4回会合を開催いたしたいと思います。
 議題ですが、前回会合では宇宙探査の取り組みに関するシナリオについてのJAXAからの説明を今回に回させていただいたのですけれども、まずはISS計画への今後の参加の在り方について、「きぼう」の利用の進め方を説明していただきまして、それから費用対効果、ロシアに対する依存、国際安全保障、外交上の観点から見たISSの意味について議論をしてまいります。その上で宇宙探査シナリオについての話に入りたいと思います。

【谷室長】本日もお忙しい中をお集まりいただきましてありがとうございます。
 事務的な点でございますけれども、定足数につきまして本日は8名の委員に出席を頂いておりますので、委員会として成立していることを御報告申し上げます。
 続きまして、資料の確認をさせていただきます。本日お手元に第4回の議事次第とともにお配りしております。
 それから、時間がありましたら御紹介をさせていただきたいと思いますが、先週、米国科学アカデミーの方から「Pathways to Exploration」という報告書が発表されておりますので、このサマリーをお配りしております。
 資料については以上でございます。過不足ございましたらお申しつけいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【藤崎主査】これにつきましては、最後に今言われました科学アカデミー報告書につきましては大変relevantというか、私も非常に関連性があると思いますので、ちょうど先週出たばかりでございますから、やはりむしろ御説明いただいた方がいいと思いますので、それを御説明いただくように時間を調整いたしましょう。よろしくお願いいたします。
 では、「きぼう」の利用についてお願いします。

(1)我が国のISS計画への今後の参加の在り方について

JAXA(長谷川理事)からこれからの「きぼう」利用の進め方について、資料4-1-1に基づき説明。

【藤崎主査】ありがとうございました。では、まず「きぼう」利用の進め方でございますが、非常にわかりやすい御説明を頂いておりますけれども、先に私から。先ほどの2ページ、あるいは3ページでは、これまでは自由な発想に基づく科学研究ということで、幅広い分野のテーマからJAXAの外部諮問委員会が選定していた。今後はプロセスとして民間主体による研究開発利用、あるいは国の戦略的研究という視点を加えて判断して、そのプロセスを変えていくということでございますが、実際にこれからの選定基準、あるいは選定される対象というものは、今までと相当異なるものになるのでございましょうか。テーマとしては見る限り前と同じものがいろいろ出ているようでございますけれども、どういうふうに変わることを予想されておられますか。

【JAXA(長谷川理事)】科学研究の分野を、これまで行って来ました。国の戦略的研究の方向と合っているものがかなりあります。既にこの方向にシフトしています。この分野の中で重点化するものを国に決めていただくのですが、そんなに差異は出てこないと思います。いろんなものが分野的にあるのだけれども、その分野を戦略的なものに絞るという形で見ていただければいいのではないかなと思います。

【藤崎主査】したがって、これまで単に学術的等の観点からやっていたかもしれない部分が若干なくなるというかあるいは優先度が落ちるかもしれないけれども、基本的には全く違う判断基準が変わっていくということではないということと理解してよろしいですか。

【JAXA(長谷川理事)】各項目、既に選んだものがありますので、そこを整理していきます。戦略的なものを中心に重点を置きやっていきます。優先順位を強めるという意味で理解いただきたいと思います。

【西島専門委員】今、主査がおっしゃったことと関係するのですが、これは2ページのところで自由な発想に基づく科学研究と、それから2番のところと、多分意識していると思うのですが、自由な発想に基づくのを少し小さくして、(イ)とか(ウ)の方に大きくなるように書いてあります。これは、一般受けはするし、今日の技術戦略にはわかりやすいのですが、こういう表記が先行すると緑で書いてある一定規模というのがかなり縮小されていって、今使えるものについてはこっちの出口に一気に行ってしまう傾向があります。そもそもくどいようですけれども、宇宙の中で「きぼう」を使うということをいうのは、これはどちらかというと学・産がすぐにやってみようというのは、こんなことが使えるのという、既に新しい自由な発想の学術研究がかなりの規模でやっておられて、その中の一部がそれをヒントにして産業界が育てるというようなものだったと思います。したがって、今見えているものを伸ばしていくことは、逆に言えば5年後には新鮮な自由発想が枯れてしまうというので、新しい芽となる泉は常に出るような形にしないといけない。
 逆に言うと、「きぼう」の良さ、あるいはアジアの中における我が国の戦略的な科学技術の意義というのは、まさにこういう自由な発想の学術研究等をどのぐらいやっていくかということが大事なのです。仮に、この先の(イ)とか(ウ)というのを伸ばしていくと、やがてコストパフォーマンスが優先されて、隣の大国のような人件費が安いところに追い抜かれることに自ら道を開くことになる。これは一定規模というふうに書いてあるのは、いかにも縮小しますよということを宣言しているので、ちょっとここには違和感を覚えたというのがまず1点です。
 それから、(イ)とか(ウ)の方に民間主体による研究開発利用とありますが、宇宙というのはやはりこれからいいものが出たときに、産業界にとってはやはり敷居が高いので、タンパク質の方はそれなりに結果が出てきたと思うかもしれませんけれども、まだまだ民間主体にというふうに置きかえられない。くどいようですが、学官、官学支援による民間主体の研究開発利用という、産官学の連携が見える道筋も必要だなと思います。
 もう1点は、(エ)から(イ)に自由な発想に基づく学術研究、萌芽(ほうが)研究が一定規模で推進されるとき、その後に、基礎基盤研究、つまり実用化に向けた基礎基盤研究のようなものがもう一つ大きな丸がこの緑の丸を囲むような形で、基礎基盤研究がなきゃいけない。その部分がないとすぐに(イ)とか(ウ)にはなかなか橋渡しができないということは、どこかにやっぱり明記しておくべきじゃないかと思います。

【牧島主査代理】今の西島委員の意見にかなり近いのですが、少し別の角度から申し上げます。戦略的な取り組みというのは、世の中の受けはいいのですが、実は、よりお金がかかることが多くて、自由な研究をボトムアップで行う方が、はるかに安くできるということを認識していただきたい。
 理由は三つあります。まず、自由な発想でボトムアップ的にやる場合には、最終的に採択される前に、学術コミュニティーの中で厳しい淘汰(とうた)が行われるのが普通で、それが済んだものだけが最終選考に出ていきます。戦略的にするとそのプロセスが欠ける可能性があります。
 二番目には、ボトムアップの場合には、宇宙機の発注者、イコール設計者、イコール最終的なデータのユーザーなのです。自分たちがこういう測定をしたい、それにはこういう装置が必要だという計画を立て、メーカーと一緒になって装置を作るところまでやります。私も30年間モノをつくり続けてきました。自分たちが作った装置から出てくるデータを使いますので、実験室での開発を見ながら、現実味のある設計仕様を策定できます。これがトップダウンになると、発注者、設計者、使用者という三者が、場合によってばらばらになるため、仕様そのものを柔軟に見直す自由度がほとんどありません。すると、発注を受けたメーカーとしては、仕様を絶対に満たさねばならないので、そうした装置を開発し確実に実現すべく開発リスクを下げる分だけ、費用は必ず高くなります。
 三番目にアカデミックセクターの場合には、新しい技術開発は日常的に行っていることなので、開発に必要な装置や材料の費用があればそれでいい。ところが戦略的にやる場合には、かなりの部分を企業に開発をお願いすることになります。企業の場合、開発に人を投じることは、本来もっと生産性の高い現場に投じられるはずだった人間を、当面の利益が上がらない作業に投入するので、当然その見返りが開発費として上積みされます。ということでやはりコスト高になるのです。
 この三つの状況がありますので、是非アカデミックセクターの力をもっと使うよう考えていただきたい。今までの「きぼう」では、実はそこを十分に取り込めていなかったと思います。そこをもっと取り込んで、西島委員がおっしゃったように、単にトップダウンで企業に任せる部分だけではなく、その周辺にそれを支えるボトムアップの部分を設けるという仕組みが要るかと思います。

【藤崎主査】ありがとうございます。大変重要な御指摘です。

【知野臨時委員】今のお二人の意見とも共通していると思います。
 一つは質問なのですが、民間主体による研究開発利用というのはどのくらいの規模のものを想定されているのでしょうか。市場規模みたいなものなのですけれども。
 普通に考えますと、やはり企業がそんなに利用するとは思えないのですが。今までの宇宙ステーションの歴史というのがすぐに役立つ成果がほとんど出てこないということを証明してきたのではないかと感じています。やはり今すぐ利用しよう、主体的に利用しようということにはなりにくいのではないかと思うのが一点。
 それから、今いろいろな世界、いろいろな科学技術の分野で、イノベーションを起こそうということがテーマになっています。その際に、今まで日本の企業は全ての研究を自分のところでやって、それを製品化しようということをやり過ぎて、そのためになかなか成果が出にくいのではないかと指摘されています。もしいい成果が出ているものがあるならば、それは大学のものであろうが、ベンチャー企業のものであろうが、そういうものを自分の会社の製品に取り入れて、イノベーションを生み出していくのだと。そういう議論がかなり盛んになされており、そのような方向に少し進んでいくのではないかと感じています。
 そうした中で「きぼう」で企業自身が主体的に実験をやるというのは、一体どのぐらいの規模が期待できるのかと、疑問に感じました。

【田中局長】私から発言をさせていただくのはどうかと思うのですけれども、今まで「きぼう」を何年間も運用してきていて、一つの、我々に対して、JAXAとかは同じ意識を共有しているかどうかよくわかりませんけれども、成果が見えにくい、毎年300~400億という経費をISSに投入しているわけですけれども、一体どういう、効果なり成果なりというものが、我々のところに来ているのかわかりにくいよねと。そういう御指摘はたくさん頂いているわけです。
 それはこれだけの原因によるものではないかもしれませんけれども、従来のやり方というのは提案型であったと。自由な発想に基づく科学研究に基づいて提案してもらって、アカデミーの世界で良いものは採択されてきた。それを決して捨てるわけじゃないし、それが基盤になることは確かなのだけれども、こういうものをやろうという課題設定型のやり方というのでしょうか、それも是非入れたらいいのではないでしょうか。
 割合については様々な考え方があるにしても、まず誰かが発想してもらって、それをやるというものも残しながらも、これをやろうねという課題設定からの発想というのもあっていいのではないのかと思うわけです。それは国であったり民間であったりすることがあるだろうと思いますけれども。
 主体も比較的オープンにすると、そんなことも必要ですし、やはり我々「きぼう」から科学的にすばらしい成果が上がることはもちろんですが、社会とか経済とかそういうところにも、すぐには役に立たないけれども、こういう成果が上がっていますよといえるような、目的からスタートするようなそういう研究のやり方というのもあっていいのではないかと思っています。
 これがJAXAの考え方と同じかどうかというのは少し議論する必要があるかもしれませんけれども、そういう意味で今後の「きぼう」利用のポートフォリオというのをごらんいただければ有り難いと思います。

【米本臨時委員】今の田中局長がお話になったことに関連していますが、アカデミアとしては自由な発想でスタートしたという研究をどんどん取り込んでいただきたいと思うものです。すなわち,アカデミアは「自分」がスタートにあるわけです。その一方で、国としての戦略として何かやるべきことがあるというのも、宇宙開発を進める上では重要な要素です。この2つが,宇宙開発のけん引力になる必要があります。
 そうすると、資料4-1-1の2ページには、「きぼう」の利用の方向性が矢印で書いてありまますが、全てボトムアップから来ているようなイメージになっています。国の戦略的な面から見ると、アカデミアが考える範囲以上に国としてどう宇宙を利用していくかという別の側面があるのです。両方がせめぎ合って今後の「きぼう」の利用を考えているというような絵の方がいいのではないかなという感じがいたしました。

【続橋専門委員】2ページの絵ですが、(ア)の次に(イ)が来て(ウ)で(エ)というのが、別に優先順位だと思わないのですが、ぱっと見ると民間主体というのが今回の目玉かなという感じがしてしまいます。面積を考えると結構なリソースを割り当てるつもりなのかなと思われます。全体を100とすると、例えばこれが50であれが30とかという、そういうイメージがあるのかというのが質問です。
 私は前回も申し上げましたけれども、基礎研究は大事です。だから、ISSでしっかり基礎研究をして、その結果として更にもっと研究したいというのがあればやれば実施すればいいし、あるいは地上からの研究開発も宇宙で実証してもいいと思います。ただ、宇宙で実施したい研究が今後たくさん出てくるかというと私は疑問に思います。
 前回も議論がありましたけれども、民間主体の研究開発利用には有償利用制度があります。どんどん使ってくださいと促進する支援制度が整っていれば使う人がいると思うのですけれども、どの程度の制度になるのでしょうか。
 スパコンを例にとると、基本的には基礎研究で使うけれども、産業利用にも一部開放しています。応募が結構殺到していて、優先順位を付けて利用企業を決めていますが、そのリソースは全体の中でそんな大きくは占めていなかったと思います。
 基礎研究に使っているが、一部実験的に産業利用にも開放してみたら様々な利用者が来て、成果が出るということです。実際に「きぼう」も一部開放してそんな流れになればよいのかなという感じがいたします。

【JAXA(長谷川理事)】御指摘ありがとうございました。民間主体の規模なのですけれども、研究をできるだけ推進していこうということで、トライアルユースというような制度とか、実際にプロモーションしていろんな製薬会社及びいろんな産業界を歩いて、だんだん参加企業が増えています。その規模自体がそんなに大きくはならないだろうと思いますが、一つの例としては免疫関係で、今ヤクルトさんと共同研究をやろうとしており、相当な規模なのですが、似たようなものがだんだん増えてくることを想定しています。
 これは全体としてそんな大きいわけではなくて、半分くらいかなと思います。図を全体として小さくしようと思ったのですが、ちょっと大きくなって申し訳ありません。ここの規模自体は飽くまでイメージとして書かせてもらいました。小さくするようにしたのですが、なかなか字が入り切らなくて、大きくなってしまい申し訳ありません。
 それから、順番は意味があるわけではなくて、飽くまでここからベースとしてやってきたものが発展してきますという意味をとらせていただいて、その中の規模としての技術的なものを獲得しようというのがメインです。そこがまずあった上で、国の戦略的な研究、それから民間主体の利用をできるだけ広げていきます。それに合うようなつもりの絵になっておらず申し訳ありません。
 先ほど幾つか御指摘ありましたアカデミアの分野は、確かに基盤研究というものが要りますので、それをできるだけ重視しながらやろうというのは変わっておりません。一定と書いたのがお気に召さなかったかもしれませんが、ゼロにするわけではなくて、ここから従来非常にいろんな成果がたくさん出てきています。タンパク質だけではなくて、X線天文の世界では年に3回以上、ネイチャーに載るような発見が出ていますので、そういうものは学術的なもの及び産業界につながるものというのをやっていこうという趣旨で書かせていただきました。
 それから、田中局長がおっしゃっていた課題設定型というのは、私たちも同じ方法で積極的に国が進めようとしているものの課題を設定させていただいて、そこに対して重点的に「きぼう」を使っていただこうという趣旨のつもりであります。方向性は認識しております。

【藤崎主査】今、御発言いただいた委員は、みんなISSのこれまでやってきた成果ということを余り否定せずに、またアカデミアという枠組みを十分引き続き入れた上でやるべしという、いわば一種これまでの積み上げるという観点から議論をしていただきました。しかし、先ほど米本さんが言われたように、もう一つの視点というのがさっき田中局長が言われた点でございますけれども、こう言うと身もふたもございませんが、今後予算を一定程度確保していく上で、今のままの延長でやりますということがなかなか難しいときに、新しいこと、変化という言葉の戦略という言葉を使いますと、大体かなり新しい要素がふえてくるということですが、これに本当は実際以上に重点が置かれた形での御説明になっているのではないかなと。本当はそんなにそのこと全てが変わっていくわけではないのにもかかわらず、そういうことではないなという私は印象を受けました。

【JAXA(長谷川理事)】ありがとうございます。課題設定が一緒というのは、うまく書けておらず申し訳ありませんが、変化があっても国の方向性に合わせて、当然そこを最大化させるというつもりで書いたのですが、書き方がうまくなくてそこは補足させてください。

【藤崎主査】2ページは確かに面積の点を含めてミスリードでございますので、この点は、これがこのまま出ますのではなく、もう一回考えていただきたいなと。

【向井専門委員】「きぼう」の成果は、何をもって成果と言うか人によって少し温度差があると思います。400億円の成果は、ノーベル賞級の研究成果で、既に社会に役立っている成果という視点で見られますが、400億の内250億はロケット(HTV)での物資輸送に使ってきています。そういうサステイナブルな基盤技術を開発してきている、軌道上の運用に必要な人材を育成してきている、そういう基盤技術を成果の中に入れていけば、成果が全く出ていないという話にはならないと思います。
 牧島委員や西島委員がおっしゃるように、基礎研究はすごく大事と思うのですが、基礎研究は西島委員のおっしゃるように、民間に渡していくための橋渡し的なものも必要ですが、軌道上だけで基礎研究を実施しても、大きな成果は期待できないと思います。軌道上での実験は、かなり実験状況が制限されるので、地上での実験を繰り返して、そして最終的な検証レベルくらいを軌道上で行わないと、ヒットを打つくらいの、ホームランを打つくらいの成果が出る研究はできないと思います。
 日本は、軌道上での基礎研究を推進するために必要な地上研究を推進できる研究体制になっていないと思います。利用初期は、軌道上で実験をすること自体が珍しかったので、実験を実施すれば論文になることも多かったと思います。しかし、研究が進んできた現在では、軌道上実験をする科学的な意味がより厳しく問われます。また、一例報告では駄目で、統計学的な分析をきちんと行えるだけの数がないと、論文としてアクセプトされなくなってきています。基礎研究を推進する意味では、構造的にもう少し地上研究がきちんとできるような、研究費を含めた研究体制の仕組みをつくらないと、社会が期待する成果を出すのは難しいと思います。
 それと、民間主体の利用計画を推進することも必要と思います。例えばロシアのソユーズ計画では、3席のうちの1席にサラ・ブライトマン(ソプラノ歌手)が50数億円払って搭乗し、宇宙に1週間くらい滞在する予定です。商業利用促進も成果の一つです。利用者が増えれば、国民の宇宙開発への理解も得られ、宇宙機関が更に推進したい計画を推進していくことができます。したがって、お金を払ってくれるユーザーを連れてくるというのも、一つの成果なのだろうと思います。
 このあたり、ロシアは非常に割り切っていて、1席買ってくれるなら民間の人を乗せてお金を稼ぎ、そのお金や国民からの支持をもとに、宇宙機関としてのさらなる宇宙開発を推進しています。これからのシナリオの中に日本も、何かちょっと発想を変えた利用の仕組みを考えてもいい時期なのかなと思います。

【JAXA(山浦理事)】この話題の中で、実態として見かけは変えるけれども、中身は変わらないというような雰囲気で終わらないかというのを私は非常に気にしていまして、やはり我々として今何を考えているかといいますと、世の中においてファンディング制度とか、あるいは重点化施策というものが幾つも既に存在する。これは利用の仕方なり仕組みが我々ISS計画を最初に始めたときには存在していなかった。そういう中でやはりその仕組みに、いわゆる研究者の皆さん、あるいはコミュニティーがしっかりと対応できるような状況が十分あると我々は思っていますので、そういったことをしっかりと使いたいと考えています。
 ですので、いきなり「きぼう」があるから「きぼう」という入り口よりも、やはり地上の様々な科学技術のベースの中で、同じところに入ってきた皆さんが宇宙を一つのツールとして使えるという、そういう認識をもっと広げていただくということだと私は思っておりまして、その一つとしてやはり先ほど例に出ましたヤクルトですとか、今まで自分は宇宙とは関係ないと思っていた方が、宇宙も使えるのではないかという、そういうものが見えてきたところが間違いなくありますので、中身的にも我々は仕組みや、やり方を変えることによって、今まで関係ないと思われていたようないろいろな研究者、ユーザーの方が入っていただけるという変化を求めたいと思っております。その仕組みに対して議論をどのようにしたらいいかということだと考えています。ちょっと一言申し上げました。

【牧島主査代理】先ほど西島委員が大変重要なことを言われたので、もう一遍おさらいしたいです。図は日本の社会の仕組みに似ていて、緑の部分が例えば社会に出る前の学生であるとすると、左(従来)の方では若者が育って、右(今後)の方ではそれぞれの仕事につくことができたと、読みかえられます。このまま行くと5年はもつかもしれないけれども、10年後や15年後には確実に老齢化社会になって、緑の部分も枯渇いたします。長い将来を支えるためには、緑色の部分も常に新しく補っていくという仕組みを残しておかないと、5年はもつけれども10年はもたないということになりますので、よろしくお願いいたします。

【藤崎主査】恐らく今の田中局長の御意見も、牧島委員の御意見も、実は基本的には緑の部分がしっかりあった上で、可能性があれば赤やオレンジなんかの部分をできるだけ広げていくということだろうと思いますし。ただ、それが余りにも全てそちらの方に移行していくのだという印象を与えるような御説明となると、そこはちょっと仮想ではないだろうかということなので、余り基本は違わないのではないかと思いますけれども、議論していきたいと思います。
 それでは、2番目に費用対効果についての議論をよろしくお願いいたします。

事務局(谷室長)からISS計画への参加に関する費用対効果について、資料4-1-2に基づき説明。

【藤崎主査】宇宙技術力というのは、費用との関係では各国、各主体が重なってできる関係ではあるけれども、相互関連性は説明できるのですか。

【谷室長】申し訳ございません。ここは費用についての技術力の比較といったものはございません。他方でやはり2回の資料だったと思いますが、JAXA堀川議長の資料で、これまで米国、あるいは欧州にもそれぞれがこれまでどのくらい経費をかけて、有人・無人の宇宙技術を獲得してきたかということについて御紹介をさせていただく資料があったかと思います。

【藤崎主査】それは記憶しているのですけれども、議論の形として、これが費用対効果で説明すると、日本はこれだけの出費にもかかわらず、これだけの技術力を得ているので、したがって非常にこれは効果的であるというような説明をした方が、今後はいいのではないかと思っています。

【向井専門委員】すみません、言葉の使い方の指摘をさせていただきますが、文科省のこの資料では、「利用」という意味が広い意味の利用と狭い意味の利用とがあって、1ページ目を見ると利用の経費のところ、「きぼう」利用費というところがいわゆる宇宙実験の成果との説明になっています。実験から出た成果のみが、ISSの成果のように読めます。低軌道滞在技術、物資輸送技術、国際プレゼンス、人材育成、青少年育成など、これらは広い意味でのISSからの成果なのですが、このようなまとめ方では、宇宙実験の研究成果のみで、これまで使ってきた毎年400億の妥当性すべてを説明できるか否かの議論にミスリードしてしまうように書かれています。
 宇宙実験からの成果は、「きぼう」利用費の内訳されている部分の成果として議論すればいい話なのだろうと思います。
 例えばこの3ページ目の、“「きぼう」利用制度イメージのこれまでとこれから”という資料では、冒頭部分にある「自由な発想、有人・無人宇宙技術の習得、民間による有償利用、教育など」、全部を含めて利用と言っています。ISS利用の成果、特に費用対効果を論じるときには、科学研究からのみの成果(狭義の成果)なのか、基盤技術や安全保障まで入れた成果(広義の成果)なのかを考慮して議論する必要があると思います。

【谷室長】御説明で漏れがあったかもしれませんけれども、まさに費用対効果の部分で申し上げますと、「きぼう」利用費というような予算の費目のような形で書いてありますので、それをそのまま書かせていただいたのですけれども、ここはまさに「きぼう」での実験をするために必要な装置を開発することが中心になっております。
 したがって、ここから直接的に出てくるものというのは、民間利用、あるいは宇宙実験の成果というところが中心になるということで、色を合わせています。直接的にはここは実際には、例えば今年度で申し上げますと32億ということでございますから、全体の約10%のものでございます。3分の2以上は産業界の、宇宙産業基盤維持のための「こうのとり」製造・打ち上げ費用ですので、直接は産業界の基盤維持、あるいはスピンオフといったところに反映されているのではないかと考えています。
 確かに利用といったときに、「きぼう」をつくることによってその実験をやるという意味で、この場で申し上げる狭い意味での利用と、それから「きぼう」「こうのとり」によってISSに参加して、ISS、環境全体を使っていけるという、例えば有人の技術開発といったようなところについての広い意味での利用ということであって、まさに向井委員の御指摘のようにそこはちょっと混同しているところがあるかと思います。
 ここで申し上げたいのは「きぼう」の利用というのがそういう意味ではちょっと狭いもののお話で書いておりまして、ここから出てくるものは、直接的に出てくるのは宇宙実験成果で民間利用と言ったところです。
 補足的に申し上げますと、一番上にある青少年育成と国際プレゼンスというのは薄い青色で描いてあるのですけれども、これは全体から出てくるものと、個別のどこの費用から出てくるということでなくて、まさにISS、参加全体から得られる効果ということで、色違い、薄い青色という形で整理をさせていただいております。
 御指摘のように、使い方に気をつける必要があるかと思っておりまして、まさにISSの成果が出てくるのではないかと。400億と360億で削減努力をしているというのですが、それに対する効果というのは少しつぶさに見ていただく必要があるかなと思いまして、その一助になればというので作らせていただいた次第でございます。

【米本臨時委員】コメントです。世界の宇宙技術力比較の参考資料についてですが、宇宙技術力についての私のイメージは、宇宙輸送と有人宇宙活動という技術の上に立脚して、その結果どう利用したか、どのような科学的な成果が上がったかという観点になります。その考え方からすると、この満点の与え方が何か違和感があります。すなわち、宇宙利用の成果は当然評価されるものでしょうけれども、配点としては恐らく輸送とか有人活動よりも小さいのではないかなと。
 2013年の比較では、まだ日本が中国よりも技術力が上になっていますが、実際には実感としてはかなりの差をもって中国の方が上なのではないかという気がしています。コメントだけなのですけれども、皆さんどのような印象を持っておられるかというのをお聞きしたいと思います。どうでしょうか。

【藤崎主査】世界の宇宙技術力比較というものはJST以外でこういうことはやっていないのでしょうか。

【JAXA(山浦理事)】私の知る範囲ですが、トータルでどれぐらいの順位になるかというのは、米国のフュートロン社がやっておりまして、毎年出しております。その中では中国が4番目、日本は5番目でございます。
 個々の項目ごとにどうだとかというのは、ちょっと私は覚えておりませんけれども、トータルとしては、さっき米本さんがおっしゃったような結果でございます。

【牧島主査代理】JAXAさんに簡単な質問があります。民間の需要を拡大するというのは大切なことだと思いますが、民間からするといろいろバリアがあると思います。まず宇宙に行くことについて、そんなことができるのかという心理的なバリアがある。二番目にはたくさんの文章や安全基準などの手続のバリアがある。三番目にはお金がかかるであろうという費用のバリアがあります。こうした敷居を下げる必要があるのですが、現在そのためどういう取り組みをされているのでしょうか。例えば「きぼう」の模擬品をつくって、宇宙に行く前に装置をそこで一定期間置いて、宇宙で耐えられるか安価に試験できるというような、新しい仕組みがないと、絵に描いた餅に終わってしまう気がしますが、いかがでしょうか。

【知野臨時委員】2点あります。先ほどの米本委員が質問を投げかけられたことにも関係しているのですが、技術力についてどのように比較をしているのかよくわからないのが、例えば有人宇宙活動を見ますと、11年が米国20、ロシア17、それから13年になると米国20、ロシア15となっています。違和感があるのは、有人活動の基盤である人を運ぶ手段が、今、米国にはないにもかかわらず、米国は満点がついていて、ロシアはそうなっていないからです。宇宙輸送分野ということでカウントしているのか、この辺が非常にあやふやで、これをとって評価とするのは難しいという気がします。
 それから、これは私が勘違いしていたら申し訳ないのですが、先ほどの費用対効果の議論で、つぶさに見ていくことは確かに重要なことであると思いますが、年間360億の内訳などに余りこだわっていくと、やはり一般の我々からしますと全体像がつかめなくなっていくと思います。というのは、360億のうち幾らがH-ⅡBロケットで幾らがHTV等どんどん細かくしていくと、じゃそれは高いのか安いのかと、だんだん専門家にしか口が挟めないような議論に終始していくと思います。非常に閉ざされた議論になることを懸念しますので、やっぱり大筋を見失わないように、全体的にこのプロジェクトに幾らかけていて、ではこれを今どう考えるのかという、その視点を外すことがあってはならないと思います。

【JAXA(長谷川理事)】やり方をこの1年ぐらい前から変えてきました。直接製薬会社から技術者や科学者に来ていただき仕事を一緒にしています。そうすることによって、今まではISSだと安全の基準だとかハードルがたくさんあって、上がるまでに5年かかっていました。それをISSでの経験を通して5年、6年間やらせていただいて、どこまでやったら安全で、かつ安全審査が通るのかということがわかってきました。さらに、実験に関する安全の認証権限についてNASAから移譲されましたので、どこがターゲットかわかりました。そのために短期間でできる方法がわかってきたので、その内容を御説明して、その方法にしていただこうということで今歩んでいます。
 例えば、キューブサットと呼ばれる小さな10センチ角の衛星を、今さんざん日本の民間も米国もヨーロッパも打ち上げています。きぼうで準備作業が始まってから、1年から1年半で衛星を打ち上げています。部品から材料の組成にかかわるまで、信頼性を要求し、かつ燃えてはいけない材料があると打ち上げられなくなります。そういうものの信頼性の積み上げ方を変更して、ボード、あるいはコンポーネント単位で試験をすることによって安全認証をとろうかということで、安信部の基準の中にも入れてもらいました。民生品及び自動車部品、自動車コンポーネントをうまく利用する形です。宇宙以外の方々が、たくさんお客様になりそうなので、そこにお話をさせてもらっています。そうすると意外とトライアルしていくとやれるじゃないかという方向になってきました。宇宙研及び理研さんとか、我々と一緒にやってくださった方々に、以前とは違うふうになってきたということを理解していただかないといけないので、その歩みはさせていただいております。それにより民間利用が促進できる方向に今なっていると思います。

【谷室長】今、世界の宇宙技術力評価について御指摘がありました。これは中身が細かく点数分けされておりまして、例えば有人宇宙船の飛行回数を、50回以上5点とか、10回以上4点とか、いろいろ配点の基準があって、実際報告書に細かく書かれておりますけれども、スペースの都合で省略させていただきましたが、細かい配点の内訳がございまして、それに基づいた項目であります。
 米本委員からも御指摘があったように、こういったランキングがどうしても価値判断みたいなのがどうしても入ってしまうものですから、一つの指標として、参考として見ていただければということでお願いしたいと思います。もし報告書の必要な方がいらっしゃいましたらお送りしたいと思いますので、御連絡いただければと思います。

【藤崎主査】ありがとうございました。それでは、ロシア依存と安保・外交上という、この2つ合わせて説明お願いします。

事務局(谷室長)より、ISSにおけるロシアに依存する機能についてについて資料4-1-3に基づき、続けて国際協力・安全保障・外交上の観点から見たISSの意味について資料4-1-4に基づき説明。

【藤崎主査】ありがとうございました。この後、国際宇宙探査シナリオについて、今回議論しなければいけません。余り議論の時間がございませんけれども、実は国際安全保障・外交上の観点から見たISSの意味という点を別途作ることによって出てきてしまう、それ自体問題点なのでございますけれども、この一番のポイントは、我々は400億という予算によって他の国、全体でいえば兆の単位になることから出てくる効果を得られています。ISSというものは全体でやっていることによって、1国で400億使っては絶対できない効果を得ているところが一番大きなものであって、実は外交上の意味というのは付随的なものでございますけれども、にもかかわらず実はここに書いてある四つというのはいろいろ書いてございますけれども、一言で言える話で、今、中国等も台頭している中で、日本はこれまで宇宙先進国としてやってきたけれども、コミュニティーから外れていって地位が低下していくと、こういうことに尽きる問題だろうと思います。
 ただ、これはこちらからも御要請した紙なので、そういう問題点はこういうふうに切り離してしまいますと、何だこれだけだと見えてしまう要素があるので、そのところは注意しながら対応していかなければいけないと思います。 
 今御説明いただきましたロシアの点と、安全保障・外交上の観点から見たISSの意義というのについて、御議論があればお願いします。

【古城臨時委員】このペーパー自体、全然異議がないのですけれども、今までと同じような感じがするということで、繰り返しているのかなという、そういう印象を受けると思います。この前のペーパーが、これまでとこれ以降と一応分けているわけなので、宇宙空間の外交上の重要性というのはこれから非常に高まっていくと考えていますので、その点を強調した方がよいのではないかと思います。
 国際協力はもちろんそうですけれども、既に始まっている宇宙の平和利用とか、そういうことについてルールづくりというのはある程度していかなくてはいけないような状況が出てきています。これまでは米露が非常に強くて、宇宙空間に参入できる国というのは非常に限られていたわけですけれども、これまでは参入できなかった国が参入して、中国も参入していますけど、インドとかそういうのも考えられる。そうするとやっぱりルールづくりとかガバナンスという問題が出てくると思うのですね。
 そのときに日本がそこにどのぐらいプレゼンスを持っていけるかというのが重要で、それをやるにはそれまでに宇宙で何をしてきたかということが重要で、あるいは継続的に何をやっているか。そういう点で重要になってくるということがあると思います。
 それからもう一つ、多国間でやっているということが非常に重要で、一つは藤崎主査がおっしゃったように、「てこの原理」で、限られた予算を使っているのだけれども、出てくる効果というの、全体としての効果を享受というところだと思うのですね。だから1国でやったらとても日本では得られないようなことができているということは重要だと思います。
 それからもう一つは、協調ということからいうと、ウクライナの問題、ロシアの離脱ということが問題になり、それをカードに使われるのではないかと負の側面がすごく言われるわけですが、逆に言うと、これをやっているからここは余りいじれないと。だからある意味協力の一つの場になっているというふうに捉えることができると思います。
 だから、むしろ対立が起こるときに協力の場というのを幾つか持っておく必要があると思いますので、こういうような密接になかなか協力関係を切れないようなところで協力しておくというのは、国際関係上見ると非常に有意義なところではないかと思っています。

【知野臨時委員】ロシアに依存する機能(姿勢制御・軌道制御)のことなのですが、ロシアが離脱するというのは相当の事態なのですが、それを無視してロシアへの商業的委託というのは事実上難しいのではないでしょうか。仮にできたとしても、かなり高額なお金がかかる。そのどちらかだと思いますが、その辺いかがでしょうか。
 もう一つ、下の方に改造とか代替策の検討が必要とありますけれども、代わりにどこかが開発する見込みというのはいかがでしょうか。

【谷室長】すみません、ロシアの関係でございますが、御指摘のとおり、もしロシアが離脱すれば商業ベースで委託するというのも難しいのではないか、この御指摘はごもっともであくまでも選択肢の一つとして挙げているだけでございます。
 米側の、例えば物資補給機等で改造とか開発をするということでありますけれども、技術的に難しいというものではないと考えております。ですから、しかるべき期間とそれなりの予算を確保できれば難しくないのではないかなと思っております。ただ、若干精査が必要でありまして、どういうモジュール構成になるのかとか、複雑な検討の要素がございますので、どのくらいのものが必要か、そこまでは技術的にはまだ検討していないという状況でございます。

【JAXA(長谷川理事)】すみません、技術的にちょっとだけ補足しますと、約400トンのISSを軌道・姿勢制御するというのはものすごい推進系が必要で、それができる技術を米国は持っています。そこを今度ISSを代替とするところにどういうふうに設計し、はめ込んでいくのかは、ある程度の期間が要るので、すぐにやってできるというものでもありません。数年の単位で頑張って、それが実証できてという形になります。
 もともとこれ、ロシアが入る前は米国がやろうとしていた部分で、ロシアが入ったために米国はこの開発をやめてロシアに依存したという背景があります。ですが、技術的には何ら問題がないので、あとは時間の短縮の問題があるかと思います。

(2)我が国の国際宇宙探査への取り組み方について

JAXA(田中執行役)から我が国の国際宇宙探査への参加シナリオ(案)について、資料4-2に基づき説明。

【藤崎主査】文科省の参加の方針、今回の参加シナリオについて御質問あるいは御意見のある方お願いします。

【牧島主査代理】こういうシナリオを遂行していく場合、技術開発がいろいろあるでしょうが、その技術開発の主体は誰で、誰が開発するのでしょうか。その辺に対してはどのようなプランをお持ちでしょうか。

【JAXA(田中執行役)】ここで示していますのは、日本として獲得すべき技術というふうに考えておりまして、この宇宙技術のところはJAXAが主体となって開発していくものと考えております。

【牧島主査代理】JAXA主体であってもやはり人的資源は限られていますので、是非そこでJAXAと、企業と、アカデミアと、3者が力を合わせられるよう考えていただき、アカデミアと企業を巻き込むような形で進めていただければと思います。

【JAXA(田中執行役)】そのように考えております。

【藤崎主査】これまさに今、牧島委員が言われたとおり、本件シナリオというのは予算を伴う話でございまして、恐らくその予算というのは今ここで議論してもなかなか難しいでございますが、相当民間も巻き込みながらやっていかないと、これはなかなか難しいとおっしゃる御指摘のとおりだと思います。

【知野臨時委員】質問を1つ。日本主導の無人月面探査、国際協調、国際協働ですね。ロシアや中国が有人月面探査を目標としている。そうしますと、ロシアや中国も含めて、日本がいろいろな国々に呼びかけるということを考えてらっしゃるのでしょうか。

【JAXA(田中執行役)】今おっしゃったのは、国際協働の有人宇宙探査の時代において、日本がどういう形で行うかということですか。

【知野臨時委員】有人ではなくて、そこに無人月面探査日本主導というふうに書かれていますので、無人であっても同じように月を目指してやろうとしているロシア、中国に対してはどのように考えてらっしゃるのか。声をかけるのか。そしてほかの国々とは具体的にどういう国々を考えてらっしゃるのでしょうか。

【JAXA(田中執行役)】先ほど御説明したように、我々として今後の将来の国際的な有人探査の中で不可欠な主要技術を日本としてまず獲得することにより、今後の主導権を確保していくべきであろうということで、ここで示しております主要技術に関して我が国が獲得するというのをまずは第一にしたいと思っております。ただ、そのミッションを構築する上での様々な利用も含めた国際協働、協力はあるというふうに考えておりまして、そのような国際協力と並行して進めていくというのが考え方でございます。

【藤崎主査】今の知野委員の御質問は、ロシアや中国や何かも想定されているのかということなのですけれども、今のところではまだ具体的にそこまでの、どこの国ということのアイデアは出ていないということでしょうか。

【JAXA(田中執行役)】今、特にロシア、中国と具体的な協力の話はまだ出ておりません。なお、月面探査の無人探査につきましては、我々の着陸技術を実証するという構想の中で、米国との協力については議論しております。

【知野臨時委員】今の御説明を伺うと、とにかく国際協力を呼びかけるとか、どこの国に積極的に働きかけるとか、そういうことなしに、まず主要技術をやるということになりますと、何か技術開発だけが進んで、一番肝腎な国際協力の役割分担ですとか枠組みとか、そういう話合いは後回しという印象を受けるのですが、それでは計画の実現は難しいのではないですか。

【JAXA(田中執行役)】少し説明が誤解を与えたかもしれませんが、当然国際有人宇宙探査、2020年代の国際協力のシナリオ、枠組みについては並行して議論していくわけでございます。その中で日本としてまず準備しておくべき技術について並行して開発を進めておくことも必要だろうということで、御提案をさせていただいております。

【西島専門委員】全く私も同じような質問です。月面探査でいうと日本は人を送るってなかなか難しいので、無人でやって、他の国は例えば中国だと有人でやっていると。これも日本が本当は有人をやりたいのだけれども、なかなかできないから無人でやるというか、そういうことではなくて、「実は有人ではできない、無人だからやれるような高度な技術が波及効果をもたらすのです」というような、そういった意味での、だから無人月面といったら実は有人よりある面難しくて、それをやることが将来の遠方に行くときの有人に役立つというような、そういうような部分を少しピックアップして説明すべきでしょう。
 例えば車の運転ですと、地上ですとドライバーが手動でやるのは当たり前ですけれども、今世の中としては自動走行なんかが注目されている。ドライバーが車と車が接近してやるのは非常に危険だけれども、無人を意識した自動走行でやれば車を何台か並べて、非常に至近距離で走行することができる。それが結局、後ろの方が風圧の影響で非常にエネルギーを削減できるような、そういうポジティブな面がある。
 だから無人月面、中国は有人だけれども、日本では人を送ることが難しいから無人でやっているという、そういう何か一言で終わってしまうのではなくて、無人月面をやることの意義とか、その波及効果とか、もう少しピックアップするような最適解みたいなのを出すといいかなと思います。

【古城臨時委員】私も伺っていて同じような感想を持ったのですけれども、シナリオを伺って、ISSは利用しつつ国際協力により無人月面ミッションだと書いてあるのですけれども、これ自体は非常にわかりにくくて、ISSは利用しつつといっても、どういうふうに無人のミッションと関係しているのかというのは、これだけでは非常にわかりづらくて、何か有機的に結びついているように見えないので、もう少しそこのところわかりやすく説明していただきたいと思います。

【藤崎主査】ほかに御意見ございますか。これは、探査の話、JAXAのシナリオは大変大きな話でございまして、今回あと5分で終わらせることは難しいと思いますので、今、御提起いただいた点については田中執行役よりお答えいただきまして、次回引き続きもう少しこの資料を踏まえた上で議論をさせていただきます。

【JAXA(田中執行役)】最初に、月の国際協働の有人探査、いわゆる国際宇宙探査計画の中で、日本は無人着陸で参加するのかという御質問だったのですが、まず、そこは説明が不足していたと思いますが、この有人宇宙探査のときに、我々としては信頼性ある着陸技術をまず獲得して、それで月に着陸できる技術を活用して参加していこうと。その中で当然無人で降りるのかということもございますし、将来のその一つのターゲットとしては有人の着陸船ということのスコープに入れて検討したいと考えています。
 それから、無人技術で降りていくということは、いわゆるピンポイントで着陸しようと思いますと、荒れた地域、表面がわからない地域に、そこの確認をしながら近づいていって、コントロールしておりていくというような、まさに障害物をよけるというような自動技術が非常に重要になってございます。そういう技術をピンポイントの無人着陸技術で獲得して、それを将来の有人着陸につなげたいということで計画しております。
 それからもう一つ、この計画はISSでの利用と並行して無人月面探査というふうに書かれておりますが、7ページ目において我々の今のターゲットは、国際的な有人宇宙探査活動においてどういう分野で参加するか。我々としてはここのところの、例えば月への着陸船、それからEML2とかの有人拠点で参加できないかということです。それらに必要となる技術を今の段階から獲得、実証していくため、無人での月探査を早期に国際協力も含めて実施していきたい。
 ISSを使った探査技術の獲得といいますのは、現在2020年まで、今後の運用延長も含めてISSを使った長期の滞在、例えばECLSSの実証とか、それから宇宙医学の実証、それから並行してISSを利用した探査技術の実証の場として活用していく。この統合した結果として、20年後半の国際的な有人宇宙探査活動の中でしっかりとした役割を果たしていきたい。そういうようなシナリオでございます。
 少し説明が不十分だったと思いますので、わかりやすく次回また御説明させていただければと思います。

【藤崎主査】ありがとうございました。先ほど谷室長からお話のありました科学アカデミーの報告書につきましても、次回に少しポイントをお話しさせていただきたいと思います。特にアカデミー報告書では米国は有人宇宙飛行にポイントを置きつつあるので、先ほどおっしゃった無人月面探査と国際協力等について、どこまで外国との関係の協働ができるかというようなところ、役割分担について、今はどんな話合いが行われているか等につきましても、少し御説明いただければ理解がしやすくなると思います。その辺りも含めましてよろしくお願い申し上げます。
 次回でございますが、今の宇宙探査の話をしました上で、私、これまでいろいろ議論をしてまいりましたが、一つ一つのポイントについて議論をしてまいりましたペーパーについての質問、あるいは意見交換ということで、全般的な意見交換を少しさせていただいて、自由に皆様方に議論を頂きたい。そしてその上で私なりに、例えばどんな方法でこの委員会の議論が収れんしつつあるのかを皆様方と御相談したい。そういうことを次回会合で行い、皆様方と議論を進めたいと考えています。
 それから第二点は、これは今せっかくの機会でございますので、JAXA筑波宇宙センターに伺って、理事長のお話も伺うということで、これを7月2日に予定させていただいています。お参加可能な方、もう既にしょっちゅう行っている方もいらっしゃると思いますが、これはそういうことでJAXAの方で御用意いただくということでよろしいですね。
 それで、その上で少しいろいろな議論を重ねまして、7月15日に六回目の会合をいたしまして、そこでできるだけ議論を整理し中間的にまとめたい、こういう段取りで考えております。もしよろしければ、こういうことで進めさせていただきたいと思います。何か事務局の方から御報告はございますか。

【谷室長】次回の会議でございますが、7月1日火曜日の10時から予定をしておりますので、予定をお願いいたします。以上でございます。

【藤崎主査】どうもありがとうございました。

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研究開発局宇宙開発利用課

-- 登録:平成26年07月 --