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宇宙開発利用部会 調査・安全小委員会(第24回) 議事録

1.日時

平成29年2月13日(月曜日)17時00分~18時15分

2.場所

文部科学省 3階2特別会議室

3.議題

  1. SS-520 4号機 実験失敗の原因究明結果及び対策について
  2. その他

4.出席者

委員

主査  中島 俊
専門委員  折井 武
専門委員  門脇 直人
専門委員  野口 和彦
専門委員  馬嶋 秀行
専門委員  渡邉 篤太郎

文部科学省

研究開発局長  田中 正朗
研究開発局宇宙開発利用課長  堀内 義規
研究開発局宇宙開発利用課企画官  山之内 裕哉
研究開発局宇宙開発利用課長補佐  小林 明希子

(説明者)
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
 宇宙科学研究所
  副所長  稲谷 芳文
  宇宙飛翔工学研究系准教授  羽生 宏人
  安全・信頼性推進部参与  宇治野 功

5.議事録

【中島主査】 それでは定刻になりましたので,ただいまから調査・安全小委員会の第24回会合を開催いたしたいと思います。
まずは事務局から,本日の会議に関する事務的な確認をお願いいたします。

 

【事務局(山之内企画官)】 本日は10名の委員のうち,6名の先生方に御出席いただける予定となっております。運営規則に定める定足数の要件を満足する予定でございます。
 次に,本日の資料についてでございますが,お手元の議事次第の4.のとおりでございます。資料の過不足がございましたら,適宜事務局までお申し付けいただければと思います。
 以上でございます。

 

【中島主査】 ありがとうございます。

 

(1)SS-520 4号機 実験失敗の原因究明結果及び対策について


【中島主査】      それでは,早速,1番目の議題に入りたいと思います。
 議題は「SS-520 4号機実験失敗の原因究明結果及び対策について」です。
 SS-520 4号機につきましては,本小委員会にて昨年10月13日に打ち上げ安全に関する調査検討を行ったものです。
 JAXAは,1月15日に打ち上げを行ったSS-520 4号機の実験結果に対し,対策チームを組織し,原因究明作業と対策について検討をおこなってきました。その結果を御報告いただきまして,委員の皆様から御意見を頂きたいと思います。
 それでは,JAXAさんから御説明をお願いいたします。

 

【JAXA(羽生)】 より資料24-1に基づき説明を行った。

 

【中島主査】 はい,ありがとうございます。
          ただいまの御説明に関しまして,御意見,御質問があればお願いいたします。

 

【折井専門委員】 御報告をありがとうございます。
           この報告に対して,ちょっと理解を深めたいため,私が少し知らないところがありますので,御教授をお願いしたいと思います。9ページ目のところについてXプラス20.446でテレメータ送信機の信号が途絶えたということと,Xプラス20.831でコマンド復調装置アンサーバックエラー100%というこの意味は,コマンドを送ったときにちゃんと受け取ったという信号が返ってこないということですね。そうすると,それはテレメータ送信機を介して返ってくるのでしょうかそのところがよくわかりませんでした。

 

【JAXA(羽生)】 まずそこを御説明いたします。
           まずテレメータ送信機のデータは,搭載装置のデータとして収録しているものを送ってくるということになりまして,このコマンド復調装置からの信号というのは,ミニチュアレーダトランスポンダを介して地上に戻ってきます。別々の装置で行われているということです。

 

【折井専門委員】 はい,わかりました。

 

【中島主査】 ほかにございますか。

 

【野口専門委員】 どうも説明ありがとうございました。
           まず1つ質問ですが,28,29のページで行われた試験というのは,これは再現試験だと思ってよいですか。

 

【JAXA(羽生)】 はい,そのとおりです。

 

【野口専門委員】 よろしいわけですね。ありがとうございました。
           まず,全体に対する意見となります。今回,事故が起きたということに関して,かなり綿密に調査をやっていただいていますが,我々小委員会が行っているトラブル時の安全確保の判断というのは,うまくいったということに関しては,まずきちんと総括しておくべきだと思います。短い時間で的確な判断が必要な状況で,確実に安全が確保されたということに関しては,事実としてきちんと確認しておきたいと思います。
 2番目に,以上の御説明によりまして,発生した可能性の大きな原因事象に関しても,可能性が高いものはあぶり出されたというふうに認識しております。
 3番目に,細かい議論に入る前に,最後の方に書かれていました,超小型衛星システムの成立性に配慮して対策を講じるというJAXAの方針に関しては,是非そのようにやっていただきたいと思っております。こういう事故が起こると,二重三重に安全性策を重ねていくということになりがちですけれども,そうすると,せっかくの超小型衛星の打上げロケットという特徴がなくなります。そこに関しては,やはりこういう方針でやっていただきたいと思っておりますということが,三つの大きな意見となります。
 次に,事故報告とか対策に対する次の個別の意見を申し上げると,どういう現象が起きたかということに関する詰めは,FTA,若しくは各実験,検証においてかなり明確にされていると思いますが,なぜその現象が起きたかということに関しては,FTAに関しても,事象までにとどまっているので,例えば設計の問題なのか,施工の問題なのか,更に深掘りすると,何らかの意図的な処置によって引き起こされたものかというところが実はわからないのです。普通に作っていてもこのようになったのか,設計の問題として捉えられた発言のように見えますが,もしかすると,施工というところに問題はなかったのでしょうか。設計,施工でも,あえてそういう状況にされたという可能性はないかということは,それは可能性の一つとしては見ておくべきことではないかと考えます。本来のFTAの論理的解析というのは,そこまでさかのぼって,直接の原因だけではなくて,それを引き起こした要因まで少し見ていただきたいというふうに思っています。
 それから次に,先ほどの試験のところで質問をしたのは,やはりこういう電源系とか通信系というものが切れると,基本的にミッションは成功しないわけであります。こういうクリティカルなものに関して,本来事前にきちんと試験で検証をしておくべき事象に対する見落としがあったのではないか。若しくは今回のような事象に関して,事前に行っているFMEA等で既にこういう可能性は列挙されていたのかということを考えると,やはり今後,こういう先端科学技術のミッションに関して,起きたことの原因を追及して一個一個クリアしていくというやり方だと,やはりなかなか次のステップへ行くのに時間がかかりますので,事前に,特に施工にお金をかけられないという非常に高い技術を要するものであればあるほど,事前にどういうシミュレーション,どういう検証をやって,何を確認していくかという,ここのところの見直しをやっていただきたいと思います。
 それから,こういう先端技術の場合は,どうしてもエンジン系とか制御系とか,ミッションの成功に直接関与する事項に関しては事前の研究を深く行いますが,このように配線を引き回すとか,ややもすると附属部品に関しては,主要ミッションに比べると検証が薄くなる可能性があります。
 ただ,今回の実験でわかったように,どういうところが駄目になっても,やはりシステムとしてはうまくいかないので,そういう意味では設計のメーン機構だけではなくて,ミッション成功のための必要な視点ということでの検証体制をどうするかというようなことも踏まえて,今回の実験は単に今度起きた具体的なところを変えるというだけでは駄目で,変更管理の在り方も含めて,本来事前にやっておくチェック,検査,シミュレーションというものが,今回何が足りなかったか,次回はどうしていくのかというところまで含めて,これもこういう先端技術,特に超小型のもので民生品を使うという非常に高い技術ミッションのものに挑戦していただいているわけなので,是非そこのところの事前体制も含めて,大きな研究成果としてまとめ上げていただきたいというのが要望です。
 以上です。

 

【中島主査】 今の御質問の中で,設計に問題があったのか,あるいは施工に問題があったのか,あるいは事前の試験に問題があったのか。三つの大きな指摘があったと思うのですが,それは識別できていますか。

 

【JAXA(羽生)】 こちらについては,設計は基本的にこれまでの実績を踏まえた解析手法等を使って,妥当な設計を行ったというふうに考えております。また,部品選定につきましても,今回民生部品を使うことも含めてですが,これまでの評価基準,あるいは搭載に向けての試験手法,こちらを踏襲しておこなってきました。
 一方で,今の御指摘の中で重要だと認識した点について申し上げますと,まず私たちの今の仕事というのは,基本的にうまくいったことは実績として捉えて,そこを上手に使っていくということだと思います。それが今回,短期間で,この観測ロケットをベースとしたロケットを使っているという点に立って,これは短期間でよい成果を上げたいという目的もあって,こういった選定をしているのですけれども,逆によかった点ということに対して十分検証を今後もやって,なぜうまくいったかも含めて理解をした上で,新たな設計に臨むという姿勢が今後は必要になってくるのだろうというふうに考えます。

 

【中島主査】 今,可能性がかなり高い原因というのが提示されたわけですけれども,どうしてあそこでショートしてしまったのか。これは実際には3機目ですから,今までの2機で起きていないわけですよね。何かを変えたわけですか。

 

【JAXA(羽生)】 今回は,電線の引込み孔の位置の変更ですとか,あるいは引込み位置の材質が変更された,あるいは電線そのものの太さを変更しているということがありました。
 ですが,これらを選定するに当たっては,その設計について綿密に検討した結果を踏まえて,その搭載,採用を実施したのですけれども,今回例えば考え得るところとしては,ケーブルの被覆をしっかりしているにもかかわらず,ガラステープには多少なりとも損傷が起きているということを鑑みますと,電線の本数に対して,あるいはその穴の大きさ,位置に関して,あるいはその地金部分,アルミ材というものを選定したことに対して,複合的に想定以上のことが起きた可能性があるというふうには思います。
 今後は,こういった点について新しいものを取り込んでいくということと,これまでうまくいっていた実績との差分についてもう少ししっかり考えた上で,新しい設計を行っていくということが,次への開発につながるものであるというふうに考えます。

 

【中島主査】 ちょっと私の意見となりますが,要は電線の引込み孔付近のケーブルの捕縛が,余裕をもってやられていれば,あのエッジに引っかからなかったと思うのです。その辺の捕縛の仕方が,今までのやり方と何か変わっていたのではないですか。

 

【JAXA(羽生)】 そちらについては,従来基準にのっとってやっていますので,特段,今回の設計に対して特別な捕縛の仕方をしたというわけではございません。

 

【野口専門委員】 先ほど事前の検証で,例えばわかりやすく言うと,FMEA等で今回の故障発生部位が事前に予測されていたのか,予測されていて,なおかつ諸般の条件から,こういうリスクは保有しているということであれば,1つの次のステップへ行けるのですけれども,もし事前に見ていなかったとすると,なぜそれが検証の対象になっていなかったかということが大きいわけですよね。
 今回,例えば,今,主査がおっしゃったように電線の引込み孔等を見ていると,こういうところが実は重大な因子が起こる可能性があるというふうに認識して,設計,施工,検討まで十分にやったのか。ここは,実は今までうまくいっていたので,軽量化のために材料を変えるという,そちら側の工夫の中で,うまく検証に入っていなかったかというところが大きくないでしょうか。要は事実として,ある面での対応や変更が複合したときに,それが別の面でのリスクを引き起こすというのは,もうプロだから御存じだと思いますけれども,そういうところがややもして検証が不足してしまう。メーンのところに関しては多様な視点から行うのだけれども,こういうところに関しては見落としがちなのではないかというのが,私の意見です。そうすると,そういうところを事前に,いかに危ないところがあるかということを事前にチェックするのも,FTAを含めて理論的にかなり技術を上げないといけないのです。そういうことも踏まえて検証をお願いしたい,そういうことです。

 

【中島主査】 では,折井委員。

 

【折井専門委員】 これは後ほど発言しようかと思ったのですけれども,野口先生の方が包括的に指摘されましたので,少しちょっと補足させていただきます。
 私も若いころ,こういったものの現場に携わった人間の経験としまして,実はケーブルの取扱いというのは,設計では考慮をするのだけれども,多分にそれを扱う人間のところに見落としがあると思います。作業者の人間性が絡んでくる。そういう意味では,取扱いをどういうふうにするかというのは,非常に重要だと思います。
 ですが,これは,この穴の中にケーブルを入れるということは実は1回ではなくて,この物を組みつけていく,また試験をする,そういったことで何回も,回数はわかりませんけれども,私は把握していませんけれども,何回かこの穴にケーブルを通していっていたはずです。そういったことで,野口先生もおっしゃったのですけれども,そこを通すときケーブルに何か傷をつけて被覆がはがれる,傷つくという認識があれば,それはそこを注意して,きちんとチェックして,最終的に引き込むときもそこはきれいになっていますよねというチェックはするはずです。過去に実はそういう事例でトラブルを起こしたことも,私の経験であります。是非今後とも,これは貴重な経験をされたわけなので,これは単なる今の28ボルト系の線材だけではなくて,いろいろなところのダクトというか穴をケーブルが通っているはずです。取り扱うのはやはり人間なので,設計はきちんとしていても,人が扱う危ないところはきちんとチェックするということをやっていけば,今,野口先生の言ったことが反映できるのではないか,そこが私のコメントです。
 後でまた質問させていただきたいことがありますので,それはまた後ほど。

 

【中島主査】 どうぞ,お願いします。

 

【折井専門委員】 よろしいですか。ちょっと細かいことになりますけれども。
 実は26ページになるのですが,1-丸1,電線の引込み孔付近における被覆損傷のところですけれども,まず温度が上昇したということが書いてあるのですが,ではどれぐらい温度上昇したと予想されるのか。それについて,線とかガラステープ,それがどれぐらいの耐熱性があって,設計上そこはきちんと折り合いがついていたかどうか。そこら辺を,記述がなかったか,私が聞き逃したのかもしれないので,改めて補足していただければと思います。

 

【JAXA(羽生)】 まずこの部位は,おおよそ130度ぐらいまで温度が上がるという予測と,実際に飛行結果の解析に基づいて,この部位直接ではありませんが,その周辺の温度計測の結果を踏まえますと,その予測とおおむね合っているということで,130度ぐらいだったと推定されます。それに対して,電線の被覆については,耐熱性は200度以上あるというものを選定しておりますので,十分そこは耐熱性担保できていると理解します。
 ただし,ガラス転移点という,材質が若干変化をする温度が90度ぐらいになっているので,これは被覆が破けるほどではありませんけれども,そういった材質の特性も含めて理解して使用しております。

 

【中島主査】 よろしいですか。

 

【折井専門委員】 わかりました。

 

【中島主査】 ほかにございませんか。

 

【門脇専門委員】 19ページの絵を見ると,この左上の赤いラインのところですが,ここは断線で全体の機能を停止するところのエリアですね。ここで今回の短絡,若しくは地絡が起こったということでよろしいのですか。

 

【JAXA(羽生)】 いえ,ここの部位は,搭載ロケットの内部になりまして,この緑の下の方に伸びるライン,あるいは青のライン,こちらが機体外の方で一部外になっているような線を含んでいます。

 

【門脇専門委員】 わかりました。
           そうだとすると,ちょっと的外れな質問になるかもしれませんが,この赤いラインの長さとしてはどのぐらいになるのでしょうか。ここはできるだけ小さくしたいのではないですか。

 

【JAXA(羽生)】 この長さはおおよそ20cmぐらいです。搭載盤の上下面を渡すように配線が施工されています。すなわち,これは手前のページを見ていただけるとおわかりかもしれませんが,18ページ,真ん中のところに28ボルト電池というのがありまして,その次にこのPYROと呼ばれる箱,このつなぐ線が先ほどの赤い線になります。

 

【門脇専門委員】 わかりました。
 そうすると,この緑のラインというのは,例えばですけれども,ここが二重化されてはいないのでしょうか。

 

【JAXA(羽生)】 二重化にここはなっています。

 

【門脇専門委員】 わかりました。
           そうすると,二重化されているということは,どちらか一方だけだったら,要するに被覆が外れるみたいなことが起こっても問題とならないはずだけれども,今回二重化されているが,両方とも破損したということになるわけですね。

 

【JAXA(羽生)】 どちらかが損傷しても,この地絡という,グランドに落ちるということが起きれば,電源系への影響は発生します。

 

【門脇専門委員】 二重化したのに,どちらかが地絡してしまうと,両方とも駄目になるのですね。

 

【JAXA(羽生)】 今回,この冗長化した目的としては,電線を細くしていることによる負担を軽減するために,線の数をふやして,太いものを使うよりは,細いものを2本ということで軽量化を図るということを取り組んでまいりました。

 

【門脇専門委員】 そうすると,この緑色の部分は,少なくとも外側を回っているラインになるのですね。

 

【JAXA(羽生)】 はい。一部回る部分があります。

 

【門脇専門委員】 ここの長さはどのぐらいあるのですか。

 

【JAXA(羽生)】 これは,機体の側面に艤装しています。先ほど写真でお見せしたところになりますので,1mぐらいです。

 

【門脇専門委員】 気になるとすれば,やはりそこですよね。アルミ等のエッジが接触する可能性があるところで,地絡を避けるための方策が十分だったかどうかというところが,多分反省点ではなかろうかという点です。

 

【中島主査】 よろしいですか。ほかにございますか。

 

【渡邉専門委員】 本質的な部分ではないと思うのですけれども,接触部分に対するガラステープによる保護による施工は行っていたのですね。それで,この27ページは本当にどうしたか書いてあるのですね。

 

【JAXA(羽生)】 はい,行っていました。

 

【渡邉専門委員】 接触部分は,どのぐらいの力で押し付けられていたかという推定はできていますか。

 

【JAXA(羽生)】 こちらは,無理に押し付けてということではないのですけれども,恐らく数字で言うと100gから200gぐらいの押し力で面を押していたぐらいの,柔らかに押していたという程度だと思います。
 押し付け力というのは,カウリングを押し付けるときの押し付け力と,あと飛行中の加速度による押し付け力,これは9Gぐらいかかっている状態まで達していたところになります。ですから,その電線17本束ねている自重が9Gの加速度を受けているところまで,ある一定の力,荷重を受けているということになりますので,その複合要因というのは,複合的というか,合わさったような力というのはかかっていた可能性はあるかと思います。

 

【渡邉専門委員】 はい。わかりました。

 

【中島主査】 よろしいですか。

 

【折井専門委員】 もう一つ確認したかったのが,25ページ目ですけれども,発生事象についてのA,Bがありまして,Aの方は理解できました。コマンドアンサーのエラーのことですね。Bのセンサ系異常,これは28ボルト系電源がこういうふうになると,センサ系の異常もこのような状況になっていくのは,何か再現されたのでしょうか。そこの関連が少しわかりませんでした。

 

【JAXA(羽生)】 そこにつきましては,まずセンサ系の電源というのは,別の電源を持っています。これは先ほどの18ページの図で言うと,緑色の線で示しているものでありまして,こちらは搭載機器のアビオニクスが持っている電源を使って,センサを動かしているということになります。こちらと28ボルト系の電源ラインというのは独立になっているということなので,センサの異常と28ボルト系の異常というものについては,切り離して考えています。

 

【折井専門委員】 切り離して考えるのは,よいと思いますけれども,要するに28ボルト系が異常になると,結果的にセンサ系もフライトと同じような状況になるのでしょうか。

 

【JAXA(羽生)】 それはなりません。

 

【折井専門委員】 ならないのであれば,どこか別にもう一つ要因があるのではないかということは戻っていくという。それは最後に書いてあるのですね。

 

【JAXA(羽生)】 こちらは二つが,1個では起き得ないのですけれども,二つのコネクタ,双方が壊れたということがあれば,独立のラインですけれども,それが成り立つということは考えると思います。

 

【折井専門委員】 ただ,通常,経験則ですけれども,二つのものが同時に起こるはこと実はなかなか確率的にも難しい話で,一つの事象で説明できることがポイントと思います。二つの事象が同時に生じる説明ができないのであれば。何かほかの要因がまだあるのかなという懸念を抱くのですけれども。

 

【JAXA(羽生)】 その場合については,大本の上流である赤い線のところで,全電源が影響を受けるということになるのですけれども,その場合でも,今回の事象としては,このバックアップ電源を持っている機器が動いていたという事実からすると,単一故障だけでは起き得ない。このコネクタ部分についてはですけれども。

 

 

【馬嶋専門委員】 短い期間でいろいろと原因究明をしていただいてありがとうございます。
 電源異常の推定メカニズムの24ページについて,大電流40アンペア程度が出るということでまとめられているのですが,最初のところの10ページの信号途絶とか,それから13ページ,これは再現できたということが書いてありますが,断続を繰り返しているときは,これで説明できるのでしょうか。

 

【JAXA(羽生)】 まず,この断続というものを考えた理由ですけれども,機体が飛行中は一定の振動を受けているということと,この被覆が一気に損傷したのではなくて,徐々に損傷をしていった場合,その振動とともに接点が何度かでき上がると。その後,最後,接点が被覆も完全にそこは損傷して,電線がむき出しになったところでは短絡が起きたと考えられます。これがほんのわずかな時間ですけれども,ほんの少し被覆の損傷が進んでいたときに,ああいった断続的に短絡が起きるということは想定されます。

 

【馬嶋専門委員】 そもそも,短絡が起こらないように,通常,事前に何か対策をされているということはあるのでしょうか。

 

【JAXA(羽生)】 本来こういったところは,そもそもですけれども,何らか,保護テープを巻くとか,接触を,摩擦に対して耐性を持たせるというところです。今回も施工はしておりましたけれども,そこはちょっと想定を超えていたところがもしかしたらあったかもしれないということです。

 

【中島主査】 摩擦は想定して対策していたのですか。

 

【JAXA(羽生)】 摩擦は想定していました。

 

【中島主査】 摩擦を想定しない設計の方がよいと思います。

 

【JAXA(羽生)】 もちろん,そういった部位がつくられないほうがよいと思いますので,今後はそういったところも配慮した設計にしたいと思います。

 

【野口専門委員】 今回は1時間半という委員会での説明というところで,ポイントをまとめてもらっていると思います。こういう事故調査書の場合は,後から読んだ方が思考過程をトレースできることがとても大事です。そういう意味で,どういう点で,どういう分析と実験を行って,それをどういう総合な観点で,このような結論を出したかという思考過程がトレースできるような報告書にしていただきたいというのが要望です。
 例えば,今回17ページのところに,FTAで設定したトップ事象は下記のとおりと書いてあって,これらの事象が発生する要因について,FTAで解析を実施した結果,以下を抽出したと書いてありますけれども,ここに書いてある内容は,すぐその下に2章の説明よりと書いてあるように,別にFTAだけではなくて,FTAとこういう実験とあわせて,こういうふうになったという,そういう部分があって,結局JAXAとしては,何をどういう手順で,しかもいろいろな解析をやったときには,特にどういう前提において,偶然の故障ということも含めて,二つ,三つのことが同時発生するということも考えていただきたい。また,ある種の意志を持ってやれば,同時に発生させることは可能なわけで,そういうことを考慮に入れたか入れないかによって,報告書の見方が違うのです。だから,我々が報告書の内容というのを十分に分析できているかどうかの判断は,どういう前提において,実は調査,検証されたかということによっても違うのです。
 先ほどおっしゃったように,かなり短期間で積極的な原因究明をやられたということだと思っていますが,今後,追加的な検証,若しくは次のJAXAの新しい模索ということを考えるときに,やはりこういうものがベースになって,この分析でやはり足りないというものが見つかれば,次の人がそこの分析を行っていきますので,そういう意味では,やはりきちんとトレースできるような格好で報告書としてまとめていただきたいというのが,私の要望です。

 

【中島主査】 御要望と言うことでよろしいですか。

 

【野口専門委員】 はい。

 

【中島主査】 どうぞ。

 

【馬嶋専門委員】 冗長系の話ですけれども,冗長系を取り込んでというようなお話をされましたが,同じシステムをダブルで全部取り込んでいくと,もう重さが重くなってしまうので,難しいと思うのです。どこのところに一番冗長性を持たせたら良いと考えておられますか。

 

【JAXA(羽生)】 今回このようなことが起きますと,特にテレメータについては,データがなくなってしまうと,全く判断することができなくなるというところは,非常に困った状況になったと思っていますが,また一方でこのテレメータ送信機のような電力を非常に使う機器に対して,電源を手厚く配分しますと,おっしゃるように質量のバランスとしては厳しい状況になると思います。
 ですので,ここはもう一度検討すべき点として非常に大事だと思っている点ですけれども,どの程度のバックアップをどういう形で配分すればよいかというのは,搭載されている電源リソースをどう配分するかによるところになりますので,ここは今申し訳ありませんが即答はできないところではあります。ここは重点的に検討すべき点だというふうに理解しております。

 

【中島主査】 よろしいですか。
           では,ほかに御質問はありませんか。

それでは,JAXAさんにおかれましては,委員からの御意見を踏まえて,今後の活動に生かしていただければと思います。

 

(2)その他


【中島主査】 それでは,事務局からの連絡事項があればお願いいたします。

 

【事務局(山之内企画官)】 会議資料と議事録の公開について申し上げます。
           宇宙開発利用部会の運営規則に基づいて,本日の会議資料は公開となります。後日,文部科学省のホームページに掲載させていただきます。また,議事録については公開となりますので,委員の皆様に御協力いただいた後,文科省のホームページに掲載させていただきますので,よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

 

【中島主査】 ありがとうございます。
           以上で本日の議事は終了いたしました。
 これをもちまして,本日は閉会といたします。長時間にわたる御審議,まことにありがとうございました。

 

以上

 

(説明者については敬称略)

お問合せ先

研究開発局宇宙開発利用課

-- 登録:平成29年04月 --